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圧延・冷却特集の発刊にあたって(小川茂)(303 KB)

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1 〔新 日 鉄 住 金 技 報 第 401 号〕  (2015)

巻頭言

圧延とは,英語で rolling と表現するようにロールすなわち回転する工具によってな される塑性加工と定義することができます。多くの場合,回転工具によって連続的また は半連続的に材料の塑性加工がなされるので,その生産性は非常に高いのが特徴です。 1億トンを超える日本の粗鋼生産量の大半が,圧延工程を経て,鋼板,鋼管,条鋼,棒鋼, 線材等に加工されて出荷されており,機械加工全般を見渡しても圧延の生産性の高さは 突出しています。さらに切削加工のように切り屑を出すことがない塑性加工を連続的に 行うので材料の歩留りが高く,省資源,省エネルギーの観点でも極めて優れた加工プロ セスと言えます。圧延の歴史は15世紀末のレオナルド・ダ・ビンチにまで遡ることがで きますが,現在に至るまで絶え間のない技術的進歩を遂げてきています。 我が国における圧延技術は,米国や欧州の技術を学ぶことからスタートしましたが, 第二次大戦後の高度成長期に,多数の新圧延工場を建設するタイミングで多くの独自技 術を開発,実用化し,世界の最先端に躍り出ることになりました。その後,新工場を建 設することは少なくなっても,エネルギー価格高騰に対応した省エネルギー圧延技術や, お客様の要求に応え,さらにこれを先取りする高機能製品の圧延による造り込み技術等 の開発が精力的に行われてきています。 当社はこれらの新技術開発の多くを先頭を切って開発,実用化してきていますが,そ の一端は新日鉄技報の創刊100周年記念特集号(No.391,2011年11月発行)に紹介さ れていますのでご参照頂ければ幸いです。さらに2012年10月に統合新会社,新日鐵住 金(株)発足以来,圧延研究分野においても技術開発力は一層強化され,総合力世界No.1 を目指した研究開発を推進しています。 本技報では比較的最近の圧延研究分野の研究開発事例を紹介していますが,そのほぼ 全てが上述した高機能商品の製造に深く関わっており,これらの研究開発を通じて,高 機能商品の低コスト,高歩留り,高生産性製造技術の不断のレベルアップを行っている ところです。特に高張力鋼や高合金鋼等の高級鋼の圧延では,寸法,形状はもとより材 質および表面品質について格別の配慮が必要となります。その意味で,現在の圧延研究 では,冷却制御そしてスケール制御が極めて重要な課題となっており,本技報ではこれ らの最近の研究開発事例も紹介しています。 本技報を通じて,自動車や家電製品等で日常的に目にする鋼製品を製造している圧延 工程を支えている技術,そしてその研究開発に興味を持って頂ければ幸いでございます。

圧延・冷却特集の発刊にあたって

小 川   茂

* 技術開発本部 顧問 工博

参照

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