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昭和61年(1986年)11月13日北空知地方の地震調査報告

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日北空知地方の地震調査報告申

札幌管区気象台特 岩見沢測候所*林 留萌測候所*林* ~ 1. 概 要 昭和61年 11月13日21時44分頃,北海道の北部から 南部にかけ,かなり広範囲に地震を感じた. 乙の地 震の震源地は北空知地方(北竜町付近)で,気象宮署 での最大震度は3(留萌)であったが,北竜町,沼田 町,留萌市の一部では小被害が発生しており,震度 5程度と推定される. 岩見沢測候所および留萌測候所では, 11月14日, 現地調査を,また,旭川地方気象台では,電話lとよ り近隣市町村の震度等の聞きとり調査を実施した. 余震は, 23回観測され,そのうち 10回位は北竜町, 沼田町で震度2--3程度であった. ~

2

.

震源要素 気象庁が決定した震源要素は次のとおりである. 震源時(OT) : 21時44分07.9秒士0.2秒 震 央(cp,A) : 430 49.0'N

:

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1.0' 深さ(H) : 8km 規 模(M) : 5.5 ~ 3. 震度分布 本震による各地の震度および震度分布は,現地調 査・電話による調査分も含めて,それぞれ第1表・ 第1図に示したとおりである. 震度分布の形状は,同心円状で、はなく,南北にの びた形を示している 43 ~

4

.

前震と余震 前震と考えられる地震は観測されなかったが,北 海道内陸部では,最近,局地的な地震が多くなって いる.例えば,昭和61年 8月23日から 31日までの留 萌支庁北部の群発地震がある。参考のため,昭和61 第1表 本 震 の 各 地 の 震 度 震度 観 リ調 地 名 5 北竜,沼田,幌糠 4 峠下,樽真布

3

富良留萌野,小平,秩父別,滝川,富良野,上 旭川,岩見沢神,札幌,揮小樽,寒倶知安,苫 2 小 牧 美 瑛 居 古 和 士 別 増 毛幌延,古丹別,苫前,羽幌,初山別,遠別, 稚内,帯広,名寄 46 44

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4S 2 倶知安 稽広 42 n u z d 守 l n 図 伽 J -布 ー

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牢SapporoDistrict Meteorological Observatory, Iwamizawa Weather Station. and Rumoi Weather

Station ; Report on the Earthq uake of the northern part of Sorachi町gion,Hokkaido, 13

November 1986. (Received ]an.29, 1987.) 料編集者:桧皮久義

料水現地調査者:横尾勝利,武田信行 材料現地調査者:島田泰生,富沢節夫,佐藤徹

(2)

120 験震時報第 50 巻第 3~4 号 A胆振支庁東部 自高支庁

1

2/16,2/17,4/2,4/26,5/1,5/19 6/13.8/15 , 11/13 , 12/?O ,~・ax3.4

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第 2図 1986年の北海道付近の震源の深さ 50km未満の浅い地震の震央分布図(図中の数字は,地震 発生の月/日, Mはマグニチュード, Mmaxは同最大値を表わしている) 年の北海道付近の浅発地震(深さ 50km未満)の震央 分布図を第

2

図に示した 余震活動は,本震直後から余震が発生し, 24分後 の22時08分に最大余震である M4.1の地震が発生し た.昭和62年

1

3

日までに震源地付近で有感の地 震を含めて,余震は23回 観 測 さ れ た 第2表に余震 の表を,第3図に震央分布を示した ~

5

.

発震機構 気象庁の北海道内の観測点,および北海道大学の 観測点での初動の押し引き分布で求めた本震の発震 機構は第4図,第3表のとおりである.どちらの節 面が断層面であるのか不明であるが,主圧力軸がほ ぼ南東一北西の水平な方向を向いた横ずれ断層で、あ り,過去に乙の地域で発生した浅発地震の発震機構 (森谷, 1986)とほぼ一致している. ~ 6. 過去の地震活動 空知地方でこれまでに発生した浅発地震(札幌管 区気象台, 1985) は,第 5図に示したように,朱鞠 内湖付近(A区域)で, 1930年 8月17日および 1934年 9月19日に M5.0程度の地震が発生し,添牛内で震 -

(3)

80-余震の表 番号 発 震 時 震 源 記 事 年 月 日 時 分 秒 北 緯 東 経 深さ M 1986 11 13 21 45 度 分 度 分 km 2 21 47 15.0 43 50.8 141 50.5 10 3.7

m

:

沼田 3 21 47 4 21 48 5 21 50 44.1 43 48.7 141 50.9 5 3.2 6 21 52 7 22 00 54.0 43 51.0 141 49.1 15 8 22 08 50.7 43 48.9 141 51.2 4.1 ll:留萌, I:岩見沢 9 22 10 18.1 43 49.8 141 51.1 9 10 14 01 16 30

.

4

43 48.8 141 52.4 6 11 03 33 12 20 29 ll:沼田 13 15 05 29 ll:沼田 14 10 55 15 16 04 02 16 20 01 18 46.3 43 50.1 141 52.0 9 3.1 ll:北竜,美葉牛,岩村, 1 :小豆沢,和,板谷 17 03 54 49.1 43 48.8 141 51.9 20 ll:北 竜 18 24 00 40 25.5 43 48.2 141 51.3 4 3.7

m

:

沼田, 1I:北竜,妹背牛 19 25 01 20 08.9 43 51.7 141 52.6 15 2.9 ll:沼田 20 28 23 12 10.6 43 49.3 141 53.0 4 3.2 ll:沼田,峠下,幌糠 21 123 05 48 19.5 43 51.6 141 50.2 17 ll:沼田, I:峠下,幌糠,樽真布 22 6 20 39 18.0 44 06.6 141 46.6

(データ不足のため震源不正確) 23 1987 1 3 10 23 45.5 43 50.3 141 52.1

I :沼田,五ケ山牧場 第

2

表 141-3O

M:

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本震および余震の震央分布図

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(4)

122 N 験震時報第 50 巻第 3~4 号 第

4

図本震の発震機構(上半球投影)

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引き 第3表 発 震 機 構

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AU dip angle 800 700 inclination 840 680 azimuth N2360 W N3310 W 440 14t30' 第5図 空知地方の過去の地震活動(図中の数字 は地震発生の年, M:マ グ ニ チ ュ ー ド ) 度4であった.いずれもその後数日から10数日間余 震が観測されたことがある。今回の震源地付近の北 竜町から幌加内にかけての雨竜川流域(B区域)では, 1981年 4月19日の M4.5,旭川および留萌で震度 3 の地震が最も大きく,他は M 4以下の小地震で,い ずれも被害はなかった 今回の地震(M5.5)は,空知地方としては,最大 級のもので,被害が発生したのも初めてである. ~ 7. 被害状況 被害は空知支庁と留萌支庁の

2

支庁で発生したが, 建造物の倒壊などの大きな被害はなかった 各市町村別の被害は第4表の通りであるが,人的 第4表 被 害 総 括 表 (件数) 支 人被害的傷負( 人〕 住 非 道 橋

設施 商ロ家財ロ日 他諒の設 市町村名 住 庁 家 家 路 梁 北 竜 町 40 12 3 7 クこに¥:r 沼 田 町 85 7 I 4 3 I 4 15 5 知 秩 父 別 町 3 9 9 支 妹 背 牛 町 35 5 庁 深 川 町 7 滝 川 町 2 留 留萌市幌糠 4 3 萌 留萌市東幌 支 留萌市樽真布 庁 留萌市峠下 注:商品,家財,什器等の被害件数は調査対象数 のみを示した. 被害は北竜町で落下物による頭部軽傷が1件あった のみである. 建物被害ではモルタル壁のはく落・亀裂や集合煙 突の折損が目立つており,物的被害では食器,棚上 物の落下破損が大部分であった. 被害の発生地域はおおよそ震央を中心として北お よび、東に約 10km,南には約15kmの範囲であった. ~ 8. 地震記象 札幌管区気象台管内の59型直視式電磁地震計と比 較的大きな振幅の観測された強震計の記録を第6図 に示す. 各地震計の定数は次のとおりである.

(

1

)

59型直視式電磁地震計 倍率: 100倍,固有周期:5秒,減衰定数:0.5 -

(5)

82-写真1 北竜町岩村地区民家の落下したレンガ造 り集合煙突の一部(岩見沢測候所撮影) 写真

2

沼田町第

4

民家のレンガ造り集合煙突が 折損し, トタン屋根を突き破る(沼田町 提供)

(

2

)

強震計 倍 率 倍 , 固 有 周 期 : 水 平6秒,上下5秒, 制振度:

8

~ 9. むすび 今回の地震は,空知地方で乙れまでに発生した地 写真3 留萌市東幌の民家のブロック造り集合煙 突崩壊(留萌測候所撮影) 震では最も大きかった.前震は観測されていないが, 最近北海道の震源の浅い内陸地震が活発化している 状況にある乙とが注目される. 発震機構は,主圧力軸がほぼ南東一北西の水平な 方向を向いた横ずれ断層で,過去に乙の地域に発生 した浅発地震の発震機構とほぼ一致している. 乙の 地震による人的被害は 落下物による軽傷が1件あ った.物的被害では,集合煙突の折損または倒壊が 目立っていた. 乙の地方の地震で被害が発生したの は初めてである. なお,発震機構解析のため,北海道大学の地震観 測点のデータを利用させていただきました.厚くお 礼申しあげます. 参考文献 森谷武男(1

9

8

6

)

:浅い地震活動と起震歪力から見た 北海道のテクトニクス 地図研専報, 31, 475-485. 札幌管区気象台(1985):北海道の内陸地震(浅い地 震,北海道の地震活動)27-85.

(6)

124 験 震 時 報 第50巻 第3-4号

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第6図 -a 59型直視式電磁地震計による記象

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倍強震計による記象

86

参照

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