ソーラーエネルギーベンチの評価
吉川 隆
*Estimation of Solar Energy Bench
Takashi Yoshikawa
Solar Energy Bench is the novel concept for the use of solar energy effectively. In nowadays, solar power generation using short wavelength optical power is so popular. Definitely the electrical energy we can obtain from solar optical power by solar cell is very large comparing to the one we can obtain from the heat energy by Peltier element. But the solar cell has some problems to continue to obtain constant energy. Because the solar cell can’t generate much energy under such conditions as cloudy, existence of shadow area in the solar cell and high temperature condition. Then we propose to examine the ability of utilizing the heat energy from solar power. In this paper we express the initial consideration of using heat energy from solar power. At first we have made the solar cooker to gather the optical lay around the center area and estimated the total heat energy on the large heat capacity object. And we have put the heater surface of Peltier element on the large heat capacity object and opposite side is put by heat sink with high heat conductivity joint grease. We have measure the generated power from Peltier element. During 40 minus examination we can get the power more than 1mW. Although this was first trial so heat concentrating area was not so large for generating much power, we can concluded the heat power generation from solar energy is so useful way for stable power generation.
Keyword Solar, Energy Bench, Peltier, Solar Cooking, Energy Harvesting, Sensor network
1. 緒論
現在の日本では地球温暖化などの環境問題から節電に 向けた動きがあり、その節電効果が見込まれているものの
一つにHEMS(Home Energy Management System)と
いうものがある。これは家庭内を各家電の稼働状況や消費 電力を計測するスマートメーターや家電などのハブとな って家庭内をネットワーク化、通信・制御する機器であり 10~20[%] ほどの節電効果が見込まれている。このHEM Sには日本国としても注目しており経済産業省から発表 された目標では2030 年までに全家庭(5000 万世帯)にH EMSを普及させるとしている[1]。 HEMS のカテゴリーに於いて安心・安全・快適を提供す る HEMS のカテゴリーは4以上のカテゴリーと定義して おり、その際の平均消費電力は 20μW 程度であることを 確認している[2]。 我々はこれまで室内に於いてこの平均エネルギーを獲 得するための有効なギーハーベスティングに関して研究 を行ってきた[3]。今回これを屋外に発展させるべく検討 を行った。屋外において最も一般的に用いられる自然エネ ルギー発電としては太陽光発電があげられる。太陽光発電 はフラットパネルを設置するだけで電力が得られる便利 な発電方式であるが幾つかの問題点もあげられている。 その問題点は以下の通りである。 (1) 無機質な四角形の配列で景観を損ねる。 (2) 自然破壊など生態系に影響を与えている。 (3) 土地が育たない (4) 20 年の寿命を終えたパネルが大量廃棄されてお り、リサイクルにもコストがかかる。 (5) CdTe や Pb などの有毒物質を含むものもある。 そういった問題点があるものの現状新エネルギーの柱と 考えられているのが現状である。そこで、我々は太陽の持 つ光エネルギーではなく、長波長領域である熱エネルギー の利用に着目した。熱エネルギーは電気エネルギーに変換 する際に低温域では熱電素子を用いた発電を行うことに なるが、光発電に比べて発電効率が低いことが分っている。 ここで我々は、メガソーラーに代表されるような大電力で はなく、先に述べたセンサネットワークの情報端末を稼働 せるためのサブmW クラスの発電を目指すこのとする[4]。 センサネットワーク稼働に必要となる電力を誰でも手軽 * 近畿大学工業高等専門学校 総合システム工学科 電気電子コース
に太陽熱エネルギーで収集できる「ソーラーエネルギーベ ンチ」というものを定義し、このソーラーエネルギーベン チの開発に着手した。実施するに当たりベンチの1辺が1 [m]以下の小型であること、生活環境に溶け込んだ形で発 電が可能となるものというコンセプトを掲げている。具体 的には庭や屋根上、公園等の屋外に設置する事を想定して いる。
2. ソーラークッカー
ソーラー熱エネルギーを利用するに当たり、一定の領域 に熱を集める事に特化したツールとしてソーラークッカ ーが開発されている。ソーラークッカーは太陽熱を集めて それを貯めてその熱を利用して調理を行うものであるが、 ソーラーエネルギーベンチの集熱機構としてこのソーラ ークッカーの原理を導入した。ソーラークッカーには大き く分けて2 つの方式がある。一つはパラボラ型ソーラーク ッカーであり、一点(ある程度狭い領域)に熱を集中させ る事に特徴がある。もう一つはボックス型であり、ある程 度広い領域に熱を貯める点に特徴がある。我々はこの2つ のソーラークッカーを試作した。 (1) パラボラ型ソーラークッカー パラボラ型ソーラークッカーは図1に示すように断面が 放物線の状の面から光が反射され一点に集光するもので あり高温化が期待できる。 図1 パラボラ型ソーラークッカー 放物線の式を(1)とすると、放物線の底点から焦点まで の長さは式(2)の様に表される。𝑦𝑦 𝑦 𝑦𝑦𝑦
� (1)𝑓𝑓 𝑦
�a� (2) 放物線の構造物を作るのが難しいため、傘を用いてソー ラークッカーを製作した。傘の内側にその曲面に沿ってア ルミを貼り付け、反射体とした。次に貼り付けたアルミに 対して放物線の中心軸方向に水平にレーザーポインター を用いて光をあてた。その結果、各点からの光はほぼ同一 の点に集まることが確認できた(図2)。 図2 レーザーポインターによる集光実験の様子 計算で求めた焦点fは21 ㎝であったのに対し、集光点 は15 ㎝程度となった。当初の計算時は a=1.2[cm-1]と見積 もっていたのに対し、計測ではa=1.5[cm-1]となっていたこ とに相当する(図3)。 図3 焦点から求めた放物形状の比較 傘自体が完全な放物線ではないことと、傘に貼り付けた アルミシートが奇麗な局面ではないことから、最初に見積 もった放物形状とは異なった結果となった。 (2) ボックス型ソーラークッカー ボックス型ソーラークッカーは図4に示すように文字通 り底部の箱に光が集まり温度が高くなる構造となってい る。この場合はパラボラ型に対して最高温度は低くなるも のの広い領域に於いて一様な熱を集められることからソ ーラークッカー本来の調理用途として使いやすい。 Y=ax2 焦点f x y 0図4 ボックス型ソーラークッカー ソーラークッカーの目的は光を集める事なので、受光部 に対して集光部をどれだけにするかという事が設計の要 点となる。それを考えるうえで図5の様にパラメータを与 えて受光部長/集光部長に対して頂角がどうなるかを計 算した。 図5 ボックス型ソーラークッカーの検討図 (3) (4) (5) 頂角は(5)式右辺で表される値より小さい角度としなけ れば端部入射した直進光が受光部にはいらなくなってし まう。(5)式の計算結果を図6 に示す。今回の試作では 集光比を0.5 中心角を 60°付近となるよう設計した。 図6 集光比と中心角2θの関係 また、今回は4 枚のパネルを貼り合わせて受光部を製作す るため、パネルの頂角αに関する関係式を以下の様に導出 する(図7)。 図7 受光部パネルの頂角 ボックス型ソーラークッカーもパラボラ型ソーラークッ カー同様、レーザーポインターを用いて集光実験を行った。 図8 ボックス型ソーラークッカー集光実験 ほぼ、中心底部光が集まることを確認した。 以上の設計を行い、それぞれのソーラークッカーを製作し た。完成写真を図9に示す。 このあたりに集光・集熱する
集光
D
θ
θ
(
L-
D)/2
X
受光
L
θ
2θ
tan 𝜃𝜃 ≤ �
3�𝐷𝐷 𝐿𝐿
� � − 1
1 + �𝐷𝐷 𝐿𝐿
� �
図9 パラボラ型ソーラークッカー(直径84cm):(左) ボックス型ソーラークッカー(受光面38 ㎝角)(右)
3. 集熱実験
発電時間を長くするためには熱容量の大きい物質に蓄 熱することが有効であるので、水に熱を貯める方式とした。 あまり大きな熱容量とすると水の温度が十分に上がりき らないため熱電素子の大きさより少し大きめの水熱貯め を想定して実験を進めた。 水熱貯めに対する熱の収支を等価で表すと図10、図1 1の様に表される。 図10 水熱貯め近傍の等価回路 図11 最高温度を導出するための等価回路 太陽から降り注ぐエネルギーは1[W/m2]と言われて おり、その中の数%~十数%は熱エネルギーとして降り注 がれるエネルギーと考えられる。こういったエネルギーは 熱源として熱流束を降り注がれており、電気的等価回路に 於いては電流源として考える事ができる。一般的に太陽エ ネルギーからの熱流束を規定する高い内部インピーダン スRbがあり、それに水熱貯め近傍の熱抵抗Rtが存在する。 また水熱貯めは熱容量Cで表すことができ、比熱と質量の 積で表すことができる。この様子を表したのが図10 であ り、太陽熱がない夜間ではCRの放電(熱)状態となる。 図10 は熱流束を基準に考えるので分かり易い低電源回路 に置き換えると図11 の様に表される。また、図 11 で表し た際の水熱貯めの温度変化は式(6)の様に表される。 定電圧電源の電圧値はRb//Rt に比例しており、同時に昇温、 降温時における時定数も Rb//Rt に比例して大きくなるこ とがわかる。 今、Rb//Rt において Rb が定常的に決まるものとして、Rt と同等もしくはそれよりも大きいものとすると、水熱貯め を風に晒した状態で放熱している状況では熱抵抗 Rt は非 常に小さいため、温度も上がらず、熱せられやすく冷めや すい特性となり、発電には望ましくない。そこで、Rb//Rt (≒Rt)を大きくすることと、熱を集めて熱流束を増やす 事が要点となる。 そこで、先ずは33cc の醤油さしを水熱貯めとして用い、 ソーラークッカーの(熱抵抗の)中に放置した際の、温度 変化を測定し飽和温度と時定数について調べてみる事と した。また位置による依存性を調べてみるために難点かに 醤油さしを設置して同時観測を行った。 パラボラ型ソーラークッカーの集熱特性の測定系及び測 定結果を図12及び図13に示す。 図12 パラボラ型ソーラークッカー集熱特性測定系ΔT=
φ
・
(Rb//Rt)(1-exp(-
t
/C・(Rb//Rt))
(6)図12にて対策①は方向を太陽光に追従させたこと、対策 ②にてアルミシートの変更などを行った。 図13 パラボラ型ソーラークッカーの集熱特性 集熱実験でも集光実験同様頂点から15 ㎝の所に最も蓄熱 され、その時の飽和温度は100 度付近であることが分かっ た。 次にボックス型ソーラークッカーの集熱特性の測定系 及び測定結果を図12及び図13に示す。 図14 ボックス型ソーラークッカー集熱特性測定系 図15 ボックス型ソーラークッカーの集熱特性 ボックス型ソーラークッカーでは B 地点の温度が最も 上昇し、その時の飽和温度は80℃近傍であった。測定時刻 が少し遅かった影響もあり、焦点は真ん中というわけには ゆかなかったが底面全体に温度の上昇が見られている。 また、最高温度はパラボラ型に比べ約 20℃程低い値とな った。飽和点に達するまでの時間は 35 分程度と時定数が ほぼ等しいことから熱抵抗に大きな差異はなく、熱収束効 果がパラボラ型では高かった結果と言える。
4. 発電実験
(1) 発電予備実験 それぞれのソーラークッカーにて発電実験を行う前に 予め温調器を用いてそれぞれの温度差を与えた際の発電 量を測定した。測定系を図16 に示す。 図16 発電実験測定系 温調器にて温調台の上に熱電素子を置き、熱電素子のも う一方にヒートシンクを取り付けた状態で温調台の温度 を徐々に上げて熱電素子両面の温度差を与える。その際の 発電量をマルチメータにて測定する。 図17 温調器を用いた発電特性 1 10 100 1000 10000 1 10 100 発電電力 P [μW ] 温度差ΔT[℃]ここで、電力は開放端電圧値と短絡電流値を測定し、 1/4倍したものを最大電力値としている。図17が示 す通り温度差30℃程度を与えることで2mW 程度の出 力を得る事ができた。 次に、本データの妥当性について検証を行う。熱電素子 のモジュール変換効率ηはZT の関数として以下の式 (7)によって示される。 (7) ここでTHは高温温度、TLは低温温度、Z はゼーベック係 数、T は絶対温度である。ZT を変えて室温を 30℃とした 時の熱電変換効率を式(7)より計算した結果を図18に 示す。 図18 ZT による熱電変換効率 本素子はBi2Te3であり、おおよそのZT は 100℃付近に おいて0.5 程度であるので、図18の赤色プロットの特性 を示すと考えられる。 次に温度差ΔT を熱電素子の両端に加えた時に熱電素 子に与えられる電力の 1/4(取り出せるパワーを基準に考 えて)を熱伝導率λ[kcal/mh℃]を用いて計算した。図1 9に計算モデル、(8)式に算出式を示す。 図19 供給パワー計算モデル
𝑃𝑃[W] = 1.163∆𝑇𝑇・𝐴𝐴・(
λb)
1 4 (8) ここで、A は断面積、bは厚さ、ΔT は温度差である。 λ=0.5[kcal/mh℃]として(8)式を計算すると、180 ΔT [mW]の電力が供給されていることになる。図18にお いてZT=0.5 として効率を 3e-4ΔT と読み取り、56ΔT 2[μ W]として発生電力を計算する。この理論値と発電予備実 験にて得られた実測結果を併せて図20に示す。 図20 熱電素子の発電実験計算値及び実測値 計算値は実測値に対してかなり高めの値となっている。 これは熱電素子の比熱が比較的大きいため,十分な断熱が 行われておらず,冷却面に熱が伝わっているため実際は外 気温よりも高めの温度となっており、十分な温度差が得ら れていないことが原因である。尚、発電電力は発電効率と 入力電力の積であり、それぞれΔT に比例しているため、 結果的にΔT の2条に比例した特性となっている。 (2)ソーラークッカーを用いた発電実験 予備実験の結果より 30℃程度の温度差を熱電素子両端 に与える事で、2mW 程度の発電が可能であることが判っ た。次にソーラークッカーにて発電実験を行った。 図21にパラボラ型ソーラークッカーの測定構成を示す。 図21 パラボラ型ソーラークッカー発電実験系 焦点付近に水を貯めたスチール容器(寸法:直径12 セ ンチ、容量:200ml)を固定して容器内の水を温め、樹 熱棒を介して上板に熱を伝え、上板にシリコングリース 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0 50 100 150 効率η 温度T「℃) @室温30℃ZT=1
ZT=0.3
ZT=0.5
ZT=0.7
で密着させた熱電素子に熱を伝える。熱電素子の反対面 には放熱のためのヒートシンクを取り付ける。ヒートシ ンク側面が直接光で温められるのを防ぐため、ヒートシ ンク直上に遮光板を取り付けた。 図22 パラボラ型発電の実験風景 次にボックス型ソーラークッカーの測定構成を図23 示す。(反射板を除くボックス内部についてのみを記載し ている。) 図23 ボックス型ソーラークッカーの発電実験系 ボックス内にスチール容器(寸法:直径12 センチ、容 量:200ml)を備えつけ、反射板で反射された光が容器 の上蓋に集光され受熱棒を温める。受熱棒を介して容器 内の水が温められ鍋底が温められる。ボックスクス底面 は熱電素子大の穴を開けてあり、鍋底と熱電素子は熱電 シリコングリースを介して直接接する様になっている。 熱電素子のもう一方の面には放熱用のヒートシンクを取 り付ける。ヒートシンク周辺の空気が滞留することのな いようボックスの底面は底上げを行って空気が対流する 構造となっている(図24)。 図24 ボックス型ソーラークッカーの構造 それぞれのソーラークッカーを用いて快晴の午後に40 分 間発電実験を行った。発電量は単位受光面積で規格化した 値としている。結果を図25に示す。 図25 ソーラークッカーを用いた発電実験 何れの方式も時間の経過と共に水の温度が上昇し、発電電 力が増していうことがわかる。ボックス型は電力が増加し 続けているのに対し、パラボラ型では増減が見られた。こ れはパラボラ型では容器が風の影響を受けやすく、急速に 暖められた水が風の影響で水温低下をおこした影響であ ると考えられる。それに対して、ボックス型では風の影響 をあまり受けないボックス底面に空気が滞留することで 水温低下することなく、発電量が増え続けている。何れの 方式に於いても、40 分経過後の温水状態では、単位面積あ たり1~1.5W 程度の発電が可能であることが確認でき た。 実際に得られた発電量は最大発電点で、パラボラ型が 0.67mW であり、ボックス型は 0.22mW であり、それぞれ 熱電素子の両端の有効な温度差が8℃から15℃程度で あると推測される。最初に行った醤油さしの集熱実験では 30分程度で30℃以上の温度差が得られていたことか らすると、得られた温度差は小さい結果となった。ソーラ ークッカーを用いた実験では醤油さしを用いた集熱実験 に対して熱容量が約6 倍程度きく、放熱面積が増えたこと から熱抵抗は62/3程度小さくなっている。熱容量と熱抵抗
の積で決まる時定数はやや大きくなっていると思われる。 他方、熱抵抗が下がった分最大温度が下がり低くなるため 発電量に大きな差はない。熱容量を小さく出来る構造物が 準備できれば、保温機構を備え熱抵抗を増し、最大発電量 を増やす事も可能となるであろう。
5. まとめ
ソーラー熱発電によるエネルギー活用を考える上で、ソ ーラークッカーを用いた蓄熱と熱電素子を用いた温度差 発電を適用する試みを行った。パラボラ型、ボックス型の ソーラークッカーを用いてより集光、集熱が可能な構造を 検討し、集光集熱ポイントを測定した。次に水を入れた小 型容器を用いた集熱特性を測定し、到達温度の見積もりを 行った。 次にソーラークッカーを用いた発電実験を行うに際し、 温調器を用いて熱電素子が温度差に応じてどれ位発電で きるかの基礎実験を行い、その妥当性についても検証した。 予備実験の結果を踏まえて、実際、ソーラークッカーに熱 電素子を取り付け、太陽光による発電実験を行った。その 結果ソーラークッカーの受光面積を1m2とした際の発電 量はパラボラ型では最大1.2mW、ボックス型では 1.5mW であるとの結果を得た。両社の最大発電量においては大き な差異はなかったが、パラボラ型ソーラークッカーでは集 光・集熱効果があるため温められやすいものの、風の影響 を受け易い構造となっているため、発電量が時間に対して 単調増加の特性とはならず、増減が認められた。 1mW の発電量は例えば 1 日で 6 時間発電できるとする と6mWHであり、コンデンサに蓄電して用いた場合蓄電 効率を70%とすると[4]、24 時間平均で考えて 125μW の 発電量が得られる事になる。これは HEMS において小型 無線端末を10 分間隔のデータ更新にて稼働するパワーに 匹敵している[2]。この結果は十分に HEMS として利用可 能な値であると考えられる[私の何か]。更に屋外設置を 想定した場合、このエネルギーをのみで小型無線端末及び ルーターを稼働させた場合、ルーター数5、それぞれのエ ンドノードを6とする規模の無線ネットワークを構成す ることが可能であると見積もられる[5]。これらの小規模 ネットワークは屋根上の気象観測網や、公園や庭の情報伝 達網を構成するアプリケーションとして活用できると考 えられる。 他方今回の研究を通して蓄熱部及び集熱部に関して以下 に示す改善の余地があり更なる改良により大電力化が可 能と考えられる。 ・受熱棒からの熱伝達率が不十分のため十分熱電素子に 熱が伝わらなかった。(水の封止が不十分) ・太陽光の向きに合わせた追従機構を設ける事が必要特 にパラボラ型では焦点の位置がずれ影響大 ・風の影響を多分に受ける。蓄熱側は冷却され、放熱側は 熱拡散が起きる。放熱側はプラスに働くが、蓄熱側には 保温機構が必要である。 ・ボックス型では大面積で蓄熱するので熱電素子を増や す事で大電力化が見込める(遮温効果もある)。 ・蓄熱部の熱容量と放熱部の熱抵抗のトレードオフを行 い時定数と、発熱量(放熱)を実モデルで調整する。 謝辞 本研究を実施するにあたり、製作、実験、その他の協力 を賜った植田 裕樹氏、久保 武己氏、竹内 大喜氏、前川 涼介氏、安場 悠斗氏、柳瀬 楓也氏、右松 亨先生に感謝し ます。参考文献
[1] 経済産業省 エネルギー対策特別会計商務情報政策局 (2018 年 8 月 21 日閲覧) http://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2015/pr/p df/ene_syoujyou_01.pdf [2] Takashi Yoshikawa, "Many Kinds of Energy Source in Our Surroundings at Home", Springer Proceedings in Energy on ENEFM 2014, PP,307-312, 2015.[2] 吉川 隆,”エネルギーハーベスティングを用いたセン
サネットワークHEMS”,近畿大学工業高等専門学校
紀要 第5 号,PP.33-39,2012.
[3] Takashi Yoshikawa, "Many Kinds of Energy Source in Our Surroundings at Home", Springer Proceedings in Energy on ENEFM 2014, PP,307-312, 2015.
[4] 吉川 隆,中村 一穂,ハーベスティングノードにお
けるRDAルーティング”,2016 年 3 月,近畿大学工