いわき市総合計画後期基本計画改定にかかる
市民団体等へのヒアリング調査
結果報告書
平成27年11月
い わ き 市
■目 次■
1.調査の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2.調査実施期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
3.調査実施方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
4.ヒアリング内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
5.調査結果の整理方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
6.調査対象団体 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
7.調査結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
(1)事業分野における社会的状況の変化について 4
(2)団体が抱える問題や課題について 13
(3)問題や課題に対する取り組みについて 26
(4)市民・事業者・行政の役割分担に対する考え方について 37
(5)(6)「まちづくり」に対する考えについて・自由意見 44
(7)後期基本計画計画改定への注文等 57
1.調査の目的
いわき市総合計画後期基本計画の改定にあたり、「協働」まちづくりの一翼を担う市内のまちづ くり団体や経済団体等に対し、計画改定素案を示しながら、それぞれの活動や事業における東日 本大震災を挟んだ状況変化や問題点・課題、取り組み、行政との役割分担やまちづくりへの考え 方をヒアリングし、計画内容に反映させることで実効性の高い計画の見直しとすることを目的と する。
2.調査実施期間
事前連絡: 平成 27 年 10 月上~中旬
調査実施: 平成 27 年 10 月下旬~11 月上旬 結果整理: 平成 27 年 11 月中~下旬
3.調査実施方法
調査対象団体に電話によるアポイントをとると同時に、依頼文書及び調査票を代表者宛てに送 付する。
ヒアリングは、市職員及び受託業者が同行で対象者を直接訪問し、記入された調査票を回収し つつ、それに沿って具体的な意見等(当該団体としての意見)を聞き取ることを基本とする。
4.ヒアリング内容
(1)事業分野における社会状況の変化について
団体が活動する事業分野における社会状況の変化についてどのように感じているかを把握する。 特に、東日本大震災後の状況を踏まえた視点を意識していただく。
(2)団体が抱える問題や課題について
団体が直面している対外的な問題や課題にはどのようなものがあるかを把握する。
(3)問題や課題に対する取り組みについて
上記⑵で挙げられた問題や課題に対し、団体としてどのような取り組みを実施しているかを把握 する。
(4)市民・事業者・行政の役割分担に対する考え方について
当該団体として、事業者もしくは市民という視点から、どのような分野にどの程度関わっていく ことを期待しているのか把握する。また、行政に期待する役割等についても把握する。
(5)団体の「まちづくり」に対する考えについて
団体としていわき市の「まちづくり」に何を望んでいるのか、また、それにどのように関わって いこうと考えているのかを把握する。
(6)自由記載
調査票にない事項について、自由に意見を記載してもらう。
5.調査結果の整理方法
ヒアリング結果の記録内容を箇条書きで書き出した上で、上記(1)~(6)の内容区分に沿 って分類し、さらにその中でテーマ別にとりまとめ、整理した結果を7に示した。なお、(5)と
(6)は内容区分が難しいことから一体として扱い、そのほか、後期基本計画改定への注文意見 を(7)として集約して示した。
なお、本報告書は、ヒアリングに当たった調査員が、対象者の発言内容を極力忠実に整理した ものであるが、ヒアリングという手法の性質上、各団体の発言意図が十分に伝わらない可能性も あることを予めご承知いただきたい。
6.調査対象団体
見直し後における7つの「政策の柱」ごとに分野を設定し、市内で活動している市民団体、協 同組合、法人、他自治体の中から以下の選定理由により選定した。ただし、行政経営市民会議の 委員となっている団体は対象外とした。
○市民団体
市民協働課作成の「市民活動団体名簿」を参考とし、活動内容や組織の規模等を考慮した上 で選定した。
○協同組合、法人
それぞれの活動分野において、市内の現状を把握している団体であると思われるため選定し た。
選定された団体(計 40 団体)は以下のとおりである。
<ヒアリング対象団体一覧:40団体>
施策体系 分野 団体数 団体代表者 団体名 地区
0 復興
くらし しごと 防災 共生と感謝
2団体
酒井 清 NPOいわき環境システム 平 矢吹 正一 いわき市漁業協同組合
平
Ⅰ 美しい環境 を守り、育 てあう
エネルギー ごみ・資源 自然
3団体
橋本 孝一 NPO法人いわき環境研究室 平 木田 章一 NPO法人いわきの森に親しむ会 常磐 吉田 恵美子 NPOザ・ピープル 小名浜
Ⅱ 心をつ な ぎ、支えあ う
共に生きる 産む・育る 健康と医療 地域で暮らす くらしの安心
2団体
草野 祐香利 NPO Commune with 助産師 平
志賀 博光 NPO まごころワーク 内郷
Ⅲ 学びあい、 高めあう
教育 スポーツと 生涯学習 歴史・伝統・ 文化・芸術
3団体
遠藤 八十八 NPO いわきFスポーツクラブ 平
坂本 満恵 いわき市体育協会 平
島﨑 圭介 NPO Wunder ground 小名浜
Ⅳ 魅力を 育 み、磨きあ う
住まい・ 住み良さ 中山間と 沿岸域 まち
12 団体
佐藤 毅 小名浜まちづくり市民会議 小名浜 室井 潤 勿来ひと・まち未来会議 勿来 小井戸 英典 じょうばん街工房21 常磐 川崎 憲正 四倉ふれあい市民会議 四倉 蛭田 秀美 田人地域振興協議会 田人 山口 弘之 内郷まちづくり市民会議 内郷 草野 弘嗣 小川地域振興協議会 小川 木村 芳秀 久之浜・大久地域づくり協議会 久之浜
大久
稲葉 廣巳 好間ふるさと振興協議会 好間 根本 秀一 川前町振興対策協議会 川前 永山 肇一 三和町地域振興協議会 三和 蛭田 幸広 遠野町地域づくり振興協議会 遠野
Ⅴ 活気を 生 み、力を伸 ばしあう
はたらく 稼ぐ力と 経営力 農林水産業 商工業・ サービス業 観光
16 団体
高橋 孝光 好間町商工会 好間
有馬 義夫 三和町商工会 三和
本田 正吉 川前町商工会 川前
佐藤 一美 内郷商工会 内郷
平子 佳廣 遠野町商工会 遠野
小沢 重好 田人町商工会 田人
碇川 寛 小川町商工会 小川
鈴木 英美 四倉町商工会 四倉
坂本 一朗 久之浜町商工会
久之浜 大久
小野 順一 商工会議所 常磐支所 常磐 中野 公記 商工会議所 小名浜支所 小名浜 富岡 誠 商工会議所 勿来支所 勿来 鈴木 裕一 協同組合いわき材加工センター 勿来 猪狩 正明 いわき産学官ネットワーク協会 平 松本 丈 NPOTATAKIAGE Japan 平 斉藤 一彦 いわき市観光まちづくりビューロー 常磐
Ⅵ 交わり、連 携を強めあ う
人と人・ 地域と地域 移動手段・ 基盤
いわきブランド
2団体
高野 公秀 新常磐交通㈱ 平
渡辺 祥子 フレンドシップいわき 小名浜
7.調査結果
(1)事業分野における社会的状況の変化について
①震災・原発事故によるマイナス影響
・ 長年にわたり築きあげてきたまちづくりの活動や仕組み、地区の基幹産業、ブランド、域外と の交流関係が、東日本大震災、原発事故及びそれによる風評被害で頓挫してしまったという状況 が、市民団体、産業団体など多くの団体から語られた。
・ 原発事故、風評による売上やニーズの減少等の悪影響が、農林業、水産業、食品加工業をはじ めとする製造業、観光業など幅広い分野で指摘され、多くの事業者が未だ事業再開に至っていな い等の厳しい実態も報告された。民間NPO等の活動でも、利用者等の落ち込みが目立っている。
・事業者の廃業等で、商工会、商工会議所の会員数減少が加速している実態があり、NPOでも会 員数減少に悩んでいるところもある。
★震災前からの活動が頓挫
・ 久之浜港産のブランドがあった。何年もしくみをつくった結果である。これが震災によって瓦 解した。新しいものを作る必要がある。
いわき市漁業協
・ 久之浜は港町だが主産業の漁業の再開の見通しが立っていない。ブランドができた時に震災に あった。
久之浜町商工会
・ ホッキ貝は四倉の名物だったが、まだ試験操業で、なかなか食べられなくなってしまった。 四倉ふれあい市
・ 久之浜の基幹産業は漁業であり、漁業の復活なくして復興はない。「漁港まつり」を震災前 10回開催したが、風評被害等の影響で復活が困難な状況。
久之浜・大久地域
・ 震災の影響については、この地区の温泉の特徴を生かしたまちづくりへ向け、観光客の街歩き 促進を考えていたところに震災、原発事故が起って、取り組みが頓挫。なお、風評被害は続い ている状況である。
じょうばん街工房
・ 交流人口を増やすための地域振興として、交流施設「いわきの里鬼ヶ城」(平成7年)、直売 所「山の食。川前屋」(平成15年)、地域資源・体験施設活用のための「いわきの里川前ふ るさと体験交流委員会」(平成20年)などに取り組んできたが、震災後、来訪者は激減し、 震災前の半分から5分の1にまでとなっている。
川前町商工会
・ 夏井川渓谷や二ツ箭山を中心に豊かな自然を有する当地区では、宝物さがしと発信を目指して いたが、震災後、風評被害が厳しい状況となった。避難でいわきから流出している人もまだい る。
小川地域振興協
・ 観光まちづくりビューローが2013年にもブランド品づくりを検討したが、風評で困難となっ た。またこれはともかく道の駅などで売ろうという方向だった。
じょうばん街工房 所
・ 海と山の冒険隊(港区との交流)は、原発事故後、2011、2012年度はできなかったが2013年 度は日帰りで、2014年度から一泊でできるようになった。2015年は試験操業で採ったホッキ 貝を使った。
四倉ふれあい市
・ 田人では定住や移住増加への取り組みをしてきて、少なからず実を結んできていたが、震災に よって、移住してきた人たちが帰ってしまった人たちがいる。
田人地域振興協
・ 田人コイコイ倶楽部は移住推進活動をしていた。震災前は、牧場をやりたいという若い世代も 移住してきていた。田人の自然の良さに感動し、牧場で育てた牛からチーズづくりをやり、生 活していくという夢を描いていたようである。しかし、放射線影響により「酪農の該当地域で はない」と感じてしまったようで現在は広島に変えて生活しているようであり、田人への定住 に至らなかった。
田人地域振興協
・ 久之浜は、原発事故の避難体験の後遺症が継続し、活動が困難または縮小し残念。地域行事や 事業はできる限り継続しているが、回復には程遠い。
久之浜・大久地域
・ 放射能に対する不安から森の中での活動がいわき市内でも約3年間大幅に低下し、その後戻っ てきたものの全体的に低調気味である。特に福島県全体での取り組みは衰退してしまったま ま。
NPO いわきの森
・ 年1回は、ドブ上げをしていた。原発事故以降、今のところストップしている。 いわき市体育協
・ 震災の活動への影響は、内郷のまちづくりグランドデザインの策定が1年遅れたことだ。 内郷まちづくり市
★原発事故・風評による悪影響(売上・ニーズの減少)
・ 震災の影響としては、農産物について風評被害が残っている。 遠野町地域づく
・ 原発の風評被害は、農林業、食品加工業、旅館業等で顕著である。 遠野町商工会
・ 原発事故は、一部地域が30キロ圏内に位置し放射線量が比較的高かったことにより、現在も 山菜の出荷停止、風評被害による直売所の閉鎖、観光人口の激減など市内でも最も厳しいマイ ナスの影響を及ぼしており、それまでの地域活性化のための努力、作る喜び、孫に食べさせる 喜びなどを奪ってしまい、高齢者の意欲をなくしてしまった。
川前町商工会
・ 田人はもともと蒟蒻、米、林業の地区だったが、林業に関しては放射能で価格が下落している。 福島県材が一番安くなってしまった。震災後で売れるのは柱材くらい。100年経ってる木でも 売れなくなっている。集成材等に押されている。
田人町商工会
・ 原発事故の影響で、水揚げ不足となり、市民への漁獲物提供が不足し、ブランド展開も図れな い
いわき市漁業協
・ 現在、もち米を使用した餅や団子等の販売を行っているが、震災後はお客様から使用食材の「放 射線検査」についての問い合わせもあり、風評被害が少なからずある。安心の食材利用で価格 もあげざるを得なかった。
NPO まごころワ
・ 当初売り上げの減少が目立ったが、最近はやや持ち直してきた。震災前100とすると震災後 20くらいまで落ちたんだ。今は70くらいまで持ち直し。
NPO まごころワ
・ 復興需要や作業員流入、あるいは避難人口増加により、建築、土建、運送業、小売、飲食など 好調な業種がある一方で、食品製造やみやげものなど売上が震災前の水準に回復していない業 種もあり、震災と原発事故は現在も地域経済に影響を及ぼし続けている。
好間町商工会
・ 小売では、商圏が小さな小規模店舗が大部分であり、原発避難者の当地区への居住もほぼ皆無 であることから、震災以降の売上は減少が続いている。一部の特色を出しやすい少数の店舗(飲 食、美容、カフェ)だけが地区外から誘客し売上を増やしている状況。
遠野町商工会
・ 久之浜地区内の建設業は、復興需要で人材不足の状況、製造業(ネジ、造船関係等)は原子力 災害により取引が減少、卸は津波災害により未復旧(水産物加工(タコの加工など)も8事業 者のうち再開は1事業者。地物がとれないのが痛手)。小売は、津波で商店街が壊滅し、仮設 商店街が稼働中。全国から視察者が多数来街している。サービス業は子どもを対象にした業種 は売上激減。
久之浜町商工会
・ 原発事故から5年目となり、商工会で組織する浜通り広域指導センターで相双地域も管轄して いるが、同地区では未だ生活・生産活動が制約され、復興・再生は道半ばで、多くの事業者が 事業再開に至っておらず、見通しが全く立たない状況も続いている。
内郷商工会
・ 震災・原発事故による損害としては、取引先がなくなったことが大きな問題で、新たな開拓も、 競争環境が激化する中で容易にはできない。その解消を商工会として手助けしていきたい。会 員の悩みを掘り出してひとつひとつ対応していくことが重要だ。
内郷商工会
・ 全般的には商工業の業績は震災で大きく落ち込んだのち、復興需要等でやや盛り返したという 状況である。
好間町商工会
・ 常磐湯本温泉を抱える当地区は観光産業が中心であり、地域商業もこれ依存している傾向が強 い。震災以降、風評被害により観光客は減少。4年経った現在もまだ戻っていない。
いわき商工会議
・ 埠頭部の観光入り込み数は、今夏は昨年より減少した。アクアマリンも震災前(年間90万人) の半分程度だ。常磐道が全通していわきが通過点になってしまった。魚市場ができたが、水揚 げは数えるほどだ。活気という面では厳しい状況だ。
小名浜まちづくり
・ 震災後は目の前の仕事に追われ、活動が伸びなかった。いろいろな方にお世話になっているが、 観光は落ち込み、先行きが見えない状況である。特に水産などで不安要素を抱えている。
小名浜まちづくり
・ みやげものは風評被害による観光客の減少でマイナスとなる一方、作業員は買わないので厳し 好間町商工会
い。
・ 当地区には夏井川渓谷を中心に観光資源が豊富なため、アクアマリン、スパリゾートハワイア ンズにつぐ、市内第3位の観光交流人口を有する。震災以前は70万人が来訪していた。震災 以降、風評被害により、1割にまで減った観光客が戻りつつも、回復にまでは至っていない。 背戸峨廊の崩落事故で入れ込み減という要因もある(なお入山規制が継続)。
小川町商工会
・ 震災前は、波立海岸、海竜の里センター、アンモナイトセンター等への観光人口が定着してい たが、現在は、震災関係視察者が来街しているものの、交流人口が減少している。
久之浜町商工会
・ サービス業はまだ復興途上で、湯本に24~25軒ある旅館も、観光売上は震災前の5割まで戻 っていない。作業員の宿舎利用も減ってきた(人数でピーク時の6~7割)。
観光まちづくりビ
・ ハワイアンズも観光客数を戻してはいるが、100%ギリギリ程度の運営だ。避難者が一時帰宅 の帰りに泊まっていくなどもあるが、サービス提供体制ができずに稼働率を上げられなかった 部分もある。
観光まちづくりビ
・ 震災前に比べて体育施設の利用者は8割程度に留まっている。震災後は、単発的なイベントが 多く、長期的なスポーツをする事例が少なくなってきている。
いわき市体育協
・ 「風評」は、第一段階、第二段階、第三段階と変遷するもので、現在は第三段階(思い込み等 による負のスパイラル状態)にある。
内郷商工会
・ 震災の影響は放射線の影響が一番大きい。 協働組合いわき
・ 震災被害等は行政の様々な支援、グループ補助等があったので、かなり復旧している。 協働組合いわき
★震災・原発事故による担い手・会員の減少
・ 会員数:140人(震災後に活動人口が激減した時期があったが、現在は、震災前の状況になり つつある。)
NPO いわきの森
・ 昨年、商工会議所会員事業所約1500社に、事業所訪問とヒアリングを行った。うち常磐地区 は238社を直接訪問して調査を行ったが、このうち約3割が後継者がいないと回答、今後、5
~10年のスパンで順次廃業していくと予想される。政府は開廃業率を10%にしたいという目 標を持っているが、開業を廃業が上回る勢いである。
いわき商工会議
・ 平成18年の統計では、四倉で501の商売をやっている事業者があり、そのうち8割くらいが 会員である。これが平成24年の経済センサスでは439になり、うち351が会員となっている。
四倉町商工会
・ 震災の津波で商店街が1~2m浸水したことや原子力災害で商圏がなくなってしまったこと で、廃業が増えた。震災後の廃業は47件で、うち震災関連は23件となっている。
四倉町商工会
・ 久之浜町商工会の会員数は、135から現在は117に減っている。復旧復興で精一杯のため会員 加入活動を行えていないが、建設系を中心に創業も多く見られる。
久之浜町商工会
②震災・原発事故後の活動・事業の環境変化
・ 原発事故による放射線対策の必要性等から、生産設備の切り換えや地元産材から県外産材への 切り換え等を強いられている例が報告されたほか、避難者や復興関係作業員等の流入等による道 路渋滞や宿泊施設のビジネス対応への転用、また、市民団体においても、放射能への不安感等に よる子どもの運動能力低下、同種施設間の交流減少等が指摘されている。
・ 津波等による地区構造の急変やそれによる人口減や高齢化の加速、避難者等による住宅需要の 増加、地価高騰等、地域環境の変化が語られた。
・ 事業者への原発事故賠償金が、近い将来の打ち切り情報もあって、水産や観光関係等で廃業等 に拍車をかけるという見方がある一方、地区や業種業態によってはそれほど混乱していないな ど、まだら模様の影響が示されている。
★事業環境の悪化
・ 震災の前後で大きく環境が変わった。水産業などは、以前は名物もあったが、今は水揚げして も売れない。
商工会議所勿来
・ 乾燥機9台を基本的にはバイオマスの木質ボイラーで稼働していたが、放射線対策をしたボイ ラーではなかったので、今年1月から停止している。対策として、バイオフィルターを付ける つもりでいたが、市で予算が通らず、東電と協議して、乾燥機は重油に切り替えて稼働してい る。。
協働組合いわき
・ 浪江や南相馬や塙方面からは材料が来ていた。県産材として品質が良かった。いわきも全体に 良い(半分くらい)。震災後は茨城県材も使っている。県産材は県が検査等をしている。JAS認 定を持っている業者がやめてしまったりしている(JAS認定とっても売れないなどで)。今後、 森林認証をとる。
協働組合いわき
・ 震災後避難民の流入により市内に増加したマイカーや原発事故処理に伴う輸送、および放射能 物質の汚染処理等の輸送により市中の各道路、特に国道6号線の渋滞が顕著になっており、円 滑な路線バスの運行や交通安全の確保に苦慮している。
新常磐交通(株)
・ 渋滞は朝夕だけでなく昼間もしばしば起こり、バスが遅れるという苦情に悩んでいる。 新常磐交通(株)
・ 関越道事故後の基準改定通達により、200㎞以上は2人乗務でコスト増となり、エージェント も送客しにくくなっている。山形、宮城、青森等では宿泊に5000~10000円の補助をつけても 厳しいという状況だ。
観光まちづくりビ
・ 宿泊業はビジネスユースへの対応も望まれている。接待利用は近年なくなってきている。特に 建設業は景気が良いので接待の必要もない。
観光まちづくりビ
・ 同事業を行う施設間の交流が少なくなった。 NPO まごころワ
・ 卒業大学の後輩を指導する立場にある。いわき明星大学指導で体育館のバレーボールの授業を 拝見したことがある。技能レベルが低い。運動力が落ちて落ちてきていることが目立っている。 原発事故による屋外運動が制限されている影響が出てきていると感じている。
いわき市体育協
★地域環境(人口等)の変化
・ 震災直後、小さな子供たちを持つ世帯は避難、その数2万人程度いたと予想している。 いわき市体育協
・ 久之浜は市最北端で海沿いの町。震災の影響を大きく受けている。一部原発から30㎞圏内で、 津波により広範囲で壊滅的被害を受けた。
久之浜町商工会
・ 人口減少は震災によりさらに拍車がかかった。平成22年に6,523人いた人口が、平成26年に は4,754人となっている。若い人ほど流出が激しく、高齢化率が上昇(60歳以上が43.5%、 65歳以上は33.6%)。
久之浜町商工会
・ 時代変化、震災等により人口の構成が変わってきた。若い人が減って、まちづくりにみんなが 一緒に取り組む余裕がなくなってきている。市民会議の活動も若い人の参加が少なく、メンバ ーが高齢化している。新しく入ってくる人も年齢が高い。JC卒業後にも入ってこない。事業 ごとに興味があるような人は多少は入ってくるが。
内郷まちづくり市
・ 従来よりも、「地元志向」型の人たちが多いと感じている。 (公社)いわき産学
・ 震災後、避難してきているお客様が増えてきている。避難してきている方が、内郷に住宅を新 築する人も多く、土地がないか等の問い合わせを含めて、来店するお客様が増えてきた。
NPO まごころワ
・ 震災前は地価が10万円以下に下がっていたが、震災後急騰し、交通網が便利ということで今 は25万の水準で売れている。今、家を建てているのはほとんどが双葉郡の人たちだ。農家も 今が売り時だとのことで、不動産業者が入って仲介している。
好間ふるさと振興
★原発事故の賠償金に関する状況
・ 旅館事業者は賠償金打ち切り問題で右往左往している現状にある。この際、廃業しようかとい う旅館もある。朝食のみの提供、素泊まり的利用のみのところも目立つ。賠償金がある間に業 務形態を変えたらどうかという提案もしている。
観光まちづくりビ
・ 本年7月の説明会で、国や東京電力からは、「被害者側にも損害回避・減少の措置(事業拠点 移転や転業等)を期待する」との見解が示されており、原因者が誰なのかが示されていない。
内郷商工会
・ 原発事故の賠償金は、業種業態によって申請状況は異なり、勿来では賠償金打ち切りによる混 乱の懸念はそれほどでもない。
商工会議所勿来
・ 市内の製造業が震災前の水準に達していない。事業者は、差額の8割を東電から補填されてい るが、これは麻薬のようなものだ。特に水産関係。
小名浜まちづくり
③震災・原発事故後の活動・事業内容の変容
・ 避難者等の住宅需要による建設業等を中心とした業務量の増加の状況が各地区の商工団体から 報告された。また、NPO等でも母子支援等の需要増が見られるほか、より積極的に雇用を生む ために独自のネットワークで事業を創出した例もあるとともに、起業家の増加も報告された。
・ 震災が活動のターニングポイントとなったNPO組織等も多く、社会を支える役割の深化や、 モニタリング、水質検査等の新たな事業展開、避難者との共生の取り組みなどが語られている。 産業面でも、新たな事業連携や設備投資の動きも報告されている。
★震災・原発事故を契機としたニーズ・業務量の増加
・ 1世帯当たり平均1億円の賠償を得ているといわれる双葉郡からの原発避難者が市内に2万人 以上居住しているといわれる。これら避難者の建築需要を取り込める営業力のある4事業者と 関連事業者は売上を今後5年間は横ばいで推移させると見込まれる。
遠野町商工会
・ 建設、建築(工務店)、石材業は現在も忙しい状態が続いている。建設、石材で34%くらい。 田人町商工会
・ 震災後、復興特需により、建設需要が増加し、かわらの修繕(小川にも業者)など土木建設業 は好調を維持しているが、住宅関連は、震災後の改修工事やリフォームも一段落し、新築も減 少し、あってもハウスメーカーが多く受注しているので、落ち着いてしまっている。
小川町商工会
・ 震災前は建設業等は売上が少なかったが、震災後は避難者の市内居住等に伴い急増し、税務署 対応も含め法人格をとる等の事例も多い。路線価が高くなって、不動産取引や設計料等も好調 だ。ただし一時的な状況と思われ、今後については流動的、不透明だ。
商工会議所勿来
・ 震災の影響では土建業が廃業するところを、やや復活した。 三和町商工会
・ 商工会議所の地区委員会があり、大橋委員長以下24名で商業、工業、サービス業にわたる活 動をしている。会員は増加傾向にある。相双地域からの事業者もおり、地域に根付いて交流も 行われている。
商工会議所小名
・ 原発事故があったが、放射能対策よりも「仕事をくれ」との声の方が大きい。雇用を生むこと が最大の復興である。特に女子が正社員で働ける場をつくるため、野村総研を通じてNTTコム ウェア関連の仕事を持ってきた(オペレーションセンター)。全員が月給制の正社員。育児休暇 もあって皆生き生きと働いている。マイナンバー関係の仕事も発生する。場所が足りなくなる ので、若葉台の施設も活用する。廃校の活用も考えたい。
NPOいわき環境
・ 現在の利用者人口は、担当者が林務化にいたころには、300万人/年間。現在は3,000人/年 間。
NPO いわきの森
・ 震災後、母親と乳幼児は避難している人が多く、利用者があまり多くなかった時期もある。震 災の年の5月から市内の学校が開校しはじめ、乳幼児を持つ母親等も帰ってくる人も多く、当 団体へ支援を求める人たちが増えてきた。
NPO コミューン
・ 震災後、福島県が福島県助産師会に委託している母子支援や産後ママサポート事業によりいわ き地域を担当しているが、利用者が増大している。(平成22年:1461人→平成26年:2034 人)これによって、利用者負担を少なくして続けられており、利用者は拡大している。
NPO コミューン
・ 母乳育児支援(300件/2014年)、電話での問い合わせ(459件/2014年)が増加している。 NPO コミューン
・ 起業家も増えてきている。インキュベートルームへの入居者状況について、工業設計や太陽光 パネル設置事業等、従来の応募者よりも、震災後はより幅広い産業でユニークな事業アイディ アを持つ人が増えてきている。
(公社)いわき産学
・ 仕事はあるが、作業員・従業員の確保ができていない状況だが、震災から4年経ち、少し落ち 着いてきた。
田人町商工会
★震災後の活動・業務内容の変容
・ 平成13年に設立。いわき市南部地区のまちづくり活動を実施してきた。震災後は、津波被災 地の復興の支援もしている。さらに、現在は従来のまちづくり活動関係者のみでなく、一般市 民を巻き込んだ市民協議会を開催している。
勿来ひと・まち未
・ 震災が大きなターニングポイントであったが、それをどう乗り切り、使うかが各団体で異なる。 NPOザ・ピープル
ピープルでは、社会を支えるファクターとしての役割が拡大し、そのように認識されるように なった。
・ 震災後1年間は、災害復旧活動として、水や食料などの支援物資を配ったが、震災の翌年から、 アート活動などを行ってきた。
NPO Wunder gr
・ いわき市南部には、双葉町の庁舎が建設されており、いわき市南部と双葉町の共生の取り組み を始めた。試行錯誤を重ねている。
勿来ひと・まち未
・ 当旅館は、震災後従業員は休暇としたが3月24日に作業員が入り、12月まで貸切り(部屋提 供のみ)となった。4月から宿泊契約としたが、最近は減少し、今は3人程度が滞在している。
観光まちづくりビ
・ 3.11では水道以外のインフラは大丈夫だったので作業員宿泊の受入れができた。4.11 では電気も止まったが。
観光まちづくりビ
・ 高齢者増により、介護関係は増えている。建設関係で介護事業に参入しているところもある。 田人町商工会
・ 商工会議所でも工業の部分は本所マターだが、小名浜の水産加工業等では、設備投資の動きが 出始めている感触もある。ただし後継者がいないところが多い。寿司屋の息子が別業種に転換 するなどの動きも見られる。
商工会議所小名
・ 廃炉支援やロボット事業等の連携体が増えてきている。 (公社)いわき産学
・ 経済産業省「ものづくり補助金」に対する支援事業が多い。 (公社)いわき産学
・ 代替わりに伴い別の業種で5つの創業があった。新しく来た人の創業はない。 遠野町商工会
・ 震災前からの問題と震災で変わった問題がある。震災後、商工会議所等で新エネルギーの話が あった。アルパインでも原発事故から逃げないとの姿勢の中でNPOをつくり、モニタリングプ ロジェクトを立ち上げた。そこで、市内有力企業が集まって安全安心を標榜し、食材の放射能 検査、道路管理、市営住宅管理等の活動展開を進めた。
NPOいわき環境
・ 河口海岸部の放射線量調査を実施している。独自の海岸調査、観光交流課から調査依頼もあっ た。
NPO いわき環境
・ 環境企画課と連携している。河川の水生生物や魚類のほかに、水質や水流等の調査の依頼があ る。昨年は夏井川水系、本年は鮫川水系を実査している。
NPO いわき環境
・ 当初想定していなかった事業が発生した。震災前から日本財団からの助成金があり、その助成 金2年目に震災が発生し、海岸の放射線量測定等の業務に一部切り替えた。
NPO いわき環境
・ アイディアを現実的にどのように具現化するかという相談も多くなってきている。 (公社)いわき産学
④復興過程での環境情勢の変化
・ 震災からの復興への様々な主体の取り組みの過程で、その成果ともいうべき変化が現れている。 被災した飲食店再起の場として始まった「夜明け市場」でIターンや脱サラ者の起業支援の発生、 四倉では道の駅の復旧による交流人口の爆発的回復、久之浜では仮設商店街に加え常設商業施設 の整備が進む等の進展が見られるほか、市民レベルでも協働体制の強化の兆しが語られている。
・ 一方で、原発事故による避難者の流入と、それへの民間NPO等による対応の意義も語られた。
・ 小名浜港背後地でのイオンモールの立地計画に対しては、工程の遅れへの不満があるものの、 概ね否定的な姿勢ではなく、地元商業者もチャンスと捉える意識が強いようである。
★復興過程での環境変化
・ 道の駅の復旧により、交流人口が爆発的に回復した。震災前30万人いたお客が震災後6万人、 それが今は40~50万人に増えている。交流人口を町に取り込んで商業活性化に結びつけられ れぱよい。商店街も新しいニーズに対応しようとしている。
四倉町商工会
・ 飲食で再起をかけたい方を支援する場づくりとして4年やってきた。14件ほどの飲食店が営 業をしている。最初は被災者支援の側面があったが、Iターンや脱サラ等の新たな起業家を支 援する事例もかなり出てきている。
NPO TATAKIAG
・ 仮設商店街に入っている商業者は、住居兼店舗が多かったので、常設される商業施設には入ら 久之浜町商工会
ない。常設施設に入るのは、飲食店3(ラーメン、カフェ、和食)、酒屋、洋服、スーパー、 美容室、郵便局、商工会が各1。
・ 魚介類は、震災後4年が過ぎ、試験操業で水揚げしたものを少しずつ使えるようになってきて おり、風評被害払拭につなげたい。漁港にはまだ電気も来ていない状況がある。
久之浜・大久地域
・ 行政と市民の対峙関係から、協働体制が育ってきた。太平洋島サミットを景気に、市との協働 プロジェクトを始めようともしている。
NPOザ・ピープル
・ 津波被災海岸林の再生の取り組みについて、県外からのボランティア活動が現在も続いてお り、ボランティア活動がいわき市において根付いていることを実感。
NPO いわきの森
★避難者の流入状況
・ 陸上のスポーツ少年団の運営を見ているが、40人程度の子供たちがいるが1割程度は、原発 避難区域出身者である。
いわき市体育協
・ 避難者の問題は、縦割り行政でクリアできない弊害が明確であり、そこに民間、市民ファクタ ーの役割、存在意義が明確となっている。今までは産学官の外側だったが、ある部分では市民 セクターが明確に見えるようになった。
NPOザ・ピープル
★小名浜イオンモール立地計画に関して
・ イオンモールの出店に対しては、全体として否定的な姿勢ではない。人が集まることによる期 待感の方が大きいようだ。作業者や観光客でホテル等も稼働率が高く、飲み屋も繁盛している。 ホテルがもっとあっても良い。
商工会議所小名
・ イオンモールの出店に対し、地元小名浜の商店街は、活性化の最後のチャンスと捉える意識が 強い。会長以下、各商店会の結束は悪くない。
商工会議所小名
・ 小名浜イオンモールの動向に対しては、勿来地区では比較的冷静な受け止め方だ。 商工会議所勿来
・ 現下の問題は、イオンモールが本来は来年3月にまちびらきの予定だったものが、未だにいつ 着工、オープンかが不明なことだ。出鼻をくじかれた感。汐風竹町通りへの取組等を合わせて やってきたが、今時点で何のコールもなく、困っている。いつできるのか、イオンは出店する 責任がある。行政が先導していくべきだ。市としても強くのぞんでほしい。出店しないような ら損害賠償請求も考える必要あり。
小名浜まちづくり
⑤新しい動きや取り組み
・ 各団体が今後の方向を模索する中で、外からの刺激により新たな動きも見られる。中山間地域 でのIターン移住者の存在や、人材サポーターの参加を得た新たな地域づくり団体の結成、地域 おこし協力隊の移住による遠野和紙の継承の取り組み、植樹活動への企業からの照会などの例が 報告された。民間レベルでの文化活動の活発化、従来からの交流関係の深化(久之浜と石川町)、 新美術館の開設や異業種参入による食品加工工場操業開始(遠野)等も興味深い事例である。
・ 市内唯一の助産所の認定、地域活動支援センター認定、全国プロジェクトへの採択など、NP Oのランクアップが報告されているほか、芸術関係のイベント開催、木育(もくいく)活動への 新たな取り組みなど、民間からの活力増進につながる新しい取り組みの動きが見られる。
★域外からの刺激・流入等による変容
・ 県道289号線沿いで新しくまちづくり活動を始めた人たちがいる。今年開催した「Iターンの 集い」イベントにも出店してくれた若い女性がいる。南大平のアンティーク店「スティーブン」 を経営しており、東京から田人へ移住してきた。その方は、お父さんが北茨城で同じような店 舗を経営している。1歳の子供がいる30歳程度の女性。そういった人たちとの連携を図って いきたいと考えている。
田人地域振興協
・ 南大平地区は、田人以外からの移住者も増えてきている。アンティークの店舗以外にも、飲食 や芸術展示をする「チャンドメラ」があり、植田の夫婦とその子供が、田人で店舗を営んでい る。陶芸を経営している山崎氏、後藤氏も田人で事業展開している。
田人地域振興協
・ 会員は83名 減少はしておらず、横ばい状況にある。新しく千葉の方から入ってきた人もい 田人町商工会
る。地元の人1人使って。
・ 外部からの人材サポーターの参加を得た地域づくり団体である「いわき遠野の未来を創る会」 が結成され、活動をはじめている。これは遠野町地域づくり振興協議会と商工会青年部が中心 となり、首都圏の大手企業の社員(キリンきずなプロジェクト、5名で月1回来訪)、地元金 融機関、県立遠野高校、いわき市に協働による未来志向のまちづくり組織である。
遠野町商工会
・ デザイン事業分野において、情報発信する人・団体が増えている。文化活動も活発になってき ている。
NPO Wunder gr
・ 環境科学会の会員の一部が、環境研究会に参加し、連携して活動(調査活動等)している。 NPO いわき環境
・ 震災後は、企業や団体などの植樹支援を受け付けており、多くの企業などから問い合わせなど があるが、植樹だけで終わらない取り組みにしたい。植樹で終わらせずに、その後の成長過程 も管理支援してくれる団体などと連携している。
NPO いわきの森
・ 震災前から久之浜と石川町の交流があり、震災後にさらに深まった。協議会単位での県内との 交流の例は少ない。
久之浜・大久地域
・ 石川町は、震災直後の3月13日に来てくれて、避難先で炊き出しや毛布、飲料水等の提供を してくれた。
久之浜・大久地域
・ 江戸時代以来の遠野和紙は、伝承者が震災後亡くなったが、今年、技術の習得・継承を行うた め総務省予算で地域おこし協力隊2名が移住した(3年間予定)。彼らが定住すれば新しい関 連商品開発の可能性もある。
遠野町商工会
・ 閉塞感の中で明るいポイントとしては、震災後、呉服店母体で金澤翔子美術館ができたことと、 異業種参入の農業生産法人が見学可能な県下一の規模の食品加工工場の操業が開始されたこ とがあげられる。
遠野町商工会
・ ボランティアセンターとしては、NPOの連携組織(みんぷく)との連携を通じて、ネットワ ークとして活動している。
NPOザ・ピープル
・ 若い世代が自由に自分の意思で動くのは難しかったが、震災後は一挙に動き出した。そうした これまでとは違う価値観で動く若者をうまく動かしていくための土壌をどう作っていくかが 大事だ。
NPOザ・ピープル
・ もともと普通の倉庫だったところを活用して、備品を有効活用し、活動拠点としている。民の 力の横の連携で運営ができている。震災を通じて、企業間の絆が深まった。活動を通じた連携 関係の中で、様々な情報交換ができている。
NPOいわき環境
★新しい取り組み・政策への対応
・ 平成26年5月、市内に唯一の助産所となった。これからも必要とされる地域助産師活動を継 承できるようにしていきたい。
NPO コミューン
・ 平成25年度から「地域活動支援センター」に認定されたので、人件費の面ではほっとしてい る。就労工賃だけでなく、創造表現等への助成も受けることができている。
NPO まごころワ
・ 全国地域で開催されているプロジェクトに採択され、10年間で3,000万円の資金源を得た。 NPO いわきの森
・ 震災を機にファミリーゴルフを開発を、現在福島県県スポーツ振興基金の助成を受け、相馬、 平田村など、福島県の基金を活用し、県内で普及に取り組んでいる。ファミリーゴルフは、事 前の整備が必要なく、簡易な持ち運び用設備と用具で運動可能、家族連れや幼児から高齢者ま で遊ぶことができる。いわき発のファミリーゴルフとして広めていきたい。
NPOいわきFス
・ 木育(もくいく)活動を2-3年前より活動し、女性と子供中心に展開している。切った木を活 用するために、椅子を製作。木工ロクロを使い椅子の足を作ったり、くぎを使ったりしない。
NPO いわきの森
・ 福島県の県立博物館の方々と一緒に、福島芸術関連のイベントとして、アクアマリンで詩人の 和合氏などと一緒に詩をつくるイベントを行った。
NPO Wunder gr
・ 昨年度から「玄玄天」を実施している。 NPO Wunder gr
・ 5,000人も集客があったイベントもある。イベントにはろくでなし子ちゃん、あいたまことさ ん、岡本太郎賞を受賞した人も集まった。いわきに拠点を置きたいという人もいるが、受入れ 団体が少ない面も。
NPO Wunder gr
・ サンシャインマラソンは、一定の効果があったと思う。40代~70代までいる。地域スポーツ は、泉を見習ってほしい。市民体育祭を始めたのは、泉が最初の地域である。その後各地区2
いわき市体育協
万人くらいが団結しやすい人数。
・ 国道から外れているためアンケートなどでは小川地域のイメージはあまりよくなかったので、 復興公営住宅の立地にも困難があった。移り住んだ人は、住んでみれば悪くないと分かってき ている。
小川地域振興協
・ 合併後もいろいろな構想があったがみな断念された。これからどうするか、というところだ。 古川炭鉱跡地(惣滑)も住宅団地になってしまう。
好間ふるさと振興
⑥震災前後を通じた中長期的な変化動向
・ 商工業界では、震災前からの景気動向、グローバル化、少子高齢化、TPP対応など、全国レ ベルの環境変化動向が語られたほか、市民団体等では、スポーツ需要の変化や、地道な活動によ り社会的役割を果たしている報告がある反面、活動のマンネリ化、中山間地域でのイノシシ被害 等も報告されている。
★近年(震災前後を通じた)の変化動向
・ 中小・零細事業者を取り巻く環境は、リーマンショックを契機とした金融危機による景気後退、 過度な円高の進行、それによる輸入品との競合、基幹産業の工場海外移転、少子高齢化に伴う 市場の縮小、その後の急激な円高の進行(120円台)、それによる原材料の値上げ、大型スー パー・コンビニ・ネット販売等の影響、消費税の増税等の流れがあり、今後は、世界経済の動 き、TPPの影響も考えられる。
商工会議所勿来
・ 勿来地区は大手企業4社のもとで、それに関連した工業の部分が多い。目先のことよりも5~ 10年先をみた経営スタンスが多く見られる。
商工会議所勿来
・ 小規模事業者とは、常時使用従業員数20人(商業・サービス業は5人)以下を指し、昨年6 月成立の「小規模企業振興基本法」では、常時使用従業員数5人以下を「小企業者」と規定さ れた。当地区にもこの小企業者が多い。
内郷商工会
・ 自然と人情を良しとして、移住、定住、二地域居住の増加を目指し、他地域へアピールしてき ており、少しずつその結果が良いほうへ表れてきていたところ、震災、原発事故で一変してし まった。
田人地域振興協
・ 勿来地区は、北茨城方面との交流が昔から多かった。 商工会議所勿来
・ 市民会議としては、内郷の各地区での取組を促してきた。その結果、やれるところはやってい るが、できない地区が残っている。
内郷まちづくり市
・ まちづくり組織を結成後15年経過し、マンネリ化しているのが問題だ。原点に戻ってもう一 度活動を見直す必要もある。初期に、グランドデザイン、アクションプラン等を作っていたこ ろは皆が物を言いやすかったが、その後の実際の動きでは意見が言いにくくなっている面もあ る。中活法への取組等も専門的でついていけない面があったり、メンバーが皆仕事を持ってい る人なので集まりにくい部分もある。
小名浜まちづくり
・ まごころワーク第一工房では、団子等を販売するほか、飲食ができる店舗を運営している。店 舗では、障がいを持つスタッフが、接客にあたっており、お客様から「頑張ってね」等と声を かけていただくことが多い。お客様から声をかけてもらえることが嬉しいようで、「いらっし ゃいませ」を言いたくて、障がいを持つスタッフも、接客に出たがっている。
NPO まごころワ
・ 障がい者施設は閉鎖的になりがちなので、レストランで外の人と接し、理解を促し啓蒙する役 割を果たしている。みんなが明るくなってきている。
NPO まごころワ
・ イノシシ被害は震災で特に顕著になったという感じではないが、放射能汚染地域のイノブタ増 やイノシシの人里志向などが重なって被害は確実に増加している印象である。
川前町振興対策
・ 硬球高齢者向きのラージボール(通常よりも球が大きいボール)を使用したスポーツ需要が増 えてきている。
いわき市体育協
(2)団体が抱える問題や課題について
①人口減少・少子高齢化に起因する問題
・ 中山間の地区を中心に、人口減少、少子高齢化への危機感が、具体的数値や状況とともに示さ れている。また、これによる人材確保の困難化、特に若手の人材、労働力の確保の難しさが、地 域づくり団体、NPO、商工団体等を通じて指摘されている。地域づくり団体では活動のための 若手人材、NPOもスタッフ人材、商工業者も事業継続や拡大のための人材の不足、特に交通事 業者での運転手不足等が共通に語られ、復興・再生の足かせにもなっている状況が鮮明である。
・ スポーツや教育分野では少子化による弊害が指摘される一方、各産業分野、活動分野でメンバ ーの高齢化による活力やサービスの低下という悪循環に陥っている状況が浮き彫りになってい る。また、特に地域づくり団体では、活動の中心となるメンバーが固定化している問題も大きい。
・ 各産業分野、NPO活動等では、事業継続に必要な後継者の確保がままならない実態が語られ、 後継者・指導者の育成による事業承継が大きな課題として指摘される。
★人材・人口の確保面の問題
・ 人口減少が著しい。出生数平成17年には年20人だったのが平成26年には年9人となった。 三和町地域振興
・ 田人町は震災前から、少子高齢化、人口減少していた。店を構えて仕事をしている人も、人が いないので商売にならない。昼間歩いても人がいない。
田人町商工会
・ いわき市の旧14市町村のうち医療・介護施設はないのは川前だけであり、このことが人口減少 に一層拍車をかけている状況である。
川前町商工会
・ 新たな人材確保の難しさ。有能な人材をリーダーとして育成していくための人材確保が課題 だ。
NPOザ・ピープル
・ 人材不足が課題。特に広報部門に専属の要員がおらず、表立った広報ができない。 NPO Wunder gr
・ 「デザインの力」を発揮していくことが必要。担い手育成、デザイナーを育成することが必要。 キャスタバ、赤鬼など。
NPO Wunder gr
・ プロジェクトの専従スタッフの確保支援。専従スタッフがいないと、事業継続および発展は難 しいと感じている。
NPO いわきの森
・ 新しい会員の加入は、かなり少ない状況である。若者の参入を促進できていない。 NPO いわきの森
・ 人材を掘り起こす余地はあると思う。 好間ふるさと振興
・ 多様な視点や行動力をもつ「ヨソ者、若者、バカ者」の人材が少なく、これからの地域を引っ 張っていく人材の育成が課題である。
遠野町地域づく
・ 現在の会員は200人程度。もう少し増えてほしい。若い人は自分の仕事があり、なかなか入っ てくれない。高齢者も、年金が65歳からとなって60歳すぎても入ってくれない状況だ。団体 関係も、婦人会等とのすり合わせが問題となる。
久之浜・大久地域
・ 若年人口の減少が著しく、若手会員獲得が大きな課題である。30~50歳代が抜けており、そ の傾向が震災後加速しており、活動の存続が危ぶまれる。若い世代にどう参画してもらい、組 織の若返りを図るか。
久之浜・大久地域
・ 協議会の会員は200人程度だが、会費のみの方も多い。活動は主に、正副会長と役員8人に、 いつも手伝ってくれる人で行っている。
久之浜・大久地域
・ 復興需要や除染作業により作業員が不足するとともに労務費が増加しており、商工会会員の事 業継続や拡大における人員の確保が困難な状況になっている。
好間町商工会
・ 限られた人的資源の中で地区の盛り上げをしなければならない。少しでも魅力の源をつくり、 ファンを作っていければ良いが、ライバルは全国におり、廃業予備軍もいるという現実もある。
商工会議所勿来
・ 労働者の不足があらゆる業種で生じており、相当条件を良くしないと集まらない状況。 久之浜町商工会
・ 商工会の会員は80名。建設関連が多い(大工のほか住宅サービスを含め)。組織率は7割台で 小川町商工会
ある。事業主の高齢化が進み、人口減、地域消費の低迷により廃業に歯止めがかからない。会 員数の減少が著しい。
・ パートを募集しても集まらない、働き手がいなくなるという状況は、起業にも悪循環をもたら す。教育において、いわき市での成功例、光る部分、ものづくり、起業家の紹介などを進める べきだ。
商工会議所勿来
・ 介護事業は高齢化に伴い伸びているが雇用確保がままならず雇用年齢を引き上げて対処して いる。総じて人手不足が生じて、人材確保が厳しい状況となっている。
小川町商工会
・ 観光まちづくりビューローは人が少なくて、県から提案されたりする新しい取り組みにもチャ レンジできない状況なのではなかろうか。
じょうばん街工房
・ 震災の復興需要にかかる大型バス需要、また大型トラック需要により大型二種免許を有するバ ス運転手の確保が以前にも増して困難となっており、会社としても、女子ドライバーの採用や 職員採用後に会社負担で二種免許を取らせるということも行っているが、状況は損益レベルを 超えており、公共交通の確保のため、何らかの行政対等が必要な段階にまで至っているといえ る。
新常磐交通(株)
・ 公共交通に対する行政対応としては、国交省運輸局までが高校を回ってバス会社への就職依頼 を行っているぐらいである。会津、福島と比べてもいわきの状況は深刻である。
新常磐交通(株)
★対象者の減少(少子化等による)
・ 自然減による会員数の減少が続いている。時代に即応した創業や第二創業が急務なのだが、漠 然としていて絞り込めないことも課題である。後継者不在の事業所が多く、家族経営規模の事 業所を中心に廃業が続く。
遠野町商工会
・ 中学校の部活動状況として、体力低下が目立ってきている。年々子供たちの数が減ってきてい て、部活動の維持が難しい。野球も合同チームでないと、いわき市南部の学校単位では、ソフ トボールは特に人数が少なく、合同チームでないと試合ができない状況である。
いわき市体育協
・ 市内の中高生卓球選手が少なくなってきている。従来のように4人編成のチームだけではな く、3人でチーム編成できるような仕組み等で対応している。
いわき市体育協
・ スポーツ少年団については、現在165団体約3,000人の登録がある。しかし数は、毎年数パー セント減少傾向にある。送迎が負担になっている。
いわき市体育協
・ 当地区の課題としては、何といっても人口減に対する対応である。学校生徒が減少して部活も 出来ない状況なのでこれを何とか食い止めたい。そういう意味からは復興公営住宅に期待する ところが大きい。
小川地域振興協
★高齢化・メンバー固定化の問題
・ 高齢世帯が増加しており、それへの対応が課題である。 久之浜町商工会
・ 会員の高齢化が課題である。10年間でメンバーほとんど変わっていない。 NPO いわきの森
・ 会員の高齢化と会員数の減少が課題。 田人地域振興協
・ 林業も高齢化が問題だ。若い人も入ってはいるが。木をもっと使えば値段も高くなる。 田人町商工会
・ 地域振興協議会の構成員も高齢化が進むため、若い人の取り込みを図ることが必要だ。 小川地域振興協
・ 森の案内人にも以前は60人定員に100人や120人の応募があったが、現在は20名定員のとこ ろに十数人といった状況で、「森で学ぼう」という意欲のある人が少なくなってきている。さ らに定年年齢が従来よりも引き上げられてきている社会情勢のなかで、余暇への参加がより遠 のいている感もある。
NPO いわきの森
・ 今一番元気があるのは65歳程度の人。40歳前後が一番元気がない。運動会であれば、ひっぱ る人も高齢者になりつつある。
いわき市体育協
・ 弥勒沢の炭坑資料館も、所有者が高齢で、どう引き継いでいくかが問題だ。 内郷まちづくり市
・ 事業者の高齢化の影響が大きい。6~7割が60歳以上で、平均年齢が上昇していることが懸 念材料。
四倉町商工会
・ 地区内の商工業者の高齢化、衰退が基本的な課題だ。経営資源としての人、もの、金に関して、 幅広い相談が多い。人=会員減、金=収入減、その結果、もの=サービス減という悪循環にな りつつある。
四倉町商工会
・ 個人会員が約150人おり、毎月第4土曜日に全体会議を実施しているが、参加するのはコアな メンバー30~40人程度で固定化している。活動がマンネリ化しているためか。委員会が活動 のベースだが、今後どうしていけば良いかを模索中である。
小名浜まちづくり
・ 市民会議は、役員が若返りしているが、メンバーは固定化している部分もある。そこを打破し て一般市民にもっと門戸を広げていくことが課題である。神輿の担ぎ手も少なくなっている。
四倉ふれあい市
・ たこあげは誰でも参加できるが、運営側の市民会議メンバーが固定化している。 四倉ふれあい市
・ 4つの班(農業班、木工班、森林整備班、プログラム班)の活動も固定化してしまっている。 NPO いわきの森
★後継者問題・若者の減少
・ 飲食店は、商店街の方は高齢化で後継者がおらず、寂れている。支所周辺は特に。衣料関係は みな、店を閉めている。自分も高齢で、後継者がいない。店を閉めざるを得ない。
田人町商工会
・ 商工業者の後継者難、青年部員数の減少が克服すべき課題である。 好間町商工会
・ 地区の商工業者の後継者不足が深刻である。酒屋等もコンビニ化し、葬式の際の酒運びもまま ならない。
三和町商工会
・ 川前町商工会の会員数は平成10年の108名をピークに減少し平成27年には43名になってい る。組織率は91.7%と高いが高齢化の進捗度は市内の中で一番大きい。
川前町商工会
・ 地区の事業者で、後継者がいるのは2割くらいだ。事業承継ができないのは、店舗兼住宅の形 態が多いことも理由。これまではそれが良かったが、将来他者に貸せる形で作っていくことも 重要だ。空き店舗バンクのようなシステムが浸透し、情報共有する仕組みや組織体ができてい けば良いと思う。
四倉町商工会
・ 漁業者は3分の2が辞める見通しである。200人も残らないであろう。現在でも50歳以上が 70%である。
いわき市漁業協
・ 後継者の問題。山の仕事は子どもにやらせない場合が多い。補助金も長続きしない。海外から 人を入れる案もあるが、全国の森林組合は自分たちの人件費が下がるのでみな反対だ。
協働組合いわき
・ 学校支援は平日が多いため、日中勤務していない定年後のリタイア組が指導にあたることが多 い。会員は70代や80代が多く、後継者育成が必要だと感じている。
NPO いわき環境
・ 後継者、指導者の育成。下についている人はついているが、責任を持てる指導者づくりが必要。 いわき市体育協
・ 後継者育成について、助産師が活動領域で、保健指導や思春期、更年期等をサポートする助産 師がいない。専門職やスタッフの正規雇用が出来ず、妊娠・出産・育児に対応できる人材を確 保しにくい。
NPO コミューン
・ 小名浜で活動している若い人の組織とも部分的に連携しているが、市民会議自体に若手が少な く、入ってこない。JC卒業後の入会も消極的だ。会長は定期的に交代しているが、メンバー が固定化しており、50歳前後の会長が引っ張る体制にしなければならない。
小名浜まちづくり
・ 当地区人口は年を追うごとに減少に拍車がかかっている。小学校入学者は平成8年の70人か ら平成27年の39人へと半減している。小学校入学者の対人口比はいわき市全体の値と比較し て特に低下しており、若い子育て世代の市街地流出が推測、懸念される。
遠野町商工会
・ 農家も世代交代の時期を迎えている。次世代が戻ってこない。親だけ残っているところが多い。 好間ふるさと振興
・ 高齢者は田人での生活をしている人が多いが、子供の世帯からは、田人ではなく、勿来、常磐 等の街場に住んでいる人たちが多い。
田人地域振興協