第2学年〇組 道徳科学習指導案
指導者 ○○ ○○ 1 主題名 社会への貢献 内容項目C-(13)勤労 資料名「小さな工場の大きな仕事」(中学校道徳「あすを生きる2」日本文教出版) 2 主題設定の理由 ○ 「勤労」とは,自分の務めとして心身を労して働くことである。そして,職業は,一人一人の人生において,重要 な位置を占めており,人は働くことの喜びを通じて生きがいを感じ,社会とのつながりを実感することができる。し かし,技術革新の進展や経済・産業が急速に進む中,近年,現代社会は巨大で複雑な産業社会となり,自分のしてい る仕事の意義が見えにくく,自らの目的を持ちづらくなっている。これまであった仕事が姿を消し,新しい仕事が創 出されていく社会の中で,職業とは何かについて考えることは大切である。本主題に関しては,第2学年において「社 会への貢献」について学び,第3学年では,「自分に大切な勤労の尊さ」へと発展していく。3年間を通して,勤労の 尊さや意義についての考えを深め,勤労を通して,社会貢献に伴う喜びが自らの充実感として生徒一人一人に体得さ れ,心から満足でき,生きがいのある人生を実現しようとする意欲を高めていくことは大変意義深いことである。 ○ 本校では,第2学年において職場体験活動を実施している。本学級の生徒も,今年の7月に職場体験活動で2日間 それぞれの事業所で活動を行った。事後のアンケート結果によると,「職場体験学習がこれからの自分の生き方を考 える上で役にたった。」と答えている生徒がほとんどである。また,将来自分の就きたい職業はあるかという質問に 対しては,「ある」と答えている生徒が16人,「迷っているがある」が12人,「ない」が6人という結果であり,多 くの生徒が自分の将来について,現実的に考え始めていることがわかる。しかし,働く目的については,「自分のため に働く」「生活するために働く」「欲しいものを得るために働く」,そのためには「苦労せずに高収入が得られる職業」 に就きたいという安易な考えをもつ生徒も少なくない。そこで,今回の道徳の授業を通して,職場体験を振り返り, 自分の将来の生き方について真剣に向き合う姿勢を養いたい。そして,勤労の意義を理解し社会に貢献しようという 心情を伸ばし,育てていきたい。 ○ 本教材は,東京都大田区の小さな町工場で生活している中学生の主人公「僕」が,職場体験や家族のふれあいをと おして,勤労や職業について理解を深めていく内容である。大きなゲームソフト会社と小さな町工場という外見的な 相違によって自宅の仕事に不満を持っていた「僕」が,小さな工場の仕事に含まれた大きな意味に気づくという内容 である。本主題の指導にあたっては,「僕」の心情の変化をとおして,職業への理解を深め,勤労の意味を考えさせた い。そのために,導入段階においては,主題への問題意識を持たせるために,職場体験のアンケートをもとに自分た ちの職業観を確認する。展開前段においては,資料を読み,「僕」の心の変容を共感的に理解させ,職業についての見 方を深めさせるために,「父の黒い手が誇らしく見えたのはなぜか。」を中心発問とし,交流活動を行う。そして,展 開後段においては,価値の一般化を図るために,「人は何のために働くのか」働くことの意義や自分の将来の生き方 を考えさせる。終末段階においては,本時の感想を自分の言葉で書き残すことで,今後の実践意欲につなげたい。 3 研究の視点 着眼①「中心発問とそれを生かすための補助発問の工夫」 本資料を通して生徒に自覚させたい道徳的価値は,「勤労」である。「かっこいい」「もうかる」という観点で職業を 捉えていた「僕」の心の変容について考えさせ,職業についての見方を深めさせるための中心発問を行う。そして, 新たな観点から補助発問や問い返しをすることで,生徒がより広い視野で「働く」ことについて多面的に考えを深め られるようにさせたい。 着眼②「自己の心情を表現するための手立ての工夫」 展開後段において,働く目的について考えるとき,ダイヤモンドランキングを活用する。自分の意見を表現するこ とが苦手な生徒も,複数の選択肢から自分が大切だと思うことを順位づけることで,自分の考えを可視化し,整理す ることができるのではないかと考える。また,事前アンケートで自分がランキングしたものと比較することで心の変 容をみつめる手立てとする。 4 本時 (1)ねらい 勤労の尊さや意義を理解し,将来の生き方について考えを深め,勤労を通して社会に貢献しようとする態度を養う。 (2)準備 教科書,ワークシート,ランキング表,電子黒板,教師用タブレット,ホワイトボード,「モノづくり探検」(動画)(3)展開 配 時 学習活動 ◯主な発問 ・予想される生徒の反応 指導上の留意点 (◇評価)着眼➀② 形 態 気 づ く ( 5 分 ) 1 職場体験につい て,アンケート調査 をもとに振り返る。 ○ 人は何のために働くのだろうか。 ・お給料をもらって生活するため。 ・自分の特技や趣味を生かすため。 ○ 職場体験で学んだことを振り返 り,主題への問題意識を持たせる。 一 斉 感 じ る ( 3 0 分 ) 2 教材理解のため に,「モノづくり探 検」という動画を見 る。 3 資料「小さな工場 の大きな仕事」を読 む。 4 「僕」の気持ちの 変化を考える。 ○ 資料に出てきた大田区で働く職人 さんの仕事の様子をみてみよう。 ○ 僕は自分の家の仕事についてどの ように思っていたのだろう。 ・地味で古くさい仕事。 ・コンピュータや機械を使えばいいの に。 ○「父の黒い手が誇らしく見えまし た。」と僕が感じたのはなぜだろう。 ・父親の偉大さを感じたから。 ・家の仕事が世界につながっていること がわかったから。 ・父親の苦労や努力を知ったから。 ・機械やコンピュータよりも優れている 技術を持っていることを知ったから。 ・様々な職業があるから私たちの生活は 成り立っている。 ・たとえ小さな部品でもなければ困る。 ・職業は何であれ,これまで父が努力し てきたことにかわりはない。 ・かっこよさとか見かけだけで判断して はいけない。 ○ 日本の職人の技術は機械にはかえ られないほど卓越していることを押 さえる。 ○ 見た目などで職業を捉える中学生 の現状を,「僕」の姿をとおして考えさ せる。 ○ 母親が作ってくれた弁当を工場の 象徴とし,ゲームソフトの会社と対置 することで,「僕」の心の葛藤について 考えさせる。 ○ 「かっこいい」「もうかる」という観 点で職業を捉えていた「僕」の心の変 容について考えさせ,職業についての 見方を深めさせる。 ○ 大きな仕事だけではなくどんな仕 事でも社会に貢献していることに気 付かせる。 ○ 新たな観点から問い返し,社会と のつながりから多面的にとらえさせ る。(着眼➀) 「父の作っている部品がロケットではなく身 のまわりのありふれたものだったら,僕は父 のことを誇りに思えないのだろうか。」 「小さな工場がなかったら,みんなの生活は どうなるだろうか。」 一 斉 一 斉 個 ↓ 一 斉 個 ↓ 班 ↓ 一 斉 見 つ め る ( 1 0 分 ) 5 働くことの意義 や将来の生き方に ついて考える。 ○ 人は何のために働くのだろう。 ・世の中の人々の役にたつため。 ・自分を成長させるため。 ・自分の能力や適性を生かすため。 ○ 導入のアンケートに触れ,「何のた めに働くのか。」について,もう一度, 自分のこととして考えさせるために ダイヤモンドランキングを活用する。 (着眼➁) ○ 生徒のワークシートをタブレット で撮影し,数名に発表させる。 個 ↓ 一 斉 つ な ぐ ( 5 分 ) 6 ワークシートに 振り返りを書く。 ○ 今日の授業を通して考えたことを 書こう。 ◇ 自己の資質・能力を生かして社会に 貢献することに意味があるといった 勤労観に関わる記述がみられたか。 (ワークシート) 個 ↓ 一 斉 めあて 「働く」とは何か考えてみよう。
(4)板書計画 「 小 さ な 工 場 の 大 き な 仕 事 」 め あ て 「 働 く」 と は 何 か 考 え て み よ う ○ 僕 は 自 分 の 家 の 仕 事 に つ い て ど の よ う に 思 っ て い た の だ ろ う 。 ○ 「 父 の 黒 い 手 が 誇 ら し く 見 え ま し た。 」 と 僕 が 感 じ た の は な ぜ だ ろ う 。 ○ 人 は 何 の た め に 働 く の だ ろ う 。 グループごとの 意見 提示 プロジェクター VTR 投影 生徒のランキング表 投影