平成22年度
国東市地域公共交通会議
議
事
(1)国東市の公共交通の状況について
(2)国東市コミュニティバスの路線の改正について
日
時
平成22年11月10日(水)
午後1時30分~
国東市の公共交通の状況について
1.路線バスの利用状況
1‐1 路線バスの運行の状況 【参考資料1】
現在、国東市内では、大分市から、別府市を経由して、本市国東町まで至る国大線を大 分交通が、宇佐市から本市国見町まで至る伊美線を大交北部バスが運行を行っているほか は、市内完結の系統及び、杵築市と本市を結ぶ系統は国東観光バスが運行を行っている。(大 分交通は市内の安岐町から国東町を運行する国高スクール線と、杵築市と国東市の間を運 行する国杵線の一部も担っている。)
1‐2 路線バスの運行補助金 【参考資料2】
平成18年5月から6月にかけての2週間、市内路線バスの利用状況を把握するため、 国東観光バスに協力いただき乗降人数調査を実施し、この調査結果を基に利用者の乏しい 便を削り、運行の効率向上の取り組みを行った。
その結果、平成18年度に約4,850万円あった赤字路線に対する運行維持のための 補助金は、平成約19年度約4,080万円まで削減の達成がなされたが、その後の利用 者の減少の進行に伴い、平成21年度には補助額は4,270万円に増額している。
1‐3 路線バス等の交通機関による小中学生の通学の状況 【参考資料3】 ①学校統合の経過
平成20年4月の安岐小学校を除く安岐地域の4つの小学校の統合、平成21年4月 の国東地域の4つの中学校の統合、国東小学校と上国崎小学校の統合を経て、現在市内 には14校の小学校と4校の中学校がある。
また、高等学校は、平成20年4月に、県立国東高等学校、県立国東農工高等学校、 県立双国高等学校が県立国東高等学校として統合された。新たな県立国東高等学校は、 県立国東農工高等学校を校地とし、双国高等学校は、校地は移転せず県立国東高等学校 双国校となった。
②国見、国東地域の小中学生の通学の状況
国見地域に加え国東地域でも、中学校の統廃合により遠距離となった多くの生徒が 路線バスを通学手段として利用することになったことから、現在国見、国東地域の谷あ いを運行する路線バスはスクールバスとしての役割を担っている。
国見地域では、以前より、国見中学校、伊美小学校、熊毛小学校で、遠距離通学をす る児童・生徒が路線バスの定期補助を受けている。
小学校では、定期補助を受け、路線バスにより通学している児童はいないが、国東小 学校へ統合された旧上国崎小学校区の児童へは、市が市内タクシー事業者へ運行を委託 し、通学の対応を行っている。
③安岐、武蔵地域の小中学生の通学の状況
一方、安岐地域では、以前、遠距離のため路線バスにより通学していた地区の中学校 生徒が、小学校の統廃合に伴い国東市で整備されたスクールバスに混乗するようになっ た。
安岐地域の統合小学校は、安岐町中園に安岐中央小学校として新設された。これによ り、多数の児童が遠距離通学を強いられることとなったが、4台のスクールバスを整備 し通学の対応を行っている。これに伴い、従来、遠距離のため路線バスにより通学して いた安岐中学校の生徒も、このスクールバスを利用することとなった。
武蔵地域には、中学校1校、小学校2校の学校施設があるが、定期補助を受け、路線 バスにより通学している生徒・児童はいない。
1‐4 安岐・武蔵地域での路線バスの乗降客数調査 【参考資料4】
国東観光バス㈱の杵築営業所の管轄となる安岐地域の路線は、平成20年4月より土曜 日、日曜日、祝日は運休となり、かつ、平日も大幅に減便された。しかし、平成21年度 の補助金額は、安岐地域内の谷あいで運行される朝来線に対し497万円、両子線に対し 271万円となった。また、武蔵地域内の谷あいを運行される唯一の系統である丸小野線 も308万円となっている。
これら国東市内で完結される安岐・武蔵地域の路線について利用の現況を把握するため、 国東観光バス㈱の協力のもと、平成22年5月31日から6月11日の間のうちの運行日 10間に乗降客数調査を行った。
安岐地域の諸田地区と安岐中心部を往復する朝来線は、長瀬を経由する系統と経由しな い系統をあわせて1日3往復6便が運行されている。以前は同じく長瀬を経由して国東市 と杵築市を結ぶ朝田線へ乗り換えが可能であったが、同時期のダイヤ改正で現在は利用で きなくなっている。調査での片道1便あたりの平均乗車数は諸田発の下り便で1.6人、 安岐発の上り便で1.5人であった。
国東半島の仏教文化を代表する重要な寺院である両子寺と安岐中心部を往復する両子線 は、梅園の里を経由する系統と経由しない系統をあわせて1日3往復6便が運行されてい る。片道1便あたりの平均乗車数は両子発の下り便で3.0人、安岐発の上り便で2.8 人であった。
2.タクシー営業所及びその他の交通手段等
2‐1 タクシー営業所(平成22年10月現在) (単位:台)
小型車 中型車 大型車 リフト付 合計
香国タクシー 竹田津営業所
国見町竹田津
3715-1 5 0 1 0 6
杵築国東合同タクシー 株式会社
国東町鶴川
606-1 10 3 3 0 16
来浦タクシー有限会社 国東町浜
3820-2 3 0 0 0 3
みなとタクシー 株式会社国東事業所
国東町田深
460 7 2 1 0 10
ムサシタクシー 株式会社
武蔵町古市
578-1 10 3 3 1 17
大分第一交通株式会社 大分空港営業所
安岐町馬場
1292-1 6 6 0 0 12
41 14 8 1 64
※ 「小型車」とは、乗客定員数4名です。 ※ 「中型車」とは、乗客定員数4~5名です。
※ 「大型車」とは、乗客定員数9名でいわゆるジャンボタクシーです。 ※ 「リフト付」とは、リフト付タクシーです。
2‐2 その他の交通手段(各交通機関の便数は平成22年10月31日現在です。)
○ スオーナダフェリー(竹田津港⇔徳山港) (月~土曜日)
竹田津港→徳山港 9便 徳山港→竹田津港 9便 (日曜日)
竹田津港→徳山港 7便 徳山港→竹田津港 7便
○ 都市間高速バス(大分・別府⇔竹田津港⇔徳山港⇔広島バスセンター) 大分→広島 1便 広島→大分 1便
○ 空港特急エアライナー(大分空港⇔大分)
大分空港→大分 33便 大分→大分空港 33便 ○ 空港特急エアライナー(大分空港⇔別府駅前)
大分空港→別府駅前 6便 別府駅前→大分空港 6便 ○ 空港特急(大分空港⇔湯布院)直行便
大分空港→湯布院 9便 湯布院→大分空港 9便
○ 空港特急快速リムジンバス(大分空港⇔中津・宇佐・豊後高田) 大分空港→中津 6便 中津→大分空港 6便
○ 空港特急(大分空港⇔佐伯・臼杵)直行便
大分空港→佐伯 6便 佐伯→大分空港 6便
保有車輌数
事業所名 住所
3.コミュニティバスの利用状況
3‐1 コミュニティバスの運行形態 【参考資料:運行時刻表、運行路線図、公共交通マップ】
「おでかけ号」の愛称をもつ国東市のコミュニティバスは、路線バスが走っていなかった 地域を対象として、平成18年10月より6ヶ月間の実証実験を経て、平成19年度より 本格運行を開始した。
15の路線を設定し、各路線とも週1回のみの運行としている。運行方法は、それぞれ が4つの旧町の中心部に向かう形で、午前8時台に旧町中心部へ 向かい出発、正午前後に 旧町中心部から始発地へ向かって出発し再度折り返し運行を行う。運賃は1回100円の 均一料金である。
実証実験から本格運行への移行時には、平成19年2月の地域公共交通会議にて承認さ れたとおり、以下の改正のほか数箇所のバス停の新設と若干の経路の変更が行われた。
・ 朝の下り便と正午前後の上り便に加え、折り返しの回送となる正午前後の下り便を 乗車可能とする1.5往復運行としたこと
・ 1回の乗車につき100円の均一運賃としたこと
・ 国道213号及び路線バス運行区間以外であれば、バス停以外でも乗り降りできる フリー乗降としたこと
・ 国見地域運行路線の4便は「道の駅くにみ」を新設し全便乗り入れることとし、上 り・下り便とも若干の時刻変更を行ったこと
・ 唯一土曜日運行であった向田・浜陽線を金曜日運行とし、来浦区の区間で県道文殊 山浜線を通行するように変更したこと
・ 武蔵地域の路線の終点であった「武蔵商工会館」を「武蔵隣保館」に変更したこと 本格運行開始後の変更は、平成21年の4月より国東地域内の5路線について、概ね午 前8時過ぎに設定されている始発時刻を10分繰り下げたのみである。
3‐2 コミュニティバスの運行経費 【参考資料5‐①】
路線バスを減便し、その車輌と運転手をコミュニティバスに転換する手法を選択したこ とから、運行は国東観光バス㈱に委託している。
運賃は委託したバス事業者の収入とし、運行経費として契約した額から運賃収入を差し 引いた額を委託料としている。
3-3 コミュニティバスの運行実績 【参考資料5‐②】
系統別に格差はあったが、実証運行期間の平均乗車数は全体で11.7人であった。本 格運行以降後の平成19年度、平成20年度の平均乗車数は9.94人で推移したが、平 成21年度の平均乗車数は9.34人と前年度と比較して0.6人の減少があった。
系統別では依然格差は大きく、平成21年度では、実証実験時より乗車数の多かった向 田・日陽線は23.5人の平均乗車数であるが、乗車数の乏しい大熊毛・小熊毛線は4人 台で推移している。
利用の状況は年2回の市報掲載と、国東市のホームページにより公表している。
以下は、平成21年度の路線別の利用状況で、数値は言及のあるものを除いては朝の下 り便の平均乗車数である。
熊毛・長瀬線(平均:下り5.9人 上り4.8人 上下5.3人)
小熊毛区「面木」~「熊毛港」にかけては0.3人(年間14人)の乗車数しかないが、 次に経由する下岐部区「小江公民館」~「長瀬」にかけて2.9人の乗車数がある。
大熊毛・小熊毛線(平均:下り4.2人 上り3.9人 上下4.1人)
「大熊毛公民館」0.3人、「大熊毛中」1.3人の乗車数があるが、 折り返し地の「大熊毛上」では0.1人(年間4人)の乗車数である。
鬼籠・櫛海線(平均:下り8.3人 上り6.2人 上下7.2人)
鬼籠区「鬼籠上」~「鬼籠下」での乗車数は平均6.0人であり うち始発地の「鬼籠上」の乗車数が1.6人である。
櫛来線(平均:下り5.7人 上り5.4人 上下5.5人)
下櫛来区「宮道」~上櫛来区「高地上」では平均4.1人の乗車数であるが、折り返し 地となる「須川上」での乗車数はなく、「須川下」も年間1人の乗車数である。
深江・寺山線(平均:下り10.4人 上り10.3人 上下10.4人)
深江区「深江上」~「深江入口」の乗車数が平均4.3人、寺山区「上寺山」~「下寺 山」が4.7人で、二つの地区とも同じくらいの利用者がある。
堅来線(平均:下り8.9人 上り8.2人 上下8.7人)
赤松線(平均:下り14.7人 上り13.6人 上下14.1人)
赤松区「上京一」~「地間」の乗車数は平均9.1人である。 続く山吹区「上山吹」~「下山吹」の乗車数は3.7人である。
安国寺区「上安国寺」~「下安国寺」の乗車数平均は、ほぼ0人である。
小原線(平均:下り5.4人 上り3.9人 上下4.6人)
上小原区「七巻神社」~「石生入口」の乗車数が4.3人、黒津区「黒津公民館」~「本 村」での乗車数が0.6人となっている。
下り便で小原区「小原入口」での降車が平均0.9人あるが、上り便での利用者は、ほ ぼ0人である。
次郎丸線(平均:下り8.5人 上り8.5人 上下8.5人)
上次郎丸区「上川内」~「上次郎丸入口」での乗車数平均は7.1人である。
続く下次郎丸区「下次郎丸公民館」での乗車数は1.4人であるが、それ以降の利用者 はほとんど無い。
向田・浜陽線(平均:下り23.0人 上り24.0人 上下23.5人)
向田区「向田上」~「向田入口」での乗車数は平均5.5人である。
浜陽区「浜公民館」~来浦区「瓜生野」での乗車数が10.4人あり、「浜四つ角」~ 「農協支所前」での乗車数が7.1人である。
山口線(平均:下り7.3人 上り7.8人 上下7.6人)
山口区「樋村」~「日陽入口」での乗車数は平均4.6人、「山口公民館」~「会舞」 での乗車数が1.3人である。
下山口区「三郎丸入口」以降、安岐総合支所にかけては小数利用が分散されている。
油留木線(平均:下り7.9人 上り4.3人 上下6.2人)
油留木区では「上油留木上」~「上油留木下」での乗車数が平均5.9人であるが、上 り便では降車が3.3人となっている。
吉松線(平均:下り10.0人 上り7.2人 上下8.6人)
志和利線(平均:下り7.1人 上り6.1人 上下6.6人)
志和利区「小園」~「下志和利」での乗車数は平均5.0人である。 三井寺区「時枝」での利用は0人である。
松ヶ迫・小ヶ倉線(平均:下り20.0人 上り19.5人 上下19.8人)
4.国東市コミュニティバス 利用者聞き取り調査結果
【調査結果の概要】
1.調査期間 : 平成22年9月2日(木)~14日(火)
2.調査対象 : コミュニティバスを利用するため、バス停でバスを待っていた市民。 3.調査方法 : 上記の市民に対して職員が聞き取りをする対面調査方式による。 4.調査場所 : 以下のバス停で正午前後(帰りのバスを待つ時間帯)に調査。
(国見方面) 伊美バス停
(国東方面) アストくにさき、道の駅くにさき(向田・浜陽線のみ)
(武蔵方面) 武蔵隣保館
(安岐方面) 安岐バス停、市民病院(山口線、吉松線のみ) 5.調査項目 : 質問は以下のとおり
①.コミュニティバスをどれくらい利用していますか? ②.利用する交通機関はどれですか?(複数回答可) ③.どこに立ち寄りましたか?(複数回答可) ④.週1回の運行回数をどう思いますか?
⑤.路線バスへの乗り継ぎのため、利用したことがありますか? ⑥.ご要望、お気付きの点はありませんか?
6.調査分析 : 以下のとおり 【参考資料6】
○調査対象者の全体人数(124人)は、乗降調査による平成22年度の8月末時点の昼の下り便 の平均乗降者数(約127人)の近似値となったが、一部の路線では若干の差が生じた。
前回調査は、運賃が無料であった実証運行期間の平成18年11月に実施されている。 問①~④は前回と同じ質問であり、調査方法も前回と同じである。
○男女比は前回調査同様女性が多く、9割以上となっている。
○年齢別では80代以上の方が約半数であり、約9割が70代以上の高齢者の方であった。
○問①で、「2週間に1回」の利用の割合が2割台から3割台へ前回調査よりも微増している。「毎 週」の利用とあわせると全体の9割を占めている。
○問②で、前回調査とほぼ同様の割合であるが、「人に乗せてもらう自動車」が微増している。その ほとんどが家族の自動車である。
○問③で「病院」と「買い物」が多く前回と同じく8割を超えている。 「金融機関」に立寄った割合も前回とほぼ同じであった。
○問④で、利用者の約2割が「週2回」への増便を要望している。
○問⑤で、約2割の人がコミュニティバスから路線バスへ乗り継いだ経験があると答えた。
うち市外への移動が10名、市内の移動が13名であり、同一町内の移動のため乗り継いだ経験 がある人は3名だった。病院(医院)を目的としたと答えた人が多く、具体的に眼科と答える人 が多かった。
○ 問⑥で、各町内の特定の病院、商店での乗降や近辺までの路線の延長に関する要望が多かった (詳細を一覧表に記載)。
コミュニティバス路線の変更
【参考資料7、8、改正路線図】
1.志和利線、松ヶ迫・小ヶ倉線(武蔵地域)の変更
「武蔵隣保館」バス停としている下り便での終点、上り便での始発点を、安岐地域の「市 民病院」バス停へ変更する。
下り便では「武蔵隣保館」経由後、県道国東安岐線を通行し「市民病院」まで運行する が、その間の乗降は禁止する。上り便も同様に「市民病院」と「武蔵隣保館」の間の乗降 は禁止する。
これに伴い「武蔵隣保館」バス停と次の「武蔵公民館」バス停は、「市民病院」行きとな る下り便での乗車、「市民病院」発となる上り便での降車を禁じる。また、折り返し運行し ていた昼の下り便は、2路線とも廃止する。
2.小城線(武蔵地域)の新設
路線バスの走っていない武蔵地域の小城区から武蔵地域の中心部までを、新たにコミュ ニティバスにより運行する。
武蔵地域の路線は安岐地域から回送されたバス車輌で運行されている。志和利線の朝の 下り便始発のためのバス回送時に小城区に立ち寄り、県道国東安岐線を通行し「武蔵隣保 館」バス停を経由して、「武蔵公民館」バス停を終点とする路線運行を行う。また同様に、 志和利線の昼の上り便の運行を終え安岐地域へ回送されるバスにより、「武蔵公民館」発「武 蔵隣保館」経由、小城区行きの下り便を運行させる。
小城区内には路線始発点となる「小城観音入口」バス停と「小城」バス停を新設し、この 二つのバス停間はフリー乗降区間とする。「小城」バス停と「武蔵隣保館」バス停間の乗降 は禁止する。
運行は水曜日のみの週1回、1往復の運行とし、他の路線と同じく1回100円の均一 運賃とする。