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大学院 マクロ経済分析 Masumi Kawade Site 108gma

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Academic year: 2018

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マクロ経済分析 第 8 回 講義ノート 1/ 3

8 インフレーションと金融経済学の基礎

8.0 今回のアウトライン

A. 通貨の種類とインフレーションが与える影響を理解する B. 貨幣数量説をはじめとする貨幣と実物経済の関係を理解する

8.1 インフレーション

A. 物価 (水準) とはなにか:取引される財・サービスの価格の平均価格 1. 平均価格がなぜ必要?貨幣の価値とは?

2. 法定不換紙幣 (fiat money) と兌換紙幣 B. 物価変化の種類

1. インフレーション:物価水準の低く安定的な上昇 2. ハイパーインフレーション:物価水準の急激な上昇 3. デフレーション:物価水準の安定的な低下

C. アメリカのインフレ (テキスト p.287)

D. 貨幣から抽象的な通貨

1. 通貨 (Money):貨幣 (紙幣や硬貨) を現金通貨、普通預金や当座預金を預金通貨 2. 準通貨 (Quasi-Money):解約して預金に振替可能 (定期・外貨預金や定期積立) 3. 譲渡性預金証書 (CD:Certificate of Deposit):特定の債権者に譲渡可能な預金 E. 現金通貨と預金通貨を M1、準通貨、CD を加えて M3

F. 現金通貨に準備預金を加えてマネタリーベース MB

8.2 貨幣数量説

A. 通貨量 Mt、貨幣 (通貨) の流通速度 Vt、物価水準 Pt、実質所得 Ytとすると、貨 幣数量式は以下のとおり

MtVt = PtYt (8.1)

Ver. 1.1 Masumi Kawade, 2015

(2)

マクロ経済分析 第 8 回 講義ノート 2/ 3

B. 貨幣数量式を対数をとって時間について微分すると

MtVt = PtYt (8.2)

C. 実質面に名目面は影響を与えない (古典派の二分法) が成り立つとして、仮に実 質所得 ¯Ytを外生変数とする

MtVt = PtYt (8.3)

D. さらに、貨幣の流通速度が一定とする (Vt= ¯V)

MtVt = PtYt (8.4)

E. 貨幣が実体経済に影響を与えず、物価のみに影響 (貨幣の中立性命題)

8.3 名目利子率と実質利子率

A. 名目利子率 i:通常の経済活動で観測される表面的な利子率 B. 実質利子率 R:名目利子率から物価変化率 π を取り除いたもの

R= i − π (8.5)

C. フィッシャー方程式とその意義

i= R + π (8.6)

Ver. 1.1 Masumi Kawade, 2015

(3)

マクロ経済分析 第 8 回 講義ノート 3/ 3

D. インフレの費用

1. 名目利子率による契約、実質利子率の変動 (デフレの費用も) 2. 相対価格の歪み

3. 靴のすり切れ費用 (shoe-leather costs) とメニュー費用 (menu costs)

8.4 財政によるインフレ誘引

A. 政府は政府支出 G を、租税 T 、政府債務発行 ∆B、通貨発行益 ∆M から調達

G= T + ∆B + ∆M (8.7)

B. 新たな通貨発行はインフレを引き起こす (貨幣の中立性命題) 1. 通貨価値が減少 → インフレ税

2. インフレ税は貨幣保有者のみへの課税 C. 中央銀行の独立性と政治的圧力

8.5 金融経済学の基礎

A. バランスシート (テキスト 下巻 p.76)

1. 資産、負債、自己資本 (純資産、資本) 2. 準備預金制度と自己資本比率規制

B. レバレッジと価格変動 (10 万ドルの頭金、50 万ドルの住宅、5 万ドルの価格上昇) C. 債務超過 (倒産) と取り付け、システミック・リスク

8.6 次の課題について検討しなさい

A. 直近 10 年程度の 10 年物国債金利、GDP デフレータの変化率を財務省、内閣府 の統計資料から入手して、実質利子率を求めなさい

B. 直近 10 年程度のマネーストックと名目 GDP を日本銀行、内閣府の統計資料か ら入手して、貨幣の流通速度を求めなさい

Ver. 1.1 Masumi Kawade, 2015

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