北長瀬みずほ住座再生事業
審査講評
平成 29 年 7 月 25 日
岡山市(以下「市」という。)は、平成29年1月23日に公告した北長瀬みずほ住座再生事業(以 下「本事業」という。)について、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する 法律」(平成11年法律第117号)第8条の規定により、本事業を実施する民間事業者を選定したの で、同法第11条の規定により客観的な評価結果(審査講評)を公表する。
1 審査の経緯及び結果
(1)改善技術提案書の審査
市は、各入札参加者の改善技術提案書に記載された内容が、岡山市都市・消防政策審議会(以 下「審議会」という。)において意見を聴取したうえで決定した落札者決定基準に示す必須項 目を満たしているかについて審査を行った。その結果、全ての入札参加者の提案内容が必須項 目を満たしていることを確認した。
(2)技術評価点
市は、各入札参加者の提案書に記載された内容について、岡山市北長瀬みずほ住座再生事業 総合評価一般競争入札参加資格等審査委員会(以下「審査委員会」という。)において落札者 決定基準に基づき技術評価を行い、その評価の妥当性について審議会において意見を聴取した うえで決定した。
なお、技術評価にあたっては、審査の公平性を期すため、参加企業名は伏せ、受付グループ 名にて評価を行った。
技術評価の得点化方法
評価 判断基準 得点化方法
A 当該評価項目について特に秀でて優れている 配点×1.00 B 当該評価項目について秀でて優れている 配点×0.75 C 当該評価項目について優れている 配点×0.50 D 当該評価項目についてわずかに優れている点を認める 配点×0.25 E 当該評価項目について優れている点が認められない 配点×0.00
技術評価点
住 宅 整 備 に 関 す る 技 術 評 価 − − − − − 6 点 − 3 . 0 0 点 − 1 . 5 0 点
① 事 業 全 体 の 基 本 的 な 考 え 方 6 点 C 3 .00 点 D 1.5 0点 2)施設計画・ 設計に関する事項 2 6 点 − 1 2 . 0 0 点 − 8 . 2 5 点
①配置計画及び外部動線計画に関する事項 5 点 C 2 .50 点 D 1.2 5点
②住棟内及び住戸内計画に関する事項 4 点 B 3 .00 点 C 2.0 0点
③景観計画、地域への配慮に関する事項 4 点 D 1 .00 点 D 1.0 0点
④環境負荷の低減、 省エネルギーへの配慮に関 する事項
3 点 C 1 .50 点 C 1.5 0点
⑤ユニバーサルデザイン、バリアフリーに関する事 項
3 点 C 1 .50 点 D 0.7 5点
⑥安全・ 安心に関する事項 3 点 C 1 .50 点 D 0.7 5点
⑦長寿命化につながる耐久性の確保やメンテナン ス性の向上への配慮に関する事項
4 点 D 1 .00 点 D 1.0 0点 3)建設・ 工事に関する事項 6 点 − 1 . 5 0 点 − 1 . 5 0 点
①施工計画に関する事項 3 点 D 0 .75 点 D 0.7 5点
②近隣・ 住環境への配慮に関する事項 3 点 D 0 .75 点 D 0.7 5点 4)移転支援に関する事項 3 点 − 0 . 7 5 点 − 1 . 5 0 点
①実施体制 3 点 D 0 .75 点 C 1.5 0点
5)業務全般に関する事項 9 点 − 4 . 2 5 点 − 3 . 7 5 点
①実施体制 2 点 D 0 .50 点 D 0.5 0点
②事業工程に関する事項 2 点 D 0 .50 点 D 0.5 0点
③リスク管理計画 2 点 C 1 .00 点 D 0.5 0点
1 ) 事 業 全 体 の 基 本 的 な 考 え 方 に 関 す る 事 項
評価項目 配点
もも
グループ
ぶどう
グループ
評価 得点 評価 得点
(3)住宅整備に係る価格評価点
市は、技術評価審査の後、開札を行い、入札書に記載された入札価格が許容価格(消費税抜 き)の範囲内であることを確認し、落札者決定基準に基づいて価格評価点を算出した。
住宅整備に係る価格評価点
グループ名
もも
グループ
ぶどう
グループ
入札価格 3,150,000,000円 3,350,000,000円
価格評価点 50点 47.01点
入札価格の得点化方法
※ 小数点第3 位以下は四捨五入し、小数点第2 位までを求める。
(4)用地活用に係る提案貸付料の価格評価点
市は、技術評価審査の後、開札を行い、入札書に記載された年間貸付料総額が貸付料基準額 以上であることを確認し、落札者決定基準に基づいて提案貸付料の価格評価点を算出した。
用地活用に係る提案貸付料の価格評価点
グループ名
もも
グループ
ぶどう
グループ
年間貸付料総額 14,881,212円 9,727,752円
年間貸付料総額(換算後) 14,881,212円 15,008,126円
提案貸付料の評価点 9.92点 10点
価格評価点 = 50 点 ×
当該入札価格 最低入札価格
年間貸付料総額の得点化方法
※ 小数点第3 位以下は四捨五入し、小数点第2 位までを求める。 得点 = 10 点 ×
提案された最も高い提案貸付料(換算後の額) 当該応募者の提示する提案貸付料(換算後の額)
(5)総合評価点
各入札参加者の技術評価点及び価格評価点を合計した総合評価点は以下のとおりであり、市 は最も総合評価点の高かったももグループを落札者に決定した。
総合評価点
グループ名
もも
グループ
ぶどう
グループ
代表企業 積水ハウス株式会社岡山支店 株式会社フジタ広島支店
構成員
中国建設工業株式会社、株式 会社綜企画設計岡山支店、株 式会社不二ビルサービス、社 会福祉法人岡山千鳥福祉会
株式会社荒木組、株式会社ゲ ン設計、大和ハウス工業株式 会社岡山支社、大和エステー ト株式会社、大和ライフネク スト株式会社、株式会社和楽、 社会福祉法人ちとせ交友会、 大和リビングマネジメント株 式会社、大和リビング株式会 社中国支店
住宅整備に関する技術評価点
(配点50点)
21.50点 16.50点
用地活用に関する技術評価点
(配点20点)
10.50点 8.50点
住宅整備に係る価格評価点
(配点50点)
【入札価格】
50点
【 3,150,000,000 円】
47.01点
【 3,350,000,000 円】
用地活用に係る提案貸付料の 価格評価点
(配点10点)
【年間貸付料総額(換算後)】
9.92点
【 14,881,212 円】
10点
【 15,008,126 円】
総合評価点
(配点130点)
91.92点 82.01点
結果 落札
2 審査講評
岡山市は、昭和26年に公営住宅法が施行されて以来、国の補助を受けて、当時の市民ニーズで あった市営住宅の戸数の確保に努めた後、居住水準の向上にも努めているところであり、現在ま で約5,600戸の市営住宅を供給している。
しかし、これまで供給してきた市営住宅の一部については、老朽化が進行していることや、現 代の居住水準への適合面や、また入居者の高齢化が進む中で、安全性やバリアフリー性に問題を 抱える等の課題が生じている。
一方、市営住宅の建替にあたっては、限られた財源の中、効率的に事業を実施していく必要が あり、設計・施工・工事監理・入居者移転支援・解体を一括して実施するなど、民間事業者の技 術的ノウハウを最大限活用可能な事業方式を採用し、コスト縮減と良好な住環境の提供の両立を 図っていく必要がある。
本事業では、竣工後55年以上が経過し、老朽化の進行が顕著である北長瀬みずほ住座について、 民間事業者の技術的ノウハウを活用した建替を行っていくものである。
本事業の民間事業者の募集・選定にあたっては、総合評価一般競争入札を適用し、民間事業者 の創意に富んだ高度な技術提案が得られることを期待したものであり、応募のあったグループの 提案はこれに応える民間のノウハウの発揮された提案であった。以下、各グループの提案の講評 について述べる。
【1.事業全体の基本的な考え方に関する事項】
・両グループとも岡山操車場跡地整備事業の一画としてふさわしい、西側の公園からの連続した 緑、豊富な緑化や、防災備蓄倉庫の設置などの防災面へ配慮された提案があった。快適に行き交 いや交流が可能な提案として、2棟の住棟の中央にエントランスホールを設け、最上階に展望広 場を設けるなど共用部分をより充実させる「もも」グループの提案が、高い評価となった。
【2.施設計画・設計に関する事項】
・「配置計画及び外部動線計画」、「住棟内及び住戸内計画」、「ユニバーサルデザイン、バリアフリ ー」、「安全・安心」については、歩車分離を図りつつ東西南北への自由な歩行者動線と、雨に 濡れずにゴミ捨てが可能な屋外通路に設けられたシェルターなど利便性に配慮された動線計画、 エレベーターは集中配置とし各階には独立したエレベーターホールを設けベンチを設置するな ど入居者間の交流を促進する提案、弱視者への配慮及び動線とたまり場の区別として床材の色
【4.移転支援に関する事項】
・業務の統括管理を行う総合住宅メーカー、移転説明会の実施や入居者への調査聞き取り等を行 う不動産仲介業の豊富な実績をもつ住宅仲介企業、入居者スケジュール管理や引っ越し管理・ 調整をおこなう新築マンション等の豊富な入居者移転実績をもつ建物管理企業が、それぞれの 得意分野を活かした移転支援を行うとの提案があった「ぶどう」グループが高い評価となった。
【5.業務全般に関する事項】
・「実施体制」「事業工程」については、両グループとも実績豊富な企業で構成されており、事業 工程も事業の実施に支障のない計画であった。
・「リスク管理計画」については、全てのリスク懸念事項に対し各業務を担当する構成員だけでは なく、代表企業が共にリスクを負担するなど具体的な提案のあった「もも」グループが高い評 価となった。
・「地域の活性化」については、両グループとも県・市内業者の積極的な活用など地域貢献の具体 的な提案があり、高い評価となった。
【6.用地活用の整備運営に関する事項】
・「事業の実施方針・コンセプト」、「導入機能の内容」、「事業実施体制・実績」については、市の 課題を的確に捉え、施設規模や職員の配置計画等に優れる保育園を提案した「もも」グループ が高い評価となった。
・まちづくりへの貢献・地域協働については、両グループとも地域との交流イベントの開催等の 具体的な提案があり、高い評価となった。
以上