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PDF版のはこちら 事例紹介・インタビュー : 株式会社富士ゼロックス総合教育研究所 case ffp salesforce

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事例紹介 富士フイルムファーマ株式会社

当たり前を見つめ直すことから

生まれた成功モデル

来るべき新製品に向け未来への基盤を作り上げる

富士フイルムファーマが立ち上がった当初、営 業の仕組みと言えるものはほとんどありませ ん で し た。 数 十 社 か ら 集 ま っ たMR(Medical Representative:医療情報担当者)は、それぞ れ経験してきた環境や仕事のやり方が異なるた め、各人が「普通」や「当たり前」と考える内容が そもそも違いました。まったくのゼロからのス タートだったといえます。

 当初はジェネリック医薬品(後発品)の販売を 行っていましたが、2012年に大手製薬会社から 先発薬の販売を引き継ぎました。当社のMR数 は圧倒的に少なく、恥ずかしながらシェアを増 やすどころかじわじわと下がっていく状況で、 対策を講じようにも問題・課題が山積みでした。 そんな状況を打開するため富士ゼロックス総合 教育研究所の徳久さん(当時、富士フイルムホー ルディングスに出向中)にお願いし、営業変革の プロジェクトが始まりました。

大手製薬会社から先発薬を引き継いだ約半年後 の2013年から営業変革のプロジェクトが始ま りました。プロジェクト開始当初は、営業の仕 組みややり方を変えることに抵抗感が強かっ たことを覚えています。各MRは、出身会社の 仕事のやり方をそのまま続けていたため営業の

やり方や用語もばらばらで、MR活動の共有化 や施策の検討を行うチーム会議もあまり行われ ていませんでした。MRごとの業績の差異も少 なく戦略のもととなる成功パターンも見出せな かったため、まずはターゲティング~計画立案

~実行・支援~振り返りといった営業としての基 本的な仕事の進め方(PDCA)を標準化し、4~ 5名のチーム内で活動を検討、共有化するとい うことから始めました。プロジェクト名はA:あ たりまえのことを B:バカみたいに C:ちゃん とやるの頭文字をとって“ABC大作戦”に決まり ました。

MRは単に薬を販売するだけではありません。 ドクターとその先の患者様のメリットに繋がる 情報の提供、収集をする上で、信頼関係の構築 が欠かせません。各MRが行っている営業活動 のプロセスが細分化・標準化されたことで、活 動の進捗状況に応じた課題が明確になり、他の MRの成功・失敗事例も自身のMR活動のヒント となりました。

「 当 た り 前 」と 感 じ る こ と を 揃 え る

富士フイルム医薬品事業部を

経て2015年代表取締役社長

に就任

井上

当時、富士ゼロックス総合教 育研究所から富士フイルム ホールディングスに出向

徳久

富士フイルムグループは1936年の「X線フイルム」の発売以来、世界に先駆け「診断」に関わる製品を医療分野へ展開。2006年には生活 習慣の改善に寄与する「予防」分野へビジネスを拡大し、2008年の富山化学工業の連結子会社化を皮切りに医薬品・再生医療分野への積 極的な投資を行い「治療」分野の事業基盤を強化。人々の健康に関わる「予防」「診断」「治療」の分野をカバーする総合ヘルスケアーカン パニーを目指す。富士フイルムファーマは2009年設立。当初は、ジェネリック医薬品の開発・販売からスタートし、2012年より糖尿病 薬・感染症薬の販売、2015年より抗肥満薬の製造販売・ヒト成長ホルモン製剤の販売へと業容を拡大。将来、富士フイルムグループが開発 する新薬販売の役割を担う。

代表取締役 社長 井上 章

営業本部 営業推進部 営業推進グループ グループリーダー

飯田 浩之

C a s e S t u d y

営 業 革 新

えてきました。

そこで整理した成功パターンから当初やや抽象 的であった戦略内容を具体的な戦略としてまと め横展開していきました。

 ABC大作戦を始めてから2年ほど経過し、あ る程度基本的な営業活動が定着してきましたが 活動内容と実績との連動、施設に関するタイム リーな情報収集、チーム会議の効果・効率の向上 などが課題となっていました。そこで当時、医 療情報部の阿部さんが検討されていたiPadを活 用する営業支援システムでこれらの課題を達成 できないかと一緒に検討を進めることになりま した。

営業活動の進め方を標準化し、現場の 皆さんがしつこくPDCAを実践された 結果、高い業績を上げる営業所やMR が出るようになりました。そこで、高業績を上 げたMRの方々に具体的な活動内容や工夫をイ ンタビューした結果、共通の成功パターンが見

徳久

MR・営業推進部で現場と本

社スタッフの双方の立場を経

飯田

(2)

営業本部 学術企画部 (当時 医療情報部) 課長補佐 阿部 優子

自然と成功モデルを真似できるシステム化を目指す

従来の営業支援システムは、現場MRが必要と する大抵のデータが出力可能なシステムでは あったのですが、多機能と引き換えに利用方法 は難しく、また手間もかかるシステムでした。 そこで、現場が欲しい情報を欲しい時に入手で きるようシステムを再構築することになったの ですが、当初はまだ具体的なシステムの形は見 えていませんでした。ただし、現場に利用を強 要しなければ使われないシステムではなく、現 場が自ら欲しい、利用したいと思ってくれるシ ステムにしたいという気持ちだけは最初から ずっと持ち続けていました。

 現場が欲しいと思ってくれるシステムを開発 するためには、現場を知らなければなりません。

iPadを活用した営業支援シス

テムの開発を担当

阿部

徳久さんに相談したところ、タイミング良く ABC大作戦を発展させていく上で共通の課題 を検討されていたため、そこから一緒に現場 ヒアリングを重ね、システム設計を進めてい きました。現場ニーズを叶えるためにはシス テムの内部構造を大きく作り変える必要があ り、開発は思った以上に大規模なものになっ たのですが、徳久さんにはどのような見せ方 が現場で活用されやすいかなど、主に画面設 計の面で貴重なアドバイスを多数いただきま した。新システムは無事に2015年12月にリ リースでき、従来は半分以下だった毎日の利 用率が、おかげさまで80%以上まで上がりま した。

A B C 大 作 戦 の 効 果

営業本部 営業推進部 部長 片山 真希雄

大手製薬会社からの販売移管直後、製品のシェ アが後退していましたが、ABC大作戦で着実な 成果をあげ、圧倒的に少ないMR数ながらシェ アを取り戻すことができました。

 はじめはMRに新たな作業を付加することに なったため、確かに抵抗感もありました。しかし、 皆が活動をはじめると、営業推進部から提供で きるデータの質も上がり、現場から必要とされ

る情報が出せるようになりました。

 ABC大作戦のおかげで共通言語ができ、 MR同士のコミュニケーションがストレスなく 行えるようになったのはとても大きいと思っ ています。営業活動のプロセスも全国で標準 化できたため、急に転勤になったとしてもす ぐ営業活動に入れるような状態にできました。  次に投入される新製品でもさらに進化した 形でABC大作戦を実行することが計画されて います。今までにはできなかった新しいチャ レンジがはじまっています。

A B C 大 作 戦 の 評 価 と 今 後 の 期 待

ABC大作戦によって、施設ごとに戦 略を立て、実行し、結果を報告し、 うまく行ったモデルを共有するとい う仕事のやり方と進め方を共通化することが できました。もともと一匹狼が多いMRを同じ モノサシや言葉で議論できるようになったた め、お互いの理解も深まり様々な施策を検討す るスピードも上がりました。

 共通の仕事の進め方や言葉が定着したので、 次は人のABC大作戦に取り組みたいと考えて います。人のABC大作戦とは、人ごとに戦略 を立て、指導し、結果を確認して、共有する仕 組みです。「このMRにはどんな指導をしたほ うが良い。」「あのMRの成功パターンはこちら のMRで活用できる。」そんな指導結果をリアル タイムで確認できる。今後、そういう人材育成 の仕組みにレベルアップしていきたいと考え ています。

徳久さんは、積極的に支店への訪問・ 会 議 へ の 参 加 を 行 っ て い ま し た の で、現場の声をもっともよく知って います。現場の意見を俯瞰してみているから、 非常に説得力があります。今回作り上げた仕 組みは、来るべき新薬が出たときのターゲティ ングでこそ真価を発揮するのではないかと思 います。

徳久さんとの活動を通じて分かって きていることは、優秀な成績を上げ ているMRには類似した行動パター ンがあるということです。施設ごと、ドクター ごとの動きをよく理解し、ベストタイム・ペス トプレイスで活動をしています。次は、ベス トタイム・ベストプレイスの追求を支援できる よう、システムを進化させていきたいと考え ています。

徳久さんから成績の良いMRの活 動状況をシステム上で共有しても らうことで、他のMRの刺激にな り士気が高まったと思います。MRに新しい 行動の習慣が根付いたように、今後はマネー ジャーが各MRの活動をタイムリーに確認し ながら指導・育成していく環境作りに努めて まいります。

なにより徳久さんは全国を飛び回 り、会議の場に足しげく通ってい ただきました。私が自社の作戦を 練る際に重要な現場の現状認識が、徳久さん と一致していると非常に安心しました。その くらい、現場のことを深く知ってくれていま す。営業を変革していくという大仕事を上か ら目線ではなく、同じ歩調で歩んでいただけ たことに本当に感謝しています。

井上 飯田

阿部

片山

井上

本社スタッフの責任者として

ABC大作戦を推進

片山

(3)

富 士 フ イ ル ム フ ァ ー マ:事 例 取 材   現 場 の 声

V o i c e

ゲットとする製品のシェアはわずか数パーセ ントで、黙っていても売れる状況ではありま せんでした。非常に厳しい環境の中、マネー ジャーの立場としては残りのシェアの開拓余 地は十分にあるという気概でABC大作戦をス タートしました。

ABC大作戦がスタートした当時は 決まった帳票もなく、会議もなるべ くせずに、現場を回ることを優先す る雰囲気でしたので、戦略を実行する体制を 築くことが難しいと感じていました。まずは、 MRごとに最重要施設を3施設定め、活動計画 を立て、月2回の会議で活動を共有するとこ ろからスタートしました。

 活動内容を共有する帳票は現場からの意見 を吸収しながら作り上げていきました。なる べく記入負荷を少なくなるようにしながらも 重要な情報が共有できるように帳票を一緒に 作り上げていきました。個々のMRの活動が会 議の中で共有され、成功事例が集まってくる 富士フイルムファーマ自体が新しい会社と

いうこともあり、営業のための仕組みが何 もないところからのスタートでした。ター

営業本部 南関東支店 支店長

登山 仁之

重点施設に対しての活動計画を文字に起こ すことでメンバー間の意見交換が的確にで きるようになりました。活動内容を記録し ているため、会議では進捗のあった部分だ けを報告すればよくなり、無駄な時間がな くなりました。他の営業がうまくいったパ ターンや失敗したパターンから作戦を練り 直すなど、ノウハウを共有できるようにも なりました。特定カテゴリーでの効果的な 方法などの分析をしていけば、将来、新人 MRの即戦力化につなげていける可能性もあ るのではないかと思います。

前職のMRでは帳票が細かすぎて記入に1日 費やすこともありました。ABC大作戦で作ら れた帳票は非常にシンプルなため、記入に手 間を取られず、営業活動に時間を費やすこと ができました。ローラー作戦ではいち早くア クションに着手し、他の営業に先駆けて担当 エリアの特定診療科をすべて回りました。も ちろん、すべてに成果が出たわけではありま せんが、見極めるルールなどの発見もあり、 有益な情報を他のMRと共有することができ ました。

担当した各営業所で前年同

期比130%および全国販売

ランキング1・2位を達成

登山

登山

ABC大作戦の前後を経験

鈴木 藤本

ローラー作戦をいち早く完遂

徳久

ABC大作戦が始まった後に外資系製薬会社 から転職してきたのですが、帳票がコンパ クトにまとまっていて、引き継ぎがわかり やすかったことを覚えています。当社では 前職に比べて担当施設数はかなり増えたの ですが、活動を報告する内容がシンプルで あったため無理なく対応できました。特定 の診療科を攻めるといった方針も明確に示 されていたので迷いなく営業活動を推進で きました。重要ターゲットごとに作戦を細 かく練り上げ売上前年同期比で200%達成 でき、全社に活動成果報告できました。

前年同期比で売上200%を

小池

達成

何もないところから始まったABC大作戦

と、ある特定の診療科に一定の需要があるこ とが分かってきました。今まで重点施設に 入れていなかった施設についても特定の診 療科を中心に攻めるという観点から見直し、 特定診療科のローラー作戦が始まりました。

特定診療科へのローラー作戦がは じまったころからABC大作戦の 成果が出そうだという気配が出て きました。予算達成を考慮すると重点施設 の数は3施設では足りないため、20 ~ 30施 設に拡大し営業活動のPDCAを回していき ました。重点施設を攻略するためのD to D、 D to Mなどの企画もあわせて実施し、結果 として私が管轄する営業所は4期連続で全国 トップの成績を収めることができました。

※D to D ドクター toドクター。ドクター同士の勉強会。

※D to M ドクター to MR。ドクターからMR向けの勉強 会。

ABC大作戦を経験した印象

営業本部 南関東支店 神奈川第1営業所 課長補佐

鈴木 博貴

営業本部 南関東支店 神奈川第2営業所 課長補佐

藤本 康夫

営業本部 南関東支店 神奈川第1営業所

小池 東樹

(4)

Proile:1986年 富士ゼロックス入社。営 業、マーケティング、人事企画を経験後、 富士ゼロックス総合教育研究所に移籍。 2012年~2016年 富 士 フ イ ル ム ホ ー ル ディングスに出向し、富士フイルムファー マの営業力強化を担当。大手企業を中心 に組織変革、人事改革、営業力強化など のプロジェクトを多数手掛ける。英国国立 ウェールズ大学経営大学院(MBA)修了。

Xerox、Xeroxロゴ、およびFuji Xeroxロゴは、米国ゼロックス社の登録商標または商標です。

徳久さんもはじめて来たときはま だまだMRについて詳しいわけで はありませんでしたが、足しげく 現場に通い、会議にも参加してくれ、一緒 に営業の基礎を作り上げてくれました。支 店での成果を企業全体としても広げてくれ、 最終的に全社として前年同期比15%~ 20% UPの良い成績を収めることができました。 同じベクトルを向いて歩んでもらえるのが 本当にありがたかったと感じています。

iPadシステム

医薬品情報だけでなく、個人や営業所、施設ごとの実績、担当施設への活動状 況などが確認できる。

のような役割を担うには、部門の利害関係や 本社と現場の壁が障害になります。各部門・ 機能を連携させ、全体システムを一貫性を持 たせながら変革に導いていくために現場と本 社、各部門を調整し、連携させていく役割と して客観的な第三者の活用も有効な選択肢の 一つではないかと改めて感じました。 特に、東京・神奈川の営業所の成

績は良く、常に全国をリードして いました。狙った戦略を先駆けて 実施し、積極的に検証していただきました。 全国の指針になる成功例をたくさん生み出 し高業績チーム/MRのインタビューにも協 力いただきました。本当にありがとうござ いました。        

        

         (取材日:2016年11月)

登山 徳久

富士ゼロックス総合教育研究所 徳久 収

同じベクトルで営業現場を歩く

重点施設活動シート

施設の現状、活動計画、活動結果など営業(MR)活動のPDCAを定期的にチーム 内で確認、共有する。

ABC大作戦は富士フイルムファーマがジェネ リック医薬品の販売会社から将来の新薬販売 を担う会社へ変革するためのプロジェクトの 一つでもありました。営業変革を実現するた めには、営業(MR)一人ひとりのスキルアッ プだけでは難しいと感じたため、企業独自の

①組織文化を基にした②戦略、③組織・人、

④プロセス、⑤仕組みの全体システムを変革 していこうと考えました。今回のプロジェク トでは、まず始めに基本的な仕事の進め方(プ ロセス)の型をチーム単位で着実に実践し(組 織・人)、創出された成功事例をパターン化し た上で具体的な戦略として全社展開を行い

(戦略)、戦略を遂行する上で必要な情報をタ イムリーに閲覧できるシステムを構築しまし た(仕組み)。このように全体システムを変え ていくためには、目的達成に向けた部門間の 連携が必要になります。しかし、多くの場合、 営業企画・推進部門や人事・教育部門などがこ

インタビュー後記

②戦略

③組織・人 ①組織文化

⑤仕組み

④プロセス

営業変革実現のための5要素

住所:東京都港区六本木3-1-1 六本木ティーキューブ14階

電話:03-5574-1701(土・日・祝日を除く、9:00〜12:00、13:00〜17:00)  e-mail: webmaster@fxli.co.jp 公式サイト:http://www.fxli.co.jp

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