小 児医療
か
ら
成 人 医療
への
移行
に
関 す
る
医療者
の
意識
一
小児
医
療
者
・成
人
医
療
者
、医師
・
看護師
の
回
答
を
比
較
し
て
一
松森直美
, 二宮啓
子
,蝦
名美智
子
,瀬
戸
美
子
* ,森
田裕妻
,木多 由里
*,毛利京 子
* ,貮方 映子
*,井上
ひ ろみ* 神戸市看護大学,
’ 神戸市立中央市民病院 要 旨 医 療の進 歩により,
小 児 期に発 症 した 疾 患 を も ち なが ら成 人に達 し,
小 児 医 療 を 継 続 して受 けている青 年 期の患 者が増えて い る。
その中で,
2001年に行っ た患者と家族へ の調査では,
「移行を希望して いる」と回答し た患者は約2割で,
「移行の希望を言 い出しに くい」と回答した患者もい た。 そこ で,
今回は医療者に対して質問紙及び面 接に よ る小児 医療か ら成人 医療に関する意 識 調査 を行っ
た。 対象と したの は,
総合病 院の医療 者(医師34名,
看護 師275名)309名 (回収 率64%)で,
そ のう ち約9
割が移 行 は必 要で あると回答 し, 情 報 交 換 を希望 していた。 さらに,
・
慢性疾患 を もっ青 年期の患者とその家族に対する移行の援 助 と し て,
まず,
医療者側の十分な準 備を行っ てお くことや移 行後の フ ォ ロー
を小児医療者と成 人 医 療者と が連携し な が ら行っ て い く こ と が重要であること がわか った。
ま た,
患 者と家 族の準 備,
事 前の指 導 や 引継 ぎ,
移行 後の継 続 看 護は移 行における看 護 師の 重要な役 割で あ ること が明ら か に なった。
キー
ワー
ド;移 行,
小 児 医療から成 人 医 療,
医 療 者,
意 識1 .
は じめに わが国で は, 医療の進歩に よ り小児期に発症し た疾 患 を もち成人に達し な が ら も,
小児科で の医療を継続 してい る患 者 が増え てい る。
それに伴い, 生 涯医療 を 必要 と す る小 児 慢 性 疾患患児の成 人 化 (キャ リー
オー
バー
),
思 春 期の心の成 長,
ハ イ リス クの 妊娠・
出産 な どの課題が生じて い る。 そ れ らのニー
ド に応 じる た め これまで の診療科の枠を 越え, ラ イフサイ クル とい う 新しい概 念に基づい た 「成育医療」におい て小 児期か らキ ャ リー
オー
バー
し た患者へ の包括的 , 継続的な医 療が内 科そ の他 関係する他 科と連 携して行わ れて きて い る(柳 澤,2002
;山元他,2002
)。 例えば,
小 児がん の治 療 成 績の向 上によ り,
現 在その約70
% が治癒 し て きて おり,
そ れに伴いキャ リー
オー
バー
す る患 者が 年々増え てきてい る。
彼 らの約 半 数は原 疾 患を克 服し たもの の晩 期 障害 を抱え,
就職や結 婚,
出 産 な どそれ に伴う様々 な心理社会 的問題に直面して い る。 その患 者た ち を誰が どの よ うに診て行 くのか が今 大 きな課 題 とな っ ている と言わ れ てい る (石本 他,2002
)。 ま た,
小 児 病 棟の設備の大 き さや装飾が青年期の患 者に合わ ない こと,
ま た,
小 児 医 療 従 事 者が,
青 年 期 の患 者へ の対 応に戸 惑い,
性や出 産に関 する問 題,
薬 物乱用,
危 険行動,
職業 相談な ど青年 期の重 要な問題 に最 善の準 備 を して対 処 するこ とがで き ない とい う意 識を もっ て い ること が言わ れて いる (Conway ,
S.
P .
,
1998
)。さ らに
Hauser
(1999
)は医療者に対する面接調査で,
移行に おいて障壁 とな ることは, 患者と家 族 が 小 児 医 療 者に依 存 して いること,
その小 児 医 療 者が依 存を助 長して い るこ と, 小児医療者と成人医療者との連 携の 不 足,
保 障 制 度の欠 如な どを あ げて いる。 した が っ て,
疾患及び治 療,
自己責任を もっ こと にっ い て の患者と 家族へ の教 育,
成人病棟の受け入れ準 備,
小児医療チー
ムが移行の ための事前準備を すること など を目的と し た移行プ ロ グラムの実 施を提案して い る。 それに加え て,
慢 性 疾患を もつ 小児の数がこ こ10
年で約2
倍に なっ た とい うこと をふま え,
患 者・
家 族に成 人 病 棟 を 紹 介して い くこと,
情 報 提 供 や 事 前 指 導によ り 自 己管 理 や意 思 決 定の スキルを育 成して い くことなど を 看 護 実 践へ の応 用 として示 して いる。 今 後 は,
こ の実 践の 評価を行い,
他の慢性疾患 患者へ 広く応用させ てい く ことが課 題である として い る。
加藤ら (2001
)は,
国内の医療に おける移行の現状 と課 題にっ いて文 献 検 索 した 結 果,
移行の必 要 性 や 実 態を述べ たもの は なく,
ほ ぼ医 師によっ て記述 さ れ た 事 例や調 査 報 告であっ た と述べ てい る。
ま た,
看 護の 現 状 や看 護 者の認識が不 明 確で小児から成 人へ の移行10
神 戸市看護大学 紀 要Vol,8,2004
に焦点を当て た看護の文献は な く, 個人の援 助の視 点 で記 述さ れており,
転科や医療シ ス テムの問 題に触れ ているものは見 られ な かっ た と している。1993〜2003
年 まで の医 学 中 央 雑 誌 刊 行 会に よる 文 献 検 索に おい て,
「移 行 」 「慢 性 疾 患 」 「キャ リー
オー
バー
」「小児医療から成 人 医療 」 「成 育 医 療 」のキー
ワー
ドで該 当し た文 献は8
件のみで,4
件が医師に よ る症 例報告や解説,3
件が1
型糖尿 病に関 する症 例 報 告や 雑誌の特 集記事,1
件が先の加 藤ら (2001
)の文献で あっ た。 し た がっ て,
小児 医療か ら成人医療へ の移 行に関 す る調 査 や研 究 を 行っ て い くことは,
今 後 増 え 続 ける で あ ろう小児慢 性疾患のキャリー
オー
バー
患者に対する 医 療や看 護におい て,
また 「成 育 医 療」 とい う分 野に お いて も重要な意義が あ る と考え る。 こ のよ うな 現 状において, 昨年度は, 患者や家族が どのよ う な 思い で闘 病して い るのかにつ い て小 児 医 療 か ら成 人 医 療へ の移 行に焦 点 を あて意 識 調 査 を行っ た。 その結 果,
「小 児 医 療 を 継 続 して受 けて い ることに違 和 感 を もっ ていない」 や,
「成 人 医 療へ の移 行を希 望 し な い」と回答し た患者や家族が約6
割に みられた。
一
方 , 「移 行を希望 している」と回答し た患者は約2
割で,
その中には 「希 望を自分か ら は言い出しに くい」 と回 答 した患者もいた。 また,
「必要性に関して わか らない」と回 答し た患 者 や家 族が約3
割に及んで いた ことが わ か り,
成 人医療へ の移 行に関する情 報提供を 行っ て い くことの必 要 性 も示 唆された (松 森 他,2003
)。
そ こで, 前回の患者と家族へ の意 識調査に引き続き,
今 回は,
医療 者に対する意識調査 を行い, 医療者側の 現 状にお け る問題と その対応を明確化すること を目的 と した。
こ こで は,
小児医療に従 事してい る医 療 者 (以下,
小 児 医 療 者 )と成 人 医 療に従 事して い る医 療 者 (以 下,
成 人 医 療者)の それ ぞ れ が移行に関して ど のような意 識 を もっ て いるのか両 者の回 答の違いに焦 点をあ てて ま とあ た。 さ ら に,
より具体的な示唆を得 るた め,
成 人 医 療 者 を 医 師(以 下,
成 人 医 師)と 看 護 師 (以下,
成 人看護師〉,
小児医療者を 医師(以 下,
小 児 科 医 師)と看 護師 (以下, 小児看護師)に分け, そ れ ぞ れの 立場で の回答の違い にっ い て も分析を行っ た。
1 .
調 査 方 法 お よ び対 象 対象 者A
総 合 病 院の小 児 病 棟・
混 合 病 棟,
外 来,
成人を対象とする診 療科に所属し ている医療 者483
名 調 査 方 法 :無 記 名による質 問 紙 調 査 及び さ らに詳しい 回答を得る ために,
同意 が得られた場合にのみ半構成 的面 接 を行っ た。 調 査期 間1平成14
年11
月〜
平 成15
年3
月 調 査 内 容 :文 献 を参 考に,
小 児 医療から成 人 医 療へ の移行の必要性,
移 行事 例の経験の有無 移 行の際に 考えられる問 題や必 要な配 慮,
思 春期病棟の設 置な ど に関 する質 問項 目を独 自に作成し た (Rettig,
P,
et.
al.
,
1991
;Betz,
C .
L .
,
1998,2000
;Conway ,
S.
P .
,
1998
;Hauser
,E .
S 、
,1999
;駒 瀬,2000
)。 分析 方 法 :質問紙に よっ て得 られ た数 値 的 な回 答に 対して はX2 検 定 (p くO.
05
)を行い,
記述回答や面 接で の回 答は,
内 容 分 析 を行っ た。
倫理的配慮 :調査対 象とする施設,
病 棟の代表者に 研究 内容および方 法に関して説 明し同意 を得た。 そし て,
調査へ の協 力は所 属 長か らの強制で は ない こと や 匿名 性の 保持 等 を調 査用紙に明記 し実施 した。
皿.結
果1.
質問紙調査の結果に よ る移 行に対する医療者の認 識 配 布数483
に対し,
回収した総数は309
(看護師275
名 ;成 人 看 護 師220
名,
小 児 看 護 師55
名,
医 師34
名;成人医 師24
名,
小児科 医師 ;10
名, 図1
)で,
回 収 率 は64
.
0
%で あっ た。
年 齢は20
歳 代が 全体の5
割以 上を占めて おり, 経 験年数は5
年未満 が4L1
%,5HIO
al
19.
1
%,10
−
20 年2L7
%, 20 年以 上16,
8
%,
無回答1,
3
%であっ た(図2
)。 また, それ ぞ れの質問に対する回答を 以 下に記 述 した。 図1 回答者の属性小児医療か ら成人医療へ の移 行に関す る医療者の意識 11
1
21.
7
%1.
3%19.
丁%41
」%口5年未 満 団5〜
1Q年 未 満 田10〜
20年 未 満 團20年以上 ■ 回答な し 図2 回答者の医療者と し て の経 験年数1
) 職 場で移 行 を 話 題にす ることが あ る か 職 場で話題にすること に関 して の回 答 は,
「よくある」小 児 医 療 者 18
,
5
%(以 下65
名に対す る割 合),
成人 医療 者0
%(以下244
名に対する割 合),
「た まにある」小児 医 療者50.
8
%, 成人医療 者13.
1
%,
「あ ま りない」 小 児 医 療 者13,
8
%,
成 人 医 療 者38
.
9
%,
「全 くない」 小 児 医療者10.
8
%,
成人 医療 者36.
1
%,
「考え たこ と が ない の で わからない」 小 児 医 療 者6.
2
%,
成 人 医 療 者11,
0
%で,
小児 医 療 者の方 が 話 題にすること が多かっ た(図3
)。
2
)小児 医療か ら成人 医療へ の移 行の必 要性にっい て 移行す ること は 「必ず必 要 」と回答し た小児 医 療 者は92
%,
成 人 医 療 者は9
.
4
% と同 じ く らい であっ
た。 「状況に応じて必 要 」は,
小児 医療者84.
6
%,
成 人 医 療 者65.
6
%で あっ た。
「考え たこ と が ない の で わ か らない」 小 児 医療者4,
6
%,
成 人医療 者22,
1
%で小児医療 者を 上回っ ていた。 「全 く必 要が ない」と回 答し た人は両 者 共に いな かっ たQ3
) 移 行の推 奨 度 につ い て 移行を 「積 極的に勧めたい」は小児医療者で は10,
8
%,
成人医療者で は3
,
3
%,
「状 況に応じて勧 め た い」は小 児 医 療者で は80.
0
%,
成人 医 療者 で は 64.
3%と小 児 医 療者の割 合の方がいずれも 多かっ た。 さらに「考え たこ と が ないの でわ か ら ない」は小 児 医 療 者6
.
2
%に比べ,
成 人 医療 者27
.
9
% と多かっ た(図4
)。 ま た,
職場で の話題に対す % よ くあ る た まにあ る あま りない 全 くない 考え たことが ない の でわか ら ない 0 10 20 30 40 50 60 口 小 児 医 療 者 ■ 成 人医 療 者 図3 職 場での話 題 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 積 極的 に勧め たい 状 況に 応 じて ど ち ら か とい うと勧 め た くな い 勧 め た くない 考えたことが ないの でわか らない 口 小 児 医 療 者 ■ 成 人 医 療 者 図4 移 行の推 奨 度12
神 戸 市 看護 大 学 紀要 Vol,
8,
2004
る回答と移 行の必 要 性 や 推奨 度との間に は有 意 差 があり,
職 場で の話 題が多いと移 行の必 要 性や推 奨度は高かっ た。4
) 移 行 を勧め るか ど うか を 決 定 す る際の要因 移 行を勧め る か ど う か を決 定する際の要 因に関 する回答は,
「患者の状況に よ る」小児医療者53,
8
%,
成 人 医 療 者34
,
8
%で最 も多 く,
次い で 「患 者 自身の 自立が人 生や治 療 上 必要だ か ら」小児 医 療 者41.
5
%,
成 人 医 療 者19
.
7
%,
「患 者,
家 族の 要望に よ る」小児医療者32,
3
%,
成人 医 療 者20,
9
%,
「病棟の受 け入 れ体制に よる」小児医療 者35.
4
%,
成 人 医療 者20.
5
%で,
いずれも小児医療 者の割 合の方 が 多かっ た(図
5
)。
ま た,
移 行の推 奨 度との関 連で は 「幼 少 時か ら 熟 知 して いるか ら」や 「継 続的に診療したいか ら」 「成人医療で は難しいから」とい う回 答 を して い て も 「状 況に応じ て移行を勧めたい」と回答し た 人が多かっ た。 し か し,
「幼 少時か ら熟知して い るか ら」や 「継続 的に診 療した いから」と い う回 答と同 時に 「積 極 的に移 行を勧あ たい」と回 答した 人はいな かっ た。 (以 上
,
複数回答)5
) 情 報 交 換の希 望 移行を行う際の準備や配慮と して 「情 報交換を ぜひ し たい」 とい う回 答が小 児 医 療 者52.
3
%,
成 人医療 者45.
9
%で最も多かっ た。 「状況に よっ て は し たい」とい う回 答は,
小 児 医 療 者38
.
5
%,
成 人医療者38,
5
%で,
「ぜひ し たい」 と 「状況に よっ て は したい」の回 答 を 合 わせ ると約9
割の人 が情 報 交 換を希 望して いた。 「全 く必 要ない」と の回答は両 者ともになか っ た。6
)移行の準備 移 行の準備と して 「病状の経過 を引継ぐ」 とい う回 答が小 児 医 療 者66.
2
%,
成 人 医 療 者58,
2
% で最も回答が多かっ た。 次い で「医療者の連携 」で,
小 児 医 療 者64
,
6
%,
成 人 医 療 者39
,
8
%と小 児 医 療 者の 回答が多かっ た が, この項 目を 最も重 要と していたの は,
小 児 医 療 者7.
7
%,
成 人 医療 者18
,
4
%で成 人 医療者の 回答が最 も多かっ た。 「思春期 科の設 置が 必要」は, 小児医療 者26,
2%,
成 人 医 療 者15.
6
%で その項目を最も重要と して いたのは 小児医療 者1,
5
%,
成 人 医療 者0,
8
%であっ た。
(複 数 回 答)(図6 ・7
)7
)1
例以 上の移行事 例の経験1
例 以 上の移 行 事 例の経 験にっ い て の回 答は,
小 児 医療
者が21.
5
%, 成人 医療 者が12.
3
%で小 児 医療者に経験者が多かっ た。
「全く経験が ない」 は, 小児 医療者36.
9
%, 成人 医療者71.
7
%であっ た。8
)移 行の年齢 何 歳で移 行 を した らよいかにっ いては,
「19
−
2
2
歳」小 児 医療者46,
2
%,
成人医療 者32,
4
%,
「1
6− 18
歳」小 児 医 療 者29.
2%,
成 人 医 療 者36.
5% で小児医療者と成人医療者の回答に有意差は な かっ た。 「12−
15歳 」 と回 答し たの は小 児 医 療 者4.
6
%,
成人 医 療者8,
2
%で あっ た。 ま た,
「年 齢に は関 係 ない」小 児 医 療 者7.
7
%,
成 人 医 療 者4,
5
患者の状 況による 自立 が 必 要 患者/家族の希望 受入体 制に よる よくわか らな い 幼少 期 か ら熟 知 成人医療で は困難 継続 的に診 療したい 主治 医や システム に よる 成人医 療の方 が有 効 o 10 20 30 40 50 60 % 口 小児医療者■成人 医療 者 図5 移行を勧め る か どうか の 理由 (複数回答 )病 状
・
経過 の引 継 医療 者の連携 受 け 入 れ 体 制 の 整 備 治 療の よ い時 期の選 定 患 者の引 継 家族の準 備 患者の成 熟度 移 行 システムを 作 る 思春 期の専 門 家配 置 事前の指 導・
下見 思春期 科の設置 診 療上の都合 を 理 解 性 別 に よる配 慮 患 者 家 族 の 意 向 尊 重 よくわか らない0
10
小 児 医 療か ら成 人 医 療へ の移 行に関 する医 療 者の意 識13
20
30
40
50
60
70
% 口 小 児 医療 者 ■成人 医 療 者 図6
移 行の準 備 や 配 慮で必 要 なこと (複 数 回 答 )0
5 1015
20
医 療 者の連 携 受 け入 れ 体 制の整 備 治 療のよい時 期の選 定 患 者の引 継 家 族の準 備 患 者の成 熟 度 移 行システムを 作 る 思 春 期の専門家配置 事 前の指導・
下 見 思春 期科の設 置 診 療上 の都合 を 理 解 性別 に よ る 配慮 患 者 家 族の意向尊重 よくわか らない 口 小児医療者 ■成人医療 者 図7 移 行の準備や配慮で最も重要と考え ること (複 数回答) %,
「疾患に よ っ て違う」小児 医 療 者1.
5
%,
成2 .
質問紙 調 査の結 果に よ る医師・看護師の 認識の比 人医 療 者4.
5
%であっ た。 (図8
) 較 医 師も看護 師も,
移行の必要 性,
推奨度に関する14 神戸市看 護 大学紀 要 Vol
.
8,
2004 12−
15歳 16−
18歳 19−
22歳 23−
25歳 26−
30歳 30歳 以上 年 齢には 関 係 ない 疾 患によって違 う 0 10 20 30 40 50% ロ 小 児 医 療 者 ■ 成 人 医 療 者 図8 移行の年齢 受入れ体 制による 患者
・
家族の要 望による 継続的に診療したい 受入れ側の準 備体 制が必 要 思春期の専門家をお く 01020
30
4050
60
7080
% 囮小児 科 医師 圜成人 医師 図9 移行の推 奨度と準備に関 して成人医師と小児科医師との比較で有意差のあった もの (X2検定:pく0.
05) 回答に有 意 差は な かっ た。
移 行の必 要 性 が 「全 くな い」との回答は両者 共に い な かっ た が,
「どちら か とい うと不 要 」 との 回 答は 7名で,
主に経 験 年 数10
年未満の医師と看護師であっ た。 情 報 交 換の希 望では,
看 護 師の11
.
6
%が 「わ か ら ない」と回答しており,
医師の2.
9
%より多かっ た。 職 場で の話 題は,
「よ く あ る 」医 師14,
7
%,
看 護 師2、
5
%で医師の方が よく話題に してい た。 移 行事例の経験で, 「全 く経 験が ない」 との回答 は医師の20.
6
%に比べ,
看護 師69.
8
%と多かっ た。
移行の際の配慮 と して,
「患者 自身の引継ぎが必 要 」と回 答 したのは,
医 師の32
.
4
%,
看護師の56.
0
%で, 看護師の方が多かっ た。1
) 成 人 医 師 と小 児 科 医師の認 識の比 較 移行を勧め る か どうか は 「受け入 れ体制によ る」 と していたの は,
成 人 医師20.
8
%,
小児科 医 師60.
0
%,
「患 者・
家 族の要 望による」 成 人 医 師4.
2
%, 小児科 医 師50.
0
%, 「継 続的に診 療し たい,
責 任 を 遂行したいから」成人医師4.
2
%, 小児科 医師20.
0
%で いずれ も小 児 科 医師の方が多か っ た。 移行の準 備と して必 要なこと を 「受 け 入れ側の 準 備 体 制」と 回 答 したの は,
成 人 医 師33.
4%,
小 児科 医 師70.
0
% 「思春 期の専 門 家を お く」 と の回 答 も,
成 人 医 師20.
8
%,
小 児 科 医 師70.
0
% で小 児科 医師の方が多かっ た(図9
)。2
) 成 人 看 護 師 と小 児 看 護 師の認 識の比 較 移 行を勧め る か どうか は 「患者の身体的,
精神 的発 達や社 会 的 状 況によ る 」 と し てい たのは,
成 人 看護師58.
5
%,
小児看護師74.
5
%,
「患者 自身 の 自立が人生や治療上必要だから」は, 成人看護 師 30.
5%,
小児看護師 65.
5%,
「幼 少時を熟知し てい る か ら」は,
成 人看 護 師13.
2
%,
小児看 護 師18.
2
%でいず れ も小児看護 師の方 が 多かっ た。 「継続的に診療したい,
責任を 遂行したいか ら」 は成 人看護師12.
3
%,
小児 看 護師5.
4
%,
「移 行 に関 する情報を あ ま り知らない」 は成 人 看護 師31、
5
%,
小児看護師3.
6
% でいずれも成 人 看 護 師 の方が多かっ た。
移 行が必要な疾患にっいて, 「内分泌代 謝疾患 」 を あ げたのは, 成人看護 師7.
3
%, 小児看護師20.
0
%で小児看護師の方が多かっ た。 移 行の準備で最 も重要なことを 「医療 者の連 携 」 と回 答して いたのは,
成 人 看 護 師17,
4
%,
小 児小 児医療か ら成人 医療へ の移行に関 する医療者の意識
15
0 10 20 3D 40 5 D 患 者の身体・
精 神的 発達や 社 会 的 状 況 に よ る 患 者の 自 立 が 必要 幼 少 時を熟 知して いる から 継 続 的に診 療したい 情 報 を あま り知 らない 内 分 泌 代 謝 疾 患 は移 行 が 必 要 医療 者の連 携が必要 事前の患者 指 導が必 要 図 10 成 人 看 護 師 と 小 児看 護師と の比 較で有意差のあっ たもの 患者 の 身体・
精 神的 発 達 や社会 的状 況による 継続的 に診 療した い 血 液・
腫 瘍 疾 患は 移 行 不 要 受 入れ側 の 準 備 体 制が必要 事 前の患 者 指 導 が 必 要 60 70 90 % 0 図 小 児看護師 口成人 看護師 (X !検定 :p<0.
05) 10 20 30 40 50 60 70 % 回 小 児 看 護 師 囚 小 児 科 医 師 図 11 小児科医師と 小児 看 護 師の比較で 有 意 差のあっ た も の (x2 検 定 :p<0.
05
) 看 護 師5.
5
%で 成人 看護 師の方が多かっ た。 「事 前の指 導・
下 見が必 要」としていたのは,
成人 看 護 師30,
6
%,
小 児看護師65.
5
%で小 児 看 護 師の 方が多 かっ た(図10
)。3
)小児科医師と小 児看護 師の認 識の比 較 移 行 を勧 める理 由にっ いて 「患者の身体的,
精 神 的発 達 や 社 会 的 状 況による」 を最 も重 要 と して いたのは小児科医師50
%,
小児 看 護 師16.
4
%で,
「継 続 的に診 療 し たい,
責 任 を 遂 行 したいか ら」 を理 由と して い たの も小児科医師20
%,
小 児 看 護 師5,
4%で いずれも小 児 科 医 師の方が多かっ た。
移行が必要で な い疾患と して 「血液・
腫 瘍疾患」 を あ げたの は, 小児科 医師50.
O
%, 小 児看 護 師10,
9
%で小 児 科 医 師が多かっ た。 移行の準 備として 「受け入れ側の準備 体制」 を 最 も重要と 回 答 したの は、
小児科 医師30.
0
%, 小児 看 護 師3,
6
%で小児科医 師の方が多か っ た。 「事 前の指 導・
下見 」 を 必要と して いたの は,
小 児科医 師10.
0
%,
小児 看 護 師65
,
5
%で小 児 看 護師の方が多かっ た(図
11
)。4
)成 人 医 師と成 人 看 護 師の認 識の比 較 移行を勧め る かどう かの理由で 「小児 特有の疾 患で成 人 医 療で の治 療 は難 しい」 と回答して いた のは,
成人 医師37.
5
%,
成 人看護師8.
2
% で成 人 医 師の方が多かっ た。 「患 者・
家 族の要 望によ る」 は成人 医 師4.
2
%, 成人 看護 師28,
6
%で成人看 護 師の方が多かっ た。
移行を必 要とする疾患と し て,
「血液・
腫瘍疾 患 」 を あ げ たの は,
成 人 医 師4.
2
%, 成 人 看 護 師18.
2
%で成 人 看 護 師が多か っ た。 「心疾 患 」を あ げたの は,
成 人 医 師25.
0
%,
成 人 看 護 師14.
5
% で成 人 医 師が多かっ
た。 移行の準備と し て 「家族の準備」 を あ げていた の は,
成人医 師20、
8
%,
成人 看 護 師47,
0
%,
「医 療者の連携」 も成人 医 師45.
8
%,
成人看護 師59,
8
%で成 人 看 護 師の方が多かっ た(図 12)。3 .
面接調 査の結果 面 接を実 施し たのは,
小 児 科 医 師 1名と内科 医2
名,
小児病棟の 看護師2
名で あっ た。 (表1
) 「血 液・
腫 瘍 疾 患 」 を 移 行 が 必 要 ない疾 患として あ げて いたことに対して 「小児科に も専門の医 師が い るため 」 との理 由 を 回 答 して い た。
「心 疾 患 」に関
して は,
「生涯もっ て い く疾患なの で成人の科へ16
神 戸市 看 護 大 学 紀 要 Vol,
8,
2004 小 児 特 有の疾 患で成人 医療では困 難 患 者・
家 族 の 要 望 に よ る 血 液・
腫 瘍 疾 患 は 移 行 が 必 要 心 疾 患は移 行が必 要 家 族の準備が必 要 医 療 者の連 携 010 20 3040 50 60 70 % 圜成 人医師 囲 成人看 護 師 図 12 成 人 医 師 と成 人 看 護 師の比 較で有 意差のあった もの (xl検 定 :p<0.
05) 移行した方がよい。 先 天的な疾患で も成人医 師が 勉 強して診て行 くことは必 要 」との回 答があっ た。 ま た 「内分泌 疾 患 」の 中で も糖尿病などは移行しやす く 「外 来で移 行 して悪 化 した場 合に入 院 す ること が 可能」と回答して いた。 小 児 科 医 師か ら移 行の話 を勧める シス テム が必 要 であ る こ と, 入 院は小児病棟で も主治 医は内科 医, 逆に入院は成 人病 棟で も主治 医は小児科 医師な ど状 況に応じ た柔軟な対応が可能で あること,
患者や家 族へ 事 前に情 報 提 供 してお くな ど準備や指 導 が 必 要 なこと,
小児,
成 人の看護師,
医師でカンフ ァ レ ン スを もっ こと,
移 行 した子 ど もの母 親 が 内 科の受 診 の際に不 信や不安が あり,
移行の初期に は小児科と の診療の違いをふ まえて丁寧な対応が必要で あるこ と な ど移 行事例か らの具体 的な連 携の提 案を して い た。
また,
入院 中に移 行 する場 合は,
主に看 護 師 間 の引継が重 要 との回 答 や小 児 科でやっ
てい ることを 大 人の科の看護師は知ら ないため看護師同士の話し 合いが必 要とい う回 答 もあっ た。IV,
考 察1 ,
小児医療の継続と成人医療へ の移行にお け る 見解 「継 続 的に診 療し たい,
責 任を遂 行し たいか ら」 との回 答は小児科医師の方が成人医 師や小児看護師 より も多 かっ た。
こ の回答と同 時に移 行 を 「積 極 的 に勧めたい」との回答は な かっ
たこ と か ら も,
この こと が小 児 科 医 師の小 児 医療 継 続の理 由であ る と考 え る。 また,
「幼少 時を 熟 知 して いるか ら」 との回答は 成人看護師より小児看護 師に多かっ た。 こ の こと は,
先 行 研 究において患 者 が小 児 医 療に違和感 を もた な い要素の一
っ と なっ ていた (松 森 他,
2003
)。 さ ら に,
患 者と家 族が小 児 医 療の継 続を 選択し た場 合な ど患 児 を長 く診て い る小 児 科 医 が 継 続 して担 当 すべ きといっ た意 見 もある (丸山,1990
;白木,2000
)。 しか し, 小 児医療を継続して いる青年期の患者た ちは,
家族を中心に置いた小 児医療で強い依存を身 につ け , 本人に焦点を当て た成 人医療で より大 きな 個人 的 責 任を引き受 けら れ ない,
あ るいは自己管理 を行っ て い くな どの準 備がで きて い ない状 況や小 児 医 療 従 事 者との密 着が移 行の障壁になっ て いる場 合 が あ るこ と が指摘さ れて い る (Rettig,
P .
,
et.
al.
1991
;Betz,
C .
L .
,
1998 ;Conway
,
S.
P,
,
1998
;Hauser,
E .
S.
,1999
;駒瀬,2000
)。 ま た, 質 問 紙 調 査におい て成 人 医 師は移 行が必 要な疾 患と して 「心疾 患」 をあげ,
面 接調査で内科 医が 「生 涯 もっ てい く疾 患 なので成 人の科へ 移 行 した方が よい。 先 天 的な疾 患で も成 人 医師が勉強して診て行くこと は 必要」 と 回答し ていた。
赤 木(2001)は,
成 人期に達 し た先天性心疾患患 者の将 来の人生設計をは じ め と した心理的問題に対して, 小児循環器専 門医は必 ず しも十分な知 識や対 処能 力を もっ て いる わ けで は な い の で,
ケー
ス ワー
カー
や カ ウンセ ラー
な どによる 援助が 必要と報告 して い る。
村 上 (2001
)は,
小 児 科の医 師が慢 性 疾 患を有す る成人の治療を行う場 合,
成 人 独 特の症 状 を 見 逃 す 恐 れ が あ り,
早い段 階で 内 科へ の転科を考え るべ きで ある と述べ てい る。 その た め,
思 春 期に憎 悪 する傾 向 が ある慢 性の腎 臓 病 を もっ 子 ど もたちに対 する ケア と して最 も大切な の は,
子どもの時か ら病 気に対する自己管理能力 を身にっ けさ せ ることであると して い る。一
方,
鉾 之 原 (2001,
2003
)は幼児 期か ら小児科 医が診て いる膠 原 病 を も っ 患 者は,
内 科に転 科 しませ ん か と言っ て もな か な小 児 医 療か ら成 人 医療へ の移 行に関 する医 療 者の意識 17 表1 面 接の概要 (
一
部 抜 粋) 質 問 内京
小 児科 医 内 科 医l l 内 科 医2 ハ児 看 護 師1 小 児 看 護 師2 移 行が必要 疾 患の特殊性が あ る。
疾患によって 全然違って くi18
歳の心カ テを受けて い 移行が必要なの 糖 尿病,
心疾 患,
ま た は不要 大 人と同じ よ う に続い る。 バ セ ドウ病はすっ と送っ た心 疾 患の患者が小 児 科 は,
年齢や慢性 腎 疾 患,
内 分 泌 と考える 疾 て い く糖 尿 病 は 移 行の て くれ た らい い。
拒 食 症の 医によって心カ テを 受 け 疾 患で継続フ オ は 疾 患の コ ン ト 患 とそ の 理 必 要性が あ る。 乳 幼児 場合,
人間関係の問題が あ て い るのを経 験し,
疑 問 ロー
が必要な時。 ロー
ルを 成 人と 由 期に発 症 して い て も移 るか ら非 常に難しい。
に思っ
た。 生 涯 もっ
て い 例え ば糖尿 病, して 自 分が受 け 行できる。
内 分 泌の大 人でもある よう く疾 患なの で,
い ずれ は 血液 系疾患 入 れて いくた め 血液疾患や神 経 疾患 も な普通の疾患であ れ ば 送っ
成人の科へ 移 行して いっ
しか し,
実 際に に親の管理 か ら 小 児 科 医に専門 がいる てきて も らっ てもよ い。
1 た方 がよい。
先 天 的 な疾 入院してこな け 独立するため移 の で,
どこ も いっ ぱ い 型 糖 尿 病と か。
患でも成 人の科の 医 師が れ ば考え ないか 行が必要。 いっ ぱいなら ば 小 児 科 小児科で ないと診 れ ない先 勉 強 して み てい くことは も しれない。 移 脳性マ ヒ,
神 経 で診る。
天 性の疾 患 は小 児科の医 師 必 要だ と考える。
行が必 要ない の 系 疾患は その 子 お母さ ん の意向で移行 の方が よ い場合が多い。 内 移行が不要な の は,
血 液は,
治癒できる 自身で 自己管理 を考 え ない場 合 が あ る。
分 泌,
糖 尿 病は移 行 しや す 疾 患 など。小児科で完治 また 場 合。
がで き ないか ら いD は死亡する疾憲な の で成人の 移行は不要。 科に来る ことは稀であるが,
長期になる場合は診 ますb 移 行に適し119〜
22歳が移 行しや す 何 歳で移 行 しな さいっ て い 19〜
22歳 16歳〜
16−
18歳 た年 齢につ 1い。
年 齢に よ る。 16歳 うのは言って いない。 必要 大学入学くらい で成人の 小児 医療の上 限 成 人 期に さ し か い て で移行した子 もい る。 ない。 本人 が納得した時期 科へ移 行するのがよい。 年 齣15劇を 超 かり,
親か ら も 心 理 身 体 社会面が整え 高 校 生が多いけど別にごだ 今の科で は18
歳が最 年 え る から。
自立し て い る か ば渡せ る状況であ れ ば わ らな い。 少。 小 児 科に 15歳 過ぎ ら。 よい。
20
歳になっ て内科 医 が診 れ て受 診 した 場 合,
内 科へ 高 校と か大学と か節目 る範囲内では み せて も ら う。
回さ れ ること が多い。 小 なので それに向っ て準 移行の際に は まず電 話 が あっ 児 科 医 が 診れ るの は 18 備 する という使い方は て説 明が あって経過 表が入っ 歳 くらい ま で で は ?i
」
して血
も
,
よい。 個人に よっ
ている。 16〜
18歳は,
両方の科が て遅 つD 診てい くこと が 必 要 な移 行期 移 行の準 備 本 来な ら思春 期は別に 入院し て いて移行し た の は 小児科か ら依 頼が あ れ ば一
緒に考え る。
思 春 期や青 年 期 と して考え するべ きだ と思 うが,
1人 だ け。 あ と は全部外 来 受け たい。 周りに相談 する。 の患 者へ の対 応 て い るこ と汰 人は増える一
方で,
患者。
入院中に移行 するの 小児科医か ら話 を するシ 疾患にか かわ ら に不 安や戸 惑い や必要なシ 小児病棟は大人に比べ は難し い。 外来で移行して,
ステムが必要。 ず年 齢が越え れ は感じ ない。 ス テ ム にっ ると空 床があることを 糖 尿が悪かっ
た らこち らで 患 者 さんが 言い難い こ と ば移 行 するシ ス (小 児 科の注治 医 いて 考え る と,
小 児 科か ら 入院する と いうこ と が で き は よくわ か る。
テム よ り適切な時 期 延長した方がス ムー
ズ る。 入 院は内科でも主治 医 病棟の下 見を する, 経過 ス タッ フ教 育の に その疾 患の 専 か も しれ ない。 は 小 児 科でもよい。
移 行 し を 引 き継 ぐ,
思春期の専 前にシ ステム作 門医に情 報を与 た場合,
小 児科で は丁寧に 門家をお く,
受け入 れ体 りが 必要。 え,
本人へ 紹 介 診ていたので,
母親 が びっ 制 を整 える 家 族に対 して医 す るよ う なシ ス く りして いた。
最初の日 に 師が変わ ること テム が必要。 ものすごい不 信,
不 安 が あっ へ の心づもりを た が最 近は完 全に理解して して もらう。
本人が 3ヶ月に 工回受診 す る だ けになっ
た。 も う少 し 丁寧な説明が必要で あった。 小児 医療従 受け る方は大 変,
実 際 2っ の疾 患を もっ てい る場 ぜ ひ情 報 交 換し た い。 サマ リー
の活 用 主治医,
専門医,
事 者 と 成 人 に は環境が違 う,
受 け 合,
バ セ ド ウ は内 科で診て,
何か あ れ ば協力したい。 等,
情報の共有 看護 師 とこれ か 医 療従 事 者 入れ がで きて い ない,
心 臓の方 は 小 児 科で診て い をする。一
年 く ら 関わ るで あ ろ との連 携に 顔も見た こ ともない,
る。 小 児病 棟に入院し て一
ら い成人医療者 うス タッ フ に で つ いての具 何 も ない状 況で移 る 場 緒に診ていた。 事 前の下 見 と並 行 して受 け き れ ばカ ン フ ァ 体 案にっ い 合があ る。
小 児 科では は して い いと思 う。 イ メー
持つ。
レ ン ス 等 開けれ て 受持ち看 護 師がつ い て ジで は い いと思っ て も実 際 大 人の病棟に入 ば よい と思 う。 いるが,
大 人で は どれ に覗いて みた ら嫌っ て い う 院 して小 児 科 医 だ け関わっ て も ら え る こ と も あ る。
も同時に受け持 か が わ か らない。
小 児 平 行 して診 れ ばい い場 合 と つ o 科でやって い ること を スパ っ と切っ た方が よい場 小 児,
成 人の看 私たちは できない と言 合が あ る。 本人の性 格に よ 護 師,
医 師で カ わ れて し ま うのでは な る。 ン フ ァ レ ンスを いか と思う。
新しいところへ 行く不安の もつ 。 看護師 同士の話 し合い 強さを 感じ る。 が必 要。
小 児 科で ど ん 情 報 交 換は今は医 師だけで な こ と を やっ
てい る か やっ てい る。
他の職 種と話 ということ を 大 人の科 し合うこと が絶対大 事。 入 の看護師はしらない。
院病棟で移 行 す る場 合は看 特殊な こ とをや っ て い 護 師 同士が話し合うことが る と思って い ることが90
%以 上 大事。 多い。
思春 期にっ い て も勉 強が必 要。
18
神戸 市 看 護 大 学 紀要 ▽ol,
8
, 2004 か移ろ う と し ない。 中で も リ ウマ チ は,
患者の長い 人 生 を 常に考え た生 涯 医 療の最 も卑 近 な 疾 患である と述べ ている。 以 上の ように,
患 者の小 児 医 療に対 する依 存 を助 長し,
自立 を妨げて いる一
方で,
継続して関わり責 任 を 遂 行し たい と考 え なが ら も成 人化した 患者へ の 対応が十分にで き な く なっ て い ること が小 児 医 療 者 の大 きな 問 題 となっ ている。
今 回の調 査でも,
移行 の必要 性に関して 「必ず必要」と回答し たの は小児 医療 者, 成 人医療者共に1
割弱で あっ た が, 「状況 に応じて必要」は小児医療者が8
割,
成 人 医 療 者が7
割弱で,
「全 く必要が ない」と回答した人は両者 共に いな かっ た。 ま た移 行を勧め たい とい う小 児 医 療 者は約9
割で,
その理 由 と して 「患者 自身の 自立 が人生や 治 療上必 要だ か ら」 を 選 択 した人 が4
割に み ら れ た。 した がっ て,
移 行を視野に入れ た継続的 な医療を患者の状況に応じて どの よ うに行っ て い く か を考え ることが小児 医療 者 自身に必要と なっ て い る の である。2 .
移 行の時 期 どの 時期が よいのか,
何 歳で移 行を し たらよいか とい う質 問に対 して小 児 医 療 者 と成 人 医 療 者 との回 答に有意 差は な かっ た が,
小児医療者では 「19− 22
歳 」,
成 人 医療 者で は 「16− 18
歳 」とい う回答がそ れ ぞ れ最も多かっ た。 ま た,
「年 齢には関係ない」 「疾 患に よ って違 う」 との回 答 が少数に み られた。 面接調査で は小 児 科 医,
内 科 医 共に 「19
−
22
歳 」,
小 児 看 護師は 「16− 18
歳」 とい う年齢を回答して いた が,
「16− 18
歳」 は両 者で診て い くこ とが 必 要 な移 行期で あ ること や,
疾 患に よ る特殊性や違いを 考える こと が必 要で ある ことも述べ られて いた。
Patterson
ら (1999
)は,
診 断を受けた早期か ら 移行の準備を始め ることが必 要だが, 移行の時期を 設定す ること は子ど も た ちの 自立を促がすことにな ると述べて いる。 また,
年齢に関係した様々 な プレッ シ ャー
が生 じて くるため17
歳まで に移行を始めな い こと は移行の 障壁と な る と して い る。 そのた め入 学 や 卒 業 な ど大 き な行 事の時 期 と重 な らないように,
小児 医療を受けて い る14 − 15
歳の時に成 人 医 療 者を紹介する などの移行の準備を始め るこ と が役立 つ と報告して いる。 し た がっ て,
診 断 後か ら自立を 促 が す 関 わりを しな が ら, 自己管理の自覚を もち始 め る16
歳 前 後より本 格 的な準 備を始め,19〜22
歳 (高 卒 後の安 定 した時 )に移 行 するとい う 目安 が 考 え ら れ る。 しか し,
その目安をもち な が らも,
疾患 に よ る違いをふ ま え, その子にとっ て適 切な時期に 必要な支援を取り入れて い くとい う子ど もの一
生を 見据え た柔軟な姿勢も重要である。3 .
移行が 必要な疾 患,
不要な 疾 患に関す る 意識の相 違 疾患に よ る特殊性や違いをふ ま え た上で移行の時 期 を考え ること が必 要であることを先に述べ たが,
今回の調査で は移行が必要な疾患 とそ うで な い疾患 に関 する医 療 者間の意 識の相 違が明 らかになっ た。 「血液・
腫瘍疾患 」につ い て は,
小児科医師よ り 小 児 看 護 師の方 が移 行 は必 要 だ と考 えていた。 面 接 調査で も,
小児 看 護 師は移行
の必 要な疾患と して血 液 系 疾 患 を あ げて いたの に対 し,
小 児 科 医 師は 「血 液疾患 専門の小児科 医が い るの で小児 医療で も継続 的に診 療で きる」と話して いた。 ま た, 成人医療者 の中で も,
成人 医師より成人 看護師の方が 「血液・
腫 瘍 疾 患」は移行が 必要な疾患であると回 答 してい た。 面 接 調査で も 「血 液 疾 患は小 児 科で完 治 また は 死 亡 する疾 患なので成 人の科に来るこ とは稀である 」 と移 行が不 要な 理由と して内科医が回 答して いた。 「心疾患 」につ いて は, 成人看護 師よ り成人医師 の方が移行は必 要だ と考えており,
先の内科医の回 答か らも 「心疾患は生 涯 もっ てい く疾患なので成 人 の科へ 移 行 した方 が よい」 と話 されてい た。 ま た,
小児糖尿病な どの 「内分泌代謝疾患 」は,
成人看護 師に比べ小 児 看 護 師の方 が移 行の必 要 な 疾 患 と して あ げてい た。 面接の回答で も小児科 医師,
小児看護 師 共に糖 尿 病は移 行が必 要な疾 患であるとし,
内科 医も移 行しや すい疾 患で ある と話してい た。 そ れ に 加え て 「小児科で ないと診れ ない先天 性の疾患は小 児 科の医 師の方がよ い場 合が多い。」とい うこ とも 話さ れて いた。 質 問紙調査で 「成人 医療で の治療で は難しい」という回答が成人医師に多かっ たように, 専 門 的な治 療がで き る か ど う か が移 行の重要な要 素 と なる ことは看護師よ りも医師の方に強 く意 識 され て いた。 この ように,
小児 科医 師・
看護 師, 成人 医師・看護 師の間に移 行が必 要な疾 患,
不 要な疾 患における意 識の差が み ら れ た。 し た がっ て, 医 師一
看護 師, 成人 医 療者