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全文

(1)

AR

Kinect

を用いた鏡像シミュレーション教材の開発

Developing reflected-image-simulations study materials using Augmented Reality (AR) technology and Kinect.

中野 博幸 久保田 善彦 小松 祐貴 大崎 貢

Hiroyuki NAKANO Yoshihiko KUBOTA Yuki KOMATSU Mitsugu OSAKI

上越教育大学 宇都宮大学 上越市立春日中学校 上越市立城北中学校

Joetsu University of Education Utsunomiya University Kasuga Junior high school Johoku Junior high school

<あらまし> ARとは,人間が見ている現実世界の映像にコンピュータでデジタル情報を重ね合わ せることで,人間の知覚を補完・拡張する技術である.また,Kinectは人間の骨格を認識し,ジェス チャーによってコンピュータを操作することができるデバイスである.

これらを用いて,中学校理科の鏡像学習におけるシミュレーション教材を開発した.

<キーワード> 拡張現実(AR),Kinect,教材開発,中学校理科,鏡,シミュレーション

1.はじめに

近年,コンピュータを取り巻く様々なハードウエ アの進歩が著しい.人間が見ている現実世界の映像 に web カメラを利用してコンピュータでデジタル 情報を重ね合わせる技術である拡張現実(以下,AR) が,スマートフォンなどのアプリで利用できるよう になってきた.また,赤外線を利用したKinectは, 人間の骨格を認識し,ジェスチャーによってコンピ ュータを操作することができ,ゲームなどに利用さ れている.

教育現場においても,これらのデバイスを活用し た授業実践が行われるようになってきた.これらの 教材は,現実世界の情報量を増やすことで理解を促 進したり,操作を伴うことで体感を通した理解を促 進したりする効果があることが報告されている.

本研究では,このような特徴を生かした鏡像シミ ュレーション教材を開発した.

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シミュレーション教材の開発

(1) 先行研究

AR を利用した教材開発としては,ビデオシース

ルー方式で星空に星座絵などの情報を付加するシス テム(伴ほか2001),CG映像教材を操作できるよ うにしたタンジブル教材(森田ほか2010),紙面に 動画やCGモデルを重畳表示する天体学習用ARテ キスト(瀬戸崎ほか 2012),タブレット端末により ワークシートの平面図上に3Dモデルを重畳表示す る月の満ち欠け教材(小松ほか2013)など様々な教 材が開発されている.

Kinectを利用した教材開発としては,子供向けの

ワークショップコンテンツ(鈴木ら2013)がある.

(2) 開発環境

開発OS Windows7

開発言語 Processing2.2.1

ハードウエア Kinect for XBOX360

Kinect用ドライバ SensorKinect

Kinect用ライブラリ OpenNI

ジェスチャー用ライブラリ NITE

Processing用ライブラリ SimpleOpenNI

(3) 開発するシミュレーション教材

光の反射に関わる教材として「鏡に映る像」があ る.この課題は,複数の教科書で取り上げられてい る(例えば霜田ら2013).

「壁に垂直な鏡の場合,身長が 160cm の人の全 身を写すためには何cmの鏡が必要か」という課題 に対して,鏡から離れれば小さな鏡でも全身を写す ことができると考える生徒が多い.日常的に目にし ている鏡であるために,一度身に付いてしまった誤 概念を修正するのは難しい.

そこで,このような誤概念を解決するための教材 として,ARとKinectを用いたシミュレーション教 材を開発する.

実際の授業では,鏡を使った実験を行い,身長の 半分の長さの鏡があれば全身を写すことができるこ とを確認する.

しかし,この実験からだけでは,鏡の反対側に自 分の像(虚像)が存在することがイメージしにくく, また,説明に用いられる図と自分が実験している場 面とを結び付けにくいため,結果のみを暗記すると いう傾向が見られる.

Kinectにより学習者自身の骨格を認識し,コンピ

(2)

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鏡像シミュレーション教材

Kinect やコンピュータによるシステムの構成図

および学習者の利用状況は,次のとおりである.

図1 システム構成図および学習者の利用状況

教科書に示されている図を参考にして,シミュレ ーション教材に必要な機能を次のように整理した.

(1) 学習者の骨格線を表示する.

(2) 学習者の骨格線に対応して,虚像を表示する.

(3) 学習者の骨格線に対応して,鏡に映っている像

を表示する.

(4) 学習者のくるぶしから目,頭頂部から目に入っ

ている光の線を表示する.

(5) 学習者の目から虚像の頭頂部,学習者の目から

虚像のくるぶしへの光の線を表示する.

(6) (2)~(5)までの線は,キーボード入力によって,

表示と非表示を切り替えることができる.

図2 学習者の骨格線を表示

図3 学習者に対する虚像を表示

図4 光の線を表示

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おわりに

今回は,教科書に示されている図を参考にして, シミュレーション教材に必要な機能を考察し,シス テム開発を行った.

今後は,開発したシミュレーション教材を用いた 授業カリキュラムを検討する中で,さらなる改良を 行うとともに,活用の効果についての検証を行って いきたいと考える.

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謝辞

本研究は,基盤研究(B)26282030(研究代表者:久保 田善彦)および奨励研究 26909015(研究代表者:小松 祐貴)の助成を受けておこなったものである.

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引用・参考文献

伴好弘,中島健,眞鍋佳嗣,佐藤宏介,千原國宏(2001)ウェアラブル

拡張現実感のためのナビゲーション情報呈示に関する検討

-天体観察支援システムを用いて-. 日本バーチャルリアリティ学

会論文誌, 6(2): 89-98

小松祐貴,渡邉悠也,鬼木哲人,中野博幸,久保田善彦 (2013)

月の満ち欠けの理解を促すAR教材の開発と評価. 科学教

育研究, 37(4): 307-316

森田裕介,瀬戸崎典夫,岩崎勤(2010) 模型操作と連動するタン

ジブル太陽系教材の開発と評価. 科学教育研究, 34(2),

128-137

瀬戸崎典夫,上妻尭甫,岩崎勤,森田裕介(2012) タブレット端

末を活用した天体学習用ARテキストの評価.日本教育工学

会論文誌, 36(Suppl), 185-188

霜田光一外25名(2013)中学校科学1,学校図書株式会社,p.86

鈴木浩,佐藤尚,速水治夫(2013) ゲームエンジンを利用したワ

ークショップコンテンツの研究開発. 日本教育工学会第29

回全国大会論文集,23-26

岡村定矩,藤嶋昭 ほか49名(2012)新しい科学1年,東京

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参照

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