日本企業の多国籍化と調整メカニズム
12
0
0
全文
(2) 日本企業の多国籍化と 調整メカニズム. (茂垣. 広恵 ). 43. (43). 能力」「上級管理者能力」「資金調達能力」という 5 項. つの大きな調整メカニズムに 集約するとともに ,. 目の子会社の 能力について ,他の子会社と 比べて「非 常に劣っている」から「非常に 優れて、、 る 」までの 5. ぞれを構成するサブメカニズムに 細分化し調査した. ポイントスケールで 測定した.得られた5 変数から内 部相関を比較検討してすべての 数を算出し 0.72). その平均値 3. を分割基準とし. (21事業 : 44.7%). 変数から 1 つの合成 変. それは, 1. 集中化 : 資源・権 限, 2. : 公式化・計画化・. と低いグループ. 標準化, 3. 社会化 : 経営理俳の. m. 分析結果. 高 い グルーブ. (26事業 : 55.3%). プロバラム化. 共通性および 浸透 度 ・教育研修・ 人材交流であ る.. ( レンジ。, 標準偏差. -子会社能力の. それ. 本社 一 海外子会社のダイアディッ. ク. な関係における. 調整メカニズムについての 今回の調査結果は ,全体的. に分類した. さらに, これら 2 つのグループを 本社リーダーシッ. に以下のように 要約できるが ,. まず。 回答全般に見ら. プの 程度によってそれぞれ 2 つに 分 ,割し 最終的に 4. れる日本企業の 特徴を明らかにした. つの類型に当てはめた. 本社リーダーシッブは ,政策 の調整における 主導権 の問題であ る. 日本企業は, 海 外事業経営に 関してはその 集権 的,性格が指摘されてお ", 今後それをどのように 克服するかが 大きな課題. ル段階. り. であ るといわれている.. したがって, 本社リーダーシ. ップが弱まった 場合, どのような方法. (他の調整メカ. ニズムⅠで高度な 調整を達成するのか ,. また,前述の. 指標であ る海外子会社の 能力が高まるにつれ ,現地で の 自律化傾向があ らわれると考えられ 8,本社リーダー 、ンップ による調整からもたらされるコンフリクトを. 解. 消するためにどのような 調整メカニズムが 付加的に ノ、. ぅ. えで, グローバ. (G4 ) における調整メカニズムの 相違につい. て検討することにしたい. 1 , 日本企業の海外子会社マネ 、 ジメントの全般的特徴. ( 1 @ 海外子会社のマネジメント 方式と経営資源. 海外子会社のマネジメントの 現状は, どのような考え 方でなされており ,将来方向的にはどのようなものを 目指しているのだろうか. この点に関してまず ,「現 地子会社のマネジメント 方式」の現状について 見ると @ 表 2), 「本社の基本理俳,基本的システムなど 基. 要とされるのかを 調査することは ,大いに関心がある. 本的なものを 共通化し他は 現状にあ れせて行ってい る」という回答が 55.2% を占め最も多く , 次いで「現. ところであ る. この「本社リーダーシップの 程度」は ,. 地のマネジメント 方式を尊重しており , できる限り現. さまざまな機能分野にわたって 本社主導でなされてい. 他 化してきている」が 27.9% で続いている. ところが. るのか,子会社主導でなされているのか , あ るいは共. 将来についてみると ,. これら 2 つの回答が逆転し 後. 同調整されているのか ,政策の調整における 主導権 の. 者が 4f6.2%, 前者が 32-9% でであ. 所在に関する 認識で測定した.「技術研究政策」「製品. 基本システムを 移転ないし移植した 後に現地化を 進め. 開発政策」「生産ロジスティクス 政策」「人事政策」 「マーケティンバ 政策」「財務政策」「情報システム」. ていくという 方向性あ るように思われる. このことは, 多国籍化の初期に 見られる「海覚子会社をしっかりと. の 7 つの分野で 5 ポイント尺度で 測定し. 自社の経営システムの 枠組みに組み 込む必要,性. これら得ら. これをみる限り. る・. 」. れた 7 変数間の内部相関を 観察して,製品開発政策を. 「現在の競争優位創出させてきたマネ. 除く 6 変数に. テムの移転の 必要性」の 2 つの面から解釈することが. よ. る合成変数を 算出し. その合成変数の. 平均値に近い 3.1 ルンジ 6, 平均値 3.31. 標準偏差. 0.93) を基準値として 本社主導 度 が相 吋 的に高 い グ ループ (24事業, 51.1%) と子会社主導 度 が相対的に 高 い グループ (23事業, 48.9%) に分割した.. 、. と. ジメント・ 、ンス. 可能であ る. それではどのようなマネジメント・システムの. 移転. を考えているのだろうか. これに関して , 「日本本社 のマネジメント 方式をどの程度現地に 定着させた い の. それぞれの調整メカニズムの 差違を中心・に 分析するこ. か」に対する 回答をみると @ 表 3), 「品質管理」 (5 点尺度平均値 : 4.03). 「基本的経営理俳」 (3.78),. ととした. その際,本社一 海外子会社のダイアディッ. 情報共有化システム」. これらの分割処理を 通じて, G4 類型に当てはめ ,. ズムの組み合わせが 予想されるのか. われわれは調整. (3.4 引 , 基本的行動規範 (3.41) の項目で定着化志向が 高く, 「従業員の教育ジ ステム」 (2.94), 「従業員の評価システム」 ほ Ⅰ 5) で. メカニズムに 関する先行研究のレビューを 通じて, 3. はその志向,性は 相対的に弱い 結果となっている. この. ク. な関係に限定してみた 場合, どのような調整メカニ.
(3) 44 (44). 横浜経営研究. 第 1 号 (1996). 第沿皿巻. の. 来 将 七 状 現. 体制. ト ン メ. マ. シ ネ. 2. 表 図. 状 現 来 将 0%. 20%. 40%. 60%. 80%. 100%. I. 備考 ) A. 本社と海外拠点のマネジメント 方式は融合し. 新たな第 3 の方式となってきている. B. 本社の基本的理念,基本的システムなど 基本的なものを 共通化し他は 現地の状況にあ れせて行っている. C. 地域毎に共通化し. D. 現地のマネジメント 方式を尊重しており ,できる限り 現地化してきている. E. 若干の修正はあ るものの,できる 限り本社のマネ. グローバルには 統一していない. 図表 2-3. 方式を定着させてきている. 本社マネ、 ジメント方式の 現地 定 黄化. Ⅰ 本 的行劫ぬ 簾. 3190. 生産品仮首 理 システム. 4.40. 8.51. マーケティンバ・システム」. 意思決定仮色 の システム. 3.48. 4.13. 柑報 共有化、ンステム. 従 文具の教育システム. 3.49. 従 立見の評価システム. ロ 現状 日 将来. 3.12 3.65. 従 文旦の 拮本 的行劫 2. 3. 全く考えてない. ◆. ◆. ㍉ 億 ;. の @ .,.@,13.39. 4. 5. 非常に強く考えてい. 結果をみると , 「品質管理」に 代表される日本企業の 強みを移転するという 側面と,「基本自 り 経営理俳」に 代表される自社の 経営システムへの 組込みを意図する. 術,生産ノウハウが本社事業部に 集中しているのが 興 味 あ る点であ る.生産に関する い わゆる「見えざる 資 産」「情報的経営資源」といわれる 競争優位の鍵とな. という先の 2 つの側面を共に 重視していると 思われる.. る固定的経営資源が 本社に集中しているため , その点. 他方,「経営資源の 集中化一分散化」についてみる と ,事業部レベルでの 経営資源は,現状ではその 多く. では子会社は 本社に依存的になる.将来方向的には , かずれの項目も 分散化傾向にあ る. しかし技術や 生. が日本に集中している. とりわけ「本社に 集中」もし. 産 / ゥ ハ ウ は , 他の項目に比べ 将来ともどちらかと ぃ. くは「どちらかといえば 本社に集中」を 合わせて多い 順 にその項目を 見ると, 技術 (85.2%), 資金. えば本社に集中させたいという 傾向もあ る (図表 4) このような経営資源の 日本への集中という 調査結果. (83.0% ), 生産ノウハウ (76.1鉱 ), 人材 (68.5%), マーケテインバ・ノウハウ (60.9%), 原材料・ き 6 品口の 供給 (50.7%), 生産設備 (52.6%) であ る・ また, 生産設備が相対自りに 分散化しているのにも 関らず, 技. 致している. したがって , 逆の質問「本社の 海外子会 社への依存度」についてみると ,全般的に平均値 (5 点 尺度 1 : 全く依存していない 一 5 : 完全に依存 ) は. は,. 日系多国籍企業の 特徴に関する 以前の諸研究と. 一.
(4) 日本企業㈹多国籍化と 調整メカニズム 図表 4. (茨垣. 広志 ). 経営資源の葉中一分散 (平均値 ). 原材料・部品. 3.72. 蚕食. 3.02. 人材 技術. 2.99. 生産ノウ 吋. 3.05. 3.33 国. 生産設備 マーケティンク。. (45 45. 3.63. ・ノウハウ. 3.32. 1.5. 2. 本社に集中. 2.5. 図表 5. 8. 3.5. 4. 5. 4.5. 子会社に分散. 意思決定・ 謂整の システム. 状来 現将. 毎 業 事. 世界の地域 毎 ( 現状). 毎. ). ︵. 来 ︶状 ︶ 来 現時. ︵. 将. ネ土 とム. タ. 子. @. 海. 0% 目 全く異なる. 20%. 40%. 口 かなり異なるⅠどちらとも. 60%. 言えない. 80%. 100%. 皿 かなり類似百全く. 同じ. 低いが,その 中でも相対的に 一番スコアが 高 い のは 「バローバル・マーケティンバの 展開」の 2.61であ り,. すなわち,「各海覚子会社を 画一的に扱ってはならな い 」という主張があ る 9'. これに関しては ,その異同. 「技術研究」「製品開発」ではそれぞれⅠ・. を尋ねた「意思決定やマネジメントの 調整」について. 58, 183 とか. なり低く,「製品ラインの 補完 (製品間分業 ) 」は 2.19,. の回答が参考になるであ. 「部品・半裂 9。 の生産」では 2,09 という結果になって い る. この ょう にみれば,今後予想される 海外子会社. 呆を見ると,意思決定やマネジメントの 調整のシステ ム が ・事業 毎 ,地域毎 ,子会社毎に「かなり 異なる」. への依存度の 高まりとともに ,日本企業は物的資源の. という回答と「かなり 類似している」という. 移転のみならず ,いわぬる情報的経営資源の 移転が今. つめ パターンが見受けられるのが 特徴であ. 後の大きな課題となるよ. 特に海外子会社について 見ると,現状では「かなり 異 なる」という 回答が 42% あ るが,将来方向的には , か. う. に思われる. 最後に,全社的に見た場合,事業ごと ,地域毎 , あ. ろう. @. 表. 5). この回答 結. る・. 回答の 2. しかし,. るいは海外子会社毎に 調整システムは 類似しているの. なり類似の方向へ 推移していくことを 示唆している. か ,あるいは異なるのかという 問題があ る.多国籍企 の各拠点は異質な 環境に取り囲まれでおり ,それに したがって分化される. もちろん事業によってもその 環境は異なる.そしてそれら 拠点間をどのように 統合. このことは,先述の「子会社の 能力および子会社を 取 @)巻く環境の相違」にも 関わらず画一的な 調整メ カ ズム の使用ということにつながるのではないだろうか 今回の調査では ,特定の1 つの子会社に 主に焦点を当. するかは,子会社能力によって 異なるといわれてきた.. てて調査票を 作成しているため ,今後同一企業。同一.
(5) 46@ (46). 横浜経営研究. 第 ⅥⅡ巻 筆 ] 号 (1996). 事業内の複数子会社間比較も 必要とされよう.今回の 調査でわかることは ,次に述べるバローバル段階 4 類 型での調整メカニズムを 見る限り,子会社の能力によ って異なる調整メカニズムを 選好する傾向があ り, そ の方向性として ,プロバラム化,社会化による調整の 強化があ げられよ. う. (2) 調整メカニズムに 関る全般的特徴 上述の経営資源の 本社. (事業部 ). 思決定の位置」をみると , R&D 関連の「技術研究 計 画 (3.59), 「製品開発計画」 (3.36) の本社集権 度が 相対的に高く ,「人事計画」 (2.26), 「マーケティンバ 計画」 (2.40) は分権 的傾向にあ る (図表 7). このよ うに,日本企業の 海外子会社マネジメントの 特徴とし て 総体的な集権 的性格がいわれるが ,機能分野別にか 」. なり異なることがわかる ,. 集中により日本本. 0 集権 的性格が日系多国籍企業の 特徴であ ると指摘さ れてきた,この点に関する項目をみてみると ,機能分 野 でかなり異なっている.「バローバルな 政策の調整 が 本社主導か子会社主導か」という 質問項目では ,本 社主導の調整がとられているのは , R&D 関連の「 技 術 研究」「 製 R"開発」であ り,それぞれ5 ポイント尺度 での平均値 (1 : 子会社主導 一 5 : 本社主導 ) はそれ 人事や ぞれ 4,09, 3.87 と本社主導 度 が高く,他方, マーケティンバでは 子会社主導的な 調整のスタイルを (図表. 6). 同様に,「当該子会社に 関る意 図表 6. われわ. れの研究が機能別に 行った理由でもあ る。0). 社のパワーが 強く, かなり集権 的な予想され , またそ. とっている. このことはさらに ,. 次に「プロバラム 化」による調整に 関る項目をみる. と,「文書化の程度」は総じて 比較白9 高いものの, そ の 「世界的共通化 / 標準化の程度 ) 」をみるとその し ベルは低く,「国 毎に異なる」傾向にあ る・特に,「人 事 計画」 (1.76), 「マーケティンバ 計画」㎝・ 98) の標 準化度は低い・ 将来方向的には ,世界的共通性を 高め て行こ う とする傾向が 高 い (図表 8) 最後に, 「社会化」に よ る調整に関る 部分をみてみ ると, 「経営理俳の 世界共通化Ⅰ子会社独自性」につ いては,「世界共通であ る」が 35.8%, 「世界共通だが 地域毎に修正している」が 23.5% であ り,共通性のあ. グローバル政策の 本社主甘皮. 園. 8 3. 7. 6. 産 生. 46. 3. 5%. 圭 社 本. 音 主 l 社 の. 置 位. 思決. 定. の. 社 。 " ' 祇 子. 該 当. 7. 表. 図. 3. 園. 36. O3. 6%Z2. 産 生. 8.5. ぼ接 柱材. 主にで 本決 社定. 会主 1 子決.
(6) 日本企業の多国籍化と 調整メカニズム 図表 8. (47)@47. (蔵 垣 広志 ). 計画の世界的共通性. マーケティンバ 計画 生産・ ゆ 。 坤 イクス計画. 製品開発計画. 口現状. 3.10. 日将来. 八 % 計画 財務計画. 2.82. ・. 技術研究計画. 28. 情報システム l.5. 4.5. 3.5. 2.5. 国ごとに異なる. る 理念が比較白 9 高 い . も. しかし. 世界的に共通化. 「子会社毎に 異なる」. それぞれ 39.5% 。 32.3% であ るが,他方, 「あ まり開. 25.3% あ @), 2 校化しているとかえる. 将来の方向. 催していない」と 回答した企業も 22.2%, 26.7%. 性を見ると,世界的共通化への 方向性が出されている (「子会社毎に 異なる」は 7.1% に 低下,「世界共通だが. い.. 地域毎に修正」が 44.9% に上昇, 「世界共通」は ,. 期 的に開催している」企業も. と. 多. 人事管理および 財務管理分野ではあ ま @>用いられ. ていない傾向にあ る. しかし財務管理分野では ,. 「. 定. 14.8% あ る. 将来的な. 35.4% でほぼ変わらず ). 「経営理俳での 現地化の明示. 方向としては , 開催頻度は高まる 方向にあ るが, ノ、. 化の程度」では ,それを明示化ないし 強調している 企. 要に応、 じて開催」と「定期的に 開催」のスコアが 高い. 業は・全体の 56.6% にのぼる. という結果になっている.. (「やや強調」. 「明文化し強く 打ち出している」 17.0 附 .. 39.6%,. 「. また, 将. 当該子会社の 従業員の日本本社での 研修」に関して. 「. 来 」についての 回答では, 「はっきりと 明文化し現地. は. 化を強く打ち 出す」企業が , 42.9% でかなり多い. し. る」. かしその一方で「経営理俳の. 「必要に応、 じて行っている」までばらついている.. 浸透 度 」に関しては ,. 「日本人の派遣管理者」ではその 浸透 度 が高いが ( か. 「定期的に行っている」「かなり 頻繁に行ってい. ・. という企業は 少なく, 「実施していない」から ま. 浸. た, 「人事管理分野」では 本社研修はあ まりなされて いない (「実施していない」 44-4%, 「あ まり実施して いない」 30.1%). かな ) 浸透している 26.7% となっ. 「本社から当該子会社への 人材派遣」は , 。 機能レ. ている. そしてミドルクラス ,一般生員 と 浸透度は低. ベル,では「ほとんどない」から「たびたびあ る」ま でばらついている. 「生産分野」では 相対的に多くの. 「. なり浸透している」. 36%),. 55.6%,. 「やや浸透している」. 日本人以覚では , 「重役クラス」では「やや. 透してる」 38.0%,. ン. ヰ. 下する. 「国際的なプロジェクトチームの 利用」は,全体面り. 交流が見られる.次に ,階層別,に 見ると, 「ミドルク. 少ない.相対的に生産やマーケティンバのような オ ベ. (3.36), 「重役クラス」 (3.17), 「一般社員」 (2.73) の順であ る.上位 2 つは, 「たまにあ る」「た. レーションの 分野ではより 用いられる傾向にあ る. 特. びたびあ る」の回答が. に 生産分野では「たびたび 用いている」「かなり. は, それら回答と 同じくらい. にそれほど頻繁ではない.特に 人事,財務の分野では. 多く. ラス」. 上. ヒ較 的多く,一般社員レベルで. 用いている」を 合わせると 46.5% であ る. 将来方向的. (24.2%) と回答している.. 「ほとんどない」. 「当該子会社から 本社への. には,利用の頻度が高まる 傾向を示している.特に,. 人材派遣」は ,かなり頻度が低い,その中でも 機能別. 生産,マーケティンバ,研究開発の分野での利用が 高. には生産が若干高い. 「当該子会社から 他の海外子会. まると回答している. 「バローバル 会議」の頻度につ. 社への人材派遣」は ,「機能別 」にも「階層別」にも. いてはも機能毎の 違いが見られる. マーケティンバ 分. ほぼ 8 割以上が「ほとんどない」と 回答している.. 野では,「必要に応、じて開催している」「定期的に 開催 している」と 答えた企業が ,ぞれぞれ 35.2%, 32.7%. このようにみると ,機能別の違いはあるものの,総 じていえば,調整メカニズムとしては ,相対的に集権. であ り開催度は高い. 生産・ロジスティックス 分野と. 的,性格が強く ,. 研究開発分野は ,. 高いものの標準化されておらず , その点で低いものと. 「必要に応じて 開催」が一番多く ,. 「プロバラム 化」が文書化のレベルは.
(7) 48. く. 48). 横浜経営研究. 第Ⅷ 巻. なっている. 「社会化」による 調整は,人材交流が本 社から海外子会社への 一方向自りであ り,彼ら派遣者を 中心とした日本人同士の 規範的統合の 色彩が強いとい ぇ 、 る. 以上のような 回答の特徴を 踏まえた上で , 次に相対. 的に資源分散度が 進み,調整を高度に行っているバ ローバル段階 G4 における調整メカニズムの 相違につ いて検討する. 2. グローバル段階 4 類型 (G4 ) での調整メカニズ 前述の類型化のように ,比較的多くの経営資源を海 外に分散し,拠点間の 国境を超えた 調整度の高いバ ローバル段階をわれわれは ,現地資源レベルの高低, 本社リーダーシップの 高低の組合せによって 4 つの. ブ に分類した. ここでは, 各. 4. タ. つのタイプの 調整メ. カニズムの組合せの 特徴について , それぞれ他のタイ. プとの 差. (有意差 10% 以上 ). 考察を進めていきたい ローバル 型 : UG. か がここでの焦点となるであ ろう. まず, プロバラム. 化に関する項目をみると ,「計画の文書化の 程度」の うち「 製 R。 開発計画」と「技術開発計画」でその 程度 が低く,製品。 開発では GL, LG 型 と ,技術開発計画 では LG 型と有意差が 見出された. 「計画の標準化」 に 関しては「財務計画」で 相対自りに低いものの (GL 型と有意差 ), 「マーケティンバ・プロバラムの 共通化」 では「小売希望価格」でのみ GL 型よりも共通 ィヒ が高 いという結果になっている. また,共通化の 方向とし て「本社方式の 定着化」のうち「従業員評価システ ム 」ではその傾向が「高い」ものとなっている.. ムの 特徴. イ. 第 1 号 (1996). のでた項目を 中心にして. ( なお,文中では,. ユニ・ グ. 型, グローバル・ローカル 型. 型, マルチリージョナル 型 : MR ローバル型 : LG 型と表記した.. : GL. 型, ローカル・グ また,文中での「 高. ・. 低 」の表記はあ くまで 4 類型間での相対的差異に 基づ いている ). ( いユ ニバローバル 型での調整メカニズム・. 「社会化」に 関しては,「経営理俳の世界的共通性」 およびそこでの「現地化の 表明」は相対的に 低い. 「組織文化の 類似性」に関しても ,事業毎 ,地域毎 , 子会社毎の組織文化の 差異性が大きい (GL 型と有意 差 ). 「経営理俳の 浸透 度 」に関しては 他のタイプとの 有意差は見出されず 中庸であ った. 「国際的プロジェ. クトチームの 活用」では,「人事管理分野」でその 活 用度が高いが ,他方「バローバル会議の頻度」のうち. 「研究開発分野」での 頻度は少ない.機能毎の違いが 大きい結果となっている. 「人材交流」に 関しては, 「本社から子会社への 出向」が総じて 多く,「子会社か ら本社へ」は 他のタイプとの 有意差は見出されず 中庸 であ り, 「子会社間での 異動」は少ないという 結果で あ った.. UG 型は,資源分散度が高く国境を超えた 調整 度 も 高 い G4 のうちでも, 「本社リーダーシップ ( グロー バル政策の本社主導的調整 度 ) 」が高く, 「現地資源レ. このようにみると ,本社集権度が高く,現地資源レ ベルが低い tJG 型は,調整メカニズムとして 多くを. ベル」が低いというタイプであ る.. という調整メカニズムは 相対的に使用度が 低く , 中な. まず,「集中化」による調整メカニズムに 関しては, 分類基準そのものによって 調整の本社主導 度 が高いの は当然であ るとして,資源集中度に関連する項目, 「当該子会社への 依存度」に関しても R&D 関係 (技 術研究,製品開発研究) と工程間分業においてその 依 存 度がそれぞれ GL. LG 型, LG 型に対して有意に 低いという結果となっている. 同様に,「権限の集中. いし 低 という結果になっている. (2) グローカル型での 調整メカニズム. 化」に関連するものとしては. , 「財務関係意思決定」. のうち「長期的資金配分」「設備資金運用」「利益配 分」の各項目で 本社主導 度が MR. . LG 型よりも有意. に 高く,本社集権性が高 い 結果となっている・. このように,本社資源集中度が 高く,なおかつ本社 集権 的な UG 型において, その他の調整メカニズム , 「プロバラム 化」「社会化」はどのようになっているの. 「集中化」に 依存しており ,「プロバラム化」「社会化」. この GL 型は,ユニバローバル型と同様に本社集権 度が高いが,. しかし「現地資源レベル」が 高いという. 組合せのものであ る.つまり,現地資源レベルがあ が. るにしたがって ,本社集権度だけでは調整できない 場 合どのような 調整メカニズムが 付加されるのかを 見る ことができるパターンでもあ る.. 経営資源に関しては ,分類基準より 当然のことなが ら, UG. MR 型よりも当該子会社の 水準が高い・ そ して「当該子会社への 依存度 (Q27) 」に関しては , R&D 関係 (技術研究, 製 R。 開発研究 ) で UG 型より も依存度が高く ,工程間分業ではMR 型よりも同じく 高いという結果になっている. このような現地資源 レ.
(8) 日本企業㈹多国籍化と 調整メカニズム (茂垣 広恵 ). (49). 49. ベルの向上。 および子会社への 依存度の上昇は ,子会. る. 社のパ フ 一の増大になり ,本社集権化に よ る調整だけ. い場合でも,本社主導度 が低い LG 型との相違であ る. では本社一子会社間のコンフリクトの 増大につながる. ように思われるⅠ・. と予想される. その場合,調整メカニズムの 多様化に. て高いものとなっている.. よってコンフリクトの 回避,調整度の向上をめざすこ. ・. この占に関しては 同じく子会社の 資源レベルが 高. 全般的に社会化については ,総じ. このように, GL 型は, UG. 型に比べ集権 化のみな. とになる. それではどのような 調整メカニズムが 付加. らず,調整メカニズムを 多様に用いているといえる.. されるのか.. その場合プロバラム 化も相対的に 高度であ り,経営理. 「プロバラム 化」に関してみると ,「バローバル・マ. 念の共通化とその 浸透,子会社間での組織文化の類似. ネジメント 体市ljの類似性」での「子会社毎の 決定・調. , 性 ,子会社から本社への異動の 頻度の高さという 社会. 整」で MR 型よりも類似,性が高 い .. 化による調整を 大きく付加されているといえる. この. しかし共通化の. 方向性として「本社方式の 現地定着化」ではその 傾向 は UC 型よりも低い・ つまり,共通性が高いがその共. 場合には, 「社会化」による 調整が大きな 意味を持つ. 通性は必ずしも 本社からの一方的な 共通性の設定でな. ことが見出された.. いことを示唆している.. さらに, 「計画の文書化の 程. 度 」では,製品開発計画で文 善化の程度が 高く, UG 型 と有意差があ. る・. ように,本社主導であ りながら現地資源レベルが 高い. (3) マリチリージョナル 型での調整メカニズム MR 型は,資源分散度が高く国境を超えた 調整度も. 「計画の標準化の 程度」では。 生. 高い G4. のうちでも, 「本社リーダーシップ ( グロー. 産・ロジスティクス 計画, 「財務計画」, 「技術研究計. バル政策の本社主導的調整 度 ) 」が低く, 「現地資源レ. 画」, 「情報システム」で 相対的に共通化度が 高く, 「生産・ロジスティクス 計画」と「技術研究計画」では LG 型と, 「財務計画」では UG 型および MR 型と,. ベル」も低いというタイプであ る.. 「情報システム 計画」では MR 型と有意差が 見出され. 「集中化」による 調整メカニズムについてみると。 「資源集中化」に 関しては,分類そのものが「当該子 会社の経営水準」によってなされているため ,経営資. た, さらに, 「マーケティンバ・プロバラムの. 源に関しては・. 共通化」. Gl 型・ LG 型よりも当該子会社の 水. では, 漂白9 顧客, 「総合的マーケティンバ・プロバラ. 準は低い. そのため, 「当該子会社への 依存度. ムの作成手順」とそれぞれ 共通化度が比較的高く MR. (Q27) 」に関しては 製品開発と工程分業で 依存度が. 型 と有意差があ るが, 「希望小売価格」では. LG 型よりも低い 結果となっている. また, 「意思決. 通化度が低く. 上ヒ較的 共. , tJG 型と有意差があ る. このように,. 定の本社集権 度」に関しては ,「財務計画」で LrG 型 。. CIl, 型の 1 つの特徴として , プロバラム化が 相対的に. 次に「社会化」による 調整についてみると ,「経営 理念の世界共通性」が. IJG. .. MR. 「情報システム」で. IJG. .. CH. 型 よりも集権 度が低く,. また「財務的意思決定」の 各項目でも UG 型よりも. 高度になされていることをあ げられる. 型よりも高く. ,. しか. 低い. 「プロバラム 化」による調整メカニズムについてみ. も「現地化の 表明」も他の 全タイプよりも 強調されて. ると, 「子会社毎の 意思決定・調整」の 類似性が GL. いる, その経営理俳の 浸透度も重役クラスで 相対的に. 型よりも有意に 低い. マーケティンバ・プロバラムに. 高い.行動規範的部分では 他の型よりも「安定・ 継続」. おいても「付属装備」「標的顧客」「総合プロバラムの. 「個人・個性」を 強調する傾向にあ る. また,. 作成手順」で 共通化・標準化が 低くなっている. 「計画. ではなく. 組織文化では ,事業問, 地域間,子会社間で UG MR. 型よりも類似性が 高い. しかし他方で ,. .. 「バロー. の標準化」でも「財務計画」「情報システム」で. GL. 型よりも有意に 低い結果となっている.. バル会議の利用」では 研究開発分野で LG 型よりも有. 「社会化」に 関しては, 「経営理俳の 共通性」も低. 意に低いという 結果であ る. 「日本本社での 研修」で. く,「現地化の表明」でも低く , なおかつ「経営理俳. は, 「人事管理」と「財務管理」の 分野で頻度が 高い.. の 浸透 度 」も低い. 「日本本社での 研修」も低く , 「人. 「人材交流」では ,「子会社+ 本社」の方向で ,各機能. 材交流」でも 総じて低い.ただし「国際的プロジェ. 分野および一般社員レベルで 多い ( しかし本社一子. クトチームの 活用」では「マーケティンバ. 会社間に限定せず , 「子会社間」をみると. LG 型より. もマーケティンバと 財務で有意に 低いものとなって い. 分野」. と. 「研究開発分野」で 高いという結果になっている. この MR. 型が用いる調整メカニズムは. ,「国際的プ.
(9) 50 (50). 横浜経営研究. 1 号 (1996). 第 ⅥⅡ. ロジェクトチームの 活用」で研究開発分野と 人事管理. 0 タイプに比べ 進んでいるのが 特徴であ る. 「国際自り. 分野で相対的に 高いだけであ り,他のメカニズムは 総. プロジェクト・チームの. じて低いのが 特徴であ る. G4 の各タイプは ,調整度. 会議の頻度」は 研究開発分野で 高いという結果であ. の高いグループを 抽出しているにもかかわらず ,一見. 六, @. すると調整度の 低いグループのように 見える. しかし 今回の調査は 本社一子会社間のダイアディッ. ク. な関係. に限定しており , その意味において 限界があ る,すな. わち,本社一子会社間の 調整というよりも ,その間に 介在する組織単位 (たとえば地域統括本社の 存在 ), 子会社間の水平白 9 調整の問題であ る. (4) ローカル・グローバル 型での調整メカニズム. っ. LG 型の調整メカニズムについて 総じていえば , 「集中化」は 低く , 「プロバラム 化」は中庸であ 「社会化」が 中. ・. り. 高 という結果であ る.. 3. G4 各タイプにおける 調整メカニズムの 類型間差 異 以上見てきた よう に, IJG. この LG 型は,資源分散度が高く国境を超えた 調整 度も高い G4 のうちでも, 「本社リーダーシップ. 利用」は低いが ,「バローバル. .. GL. .. MR. .. LG 型の調. 整メカニズムの 相対的特徴は ,図表9 で示されよ. う. .. (グ. 但し先に述べたように 機能間で大きな 相違があ るこ. ローバル政策の 本社主導的調整 度 ) 」が低いが, 「現地. とには留意すべきであ る. ここで示したのはそれら 機. 資源レベル」は 高いというタイプであ る.. 能別の特徴を. 「集中化」による 調整についてみると , 「資源集中. 化」に関しては ,分類そのものが「当該子会社の 経営 水準」によってなされているため ,経営資源に関して は, UG 型・ MR 型よりも当該子会社の 水準は高い. さらに, 「当該子会社への 依存度」に関しても「技術 研究」「製品開発」「工程分業」で 依存度が相対的に 高. い,「権限の集中化. (本社集権 化 ) 」に関しては. ,「情. よ. り明確にするための 一般的特徴であ る. とも い え る .. UG 型は,典型的に日本型多国籍企業モデルと 捉え られてきたパターンであ る.重要決定に関する集権 り 官. 性格,資源の本社への集中に 基づく パワ 一の行使,. ヒ. トの本社から 海外子会社への 一方向的フローとそれに 基づく. 「直接コントロール」の. 形態であ る, 海外子会. 報システム」で 集権 度が低く, また「財務的意思決 定」でも低い. このように, LG 型は,本社の海外 子 会社への依存度が 高く, また本社の集権 性が低く,パ. 社はその能力の 乏しさから本社に 頼らざるをえず , 本 社の手足となって 働くことがその 役割となり, Bartlett& Ghoshal のいう「実行者」 田 , Jarillo&Martinez モデルでの「受動的子会社」, 2)に該当する.その. ワーが海外子会社に 傾いており,本社主導的な 調整を. 際,調整メカニズムのうちのプロバラム. 行っていないケースであ. る. このような場合, この. 化の利用度が 低く,集中化 (資源と権 限 ) と派遣管理. 「集中化」以覚のどのような 調整メカニズムを 用いて. 者による直接コントロールを 選好していることを 今回. 調整度を高めるのかが 問題の焦点となるであ ろう. そ う. いう意味で,以下に 見る「プロバラム 化」と「社会. 化」による調整メカニズムに 焦点を当てる 必要性が高 いといえる.. まず「プロバラム 化」による調整に 関しては,文書 化の程度は相対自りに 高い (「製品開発計画」「技術開発 計画」) が,他方計画の標準化 / 共通化は相対的に 低 い (「生産・ロジスティクス」「技術研究計画」 ) という 結果になっている.つまり ,. プロバラム化においては. 公式化は高いが ,標準化は低いというものであ. り, そ. のことを考えると 国際自りなプロバラム 化はそれほど 高 いわけでないことになる.. 意差が見出された・. の調査は示している.本社が海外子会社に 依存する程 度が低 い ために,依存性は「子会社の 本社への依存」. という一方向 りになり,その比較的単純な 依存性を処 理するには「社会化」による 調整はコストがかかりす 自. ぎるため 選 好されず,「プロバラム 化」による調整も ,. 集権 化による調整で 十分対処できるために 選択されな い. このような調整メカニズムはいわば「ハイアラ. キ一酌」といえる. これに対し Crl,型は資源が海外子会社に 分散して おり,その意味で海外子会社の 能力が高く,本社が多 くの点で海外子会社に 依存するために 本社一子会社間 関係は, 相互依存 りな側面が強くなってくる. 特に 「技術研究」「製品開発」「工程分業」と 競争力のコア 白. 次に,「社会化」による 調整に関しては ,「重役クラ ス」での経営理俳の 浸透度は高く , MR. 化および社会. 型に対して有. 他方,子会社間での人材交流が他. となる部分での 子会社への依存性が 相対的に高い. 先 の Jarillo& Martinez にしたがえば , この子会社の. タ.
(10) 日本企業の多国籍化と 図表 10. 調整メカニズム. (51) 51. (茂垣 広恵 ). 4 類 間での特徴. GL 型. UG 型. 集中化 : 中和 権限 資源. 集中化 : 桶. 高 (3.63) : 低 (3.88) %". :. プ ロクラム化 : 高 公式化 計画化 標準化. 高 (3.89) 高 (3.89) : 商 (2,70). : :. 村会化 : 高 経営理俳 共通性. 浸透 度 人材交流. :. 高 (4.33). :高. (4.33) "3. 本社 づ 子会社 : 中 (3.17) 子会社 4 本社 : 高 (1,88) 子会社間異動 : 中 (1.26) 教育訓練 : 高 (2.78). LG 型. 集中 イヒ Ⅱ氏 (2.41) (3.82) プ ロクラム化 : 中 公式化 : 高 (3.98) 計画化 : 高 (3.98) 標準化 : 低 (2.02) 社会化 : 高 経営理俳 共通性 : 中 (3.83) 浸透 度 : 高 (4.33) 人材交流 本社 づ 子会社 : 中 (3.21) 子会社 づ 本社 : 中 (1.58) 子会社間男 劫 : 商 (1.42) 教育訓練 : 中 (2.48) 権限 資源. :低. :低. 権限 資源. :. 高 (3.90). (2.57). :蕎. プ ロクラム化 : 低 (3.26) (3.26) : 低 (2.23) 神会化 : 中 経営理俳 共通性 : 低 (2.92) 浸透 度 : 中 (3.82) 人材交流 公式化 計画化 標準化. :低 :低. 本社 づ 子会社 : 高 (3.45) 子会社づ本社 : 中 (1.45) 子会社間異動 : 低 (1.23) 教育訓練 : 中 (2.49). MR 型 集中化 : 申 権限 焚掠. (2.71). :低 :. 高 (2.70). プ ロクラム化 : 中 公式化 : 中 (3.67) 計画化 : 中 (3.67) 標準化化 : 低 (1.96). 社会化 : 低 経営理俳 共通性 浸透 度. :低 :低. (2.46). :低. ㏄.57). 人材交流 本社 づ 子会社 子会社 づ 本社. :低 :低. (2.85) (1,22). 子会社 問 異動 : 低 (1.08) : 中 (2.60). 教育訓練. 備考 ) Ⅹ¥. 図表中の高中低の 表記は,絶対値での評価ではなく ,類型間上ヒ 較での相対的評価で あ る.なお,( ) の数値は絶 体値 (項目によっては 合成の平均値 ) であ り, 絶体 値での比較ではそれを 参考にされたい・. 米2. また。 得点はいずれも 5 代尺度で「資源」を 除いては,各指標ともスコアが 高 いほ. どそのメカニズムを 用いてることを 示している・ 但し「資源」のみは。 分散化の 標であ り,得点が低いほど 本社に集中していることを 意味している・. ォき. Ⅹ3. 経常理俳の浸透 度は ,重役クラス ( 日本人を除く ) で測定したスコアを 基基 にして いる.. イ. ブ は「アクティブ 子会社」であ る.その場合,その 標準化を高めるとともに ,経営理俳の世界的共通性を. 相互依存性を 処理するためには ,集権化だけでは対処. 高め,子会社から本社への人材の 異動や本社での. できず,「プロバラム化」「社会化」という 調整メカニ. 育 ・訓練によってその 浸透を図っていく・この 経営 理. ズム を強化することによって 処理しようとする ,とい. 念の浸透は , い う までもなく長い 時間と投資を 必要と. ぅ. のが今回の調査の 発見事実であ る・計画の公式化,. 教. する.逆に言えば。そのような調整のコストを 必要と.
(11) 52 (52). 横浜経営研究. 第 1 号 (1996). 第 ⅥⅡ 巻. クトをもたらす 可能性が高いからであ る. コンフリク. トを回避するために ,共通の決定前提 (価値双提 ) の 共有化 (「社会ィヒ ), ルール,手続きの明確化 ( プロ. ,つ. するほど本社 一 海外子会社間関係は 資源分散とそれに 基づくパワー 均衡に よ り,本社主導の 調整がコンフリ. 4. 課題と展望 日本企業は, 1994 年の円の再高騰により 東南アジア,. を高めるにつれて 通好される一つの 発展形態であ るよ. とりわけ中国を 中心として生産拠点の 分散化を高度に 再展開し海外調達を 始め企業内覚の 国際的ネット ワークの構築を 整えつつあ る. このような海外への 拠 点の分散化は ,域内分業と調整および地域間調整とい. うに思われる.. うまさにグローバル 段階へと突入しつつあ る. このよ. もう一つの子会社能力の 高いケースが LG 型であ る しかしこのタイプは ,集中化 (権 限と資源集中による パワ 一の行使 ) による調整を 行っていないというパ. 社がその能力を 高めていくという 長期的パースペクテ. 」. グラム化 ) が 必要とされる , と 考えられる・ さらにこ のケースは,ユニバローバル 型での海外子会社が 能力. ターンであ る. その場合, 能力の高い当該子会社の リーダーシップに 基づく調整の 仕方が大きなテーマと. なる.すなわち ,子会社の能力が高く, しかも本社の 当該子会社への 依存度 (研究開発および 工程分業で の ) が相対的に高いために ,パワーが本社に集中して. いない. コンフリクトを 避けるために 本社が決定権 限 の 多くを現地に 委譲. し緩や ; 、 な 統合をめざすタイフ。. であ る.今回の調査では, 「プロバラム 化」による調. 整は,文書化の程度であ る公式化のレベルは 高いが, その世界的な 共通性であ る標準化は低い. しかも経営 理念も全く世界的に 共通というよりも ,現地修正的 (独自理念を認める ) 傾向が強く,本社での教育・ 訓 練 もそれほど多くない.. うな中で,海外への 経営資源の移転が 進み,海覚子会 ィブに立った 場合,すなわち,. 日本親会社は 海外手合. 社への依存度を 高め, しかも能力の 高い子会社が 存在 するようになった 場合,それらの海外子会社の 活動と の調整をどのように 行っていくのか ,. というのは興味. あ るイシュ一であ る, その意味で, われわれの分類で いえば GL 型および LG 型の調整メカニズムの 考察は 意味深いものといえる. その点に関して ,仝回の調査からいえることは ,子 会社の能力が 高まり,子会社への依存度が高くなるに つれて, より多くの調整メカニズムを 必要とするよう になるということであ る.経営理俳の浸透を始めとす る「社会化」による 調整,そして計画の文書化の 程度 を高める必要,性のあ ることを示している. そのような 社会化, プロバラム化をどのように 進めていくかが 今. このタイプでのバローバル 競争の優 立件 は , その当. 後の大きな課題となると 思われる.今回の 調査におけ. 該子会社の独自の 能力をいかに 高め, その成果をグ ローバルに活用するかにかかっている.独自能力を 高. る 将来についての 回答おいても , 「経営理俳の 世界共. ィ. めるためにその 自律性を認め ,分権的マネジメントが. 中心となる. したがって,独自能力の 開発がその子会 社の大きな役割であ る. プロバラム化,特にそのなか でも標準化は ,現地での創造性を阻害しがちであ り,. 通化」への方向性. (但し. 「世界共通だが 地域毎に修 正」 と回答している 企業が 44.9% と 1 番多い ), その 浸透も日本人以覚の「重役クラス」「ミドルクラス」 への浸透を示唆している. プロバラム化につても 同様 に ,「文書化の程度」「計画の. 共通化・標準化」を 将来. そのためにこのタイプにはあ まり適していない 調整メ. 的には高める 方向性を多くの 企業が回答している. そ. カニズムであ る. しかしその能力をグローバルに 活. の意味でも,今後このGL 型および LG 型の調整メカ. 用 するのがこのタイプの 持ち味であ る. そしてその能. ニズムについては ,. 力をグローバルに 利用する場合, 当該子会社がリー. 必要とされるだろう.. ダーとなり,積極的にグローバル な 責任を果たすかた ちとなっている (戦略リーダー グローバル・マン デート型子会社 ). そのために,人材の異動も当該 子 会社から他の 子会社へのフローが 相対的に多くなる. この ょ うな子会社主導の LG 型は, UG 型の「ハイア ラキー・タイプ」とは 逆の「 ヘ テラルキー」 13)的な 要素を相対自りに 多く有しているタイプであ るといえよ. 最後に,今回の調査に関していえば ,組織論の分野 で多くの調査がなされてきた 変数 (規模,設立年数 等 ) に関して類型間で 有意な関係を 見出すことはでき. ケースをも含めより 詳細な検討が. なかった. たとえば,規模と 集権 度および公式化との. 間 には影響が見出されなかったし また,現地子会社 の規模とその 子会社の資源レベルとの 間には,弱い相 関が認められろが ,回帰分析の結果は規模の 現地資源.
(12) 日本企業の多国籍化と 調整メカニズム への説明 力は 少なかった (ヂ 二 0 . 251).. この点につい. ほ 3) 53. @れ Af A ⅠⅠ。 Hn Ⅰぷピ r.g: Th Tr/りれ 5れ な zn 刀召 7 S0 ぴ fiれ, Harvard Business Schoo@ Press, 1989, pp. は. じざ. ては,現地資源レベル ヘ 影響を与える 要因を見出すこ. Ⅰ. Ⅰ. ⅠⅠ. 95-113.; J. Jarillo& J.Martinez, "Differenl Roles. とが必要と思われる.. さらに,今回の 調査では,環境 の複雑,性に関しては分析していない. Ghoshal & 1. 7@. ))@. Nohria は,環境の複雑性が本社一子会社間の 相互,依 8. 存 , l、生のレベルに 影響を与えることを 見出しているⅡ. われわれの調査では ,環境の複雑よりも ,本社と当該 海外子会社との 環境の類似性 / 差異性に焦点を 当てた. for Subsidiaries:The Case of Murtinalional Cor. poration in Spain" in Sf 用 teSic ManIage 仰 e ん よ 0 肝 ,,al,1990 , pp.501-512. を参照のこと・. 代表的なものとしては ,吉原英樹『現地人社長と 内なる国際化』東洋経済新報社, 1989. P,ahalad& Doz は,初期段階にある子会社は戦 略的資源にかかわる 本社への依存度が 高いため, ほとんどパワーを 行使することができないが ,経 験を つ み,成熟化してくるとその 資源の本社への. が,類型には多くの影響を 与えて い なかった, その意 味で,今後,環境の 複雑性がどのような 影響を調整. (茨垣忠志 ). メ. 依存度が低下し. カニズムに与えるのかを 検討する必要があ ろうⅡ. 本社による資源フロ 一の制御に. よ る子会社のコントロール 能力を低下することを. 指摘しその代替的コントロール 手段の開発を 主. リ"]7 玉. 張している. C. K. Prahalad &. l) M. E. Po,te,, "Competition in Glob.al Indust,ies: 12 3 1 l1 l. ローカル経営の 動向と課題」. 0. ・. ル匂 , zag ,, me 加 Re て, ieW, 田川 穏ぴ 1981,pp. 5-13. C. A. Ba ㎡ etl & S. Ghoshal (1989), 0p. cit.,pp. 9 ト 113. 機能別の詳細な 分析についても。 「バローカル 経. 営の動向と課題」 @ 掲 ) を参照されたい・ C. K. BartlettS. GhoshaI(1989), op.cit., pp. J. Jarillo & 501-512.. (研究代表者 : 諸 上-. 茂 登 明治大判,研究分担者 : 根本判明治大判, 坂本恒夫 瑚治 大学 ], 池田芳彦 [文京女子大学 ], 蔵 垣仁志 [横浜国立大学 ] 1992.4-1995.3). ヘ. J. Martinez (1990),. テラルキ一の 概念に関しては ,. cit., pp.. op,. G. Hedlund,. "Assumptions of Herarchy and Heterarchy. ;. Wth@Application@to@the@Management@of@Multina , ti n3@ Corporati n ,Ⅱ @@ S Ghosh3@ &@ D , E Westれ T ん eo てノ d 戸メ ん e ,M ぴと Ⅰ ney (eds.㍉ 0 Ⅰどこ れ izロ lfio. 4) この「国際経営モデル」における 類型化および 調 整 メカニズムの 構成概念の詳 f は ついては, 茨垣 広恵「バローバル 戦略と調整メカニ ズム」『横浜 経営研究』 Vnl 14 N0 4, pp,75-90 ; 諸 上皮 登 「バローバル 経営の類型化について」『明大商学論 叢 ] 第 6 巻第 1 号, 1994. を参照されたい・ 5) アンケート調査 票は ,全国8 市場上場の約 200CW社, 有力非上場企業 @ 本金 3000 万円以上 ) のうち売 上高規模が 500 億円以上の製造企業から 抽出した. "An. SZ0a れ. ど. 9. A Conceptual F,amewo,k," in M. E. Po,te, ed., Com タ 。fifio月肋 G /oも ん 几みM,tri,,, Ha,Va,d Business School P,ess, 1986, pp.l5-60 2) 根本孝・ 諸 上皮 登 編著「国際経営の 進化』学文社, 1988. 3) 明治大学社会科学研究所総合研究 : 課題名「 グ. Y.Doz,. AppFoach to Strategic Control in MNCs,". ・. ポ. ・. Ⅰ. こ. ・. ・. national@. ・. ,. St , Martin. , s@ Press ,. 1993 ,. 211-236, および G. Hedlund ・. ・. ゼ. 4. l. 663 社であ るが,分析単位を「事業」と 設定し, 国際業務をになっているだろうと 思われる部門を. ゼ. 5. l. コ. 諸資料によって 把握し その責任者の 個人名 (合 仕人名録を利用 ) 当てに 1075 通発送した. したが って調査対象は ,大規模製造企業の1075 事業部で あ る. 最終的に 178 社 191 票が回収された (回収率 17.8%). なお,調査方法,調査結果の 詳細につ いては, 「バローカル 経営の動向と 課題」『明治大 学社会科学研究所 年到 (近刊 ) を参照のこと. 6) たとえば, C. A. BartleIl& S. Ghoshal, Manra ど. Corporation. & D. Rolander, "Action@ in@ Heterarchies:@New@ Approaches@ to Managing@the@MNC , "@In@C A , Bartlett , Y Doz , & G. Hedlund (eds.), M 口れ ag ㎞g, fh G loゐ ㎡ Ff Ⅰ用 , Roulledge,pp. l5-46. を 参且は S . Ghoshal@ &@ N . Nohria , "Internal@ Dfferentiation@ within@ Multinational@ Corporations , "@ in S Ⅰ用Ⅰ まだ八ヰり れはど 6% とれとノ f@ぴ れば J, Vol. 10. N0. 4,. pp.. Ⅰ. 1989. pp.. 323-337. 今回の調査結果について 1995 年 5 月に多国籍企業 研究会・東部部会にて 報告する機会を い ただ い た. その際。 Ⅱ、林 規威先生,江口雄次郎先生,竹田志 郎先生より貴重なコメント 及び今後の研究につい てご教示 い ただ い た.記してここに 感謝いたしま ュ. [ もが. き. ひろし. 横浜国立大学経営学部助教授 ].
(13)
関連したドキュメント
海外旅行事業につきましては、各国に発出していた感染症危険情報レベルの引き下げが行われ、日本における
事 業 名 所 管 事 業 概 要 日本文化交流事業 総務課 ※内容は「国際化担当の事業実績」参照
(4) 「舶用品に関する海外調査」では、オランダ及びギリシャにおける救命艇の整備の現状に ついて、IMBVbv 社(ロッテルダム)、Benemar 社(アテネ)、Safety
本事業は、内航海運業界にとって今後の大きな課題となる地球温暖化対策としての省エ
本報告書は、日本財団の 2016
本報告書は、日本財団の 2015
シンガポール 企業 とは、シンガポールに登記された 企業 であって 50% 以上の 株 をシンガポール国 民 または他のシンガポール 企業
このほか「同一法人やグループ企業など資本関係のある事業者」は 24.1%、 「業務等で付 き合いのある事業者」は