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太平洋西岸,偏西風帯における風成塵の供給源と古風系

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Academic year: 2021

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(1)太平洋西岸、偏西風帯における風成塵の供給源と古風系. 1 はじめに.   1−1 研究の視点   1−2 古風系研究の動向とその意義.   1−3馳本研究の目的. 2 風成塵に関する先行研究.   2−1 わが国における風成塵研究   2−2 日本各地の風成塵とその供給源に関する先行研究   2−3 南半球における風成塵と古風系. 3 研究方法.   3−1 試料採取   3−2 粒度分析.   3−3 X線回折   3−4 電子スピン共鳴法(ESR分析).  4 試料採取地域の概要.   4−1 日本国内における試料採取地域   4−2 台湾における試料採取地域   4−3 ニュージーランドにおける試料採取地域. 1.

(2) 5 分析結果.  5−1 粒度分析.  5−2 X線回折. 5−3 ESR分析. 6 考察.  6−1. 粒度組成から見た古環境.  6−2. 風成塵の供給源と古風系.  6−3. 太平洋西岸における風成塵と古風系の復元. 7 結論.   7−1 まとめ   7−2. 今後の課題. 辮 引用文献. 付表・図.    兵庫教育大学大学院学校教育研究科(修士課程).       教科・領域教育専攻 社会系コース.       M96520A 鈴木 宏. 2.

(3) 1 はじめに. 1−1 研究の視点  わが国を含む東アジアはモンスーンと偏西風の影響を受ける地域であり、. 四季が明瞭で比較的降水量も多く、稲作を中心とした農耕文化が展開されて きた。豊かな降水量が稲作を中心とする農業を支えるとともに深い森を酒養 し、独特の「照葉樹林文化」を尽くんできた。.  一方、南半球の太平洋西岸に位置するニュージーランドは、一年を通して 湿潤で温暖な気候に支配され、ヨーロッパ人による開墾が本格化する以前は、. 深い森に覆われた島であった。湿気を含んだ風がタスマニア海や南氷洋から ニュージーランドアルプスに雪をもたらし、山岳氷河が形成された。また、. 水分を失った西風は山地東側のカンタベリー平野を吹き抜け、牧羊に適した 乾燥した気候を作り出している。.  このように東アジアやニュージーランドの風土や文化は、この地域に卓越 する風の影響を少なからず受けている。すなわち、偏西風とモンスーンこそ が、日本やニュージーランドの農業を支え、森林に育まれた文化を発展させ てきたとも言えるのではないだろうか。.  今日、地球全体の自然環境の危機がいろいろなところで叫ばれている。な かでも酸性雨や砂漠化といった問題は国境を越えて拡大しており、その対策 が急がれている。例えば、酸性雨の原因物質である硫黄酸化物や窒素酸化物 は、偏西風などによって国境を越えて拡散している。硫黄を多く含む石炭の 消費量が多く、大気汚染抑制策の進んでいない中国からの酸化物に汚染され た高い濃度の酸性雨が、山陰や北陸地方などを中心とする西南日本各地に降. 3.

(4) っていることが広く知られている。これらの問題も風系、すなわち大気の循 環運動と密接なかかわりをもっている。.  一方、砂漠拡大の顕著な地域のひとつにサハラ砂漠南緯のサヘル地帯があ げられる。この地域では人口急増に伴って農牧用地の拡大が急速に進行する とともに、薪炭用に樹木を伐採する量も多く砂漠化に拍車をかけている。.  しかしながら、この地域の基本的な乾湿変動はギニア湾方面からのモンス ーン活動の消長に支配されている。例えば今日ではまったく集落の見られな いサハラ中央部のアハガル山地には、多雨期に集落が形成されたことを示す タッシリ・ナジエールなどの古代遺跡が分布しており、第四紀後期に自然環 境の過酷な変動が繰り返されてきたことを物語っている。.  危機が叫ばれている地球環境問題を考えていく上で、地球が繰り返してき た大規模な環境変動を高精度で検出することは、環境変動の周期性と変動幅 を検討する上で欠かせない役割を担っているといえる。本研究では、最終氷 期における偏西風の復元を軸に、太平洋西岸地域における古環境の復元を試 み、これによって自然環境の変動を考える上での重要な鍵を提供しようとす るものである。. 1−2 古風系復元研究の動向とその意義  地球圏生物圏国際共同研究計画(IGBP)は、生物と地球との相互作用によ る環境変動について共同で研究を進めるというプロジェクトであり、その主 要なプロジェクトのひとつであるPAGESは過去の環境を高精度に復元すること によって、環境の変動を予測することを視野に入れている。特に日本列島を 含む東アジア地域では、モンスーンが自然環境の変動に重要な役割を果たし. 4.

(5) ているという認識の下に、過去におけるモンスーン変動を解明しようという PEP Iプロジェクトが推進されている(小野,1997)。.  これらプロジェクトでは、海底・湖底コアなどに含まれる花粉や風成塵を 高精度で分析する取り組みが各分野の研究者によって行われており、その研 究成果の一部は徐々に公表されつつある状況にある。それらによると、従来 から緩やかに変動すると考えられてきた気候環境は、数十年∼数年という短 い期間のうちに急激に変動を繰り返していることがわかってきている。.  花粉などに代表される動植物の変化は長い時間を要し、これを使った高精 度な気候変動復元が困難であるのに対し、風成塵はこうした急激な気候変動 の指示者として期待され、古風系をはじめとする気候変動の解明に関する役 割が期待されている。. 1−3 本研究の目的  最終氷期は寒冷であるとともに太平洋西岸地域では乾燥した気候に支配さ れた時代であった。このため、最終氷期には中央アジアやオーストラリアの 乾燥地域では砂漠レスの供給が増加し、日本列島や台湾、ニュージーランド などへ大量の風成塵が運ばれたとされる(成瀬ほか,1997;Hesse,1994)。.  こうした風成塵を運ぶのは大陸から吹き出す冬のモンスーンと、上空を吹 く強いジェット気流である。微細な粒径の風成塵は上空の強いジェット気流 に乗って曙町キロ以上も吹送されることもあり(Uematsuθ∫81.,1983; Middleton,1997)、中国奥地の乾燥地帯からアラスカやハワイなどにも到 達している。.  日本列島では本州中部以北に中国北部やシベリアに起源をもつ微細石英が. 5.

(6) 分布しているので、最終氷期最寒冷期には冬の北西モンスーンが強まったこ と、一方、沖縄から本州中部にかけてはアジア内陸部の砂漠やチベット高原 から運ばれた微細石英が分布しているので、偏西風の影響下にあったことな どが明らかになっている(成瀬ほか,1996)。したがって風成塵の給源や分 布、量などを分析することによって、過去におけるモンスーンや偏西風の挙 動をグローバルに検討することが可能になるのである。.  これを受けて本研究においては、今まで研究が行われていない南西諸島南 部と台湾、およびニュージーランドの風成塵を分析することによって、最終 氷期(MIS 2)の太平洋西岸における偏西風の挙動を明らかにすることが目 的である。. 2 風成塵に関する先行研究. 2−1 わが国における風成塵研究  Windom(1969)は大洋の海底堆積物や雪氷地域に広域風成塵起源の石英が 広く分布していることを明らかにしたが、日本における風成塵の分布とその 供給源について、本格的に検討が行われるようになったのは1980年代に入っ てからである。.  わが国にもレス状の堆積物があることを指摘したのは新堀ほか(1964)よ る北九州の砂丘地の研究が初めてであるが、大陸から運ばれたとは考えられ ない大きさである100∼200μmの物質をレスと認定しているなど問題が多い。. これに対して倉林(1972)は、大山火山灰層および中国のレスに含まれる粘. 土鉱物をX線回折によって分析し、両者の類似性を指摘して火山灰層への風. 6.

(7) 成塵混入の可能性を初めて科学的に指摘した。.  1980年代に入ると、粘土鉱物の化学的組成や粒度組成を分析することによ って、土壌中の微細物質の特徴とその供給源などが検討されるようになった。. 例えば成瀬・井上(1982)は、日本海沿岸地域に発達する砂丘中の古土壌の シルト・粘土サイズの鉱物に、黄砂や黄土の主要な粘土鉱物であるイライト. が多いことなどから、これらの微細鉱物がアジア大陸からもたらされた広域 風成塵であることを明らかにした。.  また、石英が結晶する時の温度環境を反映する酸素同位体比を検討するこ とによって、風成塵の供給源を検討する研究も行われるようになった(例え ばNaruseθ’a1.,1986;溝田ほか,1992;成瀬・井上,1990など)。これら によると、日本各地の土;壌に含まれる微細石英には、花押岩や火山灰起源の. 石英とは異なった酸素同位体比を持つものが多く見られ、最終氷期以降に風 成塵として飛来して土壌の母材になった石英が少なくないことが示唆されて いる。.  一方、土壌中への風成層の堆積量を、時間軸を用いて検討する方法も行わ れている。その結果によると最終氷期のdust fluxは今日の約3倍に達してお り、風成塵が土壌生成物質として重要な役割を果たしていたことが明らかに されている(Inoue and Naruse,1991;成瀬,1993)。.  ところで、1990年に始まったIGBP(国際地球圏生物圏共同研究計画)では、. 地球環境の変化を生物圏と地球圏の相互作用に着目して探ろうとするもので あり、その一環として古環境の変遷を研究するプロジェクトであるPAGESが推. 進されている。このプロジェクトではアジアモンスーンを高精度に復元する 取り組みなどが推進され、風成塵を用いて古風系の復元を試みようという取. 7.

(8) り組みが行われるようになった。こうしたプロジェクトのひとつに風成塵の. 供給源を特定して古風系を復元しようという電子スピン共鳴(ESR)法が ある。.  ESR分析は広域風成塵の主要な鉱物である微細石英の生成年代を検討し、 それによって風成塵の供給源を特定しようとする方法である。この分析法で は石英結晶中の酸素空格子が自然放射線によって増加する割合が、経過する 時間の関数としてとらえられることを利用している。先カンプリア代の古い. 地質の岩石はわが国には分布していないことから、風成野中の石英のESR 値がそうした時代を示唆する値であれば、これらがモンゴル高原やシベリア などから供給されたものと考えることができる。また、風成塵の堆積した時 代による値の変化を見ることによって、風系の変動を検討することも可能で ある。.  この原理を応用して成瀬ほか(1996;1997)、成瀬・小野(1997)、およ び鈴木ほか(1997)は、わが国に分布する土壌中にはアジア大陸や氷期に陸 化した大陸棚などを供給源とした風成塵が広く分布していることを確認し、 さらに最終氷期のモンスーンや偏西風の復元を試みている。.  今日ではこのように、単に土壌中の風成塵を検出するだけではなく、風成 塵を気候変動の指示者としてとらえ、古環境を復元しようという研究が中心 に据えられるようになってきている。.   近年、日本各地に風成塵起源の堆積物が分布していることが明らかにな って来ており、その供給源と堆積量の変動を究明することが東アジアにおけ る古環境の復元に役立つこともわかってきた(成瀬・小野,1997)。このた め、日本における風成塵の研究は一層注目を集め七おり、より高い精度で堆. 8.

(9) 積量の変動や分布の変動を検討し、これをもたらした気候変動との関係を究 明することが求められている. 2−2 日本各地の風成塵とその供給源に関する先行研究  東∼北日本の各地に広く厚く分布し、これまで火山灰の風化物を中心とす る地層と考えられていたローム層中にも風成塵起源の物質が混入しているこ. とを井上(198Dが初めて指摘し、その後も研究が続けられている(雁澤ほ か,1994;吉永,1995a;1995b;1996など)。.  吉永(1995b)は渡島駒ヶ岳の1929年噴火のテフラ層より上位に発達する3. ∼7㎝の腐植土層には、シルト士分で10∼24%の微細石英が含まれているこ とを指摘した。吉永は渡島駒ヶ岳から噴出した火山灰には石英が含まれてい. ないことに加えて、これらの石英の酸素同位体比が火山岩起源の石英の値よ り明らかに高いことから、その起源が風成塵であるとした。.  また、八甲田山山麓の火山灰土や十勝平野に発達する十勝ローム層中にも 風成塵起源と考えられる微細石英が混入していることも明らかになっている (吉永ほか、1988)。一方、最終間氷期以降の寒冷なMIS2、4、5dなどの時期. に十勝ローム層のシルト∼粘土画分中の石英含有率が高くなり、風成塵が気 候変動の指示者となりうることが明らかにされている(吉永,1996)。. 騰澤ほか(1994)は、北海道南部から青森県にかけて分布する粘土層中の 石英を分析し、30μm以下の粘土中の鉱物組成や石英の酸素同位体比から、. 風成塵起源の物質が多く含まれていることを指摘した。また、最終氷期最寒 冷期の1.2万∼4万年前には、4∼10万年前の約2倍の風成塵が堆積したことを 明らかにしている。. 9.

(10)  張ほか(1994)は、9∼13万年前の洞爺火山灰以降に堆積した岩手山のテフ ラ層中に見られるクラック帯の土壌について、これに含まれている石英の酸 素同体比が中国のレスに近似していることなどから、中国のレス地帯や半乾 燥・乾燥地帯からの広域風成塵が含まれていることを明らかにした。また、 岩手山麓においては約2∼3.4万年前と5∼7万年前が風成塵の堆積期であり、. 成瀬・井上(1982)が指摘した日本海岸の古砂丘に見られる風成塵起源の古 土壌層の堆積時期に符合するとした。.  関東ローム層中に含まれる微細石英については、吉永(1996)が栃木県喜 連川丘陵の過去10万年間に相当するローム層について検討している。それに よると、ローム層の石英含有率はシルトサイズで6∼13%であるのに対し、粘. 土サイズでは最大でも2%程度に過ぎない。このことは、日本に飛来する石 英を含んだ広域風成塵の粒径がシルトサイズを中心としている(石坂,1991) ことと調和している。.  また、微細石英の堆積速度がMIS 2などの寒冷期で高い値を示し、温暖期 に低くなることから、風成塵が北西モンスーン変動の指標となりうることを 示唆している。.  一方、出雲・倉吉・鳥取・福井・柏崎など、日本海側の各地に発達する砂 丘には古土壌層が介在している。これらの古土壌層を挟む風成砂の堆積期は. 約7万年前・5万年前・3万年前・1.8∼2万年前・4000∼5000年前の5種類 の時代に区分され(成瀬1982)、それぞれは氷期一間氷期サイクルの寒冷な 時期に相当すると考えられている。一方、古土壌野中には酸素同位体比が12.3. ∼14.8臨を示す微細石英が含まれており、中国大陸や氷期に陸化した海底か ら運ばれたものが含まれていることが示唆される(成瀬・井上,1990)。. 10.

(11)  九州北部にレス状の堆積物が存在することは、新堀ほか(1964)などによ りかなり以前から指摘されおり、成瀬(1976)は遠賀川左岸の芦屋に発達す る砂丘について検討し、粘土鉱物の組成が新潟県高田市で観測されたレスの 分析結果(長谷川,1967)と類似することを明らかにした。. 2−3 南半球における風成塵と古風系  南半球の太平洋西岸には乾燥地域が広いオーストラリア大陸があり、今日 でも年間数日∼十数日のdustストームが発生している(Lourenszθ!a1.,. 1983;McTainsh,1989;Middleton,1984)。このため、このdustが原因と なってニュージーランドアルプスに赤い雪が降ったり(Kidso皿,1930)、タ スマニア海に赤い粘土層が堆積していることなどが知られている(Glasby, 1991)。.  Thiede(1979)は太平洋海底の堆積物中の石英含有率の分析によって、オ. ーストラリア方面からのdustの供給が、最終氷期には南緯10。にまで北 上したとする見:解を示している。また、鈴木(1972)は氷河時代には南半球 でもpolar frontが低緯度に移動し、オーストラリアが乾燥した気候であった. としており、McTainsh(1989)はオーストラリアの砂丘列の配列方向などか らこの考えを支持している。.  これらの研究を受けてHesse(1994)はタスマニア海の海底コア中に含まれ. る風成塵起源の石英含有率を分析し、間氷期において南緯360まで南下した 風成塵の帯(dust plume)は、氷河期には南緯30。付近まで速やかに北上し. たとの見解を示している。この考え方はオーストラリアからの風成塵の到達 範囲を、Thiede(1979)による見解よりも狭い範囲に限定しており、オース. 11.

(12) トラリアの砂丘列分布とは調和的である。.  しかしながら、ニュージーランド各地に見られるレスについては、ほとん どの研究が氷河の末端や河床で生産された微細物質(例えばCowie,1964; Milne and Smalley, 1979;Eden θ’a1., 1979;McIntosh θ’a1., 1988). や、火山灰起源の細粒物質(Stewartθ’a1.,1986など)が供給源であると しており、大陸からの風成塵の影響についての研究は見られない。. 3 研究方法. 3−1 試料採取  分析に供した各サンプルのうち、台湾の関山、ガランピー(レーダーサイ ト)は、露頭断面より一一定間隔で採取し、このうち各5サンプルを採土管で 採取して乾燥重量を測定した。.  その他の試料については示標テフラなどを鍵層として、おおむねMIS 2に相 当する地層断面より採取した。. 3−2,粒度分析  ESR分析(後述)に供試した全てのサンプルと、台湾で採取したサンプ ルのうち、ガランピー(レーダーサイト)、関山、后里2の3地点の土壌断 面から得られた試料について粒度分析を行った。.  分析の手順}よまず風乾した適量の各試料を乳鉢で軽く粉砕し、超音波処. 理(150w,10kc/P,5分)をした後に、1000μmの水弾で水洗して未分解の 有機物や植物片を除去した。さらに過酸化水素水を加えて約1週間放置して. 12.

(13) 有機物を分解した後、浮遊する有機物を取り除いた上でうわずみ液を除去し て水洗いし、その後に0.2%のカルゴン液を分散液として加え、超音波処理を 行った。.  以上の処理を行った試料を710,500,355,250,177,125,88,63,45,32. μmの水干で粒度別に早い分けたのち、乾燥して秤量した。また、32μm未 満の試料については、島津製作所製の粒度分析器SA−CP 21により分析した。. 3−3 X線回折  ESR分析による酸素空格子信号量は、試料中の石英含有率で補正される ため(柳,1995)、ESR分析に供試したサンプル中の石英の積分強度をX 線回折によって測定した。この際、現地性の石英と考えられる粗粒の画分(45. μm〈、もしくは63μm〈)、および、風成塵起源と想定される微細画分(20. μm>、もしくは26μm>)とに分類してX線を照射した。なお、このデー タは微細石英の堆積量算出にも用いた。.  X線回折装置は、兵庫教育大学地学教室の島津製作所XD−5型(30kv,20mA, CuKα線)を使用して、 step scan(28−25θ,preset time 4. Os。, scaH speed. O.01deg., sa即ling pitch O.01deg., full scale O.3kcps)を行い、積分. 強度から石英含有率を算出した。なお、積分強度のstandardとして、和光純 薬工業株式会社製の石英粒(20∼28mesh)を使用した。. 3−4 ESR分析(電子スピン共鳴法) 土壌中に含まれる石英の生成年代を調べ、その供給源を検討するためにE. SR分析を行った。分析に供した試料はX線回折に使用したものと同じ処理. 13.

(14) を行ったのちに、大阪大学理学部宇宙地球科学研究科量子地球物理学研究室. においてESR分析を行い、酸素空格子信号量を測定した。.  ESR分析は、放射線によって石英の結晶格子の原子が抜け落ちて「酸素 空格子」が形成される現象を利用して、石英が生成してから経過した時間を 求めようとする方法である。土壌の堆積環境において通常考えられる範囲の 温度変化に対して、酸素空格子量は安定であり寿命も長い。.  また、石英は普遍的に見られる土壌鉱物の一つであり、化学的風化や水に 対しても抵抗性が高い。こうしたことから石英粒子の酸素空格子信号量測定. による年代測定法ば広範囲で応用がきくものと期待できる(塚本,1995; Toyoda and Ikeya, 1991) o.  ESR分析では試料の事前処理として石英を含む無機物試料に60Coを用い てγ線を照射したのち、300℃で15分間加熱する。これらの処理によって石英. は結晶中の酸素イオンの抜けた空格子に電子1個が獲得された格子欠陥であ る「E’中心」に変換され、この状態で酸素空格子信号量が測定される。.  本研究では大阪大学理学部宇宙地球科学研究科のloel Jes−REIX ELECTROMAGNET, ESR SPECUTRO−METER (microwave output:0.Ol皿w,皿agne t i c field  皿odulation width :0.1mT, 皿agnetic ce皿ter field :3351nT, sweep. width:±5mT)で酸素空格子信号量を測定した。なお、45μm以上の粒径(一. 部の試料については63μm以上)の土壌物質を現地性のものと仮定し、風成 塵起源と考えられる20μm未満の微細物質との比較も行った。.  ESR分析に用いる無機物試料は、重液分離によって石英を分離しておく ことが望ましいが、風成塵のような微細粒子では重液分離が困難である。こ. のため、X線回折によって求めた石英比率をもとに、柳(1995)による以下. 14.

(15) の補正法を適用して酸素空格子信号量を補正した。. ESR補正値(2.51e+13 vacancies/g).   =酸素空格子信号強度(raw data)×100÷石英含有率(%).         4 試料採取地域の概要 4−1, 日本 (1)下北半島 六ヶ所村尾駿.  下北半島南部の東海岸では海成段丘が発達し、宮内(1988)はこれを高位 面・七百面・天狗二面・高館面に区分している。このうち、試料を採取した 高館面に相当する面は、海抜20∼50mの広い平坦面を残す海成段丘で、段丘上. には細粒ガラス質の洞爺火山灰(約10万年前)と、十和田湖起源とされる白 色軽石層(WP;約17∼20万年前)を挟む厚い砂層が観察される(宮内,1985;. 1988)。このことから、高館面は最終間氷期に堆積した砂層によって構成さ れているものと考えられる。..  六ヶ所村尾鮫の高館面上の露頭では、地表のA層下に厚さ約4mの砂丘砂 が見られ、その下には古土壌層が埋没している。古土壌層の下には上部粘土 層と中部粘土層があり、さらに洞爺火山灰層を挟んで厚さ10m以上もの下部 粘土層が見られる。試料は上部粘土層から採取した。なお、上部粘土層の年 代は12∼40kaと推定されている幅澤ほか,1994)。. (2)島根県 大根島.  中海の北部に浮かぶ大根島は、第四紀に噴出した大根島玄武岩からなる溶 岩台地で、島内の北よりに海抜43mのスコリア丘である大塚山がある(大根島. 15.

(16) 研究グループ,1975;日本の地質『中国地方』編集委員会,1987)。.  大根島では、地表面はおおむね黒ボク土に覆われており、花卉や朝鮮人参 が栽培されている。この黒ボク土の下には、およそ2.5万年前に噴出したAT 層を含む赤黄色土層が堆積している。この赤黄色土から試料を採取した。こ. の赤黄色土層の下には三瓶木次テフラ(SK,木次降下軽石層;K3)、お よび大山松江テフラ(DMP)、さらにその下には大根島玄武岩が堆積して いる. (3)鹿児島県鹿児島市犬迫町荒磯  本地点は標高180mのシラス台地上に位置している。シラス層の最上部1m はオレンジ色に風化しており、その上に厚さ80mの褐色∼明褐色の土壌層(下 部古土壌B2層)と、厚さ20㎝の褐色土層(下部古土壌B 1層)が堆積してい る。褐色土層の上には厚さ15㎝の極暗褐色の下部古土壌A層が発達しており、 ここから試料を採取した。なお、下部古土壌層の14C年代は16,970±280yrBP.. であることから(成瀬ほか,1994)、最終氷期最盛期に対比される。.  下部古土壌層の上には黄褐色∼褐色の上部古土壌層、および厚さ1㎝で極 暗褐色の上部古土壌層が発達する。さらにこの古土壌の直上には1.05万年前 (町田・新井,1992)の桜島薩摩テフラ(Sz−S)が堆積している。. (4)種子島.  種子島は全島にわたって8段に区分される海成段丘が発達している(中田,. 1968)。基盤の熊毛層群の砂岩上に堆積している段丘礫層は、一般に数m以 下である。試料採取地を含む種子島南部は6段の段丘が見られ、最も高い第. 16.

(17) 3段丘は、試料採取地の長谷野台地付近では海抜180∼200mの広い平坦面を 残している。柱状図に示したように、段丘礫層の上には2枚の火砕流堆積物. が見られる。種子島南部に分布するこれらの火砕流堆積物は、奥野・小林 (1994)によると、Ata(96ka)およびK−Tz(91ka)である。中田(1968) は、長谷野台地を最終問氷期の高海面期を反映した段丘面であるとしており、. 火砕流の年代はこの考え方と矛盾しない。本地域の試料は露頭上部のAT層 (25ka)直上のローム層より採取した。. (5)宮古島高野  宮古島は島尻層群と琉球石灰岩を基盤とし、全体が海成段丘からなる平坦 な島である。段丘面は北西一南東方向にのびる断層によって階段状に区切ら れている(大村・太田,1992)。島の周縁部には海抜3∼10m程度の段丘面が 発達しており、更新世末∼完新世に対比される。試料採取地の高野・熱帯植 物園は海抜約30mで、更新世後期に陸化した海成段丘上に堆積する大野越粘 土層の上部は、厚さ数mの赤黄色土壌が発達しており、本研究に用いた試料 (10YR6/6)は赤:黄色土層のうち地表下約160cmから採取した。. (6)西表島浦内川河口  西表島には第三紀層砂岩上に厚さ1mの赤色土が堆積し、さらにこれを覆 って60cmの黄色土が堆積しており、ここから試料を採取した。この黄色土の 上部は薄いA層が発達している。. 4−2,台湾. 17.

(18) (1)関山およびガランピー地域の地形・地質.  ガランピー地区は、台湾南端の恒春半島に突端から南東に突き出した長さ. 4㎞ほどの岬である。半島部およびと背後の山地にかけては海成段丘が発達 しており、東海岸には砂丘列も見られる(許,1986;石ほか,1989)。.  石ほか(1989)によると段丘面は5段に区分され、最高位のKNP−1面 は海抜約230m∼300mに達する段丘面である。西恒春台地から関山、ガラン. ピーにかけて広い面をもつKNP−1面は海抜30∼145mであり、50∼13万年 前に形成されたと考えられる恒春石灰岩層が基盤である。.  ガランピー台地のKNP−H面では、石灰岩層の上に厚さ1m以上の赤褐 色土(2.5YR3/4)があり、その上部はノ」、礫を含んでいる。さらにその上に約60cm. の赤黄色土が堆積している。この土壌断面の頂部には厚さ12c皿のA層が発達 しており、これから試料を採取した。.  関山の土壌断面では、石灰岩層の上にラグーン堆積物と考えられるサンゴ 片を含む褐色(7.5YR3.5/4)の堆積物(厚さ1∼2m)が覆っている。この堆. 積物の上には5YR4/4∼5YR4/8の赤褐色土とやや灰色を帯びた赤褐色土 (2.5YR3.5/6)がのっている。地表下35c皿より上になると土壌はやや赤色が. 減じた褐色系の色(5YR5/4∼7.5YR4/6)を呈しており、試料はここから採取 した。.  なお、台湾南端部に位置するこの地域の基盤岩は三峡層群と呼ばれる中新 世の砂岩や頁岩である(都城,1979)。. (2)林口地区. 林口地区は台北の西方に位置し、淡水河と鳳山回に挟まれた台地を中心と. 18.

(19) する地域である。北端の林口台地と南端の湖口台地は海抜200∼400mに達す る高位段丘である。一方、桃園台地・中歴台地・平鎮台地・伯公岡台地は海 抜250m付近を扇頂とする扇状地性の河岸段丘面となっている(林,1991)。 なお、林口台地の北部には観音山火山がある。.  高位段丘上には約10mの厚さの赤色土が堆積しているが、下位の河岸段丘 面に分布する土壌は赤∼黄褐色を呈しており、その厚さも高位面より薄くな っている。高位段丘上で採取した試料はMIS 6に対比される。.   なお、この地域の河川の上流域は始新世四稜砂岩群などが主に分布して おり、台湾の中では比較的古い地質の地域となっている(都城秋穂,1979)。. (3)后里地区.  台中市の北を流れる大牢渓の両側には、最終氷期に形成されたと考えられ る低位段丘が発達する。大甲渓は氾濫原の幅が広く、現在も上流の山地から. 大量の土砂が供給されている。分析に供した試料はこの低位段丘面上から採 取した。. 4−3ニュージーランド (1)Manawatu地域の地形・地質.  Manawatu地域はニュージーランド北島南西部に位置し、東のRuah ine山地. とTararua山地,および第三紀層からなる北方の山地とに囲まれたWa㎎anui. 盆地を中心とする。地向斜によって堆積した厚い地層によって形成された Wanganui盆地の周縁部には、周囲の山地から流れ出すManawatu川, Ra㎎itike i. 川によって形成された河成段丘と,更新世の海成段丘が分布する。沿岸地域. 19.

(20) は海岸平野が広がっており、海岸線に沿って砂丘が発達している(New Zealand GeoIogical Survey, 1972) 。. 歯二_ジーランドの地質. ヒ’1団。へ.    り 、. [コQuatema・y. 圏Tertiary 睡翻脳es。Z・i・. ㎜P・1…。1・ ■   PreCambrian 、.ボ. 目・円、t6i、 and      Metamorphi.c Rocks. 奄戟ci藩 .、..    O. 》..         500km. Lilli・・A・R・(1980)5・1…65・rに・聰功伽伽ノ。々ゴ.      20.

(21)  Manawatu川中流域には最終氷期に形成されたForest Hill, Milson, Ashhurst, Raukawaの4段の最終氷期に形成された段丘がある。もっとも新 しいRaukawa面以外は、寒冷で植生の乏しい時期に河床から供給されたと考 えられるレスに覆われている。レス層の厚さはManawatu川とRa㎎itikei川の 東岸で最大になっている(Cowie,1964)。また、 Milson面より上位の段丘面 の堆積物中には、20,000±500yrBP.のAokautere Ashが認められる。.  海成段丘は、Wanganui Bas inの周縁に連続するRapapui面、北端に位置す るBrunswick面、 Kaiatea面の3面に区分されている(Heerdegen,1982)。.  分析に供した試料は、Manawatu試料ではTokomaru付近のRapanui面、 Rata およびPorewa試料はMakino付近のRapanui面、 Ohakea試料はWaituna West付 近のBrunswick面上のMIS 2に対比されるレス層から採取した。. (2)Kaipara地域の地形・地質  ニュージーランド北島のKaipara地域は、北西端に細長く突き出した半島部. に位置している。この地域には風化の進んだ岩石が多く露出しており、一方. で海抜200mに達する年代のわかっていない高位段丘を含め4∼8段の海成段 丘が発達している。試料採取地点であるSouth Kaipara半島では、6段の段丘 が認められる(Balanceθf a1.,1982)。試料はMIS 2に対比されるレス層 から採取した。. (3)Balclutha地域の地形・地質. Balclutha地域はニュージーランド南島南部のOtago地域にあり、中生代か ら古生代にかけての片麻岩や片岩からなる山地が広がっている。第四紀層は. 21.

(22) Clutha川の河谷や沖積平野が中心である(Fitzharrisθ’a1.,1982)。.  沿岸部で海抜45∼60m、内陸部では80∼90mのSouth Otago丘陵は、レス に覆われている。丘陵の末端は低位段丘・丘陵下位面が発達し、それぞれ海 抜10m未満、海抜18m未満のやや不連続な台地となっている。.  丘陵の上位面では3枚の古土壌層を挟む4層のレス、下位面では古土壌層 が2枚でレス層が3層、また、低位段丘面には2層のレスとそれに挟まった 古土壌層が堆積している(Bruce,1973)。試料はMIS 2に対比される上位の レス層から採取した。. (4)Akaroa地域の地形・地質. Akaroaが位置するCanterbury平野北東端のBanks半島は、鮮新世中期のカ ルデラ火山を基盤とし、out wash fanによって陸繋島となっている(Liggett and Gregg,1965)。’この地域は玄武岩および玄武岩が風化した土壌に広く覆. われ、Birdings Flat loessとBarrys Bay loessと呼ばれる2種類のレスも 分布している。.  このうちBarrys Bay loessはAkaroa湾を取り囲む地域だけに分布しており、. 上位のLoess 1は厚さ約9m、石灰質の固結層を挟んで下位の工oess2は厚さ 6mである(Griffiths,1973)。試料は上位のレス層から採取した。  一方、Canterbury平野を流れる河川の上流には中∼古生層が広く分布する ニュージーランドアルプスがそびえ、ここから砂礫の供給量が多い関係で、 完新世に入ってもレスの堆積が継続している(Ives,1973)。. (5)Te Anau地域の地形・地質. 22.

(23)  Te Anauはニュージーランドアルプス南東麓のTe Anau湖の東岸に位置して. おり、最終氷期には氷河のアウトウォッシュティルが堆積した地域である。. 付近には無層理で未固結のtillの上に厚さ約1mのレス層が堆積しており、 ここから試料を採取した。. 5 分析結果. 5−1 粒度分析  本研究に供した試料は、おおむね複数のモードを持つ粒度分布を示してお り、現地性の土壌母材に加えて、広域風成塵や火山灰などの外来物質が付加. されていることを示唆している。本研究で取り上げた地域のうち、土壌断面 から複数の試料を採取して土壌分析を行ったのは、台湾の后里・関山・ガラ. ンピーの3地点だけである。なお、ESR分析を行った試料はすべて粒度分 析も行っている。. (1)三里 100覧.  16覧 蟄1.1..  14噛 80瓢. 1II…1“.  12覧  10%   8%. 60%. 詣:.. 1、ii.  . Il 40男.   6恥 1.   4覧. 1…III鴫. Wll. II冨l. hl陣  著.   2%. .IIIIIIIi、.㍉i lliilll:・1鷹.. lll・.旨. 撃h旨:II!.1.   o鶉 組 成 比. x.   llIill…. 20髄. P声’. @        .III.                  むお 2  4  5  7  8  lO  U  累積比       φ 23.

(24) 100%. 12%. a. 用量. P0%. 蓼II薗. 80%. 1 II 1. ξ. .1IIIl. 爾. 8%. 60%.  II睡. 1翼. 6%. ゥ.ll雁乳膿. S0% S% [. 1輩礪1陵著 ξ. 2% 。器.・・llllll 撃戟w. 0%. 組成比. ョ  1ド. 1P. 1    2. …蝿書. 髪垂・ゼ劉IIIl. .寒. 障警備 ?A棚     1旧1. 樺:20% hliuil1. 0%. 4. 5. 7. 11. 8    10. 累積比. φ.      100鴬.  12艶 .鞠.  10%.      80瓢. P乱.  8瓢. 1、ぎ. ∵.      60%. l/.  6男  4%. ㍉II.     iξ @  !、  .∵.II.・PIIEllIi l儲.      40覧. P葺尋.  塗 9 @ il隷・1』lll:li謄.  2駕  0%. hI. 慧…1轟 I I.P ぞ. ξ奎 II灘謬}.      20%.      o% 10      11. 2       4.     累 積 比. 組 成 比. 図2 粒度組成 后里1∼3.  上里地区では露頭断面から黄色土を3試料(上位より后里1∼3と呼称) 採取し、粒度分析に供した。最上部に堆積する黄色土層(7.5YR5/6∼4.5/6). は下部に風化礫を含んでいる。その下位には赤色を呈するフラッドローム (2.5YR4/6∼4/8)が堆積しており、さらにその下には未風化の礫と粘土質の. マトリックスからなる厚い段丘礫層が観察される。.  后里1および后里2では中央粒径が5.5φ∼5.6φ付近であり、4φ付近に ピークをもつ50∼60μm程度の砂サイズ画分が多い層準である。一方、后里. 24.

(25) 3では后里1・2に見られる4φ付近のピークも見られるが、中央粒径が7.3 φ付近にあって、2μ1n以下の粘土サイズの比率が高い層準である。. (2)関山.  関山地区ではサンゴ片を含むラグーン堆積物(7.5YR3.5/4)の上に厚さ. 140c皿の赤黄色土が堆積している。この土壌断面からESR分析に用いた2試 料を含む18試料を一定の間隔で採取して粒度分析を行った(関山1∼18)。. φ. % 36. 12. 34. 10 32 8. 30 28. 6. 26. 4. 24 2. 22. 0. 20. 123456789101112131415161718 +中央粒径. ■幽○一2≦⑳≧. 図3 粒度分布の変化 関山1∼18.  この土壌断面においては中央粒径値が6。3φ(関山1、関山4)から9.8 φ(関山11)の範囲で変動しており、下位の層準の試料は中央粒径が9φ前 後であるのに対し、上部層準の試料は6φである。また、地表下弓50c皿の関. 25.

(26) 山9の中央粒径は6.7φであり、20μm以上の画分も約50%に達している。こ の値は、関山9をはさむ上下の試料の中央粒径がそれぞれ9.1φ・9.7φで、20. μm以上の成分が30%前後であるのとは対照的である。さらに、関山9は細 粒サイズの成分も他の試料に比べて極めて少なく、特異な三二である。  一方、無機成分中のシルトサイズの構成比も20,48%から33.38%までの幅. で変動が見られる。シルトサイズの割合が最も高いのは関山2であり、つい で関山8(32%)で高くなっている。このシルトサイズの割合と中央粒径の 変動傾向は概ね符合しているようである。例えば、関山18から関山9までは シルトサイズの割合はあまり変化しない(23∼25%前後)が、関山8より上 位の試料は20%から33%という数値に見られるように、変動幅が大きくなっ. ている。さらに、関山6より上では砂サイズ以上の粒径が40%を越えるよう. になる。これら6試料以外で砂サイズ以上(20μm以上)の画分が40%以上 になるのは、前述の関山9と関山17のみである。 100% 80% 60% 40% 20%.  0%.           團20μm<ロシルト画分 図4 関山1∼18における粒径別組成の変化. 26.

(27) (3)レーダーサイト(ガランピー).  ガランピーの土壌断面は、約12万年前と推定される石灰岩(許,1987)の. 上に堆積しており、その厚さは2m以上に達している。この土壌断面から一 定間隔で15試料を採取した(㎜AR 1∼15)。最下部は節理構造が観察される 2.5YR3/4の赤褐色土である。㎜ARI2から㎜AR 3までは赤褐色土(5YR3/6∼ 7.5YR5/4)であるが、㎜AR Iおよび2は暗褐色(10YR6/4∼7.5YR5/4)を呈 し、若干の腐植を含んでいる。.  この土壌断面では全体に20μm以上の砂サイズ画分の占有率が高く、最上. 位の㎜皿1の74%をはじめ、最下位の㎜AR15を除く14試料が50%を越えて いる。一方で、粘土サイズ画分は㎜AR15で48%に達するものの、全般に20∼ 30%の範囲におさまっている。. 100%. li. 80% 60% 40% 20%.  0%. 123456789101112131415 国20μm≦  国ソルト画分  国2μm>. 図5 ガランピーにおける粒度組成の変化 中央粒径は地表下血50cmの㎜ARl Oより上の層準で粗粒(3.2φ∼3.8φ)で. あり、変動の幅も小さい。これに対し、㎜AR11より下位の試料は、深さを増. 27.

(28) すほど中央粒径が細粒化し、最下位層準の圏)ARI5で9.1φとなっている。す なわち、この土壌断面では深い出始ほど細粒七分が支配的になっている。. 80 75 70 65 60 55 50 45 40. 12. 10 8 6. 4 2. 0. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 1415. 團20μm≦一中央粒径 図6 中央粒径と砂サイズの構成比(%) ガランピー1∼15. 5−2 X線分析  風成塵の画分に相当する20μm以下の石英は、きわめて微細であるため単. 離することが事実上不可能である。このため石英のESR信号強度を補正す る目的でX線分析を行った。また、一部の試料については住友特殊金属工業 製の磁石NEO㎜を用いて鉄分を分離した後にX線を照射した(図7)。  なお、本研究においては成瀬・井上(1990)にもとづいて20μmないし26. μm以下を風成塵起源物質と考え、45μmないし63μm以上の画分を現地性 物質と仮定して、各々の石英含有率をSTEP SCANによる積分強度をもとに算 出した。.  この結果、同じ地点から採取された試料でも、微細な物質を中心とする集 団と、粗い物質を中心とする集団では石英含有率に差があることが判明した。. 28.

(29) このことは微細物質と粗粒物質の起源が異なることを示唆する。.   kaipara 2.   Kaipara書 下北半島増尾 大根島大塚山 茄 ”’ シラス台地荒磯 種子島長谷北野 r”襯.    宮古島    西表島 ’r…”’…艀 … 艀…….    林ロ2 ’.    ホリ2 艀      関山11 艀.    関山3 レーダーサイト13 艀 レーダーサイト5.    竜田2   シベリア04   シベリア07   シベリアれ ’.             ■風成塵. 図7 各試料の石英含有率(%). 例えば玄武岩質溶岩を基盤とする大根島の試料では、現地性の物質と考え られる45μm以上の粗粒画分中に石英が26%しか含まれていないのに対し、20. μm以下の微細二分には51%もの石英が含まれている。玄武岩は石英をほと. 29.

(30) んど含んでいないので、これらの微細石英を外来物質と考えるのが妥当であ. ろう。大根島は中海に浮かぶ海抜40mあまりの小島であって、周辺山地など からの物質が運積したものではない。したがって、この微細石英は風成物質 と考えられる。. また、福井県敦賀市中池見湿原の泥炭層に含まれる微細な無機物中の石英含 有率は概ね40∼70%の範囲にあり(鈴木,1997MS)、中国黄土に含まれる石 英も60%前後であること(柳,1995)を勘案すると、大根島の51%という値 は風成起源を矛盾なく説明しうる。.  これに対し、シラス台地上の鹿児島市犬迫町荒磯の20μm以下では石英が 約10%、下北半島尾験でも30%に過ぎない。これらの試料には火山灰起源の 物質が大量に含まれているため、石英含有率が低くなるものと考えられる。. 5−3 ESR分析 酸素空格子信号場と地質年代 先カンプリァ代.  中∼古生代.   第三紀   第四紀 0. 2.  2.51e→一13vacancies/g. 図8 酸素空格子信号量と地質年代(成瀬・小野,1997). 図8に示したように、酸素空格子信号量は石英の生成から経た年代の長さ を反映している。すなわち、先カンプリア代の岩石が露出する地域の石英は. 30.

(31) 11.0∼17.1(単位:2.51e+13vacanc ies/g)という大きな値を示すのに対し、. 中生代から古生代の岩石が露出する地域で3.3∼4.7、第三紀層の地域では2.0 ∼2.8、第四紀層では2.0未満となることが、現在までにわかっている。.  今までに明らかになっている日本や中国のESR値との比較検討も考慮し て、本研究では日本国内の6カ所、台湾の5カ所、およびニュージーランド の8カ所の試料を選び、風成塵起源と微細画分と現地性と考えられる粗粒画. 分に分離してESR分析を行った(表1,図9)。なお、一部の地域につい てはMIS 2以外の時代に相当する試料も分析に供した。.  日本国内では宮古島および西表島で13.2∼13.4程度の高い信号強度が検出 された。すでに与那国島の黄色土の分析値が9.7、沖縄本島ケラバルで6.2と. いう値が得られていたが(成瀬,1996)、本研究で宮古島以南と沖縄本島以. 北ではESR値の傾向に差があることが明確になった。.  これに対し台湾南端に位置する関山およびガランピーの微細石英のESR 値は5.2∼5.8、北部の背甲および甲立では2.2∼3.3となり、南西諸島南部の 高い値と違って低い値を示している。.  シラス台地の古土壌から8.1という値が得られたが、これは長崎県七つ釜 の玄武岩台地上の土壌の7.8、香川県屋島の8.7という値(いずれも成瀬,1996) に近似している。.  また、下北半島尾月では6.9であり、津軽半島牛潟の古砂丘の12.6に比べ てかなり低くなっている。同じように北海道西岸の苫前で12。7であるのに対 して十勝平野帯広で7.4という低い結果と調和的である。.  ニュージーランド試料のうちRataとPorewaはそれぞれMIS 3,4に相当す るが、それ以外はMIS 2に相当するレス層から採取したものである。 Kaipara、. 31.

(32) ManawatuおよびOhakeaの3試料が北島から、 Akaroa、 TeAnauおよびBalclutha が南島で採取した試料である。. 1400E. 100。E. 1800ε. ,. 奄   ● P7.1. 1L5. の 隔. ∼ 、. 10.0 6.0. 12.. 7.4. 12.. r, ,.  *7.4. 6.9* ●.  ’ 窒X. ,●. ... !. 12.7. 4◎o. ●. 82. 7ユ ●. ・. 6.2. 5.5*. \. 8.7. ’. ●. 7.8. 8.3 V.4. 砂. 5.8. W.1. 7.6. .8. 9 勲. 6.2. 20。 13.2 13.4 9.7. ’. b oo. euator. 9. 、.  ○.     . aDO o. 2、   、、    ●㌔.  ●亀自● f    ’   ’. C    鯉,r3ク ’  9. ●. 、で ●.. σの. 20。. 、㌔.. **0.7. ㌔」 40。. 口. 4.7*. 8.O* ◎. 18.0 ユ0.5. 140。E Fig.1 ESR 8ignal iコteロgiUe80f e6聾an dust qu紅tz ip MIS 2{2.51. u3 v・㎝a醍●8/g〕.  倉oont&【ロ血ated by bcal mate仙   ●●Quat8rna■y vo㎞ロic qua虞工. 図9 太平洋西岸におけるM【S2の風成塵のESR信号強度    N:L:北西モンスーンの影響範囲の南限.    SL:冬季亜熱帯偏西風ジェットの影響範囲の北限               32.

(33) サンプル地点. 粒径 石英 %. qADAR5. ュ20 @ 39.4 2,278. RADAR13. 〈20. 77.1 1,862. 関山3. く20. 34.5 2,092.         . 「 一 .   .  . .  .   一 . . ・ . .. 客1書. i講. _h_馳_一 r L」一 一 國 ..幽... 一 .. . .  .      . .「「 一.. ヨ山11. 、σ ?ェ. 林口2. 45〈. 100.0 iT−f96. ;…ヨ1. RADAR13. 45〈. 85.2 1,112. F蛙1=…!i. 関山3. 45〈. 100.0 2,074. 45〈. RADAR5. 87.6 .1,2.. 1. 2・1. 40.1 .…. @ 57.0 Q,570 97.1. 車均. 犀S噸璽. 粒径 石英 % 竜洞2. D・. ... 改測 平均. ESR. ESR 旱1噸正値 2.229∵. 〈20. 竜洞2. ;.緬 .21ご…・言i. ∼4u. U6.4. 関山1一...一. @』』一.. 二二2. 一 一 一 一 一  一 一 ・. 一 一  匿 一    −    罰 L 一  一  . . . .. 一. S5〈. @ 67.9. 45〈. 89.9. 乏..繭. @  5β ≒ 6.3. @  3.3.. W1.8 .34乳9 .43.1. セ1;…i6・1. ・茎::暑. 琴.就. o,035.._⑨::◎ζ. ._.._._、.ま_藁. 改測 平均. 一. .奇警§=. 38.6 デ. 〈20. 西表島. 改測 平均 〈20. 宮古島. 改測. 平均 種子島 長谷野. 〈20. 改測 平均 鹿児島市犬迫町荒磯. 30.9 4,223. .…西表島. 45〈. 96.1. 6.815.... .璽. 31.6. 7」. 31.3 34.3 5,984. 1 .、. 20〈. 4.5. 45〈. 34.4 0,054 1 σ:・1蓮. 45〈. 42.0. 、整鵬大塚山. 45〈. 26.0. 下北半島 唱曲 Rata. 45<. 21.5. 45〈. 67.2. 宮古島. 45.3 39.8 :. 、墜子島長谷野. 24.8 0,324 37.0. .葡. 30.9. 〈20. 10.4. 改測 平均. 23.6. 1・92・:.. 大根島 大塚山. 〈20. 51.0 2,792. 下北半島 尾駁 Rata. 〈20. 30.0 2,059. 〈20. 55.3 1,649. .毒筆1;. i;. .i:. 鹿児島市犬迫町荒磯. ・.184:、. ユτ. 1:ll計…: 内国去 曽. Kaipara 1. 〈20. 56.7 0,145. Kaipara 1. kaりara 2. 〈20. 62.0 0,421 …1.. kaipara 2. Porewa. く20. 51.3 0,823. Porewa. Te Anau. 〈20. 64.5 i:. 〈2G. 68.1 1・61gl 45〈. 」些。;. Ohakea. 45〈. il. 0,940. 〈20. 23.7 1,886. Akaroa. 〈26. 27.8 5,000. Balclutha. 〈26. 19.0 2,000. 80.2 2.3. Manawatu. .・. 1墾.. 53.2. ・…{liii;. 23.0. 鉄除去. Manawatu. 言li…華. 87.2. 3,000. 鉄除去. Ohakea. 丁eAnau. 45〈. 1迦:1 Akaroa tO遷i5 Balclutha. 表1.ESR測定値と石英含有率. 33. …:li.細.. 45〈. 65.7. 3,211. 63〈. 75.5. 4.6. 63〈. 74.5. 2.1. 4.1.:.9.. .:.; 乳;:0・ 21.8..

(34)  北島の試料のうち、Kaipara(0.7)についてはE S R信号量が小さいが、 Ohakea(4.1)とManawatu(8.0)でやや高い値が得られた。 南島の試料ではAkaroa(18.0)とBalclutha(12.6)で高い値を得たが、 Te Anau. の氷河鯨骨に堆積したレス(厚さ1m)は相対的に低い値(417)であった。. 6 考察. 6−1 粒度組成から見た古環境∼最終氷期以降の台湾の古環境 (1)関山の粒度組成と古環境.  関山1∼18の試料を採取した地点は、石ら(1989)によるKNP一∬面上 に位置し、最終間氷期に対比される恒春石灰岩上に貝やサンゴの破片を含む ラグーン堆積物と、その上に厚さ140αnの赤黄色土が堆積している。したがっ て、この赤黄色土は最終氷期以降に堆積したものである。.  5−1(1)で述べたように関山では、中央粒径に大きな変動が認められ る。それは関山18から関山10までは中央粒径が細粒で(8.0φ∼9.2φ)ある が、関山9で粗粒化(中央粒径6.7φ)し、劇画分も50%に達する。.  上述のように関山は海成段丘上に位置しており、付近から流れ込む河川堆 積の直接の影響を受けないことから、この変化は風成堆積環境変動を示して. いる考えられる。すなわち、関山9以降は環境の変動幅が大きくなり、風成 堆積物の量が増減を繰り返すような気候変動があったことが推測できる。.  例えば、関山9の堆積した時代に粗粒物質の供給量が増えるが、関山8お よび7は一転して中央粒径が9φを超えて細粒化し、粘土画分も多くなって. いる。しかし関山6よりも上では再び粗粒化(7φ未満)し、関山4では砂. 34.

(35) 三分が顕著に増えている。.  Xiaoθ’a1..(1995)は中国黄土高原のレスについて粒径分析を行い、約. 2万年前と6万7千年前の堆積層で中央粒径および最大粒径が粗くなること を指摘し、それぞれがMIS 2およびMIS 4に当たると報告している。この研 究が中央粒径の変動が気候変動、特に寒冷で乾燥し風の強い時代と温暖湿潤 で風の弱い時代の指標となりうることを示しているように、関山9おまび関 山4の時期には気候が寒冷化して風が強くなり、砂サイズ物質の堆積量が増. えたのであろう。また、関山9以前と関山8∼5の時期には気候が比較的温 暖であったことが考えられ、それぞれをMIS 4,2,3に対比可能である。.  また、関山3∼2ではやや細粒化の傾向が見られることから、MIS 2に対 比される寒冷期後の温暖湿潤化を反映しているものと考えられる。関山1で は再び粗粒画分が増加するが、この試料については地表面の改変の影響を受 けている可能性もあり、古環境を反映しているかどうかは即断できない。. (2)ガランピーの粒度組成と古環境.  ガランピーの試料は関山と同じくKNP一皿面に対比される。恒春石灰岩 の上にのる厚さ約2mの赤褐色土壌層から採取した。したがってこの土壌断 面もやはり最終氷期以降の環境変遷を記録している可能性もある。.  中央粒径は土壌断面最下部lmAR15では9.6φであるが、最上部では3.2φ となっており、下から上に向かって粗粒化している。一方、砂サイズの含有 率は中央粒径の変化と呼応するように上部の試料ほど高い比率を示している。 特に㎜ARl 4では約54%と急激に砂画引が増え、粘土野分が少し減っている。.  このことから、㎜1凪1堆積時には最終間氷期が終了し、かわって寒冷化が. 35.

(36) 始まり、風成砂の供給量が増えたものと考えられる。なおこの推測を裏付け るように、ガランピー付近には東よりの風によって形成された古砂丘および 現生砂丘が発達しており、現在もなお段丘上に風成砂が堆積している。. 6−2 風成塵の供給源と古風系. (1)ESR分析と風成塵の供給源  既に述べたように、風成塵に含まれる微細石英の酸素空格子信号量は、経 過した年代の関数として得られる(図8)。  一方、土壌試料には供給源を異にする母材が混入していることが一般的で、. このことは本研究の粒度組成の特徴からも支持される。このため、中国黄土 高原のレスや日本および韓国各地の土壌試料の酸素空格子信号量は、こうし た時代を異にする石英の信号量が干渉しあった形で表れている。 黄土高原・韓国土壌. 沖縄ケラバル. 黒田低地. 帯広. 5.3∼8.3. 6.2. 5.5∼8.5. 7.4. 陸棚起源の石英. 黄土の影響. 火山灰の影響. }. 表2東アジアの土壌のESR値 (成瀬,1996;成瀬・小野,1997ほか).  このような事実を参考にして本研究では日本列島、台湾およびニュージー ランドの風成塵の給源を、ESRの信号強度をもとに特定することを試みた。. (2)各試料中の風成塵の給源. 1,下北半島六ケ所村尾駿 ESR[20μm≧ 6.9] 尾駁の試料は段丘崖の露頭から採取したもので、粘土分が40%弱を占める.                 36.

(37) シルト質粘土である。この試料中の微細石英の酸素空格子信号量は6.9であり、. 陸奥湾を挟んで西側に位置する津軽半島・丁丁の古土壌中の微細石英12.6よ りかなり低い。.  この理由として火山灰の混入が第一に考えられる。それは試料に含まれる20. μm以下の粒子中に石英が30%と少なく、しかも顕微鏡による観察でも火山 ガラスの混入が認められるからである。.  北西モンスーンの影響を直接受ける津軽半島に対して、下北半島東部の六 ヶ所村は十和田湖や八幡平、洞爺火山などの火山灰の影響を受けやすい位置 にある関係で、津軽半島よりも低いESR値になったものと考えられる。図10 の組成も4つのピークを持つ複数の起源をもつ物質が混合した状態にあるこ とを示している。.  これは北海道の日本海に面する苫前や羽幌の10.0∼12.7に対し、内陸部の. 帯広で7.4であること(成瀬1996)とも調和的である。  12%                                        100%.  10%. 1.                        80% 1 1済.  8%. 1.                        60% 1亭.  6%. I!. 1. ;晦1. ll.                        40% P. 輝. !ll緊ll.  lllτ  叩II.II埋Il洲II.  4%. 冤!lI慧. 罐譲、..雌. II泌Plill幌ll. 1曝・. 、Ill….   奄戟@1端{、1・.PP.                        20%  2% 、!.lll ・llllllド・IIIIIIiI II IIE   翻III宇.  III唾P貢. i:. [.. B1動P. Iili. 酷ぎ 1.  0%                                        0%.    1245781011. 組成比             φ           累積比. 図10粒度組成 六ケ所村尾駁. 37.

(38)  以上のことからこの地域の風成塵は、シベリアやモンゴル高原の先カンプ リア紀の古い岩石が分布する地域からもたらされた広域風成塵に現地性物質 が混合したものと考えられる。.  2,大根島 ESR[20μm≧ 5.5・45μm< 0.7]  大根島は玄武岩質溶岩からなる島である。この溶岩には石英がほとんど含. まれておらず、試料中にも45μm以上の画分に石英が26%しか含まれていな い。これに対して20μm以下の微細粒子では、石英が55%を占めている。.  無機成分には2.0∼5.0φの画分が少なく(約26%)、5μm以下が50%以 上に達しており、bi−modalもしくはtri−modalな粒度組成となっている。こ のことからも、複数の供給源をもつ物質が土壌母材となっていることが考え られる。.   8%                          100%.   7%                        80踏   6%   5%                        60踏   4%   3%                         40器.   2%                        20財   1%   0%                          0%. 組成比 1 2 4 5 7 8 10 11  累積比              φ. 図11粒度組成 大根島. 45μm以上の粒子が0.7という低い値を示す理由としては、試料を採取した. 38.

(39) 大塚山は標高43mのスコリア丘であり、まわりには大山などからの火山灰や、 周辺の中生層∼古第三紀層の山地(日本の地質『中国地方』編集委員会,1987). から中海や日本海の海底に運び込まれた物質が、海面の低下した氷期に大塚 山に吹き上げられたためと見られる。.  粒度分布を見ると砂サイズの含有率が高いので、それほど遠くないところ に起源をもつ物質が多く混入していることを示している。このため微細石英20. μm以下のESR値も、こうした物質の影響を受け、5.5というやや低い値に なっているのであろう。. 3,鹿児島市犬迫町荒磯. ESR[20μm≧ 8.1].     12%. 80路.     10%. こ1. 60%.      8器 剛. 繕.      6%. 40%. II川 `lll卍llll夏・、II≒・III膣li 、. 縄、羅1.      4%      2%. 璽i..  lll. lP. 20%. {1㌧. mll.      0器.   組成比  1  2. 、 轟  P. 457810}1     φ. 0路. 累積比. 図12粒度組成 鹿児島市犬迫町荒磯. 本地点は姶良カルデラなどから噴出した火砕流堆積物からなるシラス台地 上に位置している。試料は風化したシラスの上に堆積する上・下部2枚の古. 39.

(40) 土壌を挟む土壌断面より採取した。下部古土壌A層からは16,970±280yrBP. という年代が得られており、最終氷期最盛期およびその直後に堆積した土壌 である。.  成瀬ほか(1994)によると下部古土壌A劇中の20μm以下の鉱物には、シ ラスにはほとんど含まれていない雲母類や石英が含まれており、これらが外. 来起源であることを示唆している。また、風化シラス層や下部古土壌A層の. 下位にあるB2層では20μm以下の画分がおおむね40%未満と報告されてい る。本研究で分析に用いた下部古土壌A層になると20μm以下の画分がおよ そ90%にも増える。この下部古土壌A層には20μm以下の鉱物中に23.6%の 石英が検出され、ESR値は8.1となっている。  この値は長崎県七つ釜の玄武弓台地上の試料から得られた7.8や香川県屋島. の8.7、中国黄土高原や韓国の土壌から得られたESR値ともほぼ一致する。.  以上のことから、この試料に含まれる微細石英は中央アジアから飛来した 風成塵である可能性が高い。. 4,種子島長谷野台地 ESR[20μm≧ 0.9・45μm< 0.16]  本試料は種子島長谷野台地のローム層から採取したものであり、構成物質. の粒度分布は20μm以下の割合が約90%に達している。6φ付近にピークが あり、広域風成塵の混入の可能性を示しているが、石英含有率は20μm以下 の画分では37.0%、45μm以上で34.4%であり、両者に大きな差は見られな. い。ESR値は第四紀層の値の範囲にあるので、火山灰や陸棚起源の物質な ど現地性の成分が支配的であると判断される。. 40.

(41) 80%. 12%. 10%. 一. 60% 醸ll. 8% ill. 、.. lllllll. 6器. {!lI 峯. 40%. 11 訓lii. 4%. 霧. 蹄. 葦 ill . lll:1 ii}. 割. ㎏. 20渚. 川III{. 11姉、IlI. 賠I/. 2器  聴「、. 組成比.  箋 {㍉.. hlil細.   1II旨罹P:lll. I/『 ・1.   0%. 1㌧. 1. @    1!III. C1. ニ. r、 lrI. F・、. 0器. 累積比.       φ. 図13粒度組成 種子島長谷野台地. 5,宮古島高野 ESR[20μm≧13.2]   西表島浦内川河口 ESR[20μm≧ 13.4・45μm< 7.1]  南西諸島では沖縄本島や喜界島で6.2∼7.6とやや低く、与那国島では9.7と. いうやや高い値が得られていた(成瀬ほか,1996)。この違いを確認するた めに、与那国島に隣接する宮古島と西表島の試料を測定した。.  宮古島試料の構成物質は15μm付近と1μm未満にbi一皿odalなピークを持 ち、シルトサイズの割合も22%と高くなっていることから、土壌中にシルト サイズの物質が大量に付加された可能性が示唆される。なお、20μm以下の 石英含有率は45.3%である。. 41.

(42) 80%.  9%  8%  7%  6%  5%  4%  3%  2%  1%  0%. 60%. Il/嶺 40%. llIlI. 20% P IIIlll ll』. 0%. 組成比1 2 4 5 7. 8  10 11. 累積比.             φ. 図14粒度組成 宮古島高野 100器.   20男   監8%. 80鑑.   16寄   14%. 60鬼.   12%   且0完. 1購 40毘.   8%   6%. Il『1旨:垂.   毒.   4%   2完   0%. 20器. 貼1:. 1 …1羅. 錘. 0完. 2     4. 5. 組成比. φ7. 8     1①. 日. 累積比. 図15 西表島における粒度組成.  一方、西表島では100μm付近に大きなピークがあり、中央粒径は4.3φ付. 近である。しかし、6μm付近にもピークを持つbi−modalな外来のシルト十 分が付加された可能性を示している。. 42.

(43)  また、ESR分析の結果はいずれも高い測定値であった。こうしたことか ら宮古島および西表島の黄色土層には、先カンプリア紀などの古い地質の広 がっている地域から飛来した風成塵が大量に混入していると考えられる。.  このような高い酸素空格子信号量は、高緯度コースを北西モンスーンで運 ばれた風成塵の場合は福井県敦賀市の中池見湿原で得られた12.1(鈴木,. 1997MS)が南限であり、中緯度コースにあたる中国黄土高原やタクラマカン 砂漠の測定値(8,2;成瀬,1997)をも上回っている。.  宮古島や西表島は冬季の北西モンスーンの影響を受けにくい地域であるの で、風成塵の供給源としてシベリアやモンゴル高原を考えることは現実的で はない。このような大きなESR値を示す地域はシベリア(Suzukiθ∫81., 1997)の他に、先カンプリア代の地層が広く露出している中国南∼西部やイ. ンドが候補地となる。しかし、これらの試料の分析が終えていないため風成 塵の供給源は特定できていないのであるが、南西諸島は冬季の亜熱帯ジェッ ト気流の支配下に入る地域であることから、風成塵が中国南西部や南アジア から供給された可能性ことを考えることは特に不自然ではない。. 6,台湾北部.   竜洞 ESR[20μm≧ 3.3].   后里 ESR[20μm≧ 3.3・45μm< 3.3]  竜洞の粒度組成は6φ付近にピークを持ち、シルトサイズが約17%を占め、. 粘土合分も57%に達している。また、20μm以下の石英は68.3%の含有率を示 している。一方、后里2の粒度組成を見ると中央粒径が5.2φ、砂サイズの比. 率が約54%に達している。20μm以下の石英含有率は66.4%、45μm以上の. 43.

参照

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