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資料置場 コマの物理から素粒子のスピン

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Academic year: 2018

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全文

(1)

電流と磁場

https://sites.google.com/site/komaspin/ 粒子の磁気モーメント 磁気共鳴

(2)

電流と磁場

電流が流れると磁場が発生する。

電流

電流に沿って

みた図 電流の向き

“右ねじの法則”

(3)

回転電流と電磁石

電磁石

回転電流 → 磁気モーメント (磁石の強さ) 電流

回転電流があると、中心に強い磁場が形成される。 回転電流の足しあわせ = コイル → 電磁石

(4)

電流ってなに?

導線

電流

+V ーV

電流: 一秒間に流れる電荷量

※ 電子の電荷 負(-1.6×10-19 C)

→ 電流の向きと逆向きに運動する

※ 電子の電荷 負(-1.6×10-19 C)

→ 電流の向きと逆向きに運動する

素電荷 1.6×10-19 C 素電荷 1.6×10-19 C

(5)

回転電流 = 電荷の円運動

r Q v

L = r ×m v

円運動する質点 → 角運動量

v = r ×

磁場の方向は 角速度ベクトル(角運動量ベクトル) の方向と同じ

(6)

物質の階層構造

太陽系のおおきさ 約60億km 太陽の大きさ 約70万km

~ 1万分の1 太陽系のおおきさ 約60億km 太陽の大きさ 約70万km

~ 1万分の1

(7)

物質の階層構造

分子

電子

原子核

陽子

中性子

クォーク

10

-10

m

原子

10

-9

m

10

-14

m

10

-15

m

ナノメートル

Å(オングストローム)

10

-18

m

原子の大きさ 10-10 m 原子核の大きさ 10-14 m

~ 1万分の1 原子の大きさ 10-10 m 原子核の大きさ 10-14 m

~ 1万分の1

(8)

物質の “素” となる粒子: 素粒子

原子

原子核

電子

陽子 中性子

クォーク

アップ チャーム トップ ダウン ストレンジ ボトム

素粒子・基本粒子 質量

電荷

スピン(磁気的性質)

(9)

原子核が人の大きさ程度とすると

原子:  山形市 (~20 km) 原子核: バランスボール (1 m)

陽子・中性子: ソフトボール (10 cm)

電子・クォーク: 花粉以下 (< 0.1 mm)

原子核が人の大きさ程度とすると

原子:  山形市 (~20 km)

原子核: バランスボール (1 m)

陽子・中性子: ソフトボール (10 cm)

電子・クォーク: 花粉以下 (< 0.1 mm)

原子の大きさ 原子の大きさ

原子核の大きさ 原子核の大きさ

陽子の大きさ 陽子の大きさ

クォークの大きさ クォークの大きさ

(10)

“電子”の磁気モーメントの大きさを考える

=S I = r

2

Q v 

電子の電荷(素電荷 e )が、半径 r の円環に一様に広がり、

速度 v で回転している。 r Q

v

I =Q v S =r2

電荷: 一様に分布 全体: 素電荷 e

2  r Q=e

電荷を運ぶ粒子: 電子 質量: m

e

=r

2

 e

2  r v

= e

2 m

e

r m

e

v

L=r m

e

v

B

= e

2 m

e

電子の角運動量

ボーア磁子

 =9.28×10

−24

JT

−1

粒子の質量を挿入

回転電流

 = B L e

(11)

“電子”の磁気モーメントを考える

球体については輪切りにして、それぞれの成分を考慮にいれればよい。

= Q

2 m

電荷も持つ粒子が『回転』すると、磁気モーメントを持つ

(12)

いろいろな素粒子の磁気モーメント

電子

粒子の磁気モーメント

質量 m

電荷 Q

磁気モーメント

粒子の磁気モーメント

質量 m

電荷 Q

磁気モーメント = Q 2 m

e

=9.284770131×10

−24

JT

−1

N

=3.1524512326 45×10

−8

eVT

−1

1 eV=1.602176487 40×10

−19

J

B

=5.788381755579×10

−5

eVT

−1

p

=2.792847356 23×

N

p

=4.464×10

−27

JT

−1

n

=−1.91304275×

N

n

=−3.065×10

−27

JT

−1

陽子

中性子

m

e

=9.1094×10

−31

kg

m

p

=1.6726×10

−27

kg

m

n

=1.6749×10

−27

kg

Q =−e

Q =e

Q =0

(13)

中性子の磁気モーメント

n

=−1.91304275×

N

n

=−3.065×10

−27

JT

−1

中性子

m

n

=1.6749×10

−27

kg

Q =0

= Q

2 m =0

中性子は電気的に中性の粒子だけれど、磁気モーメントを持つ事が分かっている

(14)

電子の磁気モーメントと磁石:磁性

磁石の中では

電子の磁気モーメントの向きが 揃っている

(15)

磁場の中で電流が流れる時に働く力

電流の向き

力の向き 磁場の向き

電流

磁場

フレミング左手の法則

(16)

それでは “電流” とは?

導線

導線の中を “電子” が移動する = 電流

もう少し厳密に定義すると

1秒間に1クーロンの電荷が移動する = 1アンペアの電流が流れる

電流=電荷の移動方向

磁場

※ 電子は負の電荷をもつ

→ 電子の移動方向は電流とは逆

※ 電荷を持つ粒子が磁場によって受ける力 ローレンツ力

(17)

磁場中での荷電粒子の運動

ローレンツ力

F

B

Q v

F=Q v × B

v

F

速度と垂直方向にかかる力

→ 向心力

→ 円運動

一様な磁場中では 磁場への巻き付き

B

(18)

Image Science & Analysis Laboratory, NASA Johnson Space Center

(19)

物質中での電子の振る舞い: 反磁性

磁石は互いに逆向きになろうとする

物質中の電子も同様

電子の磁気モーメントは互いに打ち消しあう 外部磁場がかかると

物質内の電荷が円運動 外部磁場と逆向きの誘導磁場が生成

磁場と逆向きの “磁石” になる = 反磁性体

(20)

特別な反磁性体: 超伝導体のマイスナー効果

通常の物質は抵抗値を持つ

→ 誘導電流は減衰

→ 非常に弱い反磁性

超伝導体 = 抵抗値 0 特殊な物質なら

常伝導でも浮遊する

(21)

磁場中での磁気モーメント

-

+

r

F

磁気モーメント = 磁石 = 双極子 双極子

2 点あるいは 2 極が反対符 号の電荷や磁荷をもつ物体 または系

例) H2O 双極子

2 点あるいは 2 極が反対符 号の電荷や磁荷をもつ物体 または系

例) H2O

- +

・ 電極 電場の中で力を受ける

・ 磁極 磁場の中で力を受ける

磁気モーメントは、磁場の中では磁場と平行な向きをとろうとする

※ コンパスが北を指す

(22)

物質の磁性: 常磁性

対を組まない電子を持つ物質が存在する

※ 外殻電子(荷電子)が奇数のもの

普段は緩やかに対をつくって、 全体として磁化 = 0

磁気モーメントは、磁場と平行に なろうとする。

→ 対を組まない電子の磁気モーメントが揃う

→ 外部磁場と同じ方向に磁化する

(23)

物質の磁性: 強磁性

常磁性

強磁性

外部磁場を消しても、 電子の磁気モーメントの 向きが崩れない

※ 磁石

(24)

粒子の磁気モーメントと歳差運動

固定点

z

x

y

重力

重力によるモーメント → 歳差運動

r

F

N=r× F

・ 磁気モーメント ~ 粒子の自転の角速度

・ 角速度(角運動量)をもつ剛体が外力によるモーメントを受けると

※ 机の上においた独楽の運動

→ 独楽の歳差運動

『磁気モーメント』が歳差運動を起こす

ラーモア歳差運動

 = B L e

(25)

歳差運動のおさらい

F

N

L

  L

N  = d L

dt

歳差運動の角速度

= ˙ ∣d  L∣

∣ L∣ =

∣  N∣

∣L∣

歳差運動の周波数

f = ˙

2  =

1

2 

∣d L∣

∣L∣ =

1

2 

∣  N∣

∣L∣

(26)

粒子の磁気モーメントと歳差運動

r

F

N=r× F

B N = ×  B =

B

L× B

= ˙ N

L=

B

B =

eB

2 m

e

電子の場合

ラーモア歳差運動の周期

(27)

電子の仲間: レプトン

陽子・中性子を つくる粒子

電子の仲間 ニュートリノ

力を伝える粒子

質量を生み出す粒子

(28)

ミュー粒子

電子の親戚

質量は電子の約200倍

太陽風 電子

宇宙空間 陽子 → 大気と反応して、ミュー粒子をつくる

※ スパークチェンバーで観測できる

(29)

ミュー粒子の崩壊

ミュー粒子

電子

ニュートリノ ニュートリノ

ミュー粒子は電子とニュートリノに崩壊する

崩壊により生成される電子は、

“ミュー粒子の磁気モーメント”の軸に沿って放出される

(30)

BNL E821 ミュー粒子

g-2

実験

電磁石をつかって

ミュー粒子を周回させる 電磁石をつかって

ミュー粒子を周回させる

周回途中で、ミュー粒子は崩壊

→ 電子を一定方向へ放出

→ 放出された電子の数を検出

→ 検出器は内側に固定

→ 磁気モーメントの軸が検出器の方向を向いた時計測 周回途中で、ミュー粒子は崩壊

→ 電子を一定方向へ放出

→ 放出された電子の数を検出

→ 検出器は内側に固定

→ 磁気モーメントの軸が検出器の方向を向いた時計測

磁場中のミュー粒子は ラーモア歳差運動を行う 磁場中のミュー粒子は ラーモア歳差運動を行う

電子検出器 電子検出器

(31)

e

検出器

磁場中で、素粒子の1つ “ミュー粒子” が

ラーモア歳差運動を行っている直接的な測定結果 磁場中で、素粒子の1つ “ミュー粒子” が

ラーモア歳差運動を行っている直接的な測定結果

(32)

他に外力が働くと

F

N

L

  L = N n  t

f

n

適当な力を横向きにかけてあげれば、 軌道角運動量の変化ΔLを0にできる。

横向きの力は向心力 = 中心

= 力は回転する

ΔLが0になる = 見かけ上外力 F がなくなるようにみえる

(33)

ラーモア歳差運動と磁気共鳴

電荷の回転 = 磁気モーメント

磁気モーメントをもつ物体は、磁場の下で歳差運動を行う ラーモア歳差運動

ラーモア歳差運動をしている回転体に

横向きに回転磁場を与える: ラーモア周波数の回転磁場 μB

→ 外部磁場を打ち消す

・ 歳差運動の軸が次第に傾き

・ 最終的に歳差運動の軸が反転する。

・ 反転は歳差運動の周期と横向き磁場の 周期が同期した時に起きる

横向きの磁場

= 外部から与えるエネルギー

→ 外部からエネルギーを与える事で、磁気モーメントの向きを反転

(34)

磁気共鳴

核磁気共鳴: Nuclear Magnetic Resonance NMR

核磁気共鳴: Nuclear Magnetic Resonance NMR

たとえば水

水素原子核 = 陽子 陽子の磁気モーメント

オシロスコープ

振動磁場

~ 回転磁場 外部磁場

振動磁場からエネルギーを吸収

→ 磁気モーメントが反転

→ 磁気共鳴

振動磁場の周波数が

ラーモア周波数と一致するとき 共鳴に伴う信号の吸収が起きる

(35)

NMRの活用例: 磁場強度測定

振動磁場の周波数が

ラーモア周波数と一致するとき 共鳴に伴う信号の吸収が起きる

ラーモア周波数

f = ˙

2  =

1

2   B

磁気モーメントは物質によって決まる

信号吸収の起きる周波数 → 外部磁場の強度が分かる

NMRプローブ 磁場強度の測定に利用される

(36)

電子スピン共鳴: Electron Spin Resonance

http://www.jeol.co.jp/technical/ai/esr/esr-an/er-070002/2.gif

電子磁気モーメントの反転にともなう 吸収スペクトル

吸収スペクトルから 物質中での

電子の束縛状態を調べる事が出来る

(37)

磁気共鳴の応用

MRI Magnetic Resonance Imaging 核磁気共鳴画像法

水素原子の原子核(陽子)の磁気共鳴を利用し、

体内の主に水(H2O)の分布を精密に測定 → 断層画像を得る

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3b/MRI_brain.jpg

2003年 ノーベル生理学・医学賞

ポール・ラウターバー、ピーター・マンスフィールド 核磁気共鳴画像法に関する発見

http://pothi.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_1e8/pothi/m_me_mri_1.jpg

参照

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