一定速度及等加速度で蓮轄する線路⑳緩和曲線の一般解
一定速度及等加速度で運轄する線路の
緩和曲線の一般解
1 緒 言
線路の直線部と曲線部の間には緩和曲線を挿入し、
「カソト」と牟径の急変を避けて列車の激動を減少さ
せ、脱線顛覆の危険を免れている。その緩和曲線は直
線から曲線に移る間に徐々に「カソト」をおげると共
に牛径を小さくして一彊の曲線を作るのであるi :一そ
の緩和曲線の形が不適当なときは「カソト」と遠心力
とが不釣合や「カソト」の急変のために線路や車輌に
激しい振動を起し乗客に不愉快な藁心地を與えるもの
である。その緩和曲線}±速度と「カソト」の状態によ
つて色々出來るので一定速度又は等加速度で運轄する
線路で「カソト」が例えば距離と共に直線的に増加さ
せるとか、又は車禰の傾きが時間と共に直線的或いは
調和振動的に変化するとカ㌔「カソト」の壇加殊態を
種々與えることにより色々の緩和曲線が得られるもの
である。
2 一定速度叉は等加速度運轄に封ナる
緩和曲線の基本方程式
宇緩和曲線の始点を原点とし直線部の方向をx軸、こ
れに直角の方向をy軸によつて緩和曲線の方程式を
y=夕@)=ao+a・x+侮x 2十a3x3+…………
とする。こXにy(x)はッがエの函線であることを示
し、微分方程式を解くとき巾級数を用いることがある
のでこれも併記した△滋にao、 ah a2、 a3、……など
は巾級数の未定級数で曲線の方程式を定めるものであ
る。曲線は原点を通過しエ軸に劫するからao・・a1 =Oと
なり、曲線が原点で0あるからaL)も0となり
γ=y(鰺=asx 3+a4x・4+…・一…・…・…・・<1)
となる。(1)をxについて微分すれば
y’ ・y’(x)=3α3κ2+4a4・x・ 3+………(1’)
ツtl ==y” (x) :=6a3x十12a4x 2十… 一・・・・・・・・… (1”)
曲線1/Rをxの巾級数で表わすと
1/R・= bssc+b2x2+E・3xs +一…一・…・…一(2)
が<<1なるときは(2)式は近似酌に
1/R’≒y t「=6a3’x十t2a4x2十・・・・・・・・・・・・・・・… (2’)
曲線上を速度vで車靹が走行するとき、遠心力と車輌
若
林
正
の自重との合力が軌道の中心を通過して動的卒衡を保
つためには列車速度と曲線牛径と「hソb」との間に
は吹の関係が必要である。
z=」三一一吐
9 R
但し Zは「カソト」量、Gは軌間、 gは重量加速度
vは列車速度を示す。
列車の加速度をαとすれば、等加度運動では
α=0…一………・・・…………一一…………(4)
等加速度運轄による列車速度は
v ・=αt =Vo…… ……… ………(5)
一定速度では
v = Vo ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… (5’)
原点からの運轄距離l
l==Vot十αt2/2・・・・… 臥・・… −t・・一・・・・・・・・… (6)
定速度のときには
1=Vot
原点から緩和曲線上に浩つて任意点P(x、y)迄の
距離は
2
1=x十〇.9ax5十2a3a・sx6十・・・・・・・・・・・・… (7)
3 、,
’ =x 十 lsxs十16x 6十・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… (7’)
近似的には
1≒x………・・……・………・…・……・………(7’ノ)
(2)、(3)を(3)に代入すれば
Z=:G/g×v2{6a3x十12a4x2十20a5x3
3
+30a・・4+(42a・一一Slas)・5+……(8)
≒ G/9×v2(6a3x)…………・一・・・… …・・(8’)
「カソト」は緩和曲線上のどの点でも急激に変るこ
とはできなく、徐々に変化しなければならない。その
変化状態はxの距離又は1によつて示され、或いは車輌
の通過時間と「カソト」との関係が與えられる。即ち
Z・=Z(x)=il .r十ゴ2エ2十………(9)
叉はZ=Zα)== i1 1+i2 12+一一・…・・……(10)
或はZ=Zω== klt+k2 12+………(11)
「カソト」の漸増}伏態を(9)(10)(11)のいつれ
かによつて與えればその条件により種々の緩和曲線が
T.Wakabayashi
The ge江eral solution of the transition curve
一一
P1一
昭和28年7月
山梨大丁学工学部研i究’報告
第 4 号
出來る訳で、基本方程式(2)∼(8)式と「カソト」
の条件(9)(10)(ユ1)を満足する様な解を求めて、
緩和曲線式の係tWa3、 a4、……を決定すれば緩和曲線
の形状が定まることになる。この様に等加速度蓮鱒を
する線路の緩和曲線二±次の条件式の組合により多数の
種類に分類できる。
(の「カソト」Zは佑,1,叉はτの中のどの函数で示
されるか。.’
(b)「カソト」Zの漸増状態を直線状に、又は拠物
線、三角函数に変化させる。
(の曲率を表わす式を1精密式にするか、又は近似
式にするか。
(の曲線長を近似的にXと等しいと考えられるか
どうか。 、
(の級数の項数の多少により近似程度が異つてく
るo
3 等加速度運動に封する緩和曲線の解法
(の「カソト」がエ座標について定められた場合
Z=Z(x)=ilx十i2 x2十i3 x3十……(12)
で定められたときには
(5) より t=(v−Vo)/α・・・・・・・・・・… 一■・・・… (13)
(6)式に入れて
1=v2一吐_._._..__………(14)
2α
.◆.v2 = 2α1 十 Vo2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… (15)
i 2
:= Vo2十2α (x 十〇.9 a x5十2a3a4x 6十… )
3
(15)を(8)に代入して
Z=G/g×{6a3 Vo2x+(12a3(α十Vo2)x2十
(20a5 Vo2十24aα4)x3十………(16)
(12)と(16)の係数を比校して係数a3、 a4…を求め
れば緩和曲線の式は
),−6蒜、が+樗嘉漂・・
+”°4’ ’3+4識二29”°甦5+・…・・(・7)
(ai)その特別な例として「カソト」が直線歌に増
すときには(17)で
Z=ilx i2=・i3=……== Oとおき
y−
U詩・一蹴…+鑑,糾・・…く・7’)
(aii)「カント」が二次の弛物線Z== il X 十i2x2の
場合には
一9一三Lκ3+鯉02‘2二2幽輌・克4
夕==
12G〃04
6GVo2
+29笥一謬竺・・+一…・・……(・7’「)
が得られる。
(の「カソト」が原点からの曲線に浩つての距離t
について定められたとき
Z=Z(’)==∫1’十ノ212十………(10)
とすれば
2
1 =x 十 〇.90 x5十2a3 a4x 6十・・・・・・・・・… (7)
3
(10)式に(7)式を代入すれば
Z=Z(x)の形式となり前項に帰する。
(C)「カソト」が媛和曲線の始点を衡車輌が通過し
てからの時間に関して定められたとき
Z=Z(’)=klt十k2t2十…………一(11)
とすれば(6)より
αt2+2Vot−21=0
より
・÷一†巖・雪辮・一……・・く・8)
(i1)に代入すれば
z−le・;エ+昔(k2−」÷一÷)x2
+昔(k3一讐+蒜)糾一一・く・9)
よつて(のの場合に帰するこどができる。
4定速度運轄のための緩和曲線の一般解法
(の「カソト」条件式として(9)式
Z=Z(x)=il x+ゴ2パ+・…・・が與えられた
ときは(8)式の各項の係数と比較して
・・−a1−・・一・…一壼告
a・一工鵠・肉一2鵠一・…
y−6毛(igx’・+;・・+語・4…・・)……(2・)
でありXの小さいときには項数は少くても近似的に差
支なく曲率の関係は近似式でも充分である。(20)式
の第1項のみをとれば最も普通に用いられる3次拗物
線型の緩和曲線となり、第2項迄とすれば「カソト」
を2次拗物線にした場合の緩和曲線となる。
(e)’「カソト」条件式として(10)式
Z=Z(り=ノ1+∫2 12+一…
が與えられたときは(7)式を代入して1をxにか
える ・
ダ
Z==ノ1 x−十ブ2エ2十∫3κ3十元4貧4十(0.9c3/1十」5)
十・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… ∵・・・・・・・・・・・・・・・・・… (21)
で「カソト」が.で表わされたから(のに帰着した。
(C)「カソト」条件式として(11)式
一12一
一定速度及等加速度で蓮轄する線路の緩和曲線の一一般解
Z=Z(t)==klt十k2t2一ト・・・・・・・・・…(11)
で與えられたときには(5’)式1= votよりt=1で
VO
あるからこれを(11)式に入れて
z=z(り=kil/Vo十k212/Vo2十k313/Vu3十…(22)
で表され(のに帰着する。
(d)無限巾級数を使用せず直接に微分方程式を解
く解法の例として.「カソト」が余弦曲線多伏に変化す
る例を解いて見る。
「カソト」が直線的に変化する場合にはその始点、
終点で上ド方向の運動が急に変化するので滑らかな変
移を破ることになる。これを避けるには緩和曲線の始
点終点で「カソト」が徐々に変化させればよいので、
その一例として、曲線の外側レ・・一ルの「カント」が余
弦函数状態に漸増してe−waの調和蓮動をなす場合を考
察して見よう。(3)式で
Z−−S−一一一X(・一…㌘)一・…一……(23)
とおく。但しRcは圓曲線の牛径、 Lは緩和曲線の全長
を示す。(2’)を(3)に入れると
Z = G/≦「 × v2 ・… 一一一一・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 一… (24)
(23)と(24)とを相等しいとおけばi
St v=(1−cosπx/L)/Rc・………・・…(25)
(25)をとくと
・一蒜+よ(i)2(c・・竿・)……(26)
(26)式は「カソト」が余弦函数状に変化する場合の
緩和曲線である。
結 論
一定速度又は等加速度で運鱒する列車に対して「カ
ント」の逓進状態を任意に與えて緩和曲線を求める一一一
般解法を導いた。こXで述べた方法で在來・一一一般に知ら
れたのと異る点は次の通りである。
在來の方法では「カソト」量をX (X座漂)によつて
表わした。こXでは
「カヅト」量を x座標
tl tt l(始点からの距離)
〃 tt t(始点からの運輔時間)
の三瞳で表わした。実際上も「カソト」量をX軸に
あらわすよりもt秒後に「カソト」がどれだけになり、
車彌がどれだけ傾くかという点を注目した方が実際運
輔上、車繭の傾斜や振動を取扱う上から合理的ヂある
と思われる。こXで述べた様に緩和曲線は「カント」
の與え方にょつて色々出來るが、その中最も適当な条
件を選んで緩和曲線を作ることが望ましく、新しい型
の曲線の計算や曲線設置、補正には計算が多少複雑で
も予め表を製作して置けば、どんな曲線でも現在使用
中の三刻勉物線同じ手数で理想的な緩和曲線を與える
ことができるo
文 献
田中 豊 運轄速度の変化を考慮したる場合の緩和
曲線について。
業務班究資料 第20巻36号
沼田政矩・甕 哲司
緩和曲線に就いて。
第7回土木学会講演会
江藤 乱等変速度に適応する全緩和曲線び
土木学会誌 第24魅3号
稻田 隆 鉄道工学。
齋藤 朴鉄道工学。
’13