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青少年の人間関係に関する一考察

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Academic year: 2021

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(1)青少年の人間関係に関する一考察 渡 A. Study. of Human. 部. R占Iations of Young. Makoto. 第1蔀. 真 People. WATABE. 問題の設定. (1)青少年問題-のアプローチには,さまざまなやり方が考えられるが,青少年の人間 関係から接近するのも有力と思われる。本稿は,現在の小中学生の人間関係から,か れらの生活と意識の特徴にせまるものである。 (2)社会学でしばしば用いられる「重要な他者+という概念は,人間関係のありかたを 「困ったと. さししめす,ひとつの指標となりえる。今回利用する意識調査においては,. き,相談しやすい人はだれか+という質問で小中学生の重要な他者がだれなのかを聞 いている。学年別・性別・成績別・親の学歴別の結果も検討する。 (3)現代の青少年は,急激な社食変動の中で,非社会的・自閉的傾向を強めているとの 指摘がさまざまなところでなされている。本稿では,この間題を友人関係から考えて いく。質問紙のなかの「困ったときに相談する友達がいますか+という質問を使い, 困ったときに相鼓する友人がいない子はどういった子どもかを多角的に考察する。 (4)今回,結果を利用する調査は筆者も調査の企画・立案・報告書の執筆に加わった「第. 6回東京都子ども基本調査+であり,本稿は筆者が再分析した琴果を主に利用してい る催1)0. 第2範 表1は,. 青少年の人間関係 「困ったとき,一番相談しやすい人間はだれですか+という質問に小中学生が. どう答えたかをみたものである。選択肢をひとつに限ることで,重要な他者のありよう が,はっきり浮かびあがるようにした。 全体でみると, 「友達+が39.2%ともっとも多く,ついで「母親+の36.7%である。 逮+と「母親+の2着で約75%をしめていることになる。のこりは, らない。なかでは,. 「父親+の8.7%が多いが,. 10%以下にしかな. 「母親+にくらべるとかなり少ない。また,. 「だれもいない+と答えた小中学生が5.1%いることも眼をひく。 非常に注目されるのは, 「先生+が0.9%にしかならないことである。小中学校におけ る児童指導・生徒指導の大きな機能の一つに,教育相談的役割がある。子どもが困った ときに相談にのる役割が重視され,近年,特にその重要性が強調されているはずである。. 「友.

(2) 184. 渡. 表1. 部. 困ったとき,一番相談しやすい人間(1) 全体・. 男子. 女子. (性別・学年別) 小3・. 小5. (%) 中2. 1.父親. 8.7. 12.0. 5.6. 15.8. 2.母親. 36.7. 33.6. 38_.8. 48.4. 45.5. 17.3. 3.兄・姉. 5.8. 6.0. 5.6. 8.0. 4.2. 5.3. 4.祖父・祖母. 1.1. 1.3. 1.0. 2.4. 1.′1. 0.1. 1.0. 7.9. 3.5. 1.0. 1.1. 1.0. 1.2. 1.0. 39.2. 35.0.. 43.2. 18.5. 31.8. 63.8. 0.9. 1.1. 0.7. 1.3. 1.1. 0.4. 8.その他. 1..1. 1.3. 1.0. 0.6. 0.9. 1.8. 9.だれもいない. 5.1. 7.6. 2.6. 3.4. 5.■9・. 5二8. ・5.親戚の人 6.友達 7.先生. ところが,生徒の側は,教師を相談相手とは全く考えていないのである。ここに,\今の 小中学校の生徒指導がかかえる大きな問題点を見ることができる。特に, はいない+小中学生が5.1%いるのに,. 「相談できる人. 「先生+が0.9%にしかならない点が,見のがせな. い。. 性別でみると,. 「母親+,. 「友人+とも女手でやや多い。逆に,「父親+は男子で多く,. 「だれもいない+も女子の2.6%に対して,男子は,. 7.6%となる。概して,男女差は大き. いといえる。. 学年別で見ると「母親+が中学生で大幅に減るのが特徴的である。逆に,増えるのが 「友人+であって,. 「母親+と「友人+が完全に逆転する。. 「父親+ 「兄・姉+も減ってゆ. く。 「先生+は中2になると0.4%まで減っていく。. 1ト学生の重要な他者は,母親と友人 であり,中学生になると友人の比重が,きわだって高くなる,とまとめることができよ う。 第5回までの「東京都子ども基本調査+には同種の調査項目がなく,時系列での比較 はできないが,おそらく,こうした傾向は以前からのものであろう。また,この結果は 人間の発達にほぼみあったものともいえるのであろう。 表2は,同じ質問の結果を「小3男子+. 「小5男子+. 「中2男子+. 「小3女子+. 「小5女. 千+ 「中2女子+の6つの属性に分けて,詳しく検討したものである。 まず, 「友達+についてみると,. 「ノト3女子+の18.4%から,. 「中2女子+の70.1%にい. たるまで,属性差が非常に大きい。特に,女子が学年上昇とともに,大幅に増えていく のがわかる。. 1ト5の37.0%が中2には70.1%と3年間で30%以上増加する。 男子も中学に入ると友人を選択するものがふえるが,57.1%と女子ほどには多くない。. 「小5+の段階ですでに男女差がついており,. (男子-26.4%,女子-37.0%)ノそれが「中. 2+にまでもちこされているのである。 次に「母親+について見ると,男女とも似た推移をたどる与とがわかる.小学生時代 の40%以上の選択率が,中2になると男女とも17%台へと半減してしまうのである。. 「母.

(3) 185. 青少年の人間関係に関する一考察. 表2. L全体 8.7. 1.父親. 36.2. 2.母親 ・3.兄・姉 4.祖父・祖母. .5・,8 1.1. 5_.親戚の人 6.■友達 7.先生 8.その他 19.だれもいない. 小3男子. 小5男子. 19.2. 中2男子 6.3. ll.6 ̄■. 41.6. 17.1. 7.6. 6.1. 4.6. 1.7. 2.1. 0.3. I・・2. 1・I. 4■4.0. (%). (小3・小5・中2,男女別). 困ったとき,一番相談しやすい人間(2). .小3女子 12.5. 中等女子. 4.2p. 52.-5. 0.8 ̄. 49.4. 8.4′ .3.1 1.3. 小5女子. 1 ̄7∼.5 5.9. .2.4 0. ._0 1:2. 1.0. 0.7. 39.2. 18.5. 26.4. 57.1. 18.4. 37.0. 0.9. 1.3. 1.2. 0.9. 1.3. 0.9. 0 1.3 3、.0. 1.1. 0.3. 1.2. 2.3. 0.9. 0.6. 5.1. 6.0. 7.■9. 8.9. 0.9. 3.9. ′0.8 70.1. 親+から「友人+へという推移がはっきりみてとれる。とくに,女子の減り方ほ急激で ある。児童期から青年期への「重要な他者+の変化が女子のほうでドラスティックにす すんでゆく。 「男子のほうが,母親との濃密な関係をいつまでも継続させ,その分,成人 「小. 役割の取得がおそくなる+「女子の方が早くおとなになる+という言い方をよく・聞く。 5+から「中2+にかけての母親選択の減り方が,男子・女子で異なるということだけ から上記の所鋭を証明することはできないが,ひとつの手がかりにはなるであろう。 さらに, 「父親+についてみると, 「母親+同様,学年上昇にともなって選択率が減っ. 「父親+はもともと,選択されることが少ないのだが「中2+になると 「母親+と比較して「父 「中2女子+は0.8%にしかならない。 10%をわってしまう。特に, ていくのがわかる。. 親+と「子ども+の結びつきは弱いものであるが,特に,. 「女子+でその傾向が強い。. 「母親+と「父親+の選択率をたしてみると,男子の場合,. 「小3+が63.2%, 「小3+が65.0%,. 「中2+が23.4%となっている。それに対して女子は,. が53.2%, 5+が53.6%,. 「小5+ 「小. 「中2+が18.3%となる。中学生になると「重要な他者+が家庭内から家. 庭外へ移るのである。 「見・姉+を選択する小中学生は少なく,. 6つの属性とも10%以下である。ただ,中学. 生になっても小学生の時と,さほど違った結果がでないことは注目される。とくに, 「父親+の0.8%や「先生+の0%と比較すれ 2女子+での選択率が5.9%になっており,. 「中. ば,相談しやすい相手とみなされている。 「祖父・祖母+や「親戚の人+の選択率も1%前後と非常にすくない。これらの人が, 現在,子どもの人間形成にも人間関係にも,大きな意味をもちえていないことは,間違 いない。. 「その他の人間+も1-2%にすぎない。以上の3者をあわせても,. 3%前後に. しかならない。. 先ほどもふれたが,もうひとつの大きな問題は「先生+の選択率が非常に低いことで ある。全体で0.9%であり, るのは,. 「中2女子+であり,. 「中2男子+. 「小5女子+では,. 0%,つまり,. 1%を切る。特に,注目され. 「困ったとき一番相談しやすいのは先生で.

(4) 186. 渡. 部. 其. ある+と答えた中学生が一人もいないのである。この答えをどう考えるかが,中学校に おける生徒指導や生徒理解を,今後どうしたらよいかという問題につながると思う。中 学校の教員がこの結果をどう考えるのかも開いてみたいところである。 最後に, 「だれもいない+であるが,これが意外に多いのである。. 「祖父・祖母+ 「親戚 「先生+ 「その他+をあわせた数字が4.1%であるが, の人+ 「だれもいない+は, 5.1%で ある。前4者をあわせた数字より「だれもいない+の方がわずかながら,多くなっている。 属性別にみると, 女子で少ない。. 「中2男子+が8.9%と特に多い。どの学年をとっても,男子で多く,. 「中2女子+が友人志向で,. 「中2男子+が個人志向といえるのかもしれ. ない。. 属性別にいってみると,. 「小3男子+は「母親+が重要な他者になることが多く,つい. で「父親+と「友人+がおなじような割合で続く。 「小5男子+は依然, 「母親+が重要な他者であり,小3とあまり変化がない。ただ, 「父親+の重要性は減り,その分, っきりする。 「中2男子+は,. 「友人+が増える。. 「母親+ 「友人+ 「父親+の順番がは. 「母親+と「友人+の順番が完全に逆転する。. 6割近くの中学生が「友 人+をあげる。 「母親+は2割を割る。また, 「父親+の存在はとても小さなものとなっ てしまう。 「父親+をあげる「中2男子+より「だれもいない+をあげる生徒がおおくな る。重要な他者が,. 「友人+と「母親+に限定され,だれもいないという人もめだってく. るとまとめることができる。. 「小3女子+は,. 「母親+が5割をこえる。. ・「友人+ 「父親+がそれに続くが,それぞれ. 10%台で「母親+にくらべれば,非常にすくなぃ. 「小5女子+を検討してみると, 「母親+は「小3+とほとんど変化がないが, がふえてくる。. 「友人+. 「母親+と「友人+で85%以上をしめ,. 「父親+は5%を切ってしまう。 「母親+と「友人+が完全にひっくりかえる。 「友人+だ 「母親+は2割を割り, 「兄・姉+は, 6%台, 「父親+ 「教師+ 「その. 「中2女子+は,男子と同様, けで70%を越える。. 他+はほぼ0に立い。もうひとつの特徴は,. 「だれもいない+が少ないことである。. 2女子+の友人志向の強さは,ほかのどこにも見られないものといえる。. 「中. 50%を越える選択率を示すのは, 人+ (57.1%),. 「中2女子+の「友人+. (70.1%),. 「中2男子+の「友. 「小3女子+の「母親+. (52.5%)の3つということになる。 以上,みてきたように,小中学生が抱く「重要な他者像+は,学年差,性差の影響を. とても大きくうけていることがわかる。逆に,子どもの発達や性差の問題を解く鍵が, ここに潜んでいるようにも思える。 次に,成績の自己評価との関連を検討してみたい(表3参月別.いちばんはっきりした 特徴は,成績下位で「友人+が多くなり,その分,. 「母親+ 「父親+が減ることである。 「だれもいない+も成績下位で多い。成績中位者・上位者の「母親+ 「父親+志向,下位 者の「友人+ 「孤立+志向ということがいえよう。 もうひとつ,特徴的なのは,`成績中位者と上位者の結果の間に,ほとんど差異がみら.

(5) 187. 青少年の人間関係に関する一考察. 表3. 一全体 1.父親. 8+7・. (%). (成績の自己評価別). 困ったとき,一番相談しやすい人間(3). 成療上位. 成績中位. 9.0. 10.2. 成績下位 5.9. 28・や. 36.7. 40.6. 3.兄・姉. 5.8. 5.7. -38.6.∫ 5.6. 4.祖父・祖母. 1+1. 1.3. 1.4. 5.親戚の人. 1.0. ・0.4. 1.4. 0.9. 36.2. 36TO. 47.3. 2.母親. 6.友達. ?9・2・. 6.2 0.7. 7.先生. 0.9. 1.1. 1.3. 0.2. 8.その他. 1.1. 1.5. 0.9. 1.2. 5.1. 3.7. 4.2. 7.8. .9.いない. れないということである。これまでみられた,成績による,小中学生の意識や行動の分 化が特に,成績中位者と上位者の間でくずれてきている。この質問に対する回答でも, そうした傾向ははっきりみてとれる。. 成績上位者・中位考と下位者の差異も,学年差や性差ほど大きいものではない。この 点には注意が必要である。 最後に,父親の学歴別の結果をみてみよう(表4参照)。父親の学歴別結果を検討する l. 際は,. 「短大・高専卒+の数字についての取り扱いを慎重にする必要がある。サンプル数. がもともとすくないからであって,表4の「短大・高専卒+の数字についても,参考資 料としてみていただきたい。 表4. 困ったとき,一番相談しやすい人間(4) 父親中卒. 1.父親. 9.0. 父親高卒 9.4. 2.母親. 33.8. 34.9. 3.兄・姉. 9.0. 4.7. 父親短大高専卒 父親大卒. I2・1 43.0. ・4.7. 4.祖父・祖母. 0,8. 1.3. 0. 5.親戚の人. 0.8. 0.8. 0.9■. 38.3. 40.9. 6.友達. 9.0 38.5 5.0 0.8 3.7. 30.8. 38.5 1.3. 7.先生-. 1.5. o.畠・. 1.9. 8.その他. 0.8. 0.8. 0.9. 9.だれもいない. 5.3. ・5.7. (%). (父親の学歴別). 5.6. .1.3・ 4.4. 表4からまず言えることは,「父親の学歴差+がほとんどみられか-ということである。 あっても小さいものにすぎない。 「母親+と「親戚の人+の選択 一つだけ,指摘できるのは,父親の学歴が高くなると, がやや多くなることである。父親の学歴が違っても,父親が重要な他者とみなされる剖.

(6) 188. 渡. 部. 真. 合はあまり変化しないのである。 以上,小中学生の重要な他者像を,. 「困ったとき,一番相談しやすい人はだれか+とい う観点から検討してきたが,最終的なまとめと考察は,第4節でおこないたい。 幕3蘇. 友人のいない青少年の特徴. 本節では,親しい友人がいる小中学生と,いない小中学生を比較し,特に,親しい友 人がいない子どもがどんな特徴をもつかを検討する。 具体的な質問項目としては, 表5は,. 「困ったときに,相鉄する友達がいますか+を利用した。. 「困ったときに,相談する友達がいない+と答えた小中学生の属性別の結果をみ. たものである。. 表5. 困ったときに,相談する友達がいない子どもはどんな子か 全体13.9. 男子21.7. 女子6.5. 小318.2. 小37.5. 小515.8. 小525.8. 小55.8. 中213.3. 中220.9. 中26.2. 学年別小312.7. 成. 績. 別. 父親学歴別 母親学歴別. で. き る. 14.4. ふ. つ. う. ll.9. できない. 16.8. 高. 卒. 14.4. 大. 卒. ll.6. 高. 卒. 13.3. 短大等卒. ll.2. 大. 12.9. 卒. (%). 全体で, 13.9%の小中学生が,困ったときに相談する友達がいないと答えている。属 性別にみて,もっとも日立つのは,男女別の結果である。男子で21.7%,女子で6.5%が 相鉄する友達がいないと答えている。あきらかに,男子で多く,. 「小3+. 「小5+. 「中2+. のどの学年をとってみても,男子で多くなっている。特に,. 「小5男子+の25.8%,. 2男子+の20.9%は高い数値である。 「小5女子+は5.8%, ならず,その差は大きい。 (学年差自体はあまり大きくなく,. 「中2女子+は6.2%にしか 年令差より性差の問題であ. ることがわかる)。女子の「友人志向+,男子の「孤独志向+. がはっきりみてとれるわけ. だが,両者の差異は,想像以上に大きいものであったといえる。 他の属性別をみても,性差ほど大きな差異は生じていない。中では,成績別で見たと きに, 「成績下位+でやや多く(16.8%),. さらに,親の学歴別でみると,. 「成績中位+で少なくなっている(ll.9%)0. 「大卒の父親+でやや少ないが,きわだった特徴はみら. れない.あくまでも小中学生当人の問題と`いえようo. 「中.

(7) 189. 青少年の人間関係に関する一考察. 「困ったときに相談する友. 次に,この間題を,より詳細に検討してみたい。、テーマは,. だちがいない子はどんな子どもか?+ということになる。こうしたテーマを扱う際,ち っとも一般的な研究方法は, 「友だちがいる群+と「友だちがいない群+の2つにサンプ ルを分け,両群の差異をいろいろな観点からみていくやり方である。 今回も,基本的には,同じような方法をとりたいが,ひとつ問題がある。それは,. 「友. だちがいない小中学生+が男子に多く(21.7%),女子に少ない(6.5%)ことである。 「友達がいる群+には「女子+の, このまま2つの群を作って,比較をおこなうと,. 「友. 達のいない群+には「男子+の性格が強くでてしまう。また,. 「友達がいない女子+が6・5. %しかいないことも比較をする際には問題である。 「友達がいない子+が20%をこえている男子のサンプルだけをとり そこで,本節では, だして,. 2つの群に分け,比較検討を行なう。男子の77.8%をしめる「困ったとき友達. がいる層+をA群,. 21.7%をしめる「困ったとき友達がいない層+をB群と呼ぶことに. する。 表6から表12までは,いろいろな質問項目について,. A群とB群を比較したものであ. る。. 「勉強がよく. 表6は,小中学生の自己概念を中心に6つの項目を検討している。まず,. できる+が, A群, B群の間に差が無いことに注目したい。ともに7%程度の数字であ る。 「大学まですすみたい+も両者とも55%前後で全く差がない。 表6. A群(困ったとき相談する友達がいる男子)とB群(困 (%). ったとき相談する友達がいない男子)の比較(1) A群 1.勉強がよくできる.  ̄7.5. B群  ̄7.1. 2.スポーツがとても得意. 27.7. 18.5. 3.友達がとても多い. 31.i. 21.1.. 4.青楽や絵がとても得意 5.やる気にな叫ぎなんでもできる 6.大学皇ですすみたい. 13.6. 9.4. 22.3. 15.5. 55.5. 54.2.. 「スポーツ+「友 ところが,残りの4つの項目については,両群の聞に大きな差がある。 A群の数値のほうがかなり高くなってい 逮+ 「音楽や絵+ 「やる気+のどれをとっても, る。. 「勉強+についての自己概念や将来展望が,他の自己概念や,やる気と異なった構造を (困ったとき,相談する友達がいな 「B群の小中学生+ もっていると考えられる。また, い男子)が,勉強以外のことには,あまり自信をもてない子どもであることもわかる。 「困ったときに相 表7は,小中学生をとりまく人間関係についてまとめてある。まず, 談する人がいない+が21.9%とかなり高くなっていることに注目したい。女子を含めた.

(8) 190. 渡. 表7. 部. 裏. A群とB群の比較(2). (%). 1.・.困ったときに相談する人がいない. A群. B群. 3.7. 21:.9. 2.困ったとき.父親に相談しやす■い. 12.・3. ll.9. 3.困ったとき.母親に相鼓しやすい-. 32.9. 38.・1. 4.勉強のことを父親によく話す. 33.0. 23.1・. 5.勉強のことを母親によく話す. 57.1. 36.3. 6.父親を尊敬している. 68.6. 60.5. 7.母親を尊敬している. 60.7. 48.8. 全体での平均は5.1%にすぎない。 次に父母との関係を見てみよう。父親との関係では,. 「相執しやすい+ よく話す+ 「尊敬している+のどれをとってもA群の数値が高くなっている。 すい+は,ほとんど差がないが,. 「勉強のことをよく話す+. 「勉強のことを. 「相談しや 「尊敬している+については,. 10%前後の差がついている。 B群の小中学生が,友人との関係が希薄な分,父親との関 係が濃密になるということはないようである。 A群の方が,父親との結びつきが強くな つている。. 母親との関係をみると「相談しやすい+だけB群が高く,. 「勉強のことをよく話す+. 「尊 「勉強のことをよく話す+は20. 敬している+はA群の方がかなり高くなっている。特に, %以上の差がついている。. A群・. B群の間に成績の差がないことを考えると,母親との 関係についての考え方に根本的な違いが生じているようである。 B群の小中学生は,友 人だけでなく,父母との人間関係もやや希薄になっている。 表8は,学校での教師や友人との関係をみている。教師との関係では,. 「担任とよく話 をする+ 「先生のような人になりたい+の2項目について聞いているが,どちらもA群の 数値が高くなっている。教師との関係もB群の子どもは希薄なのである。友人との関係 では,. 「競争しあう友達がいる+. 「友達のことで学校にいきたくないことがある+. 「いじめ 「友達のことで学校にいきた. られている子の味方になる+の3項目についてみているが, くないことがある+がB群で多い。逆に, 子の味方になる+は,. 「競争しあう友達がいる+ 「いじめられている. A群で多い。友人関係も教師との関係同様,. B群よりも-, A群で. 強くみられるのである。. 表9は,学校や校外での日常生活について聞いている。学校内でみると, の時間が楽しい+. 「学級会や遠足が楽しい+. 「算数や数学 「運動会や遠足が楽しい+の3つについては,. A群の数値が高くなっている。クラブや部活動についてみると,文化部への加入率がB 群で高くなっている。 校外生活についてみると,. 「外で遊ぶ+がA群で多い。逆に,. B群では, 「日曜日に遊 ぶよりのんぴりする+が多い。また「ゲーム・センター+で遊ぶもB群でわずかながら 多くなっている。校内生活・校外生活の両方で,. A群・. B群の特徴がはっきりあらわれ.

(9) 191. 青少年の人間関係に関する一考察. 表8. (%). A群とB群の比較(3) A群. B群. 1J担任とよく話をする. 46.0. 32.9. 2.先生のような人になりたい. 21.5,. 14.6. 3.競争しあう友達がいる. 77.7. 49.8. 4.友達のことで学校にいきたくないこ. 22.2. 31.6. 63.5. 43.2. とがある. 5.いじめられている子の味方になる. 表9. (%). A群とB群の比較(4) A群. B群. 1.算数・数学の時間楽しい. 32.1. 22.5. 2.学級会やHR楽しい. 35.7. 23.3. 3.運動会や遠足楽しい. 76.7. 59.0. 4.文化部にはいっている. 13.1. ■19.9. 5.クラブや部活動にはいっていない. 18.8. 20.5. 6.ゲーム・センターで遊ぶ. 26.8. 29.■1. 7.外で選ぶ. 63.3. 45.1. 8.日曜日に遊ぶよりのんびりする. 32.5. 44.1. ているといえる。. 表10-表12は,母親の質問票からA群・. B群の特徴をさぐっている。母親の対応の差. A群の母親の方が,子どもの生活 異に焦点をあわせているわけである。表10をみると, B群の母親は,子どもの生活への認知度は低 の諸側面をよく知っていることがわかる。 「子ど いが,こどもといっしょになにかをやろうという志向は強いといえる。たとえば, もの誕生日に家族だけでごちそうする+. 「テレビを子どもと一緒に見ることが多い+. 「休. みに子どもとどこかにでかけることがよくある+はB群の方で多いのである。 「食事中にテレビを見ない+ 「子ど 表11を見ると, 「子どもに毎朝必ず朝食をとらせる+ 「子どもの勉強時間を決めている+などの,日常生 ものテレビを見る時間を決めている+ 活のなかの子どものしつけは,. A群で多くみられる。ただ,同時に,. 分に逆らうように感じることがよくある+もA群で多い。. 「最近,子どもが自. B群の母親は,. 「テレビを見る. とき,家族みんなが同じ番組を見る+のように,家族一体感や「今の自分が好きだ+と A群にくらべると いう現在の自分への満足度が高くなっている。子ども-のしつけは, ゆるやかである。. 最後に表12で「学歴期待+,. 「母親自身の学歴+,. 「子どもの兄弟関係+をみてみると,. 「学謄期待+ (母親が子どもをどの学校段階まで進学させたいか)では両群のあいだにほ 「母親自身の学歴+は,ややA群で高いが,その差はわず とんど差がないことがわかる。 かなものにすぎない。.

(10) 192. 渡. 表10. A群とB群の比較(5). 部. 裏. (母親への質問-. 1. ̄子どもの伸の良い友達を ̄よく知って. (%). 1) A群. B群. 61.2. 57.1. 39・声. 29.8. いる.. 2.・子どもの担任の先生をよく知って.㌧・るo. 3.■子どもの誕生日に友だちをまねくo. 18.0. 4.子どもの誕生日に家族だけでごちそ うする。. 76.6. 5.子どもが,令,どんな勉強をしてい るかよくわかっているo. 13.6. 10.7. 6.テレt:・を子ども■と一緒に見ることが 多い.. 41.8. 45.・5. 7.子どもがなにを考えているのかよく わかっている.. ・11.6 ・82.0. 19..0 .20.2. 8.休みに子どもとどこかにでかけるこ とがよくある.. 36.1. 43.3. 9.子どものテストの結果は必ず開くよ うにしている.. 63.5. 65..早. 義ll. A群とB群の比較(6). (母親への質問-. 1.子どもに毎朝必ず朝食をとらせる. (%). 2) A群. B群. 92.4. 87.4. 2.食事中にテレビを見ない. 19.0. 13.6. 3.子どものテレビを見る時間を決めて. 28.3. 23.2. 30■.3. 36.3. いる. 4.テレビを見るとき,家族みんなが同 じ番組を見る 5.子どもの勉強時間を決めている. 6.最近子ども・が自分に遣らうように感 じるこ.とがよくある. .7.今の自分が好きだ 早.子ど、もの成長とともに ̄自分も成長し. ・p17・.6,. .1411. 24.3.  ̄19.5. 16.7. 20.5. 22.5. 17.5. ていると感じることがよくある. 「子どもの兄弟関係+をみると,. B群で「長男+が多く,. A群で「次男+. 「三男以下+. が少し多くなる。. 以上,調査結果についてみてきたが,. A群とB群の差異は,友人関係だけにとどまら ず,親子関係や教師との関係,学校内や学校外での生活,母親の子どもへの摸し方とも 関連をもつことがあきらかになった。次節では,全体のまとめをおこないたい。.

(11) 193. 青少年の人間関係に関する一考察. (母親-の質問-3) A群とB群の比較(7) 学歴期待(どこの学校まで進ませたいか) 表12. (%). A轟 1.中学校まで. 0.1. Q・1. 2.高校まで. 6.1. 8.6. 3.各種.・専門学校まで. 7.9. ・9.6. 4.短大まで. 0. 5.大学まで. 79.9. 6.その他. 5.9. A群 1.中学校 2.高校・ 3.短大等 4.大学. 1.1 75.4 4.8. (%). 母親自身の学歴. 6.1 50.4 ・27.6. 15.9. B群 10.3 50.0 25.5_ 14.1-. (%). 子どもの兄弟関係 A群. B群. 1.長男. 68.6. 73.4. 2.次男. 28.1. 24.5. 3.三男以下. 第4範. B群. 3.1. ・2.1. まとめ. (1)本稿は,青少年の人間関係から青少年問題に接近する方法をとった。特に,青少年 の重要な他者の現状を探ることと,親しい友人がし-ない青少年の特徴を調べることを 「第6回東京都子ども基本調査+の結果である。 主なねらいとした。利用した資料は, 特に子ども(小中学生)票と母親票の結果を再分析し,利用した。 「困ったとき一番相鉄しやすい人間+という質問項 (2)青少年の重要な他者については, 目の結果を検討したが,小学生時の母親から,中学生の友人へ重要な他者が移ってい くことがわかった。学年差だけでなく男女差もはっきりみられた。父親の重みが男子 と女子では大きくちがっている。また,相談する人間がいないとの答えが男子で多か った。. 女子は(他の項目の結果からもいえるのだが,)小学校5年生と中学校2年生の間に 大きな意識の違いをもっている。意識変化の大きさは,男子の比ではない。 また,教師が小中学生から重要な他者とみなされていないことも特徴的であるo小 学生は母親と友達に顔を向け,中学生は友達に顔をむける.困ったとき一番相談しや.

(12) 194. 渡. すい人間に教師をあげる小中学生は,. 部. 真. 1%以下であり,特に中学2年の女子では一人. もいなかったのである。. 兄姉・祖父・祖母・親戚の人・その他の人をあげる小中学生もすくない。小中学生 の重要な他者は完全に,母親と友人にしぼられてしまっている(小3の男子では,そ こに父親がつけくわわる)0 (3)困ったとき,相談する友達がいない子は,男子に多く・,女子に少ない。. 21.7%の男. 子がそうした友人はいか-と答えている(女子は6.5%)。重要な他者の問題は学年差 が大きかったが,友人の有無については,性差の問題が大きい。 男子だけを対象に,困ったとき,相談する友達がいない子どもはどんな子かを探っ たo 「勉強+以外のことについての自己概念が悪く,父母や教師との人間関係もやや希. 薄である。学校生括への満足感はやや低く,遊ぶことよりは,のんびりすることを選 びたいと考えている。母親の対応は,かなり保護的な傾向が強いが,しつけ自体はゆ るやかで,干渉的ではない。親の学歴や,こどもの学歴期待については特徴がない。 (4)困ったとき,相談する友人がいない子どもの姿は,今回の分析でかなりはっきりし たように思える。男子が中心であり,小5・中2に多い。友人がいない分,親や教師, その他の人との関係が濃密かというとそうでもない。全般的に人間関係そのものに, 消極的な姿勢がみられる。勉強ができないわけではないし,学歴期待が低いわけでは ないが,学校生活への満足度は低い。 しかし,そのことをすぐに,発達の病理とか,人格形成の歪みとむすぴつけること はできない。一つの,人間のタイプというか,ある種の社会的性格の類型と考えたほ うがよさそうだ。デュルケームの言う「個人本位主義+を水で薄めたような心性とも いえるし,リースマンの言う「内部志向型+類型の発芽とも考えられる。ただ,こう いうタイプの青少年が,現在,小中学生のなかにかなり存在するという事実(高校生 にはもっと多いと考えられる)は,忘れてならないだろう。 (証1). 「第6回東京都子ども基本調査報告書+. (1993年,東京都)0. (註2)本稿,第2節の内容の一部分は,前出の「東京都子ども草本調査報告書+の中でも,筆 者が別の角度から論じている。.

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参照

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