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Academic year: 2021

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1  巻頭言

「生活科学」とは何なのか

星 野 晴 彦

(生活科学研究所 研究部主任)  文教大学付属生活科学研究所が設立されて以来、30 年余が過ぎた。そして、「生活科学研 究」も本集で 34 集となった。今自分自身がこの生活科学研究所に関わらせて頂きながら、 本当に多くの方々の熱意と努力の蓄積が、この研究所をここまで支えてきたのだと実感して いる。  ただ、ふと考えさせられるのは、私たちが今当然のように口にしている「生活科学」と は、そもそも何なのであろうか。実は、そのようなことを深く考えることも無いが、明らか にしえていないところがあるのではないだろうか。私たち人間が生きているところ、至ると ころに生活がある。それを反映してであろうが、本集に掲載した論文を見ると、その内容や 領域は生活科学の基本である家政学に加え、社会学、社会福祉学、教育学、心理学など、多 岐にわたっている。  また、内容や領域の広さがあることに加えて、時間の経過によって変化するものと変化し ないものがあることも見逃してはなるまい。  変化しないことの一つは人間の生活を考えるに当たり、一つの学問領域では完結しえず、 それぞれの学問領域を超えた議論が必要になるということである。それは、本質的に変わり が無いのである。他方で変化したことでは、今年度研究プロジェクトの一つとして取り上げ られている「男女共同参画」に関してである。男性が育児に積極的に参加するように支援す る社会情勢は、誰が想像しえたのであろうか。父は仕事でほとんど子育てに関われないこと が、かなり最近まで当然視されていなかったであろうか。そうでない生き方に対して、違和 感を持ってみてきたのではないだろうか。「イクメン」を支援する企業の存在など、かつて 想像しえたであろうか。  改めて「生活科学研究」のタイトルを見直して、「生活を科学する」ことの、深さと広さ、 そして時間による変化の有無という、複合性を感じさせられる。多くの先輩たちが作り上げ てくださった「生活科学研究」の蓄積に甘えることなく、私たち自身が生活の複合性を、科 学の目で真摯に見つめ続ける必要があるのではないだろうか。

参照

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