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平成 30 年度
長野市監査実施方針
平成 30 年3月 28 日 監 査 委 員 決 定
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基本方針
監査、検査及び審査の実施に当たっては、都市監査基準(平成 28 年8月 25 日全国都 市監査委員会承認、同日施行)に従い、本市の財務に関する事務の執行及び経営に係る 事業の管理が、「住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げ ること」及び「常に組織及び運営の合理化に努めるとともに、その規模の適正化を図る こと」という地方自治法の趣旨に基づいて行われているかを主眼とします。
さらに、事務事業について、有効性、効率性、経済性、合規性に着目するとともに、 必要性、妥当性の観点を踏まえ、常に独立的かつ客観的な立場で公正不偏の態度を保持 し、正当な注意を払って監査を実施します。
また、その結果を公表することにより、本市行政の透明性と信頼性を高めます。 なお、平成 29 年地方自治法改正により、「内部統制」に関する方針の策定及び必要な 体制整備が義務づけられるとともに(都道府県・指定都市以外は努力義務)、全地方公 共団体に「監査基準に従った監査」等が義務づけられた(改正法の施行日:平成32年 4月1日)ことを踏まえ、国から示される予定となっている“「監査基準」策定のガイ ドライン”の研究を進めます。
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重点項目
(1)監査の取組方針
ア 監査の重複と監査漏れを避けるため、各種監査、決算審査及び例月現金出納検 査は、相互に、また、包括外部監査とも連携、調整を図り、計画的かつ合理的に 実施します。
イ 市民への情報の提供と説明責任を果たすため、「より透明性が高く、市民に分 かりやすい監査結果の報告」に心掛けるとともに、結果についてはホームページ 等で公表します。
ウ 市長及び行政委員会等が、監査の結果に基づき、措置を講じた場合の把握、分 析を的確に行うとともに当該措置の通知に係る事項をホームページに公表し、監 査の実効性を確保します。
2 (2)重点的監査領域、テーマ
限られた人員で効率的な監査を行うため、定期監査など書類監査の対象とする事項 (試査範囲の限定)については、次の観点を基準とします。
ア チェック体制の状況
① 議会の議決、承認、報告等が必要か
② 会計課の事前審査、職員課・財政課等の合議、契約課による契約、検査課に よる検査等が必要か
③ 会計検査院、県等の監査があるか
④ 担当課におけるチェック体制が整い、機能しているか(補助金等交付事務等) イ 相対的危険性
① 不正の介在する可能性があるか ② 不正・誤謬の発生度数が高いか
③ 不正・誤謬による損害発生額は比較的多額に及ぶか
ウ 重要性・必要性 ① 金額が多額であるか ② 及ぼす影響が大きいか
(3)各監査における主眼点等
ア 定期監査(地方自治法第 199 条第1項及び第4項)【義務実施】
市の財務に関する事務執行が適正かつ効率的に行われているか、また、市の経 営に係る事業の管理が合理的かつ効率的に行われているかを主眼として、2年で 全部局が一巡するよう、説明聴取を実施するとともに、関係書類の監査を実施し ます。
また、本庁以外の支所、保育園、小・中学校及び公民館については、2年∼4 年で全施設が一巡するよう実地監査を行うとともに、その他の市有施設(指定管 理者施設を含む。)については抽出により効果的に実施します。
なお、監査を効果的に実施するために、重点的に監査を行う事項をあらかじめ 定めるとともに、必要に応じて過年度分の関係書類も監査対象とします。
相対的危険性が大きいもの
現金(特に前渡金、概算払金、各種収納金)、預金、一時借入金、 有価証券、物品、契約(特に同一業者による継続契約など随意契約理由 の妥当性)、検査検収、工事の施工、職員手当の給付 など
重要性・必要性が高いもの
工事請負契約、業務委託契約等金額が小さいものより大きいもの、 単なる事務手続や計算間違いよりも違法・不当事項、
3 イ 行政監査(地方自治法第 199 条第2項)
特定の事務や事業の執行を対象として、合理的かつ効率的に行われているか、 法令等の定めるところに従って適正に行われているか監査を行うもので、必要と 認めるときに実施します。
平成 30 年度も引き続き、上記(ア)の定期監査に併せて、行政監査の視点を加 え監査を実施します。
ウ 随時監査(地方自治法第 199 条第1項及び第5項)
定期監査のほかに必要と認めるときに、随時に監査を行うもので、「工事監査」 として実施します。
工事監査については、計画の妥当性と設計・契約・施工等の合規性、効率性、 安全性を着眼点として、関係書類の試査による監査及び現場実査を実施します。 また、財務に関する事務執行等に係る監査は、原則、上記(ア)定期監査として 行いますが、必要と認めるときは、随時実施します。
エ 財政援助団体等監査(地方自治法第 199 条第7項)
市が補助金等の財政支援を行っている団体等について、目的に沿った事業運営 が行われているか、出納その他の事務が適正かつ効率的に行われているか、また、 団体に関する指導監督は適切に行われているか等について、監査を実施します。
監査対象は、別途決定します。
オ 決算審査 (地方自治法第 233 条第2項、地方公営企業法第 30 条第2項) 【義 務実施】
決算書及びその他の関係書類について、計数の確認及び財政状況・経営成績の 分析を行うとともに、予算の執行及び事業の経営が適正かつ効率的に行われてい るか、財政運営が適切に行われているかなどについて審査を行い、意見を付しま す。
カ 基金の運用状況審査(地方自治法第 241 条第5項)【義務実施】
基金運用状況の書類の計数を確認するとともに、基金が設置目的に沿って適正 かつ効率的に運用されているかなどについて、決算審査に併せて審査を行い、意 見を付します。
キ 健全化判断比率等審査(地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1 項及び第 22 条第1項)【義務実施】
健全化判断比率及び資金不足比率の算定は適正に行われているか、また、その 算定の基礎となる事項を記載した書類が適正に作成されているか審査を行い、意 見を付します。
ク 例月現金出納検査(地方自治法第 235 条の2第1項)【義務実施】
4 ケ その他、請求・要求監査等
住民監査請求に基づく監査(地方自治法第 242 条第4項)等について、請求、 要求等があった場合は、その都度実施します。
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監査等の実施体制
平成 30 年度も引き続き、監査委員4名及び事務局職員9名で監査を実施します。 時代に即応した実効性のある監査を実現するため、監査実務の研修・研究に努めると ともに、必要な事前調査を十分に行い、監査の質的向上を図ります。また、より充実し た監査に向けて、調査・研究を深め、前述の「監査基準に従った監査」等、監査方法に ついて随時見直しを図ります。