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39 最近の更新履歴 北海道都市地域学会

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(1)

北海道都市・会長就任にあたって

矢島 建( 会長・( 株) プランニングワークショップ 代表取締役) 1 住民主体による観光振興方策

市岡 浩子( 理事・札幌国際大学 助教授) 2

URBAN DESI GN FOR WI NTER CI TY 札幌都心部街区の積雪風洞実験シミュレーション

瀬戸口 剛( 北海道大学大学院工学研究科 助教授) 4 北海道都市問題会議報告 基調講演

「イタリアのまちづくりラヴェンナ市を中心に」(ファビオ・ランベッリ氏)の概要

淺川 昭一郎( 企画委員長・北海道大学大学院農学研究科 教授) 7 第 27 回北海道都市問題会議パネルディスカッション報告

渡辺 三省(北海道都市学会企画委員 ・札幌市役所) 8 テーマ解題と開催概要 第 27 回北海道都市問題会議(小樽市)

矢島 建( 会長・( 株) プランニングワークショップ 代表取締役) 10 第27回北海道都市問題会議に関わって

迫   俊 哉 (小 樽 市 企 画 部 ) 11

市民出資の可能性

樽見 弘紀( 北海学園大学法学部 助教授) 13

産業インフラの港から生活文化空間としてのみなとへ

安田 睦子( 理事・( 有) インタラクション研究所 代表) 15

2002 年次事務局記録 17

( 1) 会員動静 17

( 2) 2002 年次運営体制 17

( 3) 2002 年次事業報告 17

( 4) 2002 年次役員 20

( 5) 2001 年次決算 21

( 6) 2002 年次予算 22

北海道都市学会 2002 ∼ 2003 年次役員 23

北海道都市学会 2002 ∼ 2003 年次会務理事・委員会構成 24

「都市学研究」編集規定 25

「北海道都市」編集規定 25

北海道都市学会会則 27

北海道都市学会会員名簿( 2003 年 1 月現在) 30

編集後記

北海道都市学会 2002 年報

北 海 道 都 市

北 北 海 海 道 道 都 都 市 市

北 北 海 海 道 道 都 都 市 市 39 39 39 39 39

P D F 版では削除してあります

(2)
(3)

1963 年に設立された北海道都市学会は来年で 満 40 年になります。人に例えれば不惑の年、迷 い事の多い年回りです。歳を経るにつけて都市に まつわる諸々の状況が移り変わり積み重なって、 都市問題の扱いも既往のパターンでは今一つ対処 しきれず、また御しきれないことも多々ありま す。

近年の理事会で議題に上るものに、新たな学 際的・業際的な学会活動の展開に向けた若手研究 者の活動の場づくりや、学会活動の成果がリベラ ルな評価を得られるよう日本学術会議の登録団体 になるための対応のあり方などがあります。ま た、社会の I T 化に自らのHPを持って適応する など、学会独自のプロジェクトの模索が始まって います。

ここ数年の研究論文テーマの傾向では、都市 に住む人の高齢化は素より、産業経済雇用を含む あらゆる都市基盤のストックの高齢化( ! ) 対策と 市民の意識に関る手法が研究の対象となってきて います。一方、北海道市長会と共催の都市問題会 議は今年 27 回目を迎えますが、当初からのテー マを概観して「都市」から「まちづくり」への系 譜を辿っているのがうかがえます。単に漢字から ひらがな表現に変っただけではなく、都市を扱う のは主に自治体のする仕事であったのが、自治体 もする仕事へと変容しているといえます。都市の 専門家といわれるプロの存在意義は充分ある中

で、市民はこれまでは 素人であったのが、何 時の間にかまちづくり については「プロの市 民」が育っているのを 感じます。

当学会も四十ともな れば惑うこと多々有り と い っ た と こ ろ で す 。 今回の役員体制は、迷 い対策を当面の課題に

据えることにしました。一つには、女性お二人に 理事をお願いし大いに活躍していただくことにし ました。住民参加のワークショップで一番はつら つとして迷いなく前進的なのはご婦人方ですか ら。二つめは、情報技術の高速変化への対応とし て若手理事に委員長になっていただき、また役員 や委員の成せる I T 技をも監査できる若き監事も お願いしました。三つめは、直面する課題対応型 の特別委員会を設営しました。独立した学術登録 団体として認められるため、学際性をもつ複数の 会長経験者にも理事として最前線で活躍していた だけることになりました。一方、各委員会の体制 にはまちづくりの現場で活躍しているフットワー クのよい若手行政マンにも参加願い、業際性と学 際性のある活動が期待されます。会員皆様の積極 的な学会活動への参画をお願いいたします。

北海道都市・会長就任にあたって

矢島 建

( 会長・ ( 株) プランニングワークショップ 代表取締役)

(4)

住民主体による観光振興方策

市岡 浩子

( 理事・札幌国際大学 助教授)

■ 21 世紀型観光振興方策=住民主体の観光振興 の定着

21 世紀型の観光開発として注目を浴びた「サ スティナブルツーリズム」や「エコツーリズム」 に関する諸活動が、我国においても着実に定着・ 浸透しつつある。20世紀の第 4四半期に著しかっ た大量消費やマス・ツーリズムへの反省に基づ き、今後の資源活用の方法として提言されたこの 概念の基本理念は、地域資源の価値の再考、その 価値が損なわれたり枯渇することなく、活用され ながら次世代に継承していける方法を精査するこ と、などにある。また、マス・ツーリズムの概念 では、開発に関与する当事者として圏外に置かれ がちだった「地域住民」が、地域資源の洗い出し、 その価値の査定、そして今後の資源活用の方向や 方法の決定について、最も積極的に関与すべきで あると考える点も、特徴の一つである。つまり、 住民主体による観光振興が考え方の礎となってい る。

■ 地域に風を起こすこと

地域資源の価値を最も知るのは、その住人で あるということは言うまでもない。一方で、その 土地で暮らす人にとってはあまりに当たり前の資 源や環境を、他から指摘されて初めて見出すこと があることも納得できるところである。風土論で は、その土地に暮らす人を「土の人」、外から来 た人を「風の人」と捉え、「風の人」はしばしば その地域の価値を照らしだしてくれるのだと説明 していた記事を読んだことがある。「土の人」が 持つ地域資源に対する価値観は、その地域で長年 培われてきた普遍的なものであり、一方、「風の 人」の価値観は、ともすると固定化したり埋もれ てしまい得るその「普遍的な価値感」に、新たな 視 点 を 与 え て く れ る の だ と い う 。「 こ れ か ら の ツーリズムは、地域に風を起こすことが必要なの だ」とその記事では説明していた。別の言い方を すれば、「土の人」と「風の人」の価値観が重な ることによって、地域資源の価値はさらに高めら れ、その有効利用や保全・継承に相乗効果を生む のだ、ということになると思う。

■ 不可欠なのは地域資源 に対する住民の「理解」と

「誇り」

しかし、前提となるの は、あくまでも「土の人」 が 、 自 ら が 生 活 す る 地 域 資 源 の 価 値 を 認 め 、 充 分

理解し、更には誇りを持ち、その資源の活用が次 世代にも保障されるよう保全していく確固たる姿 勢を持つことである。中でも、地域資源の価値の 理解とそれに対する誇りの構築は最も重要である といえるだろう。いくら価値の高い地域資源も、 地域住民の「理解」と「誇り」が欠如した場合は、 資源の破壊や安売り、あるいは、訪問者( 旅行者) や仲介者( 観光関連業者) に対する媚、更には、訪 問 者 が 持 ち 込 む 文 化 に 同 化 し て し ま う accul ut ur at i on( 文化変容) といったマイナス効果 を生んでしまう。地域資源の価値に対する住民の

「理解」と「誇り」の有無は、その資源を観光振 興に活用しようとした際に、非常にネガティブな シナリオを作る結果となる。今後の住民主体の観 光振興の要となるのは、地域資源に対する住民の

「理解」と「誇り」だといっても過言ではないだ ろう。

■ 資源の活用・継承に必要なもう一つの要素:

「思い入れ」

北海道を一地域と見なし、地域住民が主体と なって北海道独自の資源を次世代に継承していこ うという活動の一例として、北海道遺産構想が挙 げられると思う。同構想については、その準備段 階の設立推進委員会に私も携わらせて頂いたが、 財団として成立した「北海道遺産協議会」が、昨 年秋に、第 1 回選定として25の地域資源を「北 海道遺産」と認定した。選定は、学術的価値など の客観的価値に加え、地域の「思い入れ」や当該 資源がどれだけ地域に根ざし、人々の心のよりど ころになっているか、といった主観的価値を判断 材料として加えたところに特徴があった。この

「思い入れ」は、先の「地域資源に対する住民の 誇り」に共通する要素であり、かつ、資源の次世

(5)

代への継承には欠かせない視点だと思う。北海道 遺産構想は、観光振興方策として着手されたもの ではないが、住民主体で地域資源の活用と保全に 取り組むことが、今後の観光振興には大変重要で あることを改めて確認させてくれたと思う。地域 住民の「理解」「誇り」「思い入れ」、そういった ある種主観的な価値観が、今後の住民主体の観光 振興方策の牽引力になっていくように思う。

■ 草の根レベルの活動が地域を活性化する 北海道遺産構想は、北海道を「地域」と捉え、 その資源の有効活用・次世代への継承の実現につ いてのアクションを起こしたものだが、現在、道 内では草の根レベルの住民主体の観光振興の動き が大変活発化しているように思う。その顕著な例 として、地域おこしやまちづくりを目的とした NPOの急激な増加が挙げられる。NPO法が施行さ れた平成 10年からの現在までに、道内では 344団 体が NPOとして認証を受けており、この数は、東 京、大阪、神奈川に次ぐ団体数だという。活動分 野は 10に分類されているが、「まちづくり」や「環 境の保全」あるいは「文化・芸術又はスポーツの 振興を図る活動」など、複数の分野で、資源の保 全と継承を実現しながら観光振興につなげていく

ような活動が行われている。「まずは住みやすい まちづくりから」という点で、観光と福祉は共通 しているといわれるが、その実践にチャレンジし ている団体が、道内各地で活動をしていること は、「住民主体の観光振興方策」が、草の根レベ ルで推進されている証であり、多い評価・期待で きることだと思う。

■ 課題は諸活動のネットワーク化と産・官・学の 協働

今後の課題は、そうした草の根レベルの活動 をネットワーク化し、情報や意見交換などを活発 化させることにより、活動をより効率化させ拡大 することにあるといえよう。同時に、住民主体で 始まった諸活動を、産・官・学が協働してサポー トしていくことも非常に重要である。具体的に は、「産」は観光関連産業の実務面で、「官」は行 政支援や指導を、「学」は地域資源や観光諸活動 に関する学術的データの構築や諸分析などを、と いったかたちでのサポートが可能であろう。近年 急速に増加してきた草の根レベルの活動が、有効 に、かつ、健全に発展していくためにも、今後の 産・官・学の協働サポートがしっかりと築かれて いくことを期待したい。

(6)

■ はじめに

2001 年 9 月 11 日に起こった、ニューヨーク WTC など同時多発テロ事件の影響で、渡米の飛行機は 突然一週間延期。波瀾含みのスタートとなりまし たが、無事に一年間の研究活動を終えて研究成果 を持ち帰ることができました。

カリフォルニア州立大学バークリー校都市・ 地域計画学科に、客員研究員として 1年間の研修 の機会を得、バークリーで研究生活を過ごしまし た。バークリー校は世界各地から学生や研究者が 訪れる大学で、もちろん日本からも多く来ていま す。

バークレィ校の都市地域計画学科には環境デ ザイン研究所 CEDR があり、先進的な都市デザイ ンシミュレーションを行っていることで世界的に 知られています。そこで、都市デザインシミュ レーションの考え方やノウハウを学び、その技術 をさらに発展させて、札幌の都心部を対象に、積 雪に対応した都市デザインシミュレーションを研 究しました。バークリーでは雪が降らないため、 まわりの人も私がどのような研究をやるのか興味 津々でした。

さらに、都市デザインのシミュレーションな どで、都市の将来イメージを示しながら住民参加 を進めている、サンフランシスコ市のコミュニ ティデザインプログラムの進め方も見学してきま した。

■ 積雪都市札幌における都市デザインシミュレー ション

CEDR 研究所ではおもに、サンフランシスコ市 の都心部を対象として、都市開発に伴うコミュニ ティ環境に及ぼす影響を、日照やビル風などにつ いてのシミュレーションを行っています。シミュ レーションには風洞実験装置および日照シミュ レーション装置が使われており、これらの装置は 都市デザインシミュレーションに用いられるもの としては大型のものです。CEDR 研究所ではカナ ダの都市での実績があり、私はシミュレーション のノウハウを学びながら、札幌の都市デザインに ついて積雪シミュレーションを行うことができま

した。

CEDR 研究所のサンフラ ンシスコを対象としたシ ミュレーションでは、360 分の 1 の模型が使われて いました。半端なスケー ルになる理由は、アメリ カではスケール単位にイ

ンチとフィートが使われているからで、慣れない うちは苦労します。私の研究では、札幌の都心部 18 ブロックを対象に 300 分の 1 の模型を作成し、 大型風洞実験装置を用いて積雪シミュレーション を行いました。

研究の課程では、都市シミュレーション研究 で世界的な権威であるピーター・ボッセルマン教 授に指導と助言をいただき進めました。大変貴重 な経験でした。

積雪シミュレーションは5つのテーマで進めま した。

①同じ容積率の開発でも、高層建築による開 発と、中層建築による開発は、どちらが公 共空間における雪の吹き溜まりや吹き払い の影響が少ないか?

②都市の街区ブロック単位で建物の高さを揃 えると、雪や風の影響を受けにくいか?

③空地に充填的に開発を行うインフィル型開 発は、雪や風の影響をどのように受ける か?また、どのような効果があるか?

④都市の街区ブロックのなかで、どの部分が 雪の吹き溜まりや吹き払いの影響を受けや すいか?

⑤雪に強い究極の都市街区の形とはどのよう

積雪デザインシミュレーション( 高層建築)

U RBAN D ESI G N FO R W I N TER CI TY 札幌都心部街区の積雪風洞実験シミュレーション

瀬戸口 剛

( 北海道大学大学院工学研究科 助教授)

(7)

なものか?

その結果、つぎの点が明らかになりました。

①容積率 500%程度の開発を行う場合(容積 率 400- 600%の開発は高層建築による開発 を行うか、中層高密型の開発を行うかの選 択が可能である)、30 階建ての高層建築で 開発を行うよりも、10 階建て程度の中層建 築で建ぺい率を高めて開発を行う方が、周 辺の道路や歩道などの公共空間に与える、 雪の吹き溜まりや吹き払いの影響が少ない。

②札幌都心部にある建築物の平均階数である 8- 10 階程度で、建築物の高さを揃えると、 街路や中通りなどの公共空間への雪の吹き 溜まりや吹き払いの影響を少なくできる。

③現在、都心部に散在する小規模な空地に、 8- 10 階程度の高さの建築物でインフィル型 の開発を行うと、吹き溜まりなどの積雪の 影響が少ない都市空間が形成され得る。

④冬季の風向に対して直角となる、街区ブ ロックや建築物の角の部分に、吹き溜まり の影響を受けやすく、公共空間などの都市 デザインにおいて注意しなければならない。 また、建築物の上階部分をセットバックさ せることは、吹き溜まりの影響を受けにく くなり効果的である。

⑤雪に強い究極の都市・建築の形は、ピラ ミッド型である。ピラミッド型の建物や街 区の場合、周辺の公共空間への吹き溜まり の影響はきわめて少ない。

こ の よ う に 都 市 の 積 雪 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行った研究は、日本の都市デザイン研究において 初めての試みで、いままでありそうで無かった研 究でした。

この研究は単なる積雪シミュレーションが目 的ではなく、都市デザインに対する一つの理想が あります。ヨーロッパの都市を訪れて、美しい街

並みに感動した方も多いと思います。中世の街 並みを散策するとそれだけで楽しく、また日本 の都市はなぜ美しくないかと考えさせられます。 その理由の一つに、日本の都市では高層建築が いたるところで林立し、中層や低層の建築と混 在していることがあげられます。高層建築が街 並みを壊している一因ではあるのですが、高層 建築を制限するのは単に法律で規制すればでき るものではありません。その地域の風土や市民 のコンセンサスなど、様々な要因が関わって都 市のデザインが成り立っています。私は北海道 の気候風土に着目し、雪や寒さを手がかりに美 しい都市に創り変えられないかを模索していま す。「美しい都市は雪にも強い」というのが私の 結論です。

最後にそのような理想も含めて研究成果を発 表する講演会を行ったところ、都市・地域計画学 科の教授たちは私の研究成果に大変興味を持ち、 ありがたいことに「ぜひ私の主催する学会誌に 投稿してほしい」と誘っていただきました。なに よりもうれしい言葉です。

■ サンフランシスコ市の住民参加によるコミュ ニティデザイン

サ ン フ ラ ン シ ス コ 市 で は 住 民 参 加 に よ る コ ミュニティデザインプログラムが進行していま す。滞在中に 3 種類のワークショップに参加し、 住民参加の手法やコミュニティデザインのプロ グラム手法について学ぶことができました。

近年サンフランシスコ市では Bet t er Nei gh- bor hoodのコンセプトのもと、いくつかのコミュ ニティ改造を進めています。Bet t er Nei ghbor - hood は、UCバークレィ校のジェイコブス教授 が中心になって市民に提示している、コミュニ ティデザインの基本的なコンセプトです。実際 にそのコンセプトに基づき、オクタビアブール バールの計画が進められています。サンフラン シスコ市内の高速道路建設予定地を 180 度転換 し、ブールバールを計画するものです。住民ワー クショップでは、①既存の高速道路の廃止とと もに道路ネットワークの変更と街区ブロックの 大胆な改造、②フブールバール沿いの豊かな歩行 者空間の整備、③ブールバール周辺の建物のデ ザインガイドライン、などが検討されています。

積雪デザインシミュレーション( 中層建築)

(8)

わが国で行われているコミュニティデザインに比 べると、交通計画から公共空間の整備、建物のデ ザインガイドラインに至るまで、計画のプログラ ムおよび住民参加の手法が一体的に取り組まれて

いることは参考になりました。

2 つ目、および 3 つ目は、サンフランシスコ市 の産業構造が転換しつつある現在、製造業の縮 小とIT産業の増加にともなって、SOMA地区や、 Mi s s i on 地区で大がかりな土地利用の見直しが、 住 民 参 加 と と も に 進 め ら れ て い る 、 コ ミ ュ ニ ティデザインプログラムです。①職住一体型の Li ve/ Wor k( 日本ではSOHOと呼ばれる) 型の住宅供 給が必要となっていること、②より柔軟な複合 利用を促す土地利用方策が求められていること、

③住民のための Af f or dabl e Hous i ng の供給、な どが地域に求められていました。わが国でも有 用な議論といえるでしょう。

サンフランシスコ市ワークショップの1コマ

(9)

北海道都市問題会議報告 基調講演

「イタリアのまちづくりラヴェンナ市を中心に」 (ファビオ・ランベッリ氏)の概要

淺川 昭一郎( 企画委員長・北海道大学大学院農学研究科 教授)

存の歴史的建物やそれらに囲まれた空間を使って 独自の魅力ある雰囲気をかもし出しており、これ までの日本の“ 文化行政” の多くが箱モノ建設に 偏りがちだったことと対比されます。また、これ らの国際的なイベントも観光客のための一時的な ものではなく、住民を楽しませ市民の文化的活動 と密接にかかわり文化を育てているとの指摘が強 く印象に残ります。

歴史的文化的空間の中での生活に豊かさを感 じられる一方、特徴的な観光や企業が経済的豊か さに貢献していることが示されました。観光で は、大きなホテルはなく、マスツーリズムには対 応できない代わりに、小グループの自由な行動や 長期的な滞在が市民の生活と融合しながら、個性 的なレストランや商店を支えている点、また、高 い文化水準を背景に特定の分野では一流の世界的 企業として展開する中小企業の存在です。

課題としては、車の増加にともなう交通問題 の顕在化、国際化が進むことによる異文化との対 立や個性の喪失などがあげられました。講演の冒 頭で述べられた、“ 日本ではイタリアン料理の好 きな人は多く日本料理と二つの味覚文化を楽しめ るように、文化の対立を乗り越え違いを共存させ ることによって豊かさが倍になる” との例えは、 まさに都市の独自性を保ちながら、交流による豊 かさを創出するうえでの見本であるかもしれませ ん。

本講演内容は主に生活文化に関した視点でし たが、道内の都市の文化と豊かさを目指したまち づ く り に 大 き な 示 唆 を 与 え る も の と い え ま す 。 ファビオ先生の指摘する、もう一方のより高い芸 術文化を育てるために何が求められるかについて も、今後の重要な検討課題と感じられました。 ランベッリ先生はイタリア出身で日本の宗教・

思想史を専門とされ、文化の意味や異文化交流の 重要性、ラヴェンナ市を事例とした、まちのあり ようと課題を流暢な日本語で講演されました。講 演内容は会議記録に掲載される予定ですが、概要 と印象は次のようです。

“ まちづくり” は日本的な言葉の使い方であっ て、イタリアでは直接該当する言葉はなく、“ まち はどう使われているか” 、“ 地域経済の活性化” に 近いとの指摘から始まり、芸術性の高い文化と日 常生活に現れる文化の区別の必要性も指摘されま した。

ラヴェンナ市はイタリアで最も古い歴史のあ る都市の一つですが、近くにはリゾートや工場も 立地し、特別な都市ではなく、一般性のある都市 としてとりあげられています。スライドに加えて ビデオによる歩きながらの動的な空間の臨場感あ ふれる説明で、会場もラヴェンナの魅力に引き込 まれました。

まず、イタリアの都市では多くの人が都心で 歴史的建物に暮らしており、都心は身近に歴史を 体感し歩く楽しみの場となっていることが紹介さ れました。特に広場の存在ははイタリア都市の特 徴であり、教会、 市場、 警察などが周囲に立地し 様々に利用され、人との出会いの場で“ 生きる空 間” として都市生活にとって不可欠な存在となっ ていることが理解されました。歴史は単に本で学 ぶものではなく、生活の重要な一部となっている との言葉に重みが感じられます。

多くの歴史的建物は、 記念物としてではなく、 住まい、利用することが当然とされ、需要の高さ がそれらの建物の市場価値を高め、保存にもプラ スに働いている背景があります。また、国際的な 音楽祭などのイベントも仮設ステージによって既

(10)

第 27 回北海道都市問題会議パネルディスカッション報告

渡辺 三省

(北海道都市学会企画委員・札幌市役所)

「まちづくり」( 町づくりでも、街づくりでもな い) を市民参加( 村民参加、町民参加の同じ意味で 使われる市民参加でなく) により、進めていくと いう思いを込めた、今回の会議。それを具体化し ていくための方策を皆で論じ合おうという観点か ら、今回は、基調講演に引き続き、パネルディス カッション一つに絞って行いました。文化という 切り口で行う初めての試みでありました。

コーディネーターである安田睦子さん( 北海道 都市学会理事) の司会のもと、話題提供者として 口火を切ったのが水野一郎金澤工業大学教授の

「金沢市民芸術村の紹介」です。大和紡績金沢工 場跡地の倉庫を、外見の老朽化と対照的な内部の インテリアの楽しさを活用して、芸術村を作って いった経過を説明されました。

この中で、水野教授は、市長、市民等の感性が、 市民による企画委員会をとおして芸術村を作るこ との動きを促したこと、金沢の伝統文化に若者の 文化が融合していく過程を、市民参加の中で進め られたこと等について発言されました。このよう にして 1996 年に開設した芸術村は、市民の文化 活動の場として、市役所ではできないような、低 料金で年中無休 24 時間オープンの自主管理・運 営方式となっていることや、このことを市側が受 け入れたことなどを説明。市側が、( 事故等の可能 性を考えたかもしれませんが) お金は出すが口を 出さなかったこと、利用する市民の側は、自分た ちの場としての自覚があって、何の問題も生じて いないとのこと。

水野教授の発言の中で、1997年に通産省( 現経 済産業省) のグッドデザイン賞を芸術村が受けた 際、その受賞理由が、建築のデザインはもとよ り、行政と市民、住民参加等の点からいわゆる

「関係性のデザイン」も認められたことにあると いう点が、特に印象に残りました。

次に、庄司昭夫( 株) アレフ代表取締役社長か らは、「歴史的遺産を活かしたまちづくり」につ いて、古い建物それ自体が個性であること、ま た、歴史的所有物は自分だけのものでなく、した がって看板をつけないなど工夫していること等に ついて、さらに、「お客さんが得する技術−繁盛 エリア」を設けることの大切さと、それに対する 環境汚染を防ぐための適正規模のあり方、また、 20 世紀は欧米の模倣であったが、21 世紀は自分 たちの足元を見つめる、古いものの良さを踏まえ た上での、取組の必要性ということでした。ま た、都市の個性あるエリアの結び付きが、自分の 良さと他所の良さを結び付けていくこと、適正な 観光客数が住民との共存となることなどについ て。

嶌村公宏北海道ワイン( 株) 代表取締役副社長 からは、「北海道のワイン産地としての可能性」 について、過去 10 年の果樹の栽培面積、収穫量 のデータに基づき、ぶどうは減っていないこと、 このこととワインの生産量との相関関係について のお話、機械化による広大な面積での後継者がい なくても何とかできること、北海道版原産地保証 制度により、北海道を世界の産地にしていくこと とその場合には価格競争でなく土地の個性を活か すということでした。

米花正浩( 株) ウィンケル代表取締役社長から は、「「雪あかりの路」をとおして」のまちづくり についての話題提供がありました。本物のコンセ プトを大切にし、バケツキャンドルを通じて、人 と人とのコミュニケーション、町内会の復活を目 的とし、体験ボランティア、市民と職員の協働を 進めるなど、幅広い形での観光、まちづくりを目 指しているとの発言がありました。

ピアニストの中川和子さんからは、「演奏活動 で見た海外のまち並み」についての話題提供があ りました。旅行者より長く滞在したウィーンでの 生活を基に、古いまち並み、建物に活力があり、 驚きや感激があったこと、その一方で、古い建物 で暮らすことの大変さがあったこと、さらには、

(11)

古い建物の中に、ざん新なアイディアやデザイン の共存があり、賑わいのある、楽しい日々を過ご せたことなどの発言がありました。

さらに、コーディネーターとのやり取りの中 から、市民がいろいろなパワーを持っていること を認識すべきこと、市民を信頼すること、文化活 動こそ日本の産業を作る基盤であること、歴史的 に違いのあるものを大切にすることに新しいス トックを加えて新しいまちづくりを行う必要性な どの発言がありました。

その後、コメンテーターが加わり、まず、ラン ベッリ・ファビオ札幌大学助教授は、イタリアや ヨーロッパと比較したうえで、まち、あるいは、 北海道の個性を活かす重要性、まちの活性化など に対して、積極的に発言し、まちとは何か、どう いうものを目指すのか、全体的構想に沿った個々 のまちづくりの中で、参加すること、市民にチャ ンスを与えたまちづくりを行うこと、市役所が中 心になるのではなく、コーディネーター役となる ことの必要性、さらには、教育のあり方を踏まえ た創造・個性が文化的な刺激を与えること、若者 にチャンスを与えることの重要性について発言し ました。

次に、千葉博正札幌大学教授は、豊かさは精神 的なものであること、箱物・文化施設といった装 置産業としての文化は市民に根づいているのかと いう問題提起を踏まえ、自慢げな文化ではなく地 域に根ざした文化が必要であること、さらには、 都市計画の観点から、文化施設を含めた都市施設

の使いやすさ、世代を超えたまちづくりの大切さ 等について発言しました。

船津秀樹小樽商科大学教授は、国際交流の推 進方策、経済の進歩により成熟した社会では、人 生の価値を、もう少しゆっくりしたテンポで、心 の豊さを実感できる都市、世代を超えて一緒に、 時間をかけてまちを作っていくこと、多様な価値 観、生活の質を高める都市づくりの必要性を述べ ました。

その後、会場を巻き込んで、一般参加者から、 金沢市民芸術村のソフトの部分のあり方や課題、 過疎化・市町村合併に向けての文化的アイデン ティティ、新しいものを作るときの古いものを犠 牲とするかしないかの選択、大人たちが進めてい るまちづくりをどうすれば最良の方法で子供たち に伝えられるかなどについて、質疑が行われ、総 括・終了に至りました。

以上、簡単にまとめてみましたが、人と人との つながり・市民を信頼し任せること、歴史遺産を 活かすこと、土地の個性を活かすこと、市民・企 業・行政の協働、海外生活をとおして地元のよさ を再発見すること、地域に根ざした文化を目指す こと、心の豊さを実感できる都市を目指すことな ど、それらはすべて幅広く文化に含まれるものと 考えます。この中から、小樽の進むべき道、ある いは、道内の各都市が進むべき道、厳しい財政・ 経済状況と市町村合併といった自治体をめぐる困 難な環境から、抜け出す多くの示唆を与えてくれ たのではないでしょうか。

(12)

北海道都市問題会議は今年で 27 回目になりま す。初回は昭和 49 年に滝川市で「行政と市民参 加」をテーマに行なわれ、以来四半世紀を過ぎる 実績となりました。その間 26 回に亘って都市に 係る多面的なテーマで議論がなされてきました。 前回と前々回では新しい世紀のまちづくりを大 テーマに、第 25 回の苫小牧市では市民と行政の 協働、第 26 回の網走市では市民と行政の協創に ついて議論がなされました。四半世紀を過ぎる回 を重ねて、ちょうど世紀の変わり目に「∼市民と 行政の∼」というテーマの回帰があったわけで す。

新しい世紀の到来を目前になされた全国市長 へのアンケート調査結果には興味深いものがあり ます( 1999 年、( 財) 都市みらい推進機構) 。四半世 紀先( 2025 年) に向けての現職市長が考える望ま しい都市像とは“ 活力ある都市” であるといって います。その重要な要素として考えているのは市 民の意見が反映され(市民参加)、地域の産業活 動が活発で、まちなかに多くの人が集まる、活気 ある都市がイメージされています。これら要素は それぞれ当都市問題会議で扱ってきたテーマであ りました。市民参加は第 1 回の滝川市で、地域産 業は第 9回の室蘭市で、そしてまちの再生は第 24 回の芦別市でのテーマでした。ただ、この全国市 長への調査にある「自由意見」には大いに興味を 引くものがあります。現職市長がつくりたいと考 える都市の将来像は「全ての市民が生活を向上さ せ、豊かさを実感できる都市」であり、その一つ の要素として、重要なのは「自然と文化が息づく 環境をつくること」でした。豊かさを実感できる 都市をつくるには、生活の質を向上させることだ と言っています。すなわち、自然と文化が息づく 環境をつくらねばならぬと実感しているわけで す。学界ではこの四半世紀のうちに文化がつく学 部名などが増えています。しかし、「文化」にス ポットを当てた都市問題会議はなかったのは事実 です。

これまで都市問題会議では、根のところには 市民と行政というテーマがあって、都市経営、都 市計画、都市開発など都市に係る多面的な問題を

扱ってきました。最近では、人間尺のまちづくり やまちの再生、次世紀のまちづくりなど、『都市』 から『まちづくり』の表現でも覗えるように、都 市を扱うのは専門的な職能であったのから、市民 にも大いに関係するものとの認識が高まっていま す。このことは、嘗ての神中心の中世文化から人 間中心の近代文化にシフトした、正にあのルネッ サンスに似たニュアンスを感じます。

まちづくりを文化で議論するのは今までにな かった切り口です。今回の小樽市での都市問題会 議では、基調講演としてイタリアご出身で文化が ご専門の札幌大学ファビオ・ランベッリ助教授 に、まちづくりを文化と歴史で切っていただきま した。引き続いてのパネルディスカッションには 歴史的遺産を文化の器として、また産業経済の器 として活かしたまちづくり事例、小樽のまちその ものを文化の器として活かしたまちづくり活動、 新たな産業や芸術交流活動を都市の文化へとつな げる事例を5名のパネリストから話題提供してい ただき、議論を展開しました。「金沢市民芸術村」 に初期から携わった金沢工業大学の水野一郎教 授、「小樽の歴史的遺産を活かしたまちづくり」 について㈱アレフの庄司昭夫社長、「小樽雪あか りの路」について㈱ウィンケルの米花正浩社長、

「北海道のワイン産地としての可能性」について 北海道ワイン( 株) の嶌村公宏副社長、そして国際 文化交流や生活者の立場でピアニストの中川和子 様から「演奏活動からみた海外のまち並み」につ いて話題提供をいただき、コーディネーションを 当学会の安田睦子理事が行ないました。コメン テーターには基調講演者のランベッリ先生に加 え、小樽商大の船津秀樹教授と札幌大学の千葉博 正教授にそれぞれ国際交流の視点、中心街活性化 や都市計画の視点で議論に参加していただきまし た。

基調講演からパネルディスカションまでの会 議全体を通してのとりまとめを当学会企画委員会 の浅川昭一郎委員長が行ない、まちづくりのル ネッサンス期にあって「交流と文化から豊かさ へ」つなげる議論と理解を深めることができまし た。

テーマ解題と開催概要 第 27 回北海道都市問題会議(小樽市)

矢島 建

( 会長・ ( 株) プランニングワークショップ 代表取締役)

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前年の 10月に網走市で開催された第 26回北海 道都市問題会議に、小樽市が次期開催市として参 加をして以来、1年間の準備期間があったわけで すが、パネリストの方々の人選など遅々として進 まず、共催者である北海道都市学会、北海道市長 会にはたいへんご心配をおかけしましたことを、 まずお詫び申し上げたいと思います。

5 月に共催 3 者で打ち合わせの機会をもち、第 27 回北海道都市問題会議のテーマや運営方法な どが議論されてから、本格的な準備が始まったと 言えます。テーマの決定にあたっては、まず、普 遍的であること、そして開催市に相応しいことな どが考慮され、「まちづくりのルネッサンス∼交 流と文化、そして豊かさ∼」が本会議のテーマと されました。と同時に、基調講演者の人選は北海 道都市学会が、パネリストの方々の人選は開催市 が担当することなど、役割分担なども決められま した。

確か、会議の運営方法については、まだこの頃 前回と同様に2つのセッションに分ける方式を採 ることとしておりましたが、その後、ひとつの テーマについて時間をかけて議論することも大切 ではないか、また多くの聴衆の方々にも参加いだ だけるということで、パネルディスカッションか ら聴衆も参加できるディスカッション( 会場討議) へと展開することとしたわけです。

ところで、本会議は、民・官・学の 3 者が一体 となって開催するユニークなもので、当日も自治 体関係者はもちろんのこと市民や大学関係者など 250 名の参加があり、その中には多くの学生の皆 さんの姿も見受けられました。

パ ネ ル デ ィ ス カ ッ シ ョ ン が 終 了 し 、 デ ィ ス カッションへと移行した際に会場討議に参加され た多くがこの学生の皆さんたちでした。彼らが手 を挙げて発言する姿を見ていると、聴衆の参加を 目的としたこの方法で会議を運営したことがまち がいではなかったと実感させられました。

さて、基調講演は札幌大学文化学部日本語・日 本文化学科ランベッリ・ファビオ助教授より「イ タリアのまちづくり ラヴェンナ市を中心に」と いうテーマで行われました。教会など世界文化遺

産に指定された建造物がいくつか残された人口 14 万人ほどの中都市をサンプルに講演をいただ きましたが、イタリアと日本のまちづくりの違い が浮き彫りにされました。域内に有名なリゾート 地を有しながらも、観光客に迎合することなく、 歴史的な建造物や施設を生活空間や交流空間とし て残し活かしているまちづくりには、そこに住む 市民のプライドの高さが感じられました。日本で は( 施設を) 造ることを重視したまちづくりを進め る中で個性が失われがちですが、( 施設を) 残し( 文 化や技術を) 育てることを重視したイタリアのま ちづくりは今後大いに参考になるものと思われま す。

パネルディスカッションでは、5名のパネリス トの皆さんから提供された話題をもとに北海道都 市学会の安田睦子理事のコーディネートで進めら れました。歴史的遺産をはじめとする様々な資源 を活用したまちづくりの事例がありましたが、そ の中で、施設の運営に関わる市民やイベントを通 じてまちづくりに関わる市民なども併せて紹介さ れ、市民の活動範囲というものが思った以上に広 がりを持っていることを感じました。「プロの市 民」として、まちや活動を自分たちのものとして 捉えていくことが、豊かさとも結びついていくの かも知れません。

歴史的遺産の活用が話題となった前日の会議 に続き、翌日の施設見学会では本市に残された歴 史的建造物とその活用事例について参加者の皆様 に紹介をさせていただきました。

旧小樽倉庫を活用し、後志広域観光の発信基 地化を指向する「小樽運河プラザ」、国の重要文 化財に指定されている「旧日本郵船( 株) 」、閉店 が決まり新たに金融資料館としての活用が決まっ た「日本銀行旧小樽支店」、そして旧北洋銀行小 樽支店を活用した「無尽ビル」の 4 棟です。

特に、その名が北洋銀行の前身である「小樽無 盡株式会社」に由来する「無尽ビル」は、昭和 10 年に建設された鉄筋コンクリートタイル張3階建 の本市登録( 現在は本市指定) の歴史的建造物でし たが、同行の店舗の統廃合により解体が決まった

第27回北海道都市問題会議に関わって

迫 俊哉

( 小樽市企画部)

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後、地域の有志が声を上げ、「地域のシンボル」と して買い取り保存、そして活用に動き出した事例 です。

運営に関わっているのは、NPO法人「小樽トラ スト協議会」で、維持改修費を賛同者からの寄付 で捻出する新しい試みを目指しております。すで に、一部はまちづくり活動の拠点や市民のイベン ト会場として利用されておりますが、こうした歴 史的に価値を有する建造物が市民の運動と市民の 心によって買い取り、保存できる意義は大きく、

今後の活動展開にも大きな関心が寄せられている ところであります。

会議と施設見学会による2日間にわたる本会議 は多くの皆様の参加をいただき無事終了しまし た。我々の責務は本会議の開催だけではなく、次 期開催市である函館市での本会議が円滑に進めら れるよう事務の引き継ぎを的確に行うことでもあ ります。その責務から解放されるまでにはもうし ばらくかかりそうな感じがしています。

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80 年代の後半から「非営利組織とフィランソ ロピー( 寄付・ボランティア等) 」を研究のテーマ にして市民セクターの問題と向き合っている。そ のせいか多くの知人・友人には NPO法人( 特定非 営利活動法人) の設立ないし運営の専門家と思わ れ勝ちで、時折、法律相談や税制上の相談を持ち 込まれることがある。残念ながら法律家でも税務 の専門家でもない僕は、限られたネットワークの なかから適任者を選出・紹介して、何とかその場 をすり抜けてきた。

ただ自分のなかで、「すり抜け」られない、目 をそらせない問題の所在がだんだんとはっきりし てきている。それは、多くの NPOにはおカネがな い、という厳然たる事実であり、ゆえに NPOの資 金調達能力の向上に研究者としていかに関わる か、という課題の共有化・内部化の問題である。 だからといって実務上の貢献はたかが知れている ので、国内外にアンテナを高くし、どんな小さな 成功事例であっても意味さえ見出し得るならそれ らの紹介に努めること、また、関係諸セクター ( 国・自治体や企業等) を念頭に置きながら政策提 言を不断に行うことが責務と自分自身に言い聞か せている。

今 日 、 な に か と 議 論 が か ま び す し い 行 政 と NPO、あるいは、企業と NPOのパートナーシップ の問題も、実はこの NPOの資金問題を抜きには語 れないのである。経営資源をどちらかが他方に一 方的に依存する関係を前提にしては、「対等な大 人同士」の協働はデザインできない。例えばアム ネスティ・インターナショナルがいかなる一国の 補助金をも受理しないこと、また、例えばグリー ンピースが企業寄付金の受領を遠ざけることは、 このことと無関係ではない。

という訳で、近時、表題の「市民出資」の可能 性に大きく着目もし、期待もしている。

NPOには、大きく分けるなら 3 つの主たる資金 源があるとされてきた。市民個々人や企業等から 広く集める「寄付金」、国や自治体を出処とする

「補助金」、そして自主財源としての「事業収入」 である。これら三大財源に加え、その他種々の財 源からの収入を、いわばポートフォリオを組むよ

う に 組 織 運 営 に 活 用 す る の が NPO経営の難しさであり、 醍醐味でもある。「頼もしい 財布」としての投資家、すな わ ち 配 当 期 待 に 強 く 出 資 を 動 機 づ け ら れ た 株 主 を 持 つ 営利企業とは違い、NPOの財 政 基 盤 は ど こ も お し な べ て

脆弱である。NPO法によって法人格を手中にし、 つづいて「認定 NPO法人制度」( 租税特別措置法等 の一部を改正する法律) によって寄付金に対する 優遇税制をも一応の体裁を整えたかに見える市民 セクターも、こと、この「頼りない財布」問題に ついては未だ妙案を見出せないでいる。

ところがである。札幌に所在を持つ NPO法人北 海道グリーンファンドが 2001 年秋、道北の浜頓 別に総工費およそ 2億 2千万円のデンマーク製風 車を建造、発電に漕ぎつけた、という新聞・テレ ビ等の報道は道内に留まらず全国の NPO、とりわ け事業型の NPOに大きな驚きと「気づき」とをも たらした。

北 海 道 グ リ ー ン フ ァ ン ド は 発 足 当 初 か ら グ リーン電気料金1制度に代表されるさまざまな資 金開発の実験を重ねてきているが、なかでも匿名 組合出資 2 制度による「市民出資」の大成功は、 日々資金繰りに頭を悩ます多くの市民団体にとっ ては目から鱗であった。市民風力発電所の建設に 向けて、広く市民に出資を呼びかけたところ、一 口 50 万円という比較的高額の出資単位であった にもかかわらず、短期間のうちにおよそ 1 億 5 千 万円超の振り込みが実行されたのである。このあ たりの詳細は他者の説明に譲るが、この「市民出 資」の成功は非営利組織という存在の根幹にかか わる2つの大きな問題を提起しているように思え る。

ひとつには、組織の側の非営利性に対する執 着の有無の問題である。非営利性とは、すなわち 余剰の「非分配制約」のことである。敷衍すれば、 NPOは組織としては利潤を追求するが出た儲けを メンバー間で山分けしない、ということである。 非分配制約は、ミッションと並んで、NPOが市民

市民出資の可能性

市民出資の可能性 市民出資の可能性

市民出資の可能性

市民出資の可能性

樽見 弘紀

( 北海学園大学法学部 助教授)

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の「心の投資」( 金銭的な対価を前提としない寄付 やボランティア等) を引き寄せる拠りどころであ る、とされる。非分配であるがゆえに、個人や企 業は NPOに寄付を投げ、市民のおカネを税金のか たちで預託されている政府も NPOに補助金を出 す。ところが、社会性を帯びた出資( = 市民出資) とはいえ、配当と表裏一体の関係にある出資を認 めるとなると非分配制約というNPOの金科玉条を 反故にしかねないし、そもそも NPO法は市民の

「出資」そのものを想定していない。

さらにひとつは、市民の側の非営利性に対す る執着の有無の問題である。北海道グリーンファ ンドの資金調達の成功は、市民は十分な社会的な 意義さえ認められるなら、分配か非分配かといっ た組織原理には頓着しないし、むしろ活動の意 味・意義や結果を重視している、ということの証 左かもしれない。もっと言えば、社会性のある事 業に対する人々の投資動機は、非分配制約やミッ ションのみですっきりと説明がつくほど単純では ないかもしれない。具体的には、公益的な興味と 私益的な興味とは、ひとりの人物に常に同居可能 であるということだ。

最 近 の 著 作 で 「 社 会 的 起 業 s o c i a l ent r epr eneur s hi p」を論じたスタンフォード大学 のディーズは「選択肢の連続性」との表現で、「純 粋にフィランソロピー的」である起業と「純粋に 商業的」である起業との間には実は連続性が存在 する( = どちらか一方だけということはそうそう 多くない) とし、両者の中間にある「ハイブリッ

ド」な起業の存在を指摘する。たとえば、起業の 動機をみてみると、一方でフィランソロピー的起 業が人々の善意に訴え、一方で商業的起業が人々 の自己利益に訴えるのに対し、ハイブリッド型で はその両方のミックスされた動機を持つとする。 また、起業の方法については、一方でフィランソ ロピー的起業がミッション指向であり、一方で商 業的起業が市場指向であるのに対し、ハイブリッ ド型ではミッション指向と市場指向の両方のバラ ンスの上に成り立っているとする。さらに、目指 すべきゴールについては、一方でフィランソロ ピー的起業が社会的価値の創造であり、一方で商 業的起業が経済的価値の創造であるのに対し、ハ イブリッド型では社会的価値と経済的価値の両方 の創造を目指すとする。

一定の社会的な役割を担う団体を「起業する」 ことと「支援する」ことには多くの共通点が見出 し得ると思う。共通点のひとつは、例えば、理念 だけで人は動かない、市民は折々で現実的な判断 を下す、ということだ。また、さらにいうなら、 多くの判断に直感が少なからず大きな役割を持つ ということだ。僕が市民出資に注目する理由もこ のあたりにあり、日々、「公益的なる私」と「私 益的なる私」を行きつ戻りつしている自分にとっ て、社会的出資、およびそれに付随する返礼、配 当の期待は「積極的な妥協」であるような気がし てならない。市民出資は市民セクターの「赤丸急 上昇」的ツールとして以後、観察を要す。

1. 市民が共同で自然エネルギー・ベースの発電所をつくるため、各家庭の月々の電気料金に 5%の「グリーンファンド」 を上乗 せして電気料金を支払ってもらい、この 5%分を積み立てて「基金」として運用しようという制度。

2. 商法( 第 535 条∼第 542 条) に定められた出資の一手法。会社本体への直接出資ではなく、契約に基づいた期間限定の「事業へ の出資」であることに特徴がある。匿名組合出資によって出資者が議決権を持つことはないが、プロジェクトの監視権限を 持つ。また、利益配当において匿名組合出資は優先権を持ち、株式出資は「劣後」に回る。さらに、出資金返還請求権や利 益配当請求権等が法的に担保されている。ただし、商法第 541 条に「・・・但出資カ損失ニ因リテ減シタルトキハ其残額ヲ返 還スルヲ以テ足ル」とあるように、匿名組合出資とてリスクとまったく無縁の出資形態ではない。

3. よって NPO法人北海道グリーンファンドも、自らも出資するかたちで「株式会社市民風力発電」 を立ち上げ、この営利子会社

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小樽港の歴史に、日本の最新技術が使われて いたことを知る人は少ない。北海道の近代化の中 で港は重要な物流拠点としての役割を担ってき た。そして今、観光資源としても位置づけられて いる。しかし、観光と日常的な消費生活の区別が 曖昧になっていく中、今後、みなとはどのような 役割を担いながら、地域に在り続けるのだろう か。

1. 小樽港の歴史∼北防波堤

明治 2 年 7 月、政府は北海道経営のために開拓 史を設置した。その後5年に札幌本府が開かれ、 北海道は開拓史による統一した管轄区域となり、 本格的な開拓が始まった。開拓史は明治維新の基 本方針であった「旧来の陋習を破る」大改革を計 画し、機構の簡略化や官営工場の民間払下など、 次々に実施していった。中でも明治 20 年の出港 税の廃止は、北海道と本州間の商取引を完全に自 由化し、その後の小樽繁栄に大きな影響を及ぼし た。これと併せて進めた港湾、道路、鉄道、燈台 などのインフラ整備が、小樽港の要港としての地 位を確かにし、商港としての発展の礎を築くこと となったのである。

このとき、小樽港が近代港湾都市へ歩み出す ことを可能にした出来事がいくつかあった。国際 貿易港の指定、北防波堤の構築、運河築造であ る。特に、北防波堤は、欧米留学から帰国したば かりの札幌農学校教授広井勇の指揮の下、調査も 含めて 10 年近い月日をかけて完成された。この とき広井はいくつかの日本初、世界でも最新の工 法を試みている。防波堤の築造には、捨石を基礎 に方塊を斜めに重ね、その上にコンクリートを敷 設し、防波堤の脇に方塊を置き捨石を守るという 工法を考案した。また、耐久性と費用削減のため に、当時ドイツで採用されていた火山灰を混用し たコンクリートを用いたのも我が国初であった。 広井公式と呼ばれる波力の算定式は、つい最近ま で全国の防波堤設計に使用されていたという。波 間に見え隠れする幾何学模様の防波堤は、土木学 会賞受賞、北海道遺産の指定を受け、100 年後の 今も小樽港を守り続けている。

産業インフラの港から生活文化空間としてのみなとへ

安田 睦子

( 理事・( 有) インタラクション研究所 代表)

2 . 小 樽 の 発 展 に 果 た した運河の役割

今では小樽の代名詞 にもなっている運河の 誕生は、明治 29年に小 樽港の埋め立て事業が 商港としての都市建設 に重要であると、町総 代人達が自ら調査を始 めたときである。

再 度 の 設 計 変 更 の

後、最終的に許可されたときは埠頭岸壁方式と なっていた。しかし、広井勇が貨物の移転やはし け利用の荷役方法からも埋立運河の方が有利と指 摘し、埋立式に決まった。が、当時の運河は掘削 か堀込み式が通常であったため、荷役労働者の雇 用のために、運河方式を採用したという説もあ る。その後も紆余曲折があり、調査から着工まで に 18 年、さらに完成までには 10 年の歳月を要し た。この運河で、100 トン積のはしけ 40 隻が同時 に係留できる岸壁となり、港岸はすべて倉庫用地 として利用できるようになった。ハシケ船約 600 隻と沖仲仕1, 300人が働く荷さばき場が完成した 時は、国際港として神戸や門司などに次いで全国 6 位の主要港となっていた。

第 2次大戦後、産業政策の転換、貿易の自由化、 高度経済成長とともに室蘭や苫小牧など太平洋岸 にある港の重要性が高まり、小樽港はその地位を 譲ることとなった。

しかし、昭和 40 年代の始め、再び運河をめぐ る論争が起こった。小樽臨海港線の建設に伴い、 運河の保存埋立論争が繰り広げらたからだ。最終 的に、一部埋め立てられたものの甦った運河は、 今では全国だけでなくアジアからの観光客をも集 め、その数は年間 500 万にものぼるという。運河 は百年余りの歴史の中で、小樽の地域経済を転換 させる役割を担ってきた。そして、そのきっかけ をつくったのは、地元の人々の熱い論争だったの である。

(18)

3. 生活文化空間としてのみなと

さて、モノよりこころの時代と言われて久し い。消費低迷と言われる中、癒し系のものやサー ビスの売れ行きは好調という。現代の人々は、よ り多くの金銭を獲得するために単に生存している だけではなく、くらしを充実させたいとか、生き がいを求める面が強くなっている。それを満たす ものに人々は反応し、消費行動に移す。企業も政 府や自治体も「モノやカネよりも、人間のこころ に触れるような生産、消費、行政」を考えざるを 得ない時代に入っている。

人々がこころを豊かにしようとするとき、ど のような方向を求めるであろうか。職場や地域の 自然、あるいは社会的な環境そのものを快適なも のにつくり変えて、働きやすく生活しやすい空間 を実現しようとする。少なくとも、それを選択す る方に向かうだろう。

週末に小樽へドライブする人が多い。平日で も仕事を早く終えて、小樽の夜景を見ながら食事

をする、こんな時間を求める札幌市民が増えてい るという。これはもはや観光というより、日常の 生活行動圏の中に港がある。みなとの夜景は、昼 間の喧噪も、賑々しい看板や旗も、電線も暗闇に 隠して、静かな灯りだけを見せてくれる。

では、小樽市民にとって、みなとはどのような 意味をもつのだろうか。住民ならではの思いや憩 い方、使い方があると思う。

文 化 経 済 学 を 唱 え た ラ ス キ ン と い う 学 者 は 、 土地や空間、地域の価値に 2 つの意味をもたせ た。一つは、土地の有用性、つまり食糧やエネル ギーをつくりだすー経済活動の資源としての利用 活用性である。もう一つは、観察や思考の対象と なって知力を生み出す潜在能力、つまり、歴史的 文化的な雰囲気を醸す空間となり、人間のくらし の豊かさを高める力である。成熟社会を迎えた 今、港にも生活文化空間としての新たな価値を見 いだす時代に入っている。

小樽運河プラザ展望台からの眺望

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2002 年次事務局記録

( 1) 会員動静(2002.1.1∼2002.12.31、以下敬称略)

○入会(届け出順) 正会員A

森 傑 (北海道大学大学院)

高本 清彦(日本データーサービス(株)) 山下 昌彦((株)プランニングワークショップ) 鍛冶 貴宏(苫小牧市)

大嶋 謙一(北海道立岩見沢高等養護学校) 筑和 正格(北海道大学)

今村 洋一((有)地域再編プロジェクト) 妻神 卓八(深川市)

学生会員

森 邦恵(北海道大学大学院) 小西龍一郎(札幌国際大学大学院) 唐箕 環 (札幌国際大学大学院)

○退会(届け出順) 正会員 A

伊藤 正義(北海道工業大学) 澤田 康夫((株)宅地開発研究所) 板垣 恒夫(北海道大学)

正会員 B 大野 和雄 学生会員

アユーブ・レイラ(北海道大学大学院)

○口数変更 正会員 C

網走市(2口→1口)

○逝去 名誉会員

足達富士夫(福山大学)

○会員種別変更 正会員 B→正会員 A

亀畑 義彦(北海道教育大学旭川校) 学生会員→正会員 A

鈴木 聡士(札幌大学)

松岡 佳秀(北海道立北方建築総合研究所) 米谷 一心((株)ドーコン)

日野 智 (日本学術振興会特別研究員)

○2002年次会員数(2002年 12月 31日現在) 正会員A 87名

正会員B 23名

正会員C 17団体(27口) 学生会員 15名

賛助会員 4団体(8口) 名誉会員 10名

計 156名(170口)

( 2) 2002 年次運営体制(敬称略)

論文委員会

委 員 長 内田和男(理事) 委員長代理 加賀屋誠一(理事)

委 員 後藤元一、千葉博正、石本正明 企画委員会

委 員 長 浅川昭一郎(理事)

委 員 佐藤馨一(理事)、渡辺三省、石塚 弘、 矢島 建(会長)

編集広報委員会

委 員 長 隼田尚彦(理事)

委 員 佐藤克廣(理事)、佐藤敏雄(理事)、 中原 宏(理事)

特別委員会

委 員 長 眞嶋二郎(理事)

委 員 内田和男(理事)、加賀屋誠一(理事)、 杉岡直人(理事)

総務委員会

庶務担当 中原 宏(理事) 会計担当 安田睦子(理事)

( 3) 2002 年次事業報告

① 年報、論文集、ニュースレターの発行

・ 2001 年次学会年報「北海道都市 38」の発行

(2002 年 3 月)

・ 2002 年次学会論文集「都市学研究 39」の発行

(2002 年 10 月)

・ 「ニュースレター第 1 号」の発行

(2002 年 5 月)

・ 「ニュースレター第 2 号」の発行

(20)

・ 2002 年次学会年報「北海道都市 39」の発行

(2002 年 3 月予定)

② 第 40回研究発表会

・日時:2002年 9月 7日(土)13:00∼16:40

・会場:札幌市立高等専門学校 階段教室

・発表論文

【一般研究論文】 7編(※未講演

「北海道の都市システムと人口移動」 平澤 亨輔(札幌学院大学) 「観光対象地における集客要因に関する基礎研究 −食活動を視点として−」

唐箕 環(札幌国際大学大学院) 中鉢 令兒(札幌国際大学大学院)

「まちづくり資源形成における地域理解学習の役 割に関する事例報告」

今 尚之(北海道教育大学旭川校) 大西 真一(北海道教育大学大学院) 森脇 啓好(旭川市神楽公民館館長)

「札幌市における業務交通量の分析手法の課題」 劉 志鋼(北海道大学大学院)

岸 邦宏(北海道大学大学院) 佐藤 馨一(北海道大学大学院) 「苫小牧駒澤大学の立地に伴う経済効果分析調査 −平成 10年度苫小牧市産業連関推計表による

経済効果分析−」

鍛冶 貴宏(苫小牧市) 「協働型地域ビジネスを活用した都心活性化対策

に関する研究」

今村 洋一(地域再編プロジェクト)

「北海道における公共投資の経済評価」 森 邦恵(北海道大学大学院)

【奨励研究論文】 2編

「積雪地の戸建住宅敷地における緑豊かな居住環 境形成に関する研究−敷地の接道側土地利用状

況の分析−」 岡本 浩一(北海道大学大学院) 眞嶋 二郎(北海道大学大学院) 野口 孝博(北海道大学大学院) 「地下鉄駅における乗降位置を考慮したエレベー ターの設置に関する研究」

岸 邦宏(北海道大学大学院) 日野 智(日本学術振興会特別研究員) 佐藤 馨一(北海道大学大学院)

③ 2002 年次奨励研究

「札幌都心再開発事業における都心活性化施策の影 響分析に関する研究」

・劉 志鋼(北海道大学大学院工学研究科)

「拡張寄与ルール法(ECR法)による札幌都心部の魅 力度評価に関する研究」

④第 27 回北海道都市問題会議

・開催月日 2002年10月24日(木)、25日(金) ・会 場 小樽グランドホテル

・主 催 北海道都市学会、北海道市長会、 小樽市(開催市)

・後 援 財団法人北海道市町村振興協会 ・テ ー マ 「まちづくりのルネッサンス ―交流と文化、そして豊かさ―」 ・基調講演

〈講 師〉

ファビオ・ランベッリ氏(札幌大学助教授) 〈演 題〉

「イタリアのまちづくり ラヴェンナ市を中 心に」

・パネルディスカッション 〈パネリスト〉

水野 一郎 氏(金沢工業大学教授) 庄司 昭夫 氏

(株式会社「アレフ」代表取締役) 米花 正浩 氏

(株式会社「ウィンケル」代表取締役社長) 嶌村 公宏 氏

(北海道ワイン株式会社代表取締役副社長) 中川 和子 氏(ピアニスト)

〈コーディネーター〉

安田 睦子 (北海道都市学会理事) 〈コメンテーター〉

船津 秀樹 氏(小樽商科大学教授) 千葉 博正 氏(札幌大学教授)

ファビオ・ランベッリ氏(札幌大学助教授) ・総 括

淺川 昭一郎

(北海道都市学会理事・企画委員長)

⑤学会セミナーシリーズ 1

・開催日 2002年 12月 3日(火)

・会 場 ホテルニューオータニ札幌

・主 催 国土交通省北海道開発局 ・共 催 北海道都市学会

・後 援 北海道、札幌市、北海道経済連合会、

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