音声の相対的持続時間と音韻干渉
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(2) . Vol .24 No .l. i i ido Uni i lof Hokka t t on(Sec ver s journa on I A) y of Educat. Sept , .1973. 音声の相対的持続時間と音韻干渉 田. 村. 光. 規. 北海道教育大学函館分校英語学研究室. ive Duration o itunori TAMURA ; Relat f Speech Sounds ルー. llnterference l ica and Phono og. 音声学的に音節の境界を見分けるよりも個々の音声の境界を見分ける方 が一層容易であり, 叉, 長母音o短母音・長子音・短子音と云う具合に音の長さを 区別することが音声学者や女法学者の間 t i r a on (持続時間) に関する研究は, 形態素や音節の長さ に一般に行き渡っ ているため, 従来 du ) よ り も む しろ個 々 の 音 の 長 さ に 関 す る も の が 多 か っ た よ う で あ る1 .. しか し本 稿 に お い て は, 日 英. 語の言語のリ ズムを対比させる都合上, 個々の音や音 節の持続時間のみな らず音節の境界に関与し ない要素の連続体の持続時間をも扱うことにする。 72年にかけての在米期間中に, 外国語と して日本語を選択し学んでいる さて, 私は1971年から19 アメリカの学生に 接する機会を持つことができたので, その時の状況を参考に しながら, ここで日 英語の音声の持続時間の相違に関係 づけられると思われる音韻干渉の一面につい て考察 し て み た fence) と い う の は, 異 質 の 要 素 を 導 入 す る 際 の rearrangement of patterns2) を inter い. 干 渉 (. さすのである が, これは言語の種々の面に現われる. 個々の音をと らえてみると, 例え ば 英 語 の cαグs に お け る 〔 z〕, cαγds に お け る 〔dz〕 に 類 似 した 音 は 日 本語 で も 使 用 さ れ て い る の に (e .g . i k t 語 〕) 日本語の na ve spea er に と っ て は こ れ 等 の 英 の 〔z〕 「数」〔kaz竜〕 「図示」〔dz萌すi. , , 〕と〔dz 〕 z 〕を区別するのが困難である. つまり日本人は, 音声 レベルでは無意識の うちに 〔 と〔dz / の異音として働いてい z を発 しいるが, 音素 レベルでは これ等の音は非対立的であり, どちらも /. る. 云い換えると, 一般の日本人はこれ等を意識 して区別することができないのである. 叉, 日本 t i t 〕 に類似した音は英語でも使用さ i ) における 〔 s 〕 s uk s suk ) における 〔 語の 「好き」( , 「月」( 〕), 英 語 の nativespeaker は 日 本 語 の お%た〆 を s2虎z 〕, cのs〔k駕ts れ て い る の に (e . Cαss〔k氏s .g ts ference の 例 と は 事 情 が 異 な る. つ ま り 〔 〕 と er と 聞 き 取 り が ち で あ る. こ の 場 合 に は 先 の int. 〔 〕 は, 日本語と同様に英語でも, 音声学的には勿論のこと音素 レベルでも区別されているのに, s ia l position におい て, 英語では 〔 ini t 〕 が現われる l position では こ れ等が混同さ れ る. ( s ini t ia t 〕 は ごく限られた特殊な場合以外はこの位置に現われない。) これは 単 s ことは一般的であるが, 〔 t s 〕 の音質上の差異のみな らず, この両言語における音の結合の型の相違に依るもの に日 英語の 〔 タト/ /と日本語の/ /とか, s s と思われる. 叉,こうした分節された音の干渉の問題としては, 英語の/ / / と日本語の /a/ と い っ た 関 係 か らわ か る よ - a / とか, 英語の /驚/ - /b / と日本語の /b 英語の / v/ が存 在 しない場合もあるが, この種の干渉につい てはこれまでに広 うに, 一方の言語にある種の音 「 28.
(3) . 第 24 巻. 第1号. 昭和48年9月. 北海道教育大学紀要 (第一部A). く知られている. 以上のように音韻干渉とは云っ ても種々のタイ プがあり, いずれも重要ではある が, 本稿においては, 広くこれ等の二つの言語をそれぞれ支配 しているリ ズムの面を対照させ, 更 にその後で, このリ ズムの相違に特に深い関係を持つと思われるいくつかの音に 生ずる音韻干渉を ive speaker が日本語を外国語として聞 き 取 り あ げ て検 討 して み た い。 な お こ の 場 合, 英 語 の nat 話す際にゆがめられる日本語の音声持続時間のリ ズムの問題を中心に日英語の音声を比較する。. 英語の. ① 71ゐe 肋ダs γ“7 2〆“g. は 4 音 節,. ② r卿 Wo粥の〆s た”メガごみzg. は 5 音 節, ③ 71ゑe 甘ばαα 「火だ」 は2音節, ⑤ 肋“ 〆の 「大. ’ 夢鯛 廟”g. は 6 音 節 で あ り, 日 本 語 の ④ go堀γ“ors s. だ」 は3音節, ⑥ 比αγ凝“ 〆α 「鳥だ」 は4音節である。 しかし厳密には, 音節は音声学的音節 l l icsyl labl (phonet e) と に 区 別 さ れ る。 Pike に よ れ ば, 音 声 ab e) と音韻論的音節 ( csyl phonemi. 学的音節は一つの胸はくによっ て生ずる一つの sonority あ る い は. prominence. の山を持つ単位で. 等の状況とか, リズム, 形態素の構造 あるのに対し, 音韻論的音節は, ) 等によっ て決まる単位であっ て, それぞれの言語の特徴によっ て異なる音節である3 。 そして英語 ′ 、) 4 の場合には, 強勢 G重常 / / ) を配置される単位を音韻論的音節としてとらえることがで きる。 しかも, この単位が必ず母音を有するという一貫 した音韻体系を示す為に, 音声学的には母 l Z メ i t l Z ガ / od醍醐g (3音節) を 音のない位置にまで母音音素を認め, たとえば Z a B(2音節) を / ,c it t ti stress , n ona on , one. ) io/ 等と解釈するのが普通である (但し拙稿 「英語成節子音の音素論的解釈4 /kadel 」において述 。 べたように, 弱強勢をも省略せずに示すならば, たとえを cod似 勿g o煽Z”g の 対 立 も,/ / を使 3 l iり io/ l /kad - / と 云 う具 合 に 表 示 す る こ と が で き る。)さ て,こ れ に 対 して, prominence 用 せ ず に/kad. i が 主 と して p t ch によっ て引きおこされる日本語では英語とかなり事情が異なる。 しかし日本語の i t 場合に, 英語の stress の配置と音韻論的音節との関係に平衡させて, 日本語の p ch を音韻論的 音節の目印にするわけには行かない。 日本語においては, ある持続時間を持つ音素あるいは音素結 合が日本語に特徴的なリズムを成しており, 日本語の native speaker にとっ てはこれ等の音の相 対的長さのリズム単位の切れ目を見出すのは極めて容易である。 そ して通常これ等の長さの単位は ) と呼ばれているが, 日本語の場合にはこれを音韻論的音節とみなすのが 適 切 であ モーラ (mo r a ‐=v l CV/ も /CSV/ も 持 続 時 間 は 大 体 同 じで あ り (V る。 日本語の /V/ も / owe , C=consonant , l S=semivowe / はいずれも1モーラである。 更に叉, 日本語の/V/と ), た と え ば / / / a ,/ka ,/kya. ) /VV / / と /CVV/ においては, それぞれ後者 が前者の二倍の長さを有しているから5 ,/CV , たと えば 滋「良い」 も 脳〆「奇異」 も共に2モーラである。 さて, 前述の①~⑥の英語と日本語の発話 の例に関する限り, たまたま音声学的音節と音韻論的音節の数は大体一致するので, 音節を二種類 に分けなくともあまり問題は生じない。 (強いていえば, ③の英語の 増細々鯛g の頭子音結合にお i ty を 持 つ と い う 点 が 問 題 に な る か も しれ ない )しか し⑥ の 日 s 〕が〔 ける 〔 p〕 より大 きな sonor 。 本語の 郷γα跳 が αα を伴わず単独で発音された場合とか, たαγα賜 Z o(鳥と) におけるように無 声子音が後続す る場合, 々α粥脳 の末尾の母音は無声化し, 更に消去されて しまうので (この点に 関 して は, ~〆8s“ 「~ で す」, ~“煽s“ 「~ ま す」 の 場 合 も 同 様。) , こ の 場 合 に は, karasu 自 体 は. 音声的に2音節であることになる。 ところが, たとえこの母音が消去されても, それに 先 行 す る 〔 s〕 は 〔s歳〕 と 同 様 に 1 モ ー ラ の 持 続 時 間 を 持 つ の で, こ れ は や は り 3 モ ー ラ で あ る。 (こ の 点 で. も日英語間には大きな相違があるといえよう。) ion) と 呼 ん で い る も の は 絶 対 的 な も の で は な い し (音 声 の 絶 対 さ て, こ れ ま で 持 続 時 間 (durat. 的な持続時間ということになれば, 個人の習慣と しての話す速度その他種々の面ま で関係して来る 一 29 -.
(4) . l Vo .24 No .I. i i ido Uni i lo f Hokka ty of Bducat on (Sect Journa ve r s on 工 A). Sept . ,1973. ) が6 , 叉ここでは個々の音声に個有 , 実際上このような面は言語機能の面に直接関係を持たない.) の相対的持続時間をさ しているのでもない. 個有の持続時 間ということになれば, たとえば日本語 / は最も短か u の母音についていえば, 同様の音声環 境に5個の母音音素を位置 づけてみた場合, / / の duration を 基 本 と して 5 個 の 母 音 の 持 続 の 比 率 / は 最 も長 い の で あ っ て, 今 こ こ に / く,/ u a ) 更 に 叉, 他 の どの i /-1.26, /e/-1.37 a/-1,44 と な る7 /-1.17, /o を示すと, /u/-1.00, / 。 ,/ l l l b e sy a ような音と結合 しているかによっ ても音の持続時間は異なる. たとえば英語 の 音 節 核 ( ており l ) についていえば, これ等の持続時間は後続の子音の性質によっ てかなり影響され nuc eus , 子音の有声・無声と云う点で対比 してみると, 音節核の持続時間は無声子音の前の方 が有子音の前 より長く, 叉, 閉鎖・摩擦等の 点から見ると, 閉鎖音の前で最も短かく, 鼻音の前では有声閉鎖音 ) の前と大体同じであり, 有声摩擦音の前で最も長い8 . しかしこれ 等の長さの相違は, 言語機能の 面から見ると余剰的であり, 単に音声学上の変異としてとらえるべ きである. 本稿で主と して扱っ i: i 〕 のほぼ2分の1の 〕 が 「良い」〔 ている相対的持続時間とは, たとえ ば日本語において 「胃」〔 du i t r a onを持つことによっ てこれ等二つの発話断片 が区別されるという場合の, 言語機能に深い関 係を持つ相対的持続時間である. それでは, 英語の強い stress を配置された音節 の 長 さ と 弱 い を配置された音節の長さの相違については どうかといえば, これは英 語自体を考察する場合 には一見言語機能にはあまり関係がないようである が, 日英語の音韻干渉, 特に両言語のリズムの. stress. 面における干渉を考察する場合には かなり重要である. この節の冒頭にあげた①②③の英語の例に l na e rmi 関 してこの点を考えてみよう. これ等三つの発話はかなり短 かいので, 発話の 中 間 に t i h h r a s e を成 uncture を持たない場合が多いが その場合には それぞれ全体 で一個の p onem c p , , jすことになり, それぞれただ一個の. t res s を 持 つ. そ し て こ の ニ つ の 発 話 は ほ ぼ 同 じ長 primary s. さになろうとする傾向を持つから, ①の duration を1とすれば②も③も共に相対的 duration は 1 と み な す こ と が で きる. も し も これ等の発話の中間に terminaljuncture を 置 く と す れ ば, こ れ ’ は ① の みoダs と γ“7 ’”〃 s と 比“”““g の間, ③の goの好 物 〆s と ゆeαゑ- 2““g の 間, ② の 勿り“ ljuncture ば〃g の間に位置 づけられることになる が, この場合には, primary stress が termina ion を 1 と す れ ば γ“7 2“”g の s の durat の前と後に一つずつ置かれ ① に お い て r腐 ろoッ’. , も 1 となり, ①の発話全体としての duration は 2 と な る. ② ③ に も 同 様 の 関 係 が 認 め ら tress と の 関 ljuncture の前の duration も後の duration も s れ, そ れ ぞ れ 相 対 的 に は, termina i - 係 で 1 と な る. そ して ① の みの’ s の音節, ②の Wo粥αガs と③の goひげ%o〆s の 第 1 音 節 は Pr t r s s を持つ音節の持続時間は e mary stress を置かれているのでい ずれもかなり長く, 他の弱い s. duration. ljuncture の前の phonemic ph r s e 全体としては大体同じ持続時間 a 短 か い の で あ る が, termina. s の音節の持続時間が最も長いことになる. になる傾向があるので, 音節数の最も少ない①の みの’ つまり音節の数と. t ress stress の 配 置 に よ っ て そ れ ぞ れ の 持 続 時 間 は 異 な る の で あ る. 従 っ て, s. を言語機能上重要な要素として設定 しておけば, それ ぞれの音節の長さはこれに支配されて決定す るので, この場合の音節の長さの差異は余剰的なのであるが, この長さと強さは面白い相互関係を 成 しており, 逆に, 長い音節と短 かい音節を 与えられると (その他の特徴 が同一であれば) ,長い音 節には stress があるかのように聞き取 られる傾向が見られるし, 更に叉, 母音の音色を変えると ) stress の 程 度 が 変 わ っ た か の よ う な 印 象 が 与 え られ る9 .. ive speaker が 私 の 名 前 英 語 の nat. α粥“γα’ (3 モ ー ラ で, 各 音 節 の 持 続 時 間 は ほ ぼ 同 じで あ り, 第 1 モ ー ラ と 第 2 モ ー ラ の間に i- t tamdr3〕 あ る い は 〔tamaura〕 と 云 う具 合 に penul ア ク セ ントの 滝 が あ る.)を 発 音 す る 場 合, 〔 ‘. l e に 英語式の stress accent を 置 き, こ の 音 節 を 長 く 持 続 さ せ, しか も 他 の 音 節 を 弱 abl mate syl. 音節として母音の音色まで変えてしまうことが多いが, このことには 上述の英語の傾向が良く反映 - 30 一.
(5) . 第 24 巻 第 1 号. 北海道教育大学紀要(第一部A). 昭和4 8年9月. している。 日本語の場合には, この節の冒頭にあげた④⑤⑥の例に ついていえば, ④は2モーラ, ⑤は3モーラ, ⑥は4モーラであり, ⑥は④の二倍の持続時間を持つ。 そして, 日本語においても 英語の場合と同様に, 勿論母音は隣接する子音の影響によっ て変異を見せ る が, 英 語 の よ う な accent の相違と音節の持続時間の相違と母音の音色の相違との関係は見られない 従っ て日 本 語 。 の native speaker に と っ て は, 英 語 の stress のリ ズムに乗っ て短縮し弱化した音節は, 日本語 ive モ ー ラ のリ ズム か ら見 て ゼ ロ に 近 い も の で あ る か ら, と らえ づ らい。 そ して 叉, 英 語 の nat. は日本語の音節持続のリ ズムをゆがめて, 日 本 語 を も 英 語 の stress の リ ズ ム に 乗 せ る 傾 向を持ち, 叉, 日本語のこのリ ズムに深い関係を持つある種の音を正確にとらえることは, 彼等に. speaker. とっ ては容易でない。 このある種の音とは, 日本語の促音, 機音, 及 び長母音である。 以下これ等 の音を中心に音韻干渉を検討 する。. これまで述 べて来たように, 英語と日本語では互いにかなり異なっ た言語リズムを持っ ているの で, ただ単に日英語の音を取り出して比較するのみでは両言語を正確に対照させたことにはならな t ress の 配 置 に よ っ て 異 な る 音 節 の 持 続 時 間 と い っ た 一 見 余 剰 的 と 思 い だ ろ う。 そ して, 英 語 の s. われることがらも, 観点を変えてながめるとかなり重要性を持っ ていることがわかる。 さて, 英語 の native speaker に と っ て, 日 本 語 の duration の リ ズ ム が と らえ づ らく, 種 々 の 面 で こ の リ ズ ムを ゆ が め が ち で ある こ と は 前 述 の 通 り で あ る が, 日 本 語 を 外 国 語 と して 学 ん で い る アメ リ カ の 学. 生達の場合に, この日本語のリ ズムをゆがめることに深い関係を持っ ている日本語の音は何である / かを調 べてみたところ, 次の三種の音が浮び上っ て来た。 つまり促音 /Q / , 長母音/VV , 機音 /N/ 〕 は日本語音韻論の上では同一母音の連続体であるとみなすのが妥当であろうから, である。,(〔V; /V:/とせずに/VV/とする。 叉, 促音, 犠音は単独で1モ ーラの持続時間を持っ て い る。)Yutaka. ime’-/ toki ion’/s Kusanagi も aural perception の 面 で, / ion’ toQki /‘t t /‘a昼ec /‘project , iNai i i / ‘grandfather’- z i i l ina ive saN/‘unc e’ 等 の 対 立 は 英 語 の nat /‘bamboo sword’ -/ s ,/oz saN. ) (な お こ こ で は 日 本 語 に o speaker に と っ て 区別 す る の が む ず か しい と い う 点 を 指 摘 して い るl 。 ,. / き を / を認めるべ きかどうかについてはふれないが, このことは 本稿で扱う問 / / のほかに / / z s ,/ ,/ 題に影響を与えない。) それでは何故彼等にとって日本語の /Qん/司 の異音や長母音がとらえづら いのかといえば, 「これ等と類似 した音は英語でも使用されているが同一の音は使用されていない から」 とか 「日本語と英語では音の型が異なるから」 ということになるであろう。 確かに, これ等 の日本語の音を英語の類似 した音に引き寄せて, 英語の音声の型にあてはめようとする傾向が彼等 の間に見られるのであるが, しかし, 面白いことには, この種の日本語の音に類似したものが英語 にも見出されるのみな らず, 音声の持続時間と云う点から見て, 上にあげたような日本語の音韻上 の contrast の例に類似した英語の contrast の例も見出されるのである。. 先ずここで英語の native speaker に と っ て 区別 の 困 難 な 日 本 語 (j) の contrast の 例 と, こ れ に類似 した英語 (E) の contrast の 例 を 示 して み よ う。 i iQ t t 1. j 「居た」/ / a /- 「行っ た」/ a ‘ ’ ‘ l l 1 / 1. E a tabl e/3teyba /- attab e’/3t十teyb3 hono hoNo 2. J 「穂の」/ /- 「本を」/ / ‘ ‘ ’ im’/3n十eym/ a name /3neym/- an a 2. B i saN/- 「兄 さ ん」/ni saN/ 3. J 「二 三」/ni i l’/ iyl 1 1’/ l / 3. 日 /-‘ee. 「 31 「.
(6) . I VO .24 No .l. do Uni lof Hokka i i i ion I A) t journa ver t s on (Sec y of Bducat. Sept . ,1973. ここでは, 日本語と英語という異なる言語の別個の音韻論上の単位を記号化 してあるので, これ 等の日本語と英語の音素記号をそのまま比較するわけには行かないのだが, duration の 面 か ら, これ等の例に見られる日英語の類似点と相違点に関 して, 音声学的に, そ して叉, 音素論的に検討 して み よ う。 i /- 「す っ ぱ い」 先ず 1 supa . J においては /Q/ が 使用 さ れ て い る が, こ の ほ か に 「ス パ イ」 / t k i i t i / suQpa/ / の よ うな con ras も あ げ られ る. そ し て こ の / sa /- 「殺気」/ s aQk /に類す Q ,「先」/ iq/‘black tap十payp る も の は, 英語では先の ‘a ttable’/3t十teyb31 / の ほ か に ‘stop piping’/ s , l’/ b l駕k十kowl / 等にも見出される. なお, /+/は, その直前の要素と直後の要素の切れ目を coa. 感 じさせる音素であるが, ここにあげた例に関して云えば,/+/の直前の無破裂閉鎖音は, その直 後の破裂音よりも長い持続時間を持っ ている。 従っ て, これ等の英語の閉鎖音と日本語の /Q/の異 音は, 無破裂であっ てしかも長いという点では共通 している。 しかしながら日本語の場合には喉頭 の緊張があり”) , しかも1モーラの相対的持続時間を持っ ている。 英語の例における/+/ 自体は ion を持っ た休止の時間ではなく 上の例に関 していえば, 同一調音 点 音 声 学 的 に は, あ る durat ,. の一 つの子音のうち, 先行している子音の方を破裂させず, その閉鎖を持続させることを示 してい る の で あ っ て, /+/ 自体は何等 duration を持っ てはいないのである. 叉, この先行する子音は, 長 い と は い え 日 本 語 の よ う な 1 モ ー ラ 分 の 持 続 時 間 を 持 っ て い る わ け で は な い し, こ こ で は 特 に 日. 本語のような喉頭の緊張があるわけでもない。 そ して音韻論的には, これ等英語の無破裂の 〔 p , ,t k / の 異 音 と み な さ れ る。 と こ ろ が 日 本語 に お い 〕 は, それぞれ対応する有気破裂音と共に /p,t ,k i / / の /Q/ は音声学的には長子音 〔 〕 であり,/ saQk ては事情が異なる. たとえば, 先の / suQpai po iQ/ ta / の// の/ / は〔t.〕 で あ る が, こ れ 等 の 長 子 音 〔p., ko / は 〔ko〕, / Q Q ,to〕 は そ れ ぞ れ /p , k / の異音としてではなく, すべて一 つの音素 /Q / の異音と してと らえる音韻論上の理由が日本 ,t iQta i / / suQpa / は長い摩擦音 〔 語にはある。 (更に / 〕 をも 含 む。) しかし, 日本語の / s o Q , , / / / を そ れ ぞ れ 音 声 学 的 に 〔…pop〕…, 〔… …tot… …〕, 〔… …k・k… …〕 と 表 記 す る な ら, saQki. 英語. tap十paypio/ の/ s / 等も音の持続の面か らながめると (日本語の よう at十teybal / ,/bl駕k十kowl ,/ な モ ー ラの リ ズ ム は な い け れ ども) 概 略 日 本 語 と 同 様 に そ れ ぞ れ 〔… …p・p… …〕, 〔… …tot… …〕, 〔… …k・k… …〕 と し て と らえ る こ と が で きる か も しれ な い. こ の こ と は 次 に 述 べ る 長 い 鼻 音/坪 の. 問題にも関連する。 hoNno さ て, 2, 1 に お い て は /N / が使用されているが, 更に, 「本の」/ / のような項目を加え. た対立関係 /hono/ -/hoNo/-/hoNno/ も見られ, 英語の. native speaker に と っ て は こ れ 等 の 区. 別がむずか しいのである。 しか し /hoNno/ に お け る /-Nn-/ に 類 す る も の は 英 語 の ‘pen name’ /pen十neym/ のような例にも見出される。 そして,/+/ の前の英語の / /の n n / の異音が直後の /. 異音より長い持続時間を有す るという点では, 1 . E の場合と同様である. ところが日本語の /N/ には 1モーラの持続時間があるのに対して, 英語の /+/ に先行する長い鼻音はそのようなリ ズム / のみならず /m/ / 等の鼻音も/+/の直前に現われるが, n には乗っ ていない. 叉, 英語では / り ,/ この場合の長い異音を すべて同一音素に属させるとい うことはできないのに対 して, 日本語の場合 には, 1モーラの持続時間を持つあらゆる鼻音を同一音素の異音と して分類することができる。(た ‐ ) こ の よ うに 日 本 語 と 英 語 と と え ば, 「本 が」 〔hop・りa〕 /hoN りa/ ・ no〕 /hoNmo/ . , 「本 も」 〔homo. N/ と は では音素と異音の関係が異なるのであるが, しかし, 英語の /+/ の前の鼻音と日本語の / hoNo / における /N/の異音は「電 どちらも長いという点でかなり類似している。 (但 し, 「本を」/ / 話」 /deNwa , 「ダ ンス」 /daNsu/ 等におけると同様に, 音声学的には鼻母音としてとらえること が で き る か ら, こ の 点 で は 別 の 問 題 も か ら む。). 一 32 「.
(7) . 第 24 巻. 北海道教育大学紀要 (第一部A). 第1号. 昭和48年9月. 最 後 に, 3. J においては, 同一母音の連続体 /VV/ が便用されている。 これは音声的には〔V; 〕. であるが, 日本語の音韻論的解釈の上では /VV/ としてとらえるのが妥当だと思う。 さて 3. ] の i i i i i i /は/ /n / のほぼ二分の一の持続時間を持ち, しかも, / / と/ n / には音質の相違はほとん どな Z “ # i〕 i 1 く, 長 さ の 相 違 が あ る の み で あ る。 3, B の 〕 と表記されて : , 8e は, それぞれ通常は 〔l ,〔 i saN/ の 対 立 saN/-/ni お り, こ れ等 に は 長 さ の 相 違 も 認 め られ る の で, こ の 点 で は, 日 本 語 の /ni. i i i i l l i 1 l / には音質の / / と/ 〕/ -〔 : 〕 ハy に類似 している。 しかし英語の 〔 / のような対立における / y ) Z 鷲 1 2 # Z t i 鰯 Z i . ば l i ア の/ n s e た と え 等 /をただ 〕 e で あ 〔 は り , 相違がある。 英語の 〔〕 は ax, ; , , ) 1 5 i 引 き の ば す だ け で は 彰 の,8BZ /と , 鳶 勿 と は 闇 え な い の で あ る , 特 に アメ リ カ 人 の 発 音 で は / i i i i /y / の持続時間の差は小さい。 従っ て彼等にとっ ては, 日本語に特徴的な // / / のような区別は -. むずかしいので, 英語の native speaker が外国語と して学ぶ日本語のテキストでは, 特にこの日 〕 を /VV/ とみなす日本語音韻 英語の長母音の相違点を こ注意が向けられるように, 日本語の 〔V; 論上の表記を Romanization system にも取り入れて, たとえ ば 「大きい」 , 「九」 , 「お母さん」 , ) とい う具 合に 表 4 厳か”,o”8g 「ビ ー ル」, 「お 姉 さ ん」 等 を そ れ ぞ れ の 厩ば sg〃1 , たγ““, oたα凝α〃,. 記するのが妥当であろうと思われる。. 以上, 日英語音韻干渉の一面として, 両言語における音の持続時間の問題を音声 学的に, そ して 音素論的に考察 して来たが, 日本語では音の相対的長さの単位 mora が リ ズ ム を と っ て い る の に 対 し, 英語では. stress. がリズムをとっ ており, 英語の句全体の中で特に強い. stress. を受 け る と,. Z Z で あ ろ うが β霧 で あ ろ う が, 持 続 時 間 は か な り 長 く な る。 従 っ て, s Z t ress の リ ズ ムマご慣れ て い. る英語の. native speaker. は日本語の mora のリ ズムをゆがめる傾向を持っ ているわけだが, 特に. 彼等がとらえる日本語の /Q/ ,/N/ ,/VV/ 等 に は こ の 傾 向 が 良く 現 わ れ て い る。 し か し 皿 の 1. t (前 述 の よ う に 厳 J‐1.E,2J‐2,E, 3J‐3,E に そ れ ぞ れ 示 した よ う な い く ぶ ん 類 似 した cont ras i t 密には異なるが) が日英両語に見られるのであるから, 日本語を外国語と して学ぶ英語の na ve speaker. の為には, むしろこれを利用 し, い っ た ん こ の 類 似 した contrast を 意 識 さ せ た 上 で, 彼. 等 に と っ て 特 に と ら え づ らい 前 述 の 日 本 語 の 音 を モ ー ラ の リ ズ ム に 乗 せ る よ う 導 い て 行 く の も 一 つ. の方法 であろうと思われる。 以上私の在米期間中に接した米国の学生が日本語を外国語として学ぶ際に見 られた音韻干渉を参 考に しながら, 主と して英語の音韻構造の側から日本語の音韻構造をながめることによっ て, いく t ive つかの日本語に特徴的な音声を考察して来た が, これを逆の方向からながめると, 日本語のna speaker. が英語を外国語として学ぶ際の音韻干渉の問題になる。. とにかく言語のリ ズムをゆがめると云うことは, 単に外人なまりを残すと云っ た程度の etic な 問題ではなく, 言語機能上重要な区別を不可能にすると云う emi c な点にまでつながっ てい るので あ る。. 註 in 1964) 1) See R‐M.S v son: Uni s cons i 夕げαZ P加灼断たs(Madi , He仔ner 。 , Gg , of Wi , P 207 i 2 zαge sZ” C 伽 加cz(The Hague Par s: Mout on,1963), P,1 ) See Uriel weinreich, Lα”gz 。 3 ) See Kenneth pike, Pた鰯の錦Zcs(Ann Arbor: Univ. of Michigan,19566), P,60。 4 ) 田村光規, 「英語成節子音の音素諭的解釈」 北海道教育大学紀要 IA,19, No.1 (札幌, 1968)。 Z zu Han e P卿7のめgy: A” A s βαsd “ eko shi ni s ”α砂s ・ Po” So““α SPβcかog 糊 粥s 5) See Mi t ‐ ,ノαPα”e (Tokyo: Kenkyusha ,1962), p ‐69 。. l ld Pre s e s kenneth Thoma s s 6) See Char , P虐鯛β疑csof A間断あのz 勘恕産物 (New York: Rona ,1958) , p ,164 。. 一 33 一.
(8) . Vo l .24 No .l. i f Educat i i t ido Un lof Hokka vers t lon (Sec on 工A) journa yo. Sept . ,1973. ’ ’ ‘The Fea ion inJaPane 2ds 7 se ture of Durat 7) See Mieko Shimizu Han,. ,10 (Tokyo: , sfzdy of so溺 fjapan,1962), pp i i Phonet ty o e c Soc .66-67 。 ’ R卿 燐”翌s z” “ l l iin Eng i f Sy l ion o l l e sh/ e Nuc t abl s se Lehi e e r son and l 8) See Gordon E Pet , Durat M 1 T t d l idge Z s : ., . sachuset 古 A の“sねc Pた。”多 t e (Cambr se Lehi s cs ,1967), p .200 ・ , Mas ,e l i idge: He賃er & lmberg i o P加 粥‘ cs (Cambr I Ma 2f t 9) See L. F, Br osnahan aud Ber , 粥fγo物に霧o7 Sons .156 ,1970) ,p 。 ‘ . I Phonemes for Eng l i i sh t for japane se Segmenta i I Per on Tes cept a 10) See Yutaka Kusanag , Aur “ 丁毎 月厄勿のZ Lα H i A i i i h r 卿 b t N s ( w t s o c a n of 2 e a a 1 2 o 8 α c γ ive SPeaker o z α Nat f y i z ” s g g . , , , i i i i t th the Unive Language Teacher r s on wi y of Hawa sin Cooperat 。 ,1970). 3 70 95 7 ) 11) 服部四郎, 音声学 (東京:岩波書店, 1 ,p .1 . i s: Mouton s“s(The HagueoPar 12) See Emst pulgram, Sy”の彰, 扉〆oγα, 人形尤“s ‐75 ,1970), P 。 , C錫γ i l d 〆 o: Hokuou I Trnka g霧-Dqy sずαれαのd E“g 協力(To so/ Pだs 13) See Bohumi ys , A Pぁoれ〆 咽ばmZA’mZ. i Pub l 21 shing Co ,1966) ,p , 。 . lu Z lu: Ea ‐we t s t ima s j e rg#Z 2 e s e: COZ β き r 14) See john Young and Kimiko Naka ,1 (Hono , L8αγれ Zα力α7 4 Cent er Pr E 鵜s ,1970).. - 34 -.
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