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第15回聖路加看護学会学術大会報告 第15回聖路加看護学会学術大会を終えて

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Academic year: 2021

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聖路加看護学会誌 Vo1.15 No.1 February 2011 35 -Ⅰ.はじめに 私が本学術大会の大会長を仰せつかった時,まず頭に 思い描いたのが「看護技術」であった。私自身,現在も 病院という臨床の場に身をおき,間接的ではあるが看護 実践と向き合っている。また,私は看護のなかで中心と なるのは看護実践であると考えており,質の高い看護実 践(看護サービスの提供)は看護師の「看護技術力」に よるところが大きいと考えている。 看護の実践知を示した教本でもあるナイチンゲール の『看護覚え書』で,ナイチンゲールは看護技術を “nursing art” と表し,看護の実践で求められるのは, 単なる看護行為だけではなく,観察技術,科学性,創造 性などさまざまな要素を含めた看護技術サービスの提供 であると記している。 第15回学術大会は,病院で働いている私どもと聖路加 看護大学の教員の方々との協働のもと,メインテーマを 「開こう『看護の技術箱』∼臨床看護実践への貢献∼」 とし,開催することができた。 Ⅱ.看護技術について 「技術」ということばを辞書で引くと,①物事をたく みに行うわざ,②テクニック・科学を応用して自然の物 事を改変・加工し,人間生活に役立てるわざ,と記され ている。また「技術的」とは,科学の応用面に関係のあ るさまであり,「技術論」とは,技術の本質やあり方に 関する理論的考察と記されている(広辞苑,2008)。 看護技術は,まさにたくみに行う技(アート)と科学 (サイエンス)と,経験に裏づけされた知とが統合され たものであると言える(図)。 本学術大会が,参加者にとって看護技術の本質やあり 方等について考察できるチャンスになっていたら幸いで ある。 Ⅲ.学術大会プログラムについて 本学術大会のメインテーマにもとづいて,プログラム の扉が開けられた。 プログラムは,対談,教育講演2つ,特別講演2つ, および一般演題の発表(示説による)を中心に構成した。 また,学術大会の新企画として,「看護技術展示」のセッ ションも設けることにした。 最初に,大会のメインテーマ「開こう『看護の技術 箱』」に沿ったオープニングセッションとして,川島み どり先生と菱沼典子先生の対談が行われた。「技術箱」 はまさに看護の道具箱であり,その道具を看護師がいか に使いこなし,成長させていくかについて考えることが できた。 教育講演1では,新しい看護技術の概念(キネステ ティク)とそのテクニックについて学んだ。また,人の 動きの支援には,①ウォームアップ,②機能トレーニン グ,③クールダウンの3段階があることも知り得た。教 育講演2では,エビデンスに基づいた高度看護実践と褥 瘡研究の例からトランスレーショナルリサーチについ て,その知識と研究の必要性を学ぶことができた。 これら対談,教育講演については,本稿の後に詳しく 紹介されているので,せひご一読いただきたい。 特別講演1では,衆議院議員の阿部俊子先生をお招き した。阿部先生の講演から,保健・医療政策への働きか けとして,① EBN に基づいた看護技術を社会に示して いくこと,②看護技術のもたらす経済効果もアピールし ていくこと,③さらには社会が必要としている「看護技 術」を積極的に社会に伝えていくこと,が看護職者の使 命であることを学ぶことができた。 一般発表は示説とし,看護実践に基づく研究を中心に 24演題の発表がなされた。発表会場では,大勢の参加者 との意見交換が活発に行われていた。

   学術大会報告   

第15回聖路加看護学会学術大会を終えて

佐藤 エキ子

1) 1)聖路加国際病院,第15回学術大会長 アート nursing art (技能) サイエンス medicine 経験(知) (知恵・技)  ・科学的根拠 (EBN) ・研究 看 護 技 術 図 看護技術の構成要素 p035-036 学術大会報告 佐藤エキ子.indd 35 2011/04/04 13:27:49

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36 -また,昼休みの時間帯には,初めての取り組みである 「看護技術展示」を行った。このセッションでは,臨床 看護実践から生まれたアイデアをもとに作成した看護用 品(ex. 患者の手術・検査用のガウンの考案)をはじめ, 専門領域の生の看護技術の紹介(ex. 産後の母親への10 分手順マッサージの導入)などが行われ,熱気にあふれ ていた。 以上,学術大会当日の模様を紹介してきた。参加者は, 各講師による講演や一般演題発表を通して,多くの知見 や学び,気づきを得ることができたのではないかと期待 している。 最後に,学術大会が無事に開催できたことは,学会員 の皆様をはじめ多くの関係者の皆様にご協力をいただい た結果,と厚く感謝申しあげます。 p035-036 学術大会報告 佐藤エキ子.indd 36 2011/04/04 13:27:54

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