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生活習慣病予防に資する栄養疫学研究を目指して

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Academic year: 2021

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生活習慣病予防に資する栄養疫学研究を目指して

群馬大学大学院保健学研究科看護学講座 大 庭 志 野  栄養疫学の手法を用い,食習慣が疾病のリスクに及ぼす 影響について,科学的な根拠の提示を目的とした研究を行 う.一般住民を対象として追跡したコホート集団から得ら れたデータを検討する.栄養疫学研究では,妥当性と信頼 性の確認された食物頻度調査法を用いる.また,統計解析 手法の検討は最重要である.例えば栄養素の多くは歪んだ 分布を取り,対数変換を行う.また,食事摂取量は多様で あるため,各栄養素の摂取量は残差法等を用いてカロリー 摂取量の調整を行う.観察研究では不可避である交絡因子 の調整も重要である.  これまでに地域在住の成人男女を対象とした肉類,脂肪, コーヒー摂取が大腸がんのリスクに及ぼす影響について報 告した.この研究では食生活の欧米化が疾病に及ぼす影響 が示唆された.その後,コーヒー摂取が糖尿病のリスクに 及ぼす影響について報告した.このような個別の食品や栄 養素の疾病リスクへの影響を検討する事とは別に,食習慣 全体を統合した指標に着目した研究を行った.食事バラン スガイドに基づいた食生活と原因別死亡のリスクについて 検討した.全国11保健所における住民コホートにおいては, 食事全体の血糖値上昇能の指標であるDietaryグリセミッ クインデックス(GI)とグリセミックロード(GL)を推 定し,これらが糖尿病の発症リスクに与える影響を検討し た.また,保健センターを拠点とした比較的小規模な介入 研究にも参画し,野菜摂取が尿中メラトニン量に及ぼす影 響を検討した.  このような栄養疫学研究のエビデンスが,がん,循環器 疾患,糖尿病等の生活習慣病の予防に役立ち,または罹患 に係る機序の一提言として活用される事を願っている.専 門家のみならず,疫学研究の知見が広く一般の方に有効に 普及し,好ましい行動変容の動機付けとなる事を目標に知 識と行動の研究を始めた.

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