数学における問題の探求的取り扱いについての研究 : 「実体をアルゴリズム化する」方法について
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(2) . 北海道教育大学紀要 (自然科学編) 第49巻 第1号. 平成10年8月. ISc ) VOL49 i I lo fHokka i i i fEducadon (Namr do Un tyo Jouma a ences vers . ,No. Au罫」 st l998. 数学における問題の探求的取り扱いについての研究 - 「実体をアル ゴリ ズム 化する」 方法について-. 杉山 佳彦 北海道教育大学釧路校数学研究室. ivi A Study for 入江athematicalinquiry as an Endless Act ty. Yoshi t“kOSUGIYAMA Ma i r thema恒csLabora to oCa ] mpus ly,Kush , Hokka i do Un i i fE d b ver s聾 o uca o札. 1. は じめ に 一 本研 究の目 的一. 通常, 問題解決といっ た場合にはそこに現れた問題を解決すれば活動は終了する. この観点からすれば, 数学 的 問題解 決 のノ ウハ ウ が重 要 なも のと なる. そ こ で こ れ らは, た とえ ば 「問 題解 決のス トラテ ジー」 と. いった形に整理され, あたかもこの 「ストラテ ジー」 さえ修得すれば問題は解決できるかのような 「幻想」 1 を与 える注 . ま た, 日 本 で標準 的 なス タイ ル と な っ ている 問題解 決的 な授 業 にお い て は45分, ある い は50分を基 本 的. な単位とし, その時間内に導入・問題提示から, 解決・整理にいたるまでが組み込まれていることが多い. 一 方, 同 じ 「問題解 決」 と 呼 ばれな が ら, こ れと は異 なる タイ プのも の がある こ れ は 問題解 決 活動 の中 .. に必要不可欠な形に問題設定を含んだものである. この種の問題解決は 「広義の問題解決」 と呼ばれること がある滋. この種のものでは, 当初の問題を解決しようとするうちに, その問題を解決するために解決せざ るを得ない問題が姿を現し, その問題を解決することによっ て当初の問題を解決する, といった基本的なパ 3 ある い は解 決 にいた らない こ とも ある こ の形 態 での 問 題解 決的 な授 業 は有 タ ー ンがある よう に みえる注 . .. 望視されながらも, なかなか困難である. その理由のひとつに, 教師自身の数学的経験の貧困さを指摘する ことす らある.. このような状況下では, 教師自身が自分自身の数学的経験を豊富なものにしてゆく努力が求められる. 本研究は, このような問題意識のもとで, 教師が自分自身の数学的経験を豊富なものにするための方法論を 4 そ して 問 題解 決につ い ての基 本的 なス タ ンス を 「広 義 の問 題解 決」 にお き 開 発する こ と を目 的とする注 . , ,. さ らに, 終了することがな い活動であるという面をもつものと した上 での 「広義の問題解決」 を, 仮 に, 「探求」 と呼ぶ. こ の た め に は いく つ か の 基 本 的 な 問 題 を 意 識 せ ざる を 得 な い な か でも と り わ け原 理 的 な 問 題 と して . ,. 「問題が解けた」 というのはいかなる状態を指すのか, という問題が指摘 できる. これは, 単なる問題解決 とは異なる 「探求」 が, 所与の問題を完全に解いてはいない, という感覚から発生すると思われるからであ る.. (11).
(3) . 杉山 佳彦 多 多. 12. これに対しては, たとえば認知的な不均衡が解消された状態, といった表現がなされるが, 不均衡を解消 する方法として 「問題それ自体を忘れてしまう」 という, しばしば我々が日常用いる便利な方法 がある以 上, この種の心理主義的立場は本研究では採用しない. また, 数学の問題には どのようなタイプがあるか, という点も基本的である. 本研究では, 大きく次のように区分する. ①内的-外的 ②know how‐know what. ①の区分は, その問題について答える際, その問題が含まれている理論の内部で解答可能なものとそうで ないものに対応する. たとえば, 現行の中学校幾何において, 「与えられた角をコンパス と定規だけを用い て二等分するには どうするか」 は内的な問題である. しかし, 「与えられた角をコンパス と定規だけで三等 分するにはどうするか」 は外的な問題である. というのは, 後者は不可能問題のひとつであり, 不可能であ ることを確認するためにはこの 「幾何」 というシステム (理論) から外に出ることを必要とするからである 6 時 ② の 区分 はよく なさ れる も の であり, 説 明の要 はない であろう浅 .. 7 」 方法を用いる. 本稿では問題解決を探求的に取り扱うひとつの方法として 「実体をアルゴリズム化する注 取り扱う素材は 「証明問題」 である. 2. 事例I. (1) 問題と標準的な解法の提示 8は次のようである. 最初に取り扱う問題注 問題 2一 目ま24 で割り切 れる ことを証 明せよ. ① n が2 でも3 でも割り切 れない 整数な ら ば, n 4ー1 は240 で割 り切 れる ことを 証明せよ. ② n が2 でも3 でも5 でも割り切 れな い整 数な ら ば, n. この問題に対する形式的な証明は, たとえば次のようである. 証明 2ー1=(n‐1 )・( )である. 仮 定か ら, n は奇 数である か ら, n‐1 ①n n+1 , n+1は とも に偶 数. さ らに こ れは連 続する 偶 数 である か らこ のいず れか一方 は4 で割り切 れる. そ れゆ え, n が2で割り切れな 2ー1= (n‐1 )・(n+1 )は8で割り切 れる. けれ ばn 2-1 ま た, n が3 で割 り切 れないか らn‐1 , n+1 の いず れか 一 方 は3 で割り切 れる. した が っ て, n )は3 で割 り切 れる. )・(n+1 =(nー1 2ー1= (n-1 ) は3・ 8 =24 で割り切 れる. ) ・ (n+1 8と3 は互い に素 である か ら, n 2+1 4-1 =(nー1 )である か ら,(1)により こ れは24で割り切 れる. さ らに, n が奇数 )・(n+1 )・(n ②n 2+1 4‐1=(n-1 2+1 は偶 数 である そ れゆ え, n )は 24.2 で割 り切 れる. )・(n )・(n+1 である か らn . ま た, 仮定か ら n は5 で割 り切 れないゆ え, n を5 で割 っ たあま り は1, 2, 3, 4 の いず れか. 場合1. あ まり が1ま た は4 のとき. )・(n+1 )は5 で割り切 れる. このとき, (nー1 場合2. あま り が2ま た は3 のとき. 2+1が5 で割り切 れる 2を5 で割 っ たあまり はとも に4 である. した が っ て, n この とき, n . 2+1 4 )・(n+1 )・( )は24・2・5=240 で割り切 れる. 24・2 n n-1 , 5 は互 い に素 である から, n ー1=( 4 2ー1 n ここで この 問 題及 び証 明 で は, n , -1 はと も に 自然 数と して の 扱 い を受 けて いる‐ した が っ て, 4‐1は 「実 体」 である. こ の実 体 は因数分解, 展 開と い っ た独 自の 規則 に従 っ て 操作さ 2‐1 およ び n は式 n. (12).
(4) . 13. 問 題の 探 求的 取 り 扱 い につ いて の 研 究. る 対 象 でもある. さ らに, そこ で展 開さ れたス テ ッ プの ひとつ ひとつ に何 らか の 根拠 がつ きま とう と いう にな っ ている ゆ え, 典型 的な 証明の ひ とつ である. 一 方, そこ に は何 の 「不 思議 さ」 も ない. す べ て は白. の下に引き出され明らかにされている. 脅迫的ですらある. これは 「探求」 として筆者が要求するもので ない. 探求にはつねに 「不思 議さ」 , 「不可解さ」 がつきまとい, この感覚は最後まで失われることはな か らだ. 4 2‐1 n そ のよう にする た め に は, 実 際にや っ て みる こ と である. そ のた め に は実 体 と して の n , ‐1 をア. ゴリズムとみなすことが必要である. 言い換えれば, これらは与えられた n から考察の対象となる自然数 作り出す手続きを指定したものとみる必要があるのだ. これが本研究で最初に取り上げる 「実体をアル ゴ ズム化する」 という方法である. 2). ①を実 際 にや っ てみる こと. 9 上述したことを明らかな形で問題に反映させるならば, たとえば次のように変わることになろう注 . 2-1 に2 でも 3 でも割 り切 れない 整数 を代 入する と 24 で割り切れる数が得られる. なぜ ① f(x)=x , . 4-1 に2 3 5の いず れでも割 り切 れない整 数を代 入 する と 240 で割 り切 れる 数 が得 ② g(x)= x , , 、 , られる. なぜか.. 以 下, ① に対 して 「実 際 にや っ て みる」 . 実 際 にやる こと で 規則 性 を見 い だす, と いう 作 戦 を 採る. も つ. も普通に行われる方策として, 表をつくることから始める. 1. 5. 7. 11. 13. 17. 19. x2‐1. 0. 24. 48. 120. 168. 288. 360. (x2‐1 )/24. 0. 1. 2. 5. 7. 12. 15. x. こ の 表か らは, 確 か に① が正 しい, という こと以 外 はわか らない であろう. そ こ で, 代入 する 数を2 で割 2-1 =(x-1 切 れ な い 場 合, 3 で割 り 切 れな い 場 合 の 二 つ に 区 分 け し, さ ら にx )・(x+1)と いう 分解 を 1 0 っ て み る注 .. 2 で割 り切 れない場 合. x. 1. 3. 5. 7. 9. 11. 13. 15. 17. 19. x-1. 0. 2. 4. 6. 8. 10. 12. 14. 16. 18. x+1. 2. 4. 6. 8. 10. 12. 14. 16. 18. 20. この表から, 2の倍数, 4の倍数が交互に現れていることが見て取れる. これを表せば次の表のよう であ x. 1. 3. 5. 7. 9. 11. 13. 15. 17. 19. x‐1. 0. △. ○. △. ○. △. ○. △. ○. △. x+1. △. 0. △. ○. △. ○. △. ○. △. ○. 2ー1 =( こ こ か ら, x )・(x十1 )は8 で割 り切 れる こと が確 認 できる (0 は4 で割り切 れ, △ は2 でのみ xー1. り切れる) . ついで, 3で割り切れない場合について調べる. x. 1. 2. 4. 5. 7. 8. lo. ll. 13. x-1. 0. 1. 3. 4. 6. 7. 9. 10. 12. x+1. 2. 3. 5. 6. 8. 9. 11. 12. 14. こ の場合も 明 らかな規則 性 がある.. ‐. (1 3).
(5) . 佳彦 杉山 多 多. 14. 要約すると, 次のようになる. 2一.;(x-1 ).(x十. )に )=x f(x. (i) 2で割り切れない数を代入したとき ×-1 , x+1 は交互 に2 の倍数と4 の倍 数と なる. した が っ てf(x)は8 の倍 数となる.. ( )3で割り切れない数を代入したとき i i (i) と同 様の規則 をもち, x‐1 , x+1 は交互 に3 の倍 数となる. )は24 で割り切 れる. した が っ て, f(x さ らに, この 規則 はな ぜ起 こる の か, と問う こ と は可 能 であ る. こ れも上 記 の 表を縦 にみる こ と で 答える ことができる. たとえ ば, 3 で割 り切 れない場合 につ いての表 を縦にみれ ば,(1,0,2) , (4,3,5) , (2,1,3) な どの組 が得 ら れ, こ れは3つ の連 続する 整数 をな ら べ かえたも の に他 な らない. した が っ て こ の3つ のう. ちに3で割り切れる数が含まれるのは当然である. それゆえ, 3つのうちの最初が3で割り切れなければ残 る 2つ の一方 が3 で割 り切 れね ばな らない. 同様 に, 2 で割 り切 れない場 合 につ いての 表か らも(1,0,2) , をならべ かえ (3,2,4) , (5,4,6)な どが得 られる. こ れらも, 間に奇 数が含ま れた連続する3つ の整数の組 たもの にす ぎない. した がっ て, 奇 数を 挟む二つ の 数 はとも に偶 数でそのう ち の ひとつ は4 で割り切 れる. こ の 活 動 の 結 果何 が生 じて い る か を 検 討 しよう. 明 ら か に な っ た こ と は, ① は正 しい, と いう こ と であ. る. そしてその理由は 「3つの連続する整数」 の振る舞いにあっ た. ここから次のような探求が可能にな る. 「4つの連続する整数」 にした場合, 何が起こるか. その具体的な表現として, たとえば次のような問題が手にはいる. 問題. )=( )( )( )に2でも3でも割り切 れない整数を代入したとき得られる値は どのよう h( x+2 x x-1 x十1 な整数 であろう か?. 一方, このような問題は最初に示したような 「証明」 からは得られないであろう. (3) ②を実際にやってみること 2十1 4-1=(x‐1 )に2 でも3 でも5 でも割 り切 れ )(x+1 )( 同 様に② を考える. ① の結 果 によ っ て g(x)= x x 2+1 か ら10の倍 数 が得 られれ ばよい が 明 らか にそう ではない. ない 数を代入す る と24の倍 数 が得 られる. x , そ こで, ① と同 様に5 で割り切 れない場 合 に焦点 を当 てて g(x)につ いて調 べ て みる こと は自然である. x. 1. 2. 3. 4. 6. 7. 8. 9. 11. 12. 13. x‐1. 0. 1. 2. 3. 5. 6. 7. 8. lo. ll. 12. x+1. 2. 3. 4. 5. 7. 8. 9. 10. 12. 13. 14. x2+1. 2. 5. 1o. 17. 37. 50. 65. 82. 122. 125. 165. 7. 8. ここか ら5の 倍数 につ い ての 規則 性 が現 れる. x. 1. x ‐1. ※. 2. 3. 6. 9. ※. 12. 13. 14. ※. ※. 16 ※. ※. ※. ※ ※. 11 ※. ※. x+1 x2+1. 4. ※. ※. しか し, 240 に は至 らな い. ま だ調 べ て い な い こ と があ る の だ. そ れは2 で の3 で も 割 り切 れな い と き 2+1 か ら現 れる 因 数 であ る. こ れが2 の 倍 数 になる こ と は明 らか であ る と い っ てよ い. した が っ て, ② のx. は①と同様に次のように整理される. 2+1 4-1=(xー1 )である か ら )(x )(x十1 )= x g(x. )( )から24 の 倍 数 が, x2+1 か (i) 2でも3でも割り切れない整数を代入すれば, ①により( x‐1 x+1 (14).
(6) . い につ いての 光 問題の探求的取り扱いについての研究 。 の ) ・. 15. ら2 の倍 数が 生ずる. した が っ てg(x)か らは 24・2=48 の倍 数が生ずる. 2 ( ) 5 で割り切 れない 数を代 入す れ ば, x-1 i i , x+1 のいず れか ひとつ が5 で割り切 れる. , x+1 (i),( ) によ り, 240 で割り切 れる 数 である こと がわかる. i i. (4) ①, ②の表を違った風に眺めてみる ①で用いた表を別な見方で眺めてみる. x. 1. 3. 5. 7. 9. 11. 13. 15. 17. 19. x-1. 0. △. ○. △. ○. △. ○. △. ○. △. x+1. △. ○. △. ○. △. ○. △. ○. △. ○. この 表を(1,3) )とみる ことは自然である. という のはこ れらの組 ごとに ○, △ の配置 が同一 ,(5,の,(9,11 だか らである. こ の 表に3 で割り切 れない場合 の 表を重 ねて みる. そのため にこの 表か ら × が3の倍数の場 合 を削 除する. この とき, 次の 表 が得 られる. x. 5. 7. 11. 13. 17. 19. 23. 25. x‐1. 0. △. △. ○. ○. △. △. ○. x+1. △. ○. ○. △. △. ○. ○. △. xー1 x+1. □ □. □ □. □ □. □ □. (0 は4 の倍 数、 △ は2 の倍 数、 □ は3の倍 数。 × が1 の場 合 は特 殊な場 合と して はず した。 ) ま ず, こ の結果残る × の 値 につ い て 観 察 に よ っ て わ か る よ う に連 続 す る 2 つ の 奇 数(5,7),( 11,13),(17,19 )な どか ら なる. した が っ て, この2つ は前の奇 数に2加 えたもの が後ろ の奇 数になる. つ いで, 前 の奇数だ けみる と, 5,11 ,17 ,23 , ・・ で あ り, こ れは6 ずつ増 加 す る 等 差 数列 の パ タ ー ンになる. した が っ てこ の 組 は(5+6k, 7+6k) とい う タ イ プである. 次 に0, △, □の 配置 が どのよう に規則 的 に繰り 返さ れている か をみる. たとえ ば, x の配置 になる の は. x = 17. =. 5 のときと 同一. の とき である. そ して, 今の 場合 はいく つ かの繰り 返 しの パ タ ー ンを重 ね合 わせ. たの だか ら, こ れと 同 じ規則 性 はこれ以 降も確 実 に生 じる. した が っ て, この次 に x =5 と 同 じ配置 になる の は x = 29, つ い で x = 41 で あ る. こ れ は x = 5十12m と いう タイ プの 数の場合 に起 こる. 以下 同様 に, ○, △, □の 配置 に は4 通 り の パ ター ンがあり, 5十12m, 7十12m, 11十12m, 13十12mの タイ プ ごと に. 異なる配置を示す. 一方, 2でも3でも割り切れない数を対象にしていることから, これ以外の数を考慮す る必 要 はない.. この方法からは次のような証明が生じる. 条件 か ら, x に代入する数は 5十12 m, x = 5十12 m. 7十12 m, 11十12 m, 13十12 m の い ず れ か で あ る.. の場合.. こ の と き ×-1 = 4十12 m = 4(1十3 m) x+1 =(6十1 2m)= 6(1+2m). ,. 2一 目ま24(1+3m)(1+2 m)と なり 24 で割 り切 れる 値をとる した が っ て, x , .. 他の場合も同様. ②も同様に表を眺めたとしよう. 先ほどの①では最終的には条件を満たす数を 12 で割 っ たあま り によ っ て分類したもので場合分けしたことになる. 通常, 「2でも3でも割り切れない」 という場合には6で割っ たあまりによって場合分けする. 「2でも3でも5でも割り切れない数」 に対しては 30 で割ったあまりに よるのが通常だが, この場合はおそらく 6 0による場合分けが適切であろう. すると, x としては. (15).
(7) . 杉山 佳彦 . . 1十60 m, 7十60 m, 11十60 m, 13十60 m, 17十60 m, 19十60 m, 23十60 m, 29十60 m, 31十60 m, 37十 60 m, 41十60 m, 43十60 m, 47十60 m, 49十60 m, 53十60 m, 59十60 m. に場合分けすればよい. 表を作成. し, 10 の倍 数のみを調 べ てみる と次のよう になる. 1. x. 7. x‐1. 11. 13. 17. 19. 23. 29. ☆. x+1 ☆. 37. ☆. 43. 47. 49. 53. 59. ☆. ☆ ☆. 61 ☆. ☆ ☆. ☆. 41 ☆. ☆. ☆. x2+1. 31. ☆. ☆. ☆. (☆は10の倍数である) ①の表から○, △, □の配置は. ×. が12 増加するごとに同じ配置になる. 一方☆の配置は周期3 0で繰り返. す. した が っ て, ○, △, □ は周期12, ☆ は周 期30. こ れ は60を用 いた場 合 分 けが有効 であろう こと を示. 唆する. 実際,. x=. 1十60m であ れ ば,. ) 60.30m2十60m十1 x-1 = 60 m, x十1=2 (1十30 m),x2+1 =2( となり, こ れらを か けれ ば60・2・2の 倍数を得 る. 他 も同 様 である. と こ ろ が, 30で割 っ たあ ま り によ る 場 合 分 け で はこ のよう に 明 らか な も の に は な らな い. 実 際, x=1 十30kとする と, 2 2 ) x-1 = 30k, x十1= 2(1十15k , x+1= 2(30.15k 十30k十1) となり, 顕在化 させる こと の できる の は 120 と なる か らである.. (5) 探求へ (3), (4) を通 じて一通りの解決に至 っ た. 通常の問題解決はこれで終了 する. しかし, (3), (4)のような活動を通じた場合, そこにはさま ざまな要素が期待される. とりわけ, 具体的に規則性を調 べたことによってそこには予想の当否, さまざまな手法の比較, 問題それ自身を発展させる何らかの見方が 生 ま れる こ と が 可 能 に な っ て い る. た と え ば, (3) の 末 尾 で ふ れた 問 題 につ い て い え ば, 次 の よう で あ る.. 問題 は次 のよう であ っ た. 問題 h(x)= (xー1)(x+1)(x+2)に2 でも3 でも割 り切 れない 整 数を代 入 した とき 得 られる 値 は どの よう な整 数であろう か? いく つ か調 べ れ ばわ かる よう に 取 り 立 て て 変 わ っ た と ころ は な い. す る と, 逆 に次 の よう な 問 題 が 生 じ る. f(x)を h( )に変えたにも関わらず24 と いう 数字 が変 わ らないの はなぜ か. 24 でないように変えると x す れ ば どの よう な式 を考 え れ ばよ い か. あ る い は, 24 になるような式には どのようなものがあるか. それ. らには共通する特徴があるか・・ あるいは (1) と (2) を比較した場合, (1) は連続する 3 つ の 整 数 が基 本 的 であ っ た が, (2) で は それに類似した見方が可能か?可能になるように問題を手直しするとすればどうするか? このような問題はいずれも3, 4での取り扱いを経て初めて自然な意味を帯びたものとしてみえてくる. これは, 当初示したような完成された数学的証明からは得られない問題群であるといえよう.. (16).
(8) . 17. 問題の探求的取り扱いについての研究. 3. 第2の 事例注u. こ こ で, もう 「 つ の事例 を あ げてお こう.. (1) 問題と標準的な証明の提示 問題 /2 が無 理 数である こ とを 証明せ よ.. この問題に対する標準的な証明は次のようである. 証明 = 背理法 による. そこで/2 が有理数であると仮定する. するとp ,qが互いに素な自然数として,/2 2 2 は偶 数 である‐ q pと 表す こ とが できる. する と, 2= /p2 . し た が っ て, 2 ・p = q. そ れゆえ, ず iとお け ば 2 ・p 2 2=4 ・q 2も 奇 数 そ れゆ え ,qは偶 数. こ の とき, q=2q が奇 数 であ る とす れ ば, q , . , よ り, p2=2.q . こ れよ り, ま っ たく 同様 に して, p が偶 数と なる. と ころ がこ れ は p , q が互い に 素 な 自然 数である, という 仮定 に反する. この 矛盾 は/2 が有 理 数である と いう 仮定 によ っ て 生 じた. よ っ て, こ の 仮定 は正 しく ない. す なわち, /2 は無 理 数である.. こ の 証 明 に お い て は, /2 (無 理 数)を有 理 数 で な い 数 と して 実 体 を もつ モノ と して 構 成 して いる. こ れ を, ア ル ゴリ ズム 的な側 面 でみた ら どのよう になる であろう か.. (2) アルゴリズム的な側面からみた無理数 無理数は, 二つの量に対して通約量が存在しないときの比率としてあらわれる. この通約量を求めるアル ゴリズムは 「互除法」 である. 二つ の量 a , b に 対 し, 第 三 の 量 c が あ っ て, a = m ・c, b = n・c (m, n は自然数) とできる. この条件を満たす第三の量 c を,. a , b の通 約量 と いい, ま た a , b は通 訳可能 である, と いう.. が通約可能ならば, そのあいだには 影b = 理数である. a , b. m/n と いう 関係 が生 じる. した が っ て, a ,b. の比は有. 二つ の量の通約 量 を求 める 方法 と して, ユ ーク リ ッ ドの互 除法 が知 られる. そ れは次の 命題 に基 づ く. 2 1 命 題注. 二つ の量 a, b があ り, a〉b とする. この とき, a , b の最大通約量が c であ れ ば, c は b, a‐b の最 大通約量 でも ある.. (証明) a = m . c, b = n . c (m, n. は自然数) とおく. c は最 大通約 量 である か ら, a , b は互いに素であ. る. こ の と き, a-b=(m -n) ・c である か ら, b と a-b は通約 可能 である. ま た, m と m-n と が共 通 する 1 でない約 数 p を も て ば m=p・ mT, m -n = p・k. こ れよ り, n=p・(m-k). こ れは m, n が p を共通 因子 とする 事を示 し, 互い に素 である こ とに反する. し た が っ て, c は最大通約量である.. 特 にa , b が自然数のときには通約量は公約数を意味する. したがって, この命題は公約数を見いだすア ル ゴリ ズム を 与 える も の である. こ の ア ル ゴリ ズム が 「ユ ーク リ ッ ドの 互 除法」 で ある. そ して そ こ で は, a , b. の最大公約数を見いだす計算を効率的に行うために a を b で割った商とあまりの関係を利用すること. になる. と いう の は, 商を q, あま り を r と す れ ば, a-q・b= r となり, 上記の命題を繰り返し利用する こと で, a と b の最大公約数はb と r の最大公約数と一致することが確認できるからである.. (17).
(9) . 18. 杉山. 佳彦. 同様のことが通約可能な二つの量の間でもできる. この手続きによれば, 通約量を求める手続きは最初の 量よりも小さな量の通約量を求めれ手続きに帰着されることになる. そして, あまりが0になればそのとき の小さな量が最大通約量であることになる. しかし, 一般の量の場合あまりはいくらでも小さくなるが0に なる と はい え な いこ と が あ る. こ の 場 合 は こ の ア ル ゴリ ズム は 終 了 しな い. こ の 場 合 が通 約 不 能 な場 合 で あ っ て, その比 は無理 数となる. した が っ て,. 二つの量が通約可能・・二つの量の比は有理数・・互除法によって通約量を求めることができる 二つの量が通約不能・・二つの量の比は無理数・・互除法の手続きは終了しない という対応付けができる. (3) アルゴリズムを実行することで, 無理数であるか否かを判定する. この手続きを利用して, /2 が無理数であることを確認できる. ただし, 割り算の基本的な関係として, a=q・b + r(0≦r < b)がある が, この 関係 は 今の場 合, a から b を何回か引き去り, b よりも小さくす る, という 目 的 で利用 する. した が っ て, q は自 然数 である. /2 は二つ の 量 1, /2 の比 であり, /2=14142.. である. した が っ て, /2=1.1十( /2‐1)であり, ここか ら/2, 1 の通約量 がある とす れ ば 1 と /2‐1 の通約 量 と 同 じである. 次 に, 1 と/2ー1=0 4142.. の通約量 を求める た め に, 1 を/2ー1 で割る. . 1/ ( /2ー1)= /2+1 である か ら商 は 2. した が っ てあま り は, 1=2.( ′2ー1)十r によ っ て, 3ー2 r2=o 176.‐ ‐ ゆ えに, 1 と/2-1 の通約 量 は /2ー1 と 3ー2 /2 の通約 量 に等 しい. そこ で, さ らに /2ー1 を 3ー2 /2 で割る. とこ ろ が,(/2-1)/( 3ー2 /2)=/2 + 1 である. こ れは直前 の割 り算 の結 果と同 じである か ら , この 互 除法 は終了 しない. した が っ て, /2 は無 理 数 である. 1 3 (4) ア ル ゴリ ズム を具体化する注 . 24cm の長さ と36cm の長さ がの最 大通約量 を 求める 場 合, 縦 24cm, 横 36cm の長方形をできるだけ大き. な合同正方形に切り分ける際の正方形の一辺を求める問題とみなすことがある. これを与えるものが互除法 である. この互除法を今の場合に適用し, 具体的操作に言い換えれば次のようになる. ①与えられた長方形から一辺24cm の正方形をできるだけ多く切り取る. (今の場合は1個) ②残る 長方形 は長辺 が 24cm, 短辺 が 12cm である. こ の長方形 か ら一辺 が 12cm の正方形をできる. だけ多く切り取る. (今の場合は2個) ③この段階で残りはなくなり, 互除法は終了する. した が っ て, 最大通約量 は 12cm である.. これを縦1, 横/2の長方形に適用する. ①この長方形から一辺が1の正方形をできるだけ多く切り取る.(今の場合は1個) ②残る長方形は短辺:長辺 =(/2-1): 1= 1:(/2+1)である. これから再び正方形を で きるだけ多く切り取る.(今の場合は2個) 1 ③残る 長方形 は短辺 =3-2 /2, 長辺 =J 2-1 である が, この比 率 が短辺 :長辺 = 1 :(/2+1) で あ る.. したがって, ここから先は②が際限なく繰り返す.. (1 8).
(10) . 問題の探求的取り扱いについての研究. 19. (5) 別な問題を派生する. (4) の手続きからは次のような発展が自然に可能である. た と え ば縦24cm, 横36cm の 長 方 形 を用 い た 場 合 と, そ れと相 似 な 縦 2cm, 横 3cm の長方形を用いた. 場合とでは, そこで生ずることはほぼ同じであり, 違いは途中でできる正方形の大きさだけである. そこか ら次のような問題が生じる. 問題. ある長方形に上記の手続きを施したところ, 切り取られた正方形の個数が大きいものから順に1個, 2個, 3 個, 2個 であ っ た. も と の長 方 形の長辺 と短辺 の比 率 はいく らであ っ たか.. 3/7) この問題は図を描く ことによっ て容易に解決できる. (2 そ こ で, こ の有 限列 1, 2, 3, 2と有 理数 23/7 との関係を探求する活動へ発展させることが可能にな 1 4 した が っ る. ま た, /2 に対 応 す る 数列 は1, 2, 2, 2, ・ ・ と な り, こ の 数列 が無 限 数列 と なる注 .. て一般に, 数という視点からす れば, 有理数に対応する数列 は有限列である. そして無理数に対応する列は 無限列である. さらに, この数列から何らかの計算によってもとの有理数を復元する手続きを検討することから, 正則連 分数へ のつ な がり ができ, た とえ ば /2 の連分数表示を有限で打ち切ることによって近似分数が得 られるこ と, あるいは循環連分数から元の無理数を復元する手続きな どを問題にすることができる. 4. 結語と して. 本稿では 「実体をアル ゴリズム化する」 という方法を, 単なる問題解決を探求活動に変えてゆくための方 1 5によ る 「数学 的 概 念 は 実 体 的側 面 と ア ル ゴリ ズム 的 な 法としてとりあげた. この方法の可能性は Sf ard注 側面を合わせ持つ」 という指摘が一般に正しいと思われる以上, いかなる場面においても適用できる方法で. あると考えている. しかし, この方法のみによっ て筆者が理想とする 「探求」 にふさわしい内容を派生する 1 6 こ と が できる と は考 えてい ない. その た めに は他 の方法 をも 見 い だ す こと が必 要 である注 .. 今回取り上げたこの 「実体をアル ゴリズム化する」 という方法についての若干の分析を加え, 本稿を閉じ る こと と す る.. 本研究の目的は教員養成課程の学生あるいは教師が自身の数学的な経験を豊富にするための方法を開発す ることにある. そしてその場合の最大の問題は, 学生あるいは教師自身が数学的なものごとにどれだけ深く 関与 する こ とが できる か である. そ の ため に は, 当のも の ごと を 自身 に関わり ある も の と して引 き 受 け, そ こか ら探 求の ための 文 脈を 自 分. 自身で作り上げてゆくことが要求される. した が っ て, 本研 究 の焦 点 はこ のよう な文 脈をつ く る 方法 を整理 し, 基 礎付 け, ある い は開発 する こ と に ある. 本 稿 で はそ のよう な も の の 一つ と して 「実 体 をア ル ゴリ ズム 化 する」 を, 事 例 を も と に, 提 示 した.. この方法に対するより多くの例の収集及 び基礎付けに関しては以下の通り. 本稿ではこの方法の根拠を. Sfard の 概 念形成 論 に 求め て いる. こ の 点 か らみる 限り で は, い か なる レベ. ルの数学的問題に対しても適用できると見込まれる. しかし, S稼rd の議論は本研究での問題関心とは異な るため別な形での基礎付けを必要が必要とされよう. この点については 「問題設定」 に関する議論とつきあ わせてみることが必要である. また, この方法の適用例は本稿で取り上げたものの他2, 3ある程度にとど まる. さらに多くの例が必要である.. (1 9).
(11) . 20. 杉山 佳彦. 注及び参考文献 に ず 1 80. 年代に入って合衆国で問題解決が脚光を浴びたとき、 その後、 わが国にもこの動きは大きく影響を与えた。 そのころ、 中学校などでの数学の研究授業ではポリヤによる4段階を教室に掲示し、 それを生徒たちに参照させながら問題解決型の授業 を行う ことがままあ っ た、 と いう。 このよう な 状況は、 「ス トラテ ジー」 が、 ここに述 べたよう な 「幻想」 を与えて しまっ た. 例であろう。. i 鰹岩合一男編、 「算数・数学教育学」 、 福村出版 細 たとえば、 相馬一彦、「数学科 問題解決の授業」 7 9 9 、1 、 明治図書。 氏は、 この 「二重構造」 を 「問題」 と 「課題」 という 区別によって表現している。 その言葉によれば、 当初の 「問題」 は 「問題」 、 その問題を解決しようとする中で姿を現す問題 が 「課題」 である。 あるいは、 これを単元全体を構成する原理と見ることもできる。 すなわち、 単元の導入としてその単元を通じて解決するべ き問題が示され、 その問題を解決するためのものとして新たな問題を設定する、 という原理である。 近年、 特に算数科で注目 されてきつつあるス トーリ ー性を重視するといっ た考え方はこの種のものとみえる。 注 4 このよう な問題意識がう かがわれるものと しては. 、 たとえば 岩崎浩、 「ユークリ ッ ドの互 除法の一般化につ いて」、 上越 数学教育研究、 第13号、 1998 23 32 ‐ 、 pp .. 注 5 この点については. 」 、 拙稿、 「数学教育における 「証明」 についての基礎的研究‐ 「ものがたり」 としての 「証明」 、 北海道. 教育大学教科教育学研究図書第4巻 「子 どもとコミ ュ ニケーショ ン」、 東京書籍、 平成七年、 pp 132 148。 ‐ . ” n が 「それはなにか」 に対応する 前 者は手続きを問題に し 後 者は分類 郷 ”know h t が 「どうすればよいか」 k i h t o 1 o w w a 。 、 、. を問題にする。「いかにすればそうとわかるか」 という意味での 「証明問題」 は前者に属する。 しかし、「なぜか」 に答えるも のとしての 「証明問題」 は (もしあるとすれば) 後者に属する。 ’ T Educa亘onaIStudiesin M【athemadcs ” AmI デ d”ON THE DUAL NATURE OF MATHEMATI CALCONCEPTIONS 2 u r asf 、 、 121、 No 1、 pp 1991、 vo 1 ‐36 . , 注 8 この事例については ① ②の証明を考えさせた後に. 、 、 、 ⑨としてはどのような問題が考えられるか、 という問題として筆者 の勤務校での数学科学生 (3年生) 対象の授業で何回か扱っている。 その点についてはたとえば、 拙稿、 「数学教育における. 「証明」 についての基礎的研究- 「帰納」 と 「演鐸」 についての考察 (3) ‐」、 東北数学教育学会年報第22号、 1991 2 9 ‐ 、 pp . 注 9この設問の末尾を 「証明せよ」 とせずに 「なぜか」 と変更したのには. 、 次のような理由がある。 「証明する」 とは 「いかにすればその命題が正しいとわかるかを述べる」 ことである。「いかにすれば」 を問う以上許容さ. 2‐1、 n l‐1 (いずれも整 れうる方法が枠づけられ ていなけれ ばな らない。 当初の問 題設定であれ ばそこには実体と してのn 数) がある。 このことによ っ て整数に関する 理論 (シス テム) の 内部 での問題である とと らえ られ、 その枠内で解 答する必要 2‐1、 ば‐1 は単なる が明示される。 しか し、 実体をア ル ゴリ ズム に変化させて しまっ た場 合実体と して可視化さ れていたn 手続きとなることによっ て不可視となる。 そ してそこに現 れる のはまだ算出 していない個別的な整数のみである。 したがっ て、 前者では整数のク ラス が対象であるのに対 して、 後者では個別的な整数が対象である と いえる。 後者での問題は、 この個別的 な整数たちが24ない し240 で割り切れるという共通する性質をもつことを理由付けすることにある。 これは 「いかにすれば その命題が正 しいとわかる か」 と いう 問いによ っ て は正当に答えるこ- と が困難な問題となる。 という のは、 端的にや れ ばわか るからである。 これにたい し、 「なぜか」 と いう 問い はこのよう な 問題か らは免 れる。 もちろ ん別 な問題を惹起する ことはあ るが。 i E o この 「因数分解」 は指定されたア ルゴリ ズムと同 じ効果をもつ別な ア ル ゴリ ズム への言い替え と いう側面をもつ 「実体」 1 。 、. の変形ではない。 a 1 1 ここで取り上げた事例は筆者の勤務校での小学校教員養成課程対象の 「割り算」 …. をテーマとした授業 (小学校教科専門科. 目数学) であつかっ たうちの一部であるb i E 1 2ユークリ ッ ド原論、 第 10 巻、 命題1 及び3. 注 嶋 ここでいう 「具体化」 は 「抽象 (化)」 の逆をさす。「実体化」 とは全く異なる。 抽象化は通常集合を何らかの同値関係に よって類別し、 そこから商集合 (集合を要素としてもつ集合の一種) を構成する過程として把握される。「具体化」 はこの商 集合の要素に代表元を割り当てることを指す。 今の場合 は、 たとえ ば二つ の量の比と しての /2 (このよう な関係 にある二つ. の量からなる対のクラスを要素化したもの) に対し、 このような関係にある諸量の代表元として線分の長さを割り当てたこと になる。 これに対して 「実体化」 は、 方向性としては、「抽象」 と同じであるといってよいであろう。 概念形成論を前提とし、 概念形成の方向を上方にとれば、 「抽象」 、 「実体化」 が上方であり、 「具体化」 は下方をさす。 なお、 筆者は、 「抽象」 は集合を同値関係によって類別することから始まるとしてもその同値関係は別な集合への全射によ っ てもたらされる、 とみる方が自然であると考えている。 この点は稿を新たに論ずる必要 がある。. (20).
(12) . 問 題の 探 求的 取 り 扱 い につ い て の 研 究. 21. 注 1 4 この活動 はユークリ ッ ドの互 除法を 媒介する ことで、 (正則) 連 分数に結 びつく。 ここにま で至 れ ば、 有 限連分数、 無 限連. 分数という分類の他、 循環連分数、 非循環連分数という分類が容易に生まれ、 それまで単に 「無理数」 として一括していた数 たちが実はまだいく つかの下位分類 が可能であることを予 感させることも できる。 濫応 前掲注7 1 l ter、 SJBrov vn による提案は多くを示唆してくれる。 .Wa 、 M‐ ブラウ ン、 ワルタ ー著、 平林一栄監訳、 「いかに して問題をつくるか」、 東洋館、 1990. 注 1 6 この点で. ある点で、 彼らの提 案をより 具体化する ことが筆者の 関心 事である、 ともいえる。 また本稿では上述の方法 に焦点を当て たが、 補助 的に問題解 決のス トラ テ ジーとよ ばれるもののう ちか らいく つかを使用 し た結果になっ ている。 たとえ ば、 事例2 で使用 した 「適切 な図を描く」 と いう ものがそ れである。 これを問題解 決のス トラテ ジーと してことさ ら表現 しなかっ たの は、 こ れは同時 に問題を探 求的 に取り扱う 方法の ひとつ を示 唆するとみる からである。. 実際、 これを表現様式間の翻訳としてとらえるならば、 次のような議論が予想される。 異なる表現様式には異なる意味 (セマ ンティ ッ クス) ・文法 (シンタ ッ クス) ・用 法 (プラ グマ ティ ッ クス) がある。 その結果同 じア ル ゴリ ズム を 表現 しながら、. 異なった文脈が生じ、 異なる問題を発生させる。 この議論が一般論として妥当であるならば、 探求的に取り扱うための 「表現様式を変える」 という方法を示唆する。 したが っ て、 稿を新 たに検討する必要がある。. (21).
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