• 検索結果がありません。

結合ライブラリJcupを用いた大気モデルNICAMと海洋モデルCOCOの連成シミュレーション

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "結合ライブラリJcupを用いた大気モデルNICAMと海洋モデルCOCOの連成シミュレーション"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)情報処理学会第 75 回全国大会. 2A-1. 結合ライブラリ Jcup を用いた 大気モデル NICAM と海洋モデル COCO の連成シミュレーション 荒川隆†. 井上孝洋†. 佐藤正樹‡. 東大・大気海洋研究所‡. 海洋開発研究機構†. 1.序論 気候は大気のみならず海洋・海氷・海陸生態系 や化学物質の動向など、多様な現象が非線形に 関連する複雑系現象である。従って、現象の写 像としての気候シミュレーションモデルも、大 気モデル・海洋モデル・海氷モデル・生態系モデ ル・化学輸送モデルなど、相互に関連する複数の コンポーネントモデルで構成される。近年、気 候研究コミュニティでは、このようなモデルは 地球システムモデルと呼び習わされているため、 以下、本稿においても地球システムモデル (ESM)と呼ぶ。 地球システムモデルを構成するコンポーネン トモデルは、各分野を専門とするサブコミュニ ティで個別に開発されることが多く、並列計算 における領域分割手法や物理量の内部表現形式 はまちまちである。また、表現すべき現象に適 応した独自の格子系や時空間スケールを持って いる。従って、これらのコンポーネント間で情 報を交換するには、格子系や時空間スケール、 領域分割手法等の相違を吸収し、適切な変換や 通 信 を 行 う た め の 結 合 ソ フ トウェア(カップ ラ)が用いられる。日本においては、気象庁・気 象研究所の地球システムモデルを主対象とした カップラ Scup が気象研究所の吉村らによって開 発・実用化された (1) 。また、東大・JAMSTEC・環 境研究所の地球システムモデル MIROC ESM を主 対象としたカップラ Jcup が荒川らによって開発 された(2)。本学会では、Jcup の特徴および適用 事例として正二十面体全球大気モデル NICAM と 全球海洋モデル COCO の結合について報告する。 2.Jcup の特徴 カップラの主要な機能は、相互に異なる格子系 や領域分割手法を持つコンポーネント間で、補 間計算を施しデータ交換を行うことである。. 従って一般に、カップラの適用範囲は、カップ ラがサポートする格子系や補間計算アルゴリズ ムで決定される。例えば、欧州の各気象・気候研 究機関で広く用いられている OASIS カップラが サ ポ ー ト す る 格 子 系 は Regular, Irregular, Gaussian reduced 格 子 、 補 間 ア ル ゴ リ ズ ム は nearest neighbor, bilinear, trilinear, bicubic であり(3)、これら以外の格子系・補間計 算を要求するコンポーネントモデルは結合でき ない。他方、計算機性能の向上に伴い、従来の 格子系とは異なる新たな格子系のモデルが各国 の機関により開発されており、より適用範囲の 広いカップラが求められている。そこで Jcup で は、格子情報そのものをカップラに与えるので はなく、補間計算に伴う格子点の対応関係 (Mapping Table)をカップラの入力情報等する ことで、格子系に依存しない結合を可能とした。 また補間計算については、任意のコードを利用 者が自由に実装できるようなインターフェース を提供することで、きわめて広範な補間計算ア ルゴリズムに適応することを可能とした。 3.NICAM と COCO の結合 3.1 NICAM と COCO について 従来の全球大気モデルでは、極域での格子集中 を避ける、物理量の保存性が高い、等の理由に よりスペクトル法が広く用いられてきた。しか し、スペクトル法では格子空間と波数空間の遷 移に際して並列効率が著しく低下するため、大 規模並列計算には適さない。そこで従来のスペ クトル法とは異なる格子系を持つ大気モデルが、 各国の研究機関で開発されている。佐藤・富田ら の開発になる全休大気モデル NICAM は正二十面 体格子を採用しており、従来のスペクトル法で は実現し得なかった高解像度の計算が可能なこ とから、次世代気候シミュレーションにおいて 中核を担うモデルとなることが期待されている。. Coupled simulation of AGCM NICAM and OGCM COCO by a coupling library Jcup. †Takashi Arakawa, Takahiro Inoue, JAMSTEC ‡Masaki Satoh, Univ. of Tokyo. 1-13. Copyright 2013 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 75 回全国大会. 一方、海洋大循環モデル COCO は MIROC ESM の海 洋コンポーネントであり IPCC 第四次報告書に採 択される等、実績のあるモデルである。今回の 結合試験に用いたのは、最新ヴァージョンであ る Tri-polar COCO である。Tri-polar COCO は北 極海での格子集中を避けるため、ユーラシア大 陸と北米大陸に北極点を移動した格子系を持つ。 このように従来とは異なる格子系を持つコン ポーネントモデルの結合は前例が無く、地球シ ステムモデルを対象としたソフトウェアエンジ ニアリング分野にとってきわめて重要なチャレ ンジである。. 使用可能であった。一方 NICAM は独自の海洋混 合層モデルを実装していた。そこで、このモジ ュールを結合用モジュールに流用することで、 COCO との結合を実現した。 結合に用いた格子数は NICAM が glevel5(解像度 約 220km)、COCO が東西 360×南北 192 である。 交換データは NICAM から COCO が風応力や降水量 など 13 種類、COCO から NICAM が海面温度など 6 種類である。図2に送信側 COCO と受信側 NICAM の海氷厚を示す。解像度の差異に起因して NICAM 側には 6 角形のパタンが見えるが、両者の分布 はよく一致しており、データ交換が正しく行わ れていることがわかる。. 3.2 Mapping Table の計算 前述のように、Jcup は補間計算に伴う格子点間 の対応関係(Mapping Table)を入力情報とする。 従って、事前にこれらの値を求めておかねばな らない。格子点の対応関係は用いる補間アルゴ リ ズ ム に 依 存 す る 。 こ こ で は Jones に よ る First-order 近似(面積重み付け)を用いた。こ の場合、格子間の対応関係を計算することは、 格子を構成する多角形の重なり部分を求めるこ と と 同 義 で あ る 。 例 え ば 、 図1中央の6角形 (NICAM 格子)の値は、4角形格子(COCO 格 子)の7番から 19 番格子の値および重なり部分 の面積比から算出される。Mapping Table の計算 は単純には格子点数 N に対して O(N2)の計算量と なるが、本研究に際してほぼ O(N)で計算出来る 手法を開発・実装した。. 図2 COCO(上図)と NICAM(下図)の海氷厚. 図1 NICAM と COCO の格子対応関係 3.3 NICAM と COCO の結合 前述のように COCO は MIROC ESM の海洋コンポー ネントであり、Jcup によって MIROC ESM の大気 コ ン ポ ー ネ ン ト と 結 合 さ れ ていた。従って、 NICAM と COCO の結合は、MIROC ESM の大気コン ポーネントを NICAM に置き換えることに相当す る。そのため COCO のコードは、ほぼそのままで. 1-14. (1) H. Yoshimura and S. Yukimoto, Development of a Simple Coupler (Scup) for Earth System Modeling, Pap Met Geophys, 2008, 59, 19-29 (2) 荒川隆 and 吉村裕正, 気候モデルを対象とし た結合ソフトウェアの性能評価, 情報処理学会 論文誌, 2009, 2,95-110 (3) R. Redler et al. OASIS4 - a coupling software for next generation earth system modeling, Geoscientific Model Development Discussions, 2009, 2, 797-843. Copyright 2013 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(3)

参照

関連したドキュメント

スライダは、Microchip アプリケーション ライブラリ で入手できる mTouch のフレームワークとライブラリ を使って実装できます。 また

※ 硬化時 間につ いては 使用材 料によ って異 なるの で使用 材料の 特性を 十分熟 知する こと

この課題のパート 2 では、 Packet Tracer のシミュレーション モードを使用して、ローカル

これはつまり十進法ではなく、一進法を用いて自然数を表記するということである。とは いえ数が大きくなると見にくくなるので、.. 0, 1,

2)海を取り巻く国際社会の動向

荒天の際に係留する場合は、1つのビットに 2 本(可能であれば 3

「海洋の管理」を主たる目的として、海洋に関する人間の活動を律する原則へ転換したと

運航当時、 GPSはなく、 青函連絡船には、 レーダーを利用した独自開発の位置測定装置 が装備されていた。 しかし、