読書活動の充実に向けた青少年教育施設における取り組み ―ネイパル厚岸の読書活動事業の考察から―
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(2) 釧路論集 -北海道教育大学釧路校研究紀要-第49号(平成29年度) Kushiro Ronshu, - Journal of Hokkaido University of Education at Kushiro - No.49(2017):1-8. 読書活動の充実に向けた青少年教育施設における取り組み ―ネイパル厚岸の読書活動事業の考察から― 渡 辺 裕 太1・福 一 紀1・諫 山 邦 子2・長 岡 滋 雄3・谷 津 遥 日4 1 3. 北海道教育大学大学院 2 北海道教育大学釧路校. 北海道立青少年体験活動支援施設ネイパル厚岸 4 株式会社リンクアップ. Program of the Approach for Reading Books at the Youth Education Center ―Consideration from Na-pal Akkeshi’s Reading Books Events― WATANABE Yuta1, FUKU Kazuki1, ISAYAMA Kuniko2, NAGAOKA Shigeo3and YATSU Haruka4 1. Graduate School of Hokkaido University of Education 2. 3. Kushiro Campus, Hokkaido University of Education. Hokkaido Youth Activities Support Center Na-pal Akkeshi 4LINK UP Inc.. 要旨 本研究は、北海道道東地域にある青少年教育施設で行われた読書活動事業「ネイパルブックフェスティバル」の参加者 を対象に、本施設におけるより良い読書活動のあり方を検討することを目的とする。研究方法は、本事業の参加者を対象 とした事前・事後アンケート結果をもとに、読書活動の意欲やその効果などを分析した。分析結果より、読書だけではな く、集団での宿泊体験や絵本の「読み聞かせ」等の体験活動を通して読書活動への意欲の向上が見られたと推察された。 キーワード:読書活動 体験活動 読み聞かせ 言語活動 青少年教育施設 Ⅰ はじめに. 議決定され、基本的方針に「社会全体の取組」、「環境の整. テレビやインターネットなどの様々な情報メディアの普. 備」、「意義の普及」が盛り込まれ、子どもの自主的な読書. 及に伴い、子どもの生活環境が著しく変化し、幼児期から. 活動の重要性を提起している[4]。. の読書習慣が乏しくなり、子どもの「読書離れ」が指摘さ. 北海道でも、平成15年に「子どもの読書活動の推進に関. れている[1]。. する法律」を軸として、 「北海道子どもの読書活動推進計. 読書活動は文部科学省によると、 「子どもが、言葉を学. 画」を策定し、平成25年には同計画の第三次計画まで策定. び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものにし、. された。この計画の理念は「北海道のすべての子どもがあ. 人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことの. らゆる機会とあらゆる場所において、自主的に読書活動を. [2]. できないもの」 と定義している。国立青少年教育振興機. 行うことができるよう、積極的にその環境整備を図る」[5]. 構が実施した「子どもの読書活動の実態とその影響・効果. としており、北海道の社会全体で子どもの読書活動を推進. に関する調査研究」によると、就学前から中学時代まで読. し、その機会を保障していくことが掲げられている。. 書活動が豊かな中学生は、体験活動も豊かであるという結. 本研究の対象とした青少年教育施設が位置する厚岸町に. 果がある。その間にある小学生段階における読書活動の経. 隣接する釧路市では、平成28年に「釧路市子ども読書活動. [3]. 験が重要であるといえる 。こうした現状を踏まえ、国や. 推進計画」を策定し、 「読書活動の推進」、 「読書環境の整備・. 地方自治体レベルでその推進活動が行われている。平成12. 充実」、「読書活動の普及・啓発」、そして「推進するため. 年に「子ども読書年」とする衆参両議院の決議が行われ、. の体制の整備・充実」の4点を基本目標[6]に据え、市立図. 翌年の平成13年には「子どもゆめ基金」が創立し、民間団. 書館では読み聞かせや絵本などのワークショップ、学校図. 体の行う、子どもの読書活動等に対する助成が始まった。. 書館では貸し出しの推進や朝読書など効果的な取り組みを. また、同年には議員立法により、 「子どもの読書活動の推. 実施している。. 進に関する法律案」が公布・施行される。平成25年には「第. 釧路市においては学年が上がるほど、読書が好きだとい. 三次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」が閣. う割合が低下し、それに合わせて読書量も低下していると. -1-.
(3) 渡 辺 裕 太・福 一 紀・諫 山 邦 子・長 岡 滋 雄・谷 津 遥 日 いう現状にある[7]。この状況は、釧路市内に限ったもので. ネイパル厚岸では、平成24年度から全8回に渡り、読書. はなく、全国的に学校段階における不読率(1 ヵ月に1冊. 活動事業を行ってきた。 「ブックトーク」 「読み聞かせ」. も本を読まない子どもの割合)の問題が挙げられており、. 「ダンボールブック作り」とテーマが変遷してきたが、一. その割合は学年が上がるほど高くなる[8]。こうした状況か. 貫して読書を通しての体験活動の機会を提供してきたと言. らも、子どもに読書する機会を与えること、またはその機. える。. 会を提供するための支援などが急務であるといえる。 本稿は、北海道道東地域に位置する青少年教育施設の読. Ⅲ 研究目的. 書活動事業の事例を取り上げ、その結果を報告するととも. 子どもの読書活動の推進に向け、青少年教育施設が取り. に、本施設の読書活動事業の充実に向けた資料としたい。. 組む読書活動事業は多いが、その中でもネイパル厚岸で 行った体験活動型読書事業「ネイパルブックフェスティバ. Ⅱ ネイパル厚岸における読書活動事業の変遷. ル」を一例に、本施設における、より良い読書活動事業の. ネイパル厚岸では、平成19年度から行われている「全国. 在り方を検討することを目的とする。. [9]. 学力・学習状況調査」の読書に関する質問事項の結果 を 受け、 主催事業「ネイパルブックワールド」 「ネイパルブッ 、. Ⅳ 事業の概要. クフェスティバル」として、平成24年度より小学3年生か. 本研究で取り上げる平成27年度第2回の読書事業である. ら中学3年生を対象とした宿泊型の読書活動事業として平. 「ネイパルブックフェスティバル」は、多くの参加者(参. 成28年度」まで表1のとおり、全8回行われた。. 加者91名、読み聞かせ対象者約70名)が得られた平成26 年度第2回「ネイパルブックワールド」のプログラムを踏. 表1 ネイパルブックワールドの変遷 1 2 3 4 5 6 7 8. 実施回 平成 24 年度第 1 回 平成 24 年度第2回 平成 25 年度 平成 26 年度第 1 回 平成 26 年度第 2 回 平成 27 年度第 1 回 平成 27 年度第 2 回※ 平成 28 年度. 襲する形で行われ、ネイパル厚岸の主催事業としてではな. 主な活動 ブックトーク. く、ネイパル厚岸と有志でブックフェスティバル実行委員 会を立ち上げ、事業の運営にあたった。. 絵本の読み聞かせ. ダンボールブックづくり. ※平成27年度第2回は「ネイパルブックフェスティバル」 図1 ネイパルブックフェスティバル日程表. 今日、学校教育において「単元を貫く言語活動」の大切 さ[10]が注目され、これを踏まえ、平成24年度第1回では、2. 図1の通り、1日目では、ネイパル厚岸に集合した後、 「本. 泊3日の事業を通した言語活動として、気に入った図書を. の森厚岸情報館」に移動し、図書館司書から絵本や紙芝居. 仲間に紹介し合う「ブックトーク」を主な活動として設定. の読み聞かせの手法を学び、 「読み聞かせ」を行う上での. した。平成24年度第2回から平成28年度までは、言語活動. ポイントについてレクチャーを受けた。その後は、最終日. として絵本の「読み聞かせ」を主な活動として設定した。. に行う「読み聞かせ」のための本や、2日目の読書の時間. 読み聞かせを聞く側は、年度によって幼稚園・保育園の子. に読む本を選んだ。夜は、ネイパル厚岸に戻り、自由読書. どもたち、参加者のきょうだい、保護者を対象とした. [11]. 。. の後に就寝した。. 平成28年度では、これまで行ってきた主な活動を一新. 2日目は、午前と午後を通して「のんびり読書@山小屋」 、. し、 「ダンボールブックとネイパル図書館づくり!」をテー. 「ティーブレイク読書」、「ブックワールドをつくろう」の. マとして、参加者27名で1泊2日の日程で実施された。ダン. 三つの活動を行った。 「のんびり読書@山小屋」では、ネ. ボールブックとは、ダンボールで本の形にしてあるものに. イパル厚岸から10キロほど離れた「山小屋『らんぷの家』 」. 子どもたちがそれぞれ好きな本を何冊か選び、それらの本. にバスで移動して、薪ストーブで暖を採りながら山小屋の. を紹介するために本を作るというものである。. 中や、野外でたき火をしながら読書をした。. これら多くの事業のねらいは、山小屋での読書やキャン. 「ティーブレイク読書」では、ネイパル厚岸内にある大研. プファイヤーを囲んでの読書と非日常的な読書体験を行. 修室で、お菓子を食べたり飲み物を飲みながら、畳の上で. い、「読み聞かせ」の手法を学び、年少児に対して「読み. 寝そべったり、パーテーションで区切られた個別の空間で. 聞かせ」の読み手になる体験をするなどの、本に親しむ体. 各自の読書を行った。. 験活動を通して参加者の読書に対する意欲や関心を高める. 「ブックワールドをつくろう」の活動では、1日目の夜に. ことである。. 班ごとに立てたテントを、3日目の読み聞かせ会場とする. -2-.
(4) 読書活動の充実に向けた青少年教育施設における取り組み ために、それぞれ工夫し装飾を行った。. ○事前アンケート 当てはまるものに〇をつける. 夜は、翌日の「読み聞かせ縁日」での絵本の読み聞かせ に向け、班ごとに練習を重ね、ボランティアスタッフがサ ポートを行った。 3日目は、本事業の参加者の保護者やきょうだい等(日 帰り事業「ブックフェスティバルforキッズ」と同じ参加 者)を迎え、19個のテントブース、ポップコーンや綿あめ コーナーが並ぶ縁日風の体育館において、読み聞かせ活動 を行った。 Ⅴ 研究方法 平成27年度(12月)にネイパル厚岸で行われた「ネイパ ルブックフェスティバル」 の参加者への事前・事後アンケー ト調査をもとに、読書活動の意欲やその効果などを分析す る。 また、平成26年度第2回(12月) 「ネイパルブックワール ド」 、 平成27年度第1回(10月) 「ネイパルブックワールド」 の双方に参加していた参加者3名に対しては、1年後にアン ケート調査を送付し、年間2回の読書活動事業に参加した 結果についても検討していく。アンケートの様式は、図2、 図3、図4で示した。 ○対 象 者 37名. 図2 事前アンケート用紙. (内訳:小学3年生6名、小学4年生11名、小学5年生17名、 小学6年生4名). ○事後アンケート 当てはまるものに〇をつける. ○事前調査 平成27年12月25日(金). 自由記述もある. 参加者37名に実施 ○事後調査 平成27年12月27日(日) 参加者36名に実施 (事後調査時の欠席者を除く) ○1年後調査 平成28年12月下旬 平成26年度第2回、 平成27年度第1回、 平成27年度ブックフェ スティバルの全回に参加した3名. 図2 事前アンケート用紙. -3-.
(5) 渡 辺 裕 太・福 一 紀・諫 山 邦 子・長 岡 滋 雄・谷 津 遥 日 表4 事前Q3参加したきっかけ(複数回答可). ○1年後アンケート 当てはまるものに〇をつける. 選択肢 本が好きだから 本好きの友達がほしいから いろんな人と一緒に泊まりたいから ネイパルに行きたいから 山小屋に行きたいから テント・寝袋で寝てみたいから 図書館に行きたいから ティーブレイク読書が面白そうだから 小さい子に読み聞かせをしたいから 友達に誘われたから 親にすすめられたから 先生にすすめられたから これまでのブックワールドに参加して楽しかったから. 自由記述もある. 人数 24 2 14 10 10 8 10 9 11 11 4 0 17. 表4の結果より、参加したきっかけは「本が好きだから」 という選択肢が一番多く24名であった。このことからも参 加者の読書に対する意欲が高いことがわかる。2番目に多 い回答は「これまでのブックワールドに参加して楽しかっ たから」という項目であり、少なくとも参加者のうち約半 図2 事前アンケート用紙. 数である17名が、以前のブックワールドに参加したことが あるリピーターの子どもたちだということがわかる。ま. Ⅵ 結果とその考察. た、事業のプログラムの内容についても、きっかけとして. 表2-17として、事前・事後アンケートおよび1年後アン. 挙げられる。例えば、「ネイパルに行きたい」「山小屋に行. ケートの集計結果を示し、結果における考察を加える。. きたい」 「図書館に行きたい」など、単に読書をするだけ ではなく、本と関わりある体験や、自然の中で読書をする ということを子どもたちは望んでいると推察できる。. 1)事前アンケート集計結果. 「いろんな人と一緒に泊まりたい」 「読み聞かせをした い」という項目も多くの回答を得られていることから、読. 表2 事前Q1 本を読むことが好きか とても好き 好き 少し好き 少しきらい きらい とてもきらい. 選択肢. 人数 24 8 5 0 0 0. 書だけではなく他者と一緒に過ごし、関わっていくという 非日常的な体験を求めているということも考えられる。 表5 事前Q4読み聞かせをしてもらったことがあるか ある ない. 表3 事前Q2どれくらい本を読むか(学校以外) 選択肢 人数 毎日 16 ほぼ毎日 12 1 週間に 2 ~ 3 回 8 1 週間に 1 回 1 全く読まない 0. 選択肢. 人数 34 3. 表6 事前Q5読み聞かせをしてもらうことが好きか 選択肢 人数 好き 27 きらい 6 わからない 2 無回答 2. 今回のブックフェスティバルにおける参加者の読書に対す る意欲は、表2と表3の結果から、高いことがわかる。つま り、読書が好きで定期的に読書をする習慣があり、読書に 対して苦手意識が無い子どもたちが参加していると推察で きる。. 表7 事前Q6読み聞かせをしたことがあるか 選択肢 ある ない. -4-. 人数 32 5.
(6) 読書活動の充実に向けた青少年教育施設における取り組み 表8 事前Q7読み聞かせをすることは好きか 選択肢 好き きらい わからない 無回答. 表11 事後Q3参加して楽しかったこと(複数回答可) 人数 25 6 5 1. 読み聞かせの経験については参加者の多くが「したこと がある」または「してもらったことがある」と回答してい る。以前のブックワールドの事業でも、 「小さな子どもへ 読み聞かせをする」というプログラムがあったため、リ ピーターの子どもたちは少なくとも読み聞かせを経験して. 選択肢 読書の時間がたくさんあった 本好きの友達がいた いろんな人と一緒に泊まれた ネイパルに行けた 山小屋に行けた テント・寝袋で寝ることができた 図書館に行けた ティーブレイク読書が良かった 小さい子に読み聞かせをすることができた 友達と一緒に参加できた 新しい友達ができた これまでのブックワールドと同じく楽しかった. 人数 30 10 24 19 25 10 12 22 16 14 15 19. いる。それ以外の子どもたちも「読み聞かせをしたことが ある」または「してもらったことがある」と回答している. 最も多くの回答を得られたのは「読書の時間がたくさん. ことから、学校現場や地域でのイベント、家庭などで読み. あった」である。読書時間を確保するプログラムが多かっ. 聞かせの経験をしていると推察される。. たため、「山小屋に行けた」(山小屋・自然の中での読書). 「読み聞かせをすること」または「してもらうことは好. 「ティーブレイク読書が良かった」 (お菓子を食べたり、. きか」という質問については参加者の概ね「好き」である. 飲み物を飲みながら自分なりの読書を楽しむ時間)の回答. と回答している。. も高くなっている。 また、「ネイパルに行けた」「いろんな人と一緒に泊まれ. 2)事後アンケート集計結果. た」という回答も多く、読書だけではなく宿泊体験や交流. 表9 事後Q1参加して本が好きになったか. も子どもたちの中での楽しみの一つだったようだ。. 選択肢 とても好きになった 好きになった 少し好きになった 少しきらいになった きらいになった とてもきらいになった その他. 人数 29 4 2 0 0 0 1. 「これまでのブックワールドと同じく楽しかった」とい う回答も19名から得られ、リピーターが参加しても満足で きるプログラムだったということが推察される。 表12 事後Q4読み聞かせをして楽しかったか 選択肢 とても楽しかった 楽しかった 少し楽しかった 少しつまらなかった つまらなかった とてもつまらなかった 不参加. 表10 事後Q2これからも読書がしたいと思ったか 選択肢 人数 もっとしたい 26 したい 8 少ししたい 1 少ししたくない 1 したくない 0 とてもしたくない 0. 人数 24 7 2 1 1 0 1. される。また、「今後も読書がしたいと思ったか」という. 表13 事後Q5また読み聞かせをしてみたいか 選択肢 とてもしたい したい 少ししたい 少ししたくない したくない とてもしたくない その他. 質問については一人を除いて、読書がしたいと回答してい. 表12から「読み聞かせをして楽しかった」と回答してい. る。. る参加者がほとんどである。 「つまらなかった」と回答し. 参加者のほぼ全員が読書を「好きになった」と回答して いる。普段から読書が好きで、定期的に読んでいる子ども たちであると事前アンケート結果から推察されるので、読 書を嫌いになるという可能性は限りなくゼロに近いと推察. 人数 18 9 6 2 0 0 1. た参加者が「また読み聞かせをしたいか」という質問にお いて、 「少ししたくない」と回答している。理由として「つ かれた」 「幼稚園児が本に集中してくれない」といった記 述があり、読み聞かせにおける時間の長さや、読み聞かせ. -5-.
(7) 渡 辺 裕 太・福 一 紀・諫 山 邦 子・長 岡 滋 雄・谷 津 遥 日 をきいてくれる対象者の問題が浮かび上がった。また、 「読. 表17 1年後Q5ブックフェスティバル後、誰かに読み聞. み聞かせをしたい」と回答した参加者の中にも「はずかし. かせをしたか. かった」と記述している参加者も多く、今後は読み聞かせ に限らない選択支の立案の必要性も考えられる。 3)1年後アンケート集計結果. 参加者 有無 はい ① ② いいえ ③ いいえ. 誰に 下級生に、学校で ― ―. 平成26年度第2回(12月) 「ネイパルブックワールド」、. ブックフェスティバル後の読み聞かせ経験については、. 平成27年度第1回(10月) 「ネイパルブックワールド」にも. 参加者のうち1名がしたことがあると回答した。. 参加していた参加者3名に調査を実施し、読書活動事業に 継続的に参加している参加者の読書の様子について述べて. Ⅶ まとめ. いく。. 本施設における読書活動の在り方を検討することを目的 に、平成27年度の読書活動に関わって、小学校3年生から6. 表14 1年後Q1 1年前に比べて読書が好きになったか 参加者 ① ② ③. 年生の児童37名の参加者へのアンケートをもとに、読書活. 選んだ選択肢 その理由 好きになった おもしろい本に出会ったから 同じ 前も好きだったから 好きになった 友達と読書したりするから. 動への意欲や効果に関わって分析を行った。 事前アンケートから、参加者は読書が好きで、定期的に 読書を行う習慣を持っており、事業への参加のきっかけ は、本が好きであること、以前の同施設での読書活動が楽. 「1年前に比べて読書が好きになったか」という質問にお. しかったという理由が多くみられた。また、単に読書をす. いては、2名は「前よりも好きになった」 、1名は「前と同. るだけでなく本と関わりある体験や自然の中で読書をする. じくらい好き」と回答した。その理由として、 「おもしろ. ことを期待していることが推測できた。事後アンケートで. い本に出会った」 「友達と読書したりする」という理由が. は、ほぼ全員、読書が好きになった、これからも読書がし. 挙げられ、普段から読書をしており、積極的に新しい本を. たいと回答している。楽しかったこととしては、読書の時. 読んだり、友達と読書を楽しんでいることがうかがえる。. 間がたくさんあったことや、自然の中での読書、宿泊体験 や交流についての回答がなされ、事前の期待と呼応して満. 表15 1年後Q2前よりも読書の時間が増えたか 参加者 ① ② ③. 足している様子が伺えた。. 選んだ選択肢 その理由 少し増えた おもしろくて次をよみたくなったから 少し増えた 読む本が増えたから 増えた 興味のある本が増えたから. 最終プログラムの読み聞かせ活動については、9割の参 加者が楽しく、かつ今後も行ってみたいとしており、残り の1割については、「つかれた」「幼稚園児が集中してくれ ない」 「はずかしかった」との記載があった。このことから、. 参加者の3名とも以前よりも読書時間が増えたと回答し. 最終プログラムとして、読み聞かせ活動に限らないプログ. ている。読書に楽しみを見出し、積極的に色々な本を読も. ラムの選択肢の立案も必要であると考えられた。. うとしている姿勢がうかがえ、読む本が増えるにつれ、読. 平成27年度に読書活動に2回参加した3名の1年後のアン. 書時間も増えていると推察できる。. ケートからは、普段から読書をしており、積極的に新しい. 1年後Q2の補助質問「読書時間はどのくらい増えたか」. 本を読んでいること、友達と読書を楽しんでいること、読. という質問においては、以下の表16のような回答が得ら. む本が増えるにつれて、読書時間も増えてきていることが. れた。. 推察できた。. 表16 1年後Q3以前よりどのくらい読書時間が増えたか. 本施設における読書活動は、多くの参加者と一緒に過ご. (1日で). し関わる、お菓子を食べたり飲み物を飲んだりしながら自. 参加者 増えた時間数 30 分増えた ① 1 時間 30 分増えた ② 1 時間~ 1 時間 30 分増えた ③. 分なりの読書を楽しむ、山小屋や自然の中での読書、とし て、青少年施設ならではの利点を生かして行われ、それら のいずれも参加者の満足を得られていることが判った。ま た、プログラムを通して、ほぼ全員読書が好きになったと. 3名とも1日で30分以上読書時間が増えたと回答して. 回答し、これからも読書がしたいとの意欲が認められた。. おり、生活の中で習慣的に読書に取り組んでいる様子がう. 課題としては、読み聞かせ活動の他にも最終プログラム. かがえる。. としての選択肢を配することが挙げられた。. -6-.
(8) 読書活動の充実に向けた青少年教育施設における取り組み ■参考・引用文献 [1]文部科学省「子どもの読書活動推進ホームページ」 『子 どもの読書活動推進の取組~子どもの読書活動の推進 について~』 http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/dokusyo/suisin/ [2]文部科学省「子どもの読書活動推進ホームページ」 『子 どもの読書活動の推進に関する法律』 http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/dokusyo/hourei/ cont_001/001.htm [3]田中壮一郎「体験の風をおこそう3 数字でみる体験活動 と「生きる力」体験活動の成果を検証する」悠光堂 平 成27年7月 [4]文部科学省スポーツ・青少年局青少年課「第三次子ども の読書活動の推進に関する基本的な計画」 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/05/_icsFiles/ afieldfile/2013/05/17/1335078_01.pdf [5]北海道教育委員会「北海道子どもの読書活動推進計画 [第三次計画]生きる力をはぐくむ北の読書プラン」 http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/sgg/dokusyo/ dai3jikeikaku.pdf [6]釧路市教育委員会「釧路市子ども読書活動推進計画~子 どもたちの笑顔と未来のために~」 『第1章 計画の基 本的考え方』 http://www.city.kushiro.lg.jp/common/000090455.pdf [7]釧路市教育委員会「同上」 『釧路市小中校生読書アンケー ト結果』 [8]文部科学省スポーツ・青少年局青少年課「第三次 子ど もの読書活動推進に関する基本的な計画 (案) 関係資料」 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo5/ gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2013/08/05/1338320_07. pdf [9]国立教育政策研究所教育課程研究センター「全国学力・ 学習状況調査」 http://www.nier.go.jp/kaihatsu/zenkokugakuryoku.html [10]文部科学省「言語活動の充実に関する指導事例集~思 考力、 判断力、 表現力等の育成に向けて~【中学校版】」 平成24年6月 [11]吉光寺勝己「青少年教育施設を活用した読書活動事業 ―ピアサポートの視点を導入した「読み聞かせ」を軸 として―」 国語論集12、北海道教育大学釧路校 国語科教育研究 室 平成27年3月. -7-.
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