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大学生の食生活に関する知識とその関連要因

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Academic year: 2021

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(1)Title. 大学生の食生活に関する知識とその関連要因. Author(s). 岡田, みゆき; 大橋, 裕子. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 71(2): 147-157. Issue Date. 2021-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/11714. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第71巻 第2号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 71, No.2. 令 和 3 年 2 月 February, 2021. 大学生の食生活に関する知識とその関連要因 岡田みゆき・大橋 裕子* 北海道教育大学旭川校家庭科教育研究室 *. 別海町立中西別小学校. Dietary Knowledge of University Students and Effective Factors OKADA Miyuki and OHASHI Yuko* Department of Education, Asahikawa Campus, Hokkaido University of Education *. Nakanishibetsu Elementary School, Bekkai. 概 要 2000年,食生活指針が策定され,2016年にその一部が改訂された。食生活指針には,10項目 が掲げられていて,それを実践するためには,食生活に関する正しい知識が必要である。それ では, 食生活に関する知識を身につけるためには,何が要因としてかかわっているのだろうか。 そこで,大学生の食生活に関する知識並びに,食生活の実態を明らかにすること,食生活に 関する知識とその関連要因を明らかにすることを本研究の目的とした。644名の大学生を対象 にアンケート調査を行った。その結果,大学生の食生活テストの正解率は5割程度で高くはな かった。また,女子学生のほうが知識をより身につけている結果となった。食生活の実態では, 女子学生のほうが男子学生よりも良かった。さらに,大学生の食生活の実態を因子分析した結 果, 「家庭科や食への関心」「調理経験」「食事の実態」の3つの因子が抽出された。「家庭科や 食への関心」が食生活に関する知識の関連要因として認められた。. 1.研究の目的 2000年,国民一人ひとりが食生活の改善に取り組むように,厚生労働省が文部科学省と農林水産省と協議 して,望ましい食生活を示した指針(食生活指針)が策定され,2016年にその一部が改訂された。食生活指 針には10項目が掲げられているが1),それらを実践するためには,家庭や学校,地域で,食生活や食品の安 全性を含めた「食」に関する知識や理解を深め,望ましい習慣を身につけることが必要であると述べられて いる2)。生涯を通じて健康的な食生活を実践したり,改善したりするためには健康に対する意識も大切であ るが,食生活に関する正しい知識が必要であるといえる。そして,その一端を担っている学校教育でも,子 どもたちには,栄養や食事のとり方などについて,正しい基礎知識に基づいて自ら判断し,食生活をコント. 147.

(3) 岡田みゆき・大橋 裕子. ロールしていく,いわば食の自己管理能力が必要であると報告している3)。つまり,健康的な食生活を送る ためには,食生活に関する正しい知識の大切さが指摘されている。 食生活に関する知識を学ぶ主たる教科として家庭科があるが,1994年高等学校の家庭科が男女共修にな り,小中高等学校を通して,男女問わず,すべての子どもたちが食生活に関して学んでいる。それでは,家 庭科などを通して学んだ食生活に関する知識を大学生はどのくらい身につけているのだろうか。 食生活に関する知識の先行研究として,佐々ほか4),杉尾と木村5),會退ほか6),町田・櫛笥7)などが挙げ られる。佐々ほか4)はハンバーグとカレーライスと焼きそばに使う食材名と作り方を小学生に調査している。 杉尾と木村5)は5大栄養素と6つの基礎食品についての知識を中学生に調査している。どちらの研究も対象 が大学生ではないことと質問項目が一部に限られている。生涯を通じて健康な食生活を送るための知識を身 につけているかを調査するためには,家庭科を学び終えた大学生を対象にしたほうがよいと考える。成人を 対象にした研究として會退ほか6)があるが,一食分の量と食事バランスがわかるかの1項目のみであった。 本研究と同様大学生を対象としているのが町田・櫛笥7)の研究である。エネルギー,ミネラル,成人病予防, 塩分などに関する13項目を調査している。健康な食生活を送るための食生活に関する知識として,さらに食 事の役割,調理,食品の選択や保存等に関する質問項目を加え,再調査する必要があると考える。 一方,食生活に関する知識を身につけるためには,何が要因としてかかわっているのだろうか。 岡田と土岐8)は食生活に関する知識は家庭科への関心を高め,直接的ではないが大学生の望ましい食生活 行動に間接的に影響すると指摘している。また,湯と池崎9)の中学生の調査では,家庭科が食生活に関する 知識を習得する拠り所になっていることを報告している。さらに岸本10)は食品添加物に関する情報ではあ るが,中学校家庭科(87.6%)から得ているが最も多く,他の校種や他の教科,テレビ・本からや家族との 会話からなどよりも比較して高かったと指摘している。つまり,食生活に関する知識と家庭科には関連があ り,知識や情報は家庭科から得ていることが予想できる。 2つ目の要因として,調理経験が挙げられる。久保ほか11)は,男子大学生を対象に調理実習と食知識と の関連を調査した結果,調理実習を取り入れると食知識は高まることを指摘した。また,佐々ほか4)の調査 によると,食事作りにかかわる手伝いをしている小学生の食知識は高いことを示した。つまり,調理経験と 食知識との関連性が予想される。 3つ目の要因としては,食事の実態が挙げられる。食生活に関する知識は欠食や食事の時間など食事の実 態と関連があるという6,7)。本田ほか12)や高泉13)も食生活に関する知識と食行動には関連があると指摘して いる。しかしながら,杉尾と木村5)は,五大栄養素の働きが分かることと三食食べるや栄養のバランスを考 えて食べるなどの食行動とは関連が認められなかったと報告している。つまり,食事の実態や行動と食知識 との関連は不確かで,更なる調査が必要である。 さらに,男性と女性では,食生活に関する知識に差があると報告している。町田・櫛笥7)の調査では,食 知識の正答率は男子学生(59.0%) ,女子学生(71.2%)と性差が認められた。また,會退ほか6)も,男性と 女性では食知識の対する価値観が異なり,例えば,女性は体重管理に関する関心が高く,健康に関する意識 も高いため,女性のほうが男性よりも健康的な食習慣に関する知識を有していると指摘している。つまり, 性別による食知識の違いを検討する必要がある。 以上より,食生活に関する知識については食事の役割,調理,食品の選択や保存等に関する質問項目を加 えて再調査が必要である。また食生活に関する知識に影響を及ぼす要因として,家庭科,調理経験,食事の 実態,性別などを取り上げる必要がある。 そこで本研究は,大学生が食生活に関する知識をどの程度身につけているか,その知識を身につけるため の関連要因は何であるかを明らかにすることを目的とした。そのため,大学生の食生活に関する知識並びに,. 148.

(4) 大学生の食生活に関する知識とその関連要因. 食生活の実態を調査することとした。. 2.研究の方法 ⑴ 調査内容 本研究では食生活に関するテスト「食生活テスト」とその関連要因として,自分の食生活に関する項目「食 生活」を調査内容とした。 「食生活テスト」の質問項目は,食生活指針を踏まえ,中学校技術・家庭科用の教科書(開隆堂:2011年 検定)から食事の役割,栄養,調理,食品の選択や保存,食文化など広い範囲から30項目を抽出した。 「食生活」の質問項目は現在の食生活の状況10項目(食べる回数や時間,外食・昼食の状況,調理の有無, 食品の購入や貯蔵など),家庭の影響も考慮するため大学入学前の食生活の状況7項目,食への関心8項目(家 庭科の授業やマスメディアなど)からなる全25項目で作成した。 ⑵ 調査方法 調査対象は教員養成系H大学の大学1年生から4年生,計644名(男子学生311名,女子学生333名)から 回答を得た。調査時期は2019年6月,無記名自記式質問紙調査法により行った。 ⑶ 分析方法 「食生活テスト」では,各項目について4例の中から正しい例を1つ選択することを求めている。各項目 を得点化するため,正解を1点,不正解を0点とし,正解率,平均値,合計得点の平均値を出した。また男 女差があるかどうかを明らかにするため,平均値の差の検定も行った。 「食生活」では,各項目について「よくあてはまる」「ほぼあてはまる」「時々あてはまる」「あまりあて はまらない」 「あてはまらない」の5段階で回答を求めている。各項目を得点化するため,5段階の順に5, 4,3,2,1点を与え平均値を出した。また男女差と居住別の差があるかどうか明らかにするため,それ ぞれ平均値の差の検定と一元配置分散分析(TukeyのHSD法)を行った。次に尺度を作成するため,因子 分析(主因子法,プロマックス回転)と信頼性分析を行った。なお因子負荷量は0.4以上,累積寄与率は 50%以上,α係数は0.7以上を基準に尺度を作成している。そして「食生活」尺度が「食生活テスト」に与 える影響を検討するために,全体と男女別に重回帰分析(強制投入法)を行った。さらに多重共線性の可能 性も考え,相関関係も示した。なお分析はSPSS(Ver.19.0)を用いた。. 3.結果と考察 ⑴ 食生活テスト 表1は「食生活テスト」の結果で,正解率の高い項目順に示した。また男女別の平均値を示し,男女差を 検討するためにt検定を行った。t値がプラスの場合は男子学生が女子学生より平均値が高いことを示し, マイナスの場合は女子学生が男子学生より平均値が高いことを示す。 全体の正解率は54.9%で半分程度しか理解していなかった。正解率が高い項目は「食生活指針として正し くないものはどれか」(97.2%)や「食事の役割として正しくないものはどれか」(88.2%)など,望ましい 食生活や食事の役割に関する内容であった。また「下の絵の野菜の切り方の名称はどれか」(92.7%) ,「小 さじ1とは何㎖か」(73.9%),「ゴボウなどの褐変を防ぐ方法はどれか」(60.7%)など,調理に関する内容. 149.

(5) 岡田みゆき・大橋 裕子. の正解率も高かった。この他「体の調子を整える役割がある栄養素はどれか」(85.4%)や「水分のはたら きとして正しくないものはどれか」(83.7%)など,栄養や栄養素に関する内容の正解率も高かった。 一方,正解率が低い項目は, 「加工食品への表示が義務づけられていないものはどれか」 (7.5%),「牛乳 大学生の食生活に関する知識とその関連要因 を酵素と乳酸菌で固めた加工食品はどれか」(9.3%),「6つの基礎食品群の4群に含まれる食品はどれか」 (73.9%),「ゴボウなどの褐変を防ぐ方法はどれか」(60.7%)など,調理に関する内容の正解率も高かった。この他 (28.3%) , 「加工食品に表示を義務づけられている食物アレルギー物質はどれか」(34.8%)など,食品特に 「体の調子を整える役割がある栄養素はどれか」(85.4%)や「水分のはたらきとして正しくないものはどれか」 加工品に関する内容であった。また「郷土料理と都道府県の組み合わせとして正しくないものはどれか」 (83.7%)など,栄養や栄養素に関する内容の正解率も高かった。 (39.8%) , 「行事と行事食の組み合わせとして正しくないものはどれか」(49.7%),郷土料理や行事食など 一方,正解率が低い項目は,「加工食品への表示が義務づけられていないものはどれか」(7.5%),「牛乳を酵 食文化に関する内容についても正解率は高くなかった。 素と乳酸菌で固めた加工食品はどれか」(9.3%),「6つの基礎食品群の4群に含まれる食品はどれか」(28.3%), 男女差については,全体の正解率は女子学生(平均17.05,SD3.10,正解率56.8%)が男子学生(平均 「加工食品に表示を義務づけられている食物アレルギー物質はどれか」(34.8%)など,食品特に加工品に関する 15.86,SD3.20, 正解率52.8%)よりも有意に高かった(t(644)=-4.79,p<0.001)。特に差が大きい項目は, 内容であった。また「郷土料理と都道府県の組み合わせとして正しくないものはどれか」(39.8%),「行事と行事食 「春が旬の野菜はどれか」(t(644)=-5.51,p<0.001),「行事と行事食の組み合わせとして正しくないも の組み合わせとして正しくないものはどれか」(49.7%),郷土料理や行事食など食文化に関する内容についても正 のはどれか」 (t(644)=-4.73,p<0.001)など,食文化に関する内容であった。食文化に関しては,女子学 解率は高くなかった。 生のほうが正解率が著しく高かった。反対に男女差がほとんど見られない項目は, 「食料がどのくらいの距 男女差については,全体の正解率は女子学生(平均 17.05, SD3.10,正解率 56.8%)が男子学生(平均. 離を輸送されて消費者に届いたか数字で表したものを何というか」 (t 644)=-0.03),「魚介類の刺身やす 15.86,SD3.20,正解率 52.8%)よりも有意に高かった(t(644)=-4.79, p( <0.001)。特に差が大きい項目は, 表1 食生活テスト 表1 食生活テスト 項 . 目. 男子学生. 正解率(%). 女子学生. t値. 平均値. 標準偏差. 平均値. 標準偏差. 食生活指針として正しくないものはどれか. 97.2. 0.96. 0.19. 0.98. 0.13. -1.58. 下の絵の野菜の切り方の名称はどれか. 92.7. 0.9. 0.3. 0.95. 0.22. -2.22*. 器を箸で引き寄せたり,移動させることを何というか. 92.1. 0.89. 0.31. 0.95. 0.22. -2.75**. 食事の役割として正しくないものはどれか. 88.2. 0.86. 0.36. 0.91. 0.28. -2.53*. 家族で一緒に食事をしているが,それぞれが食べたいものを食べることを何というか. 86.3. 0.82. 0.38. 0.9. 0.3. -2.89**. 体の調子を整える役割がある栄養素はどれか. 85.4. 0.87. 0.33. 0.83. 0.37. 1.43. 水分のはたらきとして正しくないものはどれか. 83.7. 0.79. 0.41. 0.88. 0.33. -2.85**. 春が旬の野菜はどれか. 81.5. 0.73. 0.45. 0.89. 0.31. -5.51***. 食料がどのくらいの距離を輸送されて消費者に届いたか数字で表したものを何というか. 80.4. 0.8. 0.4. 0.8. 0.4. -0.03. 小さじ1とは何㎖か. 73.9. 0.69. 0.46. 0.78. 0.42. -2.68**. 食料自給率が一番低い国はどれか. 72.5. 0.73. 0.45. 0.72. 0.45. 0.08. 和食の配膳として正しいものはどれか. 70.8. 0.67. 0.47. 0.75. 0.44. -2.30*. ゴボウなどの褐変(切り口の色が黒っぽく変化すること)を防ぐ方法はどれか. 60.7. 0.57. 0.5. 0.64. 0.48. -1.91. マークと名称の組み合わせとして正しくないものはどれか. 55.9. 0.57. 0.5. 0.55. 0.5. 0.66. 食塩の取りすぎが原因となって発症する生活習慣病として,正しくないものはどれか. 53.7. 0.52. 0.5. 0.56. 0.5. -0.96. だしをとる際,こんぶを取り出すタイミングとして正しいのはどれか. 50.9. 0.49. 0.5. 0.53. 0.5. -0.85. 行事と行事食の組み合わせとして正しくないものはどれか. 49.7. 0.4. 0.49. 0.59. 0.49. -4.73***. 冷蔵庫のうち,冷蔵室の温度として適切なものはどれか. 49.5. 0.51. 0.5. 0.48. 0.6. 0.78. 郷土料理と都道府県の組み合わせとして正しくないものはどれか. 39.8. 0.41. 0.49. 0.39. 0.49. 0.54. 39. 0.37. 0.48. 0.41. 0.49. -1. 6つの基礎食品群の中で,主に体の組織をつくる役割があるのは何群か. 37.7. 0.34. 0.47. 0.41. 0.49. -2.01*. とうふ用凝固剤として用いられる食品添加物はどれか. 35.4. 0.34. 0.47. 0.37. 0.48. -0.84. 加工食品に表示を義務づけられている食物アレルギー物質はどれか. 34.8. 0.31. 0.46. 0.38. 0.49. -1.85. ハンバーグを作る際,ひき肉に塩を加える理由はどれか. 31.5. 0.31. 0.46. 0.32. 0.47. -0.34. 6つの基礎食品群の4群に含まれる食品はどれか. 28.3. 0.27. 0.44. 0.3. 0.46. -0.86. 中学生が1日あたりに摂取することが望ましいエネルギーは約何kcalか. 27.8. 0.29. 0.46. 0.26. 0.44. 0.8. 魚介類の刺身やすし類に感染する細菌はどれか. 16.3. 0.16. 0.37. 0.16. 0.37. 0.06. 食事バランスガイドのこまの軸になっているのはどれか. -1.53. カルシウムを一番多く含む食品はどれか(可食部100gあたり). 14.8. 0.13. 0.33. 0.17. 0.38. 牛乳を酵素と乳酸菌で固めた加工食品はどれか. 9.3. 0.09. 0.29. 0.1. 0.3. -0.26. 加工食品への表示が義務づけられていないものはどれか. 7.5. 0.7. 0.25. 0.08. 0.27. -0.65. 54.9. 15.86. 3.2. 17.05. 3.1. -4.79***. 合 計 *** * *** ** p<0.001,**p<0.01, p<0.05*. p<0.001,. 150. p<0.01, p<0.05. 4.

(6) 大学生の食生活に関する知識とその関連要因 岡田みゆき ・大橋裕子. 表 2 男女別の食生活の実態 表2 男女別の食生活の実態 質問項目. 男子学生. 女子学生. t値. 平均値. 標準偏差. 平均値. 標準偏差. 毎日三食食べている. 3.28. 1.45. 3.39. 1.35. -0.97. 一日一食は自分で作っている(または手料理を食べている). 2.87. 1.39. 3.2. 1.39. -2.98**. あまり外食をしない. 2.68. 1.1. 2.98. 1.05. -3.61***. 栄養のバランスを考えて食べる. 2.82. 1.2. 2.95. 1.08. -1.47. 食事の時間を決めている. 2.57. 1.24. 2.55. 1.18. 0.2. 自分で食材を買いに行く. 3.2. 1.44. 3.41. 1.41. -1.83. 2.07. 1.21. 2.14. 1.12. -0.7. 2.7. 1.19. 2.83. 1.03. -1.42. 食材の正しい保存の仕方がわかる. 2.66. 1.05. 2.79. 1.04. -1.62. コンビニやスーパーの弁当・総菜をあまり食べない. 2.85. 1.25. 3.08. 1.15. -2.43*. 毎日決まった時間に食事をしていた. 4.03. 1.11. 4.05. 1.11. -0.32. 毎日手作りの料理を食べていた. 4.14. 1.06. 4.37. 0.98. -2.85**. あまり外食していなかった. 3.62. 1.02. 3.76. 0.95. -1.87. 家で調理の手伝いをしていた. 2.57. 1.22. 2.95. 1.13. -4.13***. 家族と(または一人で)食材の買い出しに行っていた. 2.85. 1.26. 3.34. 1.25. -4.95***. 家族から食事のマナーを教わった. 3.97. 0.95. 4.02. 1.08. -0.59. 家族から食生活に関する知識を学んだ. 3.51. 1.08. 3.73. 1.08. -2.56*. 家庭科の授業が好きだった. 3.19. 1.19. 3.76. 1.1. -6.27***. 家庭科の授業の中で特に食生活分野が好きだった. 3.13. 1.23. 3.5. 1.19. -3.91***. 食生活の授業の内容で印象に残っている部分がある. 3.06. 1.21. 3.41. 1.19. -3.70***. 食生活の授業の内容が生活に役立っている. 3.15. 1.14. 3.51. 1.09. -4.16***. 食に関する本・雑誌を読む. 2.57. 1.23. 2.93. 1.24. -3.68***. 食に関するテレビを見る. 2.87. 1.22. 3.24. 1.17. -3.91***. 3.4. 1.28. 3.63. 1.2. -2.34*. 4.36. 0.96. 4.51. 0.9. -2.09*. 現在の食生活. 食品の表示やマークを見て購入している 食品の鮮度や品質の良し悪しがわかる. 大学入学前の食生活. 食への関心. 調理が好きである 食べることが好きである *** * p<0.001,**p<0.01, p<0.05 * *** **. p<0.001,. p<0.01, P<0.05. し類に感染する細菌はどれか」(t(644)=0.06), 「食料自給率が一番低い国はどれか」(t(644)=0.08)など, 「春が旬の野菜はどれか」(t(644)=-5.51,p <0.001),「行事と行事食の組み合わせとして正しくないものは 食料問題や食中毒に関する内容であった。食料問題や食中毒など主に家庭科の教科書から得られる知識につ どれか」(t(644)=-4.73,p<0.001)など,食文化に関する内容であった。食文化に関しては,女子学生のほうが いては男女差ないが,食文化など家庭内でも得られる知識については女子学生のほうが男子学生よりも正解 正解率が著しく高かった。反対に男女差がほとんど見られない項目は,「食料がどのくらいの距離を輸送されて消 率が高くなるのではないかと考えられる。 費者に届いたか数字で表したものを何というか」(t(644)=-0.03),「魚介類の刺身やすし類に感染する細菌はど 以上から大学生が食生活に関する知識を十分に身につけているとは言い難い。特に食品や食文化に関する れか」(t(644)=0.06),「食料自給率が一番低い国はどれか」(t(644)=0.08)など,食料問題や食中毒に関する 知識は不十分と言える。ただし多くの大学生は望ましい食生活や食事の役割,調理に関する内容,栄養や栄 5 151.

(7) 岡田みゆき・大橋 裕子. 養素についてはよく理解していた。また食生活に関する知識の量は女子学生のほうが多かった。特に食文化 に関する知識については男女差が大きかったが,食料問題や食中毒などに関する内容は男女差がほとんどな かった。 ⑵ 「食生活」の実態 表2は「食生活」の実態を男女別に示した結果である。「食事の時間を決めている」 (( t 644)=0.20)以外は, 女子学生のほうが男子学生よりも高い平均値を示しており,食生活の実態は女子学生のほうがよいといえる。 また「食への関心」の区分では,すべて項目に男女差がみられ,女子のほうが食への関心が高いといえる。 特に有意差が大きい項目としては, 「家庭科の授業が好きだった」(t(644)=-6.27,p<0.001), 「家族と(ま たは一人で)食材の買い出しに行っていた」(t(644)=-4.95,p<0.001),「食生活の授業の内容が生活に役 立っている」 (t (644)=-4.16,p<0.001),「家で調理の手伝いをしていた」(t(644)=-4.13,p<0.001)な どであった。女子学生のほうが男子学生よりも家庭科の授業が好きで,役立っていたと感じていた。また家 庭で食材の買い出しに行ったり,調理の手伝いをしたりした経験が多かった。 また「食に関するテレビを見る」 (t(644)=-3.91,p<0.001),「食に関する本・雑誌を読む」(t(644)= -3.68,p<0.001)などから,女子学生は食に関する雑誌やテレビを見ることが多い。さらに「あまり外食 をしない」 (t (644)=-3.61,p<0.001), 「一日一食は自分で作っている(または手料理を食べている)」 (t(644) =-2.98,p<0.01),「毎日手作りの料理を食べていた」(t(644)=-2.85,p<0.01),「コンビニやスーパー の弁当・総菜をあまり食べない」 (t(644)=-2.43,p<0.05)など,過去においても現在においても,女子 学生は外食や中食が少なく,自分で料理をしていることが多いことが分かった。 以上から,女子学生のほうが男子学生よりも家庭科の授業が好きで,役立っていたと感じていて,家庭科 に関する関心が高かった。そして,現在においても食に関する雑誌やテレビを見ることが多く,食への関心 が高いといえる。また,女子学生のほうが家庭で食材の買い出しに行ったり,調理の手伝いをしたり,調理 に関する経験も豊富で,現在でも調理をしていることが男子学生よりも多かった。つまり,女子学生のほう が男子学生よりも食生活の実態がよいといえる。 表3は居住形態別(一人暮らし,食事付きの下宿,実家)の3つのクラスターを独立変数,「食生活」の 実態を従属変数とした一元配置分散分析を行った結果である。全体的には,「現在の食生活」の区分におい て居住の違いによる食生活の実態の差が多く見られた。 特に一人暮らしの学生が下宿生や実家生よりも多くみられた項目は「自分で食材を買いに行く」 (F=150.42,p<0.001),「一日一食は自分で作っている」(F=17.5,p<0.001),「食品の鮮度や品質の良し 悪しがわかる」 (F=10.09,p<0.001),「調理が好きである」(F=7.66,p<0.01)などであった。一人暮ら しの学生は調理を実際に行う経験が多いことから,このような結果になったと考えられる。反対に実家生が 一人暮らしの学生や下宿生よりも多く見られた項目は「毎日三食食べている」(F=29.61,p<0.001) , 「コ ンビニやスーパーの弁当や・総菜をあまり食べない」 (F=10.45,p<0.001), 「あまり外食しない」 (F=5.62, p<0.01)であった。また実家生が一人暮らしの学生よりも多く見られた項目は「食事の時間を決めている」 (F=5.96,p<0.01),「栄養のバランスを考えて食べる」(F=4.32,p<0.05)であった。実家生は家庭料理 を食べる機会が多く,健康な食習慣を送っていることがわかる。一方一人暮らしの学生は調理をする経験は 多いが,食習慣は乱れているといえる。. 152.

(8) 岡田みゆき ・大橋裕子. 大学生の食生活に関する知識とその関連要因. 表表3 居住別の食生活の実態 3 居住別の食生活の実態 質問項目. 一人(n=434 ) 平均値. 下宿(n=44 ). 標準偏差 平均値. 実家(n=160). 標準偏差 平均値. 標準偏差. F値. 多重比較. 現 在 の食 生 活 3.1. 1.38. 3.09. 1.4. 4.04. 1.21. 29.61*** 実家>一人, 実家>下宿. 一日一食は自分で作る(または手 料理を食べている). 3.25. 1.25. 2.34. 1.58. 2.64. 1.57. 17.5*** 一人>下宿, 一人>実家. あまり外食をしない. 2.77. 1.06. 2.59. 1.09. 3.07. 1.1. 5.62**. 実家>一人, 実家>下宿. 栄養のバランスを考えて食べる. 2.81. 1.08. 2.86. 1.36. 3.12. 1.2. 4.32*. 実家>一人. 食事の時間を決めている. 2.45. 1.17. 2.7. 1.23. 2.82. 1.26. 5.96**. 実家>一人. 自分で食材を買いに行く. 3.86. 1.18. 2.14. 1.42. 2.13. 1.1. 食品の表示やマークを見て購入し ている. 2.2. 1.2. 1.82. 1.13. 1.94. 1.08. 食品の鮮度や品質の良し悪しがわ かる. 2.89. 1.11. 2.25. 1.01. 2.57. 1.07. 食材の正しい保存の仕方がわかる. 2.79. 1.04. 2.45. 0.93. 2.62. 1.1. コンビニやスーパーの弁当・総菜を あまり食べない. 2.9. 1.17. 2.45. 1.13. 3.28. 1.25. 毎日決まった時間に食事をして いた. 4.03. 1.09. 4.25. 0.97. 4.04. 1.18. 毎日手作りの料理を食べていた. 4.29. 0.99. 4.48. 0.7. 4.1. 1.16. 3.18. あまり外食していなかった. 3.73. 0.97. 3.55. 1.02. 3.63. 1.02. 1.15. 家で調理の手伝いをしていた. 2.82. 1.18. 2.66. 1.24. 2.63. 1.19. 1.8. 家族と(または一人で)食材の買い 出しに行っていた. 3.2. 1.25. 3.2. 1.42. 2.83. 1.28. 5.08**. 家族から食事のマナーを教わった. 4.02. 0.99. 4.05. 1.03. 3.9. 1.1. 0.82. 家族から食生活に関する知識を学 んだ. 3.67. 1.06. 3.48. 1.19. 3.52. 1.13. 1.5. 3.5. 1.22. 3.52. 1.13. 3.42. 1.1. 0.29. 家庭科の授業の中で特に食生活 分野が好きだった. 3.29. 1.23. 3.36. 1.3. 3.38. 1.21. 0.32. 食生活の授業の内容で印象に 残っている部分がある. 3.22. 1.24. 3.2. 1.11. 3.33. 1.18. 0.45. 食生活の授業の内容が生活に 役立っている. 3.35. 1.13. 3.3. 1.05. 3.3. 1.16. 0.14. 食に関する本・雑誌を読む. 2.79. 1.25. 2.45. 1.25. 2.71. 1.24. 1.56. 食に関するテレビを見る. 3.09. 1.25. 2.86. 1.15. 3.06. 1.13. 0.69. 調理が好きである. 3.64. 1.23. 3.02. 1.25. 3.32. 1.22. 7.66**. 食べることが好きである. 4.43. 0.95. 4.43. 0.93. 4.44. 0.94. 0.02. 毎日三食食べている. 150.42*** 一人>下宿, 一人>実家 4.21 10.09*** 一人>下宿, 一人>実家 3.13 10.45*** 実家>一人 >下宿. 大 学 入 学 前 の食 生 活 0.81. 一人>実家. 食 へ の関 心 家庭科の授業が好きだった. 一人>下宿, 一人>実家. ***. p<0.001,**p<0.01,*p<0.05. 7. 153.

(9) 大学生の食生活に関する知識とその関連要因 ***. p<0.001,**p<0.01,*p<0.05 岡田みゆき・大橋 裕子. 表 4 食生活尺度 表4 食生活尺度 質問項目. 因子負荷量. 平均値 標準偏差. 共通性 相関係数. 第1因子. 第2因子. 第3因子. 因子1 家庭科や食への関心(α=0.88) 家庭科の授業の中で特に食生活分野が好きだった. 3.32. 1.22. 0.86. -0.1. 0.04. 0.64. 0.74. 食生活の授業の内容が生活に役立っている. 3.34. 1.13. 0.85. -0.04. -0.02. 0.64. 0.76. 食生活の授業の内容で印象に残っている部分がある. 3.25. 1.21. 0.8. -0.06. 0.03. 0.58. 0.71. 家庭科の授業が好きだった. 3.48. 1.18. 0.8. -0.08. 0.02. 0.63. 0.68. 食に関する本・雑誌を読む. 2.75. 1.25. 0.52. 0.28. -0.04. 0.6. 0.63. 食に関するテレビを見る. 3.07. 1.21. 0.52. 0.21. -0.06. 0.56. 0.6. 食品の鮮度や品質の善し悪しがわかる. 2.77. 1.11. 0.02. 0.7. -0.01. 0.52. 0.59. 食材の正しい保存の仕方がわかる. 2.73. 1.05. -0.03. 0.68. 0.08. 0.54. 0.57. 自分で食材を買いに行く. 3.31. 1.43. -0.16. 0.55. 0.04. 0.34. 0.45. 家で調理の手伝いをしていた. 2.77. 1.19. 0.11. 0.51. -0.09. 0.4. 0.49. 家族と(または一人で)食材の買い出しに行っていた. 3.11. 1.28. 0.16. 0.47. -0.14. 0.39. 0.44. 調理が好きである. 3.52. 1.24. 0.36. 0.46. -0.04. 0.5. 0.52. 一日一食は自分で作る(または手料理を食べている) 3.04. 1.4. -0.15. 0.46. 0.34. 0.4. 0.44. 因子2 調理経験(α=0.77). 因子3 食事の実態(α=0.64) 毎日三食食べている. 3.34. 1.4. 0.16. -0.18. 0.61. 0.27. 0.44. 食事の時間を決めている. 2.56. 1.21. 0.05. 0.07. 0.5. 0.34. 0.45. コンビニやスーパーの弁当・総菜をあまり食べない. 2.96. 1.2. -0.1. 0.04. 0.48. 0.27. 0.34. 栄養のバランスを考えて食べる. 2.89. 1.14. 0.21. 0.12. 0.48. 0.4. 0.44. あまり外食をしない. 2.83. 1.09. -0.13. -0.02. 0.47. 0.26. 0.3. 30.74. 43.21. 51.78. 寄与率(%). ⑶ 「食生活」尺度 (3) 「 食 生 活 」尺 度 「食生活」における25項目の平均値,標準偏差を算出した。天井効果(「食品の表示やマークを見て購入 「食生活」における 25 項目の平均値,標準偏差を算出した。天井効果(「食品の表示やマークを見て購入 している」 )およびフロア効果(「毎日決まった時間に食事をしていた」, 「毎日手作りの料理を食べていた」, している」)およびフロア効果(「毎日決まった時間に食事をしていた」,「毎日手作りの料理を食べていた」, 「家族から食事のマナーを教わった」 「食べることが好きである」)の見られた5項目を分析から除外した。 , 「家族から食事のマナーを教わった」,「食べることが好きである」)の見られた 5 項目を分析から除外した。20 20項目に対して主因子法・プロマックス回転による因子分析を行った結果,十分な因子負荷量を示さなかっ 項目に対して主因子法・プロマックス回転による因子分析を行った結果,十分な因子負荷量を示さなかった た( 「あまり外食していなかった」,「家族から食生活に関する知識を学んだ」 )2項目を分析から削除した。 (「あまり外食していなかった」,「家族から食生活に関する知識を学んだ」)2 項目を分析から削除した。再度, 再度,因子分析を行った結果,表4が示すように, 「食生活」については3因子が抽出された。 因子分析を行った結果,表 4 が示すように,「食生活」については 3 因子が抽出された。 第 1 因子は 6 項目で構成されており,家庭科の食生活分野の授業や食に関する本や雑誌やテレビに関心があ 第1因子は6項目で構成されており,家庭科の食生活分野の授業や食に関する本や雑誌やテレビに関心が るという内容の項目が高い負荷量を示していたため「家庭科や食への関心」因子と命名した。第 2 因子は 7 項目で あるという内容の項目が高い負荷量を示していたため「家庭科や食への関心」因子と命名した。第2因子は 8 7項目で構成されており,食材を選んだり,自分で調理をしたりするなどの項目が高い負荷量を示していた. ため「調理経験」因子と命名した。第3因子は5項目で構成されており,三食を決まった時間に食べるや中 食や外食に関する内容の項目が高い負荷量を示していたため「食事の実態」因子と命名した。 「食生活」尺度の3つの下位尺度に相当する項目の平均値を算出し,「家庭科や食への関心」下位尺度得. 154.

(10) 大学生の食生活に関する知識とその関連要因 岡田みゆき ・大橋裕子. 点(平均3.20,SD0.95) , 「調理経験」下位尺度得点(平均3.03,SD0.81),「食事の実態」下位尺度得点(平 構成されており,食材を選んだり,自分で調理をしたりするなどの項目が高い負荷量を示していたため「調理経験」 均2.92,SD0.78)とした。内的整合性を検討するために各下位尺度のα係数を算出したところ,「家庭科や 因子と命名した。第 3 因子は 5 項目で構成されており,三食を決まった時間に食べるや中食や外食に関する内容 食への関心」でα=0.88, 「調理経験」でα=0.77と十分な値が得られた。なお「食事の実態」でα=0.64と の項目が高い負荷量を示していたため「食事の実態」因子と命名した。 十分な値ではないが,修正済み合計相関も一定値認められているので分析に用いた。 「食生活」尺度の 3 つの下位尺度に相当する項目の平均値を算出し,「家庭科や食への関心」下位尺度得点(平 均 3.20,SD0.95),「調理経験」下位尺度得点(平均 3.03,SD0.81),「食事の実態」下位尺度得点(平均 2.92, ⑷ 「食生活テスト」と影響要因との関連性 SD0.78)とした。内的整合性を検討するために各下位尺度の α 係数を算出したところ,「家庭科や食への関心」で 「家庭科や食への関心」 ,「調理経験」 ,「食事の実態」の各下位尺度が「食生活テスト」にどのように影響 α=0.88,「調理経験」で α=0.77 と十分な値が得られた。なお「食事の実態」で α=0.64 と十分な値ではないが,. を及ぼしているのかを検討するために, 全体と男女別に重回帰分析を行った。表5は「家庭科や食への関心」, 修正済み合計相関も一定値認められているので分析に用いた。 「調理経験」 「食事の実態」の各下位尺度を独立変数に, , 「食生活テスト」を従属変数とした重回帰分析を行っ た結果である。 ( 4 ) 「 食 生 活 テスト 」 と 影 響 要 因 と の関 連 性 全体については, 「食生活テスト」(R2=0.05,p<0.001)に対して「家庭科や食への関心」(β=0.19, 「家庭科や食への関心」,「調理経験」,「食事の実態」の各下位尺度が「食生活テスト」にどのように影響を及ぼし ているのかを検討するために,全体と男女別に重回帰分析を行った。表 5 は「家庭科や食への関心」,「調理経験」, p<0.001)は有意な正の影響を与えていた。また「食生活テスト」と「家庭科や食への関心」や「調理経験」 「食事の実態」の各下位尺度を独立変数に,「食生活テスト」を従属変数とした重回帰分析を行った結果である。 はいずれも正の相関関係が認められた。男子学生については, 「食生活テスト」(R2=0.05,p<0.01)に対し 全体については,「食生活テスト」( R2=0.05,pは有意な正の影響を与えていた。また <0.001)に対して「家庭科や食への関心」(β=0.19, p<0.001) て「家庭科や食への関心」 (β=0.21,p<0.01) 「食生活テスト」 と「家 は有意な正の影響を与えていた。また「食生活テスト」と「家庭科や食への関心」や「調理経験」はいずれも正の相 庭科や食への関心」や「調理経験」はいずれも正の相関関係が認められた。女子学生については, 「食生活 関関係が認められた。男子学生については,「食生活テスト」( R2=0.05,p<0.01)に対して「家庭科や食への関 テスト」 (R2=0.02)に対して有意な影響を与えた下位尺度はなかった。なお「食生活テスト」と「家庭科 心」(β=0.21, p <0.01)は有意な正の影響を与えていた。また「食生活テスト」と「家庭科や食への関心」や「調理 や食への関心」は正の相関関係が認められた。 経験」はいずれも正の相関関係が認められた。女子学生については,「食生活テスト」( R2=0.02)に対して有意な 全体としては, 「家庭科や食への関心」がp<0.001有意水準で「食生活テスト」に影響を及ぼし,他の要 影響を与えた下位尺度はなかった。なお「食生活テスト」と「家庭科や食への関心」は正の相関関係が認められた。 因は影響を及ぼしていなかった。その傾向は男子学生にも認められ,p<0.01有意水準で「家庭科や食への. 全体としては,「家庭科や食への関心」が p<0.001 有意水準で「食生活テスト」に影響を及ぼし,他の要因は影 関心」が「食生活テスト」に影響を及ぼしていた。しかしながら女子学生においては, 「食生活テスト」に 響を及ぼしていなかった。その傾向は男子学生にも認められ,p<0.01 有意水準で「家庭科や食への関心」が「食 影響を及ぼす要因は見つからなかった。 生活テスト」に影響を及ぼしていた。しかしながら女子学生においては,「食生活テスト」に影響を及ぼす要因は見 このことから,家庭科に関心が高く食に関する本やテレビを見る男子学生は,食生活に関する知識をより つからなかった。 身につけていることが分かった。つまり男子学生においては,家庭科において食に関する知識を学ぶことが このことから,家庭科に関心が高く食に関する本やテレビを見る男子学生は,食生活に関する知識をより身につ とても重要であるといえる。 けていることが分かった。つまり男子学生においては,家庭科において食に関する知識を学ぶことがとても重要であ るといえる。. 4.まとめ 4.まとめ 大学生が食生活に関する知識をどの程度身につけているか,その知識を身につけるための関連要因は何で. あるかを明らかにするため,大学生の食生活に関する知識並びに食生活の実態に関するアンケート調査を 大学生が食生活に関する知識をどの程度身につけているか,その知識を身につけるための関連要因は何である 行った。その結果,以下のことが明らかになった。 かを明らかにするため,大学生の食生活に関する知識並びに食生活の実態に関するアンケート調査を行った。そ の結果,以下のことが明らかになった。 表 5 食生活テストと他の要因との関係 表5 食生活テストと他の要因との関係 全 体. 男子学生. 平均値. β. 家庭科や食への関心. 3.2. 0.19***. 0.20**. 3. 0.21**. 0.22**. 調理経験. 3.03. 0.06. 0.14**. 2.9. 0.06. 食事の実態. 2.91. -0.05. 0.01. 2.83. -0.07. R. 2. 単相関係数 平均値. 0.05***. β=標準偏回帰係数 ***p<0.001,**p<0.01,*p<0.05. β. 女子学生. 0.05**. β. 単相関係数. 3.39. 0.11. 0.13*. 0.13*. 3.16. 0.05. 0.09. -0.01. 2.99. -0.05. -0.01. 単相関係数 平均値. 0.02. 9 155.

(11) 岡田みゆき・大橋 裕子. 大学生の食生活テストの正解率は5割程度で高くはなかった。食品や食文化に関する知識は特に不十分で あった。しかし,望ましい食生活や食事の役割,調理に関する内容,栄養や栄養素についてはよく理解して いた。 また,町田・櫛笥7)の調査と同様に,女子学生のほうが食知識の正解率が高い結果となった。特に,食文 化に関する知識の正解率が高かったが,食料問題や食中毒などに関する内容は男女差がほとんどなかった。 食生活の実態についても,女子学生のほうが男子学生よりも良いという結果であった。以前から家庭科を 通して食への関心が高く,現在においても,食に関する雑誌やテレビを見ることが男子学生よりも多かった。 また,家庭で食材の買い出しに行ったり,調理の手伝いをしたり,調理に関する経験も豊富で,現在でも調 理をしていることが男子学生よりも多かった。つまり,女子学生は食生活に関する学習を受けた以後も,日 常の中で食に関する情報を得て,実践していることが男子学生よりも多いといえる。會退ほか6)が指摘した ように,女性のほうが男性よりも健康に関する意識が高いため,健康的な食習慣に関する知識を家庭科以外 からも得ていると考えられる。また,居住形態別から食生活の実態を調査した結果から,居住の違いによる 現在の食生活の実態の差が多く見られた。一人暮らしの学生は調理をする経験は多いが食習慣は乱れていて, 反対に実家生は健康な食習慣を送っているが調理の経験は少なかった。健康的な食生活を自律的に行えるよ うにすることが今後の課題といえる。 食生活に関する知識の関連要因としては「家庭科や食への関心」が認められた。特にこの傾向は男子学生 に見られた。家庭科に関心が高く,食に関する本やテレビを見る男子学生は,食生活に関する知識を多く得 ていることが分かった。つまり男子学生においては,家庭科において食に関する知識を学ぶことがとても重 要であるといえる。一方女子学生は,食生活に関する知識の関連要因は明らかにならなかった。家庭科や食 への関心だけではなく,調理経験や家庭での影響など様々な要因が関連しているものと考えられる。 このことから,食生活に関する知識を身につけるためには,やはり家庭科に負うところが大きいといえる。 男子学生においては,家庭科に興味・関心があった学生は食生活に関する知識に直接的に影響を及ぼしてい る。女子学生には認められなかったが,調査の中では,家庭科や食への関心と調理経験や食事の実態とは相 関が認められた。つまり,家庭科や食への関心が高かった女子学生は,食事もきちんと3食食べ,調理をし ている。直接的な影響はなくても,間接的に食生活に関する知識の習得を促していると考えられる。である から家庭科における食教育をさらに充実させることが食生活に関する知識の習得につながり,ひいては国民 一人ひとりが健康的な食生活を送る素地を築くことにつながると考えられる。. 謝 辞 本稿執筆にあたりまして,研究の資料収集に協力いただいた北海道教育大学教育学部旭川校生活技術教育 専攻卒業生杉山茉文さんに心から感謝申し上げます。. 引用文献 1)農林水産省:食生活指針について, http//www.maff.go.jp/j/syokuiku/shishinn.html. (入手日:2019.7.10) 2)農林水産省:食生活指針の解説要領について, http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/attach/pdf/shishinn-5.pdf. (入手日:2019.11.5) 3)文部科学省:食に関する指導の手引き(第二次改訂版) , www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/04/19/1293002_ 3_1.pdf. (入手日:2019.11.5). 156.

(12) 大学生の食生活に関する知識とその関連要因. 4)佐々尚美,加藤佐千子,田中宏子,貴田康乃.大人と一緒の食事が子どもの食意識・食態度・食知識に及ぼす影響.日本 家庭科教育学会誌.2003,46⑶,226-233 5)杉尾直子,木村志緒.五大栄養素等の食知識の習得状況および食行動の実態.南九州大学研究報告,A,自然科学編. 2015,45,47-54 6)會退友美,赤松利恵,林芙美,武美ゆかり.成人期の食に関する主観的QOL (subjective diet-related of life (SDQOL)) と食知識,食習慣の関連.栄養学雑誌.2013,71⑶,163-170 7)町田和恵,櫛笥隆弘.大学生の食知識と食生活.鹿児島県立短期大学紀要.1998,27,1-3 8)岡田みゆき,土岐圭佑.大学生の食生活の実態とその関連要因.日本教科教育学会誌.2012,35⑵,91-98 9)湯暁逾,池崎喜美惠.中日都市部における中学生の食生活の実態.日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要 旨集.2014,A3-7 10)岸本妙子.大学の教養科目における消費生活力育成に関する研究:塩分摂取及び食品添加物に関する食育教材と家庭科. 日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集.2011,A3-6 11)久保加織,竹本真理子,堀越昌子,増澤康男,岸田恵津,中西洋子,細谷圭助. 「生涯を通した食物教育プログラム」に おける調理実習の意義:若年男性における調査より.日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集.2003,36 12)本田藍,甲斐結子,秋永優子,保坂稔,中村修.小中学生の生活習慣病に関連する食行動と食に対する意識,知識,調理 技術等との関連.日本食生活学会誌.22⑴,28-34 13)高泉佳苗.岩手県在住20~30歳の肥満者における食知識および食行動の特徴.岩手県立大学盛岡短期大学部研究論集. 2014,16,43-47. . (岡田みゆき 旭川校教授) . . (大橋 裕子 別海町立中西別小学校教諭). 157.

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参照

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