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日本の住宅問題 : 勤労者世帯における持家志向について

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(1)Title. 日本の住宅問題 : 勤労者世帯における持家志向について. Author(s). 関谷, 嵐子. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. B, 社会科学編, 30(2): 63-88. Issue Date. 1980-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4432. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 日本の住宅問題 -- 勤労者世帯における持家志向について -- 関. 谷. 嵐. 子. はしがき 1. 戦後日本の住宅問題 1 1 . 事例研究 -- 住宅生協における自主的住宅建設運動. は し が き. 本稿は, 勤労者世帯 -- 賃労働者・サラリーマン世帯 一一 における 「住宅」 ないし 「住生活」 の諸問題のうち,主として持家化にかかわる問題点の一端を整理す ることを目的とするものである . 持家化ないしは持家志向の問題内容は多岐にわたるものであるが 本稿はそのうち 勤労者世帯 , , の生活構造に焦点を限定し, 労働問題研究におけ る1テーマとして論を構成するものである . ところで, 労働問題研究は いうま でもなくその内容の一部に, 労働者の生活過程 すなわち労働 , 力の再生産過程にかんする諸問題をふくんでいる. 労働者住宅問題は 勤労者世帯の消費生活の機 , 能的水準およ び経済的水準 の問題として,また生活構造 -- 家計・生活時間・消費・教育・教養娯 楽など -- の型の決定要因の1つをなすものとして, 労働問題研究の対象に包摂されてくる , 労働力の日常的世代的再生産 -- それは家族という集団により「世帯」としていとなまれる -- の実現過程の, 容器あるいは手段としての住宅は, その機能と役割として すくなくとも食事・ 就 , 寝・育児といっ た基礎的な日常消費行動を遂行する条件をそなえることを必要と している かかる 。 機能と役割を充足するためには, 勤労者世帯の住宅は理論的には 食寝分離・就寝分離 (夫婦室の , 確立と異性別室就寝) , ライフ・サイクルの段階によっ て変化する住ニーズ, などが具体化されるに .これまでの如何なる社会状況の下でも 足る平面や住宅規 模を必要とする, が実際には, これらは, , 不充分にしか, また一 定の社会階層 においてしか, 実現していない 多くの世帯 では 住宅はその . , 機能と役割の面において不充足的 であり, あるいは住居費用 の支出限度の範囲内にお いてはかかる 不充足的な質の住宅しか入手していない, といえる状況にある . この, いわば住緊張ともいうべきものの中心は, 家計の緊張と狭小空間のもたらす物理的緊張と であろう. 資本主義社会の発達のどの歴史段階にお いても, またどの国においても 勤労者世帯の , 多く の住生活はかかる問題のもとにおかれてきたといえる とくに今日のわが国の状況はこの点 で , きわめてシリアス であり, 戦後経済期においても高度経済成長期とその後においても 住緊張は社 , 会的規 模における広範な問題点を構成 している . 戦後の国民的規模における持家化の過程にはいうま でもなく, 住緊張への対処がその行動意識の 1つとして存在している, 持家化の過程において住緊張は いかなる面において解消 され またい , , 63.

(3) . 関. 谷. 嵐. 子. かなる面において再生ないしは倍加されてゆくのか. 住緊張からの脱却がなぜ, 最大の パイ プとし て, 一持家化″ に集約さ れてゆく のか, 1 } 以上をささやかな問題 意識として, 考察をすすめることとする . 9 97 . 1) 拙稿 「賃労働者世帯の住生活をめ ぐる諸問題」(隅谷三喜男編『現代日本労働問題」 所収) 東大出版会, 1. 1. 戦後日本の住宅問題 1 ) 住宅市場と住宅政策の動向 ( 勤労者世帯 では, 日常生活を展開するために住宅を入手するが, 資本主義社会ではいうまでもな く, 住宅もまた商品のかたちをとっ て, 住宅市場において存在している, 古典的には, 居住権の時 間 ぎめの購入に あたる賃貸住宅が住宅市場の中心的商品であり, 20世紀以降, とくに第2次大戦以 降は, 多くの資本 主義国 では, 不動産としての住宅商品のウエイ トがたかまっ てきた. いかなる商 品形態の住宅を供給する産業構造ないしは金 融構造を設定してゆくの か, いいか えれば国民経 済に おける住ニ ーズをどのよう な商品形態の住宅の供給 でまかなっ てゆくのか, が国民経 済における住 } 宅政策の骨子 である2 . ◎住宅市場の動向 戦後日本の住宅市場は÷ 1) 持家, 2) 民営借家 (およ び借間) , 3) 公共借家, 4) 給与住宅の ) 4 種 か ら 成 立 して い る3 .. 持家は, 表1にみるように戦後において 一貫した最も大量の住宅所有関係にある. これは戦時経 済下において民間借家市場 が崩壊 し戦後も1960年代ま でその復活 がおこ なわれなかっ た期間にお ける, . やや比 瞭的にいえ ば商品供 給のとだえた時期の自足的 な住宅形態と して 一般化 したもの で 有関係は80%から90%ま でが民営借家であり -- ・ あっ た.これに対し , 戦前の都市における住宅所 すく なくとも勤労者世帯において は支配的にそう であり --, 持家の大量の存在は戦後の特徴的問. 題 である. 表1にみるように, 高度経済成長期以降は持家は相対的に 減少し民営借家 (設備専用) の市場が回復し成長する が, 持家が戦後日本の住宅市場の主軸を占め続けていることはあきらかで. 表1 所有関係別住宅数 (全国世帯). 年. 総. 持. 借. 数. 家. 家. 67.O 71,2. 33.O 28,8. 3.5. 35,7. 4,6. loo,0. 64,3 60.3. 39,7. 5.8. 100・0. 59.2. 40.8. 6.9. 1948. loo,0. 1958. 100・0. 1963. 100・0. 1968 * 1973. *沖縄県をふくむ. う. ち. 営 営 民 公営公社 民 給与 住宅 公 団 (設備専用) (設備共用) 5,8 18,5. 三 塁 手撰. 総理統計局 『日本の住宅』(昭和48年, 住宅統計調査の解説) 。 64. (%). 6.7 7・0 6.9 6.4.

(4) . 日本の住宅問題. 表2 世帯のおもな従業上の地位別住宅の所有関係 (世帯数) (全国普通世帯) 世帯の従業上 総 の 地 位 別 自 営 業 者 雇. 用. 者. うち民間雇用者 〃官公雇用者 〃臨時・日雇. 主. 数. (捧髪 ). 帯. 世 借. (%) 同 居. 家. 住宅以外. の建物に 民 営 民 営 給 与 公営・ 総 数 持 家 居住する 世 帯 総 数 公団・ 設備、 設備、 世 帯 公 社 専用ノ 共用ノ 住 宅. 7,735,600 100・0. 99,O. 79.9. 19.I. 2.O. 15.4. 1.5. 0.2. 0,4. 0,6. 19,512,500 100,0. 98.6. 50.I. 48,5. 9,O. 24.4. 5,8. 9,3. 0.8. 0,6. 14,295,100 100,0. 98,5. 45.9. 52.6. 9,5. 27.6. 6,6. 9,3. 0,8. 0・7. 2,571,400 100,0. 98.9. 60,3. 38,6. 9.O. 11.8. 1,9. 15.9. 0,6. 0,5. 1,476,500 100・0. 98.9. 57,8. 41,1. 7,4. 25.2. 7,6. 0,9. 0・7. 0.4. 総理府統計局 『昭和48年住宅統計調査第1巻全国網』 による。 あ る,. 表2は, 勤労者世帯のみをとっ ても, 持家主流の傾向があきらかであることを示す, 自営業主の 0%までが持家であるのは戦前からの傾向の延長上にとらえられるが, 勤労者世帯の50%が持家所 8. 有であるのは,戦後あらたに発生し1960年ないし70年代をとおして明確に定着するに至っ た傾向 で. あ る,. 勤労者世帯の約半数がこのように持家を所有しているとすれば, それは,「持家」 といわれるもの i の質が多種多様 であることをも意味するものである. 狭ノ ・過密居住や老朽化した持家も多く, また. 一方 で, ジャ ーナリズムのえがき出す 「近代的なマイホーム」 もすくなく ない. 住機能の面からの み考えても, 持家所有がすなわち住生活の安定をかならずしも意味しないことはいうま でもない. ◎住宅政策の動向 戦後の国の住宅政策は, 1) 公共賃貸住宅供給 (公営住宅, 公社公団住宅) , 2) 給与住宅建設融. 資(厚生年金還元融資, 産業労働者住宅融資, 公団特定分譲) , 3)持家化援助(住宅金融公庫個人. 住宅融資, 公団住宅個人分譲, 公共的造成宅地分譲, 厚生年金還元・転貸融資など) ・ の3本の, 財 , 政投融資および, 厚 生年金融資など公的資金の導入によっ て成立してきた, このなか で建設戸数の最も多いのは, 持家建設の融資 である. 住宅金融公庫により建設費の一部. をまかなっ たいわゆる 「公庫住宅」 は, 財政投融資をふくまない民間自力建設 (持家・民間借家を 0に対し3ないし4の割合となっ ている. このほか, 近年には, 財形融資, 住宅取得に関 ふくむ)1 する税の優遇などの公的措置がとられるほか, 民間金融機関による個人住宅ローンも一般的に存在. するにいたり, これらを要するに, 住宅政策は戦後一貫して持家建設の促進を最も太い幹としてい ることが明確に指摘されるのである, 上記のように近年とくに, この 持家化. のための金融政策的なパイ プが幾重にも成立しその併. 用が可能となっ た. その結果として, 少額の頭金があれば残余を借金する形で持家化を実現するこ とが庶民のあいだで可能になっ た. これは一方で持家入手の大衆化 であるとともに, 他方 で, この ような分厚い融資政策をとらないかぎり, 土地価格 の高騰と建設費 の高騰(=建材費と労賃の上昇) という, 住宅産業における他よりはるかにいちじるしい価格の上昇のために, 持家住宅の入手が困 65.

(5) . 関. 谷. 嵐. 子. 表3 1 9 6 9年以降に現住居に入居した雇用者世帯 (全国) 総. 現 在. \\ \\ \. 数. 総. 主. 親族の家 持. 従 前. 世. 家. 公 社 借 家. (民. 公 住共 営 公 建建 宅同 団 営 \ノ営. 長ず. 給 与 住宅. そ の 他. ~50,O. 万円. 数. 100,0. 100・0. 100・0. 100.0. 100.0. 100.0. 100・0. 100,0. 100,0. 帯. 98.3. 98,3. 98,3. 98,8. 98.5. 98.5. 98.7. 97.5. 98.1. 持. 家. 26.6. 31.1 67.4. IZ.4. 71,7. 45.5 53,3. 32.I. 家. 65.3 33.O. 13.9. 借. 25.2 73.1. 84.6. 66.6. 85.O. 5.I 93.O. 公営 公団公社. 10.5. 3.O 17.8. 24.O 13.8. 14.I. 42.1. 50.3. 4.1 12.2. 8.4 44,3. lo・l. 37.6. 8.7 43.4. 13.2. 民 営 (設備専用) 民 営 (設備共用). 9,3. 13.5. 2.3. 0.8. 18.9. 30,7. 宅. 7.5. 9.9. 2.7 9.4. 12.7. 14.3. 1,l 14.4. 49.5. 13.4. 2,3. 居. 0,9. 1.2. 0・7. 0.6. 0.8. 7.5 0.9. 0.4. 住 宅 以 外 の 建 物. 0.8. 0.5. 1・l. 0,7. 1.2 1.4. 1,2 0・7. 18.I. 8.4. 0.6 26.3. 0.9. 従前の住宅所有関係別世帯 100・0. 0.6 5.2. 12,3. 14.3. 4.I. 給 住. 宅. 与 に. 住 同. 15.4. 49.9. 総理府 『昭和48年住宅統計調査報告』 第1巻 、難 を き わ め る に いた っ て い る か ら であ る.. 1 979年上期の住宅 金融公庫利用者の住宅 建設費用平均 (公庫札幌支所扱い) は, たとえば次のよ. } う で あ る4 . 総工費. 公庫 借 入 金. 10,540,000円 (100.0 %) 4,990,000 円 (47.3 %). 公庫以外からの借入金 手持ち資金. 2,930,000円 (27.8 %) 2,620,000円 (24.9 %). 5%程度の借入れが可能 であり,また労働金庫利 0%から8 民間金融機関に依存する場合はふつう8 )などをみても 何れの場合も「借金による持家入手」がきわめて 一般的な姿 であることが知 用調査5 , られる。 手持資金平均は多くの場合購入価格の%程度である.. 金融援助 というかかる形にもとづく, 一 般庶民の, あるいは勤労者世帯の持家化と持家移動 (持. 家世帯による次の持家入手) は, 政策的に創出されてきたものである, といえる. 人々は, この持 家化レールにのらないか ぎり, 経済上の, 平面計画上のまたは社会階層上の, 住生活の安定を入手. しがたい, という形になっ てきている. 現在の社会状況の下 では, 持家の入手は単に消費生活の安 定化を意味するだけ でなく、 それは 「土地」 と 「住宅」 という財産形成に裏打ちされた生活基盤の 確立ないしは確立感を意味し, さらに, 1 つの地域集団あるいは職業集団における ぃ安定層″ とし ) て階層的に位置づけられるないしはそれを期待することができる, ということにほかならない6 . ◎勤労者世帯の住居歴パターン. 勤労者世帯は, ライフ・サイクルの展開にともなっ て所得額が上昇し住ニー ズも大きくなり, そ れらに応 じて, 住居移動をおこなおうとする. 転勤世帯をのぞき地域定着的な世帯について, 住居 移動の傾向をみると, 俗に方荘号番といわれるように, 居住する住宅の社会的評価は上向的 である. ことが多い(-- その意味で木 造民間賃貸住宅とくに設備共用 の木賃ア パート間の移動 がくり返さ れる世帯の場合は停滞的移動 であり, 木賃における長期居住または木賃間移動は, 貧困層の 生活条 66.

(6) . 日本の住宅問題. 件の1 つをあらわすものである) , さて, 今日の住居移動の多くは, いずれの資料. うち民営借家 (共同住宅) 収入階級別 ~99.9 ~149,O ~199,O ~299.O ~499.O 500,O. 万円. 万円. 万円. 万円. 100・0. 100,0. 100・0. 100・0. 100・0. 100,0. 98,5. 98,4 11,7. 98,5. 98.7. 98,6. 98.6. 6.O. 20,5. 30,5. 44.7. 50.O. 92 .5. 86,7. 78,O. 68,2. 53.9. 14.I. 15,O. 14.3. 7,6. 52.8. 51,5. 48.3. 13.3 44.O. 48.6 2.9. 38.O. 37.I. 1.4 2 4.2. 11,0. 6.O. 9.2. 0,9 7.4. 2,9 5.7. 0.9. 0.9. 9.4 0.8. 2,5 8,4 0,9. 0,9. 0,6. 0・7. 0・7. 0.4. 0.5. 26.7. 38.5. 20.O. 8.7. 1・7. 万円 万円以上. 4 }1 . 0,3. においても, 持家化の方向を終局的に示唆してい る,「家計の住み替え行動は, 借家内部における木. 造共同住宅から1戸建へ, 借家から持家へ, そし て持家内部における共同住宅から1戸建住宅へと } いう 形 でお こ な わ れ る」 8 .. 表3によっ て, 1 96 9年以降に住居移動 (現住居. に入居) をした勤労者世帯の従前の住宅所有関係 をみると, 親族の家居住 (-- 同居ないしは世帯. 形成) は民営借家へ, 持家世帯は持家へ, 公共借 家居住世帯は持家へ(一- ただし従前も持家世帯. だっ た場合の持家移動 の方 がはる かに高率 であ る) , 民営借家世帯(1戸建・長屋建) は民営借家. (設備専用) へ, 民営借家(共同住宅) 世帯は民 営借家(設備専用) へ, 給与住宅世帯は給与住宅. へ, というのが最も太い流れとなっ ている. 木賃 ア パート が中心であると考えられる民営借家 (設備共用) 世帯について収入階級別に移動の方向を みると, 持家化世帯は高収入層ほど顕著に多く, 一方, 低収入層ほど民営借家間の・とくに 木賃か ら木賃へ, と推定される停滞的移動 がおこなわれていることが指摘される. 勤労者世帯における上記のよう な住居移動の意味するところは, こんにちの日本社会における住 居移動 が, ライフ・サイクル毎の住ニーズにあわせておこなわれる というより, より現実的には家 計行動としておこなわれている, という点 であろう. 多様の融資の制度化によっ て, 社会的に借金 をする仕組みが容易になるほど, 住ニーズの一挙的または最終的解決をめ ざしての持家化を志向す る家計行動が成 立するわけ である. そして, かかる 「無理をした」 持家化にみられる不満のうち主 ) として居住性上の不満 (狭小など) が次の持家需要をや がて喚起する (ア パートから1戸建へ)9 , 以上のような住居移動の過程 で, 個々 の世帯は, より郊外へとス プロール化してゆくことがすく. なくない. とくに, 建売分譲住宅や分譲宅地の供給が一般化 してくると, ス プロール化は社会的な 規模 で弾みをつけてくる. 一方, 都心部においては都市再開発のかたち で, 郊外においては集団住 宅団地形成のかたちで, 土地の利用効率のたかい中高層集合住宅 (いわゆるマンショ ンやタウンハ. ウス (テラスハウス式) など) が多数建設される, これらは, 各世帯の最初の持家化に際してのか なり大きな供給源ともなり, また遠距離下にス プロール化した土地付1戸建住宅から都心部のマン ショ ンに還流する世帯群の形成をもうながすの である.. ( 2 ) 勤労者世帯における住生活の現状 住宅の所有関係別にみた勤労者世帯の住生活の現状を,家計構造と居住水準を通して分析すれば, 以下のよう である.. ◎家計構造における住居の諸費用. 勤労者世帯の家計における住居にかんする諸費用は, 通常,「実収入以外の収入」 のうちの土地家 67.

(7) . 関. 谷. 子. 嵐. 表4 住居の所有関係別1世帯当り年平均1ヶ月間の収入と支出 (全国勤労者 世帯・5,430世帯)1978年. 項. 集. 総. 目. 計. 世. 帯. 数. %. 数 持. 家 民営借家 公営借家 給与住宅 借. 100・0 3.82. 56.8 4.04. 1.48 41.O. 1.61 43.7 30,3. 間. 10.3. 12.3. 3.47. 3.60. 57 3.. 0.9 3,49. 1.34 37.O. 1.35 37.9. 1,23 37.4. 1.37 37.O. 14.7. 18.O 325,811. 14.3 222,538. 88,737. 55,639. 1,894 249,018. 2,846 178,378. 19.7. 世. 帯. 人. 員. 人. 有. 業. ′人. 員. 人. 齢. 歳. 数. 畳. 入. 円 304,562 円 92,135. 332,192. 15.I 247,910. 105,070. 71,401. 2,868 円 242,487 円 208,232. 4,052 260,879. 1,396 210,801. 221,530. 187,821. 209,185. 162,173. 60,200. 62,953. 55,696. 60,304. 52,233. 28,9 19,432. 28.4. 55,145 29.4. 30.9. 16,678. 29,907. 17,785. 28.8 15,849. 32.2 22,722. 9.3 6,173. 7.5 705. 15,9 11・0 1,323 0・7. 4,940 2.4. 14.O 15,166. 0.3 4,808 2,2. 9,9 8,618 4.8. 7.6. 20,592. 1, 164 0.6. 9.4 0.4. 9.4 1,022 0,6 982. 世. 主. 帯. 年. の. 畳 収. 実. 実 収 入 以 外 の 収 入 土 地 家 屋 借 入 金 支. 実. 消. 出. 支. 費 食. 費. 円. 費 家 賃 地 代. %. 料. 住. 出. 円. 居. 円 %. 円 %. 2.9. 設 備 修 繕. 円 %. 3,252 1.6. 道. 円. 1,312 0,6. 1,383 0.6. 1,138 0.6. 1,360 0.8. 1,229. %. 0.6. 0,6. 円. 8,695 4.2. 9,781 4,4. 6,855 3.6. 6,644 3.7. 8,766 4.2. 5,552 3,4. 円 150,176 9,720 円. 171,662. 105,716. 112,136. 163,062. 円 270,307. 15,047 292,843. 1,075 224,929. 2,165 227,004. 6,063 285,977. 93,664 1,999 206,333. 77.0. 75,6. 83.5. 79.3. 73.2. 78.6. 水. 料. 家 具 什 器. %. 実 支 出 以 外 の 支 出 土地 家屋借 金返済 可 平. 分. 処 均. 消. 102. 204,503 179,983. 料. 水. 道. 251,524 69,184. 所 費. 性. 得 向. 9 総理府統計局 『家計調査年報昭和53年」 79年 。1. 屋借入金, 「実支出のうちの消費支出」 中の住居費 (家賃地代・設備修繕・水道料・ 家具 什器) , 「実 支出以外の支出」 のうちの土地家屋借金返済, という形 で直接的に 把握 できる この他に, 実支出 .. 以外の支出と して貯金および財産購入の費目も, 住宅入手に関連するが, どこまでがその費用 であ るかは不明なの で, 以下の考察 では捨象する. 1 97 8年の全国の家計収支 (総理府 「家計調査」) からみた住居の諸費用は, 表4のよう である. 消費支出のうちの住居費の比率は, 平均9. 3%, 持家世帯7. 5%, 民営借家世帯1 5. 9%, 公営借 家 世帯9.9%, 給与住宅世帯7, 4. 6%, 借間1 0%である. 住宅の所有関係によっ て住居費負担には大き なばらつきの存在することがあきらか である, その開きの中心は, 家賃の大きさ である 民営借家 , と借間という民間住宅市場における供給価格 が平均して著しく高額 であることがこの格差をみち び き出す. これに対し持家世帯の地代負担はわずか であり, 一方, 設備修繕 費と家具什器費は最高で. あるがこれを以てしてもなお, 持家世帯の住居費が他にくらべ最小である すなわち, 日常支出に . ついて持家世帯 が最も有利な家計条件にある. なお, 固定資産税などの 「その他の税」 の負担は, 68.

(8) . 日本の住宅問題. 表5 住宅の所有関係および類型別居住水準 (勤労者世帯) (1974年). き. ご ご 蓬室愛媛空 \\. 面 住 宅 の. 諜 面 旦. 室. 住 宅. 諜 室 旦. 積 延 積 人 数 の 数 人 Z 室 室 m2 m. 世 帯 比 率 %. 総. 数. 67,8. 17,6. 100,0. 家. 87,I 37,6. 21.2. 4.2 5.2. 1,l. 持. 1.3. 61,5. 9.9. 3.6. 0.9. 74,3. 18,5. 4,8. 134.6. 30,5. 6,8. 1.2 1,5. ) 6 (6, (35 5) ,. 39.I. 11.4. 2.8. 0.8. 17.2. 28,7. 9,I. 0・7. 49.O. 13.5. 2.2 3.2. 0.9. 7) (1, (6, 5). 30,2. 9.3. 2.2. 0・7. 1.7. 31,4. 9.7 lo,l. 2,4 2,7. 0,9 0,7. (1, 3). 11,5. 2.8. 0.8. 6.O 2.2. 率罫 民. 営. 借. 家 (設 備 専. 用). 住宅 鷺 ぼ を ,共同 一 戸 建 . 民. 営. 借. 特掲1 民 公. 公. 家 ・ 借 間 (設 備 共 用) 営 借 家. 営. 団. 借. 公. 社. 家. 借. 家. 37.1 41,1. 4) (1 9.. 給 与 住 . 宅 (再 掲) 持 家 ・ 鉄 筋 共 同 住 宅 今後5年間に住宅土地の購入, 建築 計画のある世帯. ・ 48 ,3. 13,3. 3.2. 0.9. 11,4. 61.O. 16.6. 3,6. 1・0. ( 0, 5). 62.3. 16,I. 3,9. 1,0. 1 4) (1 ,. 過去5年間に住宅土地を購入新築し た世帯. 81.7. 20,3. 4.9. 1,2. 9 (3 6) ,. 総理府統計局 『全国消費実態調査』19 7 4年. 持家世帯は民営借家世帯の約2倍 である.. 一方, 土地 家 屋借入金とその返済が持家世帯においてとりわけ大きいことはいう ま でもない 同 , 0 ) 調査中の 「家計の概況1 」 によると, 住宅ロ 「ン返済の家計に占めるウエイトは年々拡大しており, 可処分所得に占める比は, 1 978年には3. 6% (1 97 7年2.8%) であり, ローン返済世帯についてみ るとこの比率は1 3, 0%に上っ ている.全勤労者世帯のうちローン返済世帯の割合は1 978年には22,. 0% (19 77年18 4. 8% (第1分位階級7,2%) に達 .2%) に上り, なか で第V分位階級においては3. している. また, ローン返済世帯の世帯主年齢は3 0歳から49歳層 が7 6. 4%である. ローン返済世帯の消費性向は, したがっ て, 平均をかなり下まわる. 非返済世帯の消費性向が79,. 5であるのに対し返済世帯では70 3(平均77 )であり, 第V分位階級の返済世帯 では68. 3 である. . .0 個別世帯に関していえば, かかる住宅ローン返済がかなりの長年月にわたっ て家計構造を緊張さ せることになる, 耐火構造住宅については, 最も金利の低いものの1つである住宅金融公庫融資で は最長35年賦, 民間金融機関の場合は20年の長期にわたっ て, 可処分所得から金利 をふくめた金 額を返済し続けてゆくことが起りうる. 木造についても25年賦(住宅金融公庫) である これらの . ことは, ローンを背負っ ているあいだに, 持家の耐用年数のかなりの部分が経過してゆくことを意 . 味する. 完全に持家化しないうちに住宅の老朽化が進行するわけ である . かかる状況に対し, インフレーショ ンの進行によっ て返済額の価値が相 対的に 低下すること, 民 69.

(9) . 関. 谷. 嵐. 子. 3年) 1 9 7 表6 食寝および就寝分離の状況 (普通世帯)( 項. 総 、 総. 目. \\ \\ \. 通. 世. 帯. で離家 が離家 就族. 総. 100 0. ・ 67.5 数 ( 1開. 0 )* 100 0. 帯. . (98 7) 67.5 .. 持. 家. ・ 4) 63,6 (5 8 ,. 借. 家. ・ (40 ) 73.2 .3. 主. 世. 公営・公団・公社 民 営 (設備専用) 民 営 (設備共用) 給. 与. 嗣. 寝の 数 % る が分 い 寝分 % **%. 住 宅 所 有 関 係 普. 数. 住. 宅. 同居・住宅以外の建物に居住. 100 0 100 0. 100,0. (6 9) 66.8 ,. 100 0. , 1 8) 73.O (2 . 100,0. 5, 3 ) 84.4 (. 100,0. ) 71.6 (6 ,3. 100,0. ( 1,3 ) 64.6. 食事する室で就寝しない 食事する室で就寝する 総. でふ 族. 数. 総. が離家 が離家 き. の. 翻. が雛家 が離家 でふ 族. 数. る寝分 い寝分. き. の. 翻. る寝分 い寝分. 32.5. 75,9. 50.6. 25.3. 24.I. 16.8. 7.2. 32.5. 76.3. 50.8. 25.4. 23.7. 16,7. 7・l. 36.4. 89.1. 56.8. 32.3. io.9. 6.8. 4,I. 26.8. 57.6. 42.2. 15.4. 42.4. 31.O. 11.4. 33.2. 66.O. 47.O. 19.O. 34,O. 19.8. 14,2. 27.O. 59.8. 44.5. 15,3. 40.2. 28.5. 11.6. 15.6. 16.O. 11.6. 4.4. 84,O. 72.8. 11,2. 28.4. 75.7. 54.9. 20.8. 24.3. 16.7. 7.6. 35.4. 51.7. 33,9. 17.8. 48,3. 30.7. 17,6. 8年住宅統計調査報告』 第1巻。 総理府『昭和4 *( ) 内は世帯比率. **「家族が分離 して就寝できない世帯とは, 「世帯の就寝に使用する室数がその世帯の夫 婦の組数と他の6歳以上の世 帯人員の計に満たない世帯」 のこと。. 間借家の家賃支 出程度の月額の支払いで終局的には 「持家」 を入手 できること, が住宅ローン志向 して通常 説かれている. ローン 負担のない場合, およ びローンの終了 した場合は, 持家住 の意識と・ 宅はたとえ老朽化していてもその世帯の安定した生活基盤の要件と なるものであり, とくに日本社. 会においては異常にたかめられた財産価値をもつま ぎれもないス トッ クを形成する. ローンを背負 おうと持家化の有利性はこの点 で終局的には存在する, というのが今日の住宅市場の特質である. ◎住生活の水準. 住宅は, 世帯の消費生活の展開する場 であるから, それが可能である物理的な広さや 設備などが 各世帯に対応することが本来必要 である. が, この点でのニーズの充足は国民 生活全般からみては 1 1 } なはだ不充分であり, n住緊張″ の物理的存在が一般的に指摘されるのである . 住生活の水準の指標として, 本稿は, 住宅の広さと室数, 食寝および就寝分離の状況, 設備保有 の状況をとり あげる. 他の諸指標 (-- 日照・通風・ 乾湿・温度・ 土地柄・通勤通学時間・公的諸 機関・日用品購入圏その他 --) はしばらく捨象し, したがっ ていわゆる総合的な 「居住性」 につ い て も 云 々 す る に は い た ら な い.. 2 ) これによれば 住生活の現状は あきらかに持家世 住宅の広さと室数は, 表5のよう である1 , , . 2未満 で公営住宅と %が5 0m 持家の約1 0 なかで える ーズを充足しているとい 帯の方が空間的ニ , . 同様の狭小規模 であるが, 概して, 持家層と非持家層という, 住宅の平面面積およ び室数における 70.

(10) . 日本の住宅問題. 表7 住宅の所有関係別設備状況 (全世帯) (1973年). \ \き \ 、 ;. 住. 目. 敢備 \ 状況 \\ 総 、. 宅. 数 持. 家. の. 所. 有. 関. 係. (%) 建. て. 方. 別. 公営公団 民営借家 民営借家 共同住宅 共同住宅 公社借家 (設備専用)(設備共用) 給与住宅 一 戸 建 長 屋 建 (木 造) (非木造). 炊事用流し専用. 98 ,5. 9 9.8. 9 9, 6. 100, 0. 76 .8. 9 8. 7. 99 .8. 98 9 ,. 91 .6. 99 .I. 給水設備専用. 9 7 .4. 98 9 ,. 99 .I. 98 ,4. 74 .8. 4 97 ,. 98 7 .. 97 .2. 90 I ,. 98 8 ,. 便 所 専 用. 94 I ,. 99 .5. 9 9, O. 1側, 0. 1 ,8. 96 I .. 99 .5. 95 ,5. 6 4 7 ,. 96 .6. 上記 3 設備が 全 て 専 用. 92 9 ,. 98 ,4. 98 ,4. 98 .4. 94 7 ,. 9 8,2. 93 7 .. 63 6 ,. 96 I ,. 総理府 『日本の住宅』(昭和48年住宅統計調査の解説) 。. 2集団の形成 が指摘できる. なお, 持家の鉄筋共同住宅 -- いわゆるマンショ ン 一一 は, 持家層 のなかでは比較的狭小規模 であること,土地付住宅を入手した世帯はそれより広いことが知られる.. 表6は, 食寝およ び就寝の分離状況である. 食寝分離状況は, 本来就寝と全く異る生活行動 であ る食事が別の空間 でおこなわれることの合理性から生れてきた, 住水準分析の1つの基本的な尺度 3 } 家族の分離就寝は 夫婦室の確立 異性別室就寝とともに 家族のいわば道徳的生活水 である1 , , , . 準を構成するものとしてこれも住生活水準の尺度として用いられている. 4 )において成立しているが 持家世帯の方が顕著に たかく89 食寝分離は 6%の世帯1 . , ,全体の約7 1%, 借家世帯 では57.6%にとどまる. 一方, 食寝の二者の分離が出来ないのは, 民営借家 (設備共 4%の高率 で存在する. また就寝分離は借家世帯の方が 用) いわゆる木賃ア パー トにおいてであり8 ややす ぐれ, 全体として70%弱の世帯 でこれが可能となっ ているが, 食寝・就食分離をあわせて考 2% (そのうち民営借家 察すると食寝・就寝分離がともに できる世帯は, 持家の56 ,8%, 借家の42.. 設備共用世帯 では11 6%) 食寝・就寝が両方ながらに できない世帯は持家では4,1%, 借家世帯 で . 1. は1 4%に上ることが知られる. 以上の点は, 持家世帯の方が, 食事およ び就寝機能の充足度のた かいことを意味するであろう. 表7は住宅設備状況である. これによると, 民営借家 (設備共用) の専用状況が低く, この形式 の住宅の場合にはとりわけ便所の専用化がほとんど成立していない(1. 8%)ことが指摘される, 共. 同住宅 (木造) は今日では棟割長 屋よりもいわゆる木賃ア パートを大量にふくむが, 設備の専有率. は低くあらわれている. この日常生活設備の専用率の低さは, 住生活 の快適さと機能とをいちじる しく損なう条件となる.. 表8は, 水道普及率, 水洗化率, 浴室保有率である. これによれば, 持家の水道普及率と水洗化 率がいちじるしく 低いことが指摘される. これはあきらかに, 持家のかなりのものが, 郊外の, 生 活設備供給基盤の未整備な地域にス プロール化して建設されていることを物語るものである.他方, 浴室保有率は持家の場合が最もたかく, 民営借家 (設備共用) では極端に低い. また古い時期に建 てられた住宅ほ ど, 水洗化のすすんでいないことが指摘される. 以上が, 勤労者世帯における -- 一部の資料においては全普通世帯における -- 住生活の水準. にかんする諸状況である, 戦後の時期別変化についてはふれる余裕がすくなかっ たが, これについ ては住宅の大きさも1人当り面積も設備水準も, 近年の上昇傾向がかなり顕著 である. またいわゆ 71.

(11) . 関. 谷. 嵐. 子. 表8 水道普及率・水洗化率・浴室保有率 (住宅数) (1973年). 里 \ 項 \\ 区 分 住. 宅. 所. 有. 目 関. 持. 水洗化率. 浴室保有率. 係 家. 81.1. 21,8. 86,7. 家. 98.4. 60.5. 民営借家(設備専用). 74,O. 94.I. 37.8 43,6. 51.9. 公. 建. 水道普及率. (%). 共. 借. 民営借家(設備共用). 95,8. 給 与 住 ・築 時. 95.6. 55.7. 78,2. 期. 終. 前. 77.4. 12.8. 73.4. 87.I. 64,6 64.5. 戦. 宅. 終 戦 時 ~19 60 年. 6,2. 1961年 ~ 1965年. 90.7. 27,4 32.6. 1966年 ~ 1970年. 90.3. 38,5. 78,7. 1971年 ~1973年 9月. 90.3. 51.7. 87,3. 総理府 『日本の住宅』{昭和48年住宅統計調査の解説) 。. る住宅困窮世帯も次第に減少しており, 住宅状況の好転化は指摘できよう. その中における低水準 部分として, 地域的には大都市圏, 住宅所有関係 では 一般に非持家世帯 (-- とくにその中の民営 借家世帯) をあげることができ, しかもその低生活水準層における日常的に大きな家賃負担の存在 が指摘されたわけ である.. ( 3 ) 勤労者世帯における住宅志向の動向 一--特家化 以上のような住生活実態のなかで, 勤労者世帯の住宅志向の動向はいうま でもなくあきらかに, 持家化に集中してし ・る. それは, こんにちの土地および住宅市場の性格からして, 持家取得が何に. もかえがたい財産形成の手段として存在しているからであり, またとりあえずの住平面水準の向上 もかかわらずそれを が可能だからである. そして前述 したように, 住宅ローンを長期的に背負うに・ 返済して持家が 「完全に取得」 されれば, 家計構造においてもまた社会階層的にも有利な生活条件 が展開される可能性 が, 期待されるからである,. 969 ) 2) 金沢良雄編 『住宅経済』(『住宅問題講座』 第4巻, 有斐閣, 1 , 早川和夫編 『住宅問題入門」(有斐閣, 1 96 8 ) をはじめ,住宅問題・住宅政策を取り上げた文献は多い. 拙稿「労働者の住宅問題」(労働問題文献研究会 編『文献研究.日本の労働問題』所収, 総合労働研究所,1971年増補版) でかつて, これら文献の一端に触れた, 3) 日本における住宅市場の歴史は, 戦前においては郡部は持家主流, 都市部とくに大都市部は零細規模経営に よって供給される民間賃貸住宅が大半を占め, したがって労働問題としての住宅問題の中心は民間借家問題 で あった, かかる住宅市場は, 戦時統制経済下において成立基盤を失ない, 居住者による借家買取り, 強制とりこ わしや戦災などの結果, 住宅の自己確保として, 戦後には都市部においても持家の圧倒的に大きい比重が成立す 95 0年代にかけては, 市場的な住宅の生産供給は激減し, 人々は「持家」の形 40年代から1 るにいたっていた.19 でしか -- 時にはバラックの自己建築という自給型 で-- 住宅を入手したり住宅困窮状況から脱することが 都市の勤労者世帯や農 出来ない時期が続いた, 高度経済成長の成立期にいたりよ .うやく民間借家建設が復活し, 業離脱によって都市の労働市場に流れ込んでくる人々の住宅ニーズを消化しはじめるにいたるのである, この住 72.

(12) . 日本の住宅問題 宅市場の再興過程で, 従来, 勤労者世帯の下層部分に対応していた民間借家の 「長屋」 や中層部分に対応してい た 「1戸建」の い貸家″ はともに姿をかえていわゆるアパート形式の共同住宅が主流となった. そこでは, 本稿 でのべるように, 設備の多くが共用である低質の本賃アパートや, 玄関も専用化した設備専用型の(-- これも その本質において木賃アパート群にふくまれる --)木造2階建連続形式の住宅が圧倒的な多数 で存在し,19 65 年以降には中高層耐火構造のいわゆる賃貸マンションも姿をあらわしはじめるのである, 一方, 戦後の緊急住宅需要 -- 戦災者住宅・引揚者住宅 -- に対処することに端を発した公共的賃貸住宅の 供給は, 1 1年の公営住宅法, 1955年の住宅公団の成立により, 公営住宅および公社公団住宅として展開して 95 いった, 戸数主義的な住宅不足解消の方策がとられたこの公共的賃貸住宅供給においてはいわゆる 2DK, 3DK と いっ た 40m2か ら5 0m2規模のものが主流であった. これでは, 世帯のライル・サイクル段階への適応範囲が きわめて狭いこととなる. この DK 方式の導入は, 食寝分離をともかくも形式的に推進したものであり, その後 この DK 方式は民間借家においても持家においても取入れられる平面形式となってゆく, 近年, 建設土地の不足からこれら公共賃貸住宅は都心部からの遠距離化がすすみ「交通不便住宅」が生れたり, 高層住宅の場合は「高嶺の花」的家賃になったりして, 公共住宅ニーズと供給内容との垂離が目立ってきている, その中で地理的条件や経済的条件のすぐれた住宅(-- 既設の空家住宅募集など --) では, 顕在需要がきわめ てたかく存在する, 給与住宅は, 日本資本主義における特異な労務管理手段として戦前は鉱城業・パル プ業・製鉄業などに存在 し, 戦時かに都市軍需産業一般にも拡大した. 戦後は い一般的住宅難″ のなかで福利厚生施設として一般産業に ひろく浸透し, その建設のために各種の融資や住宅枠の提供 (産労・厚年・公団特定分譲) が企業に対しておこ なわれた. 給与住宅問題は, 福利施設論として検討すべき課題を多くもつが, 本稿ではたち入らない. なお, 企業の従業員住宅政策は, 給与住宅のほか, 持家化援助 (融資・土地分譲など) と住宅手当・通勤手当 などの形で存在している, このうち, 持家化援助は, 1 96 0年代以降にひろまってきた方策で大企業従業員を中心 とする持家化に積極的な役割を果してきたものである(-- したがって大企業従業員ほど持家率はたかい 給与 . 水準が高いのみならず法定外福利費の大きさも持家化を容易にする条件である) , 持家は本文でのべるように, 戦後の日本の住宅市場の基本的部分を占めるものであり,1 97 0年代になると各種 の住宅融資が急速に整備されてきる, これにともなっ て建売分譲住宅の供給や, 持家の再所有いわゆる持家間移 動が活発化し, さらに中古住宅市場もオープン化してきて, 持家の商品経済化が急激にすすんできているといえ る, 西山卯三 『日本の住宅問題』(岩波新書1 9 5 2 ) 960 ) , 政策研究会 『日本の住宅問題』(三一新書, 1 , 有泉亨編 隊合与・公管住宅の研究』(東大出版会,1 956 ) 97 8 , 国民生活センター『大都市圏周辺部における住宅取得』(1 , 1 ) 97 9 , 他, 4) 住宅金融公庫札幌支所 『道内の公庫住宅の実態 (昭和54年度第1回分) 』 . 5) 東京労働金庫住宅貸付利用者実態調査によれば,1 97 5年10月から1 97 6年3月までの2, 62 4件の所要資金平均 9万円でありその資金調達は次のような構成をとっ ていた (概数) は1 01 , . 1 所要資金 1 0 9万円 (1 0%) 0 0, , 手持資金 2 41万円 ( 2 3. 7%) 5 30万円 ( 5 労金借入 2. 0%) 勤務先借入 78万円 ( 7, 7%) 公的資金借入 68万円 ( 6. 7%) 労金預金 56万円 ( 5, 5%) 贈与・援助金 21万円 ( 2. 1%) 民間金融機関 21万円 ( 2.1%) 他 4万円 ( 0. 2%) この数字でみるかぎり, 労金住宅貸付利用者の公庫利用割合は低く, 公庫融資基準に合致しない住宅の新増築の 存在が推定されるものである, 一般には, 金利の面で, 公庫借金と勤務先借入の次に来るのが, 民間金融機関ま たは労金借入の順であろう, (全国労働金庫協会 『労働金庫』2 2巻6号) , 6) 小林緩枝 「持家意識をめぐって」(国民生活センター 『国民生活研究』19巻1号) 7) 名古屋大学早川研究室編.『生活・住宅・環境』(E&E 9 75 ) ,1 , 勤務先の近くをぐるぐる動く, ブルーカラーに 特徴的なこの層について 「居住立地限定階層」 という表現が, 同書で用いられている. 8) 国民生活センター編 『都市家族の生活歴」(ドメス出版, 1 97 6 ) , 9) 前掲, 国民生活センター 『大都市圏周辺部における住宅取得』(1 ) 979 , 1 0 ) 総理府統計局 『家計調査年報昭和53年』pp 6一38 ,3 . ) 早川和夫『住宅貧乏物語』(岩波新書1 1 1 97 9 ) , なお, 住宅および住生活の緊張は, 家賃についても持家入手につ 73.

(13) . 関. 谷. 嵐. 子. いてもまた住水準についても, 大都市圏 -- とくに東京都 -- において最も顕著であることは, いうをまたな 971 ) 参照, い. が本稿ではこれらについて言及する余裕をもたない, 東京都 『東京都の住宅問題』(東京都, 1 本稿の表5に ものであるから 造分析を本来の中心としている 査 』 は 家計構 『 全国消費実態調 ) 総理府統計局 1 2 , , 4年調査結果であることを考慮して家計金額については表 97 ついては家計金額を付記することが必要であるが,1. ) を使用した. 97 9 4のように 『家計調査年報 昭和53年』(1 ) 96 7 1 3 ) 西山卵三 「就寝空間と採食空間」{西山卯三 『著作集1』 所収, 勤書房, 1 , 14 ) 表6は, 普通世帯総数であり, 勤労者世帯についてのみのものではない. すなわちなかに, 自営業世帯などを ふくみ, とくに都市自営業における併用住宅の狭小な住空間の問題もふくむわけであるが, これらを分出するこ とは出来ない,. 1 1 , 事例研究 -- 住宅生協における自主的住宅建設運動 ( 1 ) 商品としての 「特家」 の生産と供給の構造 勤労者世帯にとっ て, 上述のような持家志向の実現が, 今日のいわばノーマルなライフ・サイク ル行動 であるともいえる状況の下 で, 商品としての 「持家」 の生産と供給は 次のような諸パイ プを 通しておこなわれている. さしあたり, 新築 (-- 中古, 増改築などは捨象して --) の場 合を考 察の中 心とする. ◎公共的生産と供給. 19 50年代の後半以降, 地方自治体や住宅供給 公社, 住宅公団などの公共的主体による団地開発や 土地分譲, 土地付建売分譲, 建売共同住宅(RC 造中高層ア パートなど) 分譲その他がおこ なわれは じめた. これによっ て建設される住宅の 多くには, 住宅金融公庫 融資や厚 生年金還元融資がつき, 近年 ではその他に, 財形制 度融資も加わっ ている. このような公的な -- ということは民間 金融機 関の融資に 比較して低利 である -- 融資が付く長期割賦的な住宅供給については,応募世帯にたい. して, 収入基準・ 応募者が入居者 であること・入居しなければなら ない限度年な どのさま ざまの制 約 が具えられており, したがっ て投資目的が表面化した売買は比較的成立しにくい. 公的機関の融 資の介入による新築 住宅は前述のように 建設戸数の約 40% でありその 多くは公庫 融資による個人 的な住宅建 設である, 公的建売分譲はその ごく一部にす ぎない.. ◎民間的生産と供給 従来, 日本の住宅 生産は n注文住宅″ であり, 全く個個 ばらばらに 注文主が施工業者と対応する のがその特 色であっ た. 持家はもちろんのこと, 借家の建設主も 注文を個別的におこ なうのが通常 であっ た(-- ただ借家については経費の節減が優先的であるため平面計画や建材や施 工手順のパ 宅は概して個別 注文生 ターン化がある程度おこなわれたが --) . したがっ てこれま での多くの住 産形式 であっ たということができる. このように, 住宅の需要側が個人的であり, 供給側の施工業 5 } 者 の性格も零細規模のものが大 半 であっ た1 , この, 住宅の需要と供給における個別性・零細性は今日においても, 日本の住宅生産構造の中心 をなしている. がその中 で, 高度経済成長期に入るあたりから活発な住宅顕在需要が生産に移され, それとともに, 零細 施工業者がときには中 型規模にのし上っ てきた (-- 職人をかかえ た親方大工 が直接注文生産をしていた段 階から, 建築士をかかえた企業組織の工務店や施工会社が受注の中 心 的な大型の住宅生産業者が主として建 になる, というように --) .また一方 ではこれま でとは異質 売分譲住宅供給の分 野で台頭してくるにいたる. そして, 後述のように, 注文住宅生産を支えてい 74.

(14) . 日本の住宅問題. た熟練労働が分解してくるにしたがい, 中小施工業者のあいだにも建売専門業者があらわ れ建売分. 譲に手を伸しは じめるようになる. 1 973年総理府 『住宅統計調査』 によれば, 建売住宅購入と新築 1 6 } 住宅との比は1:2 であるが , この傾向は経年的に上昇していると考え られている . また土地も, 高度経済成長のはじめまでのように農家が個人 需要者に切り売りしていたケースは 次第に減少して不動産業者が宅地造成や建売分譲をする形が多くなっ てくる, 全体として, 土地や 住宅の需給関係や価格形成につきまとっ ていた個人的な偶然性の要素は次第に消失してゆく その . 意味で住宅等の商品経済性ないしは市場価格性が高まっ てきているわけ である そして一方では特 . に, 土地 のもつ投機的性格は, 不動産業者の市場介入や転売・土地ころがしが活発化するにつれて ますます大きくなっ てきている. ◎住宅の生産組織と労働組織 従来の個別注文形式に対応して, 住宅の生産組織および労働組織の単位は個別的であり組織規模 はちいさかっ た, 個人住宅の場合, 親方大工が注文を受け, 2,3人の職人大工を労働さ せて木工事. をおこない, 基礎・壁・屋根・配管・電気・畳・ガラス工事などには それぞれの識別 工事者 が下請 の形で参加する, というのが通常の形式であっ たし, 今日, 施工店は施主 (注文主) と対応するが 実際の請負の内容はなおこの従来の形式をとるのが代表的である.. この, 大工を中心とする建築労働者の労働組織 の性格は, 職人的熟練の体系の上に成立している ものである,すなわち,数年の徒弟労働を経て職人になり年功を積んで親方に上昇するヒエラルキー. をもつものであり, こう した熟練親方を中心として生産される住宅は個々の生産条件 への対応はき め細やか であるが, 労働生産性の向上はきわめ て限定的 である.. かかる建築労働の体系は, 19 50年代後半から明らかに崩壊 しはじめる. 1つは, 大量の住宅需要 に労働 生産性 の面から対応 できないからであり, 他は, 社会的な若年労働力 の不足化のなかでこの. 徒弟的熟練養成を中心とした建築職 人の労働市場への新規流 入が途絶してゆくからである . 生産方法の変化としては, 公共的住宅において代表的に, 数量的な規格住宅生産の展開がみられ た. 一定寸法に切っ た材を組立ててゆく方法 である. こうした規格的生産方法は, 民営借家の平面 計画にも取入れられて,「似たような間取り」 の木質ア パー トを短期間に建築する方法となり, 一方. では プレハ ブ化 した工場生産住宅や住宅設備ユニッ ト生産などの関連産業を大きく発達させる, と いう経緯をたどっ て次第に一般化して今日にいたっ ている.. ところで, こうした規格住宅は, 従来の熟練職人の労働としてはなじまず, いわゆる 「叩き大工」 がこれに多く対応する. 叩き大工とは, すなわち,徒弟労働を余り充分に経ないで 「見習い」 からす ぐに 一人前になっ てゆく大工がそれである. そこでは職人的熟練の水準は低下し, それにかわっ て 規格的な労働が多くなっ てくる. 民間の建売分譲住宅の施工は多かれ少なか れ規格的 であり また , 何棟もまとめて ぃばたばた″ と建ててゆく, 使用される建材の質も平均的であり, 施工の方法は い わば手軽である, 平面計画・建材の質・労働の質等の諸面からみてかかる生産物の内容はやや低質 であることがすくなくない.. 前述のよう に, 今日の新築住宅の3 0%余が建売住宅 (共同住宅をふくむ) であるが, 高度経済成 長の展開につれて一般化してきたこの建売形式は, 同時に, 独立の親方大工の特定施工店への系列. 化, 施工店の経営規模の拡大, 大規模およ び中規模の建売専門業者の発生などをともなっ ていた, その結果, 今日 では全般的にみて住宅生産における旧来の個別注文生産方式が かなり 減少するにい. た っ て い る と い え る.. 75.

(15) . 関. 谷. 嵐. 子. 7 ) ( 2 ) 住宅生活協同組合の成立と現状1 上述のように, 国民的規模において持家志向が存在しそれを促進する法的諸措置が進行し, また 公共と民間とを問わず, 商品としての持家の供給において完成商品 である建売住宅の比重が傾斜的 に拡大してきている高度経済成長期とその後において, 労働組合およ びその金融機関 である労働金. 庫を組織的 なバッ クとする, いわゆる 「自主的住宅建設運動」 が住宅生協の形 で成立してくる. 民間の多数の住宅 生産業者に伍して住宅生協は, 公的住宅供給主体とも民間業者とも異る第3の 主体として, 勤労者世帯の持家の地域的な供給業者として, 発達 してきた, 以下に, 日本における住宅生協と,u自主的住宅建設運動″ の実 際とその問題点について, 若干を 指摘してゆく. 勤労者世帯の持家化に際して, 住宅市場論として どの程度の積極的役割をこの住宅 生協運動 が担いつつあるかについては評価に慎重 でなければならないが, 勤労者世帯の, 住宅問題 への対応形態 の 1つとしての住宅生協の位置を問うもの である. ◎住宅生協の原理. 住宅生協は消費協同組合の 1種 であり, 組合員に住宅をさま ざまな形 で供給する事業がその中心 であ る, が, 賃貸 であれ分譲 であれ, 「住宅」 というもの の性格上, 彪大な資金量が必要 であるにも かかわらず受 益者の数が限定されがちな運動 である. また, 生産 の計画, 建築施工, 分配の方法(分 ・賃貸) 維持管理などについての組合員 参加や住宅生協の組織維持の継 続′ 性の確保,●などの点に 譲、 ・ , -利潤をなるべく避けて組合 ついて, 一般の消費生協と異っ た業態をもつことを特徴とする.(中間) 員に安価な住宅を供給すること, そのために住宅生産そのものに住み手または 生協組織そのものが 直接間接に参画すること, が本来の住宅生協原理 である. )--′では とくに第2次世界大戦後の住宅建設に 8 ヨーロ ッ パ -- とくに北欧諸国やイ ギリス1 ,. お い て, こ の 住 宅 生 協 方 式 が か な り の 比 重 を 占 め,1973 年 に お い て ポー ラ ン ド.44.9%, オ ラ ン ダ40. 9%,オ ー ス ト リ ア 29.6%,チ ェ コ ス ロ バ キ ア 29.6%,フ ラ ン ス 28.6%, 東 ドイ ツ 25.7%,ノ ルウ ェ ー 23.9%, デ ン マ ー ク 23.3%, 西 ドイ ツ 17.5%, スイ ス 14.2%, ス ウ ェ ー デン 10.0%, な ど で あ る. (後述するように日本における住宅生協のシェアはこれらとくら べるべくもなく小さい) . かつ, こ 個人に所有権を移す 内容も分譲型( もち その供給 0年にわたる運動の歴史を れらは数 1 . この場合 ,. 生協 がもち個人 を分譲住宅組合という) , 協同組合所有型(ヨーロッ パに多い. 住宅の所有権は住宅 組合員は出資金 が持つ 権利の相続・譲渡権は組合員 に移転されない. 使用権=居住権やこれらの , 組合所有型と異なり 賃貸住宅供給型(上記の協同 のほか組合の規定する財政負担を課せられる) , ,. 出資はするが頭金的負担はなくまた居住権の相続や譲渡は できない) など多様 である. また, いず れの場合も組合員が組合の運営に 参加 し, 永続的に組合員 であり 続けることが多く, 住宅生協の建 「組合の財産」 として維持運営されることを特色とする. 設した住宅が・. これに対し, 日本における住宅生活協同組合は, 1960年代後半あたりから 設立されはじめたばか 0 } 9 ) 短かい歴史的経緯をもつにすぎ 」 が採択され, これを 961年にILO で「住宅勧告2 り で1 ・ない. 1 , しは じめたのが, 住宅生協 が活発化 福祉事業団体の中 で住宅運動 労働組合や労働者 拠り所として, 2 1 ) 1 ,1 978年には約60の住宅生協 (労組や労金の援助を得な の 設 立 の き っ か け で あ る 1965年 に 2 .. している. いものも含む) が, 都道府県別に存在. 2 2 } ◎組織規模およ び資金規模. 住宅生協の上部団体 である全国住宅生活協同組合連合会 (全住連. 1969年, 厚生大臣の認可を受 7,260 けて発足)に加 入する47会員(単位 生協)の組合員数(個人参加)は約73万名, 1生協平均1 76.

(16) . 日本の住宅問題. 労働組合. 生 協 等. 屡. 労働金庫(労金). 日本勤労者住宅協 会(勤住協). 47独立金庫(都. 自主的協同建設事. 道府県単位). 資. 融資. 未組織個人. 業のセンタ÷とし ての役割. つなぎ融資. 事業委託. 「労働者信 (. 住宅生活協同組合(住宅生協). (労金事業). 事業対象は当該都道府県に原則として限定. 用基金協会」 から). 入. 図1, 住宅生協とその関連組織 名 であるが, 総合生協をのぞき39の 「住宅生協」 についてみれ ばおの おの381 , 9名 である, 本稿は 単に 「住宅生協」 とよぶときこの全住連加盟のも のをいう ところで日本 の住宅生協の場合 組合 . , 員数は流動的であっ て,「労働者は, 分譲住宅の購入申込みの時点 で ・組合員となり 入居とともにも , はや当面の住宅要求 を充足して, 住宅生協運動 の戦列から脱け出すという 組合員組織としてはま , ことに奇妙な現象を示す. 形式上の組合員数は建設戸数の伸 びとともに次第に増加 しても 生協と , 3 } しての実質的大衆 基盤 は必ずしも形成さ れないことになりが・ ち2 」 であることが特色 である. すな わち, 組合員の恒常的な組 織化がむず かしい現状 である . 出資金は, 単位生協により1口1 00円から1万円ま であり1口額の小さ いところでは出資口数を ふやす形をとっ ている. 全住連加入組合員の出資総額は1 7億円余, 1住宅生協平均は 3,831万 円 で ある (1 978年3月 現在) .. 事業資金は, 次項に のべる公的資金を軸に運営がおこなわれ 土地取得やつなぎ資金は主として , 労金に依存している. 労金は, 住宅生協の設立期前から住宅金融公庫の代理業務をおこなっ ている が, 労金の寄附金により1 958年に 「労働者住宅協会 (労住協)」 が発足し 1 , 967年にこれは 「日本. 勤労者住宅協会(勤住協) 9 」(1 6 6年日本勤労者住宅協会法にもとづく,)に移行して自主的協同建設 事業のセンターとしての役割を果すにいたっ ている 労金が住宅生協運動の当初から今日にいたる . までさま ざまな形で資金の バッ クとなり続けているわけ で 1 8年におけ る, 各住宅生協 の各労金 , 97 からの借入金は545億円 である. 勤住協の受託機関である住宅生協 をめぐる各種組織の関係はやや煩雑 なので図1に簡単に図示し. ておく. 住宅生協と勤労者世帯との個人的対応の多くは 労組員 である個人との対応 であるが 住 , , 宅生協と労働組合組織 との有機的な受益 関係は必ずしも成立していない 後述 のように住宅金融公 . 庫融資は一般公開 で募集がおこなわれるので住宅生協住宅も形式的には =公募″ ・される. 住宅生協 運動が労働組合運動と一体 となっ たメリットをもっ ているかと いえばこの点は事 実上あいまい であ る.. ′. 77.

(17) . 谷. 関. 嵐. 子. 表9 住宅生協による住宅建設戸数 (表9註) 分. 区. ( 1 ). 住宅金融公庫融資分譲住宅 19 58~1966年計 (労住協時代) 同 1 96 78年計 (勤住協成立後) 7~19. 8年計 7 2 )財形融資分譲住宅 1967~19 {. 0年計 7 ( 3 )厚生年金還元融資住宅 設立~19 1970 ~1977年 計. 9戸を含む) (賃貸および全住連直轄16 ( 4 ) 労金等住宅. 15,280 58,655 1,004 75,939*. ( 1 )+( 2 ). 同. 数. 戸. 設立 ~19 7 0年. 7戸) (うち賃貸39. * 6,068* 11,052亭 * 2,092*. 5一9 7 * 労働者福祉中央協議会『協同事業活動の歩みと役割』pp .9 . 6 なお, 西村書谷通縞 『労働者福祉論』 p .192 .によると,設立~196 735戸 である。 年の住宅金融公庫融資住宅は, 15, ** 上掲, 西村縞書. (表9註) 資料により, 建設戸数に差があるので, 確定数はつかみにくい。た 15戸, 西村編 3 0年の厚年住宅数は, 上掲労福協資料によれば1, とえば, 197 書によれば1, 9戸である。 70. 4 ) ( 3 ) 住宅生協による住宅供給事業の実態2 日本における現在の住宅生協の主な事業は, 不動産 (土地および住宅) の分譲供給である. すな わち, 分譲住宅組合型の住宅生協として位置づけられるものである. )勤住協の委託による住宅金融公庫融資の建売分譲住宅 (土地付1戸建・ 1 主な事業内容として,( )財産形成制 度 3 2 共同住宅) )厚 生年金還元融資による建売分譲住宅 (土地付 1戸建・共同住宅) ,( ,( 4 )労金融資による建売分譲住宅 (労金の個人貸付地用者による委託を 積立者対象の建売分譲住宅,( 7 )店舗 などの賃貸・ 分譲, などの供給がおこ なわれている. 6 )賃貸住宅,( 5 )造成宅地分譲,( ふくむ) ,( ●建設戸数と, 住宅市場におけるシェ ア. 住宅生協の設立以来の建設戸数の実績は表9に示すように,公庫・財形・年金の3融資をあわせ, 000戸余と推定して合計すると,95, 00 約90, 0戸 である.これに, 労金住宅の現在までの総戸数を4, 00 00戸ちかくになろう) 、が, 住宅生協 など 000戸前後 (--1979年の進行中の実績を加えれば1 ,0 のいわゆる労働者福祉組織の関与した, 自主的住宅建設戸数ということになる. なかで, 約80%が 住宅金融公庫融資住宅である. すなわち, 住宅生協およ びその関連組織の住宅建設事業の大半が,. 公的融資を支えとした持家住宅供給である, と規定されるの である. 勤住協の委託機関としての住 宅生協は,「……政府の無責任な自力 建設中心の政策の下請けにさせられてきた」こと, あるいは「良 6 ) 心的な建売業者」 であることを自己認識せ ざるをえないことと なる2 . さて, 日本の住宅市場における新設戸数のうち, 住宅生協 が関与するシェアは表10のように推定 される. 公庫・財形・年金の3融資の計を各年の住宅生協の建設戸数の大半とすると, それは全国 住宅新築戸数の0. 3~0.4%である. 住宅金融 公庫融資のうち住宅生協 の関与 した分をとっ てみて 78.

(18) . 日本の住宅問題. 表lo 住宅市場における 住宅生協 シェ ア. 凝溺面-\\*-. 1 ( ) 年金融資住宅 (含 賃 貸) 住 宅 生協 { 2 )錆 瀞諭 嘉 を公 坪. 資. 住. 数. 民. 間. (A)/(B) (C)/(D). 1976. 1977. 1,166. 1,485. 1,604. 4,934. 5,516. 3,252. 4,040. 4,378. 295. 34. 152. 176. 165. 6,464. 6,814. 4,570. 5, 701. 6,147. (B) 1,874,000 589,000 策 (D) 309,000. 1,390,000 621,000. 1,512,000 661,000. 1,617,000 618,000. 769,000. 851,000. 367,000 999,000. 1,691,000 666,500. 370,000 1,024,500. 0,30 0.81. 0.35 1・lo. 0,36 1.19. 計 (A). 自. 1975. 1,264. (C. 全 全国住宅建設戸数計 政 府 施 う ち 公 庫. 1974. 1,235. 関 3 ) 財形融 資分譲 住宅 係 ( ( 1 )( 2 )( 3 ). 1973. 力. (%) (%). 1,28 5,000 0.34 1,60. 369,000. 401,000. 0.49 1.50. 労福協資料 (表9) に同じ。 および建設省 『建設統計要覧』 。. も, 1%余であるにす ぎない. 前述のように, 欧米の住宅生協 が数10%に上るシェ アを持っ ているのにひきかえ, これは微々 た るものである. この限り でいえば, 日本の住宅市場において -- 住宅生協の主な業務 である新築持 家供給の分野においてさえ --, 住宅生協がもつ経済的効果の 量や社会的役割の大きさに積極的評 価を与えることは困難であろう. 住宅生協に ついては, 勤労者組織による自主的な住宅供給を, その方法と供給内容の面で検討 し, 評価することが必要 である. が主な業務 である建売分譲の事例分析に入る前に, 次の2, 3の点に. 言及しておくこととする, ◎造成宅地. 区画は3 0,00 0余 である.ここに 建てられた住宅の大半が個人持家 であることは容易. に 推定されるが, 住宅供給公社や地方自治体による宅地分譲の場合のように住宅建設限度年限など. のきびしい制 限をもたないので転売されたり空地 のままに年数が経過している事例もすく なくない. 宅地分譲の場合は, 建売分譲住宅の場合よりーそう流動的 で, 所有権の移転後の実態が明 らか でな い, すなわち一般の民間宅地分譲の場合と多少似た経 緯がたどられていると推定され, ここ では住 、比較的安価な宅地供給機関″ の性格にかたよりがち でさえある 宅生協は,\ . 6 } ◎賃貸住宅供給2. 前述のように住宅生協による住宅供給事業 の大半は, 公的融資付建売住宅であり, 賃貸住宅の供 給実績はごくわずかであるにすぎない. 供給総戸数を前述 のように約95 00戸を推定すると, その ,0. うち賃貸経営をしている分は1 3生協 で1, 42 3戸(1 978年) であり1 .5%程度である. 何故賃貸住宅. は, 住宅生協運動の中 でこの様な状況にあるのか.「……組合員の要望も強いこの面での事業が, み るべき実績を収めていない理由は,多くの生協 の設立が公庫分譲住宅を主眼とした労住協 → 勤住協 を軸として行なわれたこと, 政府の政策が持家中心であっ たこと, 賃貸住宅供給に はかなりの自己 ) 7 資金が不可欠なこと, そして現行の公的融資の金利条件 では賃貸住宅経営は困難なこと……2 」 ,と. 自己批判 がおこなわれているが, 住宅金融公庫 融資が民間借家建築にも適用されるようになっ た近 年 に お い て も, こ の 面 の 重 点化へ住宅生協運動の方向が変化 しはじめる気配はない. . 民営借家居住 79.

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