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2012年度論文賞の受賞論文紹介:安全で楽しい遊具デザインの実践

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Academic year: 2021

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(1)安全で楽しい遊具デザインの実践 大野(井上)美喜子 北村 光司 西田 佳史 産業技術総合研究所 デジタルヒューマン工学研究センター 〔受賞論文〕 インタラクティブ遊具を用いた子どもの遊び行動と発達の分析 井上美喜子,西田佳史,北村光司(産業技術総合研究所 デジタルヒューマン工学研究センター) ,大内久和((株) Speee),金一雄((株)サキコーポレーション) ,本村陽一(産業技術総合研究所 サービス工学研究センター), 溝口博(東京理科大学 理工学部機械工学科) ,城仁士(神戸大学大学院 人間発達環境学研究科) 情報処理学会論文誌,Vol.53, No.4, pp.1238-1250(2012).  近年,遊具による子どもの事故が多発し,遊び場が減 少している.子どもの遊び場を取り戻すには,安全で楽し い遊具のデザインが不可欠である.研究室には,いろい ろな行動計測センサや分析技術があり,これらを応用す ることで,思いっきり遊んでも安全な遊具を科学的にデザ 2012年度論文賞の受賞論文紹介. インすることができないかと考えた.  まず,2006 年に,神奈川県横浜市にある保育園の協. 力のもと,子どもにセンサを取り付け,子どもの遊び行動 を収集し,石崖のくぼみの深さや配置などの遊具の特徴 と子どもの身体的特徴の関係を分析した.この知見を活 かし,遊具メーカと協力して,対象としない年齢の子ども. いようにしたり,高学年用のレベルを追加したり,全国順. が容易に登れない,などの子どもの行動を考慮した遊具. 位が出るようにしたり,力センサに反応して音を鳴らせたり. を作った.データに基づく遊具のデザインの可能性を実感. するなどして,イベントのほかの出し物に負けないように工. したプロジェクトだった.. 夫した.やはり,会場で子どもたちに人気があるのはうれ.  2009 年に,小学生を対象とした遊具として開発したの. しい.あっという間に,1,500 人以上の遊び行動データが. うに体を変色させながら,登る遊具という意味からのネーミ. 被災地の子どもに遊んでもらっており,データの収集を継. ングである.この遊具の特徴は,子どもにセンサを取り付. 続している.安全で楽しい遊具のデザイン研究には,まだ. けることなくデータの収集が可能な点である.遊具のセン. やるべき課題が山積みであり,今回の受賞を励みに,子. サ化により,子どもがデータ提供によって科学に参加でき. どもたちと一緒に,楽しさやチャレンジをつくりだせる遊具. る仕組みを作り,サービス一体型の研究として進めてきた..   (2013 年 5 月 19 日受付) のデザインを進化させていきたい.. が,センサ遊具「ノボレオン」である (図 -1) .カメレオンのよ. 開発の初期段階では,センサの設計に失敗し,センサが うまく反応せず,実は,裏でスタッフがホールドの色を手動 で変えて子どもに遊んでもらう,などハプニングが続出す る時期もあったが,試行錯誤の結果,信頼性の高い力 センサを自作し,2009 年の夏に,やっと,現在のセンサ 遊具が完成した.その後は,横浜で開催された「開国博. Y150」から始まり,キッズデザイン博,キッズクリエイ ト,日 本科学未来館ツアーなどの各種イベントに出展した. 「登. ると手が痛い」, 「ゲームが簡単すぎる」などの子どもから の超率直な意見を反映し,ホールドの材質を変えて痛くな. 812. 図 -1 クライミン グ型センサ 遊具「ノボ レオン」. 情報処理 Vol.54 No.8 Aug. 2013. 集まった.現在,ノボレオンは,宮城県気仙沼市に提供し,. 大野(井上)美喜子 [email protected]  平成 22 年産業技術総合研究所 デジタルヒューマン工学研究センター入所. 現在,同研究所特別研究員.平成 25 年神戸大学大学院人間発達環境学 .傷害予防研究に従事.専門:健康教育. 研究科博士課程修了, 博士(学術) 北村 光司 [email protected]  平成 20 年東京理科大学大学院理工学研究科機械工学専攻博士課程修 了,博士(工学) .同年産業技術総合研究所に入所.現在,同研究所 デジ タルヒューマン工学研究センター主任研究員.子どもの傷害予防の研究に従事. 西田 佳史 [email protected]  平成 10 年東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻博士課程修了, 博士(工学) .平成 10 年通産省工業技術院電子技術総合研究所入所. 平成 13 年 改組により、産業技術総合研究所 デジタルヒューマン研究ラボ 研究員.平成 22 年∼同研究所デジタルヒューマン工学研究センター生活・ 社会機能デザイン研究チーム長.平成 25 年同センター首席研究員..

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