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養護教諭が行う性に関わる個別指導に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)養護教諭が行う性に関わる個別指導に関する研究       専 政教科領域教育学専攻       コース 生活・健康・総合内容系コース.       学籍番号 M 0 8 2 2 1 B       氏  名 大 更    真 須 美 I 目的  養護教諭が行う性に関わる個別指導の実態,養護教諭の.  個別指導の課題としては,保健室に来室しない子,男子. 認識や課題を明らかにし,必要な支援を検討する。さらに,.   「性」を扱う際には毅然とした態度を示すことが大切だ. への対応,発達障害のある子への対応などが示された. それらをふまえ性に関わる個別指導の充実を図る。. とし,初師寺は動揺もあったが,事例の経験や人生経験を. 1I方法. 積むことで動揺を表わすことなく冷静に対応できるように. 1.r般教諭対象のフォーカス切しFブインタビュー⑮Gむ. なったことが示された。個別指導での連携の反省と学習を.  性に関わる個別指導の実態や認識の把握と,養護教諭対. 重ねることで,養護教諭だけで抱え込むものではないと認. 象のインタビュー調査の質問項目作成に役立てるため,. 識するようになったこと,養護教諭自身の人生経験(結婚・. 小・中・高に在籍する一升蛯熾伯大学現職大学院生,男女. 妊娠・出産など)による倒直観の変化が,個別指導に影響を. 各1名)計6名を支橡に2009年1月に実施した。. 与えていることが確認できた。また,「性」は養護教諭だけ. 2、養護教諭対象の個別インタビュー. の専門分野ではないとし,他の教職員が関わることで相談.  実態,認識,課題の把握と質問紙調査の質問項目作成に. 窓口が広がることへの期待が示されていた。. 役立てるため,小・中・高の養言蟻齢(小4名,中3名,高.  養護教諭を支える資源として,学内の相談相手には主に. 4名)計11名を支橡に2009年3−4月に実施した. 精神的サポートを求めていたまた養護教諭同士の縦や横. 3.養護教諭対象の質問紙調査. の繋がりを大事にしていた外部の専門家とは「敷居が高.  実態,認識,課題の把握,必要な支援の検討,個別指導. い」ため連携できていない場合もあった。多くが保健・医. の充実のため,小・中・高の勤務経験がある養護教諭263. 療機関を選ぶ際刎静1を得る困難さを示していたが,相談. 名を対象に2009年7月一10月に実施した。分析には. 者に専門職を多くあげる者ほど保健・医療機関を選ぶ際の. SPSS12.OJ危rWhdowsを使用しρく.05を有意とした。. 情報量への不満は少なかった。また,研修内容や数への不. 皿結果および考察. 満,研修に参加する余裕のなさが示されていた。. 1.一般教諭対象のFGI.  葛藤経験として,連携時の不安,個別指導時の精神的疲.  性に関わる事例を扱う機会が少なく,性を扱うことに戸惑. 労や迷いなどが示されていた。葛藤の一因となる学1文体制. いを示す者が多く,多種多様にあるはずの性に関わる事例を. には,チームでの連携の推進,一般教諭の性教育(性)へ. 想起しにくいようであった保健室がもつ情報収集力や得ら. の認識や態度の変化,集団における性教育の充実を望んで. れた情報の活用度が高いことを示し,養護教諭の専門職とし. いた逆に,個別指導が行いやすかった学校の体制として,. ての役割や立場への高い言判面と,性を扱う場面での専門性の. 機能的な校内連携,性教育に関わる分掌・委員会の整備,. 発揮に高い期待を示したしかし受容だけでなく指導者とし. 管理職の理解と協力が充実していたことを示していた。. て刎則面の重要性や要望も示された。. 3.養護教諭対象の質問紙調査. 2、養護教諭対象の個別インタビュー. ①個別指導の経験.  性に関わる個別指導では,養護教諭は多種多様な事例を.  個別指導の各事例の経験率には校種間で差があり,中学. 経験し,個別指導の範囲に困惑する様子や,個別指導の実. 校は他の校種と比べ高かったまたr指導や対応」よりも. 施に関して様々な不安や自信の低さを示していた。.  養成機関を卒業後,子どもたちの性に関わる課題に直面 し,現在の知識や情報では不十分と感じ,特に実践的で具. 「会話程度」の経験率の方が高し傾向にあり,多数の事例. でr指導や対応」とr会話程度」の経験に相関(Cramerの 呵小.311川.918,中.405川.764,高.445∼.737)が認められた。. 体的な知識やr静蔓を求める様子や,性に積極的に関わりた. すなわち,養護教諭との「性を話題」とした会話が,悩み. いと考える反面,自身の指導の方向性が曖昧であることや,. の相談や質問に繋がっていると考えられた。. 日常の多1亡さを理由に積極的に踏み込めない様子,また,.  個別指導の支橡は,3校種とも80%前後で女子の方が多. 性に関わる指導が必要と認識しているが,子どもたちの性. かったとし,男子は少ないという認識結果であった。. に関わる誤った認識や感覚,知識不足などへの指導が浸透. ②指導に関する意識・自信・葛藤経験. し定着しないことに困窮する様子が示された。. 性に関わる指導の意識では,「指導や会話の際の抵抗感」. 434一.

(2) をもつ者や「性教育(性)には関わりたくない」と捉える. った。r学陵外の相談相手」は上位から,小:先輩・ベテラ. 者が少なく,「性に関わる研摩には積極的に参加したい」や. ン養護教諭70.3%,同期・同年代養護教諭68.8%,保健師. r学校刎主教育は重要」という意識が高かった。一方で意. 35.9%,中,高:同期・同年代養護教諭73.1%,71.2%,先. 識が低い理由を間う自由記述には,国の性教育に関する方. 輩・ベテラン養護教諭69.2%,57.6%,保健師38.5%,18.6%. 針と学校現場とのずれ,家庭の教育力の低下に対する困惑,. の順であった。学校医,地域のケースワーカー,保健師,助. 計画的な性教育の実施が行われていない学校体制などの外. 産師は低く,外部専門職との繋がりは薄かった. 的要因が記されていた。. ⑤相互の関連.  6つの個別対応の自信を比べると,外科的処置および内.   「保健・医療機関を選ぶ際の情報量,研修の数および内容」. 科的処置に比べて,性に関わる「相談」,「質問」,「問題行. が充実していないとする者ほど「相談,質問,問題行動」対. 動」への対応の自信は砥し傾向であった(Fhedman検危。. 応の自信が低川頃向であり,r相談,質問,問題行動」対応. 校種別および全体ともに自信が高い上位3つは「外科的処. の自信が低い者はr指導や会話の際の抵抗感」が強州頃向に. 置」,r内科的処置」,r健康相談」で,下位3つは性に関わ. あった(Km…ka1W出,Mam・Whi血eyのσ検定)。. る「相談」,「質問」,「問題行動」であった。特に「問題行.   「集団指導への関わり」経験者は,「指導への意識」や「個. 動」は全てにおいて最下位であった。. 別指導の対応への自信」が高かった。しかしr授業,教材・.  個別指導時の葛藤経験で,《非常に十わりとある))とする. 資料提咲,指導案・年間計画」の経験者は未経験者と比べ. 回答率は(小,中,高の順で%を並記,情報の取り扱いへ. て「性教育バッシングが気になり個別指導に迷いが生じた. の不安18.8%,42.3%,43.3%,共通理解を図る難しさ2a7%,. 経験」が劾傾向であった。. 50.O%,46.7%,連携と信頼関係の間で起こる葛藤28.6%,.  相談相手にr管理職」を選んだ者はr学校で砂生教育を. 36.5%,38.3%,精神的な落ち込み15.6%,32.7%,26.7%,. 重要」と捉え唯に関わる個別対応の自信」も高かった。. バッシングにより生じる個別指導への迷い37.5%,23.5%,. r学校医」を選んだ者はr指導や会話に抵抗感」が少なく. 23.3%,来室者が多く性に関わる個別指導が困難41,3%,. 咽別対応への自信」が高く,「助産師」を選んだ者は「学. 61.5%,35.0%,保健・医療機関を選ぶ際の憐艮を得る難. 校での性教育を重要」だと捉えr性に関わる研修には積極. しさ40.6%,66.7%,51.7%であった. 的に参加したい」と考える傾向が強かった(Mlam・Whitney. ③専門的知識. のσ検危。.  r保健・医療機関を選ぶ際の情報を得た媒体」は3校種. ⑥その他. とも,他の養護教諭71.O%,75.O%,64.4%,研修会59.7%,.  摺得したいと思う知識や庸報」の上位は,3校種とも,. 53.8%,55.9%が多く,次いで,小,中(%を並記):保健師. 具体的な対応例71.9%,80.8%,68.3%,具体的な連携例. 27.4%,34.6%,高:インターネット35.6%であった。. 68.8%,75.0%,71.7%で,次いで,小,中:集団指導での.  「性に関わる個別指導を行う際に役に立っている専門的. 性教育に関する知識73.4%,73.1%,高:性の被害・加害. 知識を得た媒体」の上位は,3校種とも,専門書78.1%,. への対応66.7%であった。. 82.7%,81.O%,公費研彦78.1%,71.2%,67.2%であった. lV まとめ. 次いで,小,中:他の養護教諭から得た知識73.4%,65.4%,.  養護教諭への個別インタビューおよび質問紙調査の結果. 高:インターネットて得た知識50.O%であった。養成機関. から,性に関わる個別対応への自信が低く葛藤経験も多い. や自身が通った公教育をあげる率は低かった。. ことがわかった。自信には研1参や資源が関係することから,. ④利用できる資源. 専門的知識や時報が得られる研彦の充実と学校外部の専門. 利用できる資源で《あまり十全く充実していない》とす. 職との繋がりを深める機会を設けることが望まれる。さら. る否定的回答率は,性に関わる保健・医療機関を選ぶ際の. に「性」は養護教諭だけが扱うものではなく学校全体で関. 情報量7917%,745%,72,9%,性に関わる校内外の酬多. わる姿勢が重要であり,校内連携の推進,集団指導の充実,. 数81.2%,88.5%,79.3%,性に関わる研修の内容74.6%,. 性教育に関わる分掌・委員会の整備,管理職や教職員の理. 82.3%,75.9%,研修に参加できる環境54.7%,40.4%,. 解や協力といった学校体制の充実が望まれる。また,各事. 45.8%であった。. 例の「会話程度」と「指導や対応」の経験には相関が認め.  「学校内の相談相手」は上位から,小:教職員81.3%,. られ,保健室内で気軽に「性の話題」を出せる環境作りが. 管理職48.4%,スクールカウンセラー(以下SC)20.3%,. 個別指導の充実に繋がるものと考えられた。. 中:教職員73.1%,SC50.0%,管理職48,1%,高:複数配 置時の養護教諭71.2%,教職員52.5%,SC50.8%の順であ. _435一. 主任指導教員荒木地. 指導教員西岡伸紀.

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