図書館員出身作家のメンタリティ(その2)篠田節子のケースについて : 図書館はどうみられてきたか(11)
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(2) 甲南女子大学研究紀要 第 46号. か」 とい う この論考 で も,こ れ まで何度か と りあげ て 〕 きた 。. 文学 ・文化編 (2010年 3月. ). よ り,2009年 第 22回 柴 田練 三 郎 賞 を受 賞 。現 在 ま. 「長崎大学教育学部講 師 ,助 教授 」 か ら,「 1991(平. で ,小 説 30点 あ ま り,エ ッセ イ ・紀行 集 ほか ,数 点 い を干J行 して きて い る 。. 成 3)年 ,福 岡市 に初 の 女性 部 長 と して招 か れ」「 教. 篠田作 品 には,市 役所 や図書館 の勤務経験 があ るこ. 育長 な どを歴任。現在 ,福 岡市総合図書館館長」 であ 中 る,植 木 とみ子 ,「 杉並 区立 の 地域 図書館 ,杉 並 区立. とを背景 と して ,ス トー リー に図書館 や図書館 員 の登 場 す る作 品が 多 く,作 中 の 人物 が ,図 書 館 を利 用 し. 中央 図書館 な どを経 て ,現 在 ,杉 並 区立 中央 図書館 嘱. て ,何 か を調 べ るシー ンがみ られ る。今 回 は,篠 田節. 託。全 国各地 での 読書推進 のための 講演会講 師 ,図 書. 子 の作 品 につい て ,図 書館 と関連 の ある ス トー リー を. 館 員養成講座 の講 師 をつ とめ る」田中共子',「 昭和 41 (1966)年 よ り,山 形 県鶴 岡市 の専 門 ・専任 ・正 規 の. と りだ し,図 書館 を利用 して ,何 か を調 べ るシー ンを 時系列 的 にみて い くこ とで ,作 品内容 と図書館 の利用. 学校司書 と して鶴 岡市 内 の小学校 5校 ,中 学校 2校 に. の され方 ,利 用者が わの図書館 に対す る意識 の変化 な. 勤務」「現在 ,鶴 岡市教 育委員 会 ,図 書館 支援 業 務 員. どにつ い て考察 した。 なお ,文 庫化 されて い る ものは. と して ,鶴 岡市 内 の学校 図書館支援 に当た ってい る」 五十嵐絹子°,「 東北大学 附属 図書館 を経 て,現 在 ,東. 文庫版 を参照 した。. 北福祉大学准教授 (図 書館学 )」 であ る大 島真理 ",な 胸 どに よる著 作 が ,2009年 に ,刊 行 され て い る 。 ま. 説単行書 の うち,半 数以上に,な んらかのかたちで図. た ,「 カ リフ ォル ニ ア州 で歴 史学 と図 書 館 学 を修 了. 以前,東 野圭吾 の作品をと りあげ,登 場人物が図書館. し,司 書 と して働 い たあ と 1979年 よ り作 品 を発 表 」 9,「 ノースカ ロ して い る, ジェイ ン ・ア ン・ ク レンツ. を利用する場面が多いことを指摘 したが,東 野 の最近 作 で も 『容疑者. ライナ ・セ ン トラ ル大学 で 図書館学 お よび情報科学 で. で,刑 事が,友 人でその大学 の所属 メンバーである教. 修士号 を取得。そ の 後 8年 間中等学校 の教師 を して い. 員の利用履歴 を,カ ウ ンターで尋 ねるシー ンがあ り. ,な どの よ うに,図 書館 に関 す る専 門的知識 を有す る著者 が ,図 書館 に勤 め る人物 をメイ ンキ ャラクタと して登場 させ て い る小説が ,日. 『流星 の絆』2008で は,登 場人物 のひと りが図書館で コピー をとっていたことをほのめかす記述が,ス トー リーの 中に含 まれてい る〕。篠田節子 の作品に も,そ. 本語 に翻訳 され ,本 年 (2009年 ),刊 行 されて い る。. の種 のシーンが数多 く含まれてお り,図 書館 に勤務 し. た」J・ B・ ス タンリー. 1°. 篠田節子が これ までに発表 した,30点 あ ま りの小 書館 とのかかわ りのあるス トー リーが含 まれてい る。. Xの 献 身』 2005で は,大 学 図書館 ,. これ まで ,「 図書館 は ど うみ られて きたか」 と題 し. た経験が背景 に存在 してい ることが考え られる。それ. た この一 連 の論考 で ,図 書館勤務経験 の あ る作家 の描. らを時系列的 にみると,情 報流通 の電子化 に対応 した. く図書館 像 につ いて取 り上 げ ,「 女性 作 家が描 く女性. 内容 となってい る状況が,確 認で きる。. 図書館員」 とい う観点 か ら考察 の対 象 と した. H。. その. 中 で一 部 の 作 品 を と りあ げ た こ との あ る ,篠 田節 子 は,自 治体職員 と して ,図 書館 員 を経験 して い るが. 次に,単 行本の刊行年順 に,図 書館 に関係のあるス トー リー について,作 品 ごとに示す。. ,. そ の エ ッセ イでの図書館利用者 に向けた提言 は,図 書. 01.『 贋作自 雨』19913). 館現場 での経験 を背景 に した ,作 家 と して の 思 い が 表. 栗本成美 は,国 立美大に現役で入学 し (p.8),卒 業 後 は,四 十を目前 に,中 堅の修復家 となってい る。 日. P。. れて い る とい え よう. 本洋画界の大御所 ,高 岡荘 三郎 の死後,そ の コレクシ. 2.篠 田節 子 の 小 説 作 品 と 図書 館 に 関 係 す る ス トー リー. ョンの修復 を依頼 され (pp.18-19),作 業 の 中で,こ の人物 と関係者 について調べ ようとする。母校 の美大 の資料室で「高村荘 三郎」についての記事 を探す うち. 篠田節子 は,1955年 生 まれ。 八王 子市役所 に勤務 した経験があ り,図 書館に配属 されていた期間があ つ. 「い くつ かの大衆雑誌 に荘三郎 の結婚 についての記事. た。1990年 ,『 絹 の変容』 により第 3回 小説す ばる新 人賞 を,女 性 としてはは じめて受賞 し,ま た,『 ゴサ. 書館 に向かった。 しばらく待 たされた後,表 紙 の色あ. イ ンタンー神 の座 一』 により,1997年 第 10回 山本周. この「雑誌専 門 の 図書館」 の様子 につ い て ,「 成美. 五郎賞 ,『 女たちのジハー ド』 によ り,1997年 上半期 第 H7回 直木賞,『 仮装儀礼 上』『仮装儀礼 下』 に. は,こ ぶ しで コツ コツと机 を叩いた。その とたん,カ. が掲載 された ことがわか った。その足 で雑誌専門の図 せた数冊の週刊誌 を渡 され」閲覧す る (pp.96-99)。. ウ ンターの 中の司書 と視線が合 った。『静か に しろ』.
(3) 佐藤. 毅彦 :図 書館 員 出身作 家 の メ ン タリテ イ. そ の 2 篠 田節子 のケースにつ い て. とい うように,中 年 の司書は 日で合図 した。成美は首. 図書館」へ行 き,「 郷土資料 コーナー」へ行 ったが. をす くめて下 をむいた」「 と くに目新 しい情報 はなか. 関連資料 は少ない。「カウンターで尋 ねると,西 多摩. ったが,成 美 は記事 をまとめて コピー し,自 分 のバ イ. 郡あた りの地方情報 を中心 に出版 して い る地 方 出版. ンダー に鋏みこんだ」 (p.10o)と 描写 されてい る。. 社」がある ことがわか り,そ ちらに向か う. また,関 係者 の 自殺 について,成 美 は「駅前 にある. ,. (p.125)。. また,作 家 の美鈴 は,「 コンピュー タデー タベ ース を. 図書館 に行 き,当 時の新聞の縮刷版に当たったが,そ. 使 って,明 治時代 の大雪 の記録 を調べ 」 (p.130)そ れ. れ らしい鉄道事故の記事 はなかった。カウ ンターに行. が,こ の絵 に関係 してい ることをつ きとめる。. つて尋 ねる と,司 書が ,武 蔵野地区で起 きた ことな ら,全 国版 を掲載 した縮刷版ではな く,地 方版 を記録. 04.『 聖域』 1994°. したマ イクロフィルムがあるので,そ ちらを利用する. 実藤 は,「 出版部数三千部」の文芸誌 『山稜』 に勤. ようにと言 う。渡 されたマ イクロフィルム を投射機 に. 務する編集者で「文芸編集の仕事 を希望 して,こ こ山. セ ッ トして もらい,成 美 はその年 の分 の最初か ら目を. 稜 出版 に入社 」 し,現 在 「掲載予定 の原稿 の どれ も. 「ハー ドコピー をとって,図 書館 を出る」(pp.194 通 し」. が,実 藤 にとって退屈極 ま りない もの」 で,「 三 十 を. -195)と い う行動 をとってい る。. 間近 に」「高 い意識 と意識 に及ばぬ実力のはざまで. このほかに,大 学病院の医局の図書室 を,面 談 の場 所 として使 う場面がある. (p.197)。. い くぶんい らだち気負 い立って」 い た (pp.7-9)が 「偶然みつ けた原稿 の東」 にあった,水 名川泉 の F聖 ,. 域』 とい う作 品に興味 をもつ (pp.22-23)。 02.『 アクアリウム』 1993“. 長谷川正人は,教 育委員会職員で,学 校教育課に勤 めてい る. ,. この作者. が ,「 新人賞 としての権威 は高 い」『北斗文学賞』 を 『あず さ弓』 で,昭 和四十九年 に「文壇 の大御所 ,三. ある ドキ ュメンタリー番組で放映. 木清敦」 と同時受賞 していたことが,三 木のプロフィ. された内容 を確認 しよう と,区 立図書館へ行 く。「教. ールの記述か ら判明する (pp.91-92)。 「実藤 は手元 に. 育委員会 とつ なが りがあるので,職 員 とは顔見知 り」 で,「 すでに消灯 した館 内に入 り,そ の ビデオをみつ. ある分厚 い 出版年鑑」 をみるが ,水 名川 の名前 は な い。水名川の小説 を掲載 していた「雑誌 『北斗』 を発. け」「知 り合 いの図書館員 は,そ っと事務所内に入れ. 行 してい る新文学社 に電話 をかけ」 て,二 十年近 く前. て くれ」 「事務用デ ッキ」で,そ の ビデオをみる (pp.228. の雑誌 を見たい と申 し出るが,結 局,簡 単な経歴が フ. -229)。. ァックスで送 られて きただけだった。実藤 は,「 作 品. (p.133)。. は,雑 誌 に掲載 されただけで単行本 にはなって い な 03.『 神 鳥. (イ. ビス)』 19935). 谷 口葉子 は,「 三 十 を二 つ ばか り過 ぎた」 イラ ス ト. い。掲載誌 を新文学社 で保管 してい ない となれば,図 書館 に行 って,十 八年前 の 『北斗』 を探す しかないだ. レー ター だが ,出 版社 を通 じて「流 行作家」美鈴慶一. ろ う。時計 を見 るともう八時を過 ぎていた。図書館 は. 郎 の小 説 の カバ ー絵 を依頼 され る。小 説 の 内容が河野. 閉館 している」 (pp.92-93)と 考える。. 珠枝 とい う画家 に関す る もので あ り,そ の作 品「朱鷺. 実藤 は,出 版社 の先輩社員か ら,水 名川泉 の作品が. 飛来図」 を原画 に,雰 囲気 を生か してほ しい との こ と. 『異端文芸』 とい うような名前 の雑誌 に載 ったことを. で あ った (pp.6-9)。 画家 と作 品 に つ い て 調 べ て い く. 聞 きだ して,「 守衛 か ら鍵 を受け取 り,社 内の図書室. うち,奥 多摩地域 で起 きたあ る事件 に,こ の絵 が 関係 して い る こ とが 判 明す る (p.119)。 葉子 は ,観 光協 会. に向か」 い,「 参考図書 の ところに行 き,古 い雑誌 目 録 を取 り上げた。文芸誌 のペー ジをあけ」「五十音順. に電話 をか け るが ,く わ しい ことは わか らず ,作 家 の. に並んでい るのを目で追ってい」 き,作 品が掲載 され. 美鈴 に相 談す る と,「 まず ,地 域 図書館 に行 くん だ。. た雑誌 の「正 しい誌名は 『異端文学』」 で「出版社 名. 日原周辺 になければ,そ の上 の行政 区 のね 。奥 多摩 町. は 『蒼夜館』」である ことを確認す るが,「 出版年鑑で. 立 図書館 なんて い うのが あ って 資料 が充実 して い れば. 調べ てみ ると」任l産 してい た。 この雑誌 をみ るには. いい け ど,な か った らその近辺 の大 きな町 を探 す。 そ. 「古本屋 をあ さる手 もあるが,確 率 は低 い。 どこか保. この 図書館 の郷土資料 を探す んだ。 活字本が なければ. 存 してい る図書館 で コピー を取 るのが確実 だ」(pp.H6. 古文書 にあたる。 もちろん現物 に触 らせ ては くれ ない. -117)と 考 える。 しか し「大宅文庫の 目録」 にはな. け ど,コ ピーサ ー ビス を して るか ら,そ れ を見 れば い い 」 (p.123)と 言 われ る。二 日後 ,葉 子 は ,「 青梅 の. く,「 都立図書館 の 目録 を見るがやは りない」「当た り 前だ。税金で得体 の知れない雑誌 を買 うわけにはいか.
(4) 文学 。文化編 (2010年 3月. ). ない か らだ。が ,一 カ所 ,税 金で女性 週刊誌 か らセ ッ. ― に実藤 を案 内 した」 (p.154)。 「 と りあ えず 目指す所. クス記事 を満載 した青年誌 まで集 めて い る所が あ る。. を コピー し終 え,実 藤 は一般書 の棚 を見 た。町の図書. 選択 の 余 地 な しに,発 行物す べ て を保管 して い る現 代. 館 ら しく,小 説 と児童書 な どを中心 に揃 えてあ る。予. の 阿房宮 ,国 立 国会図書館 だ。愛想が悪 いが確実 に資 料 はあ る」 (p.H7)と 国 立 国 会 図書 館 を思 い 浮 か べ. 算が ないの か ,新 刊 本 は,ご く少 な く,ど れ もが四隅 が す りきれ た 名作 や十 年前 の ベ ス トセ ラ ー の 類 だ 」. る。. (p.156)。. 翌 日,実 藤 は,「 作 家 の 調査代行 だ と偽 り,国 会 図 書館 に向か」 い ,水 名川泉 の 名前 を検索す る と,四 件 出て きた。「 請求票 に必要事項 を記載 して列 に並 ぶ 。. 前 半 に で て きた 「 文 壇 の 大 御 所 ,三 木 清. 敦」 の本があ り,そ の本 には,「『むつ市立図書館様 三木清敦』」 とサ イ ンが してあ った。館長 に尋 ねる と 「『調べ物 をされたい,と おっ しゃって』『コピー をと. ,む つ市 の 図書館. 待 つ こ と三十分 余 りで ,問 題 の雑誌 四冊が 目の前 に積. って さしあげました』」 (p。 157)と. み上 げ られ」「 コ ピー 請求 票 にペ ー ジ数 を記載 して. に,有 名作家 の三 木清敦 が来館 してい た ことが わか. ,. 再 び 列 に並 」 び ,「 分 厚 い コ ピー の 束 を受 け取 る ま で ,一 時 間 ほ どかか」 (pp.H8-119)っ たが ,近 所 の. る。「実藤 は,そ の章 をコピー した。図書館 を出たの. 喫茶 店 でそれ を読み は じめ る。 そ の結果 ,水 名川泉 自 の作 品 の 内容 0舞 台 に関連が あ りそ うな事実 身や. 実藤 は図書館 で コピー して きた文献 を取 り出 した。す ぐに気づいたのは,先 程 は気づかなか った文章 の一 カ. につ いて調 べ ようと「実藤 は,大 宅文庫 に電話 をか け た。 今 か ら七年 か ら九年前 の宗教 が らみの殺 人,あ る. 所 に線が引いてある事だった。元 々,薄 く鉛筆 で引い てあったのだろうが,コ ピーする事 で鮮明 になったら. い は暴行事件 の記事 を探 してほ しい ,と 依頼」 し,場. しい」 (p.158)と あ り,何 者 かが 自分 と同 じ資料 を参. 所 は作 品 の 舞台 の青 森 県 に限定 した。「 資料 が フ ア ツ. 負していたことがわかる。 員. ,そ. は,閉 館間際 だつた」「急行 八 甲田の座席 に座 る と ,. クスで 届 い たのは,翌 日だ つた。全部 で四件 あ った」. ほかに,雑 誌 を紹介する ところで「『ヴイップ』 は. が ,決 定 的 な情報 は得 られず ,「 電話 一 本 で 問 い 合 わ. 書店売 りしてい ない。通信販売 のみで扱 い,購 読者 を 年収一千五百万円以上,大 手企業 の部長 クラス以上に. せ よ う とい うのが ,虫 が いいの か もしれ ない」(pp.121 「実藤 は,社 内 にあ る図書室 に行 った 。 オ ン ラ イ ン. 絞 った,ビ ジネスと人事に関する情報誌 だ。つい最近 も,下 級公務員 と公立図書館 か らの購入申込みを断 っ. 端 末 の前 に座 り,新 聞記事 のデー タベ ー ス にア クセ ス. たばか りで,徹 底 した差別化 をはか っている」(pp.199. す る。範 囲 を宗教 と事件 に絞 り込 み ,さ らに地域指定. -200)と の表現がある。. -122)と 感 じた。. は青森県 か ら東北全体 に広 げ」 (p.122)て ,記 事 を追 ってい き,作 品 に関連 のあ りそ うな,身 元不 明 の遺体. 05。. 「コンセプシ ョン」『愛逢 い月』 1994つ 所収. 発見 とい う記事 をみ つ け る。 この遺体 は,作 家 の こ と. 編集者 である正木の妻は,悪 性腫瘍 で一年 もたない. で はない か と推理す るが ,結 局 これ は水 名川泉 で はな. と宣告 された (p.79)が ,ホ スピスで「盲人のための 点訳 を始めた。訳本が出来上が ってい くの を楽 しみ. か った。 実藤 は,友 人で水 名川泉 と同 じ大学 出身 の人物 を思. に,タ イプを打 ってい る」 (p.100)と い う。. い 出 し,電 話 で話す うち,水 名川作 品 の 内容が ,下 北 地方 に関連があ るこ とに思 いい た り,恐 山 まで出向 く. 06.『 夏 の災厄』 1995距. が ,す で に冬季 の 閉山期 間にな って い た。 山門 の周 囲 を歩 き,「 むつ 市 内 に戻 つたの は,四 時過 ぎだ つた。. 「東京郊外 のニュータウン」 (文 庫本裏 カバー)埼 玉 県 ・昭川市 で,日 本脳炎 に似 た症状の病 人が発生す. ドライバ ー に郷土博物館 か ,図 書館 はない か ,と 尋 ね. る。その事件に関係 して,真 相 を探 り,事 態 の解決 に. る と,博 物館 はな い が ,図 書館 な らあ る と言 って ,高. むけて行動する人物が,情 報 を収集 しようとする。 メインキ ャラクタのひ と り,医 師 の「鵜川 日出臣. 台 にあ る公園 に連 れて行 かれた」「 高 台 の一 隅 に ,古 びた木造建築が建 っていた。 ス リッパ に履 き替 えて中. は,小 柄 なせ い もあ って四十五 とい う歳 にはみ えな. に入 る と,司 書 ら しい 男 が ,一 人 コピー を して い る。. い」 (p.43)人 物 で ,薬 の副作用 につい て新聞に告発. 人気 はな く,狭 い室 内 は,静 ま り返 っていた。実藤 は. して大学 を追い出され,信 州 の無医村やパ レスチナで. 司書 に挨拶 し,名 刺 を差 し出 した。五十が らみの男 は 館 長 だ つた」「恐 山や下北 半 島 の 民 間信仰 につ い て の. 活躍 した。帰国 してある NGOに 所属 し,イ ン ドシナ の難民 キヤンプで医療活動 をするはずだつたが,過 去. 資料 を見た い,と 申 し出た。館長 は,郷 土資料 コー ナ. の 経 歴 を理 由 に旅券 の 発給 を拒 否 され た (p.262-.
(5) 佐藤. 毅彦 :図 書館 員 出身作家 の メ ン タリテ イ. そ の 2 篠 田節子 のケースについて. 265)と い う経歴 で ある ことが紹介 される。彼 は,今. 域での病気の流行が,今 回のこの昭川市 での流行 に酷. 回の病人発生が,生 物兵器 によるものである可能性 を 考え,市 民団体 に情報 を流 したところ,そ れが新聞に. 似 してい ることに気づ く (pp.348-350)。 「鵜川 は コンピュー タ端末に向かい,地 域 をイ ン ド. と りあげ られ「『アメ リカのある民間医療 ネッ トヮー. ネシアに絞 り込み,こ の時期 の伝染病発生 の情報 を検. クか ら重 大 な情報 を得 る こ とが で きた』」 (pp.273-. 索する」が,情 報 は限 られ,関 係なさそうにみえる。. 274)と い う。 日本脳炎 に症状が似 ていることか ら ,. 「公 衆衛 生 図書館 を出た鵜川 は,そ の足 で 渋谷 に向. 鵜川 は,そ のウイルス を研究 してい る,ア メリカ国防 総省 について調べ ,あ る訴訟 で「『国防総省 は,今 ま. 成 される NGOの 本部」 で,三 十人足 らずの「 日本各. で秘匿 してお い た計画 の一 部 を公 開せ ざるをえな く. 地に散 らばった医師たちは,互 い にパ ソコンやファッ. な』」 り,兵 器 として,効 率的かつ制御可能なウイル. クス を使 い情報 を交換」 してい る。「鵜り ││が 現地情報. ス を作:る ことになったことを知る (pp.250-251)。 さらに,「 鵜川 は別 の コピー を取 り出 した。 今度. を検索 させて くれ,と 言 うと,受 付 の事務員 は快 く本 部事務室へ案内 して くれた」。「鵜川 は端末の前に座 る. は,日 本語だ。文書の右上 に,『 週刊. か」 う。「アセアン医師連絡会議 とい う若手医師 で構. エ コノ ミー ジ. と,先 程公衆衛生図書館 で行 なったの とお な じよ う. ヤーナル』 とある」 この雑誌 は,昔 は硬派 の報道誌だ. に」検索す る。「 目指す情報 に行 きつい たのは,一 時. つたが,バ ブル時代 に部数を伸 ば し始めてか ら中身が. 間 も画面 には りつい た後」 で,「 鵜川 は,院 長 に丁 寧. おか しくなったといわれてい るが,「『これは五年前に. に挨拶 し,勝 手 にパ ソ コンを使 った こ とを詫 び」 る. 発行 された ものなんだけ ど,め ず らしく良心的な記事. と,「『使用料 は高 いぞ』 と」 (pp.352-354)言 われる。. だ。 き よ うの 午後 ,県 立 図書館 か ら コ ピー して き. 「鵜川 は コピー した大量の資料 を抱 え,そ の足 で保. た』」「問題の記事 は,『 アメ リカ細菌戦争計画に加担. 健 セ ンター に向か」 い,「 問題 の文書 をパ ソコンネ ッ. す る厚 生 省 ,予 防衛生研究所』 と題 された ものだっ. トで大学 の研究室や大病院に流 し」たが,「 ただ しど. た」 (pp.253-254)と い う。「鵜川は公衆衛生図書館 に 問い合わせ」「検索 して もらった結果」「彼 の考えたよ. こかで拾 い上げられ有効 に利用 して もらえる可能性 は 低 い」 (pp.366-368)と 感 じていた。. うな こ ととは無 関係 で あ った こ とを確 認 した」「 鵜 川. もう一 人のメイ ンキャラクタである,小 西誠は,昭. は,手 の 中 の分厚 い英文 の綴 りを見下 ろ した。 アメ リ. 川保健 セ ンターの「二十代 の独身男性で,正 職員」 で. カの 医療 ネ ッ トヮー クにテ レックス を送 る よ り先 に. あ り,パ ー トタイマーの女性職員 を管理 してい るが. 東京 にあ る専 門図書館 に問 い 合 わせ るべ きだ った の. 使 いこなせば一人前 ,な め られるのはまずいが,嫌 わ. だ。い くら切羽詰 っていた とはい え,雑 誌記事 を鵜呑. れた らやっていけない,と い う状況 にある. ,. み に して裏 も取 らず に動 い た ことを後 悔 したが遅 い」. ,. (p.18)。. 小西は,大 学付設 の病院内の老人科 の医局図書室に ある 『大東亜共栄圏構想 における南方 の伝染病 と公衆. (pp.278-280)と 感 じる。 そ の 後 も,「 鵜 川 は最 近 で は頻繁 に東京 の公 衆衛 生. 衛 生 』 と い う本 を持 ち 出 す こ と を依 頼 さ れ る. 図書館 に足 を運 んでいた。保健所 や行政 機 関 の設置 し. (p.433)。. た委員会 のマ ニ ュ アル通 りの疫学調査 か らは,何 も出. 屋」で,「 広 いが天丼 の低 い奇妙 な部屋 だ。窓 をつ ぶ. て こ な い 」 と彼 には思 え,「 アメ リカの 大学 か ら出 さ. す ような形 で,背 丈 の高い本棚があ」 った。 目指す本. れた膨 大 な量 の 報告 書 や 日本 の 学 会 誌 」「WHoの 資. はす ぐみつか り,「 書名 の金箔がす っか り剥 げ落 ち. 料 」「年次報告書」「 ウィー ク リー レポー ト」 な どを調 べ るが ,有 力 な情報 は得 られ な い 。「 コ ンピュー タ端. 「現代史の研究者 ならともか く,医 学 を専攻 す る もの. 末 を操作 し,こ こ十年 の 」「情報 を検 索 した」。「対 象. な ら決 して手 に取 らない本。そ して整理す る ときに. 文献 の範 囲は,学 術論文や公式 レポー トだけで な く. も,タ ブーか何かのように,だ れ も捨て ようとは言 い. 海外 の新 聞雑誌報道 まで含 めた。 しか し件数が 多す ぎ. 出さない類 の本」だ った。「大型 の英和辞典程 の大 き. エ ラー になった」。「疾患 を中枢神経系 の ものに絞 り込. さの本 を書架か ら引 き抜 く。埃 にまみれて,ざ らつい. む。五 分 近 くか か って ,四 百 を超 す 文 献 が 表 示 され. た手触 りだ。何度か修理 された跡のあるぼろぼろの箱. る。 さらに同 じ時期 ,同 じ場所 で発生 した もの を一 括. か ら,そ っと取 り出す」 と,「 茶色 に変色 した紙 に旧. りに して」 リス トア ップ し,そ の文献 をみて い くと. 漢字,旧 仮名遣 いが並ぶ 目次の後ろのページか ら,中. 「 さほ ど重 要視 して い なか った薄 っぺ らな情 報誌 に. 身はまとめて切 り取 られていた。その空 間に発泡 スチ. ,. ,. ,. 奇妙 なひっかか りを感 じ」 て ,イ ン ドネシアの あ る地. 「 図書室 は,三 階 と四 階 の 階段 の 中途 の部. ,. 変色 した表紙の上に文字が窪 んでい るだけ」の本 で. ,. ロールの枠 に入 った何かが収 まってい」 て,「 それ を.
(6) 甲南女子 大学研究紀要 第 46号. 小脇に抱 え,電 気 を消 して廊下に出た。その とたん ビ ー と鋭 い音が中で した。青 ざめて再 び中に入る。音 は. 文学 。文化編 (2010年 3月. ). 小西 は学 生時代 のサ ー クルの 名簿 か ら,生 物学専攻 で ,巻 貝 を専 門に して大学 に残 ってい る人物 に電話 を. 可かが鳴 り出 鳴 り止んだ。再 び出ようとすると,再 びイ ついてい る ンサーが セ す。理由はす ぐ分か った。本に. か けて調 査 を依頼す る。「パ ソ コ ンのデー タベ ース を. のだ。高い医学書 を持 ち出 した きり返 さない不埒 な者 が い るのだろう。 しかるべ き貸 し出 し手続 きを とらな. された の は,夜 中 の二 時半過 ぎの こ と」「『今 ,お もし. 。「持ち出 さ い と,警 告音がなる仕組みになってい る」 なければならないのは,こ の本ではない。つ ま り中に 隠されていた発泡 スチ ロールに収 まつているものだ。 急 いで箱か ら本を抜 き,中 身 を取 り出 し白衣 のポケ ツ トに入れ,本 は書架 に戻す。そのまま飛 び出 したが. 使 って調 べ てお く,と 約束 した。電話 の音 に叩 き起 こ. ろいことがわか つたか ら,す ぐにメール を送るよ。ID 教えて くれ』」「研究者 の生活時間 とい うのは,サ ラリ ーマ ンとは若干ず れて い る ら しい 。『ち ょっ と待 っ て,パ ソコン持 ってないんだ。 フアミコンならあるけ ど』」 と言 って ,そ の場 で ,電 話 で 説明 して もらう (p.513)。. ,. はた して今度 は何 も鳴 らなか つた」 (pp.437-439)と. 事 件 の 舞 台 とな る埼 玉 県 ・ 昭 川 市 は ,「 人 口八 万 六. 千 人」 (p.72),「 私鉄特急 」 で 「四 十 三 分 か け て 東京. い う。 小西が 「大学病院の医局か ら盗み出 した ものは,一 巻 のマ イクロフ イルム」で,小 西が持 ちこんだそれを 鵜川 は「プロジェクターにかけてハー ドコピー を取 っ た」 が ,内 容 はワクチ ンの製法 に関す るデ ー タだけ で,ウ イルスの兵器化 には触れてい ない (p.441)。. に」 出 られ るので ,「 二 ,三 十年前 まで 農林 業 の 町 だ つた 昭川 は,今 ,都 心 へ の ベ ッ ドタウ ンに様が わ りし て い た」 (p.81)と い う土地であ る。 そ の 中で 「元 は山村 であ った窪 山町」 に「山 を切 り 開 い て作 った若葉台住宅」 (p.73)は ,「 食料 品店 は中. 「走 って五分 の ところに市立図書館がある。裏 日か ら入った小西 は,そ この電算室 に飛び込んだ。小西 と. 型 の スー パーマー ケ ッ トが一軒」あ るだけで ,市 街地. 同期入庁の司書が一人,コ ンソールの前 で,デ ータの 入力 を していた。『ばたばた走 り回 らないで よ。 ほ こ. ことで「や って くるのは,地 区 の移動 図書館車 ばか り. か ら小型 の トラ ックでや つて きて い たが ,病 人が 出た であ る」 (p.136)と い う状 況 にな った こ とが 示 され る. りが立つか ら』画面か ら目を離 さず,女 性司書 は叫 ん だ」「『あの,ち よつと』司書 は化粧気 の ない無愛想 な. 場面が あ る。「混合 自然林」「 浮島 の よ うに若葉台住 宅. 顔 をあげた。『なんだ。セ ンターの小西君かあ』『悪 い けど,新 聞検索 ,一 件 たのまれて くれないかな』司書. 面 に落 ち込 む谷 を隔てて ,小 さな集落が あ る。窪 山町. は,片 手でキーボー ドを叩いて,検 索画面 に切 り替 え. トイレは浄化槽 で ,バ スは 日に数本 しか な く,移 動 図. た。『何新 聞 ?』 『と りあ えず ,朝 日新 聞』」 と小西 は,発 行年 と,キ ー ワー ド・ジヤンルを掛け合 わせて. 書館車 も健康診 断車 も来 な い 」 (p.145)と い う状 況 で. 検索 して くれるよう依頼する。「『これオ ンライ ンなん だか ら,ア クセスす るの高いの よ』司書 は仏頂面で ,. は あ」 り「森 の 中 の 清 閑な住 宅地」 であ る一 方 ,「 正 で あ る」 (p.137)「 窪 山 の ほ うは ,道 路 整 備 は遅 れ. ,. あ るこ とが 説 明 されて い る。. 07。. 「 フ アンタジア」『死神 』 1996"所 収. 画面 をスクロール させ る。『同 じ役所 なんだか ら,い. 富樫 由梨江 は ,「 大学 を卒業 し,五 年 間 の 図書館 勤. い じゃん』『予算 は別 々で しようが』」 と言 われる。朝. 務 を経 て ,福 祉事務所 の保護係 に来て丸 一 年。学 生時. 日新聞にめぼ しい記事 はなかったが,経 済紙 の方にあ り「『これだ』 ノ 西 は画面 を叩 い た。『振動与 えない. 代 に抱 い て いた 『社 会福祉』 の イメ ージ と,現 実 の修. で』 と司書 の声が飛 ぶ。『ハー ドコピー,取 る ?』 『も ちろん』記事の コピーが印刷機か ら滑 り出 して きた」. とい う状況 にあ つた。か つ て愛読 した ,作 家 の 「秋元. Jヽ. (p。. 443-444) とい う。. 羅場 とのギ ャ ップに,そ ろそ ろ慣 れて きた」 (p.269) 碧先生。 中学 か ら高校 にか け ての五 年間 ,由 梨江 の本 棚 の一 角 を しめて い たのが ,こ の人の本」 であ った。 本 名 「 佐 藤妙 子 ,職 業 ・作 家 。 そ して ペ ン ネ ー ム は. 一方 ,「 小西が ,図 書館 でみつ けた新聞記事 か ら新 事実 につ き当たったように,鵜 川の方 も,マ イクロフ. 『秋元碧』」を,ケ ース ワー カー と して担 当す る (pp.274. ィルムの 中か ら新たな資料 を見つ け出 していた。何 も. -275)。 由梨江 は「市役所 の 就 職面接 で は 『何 の 仕事. 映 ってい ない ように見 えた フイルム後半のラス ト近 く に極めて簡潔に書かれたブ ンギ島民全減 の記録があ っ. を した い で すか. ?』. とい う質問 に,迷 う こ とな く 『図. た」 (p.456)と ,イ ン ドネシアの一地域の出来事 と結. 書館 で 児童奉仕 の 仕事 を した い』 と答 えた。少女時代 に多 くの夢 を見せ て くれ た秋元碧 へ の思 いは,確 実 に. びつ く。. 生 きて い た よ うに思 う」 (p.277)と 感 じて い た人物 と.
(7) 佐藤. 毅彦 :図 書館員出身作家の メンタ リテイ その 2 篠田節子 のケースについて. 19. カウンター に行 き,そ の雑誌 の ことを尋 ねた。『 もう. して描 かれて い る。. こち らにない んです よ』 司書 は,す まなそ うに答 え た。『こちらにない,と 言 うと ?』 その雑誌 は,半 年. 08.『 カノ ン』 199610) 小 田島正寛 は,東 大 ,法 学 部 の三 年 生 だが ,「 一 人. 前 に全巻 ,市 の郷土資料館 に収蔵 替 えになった とい. で勉 強 して い る とだ らけるけ ど,図 書館 の 閲覧室 にい. う。『郷土資料館 に行 けば,あ るわけね』 と輝和 は念. くとけ っ こ う一生 懸命 や る じゃな い か」 (p.47)と 発. を押 した。『少 し待 って ください。 もしかする とまだ. 言す る場面が あ る。. 整理が終 わってな くて,閲 覧で きないか もしれません. また,故 人 の遺族が ,四 千冊 もあ った 図書 を図書館. か ら。今 ,確 認 します』司書 はガラスの衝立で仕切 ら. に寄 付 す る (pp.246-247),大 きな山小 屋 の穂 高岳 山. れた事務室 に入 り,電 話 をかける」。「司書が電話 を終. 荘 には図書館 まで揃 ってい る (p.382)な どの エ ピソ. えて戻 って きた。『大丈夫。郷土資料館 の閲覧 コー ナ. ー ドもあ る。. ーの方 に,全 巻揃 っているそ うです』司書 は微笑 して. o9。. 言 つた。礼 を言 つて輝和 は市政資料室 を後に し,郷 土 資料館 に向か う」 (pp.231-233)と ,調 べ たい雑誌 は. 『ゴサ イ ン タ ンー神 の座 一』 1996H). H市 にあ る,結 本 家 は 江戸 時代 の 名主 で ,明 治期 には生 糸 で成 功 し,戦 後 の 農地解放や ,バ ブル崩壊 に よる地価 下落 の後 も「結木 家 の 資産 は市 で も,一 ,二 を争 う」 (p.H)ほ どだ っ 東京 の神 奈 川県境 に近 い. ,. 図書館か ら資料館へ移管 されていた。 輝和 は,「 校倉造 りを模 した小 さいが洒落た建物 の 階段 を上が り,展 示室 の奥 にある事務室の扉 を開け. た。 結 木 輝 和 は 「 この 十 月 で 四 十 に な る 」 (p。 15). た」「奥 の机 の前 に座 っていた館長が,さ っと立 ち上 が り駆 け寄 って きた。『どうもこのたびは…』 と腰 を. が ,そ の父 親 は,中 学校 長 か ら,市 議会議員 ,市 議会. 折 って丁重 に挨拶す る。若 い学芸員が,書 類か ら目を. 議長 を務 めたが ,四 年前脳血栓 で倒 れ ,半 身不随 にな. 上げ,そ の様 を一瞥 して肩をす くめた」。「輝和 は郷土. ってい る. 史雑誌 を見せて くれ るように館長に頼んだ。館長が 自. (p.9)。. 結 本家 に関す る過去 ので きご とにつ い て ,「 今 か ら. ら輝和の指定 した雑誌 の号 を探 しに行 っている間,今. 二 十年近 く前 ,ま だ輝和 が学生 だ った 頃 ,地 元 にあ る. 度 は年配 の学芸員がやって きて,『 実 は,折 り入 って. 大学 の経済 史 の研 究者が ,結 木家 を侮辱す る記事 を郷 土史雑誌 に発表 した と して ,怒 った父が 出版元 に回収. お願 い なのですが』 と丁寧な口調 で切 り出 した」。「雑 誌 を数冊抱 えて,館 長が戻 って きた。中の一冊は コピ. を 申 し入 れた ことが あ った。その雑誌 のスポ ンサ ーが. ーの綴 りだった。『出版 されてす ぐ回収 された号 で し. た また ま結木家 と関係 の深 い 地元 の信用金庫 だったた. てね。本誌がなかった ものでたまたま持 っていた市民. め に,即 座 にその号 は 回収 されたが ,ど んな内容 だっ たのか ,輝 和 は知 らな い 」 (p.231)。 そ の 事件 につ い. のお宅にうかが って コピー させていただいた ものなん です よ』『見 せ て くだ さい』館 長 の 説 明 を遮 る よ う. て調 べ るため ,「 輝和 は市役所 の市 政 資料 室 に向 か っ. に,輝 和 はその綴 りに手 を伸 ば した」 (pp.234-236)。. た。輝和 が その部屋 に入 ってい くと,嘱 託 の女性 司書. この施設 では「総白髪の老人が立 っていた。 この資料. が愛想 よ く挨拶 した。市 の行 な う教育 ・文化行事 のた. 館 で参考. びに世話役 と してか り出 され るため ,輝 和 は この職員. い う資料館 ボランティアだ」。「退職 して二十年が経 っ. とは顔見知 りにな っていた」。そ こで「『今 日は何 をお. た今 ,こ の町では熱心な郷土史研究家 として知 られて. 調 べ になるんで すか』 中年 の女性 司書 は,カ ウ ン ター. い る」その人物 に「『そんな もの読むよりも,お 宅 の. の 中か ら出て きた。『 うち の こ と』 と輝和 はぶ っ き ら. (レ. ファレンス)業 務 を行なってい る田中と. ぼ う に答 え て か ら,書 架 の 方 に 行 きか け た 司 書 を. 蔵 の 中の文書 を見た方が よほ ど有意義 です よ』」「『本 当のお宝 は,あ んた「結木家文書」 です よ』」「『中身. 『あ ,い い よ。 自分 で 探 す か ら』 と止 め た 」。 ま た. を見て,内 容 を私に教 えて くれないですか』」 (pp.240. 「『お父 さまの 追悼 集か何 か出 され るんですか』 こち ら. -242)と 輝和 は言 われる。. を振 り返 って ,司 書 は尋 ね る。『ええ………まあ』」 とい うや りと りが あ る。「市政 資料 室 には,直 接 市 政 に関. 10。. 『女 たちのジハー ド』 1997ロ. す る こ ととは別 に,郷 土 史関係 の 文献が置 い てあ る。. 浅沼紗織 は,私 立 のいわゆる一流 校 出身 (p.45). 公文書 や商業 出版物 は もとよ り,学 校 や個 人の手 に よ. で,一 般職か ら「総合職にうつ り調査部門で働 くのが. つて書 かれたあ らゆる文書 ,公 民館 で行 なわれた成 人. 夢」 (p.152)だ つたが うま くい かず ,二 十 五 の とき. 講座 の 講義録 か ら,児 童 の作文 まであ った」。「輝和 は. に,退 職 して,ロ サ ンゼルス郊外 の大学附属語学学校.
(8) 甲南女子大学研究紀要第 46号. 文学 ・文化編 (2010年 3月. ). に留学 (p.383)す る。. か りの記事 の デ ー タベ ース の 中か ら,『 パ ス キ ム』 あ. 留学先 で は,「 授 業終 了 後 ,部 屋 に戻 らず 図書 館 に 行 くよ うに して い た 」「 宿題 を こ なす の に図書館 へ 通. るい は 『カ ター』 とい う単語 の入 つた記事 を探す。記 事 は二つ あ った 」「 パ ス キ ム解放戦線 に よる小 規 模 テ. いつ め 」 (p.386)て い たが ,日 が た つ と,「 午 後 か ら. ロや外 国人の 強制退去 な どについ ては,記 事 にはなつ. の 自由時 間 を図書館 で 宿題 を して過 ごす学 生 の 数 も. て い ないの だ。これは永 岡が予想 した とお りだ」(pp.58. め っ き り減 って きた」 (p.394)と い う状 況 にな ってい. -59)。. ,. そ こで,こ んどは,外 信部 に内線電話 をかけ,ボ ツ. った こ とが 示 されて い る。. 記事 について聞 くが,自 分で支局か契約通信社 にあた るように言 われ「事業局や出版局は,社 内では傍流」. H.『 ハ ルモ ニ ア』 1998い 東野秀行 は,音 大 の器楽科 を「卒業 してか ら九年」. 「何かす るとき,編 集局の,特 に記者の協力は必ず し. 申障害者 の ため の (p.35),演 奏活動 のか た わ ら,「 精 ネ. も得 られない」 と感 じて,直 接 ,ニ ューデ リー支局に. 社会復帰施設」 で「 臨床心理士 の 行 な う音楽療法 の補. 電話する。契約 してい る AP通 信 のデー タでひっかか. 助 と して ,チ ェロ を弾 い て 聞か せ 」 て い る. こで 出会 った入院患者 の 少女 の状況 につい て調 べ るた. るか も,と 考え,「 部内の コンピュー タを使 い,海 外 の通信社数社 のデー タを検索 してみた。パ スキムに関. め ,専 門図書館 を利用す る。「 目黒 にあ る精神 医学 関. す る政治情報 は,果 た してあ った」「 しか しそれ らの. 係 の 資料 を集 め た専 門図書館 に向か った」「 ビルの ワ. 情報 は,い ずれ も無視 され,記 事 にならずに捨て られ. ンフロ アにあ る小 さな図書館 の 入 り口で ,『 指導 員助. た」 (pp.60-61)と い うことだった。. (p。 7)。. そ. 手』 とい う身分証明書 を見せ る と,す ぐに入館 と閲覧. 永岡は「パ スキム美術展 の企画 を練 る」「公立美術. を許可 され た」「 そ こは専 門図書館 とは い って も蔵書. 館 では,美 術展 の企画 はまず先輩 の学芸員 に話 し理解. の 幅が意外 な くらい 広 か った 」。 そ こで ,少 女 の 担 当. を得 ることか ら始 まった」「民間企業 であ る新聞社 で. 医師 の 名前 を手がか りに「東野 は,一 般利用者 の コ ン. は事情が違 う」「4固 人の企画 をす ぐに上司 に上げる こ. ピュー タ端 末 の前 に行 くと,著 者名検索 のモー ドに し. とがで き,根 回 しや煩雑な手続 きが い らないのがあ り. て 『フカヤ ノ リコ』 と打 ち込 んでみた。 半信半疑 だつ. がたい。ある意味で個人主義的な仕事 の しかたを許容. CRTに 表示 され る。 いず れ も共. す る空気がそ こにはあ り」「 イ ンター ネ ッ トを使 っ. たが ,二 冊 の書 名が. 著 で ,深 谷 はその 中 の一 章 を受 け持 っているにす ぎな. て,海 外 か らも情報 を取 り寄せ,一 週間の うちには. い 」「分類 に従 って書 架 に行 くと,目 指す本 はす ぐに. 基本 コンセプ トか ら予算 に至 るまでの,企 画書 の草案. 見 つ か った」「東 野 は本 の 奥付 を見 た。 出版年 は 十 五. が まとまった」 (pp.64-65)。. ,. 年前 だ。奥付 の上 部 に短 い著者紹 介が あ る」 (pp。 159161)。. そ こで ,医 師 の 出身大学 へ 「 図書館 の廊下 のは. ず れ にあ る公衆電話 か ら,R大 学 の学務課 に電話 をか け」事情 を尋 ねて い る. (p。. 161)。. 13.『 妖櫻記』 2001い. '. 若桑律子 は,女 流作家 の秘書 してい た人物. (p.9). で,「 中世文学 を専攻 した律子は」「大学 の研究室 で助 手 をしていた。その博識 と古典解釈 の確 か さには定評. 12.『 弥勒』 1998‖. があ り,そ のまま大学に残 っていれば,一 級 の研究者. 永 岡英彰 は,大 学 で西 洋美術 史 の助手 を四年 ,地 方. になっていただろうと言われて」 (p.19)い た。ある. 美術館勤務 ,を 経 て ,現 在 は,T新 聞社 の事業 部員 と. 時,「 突然,律 子が社 に現れた」「用件は,紹 介状 を書. な って ,展 覧会 な どの企画 な どを手が けて い る (pp.14. いて もらうためだった。ある大学 の図書館 にある本を. -16)。. 利用 したいのだと言 う。公立図書館 と違 い,大 学図書. 海外 の あ る 「パ スキム」 とい う場所 につい て調 べ よ. 館 の本 を部外者が閲覧す る場合 ,紹 介状が必要 にな. う と「最 上階の事業部 に行かず ,三 階 にあ る情報 サ ー. る」「紹介状 の様式 を取 り出 して コピー しそれに若桑. ビスセ ンター に向か う。各種 出版物 の 見本 の並 ぶ フ ロ アを抜 けて ,ド アを開ける とコ ンピュー タ端 末 とフ ア. 律子 の名前 を書 き込み,席 をはず してい る田村の印鑑 を勝手 に押 した」 (pp.224-226)「『ある程度 ,イ ンタ. イルが並 ぶ 検索室 になって い る。十時 を回 つたばか り. ー ネッ トで対応 で きる部分 もあるんですがね,古 文書. で ,内 部 に社 員 の 姿 は な く,ア ル バ イ トの 女 性 が 一. も必要なので』」 (p.226)と い うことであ った。. 人 ,資 料 の 整理 を して い た」「永 岡 は ,一 台 の 端 末 の 前 に座 り,検 索画面 を勝手 に立 ち上 げた。 ここ一 年 ば.
(9) 佐藤. 毅彦 :図 書館 員 出身作家 の メ ンタ リテ イ. 14.「 観覧車」『秋 の花火』2004耐 所収 (「. そ の 2 篠 田節子 のケ ース につい て. 21. で コ ピー して きた もの だ とい う」 (p.213)こ と だ つ. 観覧車」 の初出は 1997). た。. 図書館 に勤務す る 30台 の女性職員が メインキ ャラ. 図書 ,雑 誌 ,新 聞 な どはス トー リ―の中にでて くる. クタとして登場す るこの作 品につい ては,別 に論 じ. が ,調 査 目的で図書館 を利用す る こ とはな く,個 人的. た。. に入 手 して い る。. 15。. 『讃歌』200617). 17.『 薄暮』 2009助. 小野 は,「 教育や社会問題 を扱 った ドキ ュメンタリ. 橘 は ,芸 術 誌 『美 苑』 の 編 集 を長 年 担 当 して い た. ーや報道番組」 を手掛ける,映 像製作会社 のデ ィレク. が ,売 れ行 き不振 か ら廃刊 (p.4)と な り,富 裕 層 の. ターである. 知人か ら紹介 された,演 奏家 「柳. ための プ レ ミア誌 『清風』 に異動 して くる。その雑誌. 原園子」について関心 をもち,イ ンターネッ トで検索. で ,新 潟県長 岡市 の郷土画家 「宮嶋哲朗」 を と りあげ. す る と,コ ンサ ー ト情報や ファンの 日記が 出て くる. た記事 に,読 者 か らの好 意 的 な反応 が あ った 。「 社 内. 新聞記事 の検索 では「新聞社 のホームペ. にあ る美術 年鑑 を見 る前 に,橘 は イ ンター ネ ッ トで. ージで見 られる,こ こ数年分 の記事 に柳原園子 の名前. 『宮 嶋哲朗』 を検索す る」 と,「 十 四件 表示 された。 し. はなかった」 ので,新 聞社 の資料室 にいってい る部下 に新聞社 のデー タベー スで調べ て くれ る よ う頼 む。. か しほ とん どが 長 岡市 の広報類 で ,し か も重複 して い. 「新聞社 の方 で も,記 事 がデー タベース化 されて い る. と美術館報 だった」 (pp.6-7)。 一 方 ,取 材 先 に読者 が. のは,こ こ十五,六 年分 だけでそれを見 たか ぎり『柳. 殺到 して混乱が生 じ,事 態打 開 のため ,橘 は長 岡 まで. 原園子』 の記事 はないこ とを知 らされた。後は縮刷版. 出向 き,地 元 の 美術研 究者 であ る林 田か ら,「 宮 崎哲. で追 うしかない」 と考 える (pp.29-30)。 都立図書館. 朗 」 に関す る,雑 誌記事 の コピー ,を 受 け取 る。 そ の. で新聞縮刷版 を調べ るが,手 がか りが少な く,縮 刷版. 後 ,宮 崎 の遺族 との 間 に摩擦 が生 じた際 には,林 田が. (p.10-11)。. (p.8)。. るので ,実 際 には三件 しか ない 。市 の広報 ,図 書館報. 「宮嶋作 品 につい て連載」 (p.48)し た ,地 方紙 ,新 潟. を調べ るのは容易 ではない。 小野は,水 島 とい う,ADで 大学 ラグ ビー部出身の 部下 に依頼 し,「 半 日かか って彼 は,都 立図書館 でそ れ らの記事 をコピー し,さ らに大宅文庫 にも足 を延ば. 日報 の「 新 聞 の切 り抜 き」 を宮嶋 の妻 か ら,直 接 ,見 せ られ る. (p.127)。. また ,橘 は,宮 嶋 の 妻 との 話 にで て きた ,「 実相 寺. して雑誌の記事 も合わせて持 ち帰 って きた」 (p.57)。. 宏直」 とい う人物 につい て,社 の法務部 で「最新 の 文. 小野が,番 組 で紹介 した「柳原園子」の放送 された経. 芸美術 家協 会 の 会員 名簿 を見」 た り,「 そ こに あ る コ. 歴に疑間が生 じ,一 九六八年 の音楽 コンクールでの受. ンピュー タで イ ン ター ネ ッ トに接続 し,実 相寺宏直 の. 賞 について,「 あま り昔 の ことなので,新 聞社 のデ ー. 名前 を検索 してみ る」 と「 百件 以上 出て き」 て ,「 銀. タベースに もな く,小 野が縮刷版 で確認 し」 さらに. 座 にあ る有名 な画廊 のホ ー ムペ ー ジで ,そ の プ ロ フイ. コンピュー タを立ち上 げ,国 際音楽 コ ンクール関係 の. ー ルが 紹介 され て い る」 (p。 162)。 調 べ る手段 と して. その後,音 大 出の神田 とい う. まず ,イ ン ター ネ ッ トが使 われ ,図 書館 に調 べ に行 く. 部下 に相談 し,神 田が音大時代の恩師に電話 をかけて. とい うス トー リー はな くな って い る。新 聞 0雑 誌 の記. 確認す る. 事 もでて くるが ,そ れ は個 人が保存 してお い た もの を. ,. サイ トを見 る. (p。. 150)。. (p.152)。. 手渡す ,と い う こ とになつて い る。 16.『 仮装儀礼. 上』2008蟷. ). この他 ,地 方 と関係 の深 い画家 の 画集 の販売先 につ. 鈴木正彦 は,安 定 した都職員を退職 し,ゲ ームブッ. い て「図書館 や役所 の議会 図書室 ,資 料室 な どで は郷. クを出版 しようとす るが結局 うま くいかず,「 三十八. 土 資料 と して複 数 ,購 入 す る こ とが決 まって い る」. 歳 で失 った男 は」「図書館 で 時間 を潰」す (p.15)と. (p.190)が. い う生活 を余儀 な くされる。. に,宮 嶋哲朗 コー ナ ー を作 らせ」「絵 を借 り受 けて展. 『仮想儀礼. 下』2008. ,そ の 出版 後 「 市 立 図書 館 の 小 桑 原 分 館. 示 し,事 実上 の美術館 と して機 能 させ るべ く教育委員. 鈴木 正彦 は矢 口誠 に,数 枚 の コピー をみせ られ る. 会 の 方 に も根 回 しを して い る」 (p.289)と い う。 ま. が,そ れは「総会屋系 の地域情報紙」 で「主に地元 の. た,「 宮嶋哲朗記念館 」 につい て ,「 取 り壊 しの予定 さ. 政財界,行 政に関する人事消息が,家 族 の冠婚葬祭な. れて い た旧商 工 会議所 が改築 され ,図 書館 の小桑原分. ども含 めて,詳 細 に掲載 されて」お り,「 国会図書館. 館 」「 な ど も入 つた複合 施設 に生 まれか わ り,そ の一.
(10) 22. 甲南女子大学研究紀要第 46号. 文学 。文化編 (2010年 3月. ). 階部分 に作 られ る」 (p.425)な どの ,後 日談 も紹 介 さ. 誌 目録 を見て ,か つ て刊行 されて い た雑誌 の タイ トル. れて い る。. ・ 出版社 を確認 し,出 版年鑑 でそ こ を調 べ る と,倒 産. ほか には,林 田 とい う人物 につい ては,画 集 出版 後. して い た。その雑誌 につい て ,大 宅文庫 ・都 立 図書館. の活躍 ぶ りにつ い て ,「『最 近 じゃ市 の 図書館協 議会委. の 目録 をみて もないので,国 立 国会 図書館 で検索 し. 員 に も名前 を連 ねて い ます 』」 (p.310)と い う部 分 も. コピー を とる。 むつ 市 の 図書館 を訪問 し,郷 土資料 コ. あ る。. ー ナ ーで コピー を とる。 また ,新 聞記事 の オ ンライ ン. ,. デ ー タベ ース を利用 して,小 説 の 内容 に関係 あ りそ う. 3.篠 田作 品 の 登 場 人物 と図書 館. な事件 の記事 を検索す る。『夏 の 災厄』 1995で は ,鵜. 経 年 変 化 と最 近 の 傾 向. 川医師 は,ア メ リカにある医療 ネ ッ トワー クか ら医療 分野 の専 門情報 を入手 し,県 立 図書館 では,五 年前 の. ス トー リーに多 く「図書館 で調べ る」登場 させてい. 週刊誌 の 記事 を コピー して い る。 また,公 衆衛 生 図書. た篠田節子 の作品群 だが,時 系列 でみると,近 年 の も. 館 では,専 門的 な学会誌 ,報 告書 ,海 外 の新 聞雑誌記. のはそのパ ター ンが変化 してきてい る。. 事 な どを,コ ンピュー タで検索 して,目 的 の情報 に関 係 しそ うな文献 を探 し,ア セ ア ン医師連絡会議 とい う. 3-1 図書館 を利用する人物 の特性 『贋作師』 1991で は,四 十近 い女性 で,美 術作品の 修復師,『 ネ 申鳥 (イ ビス)』 1993で は,図 書館 を訪れ べ て調 ものをするのは,三 十二の女性 イラス トレータ ーだが,男 性作家が電話 で指示 してい る,『 聖域』1994 では,三 十近い男性編集者 ,『 夏 の災厄』 1995で は 四十五の男性医師,と ,二 十代独身男性 で,教 育委員 会正職員,『 ゴサ インタン』 1996で は,地 方都市 の名 家,四 十才の未婚男性 ,『 ハ ルモ ニ ア』 1998で は,三. NPOの 本 部 で は ,海 外 の 現 地 情 報 に つ い て ,や は り,コ ンピュー タを使 って ,必 要 な情報 を,自 らが検 索す る こ とに よって ,試 行錯誤 しなが ら,入 手 して い る。 教育委員会職員 の小西 は,市 立 図書館 で新 聞記事. 十前後の音楽演奏家で精神医療 の治療補助 をしてい る. の専 門図書館 で ,専 門図書 を検索 (著 者名 をカ タカナ. 男性 ,『 弥勒』 1998は ,四 十代 の男性 で,新 聞社 の事. ,映 像制作会社 の男性 デ イレクタ ー,『 薄暮』2009は ,五 十代の男性雑誌編集者 ,と な. ,書 架 でそれ をみ つ け て ,閲 覧す る。『弥 勒』 1998で は ,新 聞社 の 社 内情 報 サ ー ビスセ ン タ ー で ,記 事 デ ー タベ ー ス を検索 す る。『妖櫻 忌』 2001で は,大 学 図書館 を利用 しようとす る と紹介状 が必要 な. っている。. 『讃歌』2006 ので ,出 版社 を尋 ねてその発行 を依頼す る。. ,. 業部員,『 妖櫻忌』2001は. ,作 家 の秘書 を してい た女. 性 ,『 讃歌』2006は. の オ ンラ イ ン検索 を,自 分 と同期入庁 の 司書 に頼 んで 利 用 して い る。『ゴサ イ ン タ ン ー神 の座 一』 1996で は,二 十年前 の郷土 史雑誌 を探 して ,市 政資料室 へ 出 向 くが ,す で に移管 されてお り,郷 土資料館 へ 行 って それ をみ る。『ハ ルモ ニ ア』 1998で は ,精 神 医学 関係 で入 力 )し. 社 会 の 中枢 をな して い る,三 十 か ら五 十 代 の 人物. で は,イ ン ター ネ ッ トで ,人 物情報 を調 べ る。新 聞社. が ,調 査 目的で図書館 を利用 して い るケ ースが 多 くの. の ホ ー ムペ ー ジでみ られ る,「 ここ数年分」 の記 事 に. 作 品 にみ られ る。 また,人 物 の背景 と して,知 的 な要. つ い て検索 を行 い ,新 聞社 にあ るデ ー タベ ース で は. 素が強 い職業 につ い て い る とい う設定が 多 い 。. ,. 「 ここ十 五 ,六 年 分」 の 過去 の記事検索 をす るが ,そ こでみ る ことので きる部分 は年代的 に限 られた もので. 3-2. 図書館 での 利用行動 ・調査 内容. 『贋作 師』 1991で は,美 大 の 資料室 で ,日 本洋画 界. あ り,そ れ よ り以前 の記事 につ い て ,都 立 図書館 へ 出 向 き,縮 刷版 をみ て確 認す る。『仮想儀礼. 下』 2008. の大御所 とされ る人物 につ い て大 衆雑誌 をみて ,さ ら. で は,国 立 国会図書館 で ,総 会屋系 の地域 情報紙 の コ. に,雑 誌専 門 の 図書館 で ,表 紙 の 色あせ た週刊 誌 な ど. ピー を とる。『薄暮』 2009で は ,イ ンター ネ ッ トで. を閲 覧 し,コ ピー を とる。駅 前 の 図書館 では過去 の事. 人物情報 を調 べ る。 雑誌記事 ・新 聞記事 は,図 書館 を. 故 につい て ,新 聞 の縮刷版 をみ るが ,み つ か らず ,地. 利用す ることで はな く,関 係者 か ら手渡 され る。. ,. 方版 の マ イクロ フ イル ム を司書 に紹 介 され ,コ ピー を. 年代 が新 しい作 品 になるにつ れて ,調 査 のための場. ビス )』 1993で は ,青 梅 の 図書 館 の. と しての図書館 の存在感 は縮 小 して い る とい え よ う。. 郷土資料 コー ナ ー には関連 資料 が 少 な く,カ ウ ン ター. 1990年 代半 ばか ら,す で にデ ー タベ ー ス を利 用 す る. で地 方情 報 を中心 に扱 ってい る出版機 関 を紹 介 され. 人物が登場 して い るが ,近 年 の作 品 では,人 物情報 を. る。『聖域』 1994で は,出 版社 内 の 図書室 で ,古 い 雑. 調 べ よ う とす る際 ,ま ず ,イ ンター ネ ッ トで情報 を入. とる。『神 鳥. (イ.
(11) 佐藤. 毅彦 :図 書館員 出身作家 の メ ン タリテ イ. その 2 篠 田節子 のケ ース につい て. 手 し,さ らにデ ー タベ ース検索 を利用 して い る。過 渡. ウム』 1993で は ,図 書館 で ,ビ デ オ な ど視 聴 覚 資料. 期 の状 況 と して,新 聞社 のデ ー タベ ー スで提供 され る. も扱 ってい るこ とが 示 されて い る。『ネ 鳥 申′. 情報 に年代 的 な限界が あ つた こ とも,『 讃歌』 2006の. 1993で は,図 書館 に よつて地域 資料 の扱 い に差 が あ. ス トー リー で は示 されて い る。最新作 で ,国 会 図書館. る こ とがふれ られて い る。『聖域』 1994で は,国 立 国. が使 われて い るのは,業 界紙 の コピー とい う,イ ン タ. 会 図書館 は,「 選択 の 余 地 な しに,発 行 物す べ て を保. ー ネ ッ トで はアクセスが 困難 な情報 や 中小規模 の 図書. 管」 して い るが ,「 愛想 が悪 い 」 し,目 的 の もの を受. 館 で は収集対象 と して い ない よ うな資料 の入手 につい. け取 って ,コ ピー を 申 し込 み ,そ れ を受 け取 る た め. ての 部分 で あ る。 年代 的 に,後 半 の もので は,図 書館. に,列 に並 んだ り,待 つ 必要が あ る必 要が あ る,な ど. よ りもイ ン ター ネ ッ トや デ ー タベ ー ス が情 報 源 と し. の状況が描 かれて い る。 また ,大 宅文庫 に電話 をか け. て,重 要 な もの になって きて い る。. て調査 を依頼 し,フ ァックスで 回答があ った り,出 版. (イ. ビス)』. 社 内 の オ ンライ ン端 末 で ,新 聞記事 デ ー タベ ース を検. 3-3. 索 して い る場面 もあ る。 さらに,む つ 市立 図書館 は. 図書館 員 とその対応. ,. い くつ かの作 品 で ,図 書館員 は,利 用す る人物 に対. 「古 びた木造建築」「ス リッパ に履 き替 えて中に入 る」. して ,そ の情報入手 につ い て ,援 助 を して い る。『贋. 「人気 はな く,狭 い室 内は,静 ま り返 っていた」「町の. 作 師』 1991で は ,机 を叩 く利 用 者 に ,静 粛 にす る よ. 図書館 ら しく,小 説 と児童書 な どを 中心」「予算 が な. ううながす シ ー ンがあ る,ま た,新 聞 の地 方版 につい. い のか ,新 刊本 は,ご く少 な く,ど れ もが 四隅がす り. て マ イク ロ フ ィル ム を紹介 して い る。『ア クア リウム』. きれた名作 や十年前 の ベ ス トセ ラー の類」 で あ る,な. 1993で は,同 じ教 育 委 員会 に所 属 す る,顔 見知 りの. どとい った,地 方 の小規模 図書館 の状況が具体 的 に描. 職員 に,開 館 時 間外 に,ビ デオの上 映 を認 め る。『ネ 申. 写 されて い る。『夏 の 災厄』 1995で は ,登 場 人物 の 医. ビス)』 1993で は,地 方資料 を出版 して い る出. 師が ,自 らコンピュー タを操作 し,多 様 な電子媒体 の. 版社 を紹介 して い る。『聖域 』 1994で は ,国 立 国会 図. 情報源 を検索 して,海 外 の もの も含 め ,専 門的 な,主. 書館 につ い て ,愛 想が悪 い (が ,確 実 に資料 は あ る). に医療 関係 の情報 を入手 しようと して い る様子 が ,く. との 指摘 が あ る。 また ,請 求票 を出 して 30分 待 ち. りか え し出て くる。 また,資 料 の不正持 ち出 し防止 の. 鳥. (イ. ,. ,待 ち時 間が長 い ことが示 さ. ための ,ブ ックデ ィテ クシ ョンシス テ ムが大学 の 図書. れて い る。 大宅文庫 は,出 版社社員 か らの 質問 に フ ア. 室 に導入 されて い る。『ハ ルモ ニ ア』 1998で は ,著 者. ックスで 回答 して い る。 む つ 市 の 図書館 で は,「 恐 山. 名 で 検 索 す る際 に ,「 カナ入 力 」 を して い る。『妖櫻. や下北半 島 の民 間信仰」 を調 べ た い とす る利 用者 を. 忌』 2001で は ,大 学 の 図書館 利 用 に紹 介状 が 必要 で. 郷土 資料 コー ナ ー に案 内 して い る。著 名作 家 のサ イ ン. あ る こ とが 示 されて い る。『讃歌』 2006で は ,過 去 の. 本 につい て尋 ね られ ,資 料 の「 コ ピー を とって さ しあ. 新 聞記事 の検索 につ い て ,新 聞社 のホ ームペ ー ジ,新. げた」 こ とを,後 に訪 れ た 出版社 社 員 に 回答 して い. 聞社 内 のデ ー タベ ース,縮 刷版 ,そ れぞれの収録対象. る。 これ につい ては,プ ライバ シーに対 す る配 慮 に欠. となって い る年 月に相違があ る こ とを前提 と した ス ト. けて い る とみ るこ ともで きよ う。『夏 の 災厄』 1995で. ー リー になって い る。『薄暮』 2009で は ,地 方 出版物. は,市 立 図書館 司書が新 聞 デ ー タベ ース検索 に協力 し. を地域 の 図書館 が積極 的 に収集す る こ とがでて い る。. コピー は一 時 間待 ち,と. ,. て い る,「 フ ァ ン タジア」 (『 死神 』 1996所 収 )で は. ,. 「図書館 で 児童奉仕 」 を した い と志望 して就職市 職 員. 長谷部 史親 は,日 本 の ミステ リに図書館 を利用す る. が ,現 在 はケ ー ス ワ ー カ ー の 仕事 を担 当 して い る。. シ ー ンが少 な い こ とに つ い て ,1990年 代 の 前 半 の 時. 『ゴサ イ ン タ ンー神 の座 一』 1996で は,雑 誌 の所 蔵 に. 点 で ,「 日本 の 図書館 はやや もす れ ば学術 的 な調 査研. つ い てた ずね られ ,ほ かの施 設へ 移管 した ことを回答. 究機 関 と しての機 能 と,読 み物 か ら漫画 ,ビ デオ,CD. して い る。 また,郷 土 資料館 では,ボ ラ ンテ ィアが. な どを貸 し出す機 能 の二 極 に分 化 して い る傾 向 が あ. ,. レフ ァレ ンス を担 当 して い る。. り,そ れ以外 のた とえば社 会生活全般 に関す る情報 提 供機 関 と してあ ま り期待 されて い な い 」「か りに図書. 3-4. 特徴 の あ る図書館 や情報提供機 関 の情景描写. 館 へ 行 って も,求 め る情報が 得 られ ない とい う意識 が. 『贋作 師』 1991で は,雑 誌専 門 の 図書館 が 存在 して. 定着 して い るため に,は じめか ら一般 人 の 眼 中にない. い るこ とが 紹介 されて い る. (『. 聖域 』 で は「大宅文庫」. とい う具体 的 な固有名詞が使 われて い る)。 『アクア リ. ので あ る。小 説 は社会 を映す鏡 で あ り,も しも作 中 の 人物が た また ま近所 の 図書館 を訪 ねて ,用 意 に情 報 に.
(12) 甲南女子大学研究紀要 第 46号. 文学 。文化編 (2010年 3月. ). ア クセ スす る場 面 を描 い た りす る と,現 実味が薄 い な. 形態 とは異 なる,調 査 目的で の 図書館利用 に きちん と. ど と酷 評 され か ね な い 」 と指 摘. 対応 で きる体制 に適合で きる職員 の養成が 目指 されて. l,そ の して い た が. 後, イ ンター ネ ッ トが普 及 した こ とに よって ,そ の状 況が変 わ って きて い る。 図書館 に勤務経験 があ り,自. い る とい え ようP。 ただ,今 回 と りあげ た,市 の職員 と して,図 書館 に. らの小説 に,図 書館 で 調 べ る人物 を多 く登場 させ て い. も勤 務 経験 の あ る 篠 田節 子 の 作 品 で は ,初 期 の もの. た 篠 田節子 の作 品 で も,近 年 の ものでは,調 べ る手段. に,何 らかの情報 を必要 とす る登 場 人物 は,ま ず ,図. と しては,イ ン ター ネ ッ トや ,勤 務先 で契約 して い る. 書館 で調 べ よ う とす るシー ンがあ った。 こ う したキ ヤ. デ ー タベ ースが利用 されて い る。 国会図書館 で マ イナ. ラク タ設定 には,自 身 の体験 とともに,か つ て勤 務 し. ー な雑誌 を コピー して きたヶ ― スは あ るが. た経験 の あ る「図書館」 とい う施設が ,何 か を調 べ る. 礼. (『. 仮装 儀. 下』 2008),そ れ以外 に図書 館 へ の 言 及 は な く ,. ための 機 関 と して有用 で あ り,「 図書館 員」 は専 門的. 調 べ るため の 場 所 と しての比重 は軽 くな って きて い る。過渡的 な状況 と して ,新 聞記事 につ い てデ ー タベ. 知識 を もち,具 体 的 なア ドバ イス がで きる存在 である. ースか ら検索 で きる期 間が 一 定年 限 に限定 され ,そ れ. にはあ ったので はないか と考 え られ る。. こ とを,読 者 に も気 づ い てほ しい との思 い もそ の背景. 以前 の もの は縮 刷 版 で な くて はみ る こ とが で きな い. 近年 の作 品 で も,作 中の人物が必要 な情報 を入手す. 讃歌』 2009),と い う設定 もあ るが ,現 実 には ,す. るため ,何 か につい て調 べ よ う とす る場面 はみ られ る. (『. で に過去 に遡 っての利用が可能 となって い る。. が ,そ こでは,必 ず しも図書館 を利用 して ,と い うこ. 図書館 員 につ い て は ,30代 の 女性 図書 館 員 が 主要. とには な って い な い 。 個 人で活 用 で きる電 子 メデ イ. な登場 人物 の ひ と りで あ る「観 覧車」 1997(『 秋 の 花. ア,イ ン ター ネ ッ トのサ イ トや契約 して い るデ ー タベ. 火』 2004収 録 )は 別 と して ,そ の キ ヤラ ク タ等 に つ. ー ス を使 って ,と い うス トー リー である。 図書館 が 図. い て ,く わ しく書 き込 まれて い る作 品 は少 な い。就職. 書 資料 の 共 同利用 の場 とい う認識 は あ って も,利 用資. 面接 で「図書館 で児童奉 仕 の仕事 を した い」 と答 えた. 格 の 点 で も,使 用料 金 の面 で も,4国 人ではアクセ ス困. 「 フ ァ ン タジ ア 」 (『 死 神』 1996収 録 )の 「 富 樫 由梨. 難 な電 子 メデ イア を共 同利 用 す るため の 場 ,と い つ. 江」,以 外 は名前 もでて こない 。 図書館 内で の ,利 用者 の 調査活動 に対 して ,『 贋 作 師』 1991,『 神鳥. (イ. ビス)』 1993,『 聖域』 1994,『 ゴ. た ,現 在 の ,大 学 図書館 な どにみ られ る状況 は,今 回 取 り上 げた作 品 の 中 で も,2000年 以降の もの には描 か れて い な い。. サ イ ンタン ー神 の座 一』 1996,で は,図 書館 員 が なん. カ リフ ォル ニ ア大 学 バ ー ク リー校 アジア研 究 図書館. らか の ア ドバ イ ス を して い る 。『 ア ク ア リ ウ ム 』. 日本部長 で あ る,石 松 久幸 は,「 今 ,ア メ リカの 大 学. 1993,『 夏 の 災厄』 1995,で は ,同 じ立場 の公 務 員 で. で ライブ ラ リア ンと呼 ばれ る職業が絶滅 しつつ あ る」. あ る人物 に,ち よつ とした便宜 をはか ってい る。2000. を 『出版 ニ ュー ス』 に投稿 して い る。そ こで は,近 い. 年代 以降の作品で は,図 書館 に関す る記述が淡 白 にな. 将来 「個 人単位 の課金製 で提供 され るデ ー タベ ース」. ってい るの とあわせ て ,図 書館 員 の存在感 も,希 薄 に. が増加 し,「 無償 で 入手で きる情報量 」が増 え「 世 界. な って お り,『 弥勒 』 1998,『 讃 歌 』 2006,『 薄 暮 』. 的 に行 われ て い る文 化 遺 産 の デ ジ タル 化 」 が 進 め ば. 2009,は いずれ も,情 報 を入手 しよう と行動す る場面 は あ るが ,図 書館 員 は登 場 しな い 。月ヽ 説 の 登 場 人物. 「 ラ イブ ラ リア ンの存 在理 由 はな くな るだろ う」 とさ れて い る〕。 これ は ,現 時点 での ,ア メ リカの 大 学 図. が ,個 人的 に電子 メデ イア を駆 使 して ,自 分 で検索 し. 書館 での状 況 を背景 とした考察 で はあ るが ,方 向性 と. た り,個 人的 な手段 で情報 を入手 しよう とす る とい う. して同 じ変 化が ,時 間的 には い ます ぐに,と い う こと. 行動 を とって い る。. で な くて も,日 本 にお い て ,ま た ,公 共 図書館 で あ っ て も,生 じる可能性 が あるだろ う。. 4。. お わ りに. 図書 館勤 務経験 が あ り,新 聞情 報提 供 の 電 子 化 な ど,情 報流通状況 の 変遷 につ い て も一 定 の理解 を有 す. 2006年 の教育基 本法 の改正 を うけ,2008年 ,図 書. る,篠 田節子 も,現 代 の ,2010年 代 を迎 え よ う と し. 館法 も一 部改定 された。専 門職養成 にかかわる部分 で. て い る,日 本 を舞台 と した 自らの作 品 にお い て ,初 期. は ,「 大学 にお け る科 目」 が設定 され ,そ れぞれ の 科. の作 品 に見 られた よ うな,知 的 な職 につ い て い る登場. 目の概 要 で も,『 これか らの図書館像』 で 示 され た よ. 人物が ,何 か を調 べ た り,情 報 を得 るため に,図 書館. うな,従 来か ら主流 であ った貸 出サ ー ビス 中心 の利用. を活用す るシー ンや ,図 書館員 が そ う した利用者 を援.
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