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海洋スポーツ・レクレーション活動の海洋教育としての可能性 : 活動参加による海洋認識の深まり

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Academic year: 2021

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(1)海洋スポーツ・レクリエーション活動の海洋教育としての可能性       一活動参加による海洋認識の深まり一                             兵庫教育大学大学院 学校教育研究科                                生活・健康・総合内容系コース                                M09222F 小野 昌ニ.    キーワード:海洋スポーツ・レクリエーション、海洋教育、海洋認識、経験量 I.背景と目的                   I.結果及び考察  我が国は周囲を海洋に囲まれ、その恵みを受けてき  (1)海洋教育と海洋スポ」ツ・レクリエーションに関 た。また、諸外国との交流や文化流入においても海洋  する概念的・理念的検討 の果たしてきた役割は大きい。2007年には海洋基本法   海洋教育と海洋スポーツ・レクリエーションの関わ が制定され、これからの海洋の活用や人材の育成など、  りについて考えるために、海洋教育の概念の整理、近. 海洋と人類の共生に貢献するための取り組みが定めら  年の海洋教育の動向についてまとめをするとともに、 れた。海洋政策研究財団の提言によると海洋教育はr海  海洋スポーツ・レクリエーションの特性についてまと に親しみ、海を知る学習を推進することを通して(中  め、海洋教育に対する貢献の可能性について考察した。 略)人材の育成を目指す。」教育と考えられており、そ   海洋教育は専門的な職業教育を中心として高等学校. の中においては様々な体験活動、海洋スポーツ・レク  や大学教育を通じて実施されてきており、一般的にも リエーション活動等、楽しみの体験や海と触れ合う自  水産、海運、海洋科学といった内容がイメージされて 然体験の要素が大切になってくると考えられる。    いる。しかしながら、そこには専門教育、普通教育の  水辺活動や海洋スポーツ・レクリエーション活動は  領域があると考えられ、それぞれの領域において今後 野外活動、自然体験活動として、それぞれの目的にあ  の推進が必要である。. わせて利用されてきており、その実践や安全、水辺活   また、海洋スポーツ・レクリエーションはこれまで 動に期待される教育効果についての研究も進められて  にも野外教育や校外学習の一環として活用されてきて いる。しかしながら海の活動が果たす効果や活動によ  おり、活動を通して自分や他人を理解し、自然に現し る海の理解に関しての研究は十分であるとはいえない。 み、野外で安全に健康的に生活することについて学ぶ また、海洋教育との関わりの中で海洋スポーツ・レク  ことを目的としている。また体験活動という意味にお リ千一ションの果たす役割や効果についても明らかに  いて、教室における学習だけでは感じられない学びを されているとは言えない。              自然体験、社会体験、文化体験を通じて豊かに育んで  そこで、本研究では海洋スポーツ・レクリエーショ  ゆくことができることも大切な部分であるとされてい ンの経験が「海に親しむ」、「海を知る」、ということに  た。. どのように影響していくかを調べるために、海洋認識   海洋スポーツ・レクリエーションの体験活動を通じ について着目し、因≠の抽出と、その深まりにっいて  た望ましい体験が海洋の理解を進め、普通教育の領域 明らかにすることを目的とした。このことにより、海  についても理解を深め、さらに専門領域に認識の深い 洋スポーツ・レクリェーションが海洋教育に果たす役  人材の育成に繋がっていくと考えられた。. 割について考察を試みるものである。        (2)活動参加と海洋認識についての実証的検討. 一398一.

(2)  海洋スポーツ・レクリエーション活動による海の認. していることなどから、一定の信頼性と妥当性がある. 識について明らかにしていくため、活動経験者の海洋. と考えられた。海洋認識においてはこの3因子のかか. 認識について実証的な検証を行った。自然認識の構造. わりが大きく、自然認識の深まりの過程と同様の構造. は松永(1995)らの研究において、「一般的認識(認知. モデルをあてはめて考えることが可能である。. レベル)」、「気づき(体感レベル)」、「知る(」体感レ.  得られた因子得点により、大学における経験量と各. ベル)」としてその深まりの構造が明らかにされており、. 因子得点の関係を見たところ、経験量の多いものにお. 本研究においてはこの理論モデルを参考にし、海洋認. いて3因子の因子得点が有意に高いことが明らかとな. 識をとらえ、その深まりのモデルとした。. った。また、小・中・高における経験量と因子得点の 関係について同様にみたところ、経験量の多いものに. 〈実証的研究の調査概要と分析〉 1)予備調査:質問紙調査(その場で記入後回収). 因子得点の高い傾向がみられた。小・中・高での経験. 調査期間:2011年8月∼9月. の少ないものの中で大学での経験の多いものについて. 対象:海洋スポーツ・レクリエーション活動経験のあ. みたところ、3因子全てにおいて有意に因子得点が高. る大学生(本調査も同様). かった。経験日数と因子得点の関係から、それぞれの. 調査項目:①個人属性②現在のボランティア活動③海. 年代においての経験量が海洋認識の深まりに関わるこ. 洋:野外に関する経験と内容④海に関する自然物、自. と、すなわち、経験の度合いによって、海洋認識が深. 然現象、環境、その他について気付いたこと学んだこ. まっていくことが考えられた。. との記述。回答数:33名、自由記述:115件.  さらに、種目経験の有無と3因子得点について見た. 2)本調査:質問紙調査(郵送、留置法). ところ、「一般的認知」因子において、ヨット、カヌー・. 調査期間:2011年9月∼10月. ボート、カッター、素潜り・ジュノーケリングにおい. 調査項目:①個人属性②過去の海洋活動・種目③大学. て経験者の得点が有意に高かった。また、水族館・海. での海洋活動・種目④海洋認識に関する質問. 洋博物館の経験者においては3因子ともに経験のある. 回答数:221名 配布教450部、回収率:49.1%. ものの得点が高くなっており、有意な差が見られた。. 3)分析. このことからも、一般的認知は経験量によらず経験の.  本調査のデータはエクセル統計2008によって統計. 有無に影響を受けるのではないかと考えられた。. 処理を実施し、主因子法による因子分析、個人属性(性. 皿.まとめ. 別・経験量・リーダー経験・種目体験の有無)などに.  海洋スポーツ・レクリエーションは「海に親しむ」. 活動であり、そのことによって「海を知る」ことが推. よる2群の差の検定によって分析を行った。. 進される。つまり、それらは海洋教育の貴重な場であ. 〈結果と考察〉.  有効回答は221件、男性84名38%、女性137名62%. るという視点から活動を捉えるとともに、海洋教育に. であった。海洋認識に対する活動参加者の評価次元を. 積極的に貢献するような具体的展開を作り出していく. 知るため、質問紙によって得られた回答に因子分析を. べきである。. 実施した結果、解釈可能性から3つの因子が抽出され、. 第1因子r気づき」、第2因子r一体化」、第3因子「一.  今後は、海洋認識に影響を及ぼす活動の中身(質: 活動の意図、方法、場所、施設柾ど)について、具体. 般的認知」と命名した。さらにα係数の算出により各. ・的に検討していくことが望まれる。. 因子の内的一貫性が確保されていること、本研究にお.             主任指導教員 永木」耕介. いて参考とした松永の自然認識レベルの構造とも一致.             指導教員   森田 啓之. 一399一.

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