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低次元格子の固定について

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Academic year: 2021

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(1)低次元格子の固定について 教科・領域教育専攻. 自然系コース 河. 1 論文のテーマ. 田. 悟. 1章準備 1.1フレーム. グラフとは“点”と“線’だけからなる図形のこと. で、数学的には有限集合とその適当な二元からな る部分集合の族を組にして指定される組み合わせ 的な構造を持っている。このグラフを、何本かの 硬い棒を自由自在に曲がる関節でつないだ“トラス 構造”と捉えて、グラフが変形するかどうかを議論. する。実際、そのような構造物が変形するかどう かは土木工学や建築学では自然に現れる問題であ る。このようなグラフの問題を、グラフの定形性 (rigidi七y)の問題と呼ぶことにする。グラフの定形. 性の問題は、structural topologyと呼ばれる分野 に属する話題で、古くから研究されており、多くの. 実用的な応用を持つ。本論文では、グラフの定形. 1,2フレームの自由度 1.3ma七roidとフレーム. 2章平面上の格子 2.1 line motion 2.2 shear space. 2.3m×n格子とmatroid 3章一階建の建物 3.1建物 3.2 shear space. 3.3壁の支柱. 3.4壁の支柱と屋根の支柱 3.5 The joint occupancy matrix. 付録. 性の問題の中でも、特に、平面格子の定形性と一 階建の建物の定形性の問題について考える。. 一階建の建物の定形性の問題は、モントリオー ル大学建築学科でのJanos・Baracsの設計コースの クラス・プロジェクトとして始まり、そのクラスの. 1人の学生は、3×3の一階建の建物について、屋 根に4本の支柱を、また、4つの壁に支柱を入れて この建物を強化する方法を、モデルを用いてすべ て分析した。. 本論文では、平面格子の定形性と一階建の建物 の定形性について組み合わせ理論(matroid理論). および基礎的な線形代数を用いて考え、この問題 を視覚化し、直感的な解決を可能にするためにグ ラフを利用する。. 3 論文の概要 各章の概要について述べる。. 1章では、後章で必要になるグラフ理論や、一 般的なフレームの基礎的事項、matroid理論につい て述べる。. 1.1節では、グラフの定義を行い、フレームにつ. いての説明をする。また、フレームの運動につい て定義を行い、フレームがrigidであるという概念 を定義する。フレームがrigidであるかどうか、ま た、rigidでないならば、どこに何本支柱を入れる ことでrigidにできるかを調べることが、この論文 のテーマである。. 1.2節では、motionを定義し、すべてのmo七ion. 2 論文の構成. を集めた集合であるmotion space Mを考察する。. 序文. Bを加えたmotion space M(B)の説明をして、フ. まず、Mの部分空間Eとフレームに支柱の集合.

(2) レームがstric七ly rigidであるということを定義す. になっているかを考察する。最後に、支柱の集合. る。このとき、フレームがs七ric七ly rigidならばrigid. .Bを加えてフレームをstrictly rigidにするために. であること(付録で証明する)を用いて、以下、フ. 考察したshear spaceをS「πと名付ける。また、平. レームをstrictly rigidにしていくことを考える。. 面上の格子では、格子がstrictly rigidであること. 次に、フレームに支柱の集合Bを加えたとき、フ. とrigidであることが同値であることを示す。. レームがs七rictly rigidであるかどうかはM(B)を. 3章では、一階建の建物に壁の支柱の集合Aと. 調べればよいことを示す。これらは、支柱を加えた. 屋根の支柱の集合Bを加えてstrictly rigidにする. 平面上の格子と一階建の建物がs七ric七ly rigidであ. ことを考える。. るかどうかを後の章で考えるための準備である。. 3.1節では、一階建の建物の説明を行い、一階. 1。3節では、ベクトル集合とその階数を一般化. 建の建物でのmotion space.Mや壁の支柱の集. した考え方であるma七roid理論についての概要を. 合Aと屋根の支柱の集合Bを加えた建物のmo−. 説明する。このmatroid理論を使い、フレームの. tion space M(A U B)について考察をする。. matroidとグラフのma七roidを紹介し、これらの関. 3.2節では、2.2節と同様にshear space Sを考. 係について述べる。これらのma七roidは、フレー. える。さらに、支柱の集合AU.Bを加えた一階建. ムがstrictly rigidであるかどうか判定する場面で. の建物がstric七ly rigidかどうかを調べるためには、. 重要な役割を果たす。. motion space.M(A U.B)の代わりに、 Sの部分空. 2章では、平面上の格子をフレームと考えて、平 面上の格子に支柱を加えてs七rictly rigidにするこ とを考える。. 2.1節では、平面上の格子を説明し、格子のline. を定義する。また、1ine motionを定義し、この line motionがmotion space.Mの基底となる事を. 間σ(M(A))∩σ(M(B))を考察すればよいことを 示す。. 3.3節では、壁の支柱の集合Aを建物に加え、S の部分空間σ(M(A))について考察し、Sの部分空 間Sτを定義する。. 3.4節では、壁の支柱の集合Aと屋根の支柱の集. 示す。次に、line motionを利用して、支柱の集合. 合Bを建物に加え、建物をs七ric七ly rigidにするた. Bを加えたフレームがs七rictly rigidになるための. めにSτ∩Sπを考察する。. motion spaceでの条件を考察する。. 2.2節では、Mの代わりにあるベクトル空間を使. 3.5節では、The joint occupancy matrixの定義 を行い、The joint occupancy matrix しについて、. い、フレームをstrictly rigidにすることを考える。. 退化次tw Z。(L),Z。(L)の定義を行う。最後に、支. まず、格子のhallを定義し、 hall全体の集合から. 柱の集合を建物に加えるとstrictly rigidになるか. Rへの写像の全体の集合であるshear space Sを考. どうかは、Z.(L)で決定できることを、また、支柱. え、MからSへの写像σを定義する。このσにつ. の集合が独立集合かどうかは、屋根の支柱の集合. いて考察し、フレームがstrictly rigidかどうかを. に対応する二部グラフとZ。(L)で決定できること. 考えるためには、Mの代わりにSを見ればよいこ. を示す。. とを示す。また、支柱の集合Bを加えたフレーム. 付録として、1.2節で紹介した「フレームが. がstrictly rigidになるためのshear spaceでの条件. strictly rigidならばrigidである」ということを. を考察する。. 証明するが、ここでは、証明の概略を述べる。. 2.3節では、平面上の格子のma七roidと完全二部. グラフのmatroidが同型であることを示す。この ことから、平面上の格子をstrictly rigidにするた. めの条件が、完全二部グラフではどのような条件. 主任指導教官 小池 敏司. 指導教官濱中裕明.

(3) 平成13年度 学位論文. 低次元格子の固定について. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科. 教科・領域教育専攻 自然系コース. MOO182D河田 悟.

(4) 序 文. グラフとは“点”と“線”だけからなる図形のことで、数学的には有限集合とその適当な二元からな. る部分集合の族を組にして指定される組み合わせ的な構造を持っている。このグラフを、何本かの硬 い棒を自由自在に曲がる関節でつないだ“トラス構造”と捉えて、グラフが変形するかどうかを議論す る。実際、そのような構造物が変形するかどうかは土木工学や建築学では自然に現れる問題である。 このようなグラフの問題を、グラフの定形性(rigidity)の問題と呼ぶことにする。 グラフの定形性の問題は、struc七ura1七〇pologyと呼ばれる分野に属する話題で、古くから研究され ており、多くの実用的な応用を持つ。本論文では、グラフの定形性の問題の中でも、特に、平面格子 の定形性と一階建の建物の定形性の問題について考える。. 一階建の建物の定形性の問題は、モントリオール大学建築学科でのJanos・Baracsの設計コースの クラス・プロジェクトとして始まり、そのクラスの1人の学生は、3×3の一階建の建物について、屋 根に4本の支柱を、また、4つの壁に支柱を入れてこの建物を強化する方法を、モデルを用いてすべ て分析した。. 本論文では、平面格子の定形性と一階建の建物の定形性について組み合わせ理論(matroid理論)お よび基礎的な線形代数を用いて考え、この問題を視覚化し、直感的な解決を可能にするためにグラフ を利用する。. 本論文の構成について述べる。. 1章では、後章で必要になるグラフ理論や、一般的なフレームの基礎的事項、matroid理論につい て述べる。. 1.1節では、グラフの定義を行い、フレームについての説明をする。また、フレームの運動につい て定義を行い、フレームがrigidであるという概念を定義する。フレームがrigidであるかどうか、ま た、rigidでないならば、どこに何回支柱を入れることでrigidにできるかを調べることが、この論文 のテーマである。. 1,2節では、motionを定義し、すべてのmotionを集めた集合であるmotion space,Mを考察する。 まず、.Mの部分空間Eとフレームに支柱の集合Bを加えたmo七ion space.M(B)の説明をして、フ レームがs七rictly rigidであるということを定義する。このとき、フレームがstrictly rigidならばrigid. であること(付録で証明する)を用いて、以下、フレームをstrictly rigidにしていくことを考える。次. に、フレームに支柱の集合Bを加えたとき、フレームがs七ric七ly rigidであるかどうかはM(B)を調 べればよいことを示す。これらは、支柱を加えた平面上の格子と一階建の建物がstric七1y rigidである かどうかを後の章で考えるための準備である。. 1.3節では、ベクトル集合とその階数を一般化した考え方であるmatroid理論についての概要を説 明する。このmatroid理論を使い、フレームのma七roidとグラフのmatroidを紹介し、これらの関係 について述べる。これらのmatroidは、フレームがs七rictly rigidであるかどうか判定する場面で重要 な役割を果たす。. 1.

(5) 2章では、平面上の格子をフレームと考えて、平面上の格子に支柱を加えてstrictly rigidにするこ とを考える。. 2.1節では、平面上の格子を説明し、格子の1ineを定義する。また、1ine motionを定義し、この line motionがmotion space.Mの基底となる事を示す。次に、1ine motionを利用して、支柱の集合 Bを加えたフレームがstrictly rigidになるためのmotion spaceでの条件を考察する。 2.2節では、Mの代わりにあるベクトル空間を使い、フレームをstrictly rigidにすることを考える。. まず、格子のhallを定義し、 ha11全体の集合からRへの写像の全体の集合であるshear space Sを考. え、MからSへの写像σを定義する。このσについて考察し、フレームがs七rictly rigidかどうかを. 考えるためには、Mの代わりにSを見ればよいことを示す。また、支柱の集合Bを加えたフレーム がstrictly rigidになるためのshear spaceでの条件を考察する。. 2.3節では、平面上の格子のmatroidと完全二部グラフのmatroidが同型であることを示す。この ことから、平面上の格子をstrictly rigidにするための条件が、完全二部グラフではどのような条件に. なっているかを考察する。最後に、支柱の集合Bを加えてフレームをs七rictly rigidにするために考 察したshear spaceをSπと名付ける。また、平面上の格子では、格子がs七rictly rigidであることと rigidであることが同値であることを示す。. 3章では、一階建の建物に壁の支柱の集合Aと屋根の支柱の集合Bを加えてstrictly rigidにする ことを考える。. 3.1節では、一階建の建物の説明を行い、一階建の建物でのmotion space.Mや壁の支柱の集合A と屋根の支柱の集合Bを加えた建物のmotion space M(A U.B)について考察をする。. 3.2節では、2.2節と同様にshear space Sを考える。さらに、支柱の集合AUBを加えた一階建の 建物がstrictly rigidかどうかを調べるためには、 motion space.M(A U B)の代わりに、 Sの部分空 間σ(M(A))∩σ(M(B))を考察すればよいことを示す。. 3.3節では、壁の支柱の集合Aを建物に加え、Sの部分空間σ(M(A))について考察し、 Sの部分 空間STを定義する。 3.4節では、壁の支柱の集合Aと屋根の支柱の集合.Bを建物に加え、建物をstrictly rigidにするた めにST∩Sπを考察する。 3。5節では、The join七〇ccupancy matrixの定義を行い、 The joint occupancy matrix しについて、. 退化次数Z。(L),Z。(L)の定義を行う。最後に、支柱の集合を建物に加えるとstrictly rigidになるか. どうかは、Zr(L)で決定できることを、また、支柱の集合が独立集合かどうかは、屋根の支柱の集合 に対応する二部グラフとZ。(L)で決定できることを示す。. 付録として、1.2節で紹介した「フレームがstric七1y rigidならばrigidである」ということを証明 するが、ここでは、証明の概略を述べる。. 最後に、この論文を作成するに当たって学部生時代から、懇切丁寧に御指導して下さった濱中裕明 先生に深く御礼申し上げます。また、研究の環境を整え御指導下さった兵庫教育大学数学教室の此先 生方に心から御礼申し上げます。. 2.

(6) 目次 1. 序 文 準備. 4. 1.1. フレーム......., .... ... 4. L2 L3. フレームの自由度......... 6. 1章. matroidとフレーム. 13. .。. 平面上の格子. 18. line motion .................................・.・・... 18. 2.2. shear space .......................................... 23. 2.3. m×n格子とma七roid .. ... 30. 一階建の建物. 36. 3.1. 建物 ..........曾..... ......... .........謄..。..... 36. 3.2. shear space .......................................... 40. 3.3. 壁の支柱..一一.....一一. .. 3.4 3.5. 壁の支柱と屋根の支柱 一一.。. 42 46 49. 2章 2ユ. 3章. The joint occupancy ma七rix.. .... .,. ... ... .. ........ ., .. .. ... 。。... 56. 付録. 3.

(7) 1章 準備 1。1 フレーム まず、単純グラフを以下のように抽象的に定義する。. 定義1.1空でない集合VとE⊂{A⊂vlIAI ・2}の組G=(V;E)を単純グラフという。 このとき、Vの元をGの頂点、 Eの元をGの辺と呼ぶ。 VをGの頂点集合、 EをGの辺集合とい い、それぞれV(G)、E(G)と書くこともある。. 頂点α,b∈Vに対して、{α,b}∈Eのとき、α,δが辺でつながっている、または、αとbは隣接して いるといい、α+bと書く。このとき、頂点α,bを辺の端点という。また、辺{α,b}のことをαbと書. いたり、辺eのように一文字の英字で表すこともある。辺eの端点が頂点αであるとき、αHeと書 くこともある。 口 以下、本論文では、グラフとはすべて単純グラフのことである。グラフに関する定義を幾つか述 べる。. 定義1.2二つのグラフG、G’が、 V(Gt)⊂V(G)、 E(Gノ)⊂E(G)を満たすとする。このとき、 G’. をGの部分グラフという。 とくに、V(G’)=V(G)のとき、 C’をGの全域部分グラフという。. p 定義1.3Gをグラフとする。 Gの頂点と辺からなる交互列、. W;XlelX2e2…ehXk+1 において各辺eiがその前後の頂点を両端点に持つとき、 WをXlとmle+1を結ぶ歩道といい、特に、. Xi≠吻(1≦i〈ゴ≦k+1)のときWを道という。. □. 定義1.4WがXl= Xk+1かつXi≠吻(1≦iくゴ≦k)を満たすとき、 Wを閉路という。閉路を部. 分グラフと考えることもある。. 口. 定義1.5G=:(玩E)をグラフとする。任意のx,y∈Vに対して、 x、 yを端点とする道が常に存在. するとき、Gは連結グラフであるという。ただし、 IVI=1のグラフは連結グラフとする。. □. 定義1.6HをCの連結部分グラフとする。 Hを含む、より大きな連結部分グラフが存在しないと き、HをGの連結成分という。 日 定義1.7G=(V,E)をグラフとする。 Gが閉路を含まないとき、 Gを林という。また、林の中で連. 結なグラフを木という。. l1. 4.

(8) 定義1.8G=(V,E)をグラフ、 HをGの全域部分グラフとする。 Hが閉路を含まないとき、 Hを 全域木という。 口 定理1.9G=(V,E)を連結グラフとする。このとき、 Gは IE(G)1 ) IV(G)1 一 i. を満たす。等号が成立するのはGが木のときである。 定理1.10C ・=(V,E)をグラフとする。このとき、 Gが林であることと、(7が IE(G)1=1γ(C)1一(Gの連結成分の個数). を満たすことは同値である。 定理1.9、1.10の証明は前原 潤の[5]を参照。. 定義1・11Cをグラフとする・v∈V(G)につながっている辺の個数をvの次数といい、 deg@)と 書く。. v∈V(G)においてdeg(v)=0となるとき、 vを孤立点という。. 口. 定義1.12グラフG=(V,E)において、頂点集合Vをk{固の組Vl,...,砺に分けたとき、どのViに. ついても、任意のv,v’∈Viは隣接していないとする。このとき、 Gをk部グラフという。. m. 次に、Gに対してフレームを以下のように定義する。. 定義1.13Gをグラフ、 Gの頂点集合をVとする。このとき、 Gと写像p:y一→RNとの組(a, p) をN次元フレームという。また、pを省いてフレームGと参照することもある。 Gの辺集合Eの元 をフレームでは梁と呼ぶ。 □ 与えられたフレームに対して、“フレームの梁の長さを変えないように、フレームを動かしていく” ことを考える。. 定義1.14(G,p)をフレームとする。各v∈Vごとに、微分可能な写像Cv:(一ε,+ε)一→RNが与え られていて、Cvが次の条件を満たすとき、これらの写像の族(c。1v∈V)をフレーム(G, p)の運動と いう。. { cv(0) == p(v) Vl+V2⇒ Cv、(t)とOS、(t)の間の距離はtによらず一定 このような運動を各v∈Vに与えることをフレーム(C,p)を動かすという。. 口. 特殊な運動として以下に述べる平行運動、回転運動、合同運動がある。 定義1.15(G,p)をフレームとする。微分可能なベクトル値関数α:(一ε,+ε)一→RN(ε>0)が α(0)=・Oを満たすとする。このときαv=(一ε,+ε)一→RN(v∈γ)を、αv(t)=p(v)+α(t)とすると、. 各Vl,V2∈Vについて、 av1(t)とav2(t)の間の距離はtによらず一定になる。また、任意のV∈Vに ついて、αv(0)ニp(v)となるので、(α。1v∈V)は(G,p)の運動となる。(a。lv∈V)のことを平行運動. と呼ぶ・. 日 5.

(9) 定義1.16tに対してN×Nの直交行列Atを対応させる微分可能な関数.侮を考え、 Ao=E(Eは 2V次単位行列)とする。 v∈Vにおいて、 ev=(一ε,+ε)一>Rlvをev(t)=AtP(v)と定める。このと. き、各Vl,v2∈Vについて、 e。、(t)とe。2(t)の間の距離はtによらず一定になる。一方、任意のv∈V において、ev(0)=Aop(v)=p(v)となる。よって、(e”1v∈V)は(G,p)の運動となる。このとき、. (ev[v∈V)のことを回転運動と呼ぶ。. 口. 定義1.17(G,p)をフレーム、(c。]v∈V)を(G,p)の運動とする。 c。が回転運動e。㈲=AtP(v)と、 平行運動α。㈲=p(v)+α(t)を使って、娠オ)= AtP(v)+α(t)と表せるとき、(c。 lv∈V)を合同運動. という・. fi. 定義1.18(G,p)をフレームとして、以下のように定義する。 (G,p)は(N次元で)且exibleである。 ⇔. 隣接していない二頂点Vl,v2∈γについて、 OS、(t)とC。2(t)の間の距離が一定にならない (G,p)の運動(c。lv∈V)が存在する。. (G,p)は(N次元で)rigidである。. ⇔. (C,p)の運動は合同運動に限る。. u この定義だけではflexiblityとrigidi七yが相反することは自明ではないが、実は、次のことが成り立 つ。このことの証明は、H.Gluckの[4]を参照。 定理1.19(G,p)をフレームとするとき、(G, p)がN次元で且exibleではないことと、(G, p)がN次. 元でrigidであることは同値である。 定義1.18では、rigidityと且exibli七yを微分可能な曲線を使って定義したが、実は、連続な曲線を 使ってrigidityと且exibli七yを定義しても、微分可能な曲線を使って定義したものと同値になる。この ことの証明は、L.Asimowの[1]を参照していただきたい。 以下、フレームのrigidi七yと且exiblityは!V次元で考える。. フレームに関する主たるテーマは、フレームがrigidかどうか、且exibleならば新たに支柱をどこに どれだけ追加すればrigidにできるか、という問題である。 以下、この章では一般のフレームについて述べる。. 1.2 フレームの自由度 G=(V,E)をグラフ、(G,p)をN次元のフレームとする。 a,b∈Vをa+bとすると、フレームの 運動(os)は頂点α, bの問の距離をまったく変えない。頂点α,bそれぞれの初速ベクトルをμα,μb、す なわち・議・・(t)L。一μ・,誘・・(t)L。一μ・とする・1・。(t)一・b(t)11は一定なので. IZtTll ca(t) 一 cb(t) l12 1,..,= o. 6.

(10) となる。これを計算すると :lt ll ca (t) 一 eb(t) 112 1,.., = IIIt { (ca (t) 一 cb (t)) ’ (ca (t) 一 cb (t)) }. tF;O. = 2(ca (t) 一 cb (t)) ’ (iZ ca (t) 一 iilt cb (t)). t=o となる。これより、 (p(a) 一p(b)) ・ (paa 一 pab) = o. となり、. pab・(p(a)一p(b)) :pa“・(p(a)一p(b)) (1.1) となる。等式(1.1)のことを、梁abについてのmechanical principleという。 このとき、μαと(p(α)一p(b))のなす角をθ、μ6と(p(α)一p(b))のなす角をθ「とおくと、 llμα1卜11 P(α)一P(b)ll COSθ=llμδll・ll P(α)一P(b)ll COSθ’. となる。よって、p(α)とp(b)が異なるときは、 IlμαIl COSθ=llμb lj COSθ’となり、下図のように. mechanical principleは梁の上に初速ベクトルを射影すると同じベクトルが出てくることを表して いる。 P(b) .N一 e’, ””:・,.,. pab. paa. e. p(a). 定義1.20各頂点α∈V(G)に初速ベクトルを対応させるベクトルの族μ=(paa 1α∈V)がすべての 梁についてmechanical principleを満たすとき、μをフレームのmo七ionという。また、 M={μ1μ. はmotion}をmotion spaceという。. 目. 命題1.21V(G);{1,...,n}として、 Mの二元μ=(μ1,...,μη)、〆=(μ’1,...,μ’n)に対して、 μ+μノ=(pa1 + par17 . . . 7 pan + parn)、λIL ・=(λμ1,...,λμπ)(λ∈1R)と定義するとMはベクトル空間. になる。. このとき、dim Mのことをフレームの自由度と呼ぶ。 証明 μ+μ’=(μ1+tLt1,...,μπ+μ’n)がすべての梁でmechanica1 principleを満たせばよい。 iHトゴと すると、μ=(pa1,...,pan)、μ’=(μ’1,...,〆π)はMの元なので、. (μ乞+μ”)・(P(の一P(ゴ))一(〆+μ’ゴ)・(Pω一Pω) 一μ‘・(p(i) 一 p(」))+μ”・(P④一P(ゴ))一μゴ・(P(i)一P(ゴ))一心ゴ・(Pω一P(の). =o 7.

(11) となり、μ+μ’∈Mを得る。 また、λμ=(λμ1,_,λμπ)(λ∈IR)では、 (λめ・@(の一P(ゴ))一λ{μ乞・@(の一P(ゴ))}一λ{μゴ・(P(i)・一P(ゴ))}一(λめ・(・(の一・(ゴ)). となり、λμ∈Mがいえる。. よって、Mはベクトル空間となる。. 匿. ここで、motionは初速であり“無限小の動き”なので実際にmotionを初速とする運動が存在す るとは限らないことに注意する。mo七ionを初速とする運動が実際に存在するとき、そのmo七ionを. mechanismと呼ぶ。 実際、下の図(a)、(b)、(c)の矢印で示されている各頂点の初速ベクトルは、すべて、mechani−. cal principleを満たしmotionとなる。しかし、(a)、(b)はmechanismだが、(c)はmechanismでは ない。. (b). (a). (c). つぎにMと合同運動について考える。 定理1.22y={1,...,n}として、 p(2)一p(1),...,p(n)一p(1)がIRNを生成すると仮定する。この. とき、E={μ∈Mlpaは合同運動の初速で与えられるmo七ion}とすると、 EはMの部分ベクトル空 間となり、. N(N+1) 2. dim E =:. となる。. 証明 (C,p)をフレーム、 V(G)={1,_,n}とする。. 0. 1 ,一■・,eN二. )e2 =. el ==. o. o. 0. 1. 0. 0 1. とおき、μ1=(e1,...,e1),...,μN=(eN,..。,eN)とおくと、μ1,_,μNは各座標軸方向への平行移. 動の初速で与えられるmotionとなる。. 8.

(12) 次に・漱正茄列T(’e’)・一(T(k’)の(・≦k〈1≦N)を. 蝿一{ゴi瀞ノ詔. とおき・」L・’1・1 ・=(T(foi)p(1),・…T㈹P(・))とおく・また・N次正方行列R㈹(θ)を. Ek−1 O ... ... O o cos e o 一sin e i R(lel)(θ)=. i O EI_iC_1. 0. i. (Enはn次単位行列). 1 sine o cos e o O ... ... O EN−1 とおき・f・・R一・RNをf・・(・)一心‘)(t))・ωとおくと・μ’・1は(f・(t)・li・V(σ))という回転翻. の初速で与えられるmo七ionとなる。よって、μ1,_,μN,〆12,_,〆(N_1)NはEの元となる。 ここで、Eはμ営、μ’lelで生成されるMの部分空間く傷μ’lei li =1,。.。,N,1≦k<Z≦N>に含ま. れることを示そう。. Eの任意の元μ=(,uili∈γ)は、ある合同運動(c串∈V)を使って μ葛一斗・1(t). t=o と表せる。(ci li E V)は、直交行列に値を持つ関数.Atとベクトル値関数α(t)でCi(t)=AtP(i)+α(t). と表せるので、. LL’=簿:1σ1調拶¢))t.。 (・・2). となる。このとき、 (liilta(t)) 1,=,= 1.., miei (mi E R). と書ける。. 一方、AtはN次直交行列なのでt4t ’.轟=Eを満たすが、これを微分すると、. (t(読為)為+艦ム)㎡・. となり・. l.。一Tとおくと・tT+T一・を得る・すなわちN次正方行列T一(T・」)は Ti」一一(&ih, lllll’.i (ni」ER). 9.

(13) という成分を持つ行列となる。よって、. ガ T一Σnl・IT(k’) 1〈たくt<2V と書けるので、等式(1.2)に代入すれば、 エ. エ. L・’ ・.ΣnntT㈹P(の+21) miei 1くたく1く1V. i=1. となり、. エ. ガ. μ一Σnl・lpa’1、1+Σmua. 1くk〈1<N. i=1. がいえる.したがって、E⊂〈μ。μ’、市一1,_,N,・齢く1≦N>である。 逆に、LLiとμ’lelの一次結合はすべてEの元であることを示す。そのためには、 エ. エ. μ一Σα紺Σβ碗(ai, 61ei E R). 乞=1. 1<たく1<N. に対して・蕩叫。〆となる合同翻(・澗があればよし・・ ここで、 〆一書鵬+(. なの. N2 6,,T(let)1くkく1<1V)・(i). ц齦ZN副一丁とおき・鴎聯丁)P(i)+・aとおけ嚇(・)t。o. 〆を満たす。これより、任意のμ¢とμ短の一次結合はEの元である。よって、E=〈1.ei,it,tlel li= 1,...,N, 1≦k<1≦N>となり、 Eはベクトル空間になる。. 最後にμかμ短が一次独立であることを示そう。 ノ. レ. いま、μ=Σα碗+Σβ允1幽と置いて、μ=0と仮定すると、 乞=1. 1くたくt〈N. ノ. ハ. μLΣαゴ・ゴ+Σfil・・T㈹P(i)一〇(i・1,…,n) 」=1. 1≦h<工≦N. となる。ここで、β観丁㈹=T’とおき、μLμ1を計算すると、 T’(P(i)一P(1))=O(i・2,…,n) を得る。このとき、P(i)一P(1)(i=2,_,n)はRNを生成していたので、 Tノ=・ Oがいえる。これよ. り・β1・i−Oとなり・これらを1・’ 一〇に代入するとΣ ・・iei−0が成り立つ・ここで…,…,・Nは. i==1 10.

(14) 一次独立なので、ati = Oとなる。したがって、μ!,_,μN,〆12,_,〆(N_1)Nは一次独立であること. が分かった。ゆえに、 di.E=N+W(一IV−1)=,IYIg(g>1,±一1,IV 2+1). 2. 2. となる。. 匿. 定理1.22ではrp(2)一p(1),...,p(n)一p(1)がRNを生成する」と仮定したが、実は、「p(2)一. p(1),_,p(n)一p(1)がRNの(N−1)次元部分空間を生成する」と仮定を弱めることが可能である. ことが知られている。また、条件の仮定が無くても、EがMの部分空間であることは常に正しい。 定義1.23dim M/EのことをMの内部自由度という。特に、定理1.22の仮定が満たされるときは、 N(N+1) 2. dim M/E = dim M一 dim E == dim M−. となる・. □. 定義1.24フレーム(G,P)は内部自由度が0のとき、つまり、 dim M/E=Oのとき、 strictly rigid. と呼ばれる。. 0. 8ページの図(c)に例をあげたが、motionは必ずmechanismになるとは限らない。よって、内部 自由度が正であってもフレームは且exibleとは限らない。しかし、次の定理は成立する。 定理1.25(G,p)をフレームとする。(G, p)がstrictly rigidならば、(C, p)はrigidである。. この証明は付録で示す。 次に、フレームに“支柱を加える”ということを定式化する。. 定義1.26グラフGにおいて、どの2頂点も隣接しているときGを完全グラフといい、頂点数nの 完全グラフをKnと表す。 口 定義1.27フレーム(G,p)において、 l V(G)トnとして、 GをKnの全域部分グラフとみなす。す. なわち、G⊂Kn、 V(G)=V(Kn)とする。このとき、差集合E(Kn)一E(G)を0とおき、0の元 のことをフレーム(G,p)の支柱という。 日 0の部分集合Bに対して、V(G’)=・ V(G)、 E(G’)=E(G)U.BとなるグラフG’とpでできるフ. レーム(G’,p)のことをフレーム(G,p)に支柱の集合Bを加えてできたフレームという。. 定義1.28σをすべての支柱の集合として、B⊂0とする。 Bを加えたフレームのmo七ion spaceを M(B)とする。このとき、 r(B) =dim M−dim M(B). をBによって減少した自由度という。. 日. 11.

(15) 一Bを支柱の集合として・一Bを加えたフレームを(Gt,P)とする。定義1.23と定義1.28より、 dim M(B)/E = dim M(B)一dim E = dim M一 r(B) 一 dim E. = dim M/E−r(B). なので、r(B)について次の定理がいえる。. 定理1.29Bをフレーム(G,p)の支柱の集合、((γ,p)をBを加えたフレームとする。このとき、 T(B)=dim M/Eであることと、フレーム(G’,p)がstrictly rigidであることは同値である。特に、 r(B)=dim.M/Eならば(Cノ,p)はrigidである。. フレーム(G,p)において、隣接していない二頂点α,b∈V(G)を考える。αδ=c∈0に対して、.M からRへの写像9cを、ρ。(μ)=(μわ一μα)・(p(b)一p(α))と定義すると、 g。は線型写像となるので、. 幹,∈.M*になる。ここで、ハ4*はMの双対空間である。このとき、 g。(μ)=0とすると、μは。につ. いてのmechanical principleを満たすことが分かる。また、逆もいえる。 {μ1,_,pan}をMの基底とし、 p∈.M*を任意に選び、 g(μのニai(i=1,_,n, ai∈R)とす る。任意のμ∈.Mはμ=わ1μ1+…+bnPSn (bi∈R)と一般的に書けるので、 q(pa) == 9(bi psi 十 ’ ’ ’ 十 bn pan). == bi9(pai) 十 ’ ’ ’ 十 bn 9(pan). == biai+’”+bnan. が成り立ち、gはαlz_,anによって完全に決定されてしまう。 今、吻(μゴ)=δ%と(Piを定めると、{g1,_,Pn}がM*の基底となることを示そう。上記の任意のq はq ・= alg1+…+an、9nと表されるので、.M*はPl,_,9nで生成される。また、αlq1+…+αngn == O. とすると、α191(μ1)+…+ anqn(μ1)=0(μ1)よりα1=0となる。同様に、 ai=O (i=1,_,n). であることが分かり、{g1,...,9n}が一次独立ということがいえるので、{g1,_,9n}は.M*の基底 となる。このとき、{g1,...,、9n}をMの基底{μ1,_,侮}と双対な基底という。. 今、Mの基底μ乞(i=1,_,n)を用いて、〈μ乞,μゴ〉=δ%となるようにMの内積を定める。この. 内積を用いてMからM*への写tw Tを、μ∈Mに対して.M*の元として (T(IL))(pat) = 〈pa, pa’〉 (pa’ E M). (1.3). を対応させる写像とする。このとき、T(LLi) ・9iであり、基底が基底に写るのでτはMと.M*の間に 同型を与える。以下、この対応でg.に対応するmo七ion T−i(,p。)をμ.とおくことにする。等式(1.3) より、特に、〈μ。,μ〉=g。(μ)である。. 定義1.30Vを有限なベクトル空間、 A⊂VをVの部分ベクトル集合とする。このとき、 Aが生成 するVの部分ベクトル空間を〈A>と表す。 また、. rankA == dim A. o. と定義する。. 12.

(16) さて、以上のことを用いると、実はr(B)は次のように、あるベクトル集合の階数と考えることが できる。. 定理1.31フレーム(G,p)において、 Bを支柱の集合とする。このとき、 r(B) = rank{gclce B} がいえる。. ここで、右辺はM*における階数である。 証明 B={C1,...,Cn}として、前述のようにMの基底を一つ取ってきてMorM*とする。 M(B). について考えると、M(B)はBを加えてできたフレームのmo七ion spaceなので、 M(B) 一 {pa GMI g., (pa) == O, i= 1, ...,n} = {pa E M I 〈pa, pac,〉 = O, i == 1, ...,n}. == 〈paC17’”7@Cn>± となる。. よって、dim M(B)+dim〈μc瀞=1,_,n>=dim Mとなり、 r(B)=dim〈μ。潅=1,_,n>がい. える。したがって、7一は同型であったので、 r(B) = dim〈pacv… ,pacn> = dim〈T(μc1),_,T(paCn)〉. = dim〈qcv… ,qc.〉. = rank{gci,…,Pc.} == rank{gc i c E B}. 1. を得る。. 1.3 matroidとフレーム 前節では、支柱の集合Bに対してr(B)を考えたが、r(B)はBを加えたフレームがs七rictly rigid であるか判別するのに重要なものであり、定理1.31で見たようにベクトル集合の階数として表され る。これから述べるma七roidはベクトル集合とその階数を一般化したものと考えることができる。 定義1.32ある有限集合Eと、Eの巾集合B(E)から自然数N={0,1,...}への写像rに対して、 r が任意の.A⊂一Eと任意のx, y∈Eについて次を満たすとき、(E, r)をmatroidという。 (i) r(ip) == O. ( ii ) r(A) S r(A U {x}) S r(A) 十 1. (iil) r(A U {x}) = r(A U {y}) 一 r(A) =〉 r(A U {x, y}) 一 r(A). 口 ここで、A⊂EとおくとAは有限集合なので(i)、(ii)より、 r(A)≦IAIが分かる。また、 B⊂A とおくと、(ii)よりr(B)≦r(A)が分かる。. 13.

(17) 定義1.33(E,r),(E’,〆)をma七roidとする。このとき、 EからE’への全単射ψが存在し、任意の. A⊂Eに対して、 r(A) 一= r’(th(A)). が成り立つとき、(E,T)と(Eノ,〆)は同型であるという。. 日. 定義1.34(E,r)をmatroid、 A⊂Eとする。 r(A)一 IAIのときAのことを独立集合、r(A)<1潤. のときAのことを従属集合という。. 目. このとき、次のことがいえる。. 定理1.35(E,r)をmatroid、 A⊂Eとする。このとき、 Aが独立集合ならばB⊂Aも独立集合で ある。. 証明 対偶をとって、「B⊂Aが従属集合ならばAも従属集合となる」を示す。 BU{bl,_,bn}=Aとおく。このとき・定義1.32の(ii)よりr(一B U{b1})≦r(B)+1がいえる。ま た・r({BU{b・}}∪{b・})≦{r(B)+・}+・となるが・・({BU{b・}}U{b・})== r(BU{b・,b・})なので・. r(BU{bl,b2})≦r(B)+2がいえる。これを繰り返していくと、 r(一B U{bl,_,bn})≦r(B)+nが成. り立つ。ここで、.Bは従属集合なのでr(B)〈IBトまた、 r(一BU{b1,_, bn})=r(A)、 IBI+n=凶. なので、r(A)<IAIを得る。これより、 Aが従属集合であることが分かる。したがって、 Aが独立集. 合ならばB⊂Aも独立集合であることがいえる。. 1. 定義1.36(E,r)をma七roid、 A⊂Eとする。 Aが極大な独立集合のとき、すなわち、 Aが独立集合. で、かつ、Aを真部分集合としてもつ独立集合が存在しないとき、 Aをbaseという。また、 Aが空 でない極小な従属集合のとき、すなわち、従属なAの真部分集合が存在しないとき、Aをcircuitと. いう.. 口. 定理1.37(E,r)をmatroid、 A⊂Eとする。このとき、 Aが従属集合ということとAがcircuitを 含むことは同値である。. 証明 0をcircuitとして、 A・OU{α1,_,an}とおく。0は極小な従属集合なので定理1,35より Aも従属集合であることが分かる。 次に、.Aが従属集合ならばAはcircuitを含むことをいう。 IAI ・一 kとおいてkについての帰納法で 示す。. k=1のとき、Aは従属集合とする。 IAI ・= 1なのでA={α}と書ける。 Aの真部分集合は空集合 φだけで、r(φ)=0よりφは独立集合となる。よって、 A自身がcircuitとなる。. k<nのとき、「Aが従属集合ならばAはcircuitを含む」ということが成り立つと仮定して、 lAI;n+1のときを考える。 Aの任意の部分集合Bが独立集合とすると、 A自身がcircui七となる。 また、Aのある部分集合Bが従属集合とすると、 Bは帰納法の仮定よりcircuitを含む。 よって、Aが従属集合ならばAはcircuitを含むということが成り立つ。 ■ この定理より、Aが独立集合かどうかはAがcircui七を含んでいるかどうかを調べればよいことが分 かる。逆に、すべてのcircuitが分かれば、写像rを考えなくてもAが独立集合かどうか判別できる。. 14.

(18) 例1.38yをベクトル空間、 EをVの有限な部分集合とする。任意の.A={α1,_,an}⊂Eに対し て、r(A)== dim<α1,_,αn>と定義すると・(E, r)はma七roidとなることが容易に確かめられる。この. ようなmatroidをベクトル集合のmatroidといい、 rのことを階数関数と呼ぶ。ここで、ベクトル空 間において、A={α1,_,αn}が一次独立であることと、 dim〈α1,...,an>=IAIは同値であり、これ. はr(A)=iAlと同値である。つまり、ベクトル集合EでAが一次独立ということと、 ma七roid(E,r). でAが独立集合ということは同値となる。同様に、ベクトル集合EでAが一次従属ということと、 matroid(E,r)でAが従属集合ということは同値となる。. 例1.39フレーム(G,p)において、支柱の集合を0とする。このとき、支柱の集合0に対応するベ クトル集合{g。lc∈0}のma七roidを、特に、フレーム(G, p)のmatroidという。. 例1.40(7をグラフとして、V(G)に1からnまで番号を付ける。また、各辺e={i,ゴ} (kのに 対して、 e一(o,...,o, 一1 ,o,...,o, 1 ,o,...,o). i番目. ゴ番目. とおいて、E(G)からベクトル集合{εle∈E}に対応を付ける。ここで、 A⊂E(G)に対して、 r(A)=. dim〈ele G A>とおくと(E(G),r)はma七roidとなる。今、εの定義において、δの代わりに一eを用い. てもr(A)に変化はないことに注意する。つまり、r(A)はV(G)の番号を付け方に依存しないことが. 分かる。この(E(G),r)をグラフGのmatroidという。. 上記のグラフのmatroidの定義では、辺集合にベクトル集合を対応させて、グラフのma七roidをベ クトル集合のmatroidと考えたが、今から、グラフから直接、階数関tw rを決定することを考える。 Gをグラフとして、S⊂E(G)とする。このとき、 Gの部分グラフで、 V(S)=V(G)、 E(S)== S を満たすものを9とする。また、∂の部分グラフでv(s)={v∈v(G)1ヨe∈s,v→e}、 E(吾)== s. を満たすものを否とおく。否はSから孤立点を除いたグラフに他ならない。このようなSをSに対 応するグラフCの部分グラフと呼ぶ。 定理1.41Gをグラフとして、(E(G),r)をma七roidとする。また、 S⊂E(G)とする。このとき、 次が成立する。 r(S)=1γ(S)1一(Sの連結成分の個数). (1.4). 証明 Sの連結成分をSl,_,Spとおく。 I V(G)1=・ nとして、 V(G)に1からnまで番号付けを行. い、e∈E(G)に対して、例1.40のようにRnのベクトル∂を対応させる。このとき、例1.40の定義 ではr(S)=dim〈∂le∈S>であった。ここで、各連結成分に含まれる頂点を V(Si) = {aii,...,aii,}. V(Sp) = {aPi,...,aPi.}. と順番付けをして、V(G)の頂点に v(G) = {aii,...,aii,,...,aPi,…,aPip}. 15.

(19) と順番を付ける。これにより、連結成分島に含まれる辺に対応するベクトルεは、 扇固. %個. ip個. へ. e=(0,_,0,0,_,0,0,_,0,一1,0,_,0,1,0,...,0,0,_,0,0,_,0. という形で表すことができる。ここで、α∈〈δle∈S>⊥を考える。上の∂は連結成分亀の二頂点αゴか. αゐを結ぶ辺に対応するベクトルとすると、αはδ∈〈∂le∈S>と直交するので、αの成分はα嘱と凶. の場所で同じ値になる。このことは、連結成分Sゴに含まれるすべての辺に対応するベクトルについ ていえるので、αの成分はαゴ1,_,α㍉の間で同じ値になる。同様に、すべての連結成分でもいえる ので. 嗣固. 扇固. α=(“ 一一V一.a17...7al)...,ap 7...)ap). と表される。これより i、個. ip個. 〈ele E s>−c{(zi;i’1’rlSl’rzi;,...,d,,...,zx,1’rlNl:’z,...,dp)ld,∈R, i一・,…,P} (・・5). がいえる。. 一方、関係式(1.5)の右辺をDとおくと、Dの元は明らかに〈δle∈S>と直交するので、 〈q・∈S>⊥==・D となり、dim D =・ pがいえる。ここで、 dim〈ale∈S>十dim〈Ele∈S>⊥=nなので、. dim〈∂le∈S>== n−P が成り立つ。 したがって、. r(S)=IV(G){一(Sの連結成分の個数). となる。. ■. Sには孤立点が入っており、孤立点はそれ自身で一つの連結成分となるので、等式(L4)より、 r(S)=1γ(S)ト(Sの連結成分の個数) といいかえることができる。. 最後に、グラフGのma七roidにおけるcircuitについて以下のことを示す。. 定理1・42(E(G),r)をGのmatroidとし・0⊂E(G)とする。このとき・0がグラフGのma七roid におけるcircuitであるならば、∂がグラフGの閉路となる。また、この逆も正しい。 証明 まず、∂をグラフGの閉路としたとき、CがグラフGのma七roidのcircuitになることをいう。. 16.

(20) ∂はグラフGの閉路で連結なので、定理1.41よりr(0)=1γ(∂)1−iとなる。ここで、閉路では、 ly(∂)i=ICIなので、 r(C) == ICI 一1〈 ICI. が成り立つ。これより、0は従属集合であることが分かる。また、任意のe∈0について0’=C一{e} とすると、閉路から一つの辺を取り除いても連結のままなので、定理1.41よりr(0’)=Iy(び)1−1 となる。閉路から辺を一つ取り除いても頂点数は変わらないので、ly(Ct)1一=l V(∂)1=ICIとなる。 これより、 r(C 一 {e}) 一 ICI 一 i 一1 C一 {e} 1. となり0’は独立集合となる。よって、0はcircuitとなるので、∂をグラフGの閉路としたとき、0 はグラフGのmatroidのcircuitとなることがいえる。 逆に、0をグラフGのmatroidでのcircuitと仮定して、∂が、グラフGの閉路になることを示す。 0はcircui七なので、 r(0)<ICIがいえ、任意のe∈0に対して、 r(σ一{e})=101 一1がいえる。 これらより、ICI 一 1=r(C一{e})≦r(0)<ICIとなるが、 r(C)は整数なので、 r(0)=101 一1を 得る。. 一方で、定理L41より、 r(0)==lV((7)ト(∂の連結成分の個数). となる。よって、 101 一1=【v(∂)1一(∂の連結成分の個数)<101. がいえる。このとき、定理1.10よりσが林でないことが分かるので、σは閉路を含むことが分かる。 ここで、∂ノ塁∂がグラフGの閉路とすると、上の証明よりσ’がcircuitとなり、0がcircuitと. いうことに矛盾する。よって、∂は閉路となる。ゆえに、0をグラフGのmatroidでのcircuitとす ると、∂が、グラフGの閉路になる。 1. 17.

(21) 2章平面上の格子 平面内のm×nの正方格子フレームを考える。つまり、縦がm個、横がn個の格子状に並んだ単位 正方形の頂点をフレームの頂点とし、単位正方形の各辺を梁とするフレームを考える。また、ここで は、支柱の集合は各単位正方形の対角線に限定する。. この章では、このm×n格子のフレームを標準的な位置で考えて、その固定について考えていく。 第一章で、フレームの固定はr(B)=rαnk{g。lc∈B}と密接な関係にあった。この章ではm×n格 子のフレームのmatroidを決定する。. 2.1 line motion γ={(i,」)∈IR2!i=0,_,m,」=O,_,n}とし、 E={{v, vt}⊂Vlvと♂の間の長さは1}. として、G=(V,E)とする。また、写像pをVからR2への包含写像とすると、(G,p)はフレーム となる。このフレームのことをm×n格子といい、特に、サイズが明らかな時は格子ということも ある。. また、このフレームに支柱を入れることを考えるが、支柱は梁によって作られる単位正方形の対角 線に限定する。. 定義2.1梁を含む直線のうち格子と交わる部分の線分をlineという。 y軸に平行な1ineのうち、左から(i+1)番目のlineをαiと呼び、 x軸に平行なlineのうち、上から (」十1)番目のlineをわゴと呼ぶ。. [1 具体的には次の図のようになる。. y軸 αい・・α乞… αm−1αm. α0. bob1 …bゴ …わπ_1. ●. .. ・. :. o. .. ●. ,. 0. り. 9. δη. x軸. 次に、フレームのmotionを考える。 mo七ionμが頂点(i,のに定める初速ベクトルをμ(i,ゴ)と表し、. 18.

(22) 任意のμ∈Mを、pa ==(μ(乞のli=O,...,M,ゴ=0,...,n)と表示する。. 定義2・2μ=((i’」‘pa)li=0,_,m,ゴ=0,_,n)を格子のmo七ionとする・μ(効があるline 1上の. 頂点を除いて0のとき・このμのことを1を動かすline motionという。. 口. μ∈Mを1を動かすline motionとする。 Z上にある頂点での初速ベクトルを考えると、 mechani− cal principleによって、これらは、1上に同じ射影を持つことになる。また、1と垂直に交わるlineに、. 1との交点での初速ベクトルを射影するとmechanical principleによって0ベクトルが出てくること が分かる。. さて、motion Vk,θ1を i・・(i,・)・1…(・の一(δ1、)・i一・・…,m)圓…・m) v・一. el一. iel榊・)一(δの・ゴー・・→圓…,n). と定義すると、vi(i=0,_,m)、θゴ(」=0,_,n)はmechanical principleを満たし、1ine motion となる。vi(i=0,_,m)はai(i=0,_,m)を動かす1ine mo七ionであり、θゴ(」=0,.,.,n)は わゴ(ゴ=0,_,n)を動かすline mo七ionである。. 定理2.3vi(i=0,_,m)、θゴ(」=0,_,n)はm×n格子のmotion space M’の基底になる。. 証明 まず、.Mが1ine motionで生成されることを示す。 μを任意のmotionとする。μが頂点(i,」)に定める初速ベクトルを、. μ㈲一(罪認り瞬卿・R) とすると、IR2の正規直交基底を使って、. μ㈲一調(1)+認(1) と書くことができる。. μはmechanical principleを満たすので、あるline上に存在するすべての頂点について、各頂点で の初速ベクトルをその1ineを延長した直線上に射影すると、どの頂点でも同じベクトルが出てくる。 よって、」によらず、av(娚は一定になるので、これをαviとおき、また、 iによらず、αH(切は一 定になるので、これをαHゴとおくと、 れ. μ㈲一Σ ・vkv・・(t’」)+Σ・H’θ。一1(吻). k=O. l==O. と書ける。したがって、μ=(μ(乞,ゴ))なので、 れ. μ一Σ・西・+Σ・ガθ。一・ k=O. l=0. 19.

(23) となり、Mは1ine motionで生成される。 次に、line mo七ionが独立であることをいう。. m. n. 2xicvle + 2 yiei == o (xle, yi e R). k=O とすると、頂点@のについては、 鵬. 1=O. Σ・臓㈲+Σ〃n−tθ。,1(乞の一〇 1=O. た=0. となる。これより、. x・(1)鞠(1)一・ がいえるので、Xi = Yn_ゴ== Oが成り立つ。これはすべての頂点でいえるので、 Xle=Yl =O(0≦k≦. m,0≦1≦n)が成り立つ。よって・Vi(iニ0,_,m)・θゴ(ゴ=0,_,n)が一次独立となり・これ. らより、line mo七ionはMの基底となる。. ■. 定理2.3より次のことが導かれる。. 系2.4Mをm×n格子のmotion spaceとすると、 dim M=m+n+2となる。また、 dim M/E= m・+n−1となる。 証明 line motionはMの基底なので、 lineの数がMの次元となる。また、定理1.22よりdim M/E=. dimM−N( P+1)なので・dimM/E一(m+・+2)一3−m+n一・となる・ 曜 以下、line mo七ion vi(i=0,_,m)、θゴ(ゴ=0,_,n)をMの標準的基底として、 Mの元を成分. 表示するときはこの基底をこの順番で用いる。例えば、 れ. μ一Σ躍・+Σ〃・θ・ 海=O. l=O. の成分表示は (Xo,_,Xm,yo,_,Yn) となる。また、MにはVi(i=0,...,m)、θゴ(ゴ=0,_,n)を正規直交基底とする内積を入れる。. これから、支柱を格子に入れることを考える。支柱は正方形の対角線だったので、一つの正方形に 入る支柱は二種類存在する。今から、この二種類の支柱のmechanical principleを比較してみる。 今、任意のmotionμを考え、次の図のように正方形の四辺を通るlineでのμの成分をα, b, c, dと. 定めて、支柱をおく。. α. b. c /. 、. ! / \. ・(2). (1). d. 20.

(24) 支柱が(1)のとき、支柱の右の端点での初速ベクトルは(c,b)で、支柱の左の端点での初速ベクトル は(d,α)となる。これらのベクトルは対角線上に同じ射影を持つという条件がmechanical principle だったので、 (2.1). α十d;わ十。. を得る。また、支柱が(2)のとき、支柱の右の端点での初速ベクトルは(d,b)で、支柱の左の端点で の初速ベクトルは(c,α)となる。これらのベクトルは対角線上に同じ射影を持つことは、 一C十αニ=一(オ→一わ. と同値で、これは等式(2.1)と同値である。よって、どちらの対角線を支柱と考えてもmechanical prin−. cipleは同じで、どちらの支柱も、 mo七ion space.M上では同じ制約を与えることが分かる。以下、支. 柱の向きは(2)だけを考えることにするが、ある支柱の集合Bでいくつかの支柱を逆の傾きの対:角線 に変えても、r(B)が不変であることに注意する。 次に、Bを支柱の集合として、 c∈一Bが入る正方形の四辺を通るlineをai,、ai+1,6ゴ,わ」+1とする。こ. のとき、9c∈M*を1章と同様に定義して、μ∈Mを れ. れ. μ一Σ聴+Σy・e・ (・・,〃・∈R) ん=O. l=0. とおけば、 9c(pa) = (Xi 一 Xi+i) 一 (Y」’ 一 Y」’+i). (2.2). がいえる。つまり、∼o。(μ)を成分を使って書けば. xo g.(p)=(O,...,O, 1, 一1, O,...,O, 一1, 1, O...,O). ai α毒+1. bゴ bゴ+1. xm yo. Yn となるので、μ.の成分表示は (O,...,O, 1, 一1, O,...,O, 一1, 1, o...,o)ERm+n+2. αiαi+1. δゴわゴ+1. となる。ここで、μ。は1章で定義したg。(μ)=〈μ。,μ〉を満たすMの元である。この対応はMとM*. の同型を与えるから、r(B)を計算するときはこのμ。の階数を計算すればよいことが分かる。. 例2.5上記のことを3×3格子で説明する。次の図のように正方形に番号を付けて、これを支柱の番 号とする。. 21.

(25) ao al a2 a3 2. 1. bo. 3 bl. 4. 5. 6 b2. 7. 8. 9. b3 このとき、支柱iに対応するベクトルμ乞をすべて成分表示する。得られた数ベクトルを縦に並べると 次のようになる。ただし、・は0を表すものとする。. (. a2 a3 bo bi. ao. al. 1. −1. ・ 一1 1. 1. −1 ・ 一1 1 1 一1 一1 1 −1 −1 ・ ・ 一1 1 一1 ・ 一1. (. (. (. 1. −1 1. (. (. (. 1. b2. 1 1 1. −1 1. (. (. −1. −1 ・ ・. −1. 1 一1 ・. −1. b3. ・) ・) ・) ・) ・) ・). 1 2 3 4 5 6. 1) 7 1) 8 1) 9. このとき、次の図のように支柱の集合Bを入れて考える。. ao al a2 a3 2. 1. bo. 3 bl. 4. 5. 6 b2. 7. 8. 9. b3 すると、支柱iに対応するベクトルμ信を成分表示して、得られた数ベクトルを縦に並べた行列Aは 1 一1 ・ 1. A=. 一1. ・ 一1. 1. ・ ・. ・ 一1. 1. ・ ・. 1. −1 ・. 1. 一1 ・. 1 一1. 一1 1 −1 1 ・ 一1 1. となるので、Aの階数を考えると、 rank(A)=5となり、これは、 r(B)=5となることを表してい. る。よって、定理1.31より、dim M(B)/E=0となり、これらの支柱を入れるとrigidであることが 分かる。. 22.

(26) 2.2 shear space 例2.5のようにすれば、r(B)を使って格子の固定を判定することができるが、支柱が入った格子を. 見てrigidかどうかを視覚的に判断したい。そのための準備をこの節で行う。 隣り合う1ine、つまり、お互いが平行でその間の距離が1のlineの組をhallと呼び、 hallにAi= {αi_,、ai},Bゴ={bゴ_1,6ゴ} (i =1,_,m,ゴ=1,_,n)と名前を付ける。. 定義2.6hall全体の集合{A1,...,Am,.Bl,...,一Bn}からRへの写像の全体re Sとおく。. このとき、Sをshear spaceといい、 Sの元をshearという。. 口. このとき、s,、sノ∈S,λ∈Rとおき、 X∈{A1,_,Am,Bl,_,Bn}とする。 Sの演算を (s十s’)(X) =: s(X)十s’(X) (As)(X) 一= A(s(X)). のように定義するとSはベクトル空間になる。 ここで、8(Ai)=Xi,8(Bゴ)== Yj (Xi,Yj∈IR, i=1,_,m, ゴ=1,_,n)となるsに対して、 (Xl,...,Xm,Yl,...,Yn)∈Rm+nを対応させると、 SはRm+nと同型となる。以下、これをSの成. 分表示として用いる。 次に、.MとSの間の写像を用意する。定理2.3より、 Vi(i==0,...,m)、θゴ(ゴ=0,_,n)は.M れ. の基底で、前節において、pa ・= 2 XllVle+Σ幽∈Mの成分表示を(Xo,...,Xm,yo,_,Yn)と定め んニむ. トむ. た。また、Sの元の成分表示は(Xl,_,Xm,Yl,...,Yn)なので、次のように写像を定める。. 定義2.7MからSへの線形写像σを次のように定める。 a(XO,…,Xm,YO,…7Yn) = (Xl−XO,…7Xm−Xm−1,Y1一YO,…,Yn’Yn−1) == (Xl,… ,Xm,Yl,…,Yn). B この定義よりker(σ)={(Xo,_,Xo,yo,_,yo)1 Xo,yo∈R}となることは明らかである。. 一方で、T={μ∈Mlμ(効はi,ゴによらずプ定, i=0,_,m,ゴ=0,_,n}とおく。つまり、 Tは平行移動のmo七ion全体である。μ(効の成分は侮,〃ゴ)と書けるので、「μ(姻がi,」によらず一 定」ということは「μ(効の成分である幅,〃ゴ)がi,ゴによらず一定」といいかえることができる。こ れより、T=ker(σ)がいえる。. 定義2.8頂点@のに対して、SからMへの線形写像T(i,ゴ)を次のように定める。 T(i,」)(Xo,…,Yn)== (一(Xi+’”+Xi),…,一Xi,O, Xi+i,…,Xi+i+’”+Xm, 一(Yi +’”+ Yj),…,一Yj,O, Yj+i,…, Yj+i +’”+ Yn). ll T(i,ゴ)(s)は、頂点(i,のが固定されていると考えて、各hall Xに8(X)のずれが生じたとき、 line砺(0≦. k≦m)のaiに対する相対的なずれ、及び、 line bi (O≦Z≦n)の防に対する相対的なずれを表して いる。. 23.

(27) 定理2.9定義2.7、2,8のように、σ、T(i,ゴ)を定める。 このとき、σは全射でT(i,ゴ)は単射である。. 証明 s∈Sを8=(Xl,_,X物yi,_,Yn)とおき、σ。7(紛(8)を考える。 そのために・m・ti・n・・(…’)(・)1・. i書X・,・…》書巧・…・書巧)・Tを加えてみる・す. ると、. i書為,…・書x・,書巧・…・書巧)一@・,…・書臨・嘱・…,シ) 7・(・,・)(・)+. が成り立ち、右辺は、T(o,o)(8)に一致する。よって、 η・・)(・)一丁(・,・)(・)一(一坐x・・…・一書x・・一書巧・…・一書巧). となり・煽(・)一・・(・・)(・)・Tがいえる・これより・・(倫)(s)一・(・,・)(・))一・がいえ・. a(7(i,」・)(s)) = a(T(o,o)(s)). となる。ここで、 a(T(o,o)(s)) == a((O,Xi,…,ll.iiiXk,O,Yi,’”, .IliiYi)). 一(X・一・・i(X・+X・)一X・…・叢曙X・,Y・ 一……・書巧一書巧一・) = (Xl,…,Xm 7 Yl,…,Yn) なので、 a(7(i,」・)(s)) == a(T(o,o)(s)) = s. が成り立つ。したがって、σoη効・・ lsとなり、σは全射でτ(効は単射がいえる。. 匿. 定理2…T㊥SからMへの写像!を!(t,・)一(t+噛)(・))(t∈T,・∈S)とおく・このとき・. f:TeS or M が成り立つ。. 証明 これは、fが全単射であることをいえばよい。 まず!が全射であることを示そう・μ・Mとして・(μ一煽・σ(μ))を考える・すると・ cr (IL 一 T(i,e・) o cr(tL)) =: a(IL) 一 cT (7(i,」・) o cr(IL)) = 0. 24.

(28) がいえ、μ_T(i,」)。σ(μ)∈Tとなる。μ一τ(乞の。σ(μ)=ムη乞の。σ(μ)== s’とおくと、 pa =t+ st (t E T, s’ E T(i,,・)(S)). を得る。ここで、8’=雁の(s)となる8∈Sを取ってくれば、μに対してμ=!(t,s)となるt∈T,s∈S. が存在することが分かるので、!は全射である。 次に、!が単射であることを示す。 s∈S,t∈Tとおいて、!(t, s)=0と仮定すると、!の定義よりt+η効(s)=Oとなる。 t∈Tな ので cT(O) =a(t+T(i“・)(s)) == aoT(i,」・)(s) =s. が成り立ち、s=0となる。よって、 t・=oを得る。つまり、 ker f ・Oで!は単射である。 したがって、T(DS !11.Mがいえる。. 騒. 内部自由度を考えるためにM/Eを考えたいが、上記のことから、sorM/Tが分かる。そこで、 S/W望.M/EとなるようなSの部分空間Wを求めたい。 点P∈R2を中心に角速度ω(0≦ω<2π)で回転させる運動を考える。この運動が与えるmotion をρ∈Mとする。このとき、x∈R2の初速ベクトルρ⑳は e・一. ?i:器贈り. (x 一 P). t=o. と表すことができるので @=一 cv(2 一〇i )(x−p). em. を得る。ここで、x;@の,P=(Px,Py)とすると、 ・@・Lω. ッ)C=埼)一ωG畷). れ. が成り立つ。よって、ρ = 2XkVll+Σ〃漁とおくと、頂点Mを通る1ineはαi,b。一ゴだったの んコむ. たニ. で、ρの成分は娩=ωトω凡,腕づ=一ωゴ+tuPy (i=0,_,m,ゴ=0,_,n)となる。また、 8=σ(ρ)となる8∈Sの成分表示を(Xl,...,Xm,Yl,_,Yn)とおくと、 Xi ・Xi−Xi_1だったので、. Xi一ωi一ωPx一{ω(i−1)一ωPx}一ω(i−1,_,m) となる。また、Yn_」= Yn−」 一y(n−j)_1== Yn_ゴーYn_(ゴ+1)なので、. Y。一ゴー一ωゴ+ωP、 一{一ω(ゴ+1)+ωP。}一ω(ゴー0,…,n−1). がいえる。したがって、回転のmotionρ∈Mについて a(e) = cv(1,...,1) ES. m十n. 25. (2.3).

(29) が成り立つ。このとき、 p= (1,...,1) ES. m十n とおくと、次が成り立つ。 定理2.11戸をρ=(1,...,1)∈Sが張る空間とすると、 E = a一’(p’) となる。. 証明 まず、E⊃σ一1(p)を示す。μ∈σ一1(戸)とすると、σ(μ)∈pがいえるので、 a(pa) = (or, . . . , or) (cM E R). m十n と書ける。このとき、σ(μ)はある回転の運動のmotionρを使い、σ(μ)一σ(ρ)=0とすることがで. きる。実際等式(2.3)でω=αとおけばよい。これより、σ(μ一ρ)=0となるので・μ一ρ∈T⊂E. がいえる。ρ∈Eなので、μ∈Eとなる。 次に、E⊂σ一1(p)を示そう。μ∈Eとおくと pa == t+ρ (t∈T,ρは回転運動の初速ベクトルで与えられるmo七ion). と書けるはず。これより、 a(IL) =o(t十 e) =a(e) E p一. となり、σ(μ)∈pを得る。よって、μ∈σ一1(p)が成り立つので、E⊂グ1(p)となる。 これらより、E ・= a”1(p)がいえる。. 凹. このpを使えば、次のことが成立する。 定理2.12ρをρ=(1,...,1)∈Sが張る空間とする。このとき、 M/E ny S/p一 が成り立つ。. 証明 M/Eから5γρへの写像gをμ+E∈M/Eに対して、g(μ+E)=σ(μ)+ρとおく。このg が全単射であることがいえればよい。. まず、ψの定義がμ+E∈M/Eの代表元の選び方には影響されないことを示す。μ+E= μ’+Eとおくと、同値類のとり方より、μ一μ’∈Eが分かる。ここで、μ一〆=t+ρ (t∈ T,ρは回転運動の初速ベクトルで与えられるmo七iOII)とおくと、 a(pa 一 pa’) == a(t + e). = a(t)+a(e) == a(e) E p一. 26.

(30) となるので、 σ(μ)+戸=σ(μ’)+戸. が成り立ち、 g(pa + E) = a(ps) + pM 一一 a(pa’) + p一 = g(pa’ + E). がいえる。. これらより、μ+E∈M/Eの代表元の選び方にgは影響されないことが分かる。 次に、幹が全射であることを示そう。s+ρ∈S/pとおくと、σが全射だったので、σ(μ)=8とな るμ∈Mが存在する。よって、s+p=σ(μ)+p=ψ(μ+E)となり、 pは全射である。 最後に、(ρが単射であることをいう。ψ(μ+E)=0+戸とすると、σ(μ)+ρ=0+pがいえる。これよ り、σ(μ)∈pとなり、μ∈σ}1(戸)=Eを得る。よって、μ十EニEがいえるので、ker(g)={0十E}. が成り立ち、ψは単射である。. したがって、M/E製3/戸が成立する。. 口. 定理2.12よりdim M/E=dim S/Pが成り立つ。. これから、Mの代わりにSを使ってフレームの固定を考えたい。そのために、 M*とS*の関係や r(B)とSの関係について述べる。. 支柱。で決まるMからRへの写像g.に対してSからRへの写像φ,を以下のように定める。すな わち、s∈Sに対して8=σ(μ)となるμ∈Mを取ってきて、 ¢c(S) = 9c(pa). と定義する。. このとき、μ∈Mの選び方にφ。(8)が影響されないことを示す。8∈Sに対して、s=σ(μ)=σ(μ’) とすると、 a(pa 一 pa’) == a(pa) 一 a(pa’) = O. が成り立つ。よって、μ一μ’∈T⊂Eがいえる。ここで、Tの元は(XO,...,XO,yo,...,、yo)という形 で書けるので、等式(2.2)より、g。(μ一〆)=0となる。したがって、曽。(μ)=g。(μ’)となるので、 〈Pc(S) = gbc(st). がいえる。よって、μ∈Mの代表元の選び方にφ。(8)は影響されないことが分かる。 次に、S*から.M*への写像σ*をφ∈S*に対して、σ*(φ)ニφ。σと定義する。このとき、σ*が 単射を示そう。そのためにkerσ*を調べる。σ*(φ)=0とおくと、φoσ=0となる。. σの全射性より、任意のs∈Sに対して、σ(μ)=sとなるようなμ∈.Mが取れる。すると、 φoσ(μ)=φ(s)=・ Oがいえ、φ≡0を得る。よって、σ*は単射になる。. これを使うと次のことがいえる。 定理2.13Mをmotion space、 Sをshear spaceとして、 Bを支柱の集合とする。 c∈Bに対して、 ψ.∈M*、φ。∈S*を上記のように定める。このとき、ベクトル空間として 〈¢.lc E B> 2;1 〈q.lc E B>. が成り立つ。. 27.

(31) 証明 まず、q.に対して、σ*(9c)=φ。。σなので、任意のμ∈.Mに対して、8=σ(μ)とおくと、 (σ*(φ。))(μ)一(φ。・σ)(μ). 一φ。(σ(μ)). =φ。(s) =ψ。(μ) となり、㌍.=σ*(9c)が成り立つ。 ここで、.B={C1,_,Cn}とおくと、φ∈〈φc 1 C∈.B>は. れ. φ一Σ・・φ。、「(ai ER) i==1. と書ける。これより、. ゲ(φ)一♂(書・・転) れ. 一Σ・iσ*((1)ci). (2.4). ¢蕊1. 一Σ卿・乞 i==1 となり、σ*による〈φ。IC∈B>の像は〈g。IC∈B>となることが分かった。 もともと、σ*は単射なので、これを、〈ψ。IC∈.B>に制限し、〈φ。IC∈B>からくψ。IC∈.B>への写像. としてもσ*は単射である。 次に、σ*:〈φ。IC∈B>一→〈ψ。IC∈.B>が全射であることをいう。(F)∈〈曽。IC∈B>を. 幹一Σ卿。、(・i∈R) i=1 とおく。これに対して、 o一Σ・iQCi∈<φ。1・∈B>. i=1 を取ってくると、等式(2.4)よりσ*(φ)=gとなるφ∈〈φ。lc∈B>が存在することが分かる。よっ て、〈φ。lc∈B>に制限したσ*は全射である。. したがって、〈φclc∈.B>or〈g。lc∈.B>となる。. 1. 定理2.14Bを支柱の集合としてBを加えたm×n格子のmotion spaceをM(B)とする。このとき、 M(B) == a−i. i{s E S 1 ip.(s) = O,c E B}). が成り立つ。. 28.

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