- 3 -
るように相互交流活動Ⅲを行う。交流の視点は「みんなで協力し支え合って役割を遂行することがで
きているか」とし、マトリックス表を使って成果と課題を活動の進捗状況、活動の態度、作品の出来栄
えの内容の3点から交流する。そして、
「完成報告会とプレ学級訪問(仮)
」を設定し、作成部(仮)は
それぞれの役割で作成した作品の完成をみんなに報告し、応援部(仮)は学級内で本番と同じように学
級訪問を行う。応援部はプレ学級訪問で出た課題を基に、学級訪問本番へ向けて改善する。その後、公
約学習会、学級訪問を行い、立会演説会前日に相互交流活動Ⅳを行う。交流の視点は「それぞれの役割
は、立候補者を支えるための役に立ったか」とし、立候補者とフォロワーで思いを伝え合い、メッセー
ジ交換をする。立会演説会・投票を終え、当選者が発表された後、生徒会役員選挙の活動の振り返りを
行う。これまでの活動の様子を映像で見て感想を伝え合い、学級の成長や課題について話し合ったこ
とを、これからの学級の生活や次の学校行事「修学旅行」に生かしていく。
3 活動のねらい
◯ 立候補者が当選できるように、学級会や選挙活動において、自分は学級組織の中で自分の意思
で役割を担い、よりよく行動しようとしている。
【関心・意欲・態度】
◯ 「当選」という一つの方向に向かい、学級会や選挙活動において、一人一人が役割を果たすため
に何をすべきか考え判断し、互いに協力し支え合うことができる。【思考・判断・実践】
◯ 立候補者が当選できるように、学級会や選挙活動において、自分の役割を遂行し、
「立候補者を
支えることができた」
「立候補者の役に立った」と感じることができる。また、そのことは学級目
標を達成することにつながっていると分かる。
【知識・理解】
4 活動過程
(1) 事前の活動
過程 日時 活動の内容 ◯ 指導上の留意点 ◇対象・評価規準〔評価方法〕
課
題
の
発
見
◯月◯日
帰りの会
合唱コンクール
の活動から見えた
成果と課題につい
て振り返り、共同
の 問 題 を 設 定 す
る。
◯ 一人一人が感じる成果と課題を
明らかにするために、事前に自分
の考えをもつ場を設定する。
◇学級全体
思考・判断・実践
・合唱コンクールでの自分の活動、
学級の活動について、「学級目標を
達成するために」という視点で振
り返っている。〔様相観察〕
◯月◯日
学年集会
生徒会の意義や
生 徒 会 役 員 の 役
割、生徒会役員選
挙の目的について
考える。
◯ 「生徒会とは」「生徒会役員とは」
「生徒会役員選挙とは」について
視覚的に理解させるために、スラ
イド資料を使って説明する。
◯ 生徒に立候補するための判断材
料を与えるために、生徒会役員か
ら「立候補した理由」「選挙活動に
ついて」「生徒会役員としての一年
間を振り返って」について話を聞
く場を設定する。
◇学級(学年)全体
関心・意欲・態度
・生徒会担当教師や生徒会役員の話
を、自分が生徒会役員選挙の活動
でどうあるべきか考えて意欲的に
聞いている。
〔様相観察〕
◯月◯日
帰りの会
生徒会役員選挙
の 目 標 を 設 定 す
る。
◯ 円滑に討議を進めるために、学
級活動委員で原案を作成し、原案
修正型で話合いを進めるように指
導する。
◇学級全体
関心・意欲・態度
・提案された原案について質問や意
見を意欲的に考え、生徒会役員選
挙の目標の決定に関わろうとして
いる。〔様相観察〕
- 4 -
◯月◯日
学級活動
(2)イ
学級から立候補
者を選出するため
に、生徒会役員に
ついて考える。
◯ 立候補するかどうか自己決定で
きるように、次の2点について集
団思考する。
①どのような人が生徒会役員として
ふさわしいのか
②学級の中で誰がどの役職にふさわ
しいのか
◇学級全体
思考・判断・実践
集団思考の内容と自分の個性や日
頃の生活を比べることで「生徒会役
員に立候補するか」を自己決定し、
選挙活動に向けて目標を設定するこ
とができる。〔ワークシートの分析〕
議
題
の
選
定
◯月◯日
放課後
生徒会役員選挙
の目標を達成する
ために議題を決定
し、討議の柱を設
定する。
◯ 議題を決定する際に「問題を解
決するために生徒会役員選挙で何
を大切にして取り組めばよいか」
という視点を与える。
◇学級活動委員
思考・判断・実践
・共同の問題の解決に向けて、生徒
会役員選挙に対する自分の思いを
言語で表現できる。〔様相観察〕
計
画
の
作
成
◯月◯日
朝の会前
昼休み
学級会の討議の
柱を設定し、学級
会を円滑に進める
ために活動計画を
立てる。
◯ 学級会で円滑な進行を行うこと
ができるように、「◯◯のときはど
うするか?」と一問一答しながら
進め方を確認したり、折り合いの
付け方を助言したりする。
◇学級活動委員
関心・意欲・態度
・進行における一つ一つの状況をイ
メージしてどのように進行するか
確認しようとしている。
〔様相観察〕
問
題
の
意
識
化
◯月◯日
~
◯月◯日
終日
議題を確認し、
学級会までに提案
理由を基に討議の
柱について自分の
意見をもつ。
◯ 討議の柱に対して、提案理由を
基に意見を考えさせるために、学
級会コーナーに討議の柱や提案理
由を提示する。
◯ 一人一人の意見を可視化するた
めに、意見を集約してグラフ化す
るように助言する。
◯ 学級会を円滑に進めるために、
質問は立候補者に事前に渡し、返
答を考えるよう助言する。
◇学級全体
思考・判断・実践
・立候補者を支えるために、2つの
柱について提案理由を基に、自分
の考えをもつことができる。
〔学級会シートの分析〕
相互交流活動Ⅰ ◯月◯日帰りの会
目
的
◯ 自分の意見に自信をもったり、考えを深めて意見を強化したりするため。
◯ 立候補者を支えるために学級会で話し合いたいという意欲を高めるため。
内
容
[学級活動委員からフォロワー]
討議の柱について考えたフォロワーの意見について
[フォロワーから学級活動委員]
学級活動委員の事前の活動や学級活動委員が記入した自分の意見に対するコメントについて
方
法
① 学級活動委員はフォロワーの意見に対するよさや共感すること、アドバイスを付箋紙に記入する。
例)青の付箋紙⇒よさや共感したところ、黄の付箋紙⇒アドバイス
② 一人ずつ順番に付箋紙に書いた内容を伝えて、フォロワーの学級会シートに貼る。
③ フォロワーは学級活動委員の事前の活動に対する頑張りや感謝の気持ち、受け取ったコメントの感
想を付箋紙に記入する。
④ 一人ずつ順番に付箋紙に書いた内容を伝えて、学級活動委員の学級会シートに貼る。
視
点 提案理由に沿った意見になっているか。
- 5 -
(2) 本時の活動
ア 本時のねらい
◯ 立候補者を支えるために、提案理由を基に質問や意見を発表したり、他者の意見から自分の
考えを再構築したりすることで、折り合いを付けて集団決定することができる。
【思考・判断・
実践】
◯ 集団決定した自分の役割に責任をもち、立候補者のために選挙活動の準備で自分の役割を果
たしたいと感じている。
【関心・意欲・態度】
イ 評価規準
関心・意欲・態度 思考・判断・実践 知識・理解
導
入
議題の提案理由を確認し、立候補者
を支えるために、自分がどのように
学級会に参加すべきか考え、行動し
ようとしている。
学級会の流れや事前に考えた質問
や意見を確認し、討議に向けての準
備をすることができる。
事前に考えた質問や意見を発表す
ることは、立候補者を支えることに
つながると分かる。
展
開
他者の意見のよさを考え、立候補者
を支えるためにはどの意見がよい
か判断し、集団決定しようとしてい
る。
立候補者を支えるために、質問や意
見を発表したり、他者の意見から自
分の考えを再構築したりすること
で集団決定することができる。
意見を出し合い、比べ合い、まとめ
る際に、提案理由を基にして考える
と折り合いを付けて集団決定でき
ることが分かる。
ま
と
め
集団
決定した自分の役割に責任を
もち、立候補者のために選挙活動の
準備で自分の役割を果たしたいと
感じている。
集団決定した自分の役割で、立候補
者を支えるためにはどうあるべき
か考え、とるべき行動を判断し目標
をもつことができる。
みんなで話し合い、自分の意思で役
割を決定することは、選挙活動の準
備への意欲が高まるということが
分かる。
ウ 本時の活動計画(生徒作成) ※ P8、9参照
エ 本時の活動(指導上の留意点)
過程 活動内容 ◯ 指導上の留意点 ・評価規準〔評価方法〕
活
動
の
導
入
1 開会の言葉
2 学級活動委員の紹介
3 議題の確認
4 提案理由の説明 ◯ 提案理由を簡潔に想起させるため
に、要点を事前に板書するように助言
する。
関心・意欲・態度
・議題の提案理由を確認し、立候補
者を支えるために、自分がどの
ように学級会に参加すべきか考
え、行動しようとしている。
〔様相観察〕
活
動
の
展
開
5 話合い
(1) 立候補者の公約をより
よくする。
(2) 生徒会役員選挙の学級
組織づくりと役割分担
6 決定事項の確認
※相互交流活動Ⅱ
◯ 活発な質疑応答や意見交流ができる
ように質疑の意味や方法を事前に説明
し、テーマを与えて討議の練習をする。
◯ 円滑に話合いを進めるために、選挙
活動で必要な役割についての意見をグ
ラフ化し、提示する。
◯ 出し合い、比べ合った意見をまとめ
られるように、以下の2点から意見を
収束させることを助言する。
・提案理由
・棒グラフ(必要な仕事)
◯ 出し合い、比べ合った意見をまとめ
られるように、事前に折り合いの付け
方を確認する。
思考・判断・実践
・立候補者を支えるために、質問や
意見を発表したり、他者の意見
から自分の考えを再構築したり
することで集団決定することが
できる。
〔様相観察〕〔振り返りシートの分
析〕
- 6 -
相互交流活動Ⅱ ◯月◯日 学級活動(1)
目
的
◯ 学級全員が決定した内容に納得し、みんなで協力したり支え合ったりして実践するため。
◯ 選挙運動に向けて、自分の担った役割を果たそうとする意欲を高めるため。
内
容 話し合って決定した公約や学級組織、役割分担について
方
法
① 話し合ってまとめた内容を整理して提示する。
② 小集団で決定した内容について、質疑によりよさを出し合いまとめる。
③ 小集団で交流した内容を全体で発表し共有する。
視
点 決定した「公約」や「学級組織」「役割分担」にはどのようなよさがあるか。
活
動
の
終
末
7 自己評価
8 学級会の評価(議長)
9 教師の話
10 閉会の言葉
◯ 学級活動(1)の一連の活動の価値付
けをするために、次の3点について話
す。
・学級活動委員の事前の活動
・集団決定できたこと、決定事項の価値
・実践について
※合唱コンクールのスライドショー
関心・意欲・態度
・
集団
決定した自分の役割に責任
をもち、立候補者のために選挙
活動の準備で自分の役割を果た
したいと感じている。
〔アンケートの分析〕
(3) 事後の活動
過程 日時 生徒の活動 ◯ 指導上の留意点 ・評価規準〔評価方法〕
実
践
の
準
備
①
◯月◯日
~
◯月◯日
朝の会前
昼休み
放課後
学級会で決定した学級
組織と役割分担で選挙活
動を進める。
◯ 決定した内容を実践で
きるように、各係の作業
計画を学級会コーナーに
掲示するとともに、朝の
会に各係の代表から本日
の 計 画 に つ い て 連 絡 す
る。
思考・判断・実践
・集団決定した内容について、互いに
役割を果たすことができるように、協
力し、支え合うことができる。
〔様相観察〕〔振り返りシートの分析〕
相互交流活動Ⅲ ◯月◯日 帰りの会
目的 ◯ 各係の役割を協力し支え合って遂行できるようにするため。
内容 各係の役割の状況(活動の進捗状況、活動の態度、作品・応援の内容)について
方法
① 三つの項目について成果と課題を付箋紙に記入する。
② 各係でマトリックス表を使用し、成果を出し合う。
③ 同様に課題を出し合い、分類して整理したらどのように改善するか話し合う。
④ 各係で話し合った内容を学級全体に報告して共有する
視点 ◯ みんなで協力し、支え合って役割を遂行することができているか。
実
践
の
準
備
②
◯月◯日
帰りの会
それぞれの役割で作成
した道具の完成報告会と
プレ学級訪問を行う。
①はじめの言葉
②完成報告、感想
③プレ学級訪問、意見交流
④おわりの言葉
◯ 進行の見通しをもたせ
るために、プログラムを
板書したり、作品をどこ
にどのように提示するか
計画を立てたりするよう
に指導する。
知識・理解
・それぞれの役割での活動を認め、みん
なで協力し支え合って立候補者のた
めに役に立ったと実感している。
〔様相観察〕〔アンケートの分析〕
◯月◯日
~
◯月◯日
よりよい学級訪問にす
るために、仲間からのア
ドバイスを基に学級訪問
○ 学級訪問の内容と方法
が改善されたかどうか確
かめるために、修正でき
思考・判断・実践
・集会活動でもらったアドバイスから
どのように改善するか意見を出し合
- 7 -
帰りの会 の 内 容 や 方 法 を 修 正 す
る。
たら学級で発表する場を
設定する。
い、協力して応援演説の練習をしてい
る。〔様相観察〕
実
践
◯月◯日
~
◯月◯日
帰りの会
各学級を回って応援演
説をする。
○ 立候補者や応援者と学
級で待機している生徒が
同じ気持ちで選挙活動が
できるように、応援演説
の様子をビデオ撮影し、
待 ち 時 間 に 学 級 で 見 せ
る。
思考・判断・実践
・立候補者や応援者、作成部の活動の様
子を映像で見ることで、自分は立候補
者や学級の仲間の役に立っている、学
級が一つになっていると実感してい
る。
相互交流活動Ⅳ ◯月◯日 帰りの会
目的 ◯ 自分の役割を果たし、立候補者の役に立ったことを実感するため。
内容 それぞれの役割での準備について
方法 ① 立候補者からそれぞれの役割の生徒にメッセージ(感謝)を伝える。
② それぞれの役割の生徒から立候補者に立会演説会に向けてのメッセージ(激励)を伝える。
視点 ◯ 各係の活動は、立候補者の役に立つことができたか。
◯月◯日 生徒会活動「立会演説会・投票」
振
り
返
り
◯月◯日
帰りの会
学級会の一連の活動に
ついて振り返り、生徒会
役員選挙を終えての感想
を書く。
◯ 生徒会役員選挙の活動
を価値付けるために、次
の3点を伝える。
①1人の立候補者のために
みんなが一生懸命になれ
たこと。
②落選しても今までの活動
が無駄になるわけではな
く成長していること。
③みんなで取り組んだこと
が学級目標の達成につな
がり、今後の生活、学校行
事「修学旅行」に生かされ
ること。
知識・理解
・一連の活動を振り返り、学級の変容に
気付くことで、立候補者のためにそれ
ぞれの役割を果たすことは学級が一
体となり、学級目標の達成につながる
と分かる。〔感想の分析〕