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宇宙の科学IIA/IIB (2017.12. 8 宇宙農業) コメント

  山下 雅道

カップ麺に入っている大豆ビーフ

ペヤングの特売の無いときに購入するペヨングには「肉」が入っていないのですこし寂しくな ることがあります。動物性食材を含めなくてはならない理由は コレステロールなどの脂質分 子が健康のために必要なことです。植物からは油、動物からは脂で、分子がそもそもことなる のです。ヒトが摂取しなくてはならないタンパクについてみると 植物でも動物でもアミノ酸 に分解すれば20種類の同じ分子なのです。タンパクはアミノ酸など小さな分子に分解してから でないと消化管(や皮膚)から体の中にとりこむことはできません。コラーゲンも皮膚に塗っ て保湿効果などは期待できますが、消化管をとおる前には分解されてしまうのです。

中野に素食を提供する料理店あり

山下は台湾を訪問した時には  豆腐ほか堪能したのですが 素食は経験無しでした。いちど 試してみたいと思います。素食ほどではありませんが、「雁モドキ」は 雁肉の味はそもそも 知らず どれほど「モドキ」なのか判断できませんが、それじたい美味しい食材として発展し ましたね。

アリ塚のアリは味がなかった

シロアリのアリ塚については チンパンジーが道具である「釣り竿」をつかって狩りをするこ とが知られています。大きなアリはからだに含まれるギ酸を酸味として料理に使うことがある ようです。コロンビア土産の大きなアリをあげたものを食べたことが山下にはあります。

カイコの缶詰は独特の味がした

缶詰よりは市場で売っている茹でたサナギや私達のつくるカイコのほうが数段おいしい。糸を 紡ぐ時のサナギの匂いは、マユを高温にして保存できるように乾燥させるプロセスで きつい 匂いをつくる酵素を失活させるのが不十分だったからで、適切な処理をすると匂いはほとんど でません。

昆虫を食べるのは抵抗がある

ヒトが昔に何をたべていたのかは 糞の化石からわかります。多くの人たちがシラミもふくみ いろいろな種の昆虫を食べていました。大きな動物を狩りするよりは簡単に昆虫を採集できた からでしょう。

ウシやマグロを食べるなというのは極端すぎる 関連業界の人も困るだろう

日本では寿命がのび また人々は幸せな顔をしているといわれます。医療と栄養がよくなった というのがその説明です。山下は人生70年過ごしてきたのですが、周りの食文化は激しく変わっ てきました。今は肉にせよ魚にせよ野菜にせよコールド・チェーンが整備されて生産地から売 り場の棚まで生鮮品が運ばれます。塩味のつよい干物や漬物は後退して美味しい食材がてには いります。1980年代にアメリカで暮らしていたときは、ウシ肉のステーキが「ごちそう」でし た。知り合いになった米国の宇宙飛行士は日本にまでチェーン展開したステーキハウスに関係 していたり、日本にもどってもごちそうにはシャリアピン・ステーキといった時代もありまし た。そのうちエコ食材がほめられるようになり、有機農業とかムシのついた野菜が美味しくて

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安全なのだということになりました。ちょっとこのごろ有機野菜は後退しています。そのかわ りにオーガニック・コットンとか衣料のほうに有機がでてきました。遺伝子操作した農作物に ついては世界的に拒否反応がでましたが、(日本では依然拒否強いですが)ヨーロッパは安全 性が確認されたものを受容するように変わっています。

持続可能な文明を志向するのなら、穀物肥育のウシや資源管理に失敗しているウナギ・マグロ を食べない選択をするというのはそれほど難しくはないでしょう。

関連業界ということですが、山下人生70年でみてきたことを述べると、石炭はさかんな採炭が され事故もおおかったのですが 国内の鉱山は1960年をさかいにして すべて閉ざされまし た。石油化学工業ほかは公害で大変となり、チッ素酸化物など公害を克服した自動車産業にも 電気自動車への転換の掛け声がかかっています。「鉄は国家」という標語もわすれられ、半導 体産業もいまは陰りをみせています。漁業は国による資源管理の失敗もあって従事するのは年 寄りが多く風前の灯びといわれます。右肩あがりの経済発展は遠い昔になっています。みなさ んのこれからの人生を何にかけたら良いのか、年寄りのひとりとして心配にみています。 ヨーロッパではジャガイモを食べる

ジャガイモは原産がアンデスの高地です。アンデスにはたくさんの種類のジャガイモがそだっ ています。「凍みいも」にして貯蔵し 穀物のように収穫してから時間がたっても利用していま す。ヨーロッパ(特に北部)は地力が貧しかったのですが、ジャガイモが16世紀にもたらされ てから、ヨーロッパでその利用がはじまり 食料の供給が安定しました。ドイツやアイルラン ドではジャガイモ食が盛んです。

ウナギ、マグロ、ウシがだめなら 何をたべるのがよいか

陸上では栽培農業にほとんど転換したのに 海では依然として狩猟・採集、さらに資源管理に も失敗している現状があります。ホタテ、カキ、ホヤなど太陽光で光合成する一次生産者のプ ランクトンを食べて育つ動物、海産魚なら せめてイワシがよい。淡水魚ならドジョウほかの 養殖魚がよい。人間が食べない植物を食べて育つ昆虫、雑草を食べて育つヤギやヒツジ、放し 飼いでミミズなど食べて育つニワトリ。ただし総じて肉は硬いので キウイ、タマネギ、パイ ナップルのすりおろしに含まれるタンパク分解酵素で肉を柔らかくして食べる。

ブタやウシでも 穀物で肥育せずに人間が食べられない草などで育てたものならOKです。肉を 柔らかくするのに穀物、脂肪が霜降り状態になるように穀物を発酵させてつくるビールを飲ま せて病気にしたウシを食べるのはやめてください。

昔からカイコは食用されていたのか

カイコはなんといってもマユからシルクの糸を取る家畜として発展してきました。糸の取り方 には2つあって、

1)1500mくらいの一つながりのシルク・ファイバーを湯にいれたマユから引き出して巻き取 る。何本も撚って糸にする。

2)マユの端を切ってサナギを出して マユをお湯につけて柔らかくし、引き伸ばして真綿に する。真綿から太い糸を紡ぎだす。

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1)の方法では マユを高温の空気で熱して中のサナギを乾燥させて干物にします。そうしな いとマユのなかでサナギが変態してマユを破り蛾が出てきてしまう。糸取りの終わったときに 干物のサナギが出てくるので それを料理して食べられてきました。

2)では 生きたサナギが得られるので、それを直ちにゆでてそのまま食べるか 調理して食 用してきました。

カイコの匂い

カイコのサナギは 死ぬと 体組織を暗色にして強い匂いを出すような酵素があります。この 酵素は高温にすると変性して 匂いや暗色はつくりません。昔はマユをどのようにしたら中の サナギを腐らせずに保全できるかを研究する 乾繭学という学問があったとのことです。宇宙 農業では生きたままか即冷凍したサナギを熱湯のなかに入れるか 高温の油で炒めることで  この酵素を失活させています。この処理をすると 匂わず 明色のままで とても美味しい。 カイコのほかになにがあるか

栄養ということでは 食品成分表に記載のある昆虫はイナゴ、ハチくらいかもしれません。カ イコについては各種栄養成分を分析したことがあります。昆虫でほかに検討したのはエビガラ スズメ(ガ)、ハエ、ミールワームなどです。昆虫食ということではとても多くの種が食用さ れています。

カイコは立派なマユ(シルクのタンパク)をつくるために作出された品種なので、サナギに含 まれるタンパクはマユのタンパクの分少ないのです。エビガラスズメは大きなサナギを作りま す。

ハエは増殖する速度がとても速い。沖縄でミバエを撲滅するために不妊化した雄のミバエをた くさん殖やして放す事業があり、きれいな餌で養殖したウジを送ってもらったことがあります。 まだ食べたことはないが アミノ酸はおいしいアミノ酸が多く含まれていたといいます。 ウジといえば 火星での葬送をどうするかも検討しました。土葬であれば土に還して物質循環 のループに入ります。野田秀樹の劇で「パイパー」というものが 松たか子、宮沢りえなどの キャストで上演されたことがあります。 https://www.nodamap.com/site/play/35 火星で の人肉食がプロットでした。ニューギニアでは1960年くらいまでご遺体を遺言にしたがって遺 族が食べることがされていて、遺族のうち女性に脳が遺言されることが多く その女性が罹病 する狂牛病のような病気の原因が脳であるのがわかって禁止されました。鳥葬とかいろいろあ りますが、昔の中国の一地方ではご遺体をウジが食べる葬送があったそうです。火星でいきな りそのウジを食べるのは抵抗ありということで、ウジで魚を養殖しようという提案にもなって います。

生死をさまよう状況でもムシを食べるのは無理

第二次世界大戦で日本の兵士の死亡原因の多くは、兵站が切れての餓死だたっとのことです。 ジャングルのなかで敗走しながらムシを食べた兵士は生き残り、食べれなかった兵士は餓死・ 病死することが多かったとの話を聞きます。

栄養バランスのために昆虫を食べないといけないのか

ある一つの食材ですべての栄養要求をみたすことはできません。動物性の食材からしかとれな い脂質やビタミンB12とかがあり、いろいろな食材をくみあわせないといけません。

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学校教育で昆虫食を取り入れ なれるのがよい

そのとおりとおもいます。日本で寿命がのびたのは 栄養と医療がよくなったといわれます。 学校給食はとても優れている。問題は昆虫食材へのアレルギーの有無をどのようにして確認す るかです。ソバへのアレルギー検査では簡単な皮膚へのスタンプがあるようです。おなじよう なものが昆虫食材でできないものかと考えています。

芸術祭でサソリを食べたがエビのような形で抵抗感は薄かった

カイコのサナギの形もよくみれば近縁のエビ・カニ(の中でも変わった種の腹)に見えなくも ありません。

昆虫食べるなら脚をもいでおくと 見た目抵抗感なくなる

カイコのサナギには脚がでていません。我が家の子供達にイナゴを食べさせるときには、イナ ゴを食べると脚が早くなる といっていたので、パリパリする食味の脚は外せない。

昆虫を粉にすれば 昆虫食も抵抗がなくなるだろう

確かにそうなのだけれど、一度突破するとパッと開ける。高校生に生きたカイコの幼虫を手の ひらに乗せてもらうと、さわりごこちがいいのもわかり 友達に見せてまわる。

奮発して高い肉を食べるのは 楽しみであり 生きがいでもある

哺乳動物、鳥の肉の味は ウシ、ブタ、マトン、ニワトリ、アヒルなど限られています。ジビエ といってもウサギ、シカ、イノシシなどが加わるくらいです。(あまり美味しくはない)シチ メンチョウもあるかな。

それと比べると、海や池・川からの産物は値段も高いし 味も様々なので(資源管理に気をつ けて)楽しんでください。

ヒトもウシやマグロの味センサーを壊して 食材を変えさせればよいのに

生態系の食物連鎖で一段あがるごとにバイオマスの利用効率が10%になるというのが 限られ た食料資源にあっては問題です。それを理解してより一次生産者にちかい食材を選ぶように食 の嗜好を変えるか、あるいは「素食」やカニかまぼこのような工夫をこらすかでしょう。

セミとカイコはどちらがうまいか

果樹園で地中からでてきたセミはとても美味しいと聞きます。山下が北京で食べたセミは一度 干物にされたためか さほど美味しくはありませんでした。不味いと定評のある昆虫は コガ ネムシなど甲虫の幼虫で、腐葉土を食べているのでその味がするといいます。山下が食べた中 で最高であったのはタガメで つぎがサソリでした。それらと比べるとカイコのサナギの味は 淡泊です。

ゴキブリご飯になるのか

昆虫食の人たちは 巨大なマダガスカルゴキブリの肉をすくって食べているようです。 日本では 食材や加工食品のなかにゴキブリなど昆虫のカケラが見つかると大きな騒ぎになり ます。他の国では 混入0とするのではなく、どれくらいの混入量であれば許容という基準が 設定されているとのことです。

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話は違いますが、国際宇宙ステーションでの飲料水の水質基準を制定する時に もっとも厳し い基準にあわせようと 各国の基準がどのようになってるかをみたことがあります。ヒ素につ いての日本の基準は「検出されないこと」でした。それは大変となったのですが、よくよく見 ると、日本で使われていたヒ素の分析方法は最低検出感度がとても高かった。

昆虫以外で注目される食べ物はなにか

塩味野菜のアイスプラント(バラフといった名称で ときどきスーパーにも並ぶ)などがあり ます。

ミドリムシは植物であり動物でもあり 食べるのはどうだ

栽培容積は普通の作物植物より10倍は狭くできるので、優れています。食べるのもそうですが  二酸化炭素の酸素への変換にはとてもよい。ミドリムシをこれまでに食べるという文化はない のですが、スピルリナというもうすこし大きな図体の藻類はメキシコとアフリカで食べられて います。

宇宙食のレシピはどうか

わたしたちの仲間のひとりである名古屋女子大の片山先生が宇宙食のレシピをまとめています。 https://sites.google.com/site/spaceagriculture/SpaceAgri_docs

にある「片山:宇宙食レシピ」をダウンロードして見てください。

なおこのサイトにある次の資料を山下と共著したNASAケネディ宇宙センターのWheelerさんは

「火星の人」(映画:オデッセイ)にジャガイモの筋書を提供した研究者です。

Habitation in Space, The International Handbook of Space Technology, Springer, (M. Yamashita and R.M. Wheeler) 

Habitation_in_Space_Handbook_Space_Technology_2014.pdf 和訳:宇宙での居住 Space_Habitation_2013-b.pdf

ほかに 別のところで紹介した Biosphere 2のクックブックがあります。 火星で育てる植物の味は地球と変わらないか

アリゾナの砂漠で1991年から2年間 気密のガラスの温室のなかで男女それぞれ4人が生活し たBiosphere 2という実験がありました。コーヒーの木の栽培ができずにコーヒーが飲めな かったりで大変だったようですが、栽培した野菜などの味はとてもよかったとのことです。甘 みはテンサイがうまく育たず、バナナとサツマイモのパイを焼くことで 甘み要求を凌いだよ うです。レシピが本になっています。

https://www.amazon.com/Eating-Field-Kitchen-Biosphere-2/dp/1882428048 山下は何を食べているか

普段は老人2人で暮らしていて、何を食べるのかを決めるのが大変で、冷蔵庫にある食材で Cookpadを検索することが多いです。西緑地科学クラブというのをしていて、近所の子供やそ の保護者といっしょに「料理する科学」シリーズを楽しんでいます。

https://sites.google.com/site/nishiryokuchiscience/home

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直近では こむぎ粉のグルテン(タンパク)がウドンのたべここちに与える影響を実験しまし た。強力粉、薄力粉、強力粉にキウイのすりおろし(プロテアーゼ:タンパク分解酵素)をす こし混ぜてウドンを打ちました。キウイ・ウドンは細長い麺にはならず ブツブツにちぎれて しまった。汁は 鶏肉とネギを炒めてスープとし、日本酒と「しょっつる」(塩魚汁:秋田で 作られる魚醤)で味を整えたものを用意しました。

コウジカビのアミラーゼ(でんぷん分解酵素)による甘酒つくり、春の野原でヨモギを摘んで 蒸しパンをつくったり、酒粕のイーストによる発酵で酒饅頭とか子どもたちと楽しんでいます。 発酵(腐りかけの)食品は酵素のはたらきでアミノ酸や糖類など旨味がでるからだと実感した りしています。(生物の体は水にとけないようにポリマーで出来ているので味はしないのだが、 そのポリマーの部品である小さな分子は水にとけて運ばれないといけない。そんな分子のいく つかは味がする。カイコ(やヒト)が「甘さ」のセンサーを持っているのは 糖がエネルギー 源であるから、甘みセンサーを持っていると「進化でいうところの適応度」が高い。) 30年前に宇宙農業を始めた頃に考えたメニューは 毎食米飯に納豆(醤油ひとたれ、刻みネギ 少々)ということでした。ちょっとビタミン錠剤を足すと、これで栄養要求をかなりなところ 満たします。今日の朝・昼飯はこれでした。贅沢するときは、それぞれの国の友人から仕込ま れた料理で、マレーシア:チキンとタマネギのスープ・カレー、中国:皮もこむぎ粉から捏ね てつくる餃子、ロシア系ユダヤ人:チキン・ストロガノフとポトフ、韓国:スンドゥブ・チゲ 鍋がこのごろ多い。

ネギがよいのでは

「ネギを食べると頭がよくなる」という都市伝説があるようです。

コムギの食べ方

コメに対してコムギをdisると、食べるまでに たいへんなのです。シベリアの研究所で3人が 気密の部屋に入って 生命維持(酸素・食料)をコムギ他により実験してみたということがあ ります。

Bringing Life into Spaceというデンマークの人たちのつくったドキュメンタリー・フィルム

(山下もカイコで出てくるのだが)

http://www.imdb.com/videoplayer/vi2339150105

にどのような実験だったかが 紹介されています。コムギをそだて、収穫してこむぎ粉にし、 パンに加工することで ほとんどの時間が費やされてしまったようです。

コメは脱穀 籾殻除いたら 炊飯するだけで食べられる。 サツマイモがおいしくなったのは戦後の品種改良による

山下が宇宙農業を始めた1980年代に、いっしょに活動した農水省の食品総合研究所の当時の田 村所長は、日本の食料自給率が低いことを憂慮して、コメからサツマイモに転換し 葉や蔓は 人間が食べにくいのでブタの餌にして、サツマイモと豚肉を日本での食材にするという構想を 立てられていました。葉や葉柄も人間がたべられるようにと その後に品種改良がされた。こ の品種はイモの味がいまいちです。作物植物は収穫する植物体バイオマスの50%が食用できる とほめられるのだが、葉や葉柄も食用できるサツマイモの食用割合は とてもとても高い。

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毎日ジャガイモを食べるのはつらそうだ

アメリカで会ったアイルランド系の女性が、料理をいろいろしても父親は毎日ジャガイモとソー セージしか食べなくて 甲斐がない とこぼしていました。ずっと米飯に納豆といった感じな のでしょう。

チュオタン(ドジョウのスープ)はサンショウをかけるともっと美味しい

ダイコンの若い葉と擦ったドジョウを入れた濃厚なスープはとてもおいしかった。管理栄養士 の先生によると 豆腐を添えると栄養100点満点とのことでした。

宇宙食は地上の食品とちがうのか

国際宇宙ステーションなど無重力のところでたべる宇宙食は 汁気が飛ばないように工夫され ています。ラーメンも汁には増粘剤がいれられています。宇宙キムチもおなじく増粘剤いりです。 味は少し濃い目に作られているかもしれません。常温保存で1年たっても食べられるといのが 今の条件です。火星用には5年寿命にのばされるでしょう。レトルトか熱水・冷水で戻すとい うのがほとんどです。乾燥焼き鳥をお湯戻しせずに食べる宇宙飛行士がいたとのことです。「標 準」宇宙食として開発されているものと、宇宙飛行士がオーダーメイドする食品の2つがあり ます。若田宇宙飛行士は味噌カツをオーダーメイドしてもっていったようです。

カエルは鳥の味に似ている

進化系統樹で近くにある生物種の味や食べごこちは似るのですが、爬虫類であるワニの肉は硬 い鳥肉のようです。カエルの筋肉はさっぱりした鳥のササミの味で 魚よりは爬虫類・鳥類の 側なのかもしれません。

宇宙で昆虫を食べる漫画があった

講談社から出ていた「宇宙兄弟」で 月基地で昆虫を育てて食べるというプロットが取り上げ られたことがありました。

キャッサバの毒の処理はどうする

このごろ話題になったのはビワの実です。

http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/naturaltoxin/loquat_kernels.html

「ガンに効く」とかネットで情報が流れ、農水省ほかが青酸(シアン)の前駆体が含まれてい ると 警告を出しています。ウメとか種子が実った近くで甘い匂いがするときは シアンに注 意です。ウメの実も漬ければ毒の物質は化学反応で消えます。キャッサバの芋についてもよく 水に晒せば毒はなくなります。廃水のなかの毒が消えるかどうかは確かめないといけないです ね。

キャッサバからデンプンだけを取り出して タピオカ にしています。タピオカ工場の周りは とても臭いそうです。デンプンを取り出した残りには シアン系の成分にくわえ、アミノ酸が あります。アミノ酸分子の中にイオウを含むものがあり、それが発酵するととてもくさいので す。サツマイモから焼酎を醸造するときも 残渣が嫌気発酵すると臭くなります。ビールをつ くるときの残渣は家畜の餌にするので 臭うプロセスには入らないのかもしれません。

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毒のないキャッサバがある

植物が毒を発明したのは食害に対抗する策として有効であったのです。(植物が「意図」した のではなく、たまたま毒をつくる遺伝子が突然変異によりできた。)一方 毒をつくるにも資 源が必要です。毒を持つ個体が「進化でいうところの適応度」が高ければ 毒をつくる遺伝子 が選ばれてその集団のなかで頻度が高くなったのを 我々がみているのです。(「進化でいう ところの適応度」とは 孫を産む子が何個体育つかで測ります。)

「毒のないキャッサバ」は 毒をつくる遺伝子をもたない個体がのこっていたのか、あるいは 突然変異でその遺伝子が潰れたのか 興味あることですね。

ミルクも飲まないヴィーガンが心配

動物性の脂質を全く摂らないと 免疫系の障害、生理が止まるほかが知られています。昔はコ レステロール(動物性脂質のひとつ)は動脈硬化などを引き起こすので「1日600mg以上は摂 らないこと」とされていたのですが、0だったらそれもまずいというのがわかり 適正摂取量が いま探られています。

なぜ栄養に劣るジャガイモを食べ続けているのか

ひとつの要素は 食材の選択が「栄養」の評価から直接になされるものではないことでしょう。 流通といったインフラストラクチャが支配したり、流行や健康などからする情報提供など 食 生活が変わるにはいろいろな要素がからみます。

これから食材の変更含めて食文化は変化していくか

山下の人生70年を振り返ると、食事はとても変わってきています。情報革命により 世界の情 報がたくさん容易に得られるようになり、食はどんどん変わっていくと思います。それは昔に テレビ放送がはじまったころには、ドラマで見せられる「着るもの 食べるもの」が全国に広 まり、料理番組がたくさん作られました。いまはCookPadなど もっと強力なメディアがあり ます。

食べ応えのある大きさの昆虫

大きい昆虫としてはカブトムシの仲間がいるようですが、カブトムシの仲間は不味い。

昔に酸素濃度の高かった時代には森のなかを30cmくらいのトンボが飛んでいたので、(肺をつ かわないで気門から酸素が滲み入る昆虫式呼吸が 巨大でも高酸素濃度では可能だった)同じ ような条件をつくれば 巨大な昆虫ができるかもしれません。

タガメの匂いと味

山下は昔にアカハライモリを実験に使っていたため、いろいろな地方の水田の周りを歩いてい ました。東北の山あいの谷津田などで 大きな水棲昆虫がいたのですが、タガメほど大きな昆 虫はまれでした。近代化した水田からは姿を消します。タイでよく食べられているのですが、 タイでも少なくなり、ミャンマーなどで採集されているようです。養殖というよりは自然に多 く生息しているところで集められているので、遺伝子操作などはされていません。塩蔵したタ ガメは東京に輸入されて1匹百数十円で販売されているそうです。

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昆虫をどのようにして火星に運ぶか

カイコは卵の発生のある段階で温度下げると休眠状態を長くすることができます。その状態で 火星に運ぶ。卵の温度をあげると11日位でふ化する。クワの葉で育てると幼虫は10,000倍の大 きさ(重さ)に育つ。

ドジョウ、カイコ、植物は無重力空間や火星(1/3G)で正常に育つか

いくつかの生物種で調べられています。卵から体がつくられる初期発生はとりたてて重力は必 要ないようです。生物にとって重力は上と下の方向の情報を与えるものであり、また水中から 陸上に上がってからは体重を支える(動物であれば動きまわる)のに抗すべき物理環境です。 魚の多くは驚くと下に潜る性質があり、無重力で驚くと腹を内側に向けたループ遊泳をします。 重力はいろいろに使われていて、稚魚やオタマジャクシがはじめに浮袋や肺に空気を取り込む ときには水面に泳ぎ上がるのですが重力は「上」を示す指標になります。ネズミなどの交尾行 動ではマウンティングに重力が必要です。動物が上と下がわかるのはどのくらいの重力の強さ だろうかがクラゲの姿勢制御ほかで調べられていて、1/10Gなら上下がわかる(1Gでは信号/ 雑音の比が10)というのが相場のようです。宇宙農業で花から花へ花粉をはこんで授粉する昆 虫の候補としてクロマルハナバチを検討しました。航空機の弾道飛行で無重力や火星(1/3G)や 月(1/6G)の環境を20秒間つくってもらい実験したところ、火星ならクロマルハナバチは飛翔 を制御できる(体重が軽くなる分 翅の動きを調整できる)こと、月ではむづかしいのがわか りました。

植物では葉物野菜は無重力(あるいは­1Gでも)で栽培可能だが、花芽をつけてからは重力無 いと大変ということなのですが、シロイヌナズナなどの宇宙で「種子から種子」の実験では重 力なくても種子が稔るという結果がでています。火星なら余裕でOK。

植物やカイコは宇宙放射線を浴びて死んでしまわないか 安全性はどうか

品種改良をするために突然変異をたくさん起こすが 生存して種子をつける条件で放射線に曝 露することがあります。植物や昆虫でのその線量は宇宙船内や火星表面での線量とくらべて  とても高いものです。ただし太陽で大きなフレアが吹き出したりしたときにおこる強烈な放射 線への被曝対策については考えておかないといけないかもしれません。

突然変異した作物の安全性は慎重に判定する必要があります。放射線に曝露すると変異の頻度 が増すのです。宇宙放射線に特異的な変異がおこるのかどうかは 盛んに研究されているとこ ろです。

火星での農業の展開のしかた

わたしたちは気密の温室をつくって農業をするという構想を立てています。火星に往くための 船室モジュールはどんどん火星表面に溜まっていくので そのなかで農業をするというのもひ とつの考えです。

火星での農業は火星の微生物や肥料要素でどう支配されるか

農業土壌のなかには菌類やバクテリア、小さな生物がたくさん住んでいて豊かな生態系を作っ ています。それを火星で形成するのが宇宙農業の構想です。火星でたとえば土壌中のバクテリ アがモンスター菌のように変異してしまったら農業はどうなるかですが、地球上での農業土壌 の維持でもおなじような問題が出ています。連作障害とか私達が火星に往く前に学ぶべき内容 はたくさんあります。宇宙農業の研究にはかなり時間がかかります。

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肥料のチッ素・リン酸・カリウムの循環

ハイポネックスという有名な肥料があって 成分は公開されていないのですが、植物の実験プ ロトコルから どんな元素が植物の育成に必要なのかがわかります。チッ素・リン酸・カリウ ムは3大要素で、土のなかで欠乏しやすい要素です。ほかに マグネシウム、カルシウム、鉄、 コバルト、ホウ素、銅、モリブデン、亜鉛があり、特に鉄を沈殿させずに肥料液のなかに溶か しておくためにキレート剤をくわえます。

カリウムは川の水の中に豊富にあります。チッ素肥料については 昔は雷がなると大気中で窒 素酸化物がたくさん生成して その年の作物はよく生育したということでしたが、近代化学の 勝利で空気中のチッ素からいくらでもアンモニアが合成できるようになりました。リンは太陽 系(宇宙)であまり存在しない元素ですが 生物にはリンの働きがとても重要なので生元素の なかに入っています。海水中に微量含まれるリンをプランクトン(藻類)が濃縮し、それを魚 が食べて濃縮し、魚を鳥が食べて 鳥が決まった場所に糞をしたことでリン鉱石ができました。 いまリン鉱石が掘り尽くされようとしています。リンは元素なので 再生利用しないといけま せん。ところがリン酸は容易に沈殿して循環のループから抜け落ちます。鉄も沈殿しやすい。

「豊かな森を育て 湾内でカキを養殖する」というのは 植物の落ち葉などの腐植によって鉄 を沈殿させず またリンもいっしょに沿岸の海水に運ぶということに基づいています。 宇宙農業での物質循環でも、ループから抜け落ちないようによく設計する必要があります。地 球上での持続可能な農業・漁業でも同じことです。

ヒトの排泄物の成分は日をおうごとに減少するのではないか

排泄物のかわりに食べられない作物植物を肥料にすることを考えてみます。

下の表のように 水が85%で 肥料(チッ素を除く)になるミネラルなどの固体残渣は0.315% しか無いのです。

堆肥化するとカサはどんどん減りますが、元素は減りません。大きな問題は講義でお話ししま したが、リンや鉄などの元素が溶けない化合物になって循環再生利用のループから脱落してし まうことです。下水処理場から出る処理水にはリンを含むたくさんの肥料成分が含まれていま す。そのまま放流すると富栄養化でアオコが発生したりするので、リンは沈殿させて除去しま す。ゴミ焼却場でもリンはでますが、エコセメントにしてしまいます。いずれも植物が利用で きない化学的形態なので生態系での循環から脱落させていることになります。リン鉱石を掘り 尽くすまえにどうにかしないといけません。

植物体の組成の例 % % 堆肥化産物

水 85 水蒸気

乾量

水素 0.9

水蒸気   炭酸ガス

炭素 6.75

酸素 6.75

チッ素 0.225

カリウム 0.15

0.315 固体残渣 カルシウム 0.075

マグネシウム 0.03

リン 0.03

ミネラルなど 微量成

0.03

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川に遡上するサケは海の資源を山にもたらして山を育てる

示唆にとんだ話ですね。サケは生まれた場所の匂いを覚えていてそこに遡上して産卵する性質 があります。サケの卵をとって養殖すると 広い海を回遊するのに 産卵でその川に戻るので 養殖の投資が回収できます。XX県の水産試験場でヒラメの稚魚を育てて海に放流したときに他 県に水揚げされると悔しいので、稚魚にマークしてその県の海からよそに行かないかを調査し たことがあるとのことです。結果はときどき浮気するが 大きく育って産卵するときにはその 県の海にもどるとか。

サケほど大きな生物ではありませんが、カエルの多くは水中に産卵して、オタマジャクシとな り水中の資源をつかって大きくなり、変態してカエルになり陸上にあがり 他の動物に捕食さ れます。生態学的に見ると オタマジャクシは水中で得られる資源を陸上に運ぶ役割を果たし ます。

個体数・種数が多いからという理由で被子植物と昆虫が宇宙農業に使われるのはかわいそう ヒトをふくむ動物は「従属栄養性」の生物です。植物やプランクトンが太陽の光をとりこみ、 二酸化炭素と水から光合成により生成したバイオマス(あるいはそれで育った他の生物)を摂 取しないと生きていけません。光合成しないキノコは植物に依存したり(腐朽菌) あるいは 肥料成分を植物に運ぶ代わりに養分を植物からもらいます(菌根菌)。生物の遺骸や排泄物を 分解してそだつバクテリアもいて、生産ー消費ー分解の物質ループが生態系のなかで回ります。 多くの命をもらってわたしたちの命を営むのですから、無駄にはできませんね。

継代するためにどれくらいの個体数の成虫を育てるのか

カイコにせよドジョウにせよ、産卵する数はとても多い(カイコは1つがいからおよそ500 卵)ので、あまりたくさんの成虫を残す必要はありません。日本の漁業資源問題は苛烈なので すが、きちんとした保護策がとれれば 魚の卵の数は多いので 回復には長い時間かからない のではといわれています。限界数以下になってしまったら もう回復はしないのです。

異常繁殖 異常進化のコントロール

火星の農業だけでなく どこにでもあるリスクでしょうが、火星では頻度が高くなるかもしれ ません。種子のストックを適当な量保持して、対応するのでしょう。

障害をうけた作物植物の回復はどうするか

正しい指摘です。システム工学からみると、生物の応答は複雑で かつメモリー効果もありま す。そんなむずかしい生態系の維持・制御の腕をみがくのが 私達の課題です。

塩に強い植物

マングローブは根から塩分が入ってきてしまっても 葉の細胞の外に塩分を排出する能力があっ て海水・汽水でも育ちます。葉の上に出た塩は雨が降ると洗い落とされます。アイスプラント やツルナは葉の細胞から他の植物なら液胞に相当する「膀胱」を細胞の外にまで出してその透 明な球の中に塩を排出し、細胞のなかにはカリウムのみとします。塩につよい作物植物をつく ると、塩集積で荒れた土地を農業につかうことができます。

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ホタテガイやカキが養殖できるというなら 安くなるのか

農業は太陽光という「タダ」の自然資源をもとに植物の光合成で食料を生産します。食料をて にいれるときに支払う対価は 農業者の生産活動、輸送や販売をするひとたちの活動に対する ものでしょう。海洋牧場での生産物に対して支払う対価もおなじことです。「タダ」の海洋生 物資源を狩猟・採集したときの対価(資源管理がグズだと漁獲量がすぼんでいき高価にもなる) とくらべてどうか というよりは、プランクトンによる養殖でおいしいホタテガイやカキが供 給されることに 少々高くても対価をはらうべきではないでしょうか。

ミノムシが火星の環境に適応しているのを示す宇宙農業のロゴマーク

クマムシやネムリユスリカなど 休眠状態になると真空や宇宙放射線はじめ苛烈な環境に耐え る動物もいます。

火星農業での授粉昆虫

クロマルハナバチという トマトのハウス栽培などで使われている昆虫が火星の1/3G環境でう まく飛翔を制御できるかを 航空機の弾道飛行実験により調べました。月面では飛べないが、 火星では飛べる。

火星で生命見つけたら10匹とか100匹捕まえて というのは 背徳感もなくて怖い

博物学がさかんであった時代には、「西欧人」の未踏地域に「西欧人」が入り 採集人から珍 しい標本を手に入れて、命名して固定した基準標本を博物館におさめてきた。今は遺伝子資源 をその国の外に持ちだして利用するなどに厳しい規制がかかるようになっている。

火星などの宇宙での研究はどのようにするのかの例は、南極です。南極条約がおよそ50ヶ国に より結ばれていて、各国は以下のとりきめをしています。

南極地域の平和的利用(軍事的利用の禁止) 科学的調査の自由と国際協力

南極地域における領土主権、請求権の凍結 核爆発、放射性廃棄物の処分の禁止    など

南極に近い某国は はじめ夫婦を南極に送ってそこで子供が生まれれば南極生まれということ で主権を主張して親の某国に保護を求める といった筋書きを考えたようですが、いまのとこ ろ南極生まれの人はいないようです。みなさん 火星で子供を産んで「火星人」の親になって みますか?

南極には科学目的でない観光客も多く訪れていますが、露岩や海岸から5km以内の氷床では用 便をしてはいけないとか、動植物に触ることやペットの持ち込みなど環境保護のための規制が かかっています。

火星での生命探査は(無主のモノが探査対象ですが)宇宙科学者の国際組織であるCOSPARの 惑星保護パネルでの審議にしたがって計画し実施されます。

圏外知性と遭遇したときの決まりは国連で定められていて、まず国連に報告してその指示のも とに圏外知性との会話をするというようになっています。

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火星生物を地球に持って帰ると 途中で死んでしまうのではないか

生物の種数は体の大きさが大きいと少ない傾向があります。ところがバクテリアは小さいのに 記載されている種数はとても少ないのです。考えられる理由は、

1)バクテリアは大きなサイズの生物とは性質がかなり異なっていて、種数はそもそも少ない。 たとえば病院で耐性菌が変位してできると「耐性」を与えた遺伝子が別の種のバクテリアに簡 単に取り込まれるという「遺伝子の水平移動」ができるなど 大きなサイズの生物とは「種の 概念」からして異なる。

2)小さいこともあって性質がよくわからない。培養して殖やしていろいろ調べるステップが  培養方法・条件がわからないので そもそも研究できない。そのために未記載のバクテリアが とても多くて、名前が付けられているのは1%以下かもしれない。

火星生物はバクテリアのような生物でしょうから、地球に生きて持ってかえり 増やすのは困 難かもしれません。地球生命でもバクテリア1個体でもいろいろ調べる手立てが作られています。 種は一つ一つ同定しないが ひとまとまりで どんな働きをするのか 遺伝子断片から推定す る「メタゲノミクス」という手法もあります。深海の生物を水族館でみせるのに、深海の環境 をチャンバーのなかに再現します。同じような手立てが火星生命にもいるのでしょう。 ひとつ大切なのは 宇宙検疫です。火星の生命体や有機物が地球の生物や生態系にとって有害 なものかを慎重に評価できるまでは むやみに手をふれないようにするという決まりが宇宙科 学者の国際組織であるCOSPARで制定されています。

火星に地球の生物を持ち込んだら 進化が進むのだろうか

ピクサー・アニメのWALL・E(ウォーリー)をみたことがありますか?地球を飛び出した宇宙 船の歴代船長の肖像が並べられていたシーンがありました。無重力で移動運動するにもあまり 筋力を使わなくなって 体つきがどんどん変わったというものでした。進化は適応度の高い遺 伝子が選ばれることであり 配偶者選択(たとえば背が高かったり、突拍子もない飾りのみな りをした雄個体を雌が選り好みする)で進むとみることもできます。火星でモテ度の基準がか わると進化のありさまががらっと変わるかもしれませんね。

ところで、進化の速度 いいかえれば遺伝子の配列の変化の速度は一定であるというのが現在 の生物学で仮定されています。一方で8億年前の多細胞化とそれに続く爆発的な適応放散のよ うに、突然にいろいろなことが一度におこったようにみえるところがあります。生物の大絶滅 がおこると その後にそれまでとは異なった生物種が 前の生物種に置き換わるといったこと もみられます。ひとつの仮説は、太陽系が私達の銀河の腕のところを通過して 超新星の爆発 が近くでおこって 宇宙線の飛来がとても多くなって 突然変異がたくさんおこり、進化の速 度が早くなったというものです。こうなると遺伝子の変化を分子時計にして いつ共通祖先か らわかれたのかを推定することも怪しくなってしまいます。

火星のうえでは放射線被曝線量率が高いので 進化の速度が早まるかもしれません。どのよう な形質が火星で生きる上で適応度が高いかは 別に考えないといけません。

重力の低い天体上では筋肉を作り変えるために摂取するタンパクの量は減らしてもよいのか 重力が低いと 重力に抗して姿勢をたもつためにずっと力を出し続ける抗重力筋は減って いきます。一方体の各部を動かすための速く動く筋は 各部の質量を動かす加速度が同じなら 減ることはありません。無重力の環境では抗重力筋(遅筋)が速筋に変わり、筋全体は萎縮す る傾向にあります。抗重力筋の働きが不必要になれば まずデンプンなどによるエネルギーの 摂取要求が小さくなります。筋が萎縮すればそれを作り変えるためのタンパクの摂取要求もそ

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の分低くなるでしょう。実際のところは 地球に帰還した時に問題ないように 運動処方がほ どこされると予想されるので、エネルギー、タンパクともに摂取要求はかわらないのかもしれ ません。

火星でやることがなくなってつまらなくなってしまいそうだ

太陽系でもっとも高いオリンポス山(エベレストの3倍の高さ)に登ろうとしている人たちも いて、ひまになることはないでしょう。

火星にいく宇宙飛行士に心の病気は発生するか

宇宙での長期の滞在・活動では 心理は重要な問題です。宇宙ステーション・ミールにロシア、 米国の宇宙飛行士が滞在した時のうつ病を含むいろいろなありさまが「ドラゴンフライ―ミー ル宇宙ステーション・悪夢の真実」という本に紹介されています。

宇宙産の野菜

宇宙から産物を持って帰るのも えらいコストがかかります。宇宙からはそこで得た(重さや 容積のない)情報を地上に送るのが得策です。火星の圏外生命体はコストにみあうメリットが あります。

宇宙船で尿を再生して飲む

昔にソ連が運用していた宇宙ステーションの「Salute 7」という映画がもうすぐ日本でも公開 されます。予告編はここにあります。

宇宙飛行士の乗ったカプセルが故障したSalute宇宙基地に近づいていくところの場面は専門家 の眼で見ると不正確です。あれではドッキングできず それてしまいます。予告編の中ほどでモ ジュールのなかに浮かぶ水再生装置から漏れた水の玉を英雄である宇宙飛行士が口で吸い込ん で回収するという場面がでてきます。

尿や汗を蒸留して本当にキレイにできるのか

山下は化学出身なので、蒸留よりは逆浸透・限外ろ過膜(RO膜)によるほうが技術的には信じ られます。RO膜は半導体製造などで使われる超純水をつくることができます。蒸留ではアンモ ニアや匂い分子が分離できない恐れがありますが 宇宙ステーションの装置では蒸留したあと でろ過や吸着でそれらを除去しているようです。

再生循環する水の味 

蒸留水やRO膜でつくった超純水を飲んでみると不味いのです。国際宇宙ステーションでは、蒸 留して吸着剤で不純物を除去したあとにミネラルを添加することをしています。またバクテリ アが貯蔵中に殖えないように、(地上ではオゾンや塩素ですが 宇宙で気泡できるとまずいの で)ヨウ素が添加されます。滅菌できる濃度以上で 人間に影響しない濃度範囲に 制御され ています。

排泄物から肥料をつくるのにどのような衛生管理をするのか

講義では触れませんでしたが、私たちは「高温好気堆肥菌」という日本ではじまった技術を使 おうとしています。

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普通の堆肥菌で堆肥化をすると、温度は60-70℃にあがるのですが、部分的に嫌気(酸素がな い)条件になります。病原性の細菌は嫌気的な環境で増殖するのが多いし、60-70℃の温度で は死にません。嫌な匂いも発生するのが多い。寄生虫の卵や雑草の種子もこの温度では死にま せん。このようにして作られた有機農業野菜の表面には病原性の細菌や寄生虫卵がのっている リスクがあります。

私達が提案する「高温好気堆肥菌」は発酵温度が100℃近くにあがり、また好気(酸素がたく さん)条件で堆肥化が進みます。温度が高く酸素のある状態でのバクテリアのはたらきはとて も速い。匂いもあまり出ない。病原性の細菌や雑草の種子は100℃にさらされて死んでしまう のです。良いことずくめです。いっとき「高温好気堆肥菌」をつかった家庭用の生ごみ処理機 が販売されてもいました。衛生の問題は発酵をよく制御すれば大丈夫なのですが、安全である ことを確認する検査はしないといけません。

宇宙ステーションの中で尿から再生した水を洗濯に使えないのか

洗濯でつかう洗剤が水の再生循環利用にとって問題になる化学種なのが 宇宙での洗濯がされ ない理由です。同じ理由で、化粧品などで水や空気の再生循環に支障ある成分が含まれている かが調べられて、なにはよい なにはいけない という分類があるとおもいます。

船室内で出る可能性のある有害なガスについては、その化学種ごとに許容濃度が定められてい ます。(SMAC: Spacecraft Maximum Allowable Concentrations)

宇宙ステーションのなかでの食料や酸素の再生循環

1980年代はじめのころ 国際宇宙ステーション計画の検討がなされたときに、私たちは宇宙ス テーションの中で水、食料、酸素まで含む再生循環により生命維持するシステムを設計しまし た。その結果は宇宙ステーションを貸し切り状態にしてやっと一人分の生命維持が可能になる という試算でした。計画案をまとめただけで終わりました。

火星の上では農業が引き合うが、往き帰りの宇宙船の中では水の再生循環のみで 酸素や食料 は積み込んでいこうとしています。

下着長期着用の衛生

下着の汚れは脱落した表皮と皮脂です。体表面に住んでいる菌叢は当然下着にも乗り移ります。 体臭はひとりひとり体臭分子の構成がことなり 食べたものにも依存します。加齢種をさせな い高機能下着は体臭分子の分解をたすける分子を繊維に含ませているようです。視覚にみえる 汚れ、嗅覚があいての臭気分子は着用期間が長くなれば増すのでしょうが、汚れの集積で菌叢 の構成が大きく変化して「衛生」の問題がでるかはしりません。昔の漫画で キノコが生える といったものがあったのを覚えています。木綿(コットン)が伝来・普及してから 下着が容 易に洗濯できるようになったおかげで 衛生的になり寿命がのびたことがいわれているので、 毎日新しい下着にするにこしたことはありません。

無重力では胃の中で食べたものが浮くか

空気をたくさん吸い込むと 最後はオナラになって出てきます。しかし胃の中で食べたものが 浮くほどに空気は胃に入るのはないでしょう。

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映画「オデッセイ」へのツッコミ

以前にマジでツッコミをまとめたことがあったのですが 大人げないので今回は控えます。ひ とつだけ我慢できずに漏らすと ヒドラジン(毒)のハンドリング方法(水を作る原料という 筋書だった)です。

火星は未来の地球のすがたか

地球は火星より10倍大きな惑星なので 現状の姿が違うのはいろいろ説明できます。地球は生 命が表面環境を大きく変えてきたというのが決定的な差を生んでいます。中途半端に賢くて  度し難くヘマな人類が 地球を壊してしまわないように 頑張りませんか。

火星の地下に流れる水があると推定するのはなぜか 火星の地下は熱いのか

月でも火星でも地球と同じく内部は表面より温度が高いのです。高くなった理由は3つありま す。

1)惑星や衛星ができたときに高い空からその天体をつくる物質が降ってきた。その物質の位 置のエネルギーと運動のエネルギーが天体の表面にぶつかったときに熱のエネルギーにかわっ た。

2)地球と火星では 降り積もった物質のなかに鉄やニッケルの金属が含まれ それが溶けて 比重が周りの岩石よりも大きいことから天体の中心にむかって落ちていき、その際に放出され る位置のエネルギーが熱のエネルギーに変わって、高温の金属の核が中心にできた。地球では 中心の内核は固体の金属だが外核は液体で、その流動が地球の磁場をつくっている。マントル との境界部分の温度は4000℃くらい。火星は地球にくらべて1/10のサイズなので、冷えるのが 早くて液体の金属の核は固まってしまったが 温度はそこそこに高い。月は地球の1/100なの でもっと早く冷えた。それでも内部の温度は高い。

3)地球では内部に放射性のアイソトープが含まれていて 放射性壊変して発熱している。火 星も同じ。

地球や月では地下から昇ってくる熱量が計測されており、温度の分布も推定できる。火星でも およそのところは推定されていて、表面は-60℃でも 地下500mか1000m潜れば液体の水が存 在できる温度であろうと思われる。1000万年前くらいにクレータの壁でそのくらいの深さのと ころから鉄砲水が吹き出したとみえる地形がたくさんあるのが見つかっています。

月の砂から水が作れる

火星の表面から1m以内での水(水素)のあるなしを調べた方法(宇宙線が当たって中性子が とびだしてくるときに水素があると低エネルギーの中性子の割合が減る)は 月の表面での水 素の探索に使われた方法です。月の極のクレータでずっと日光が当たらない部分に水のあるの が検出されたようです。月に水をもたらしたのは地球や火星とおなじく 太陽系の外縁部から 飛び込んできた彗星です。

太陽系で火星より外側の小惑星帯のあたりにスノーラインがあり、それより太陽に近いと太陽 光で暖められ氷は蒸発してなくなってしまいます。月の永久日影では蒸発せずに残っているよ うです。ただしそれほどの量ではないでしょう。

月の表面にある岩石の代表的なものは地球では海底の地殻をつくる玄武岩です。玄武岩には珪 酸(SiO2)が多く含まれているので、水素を 持っていけば反応させて水をつくることができ るというのが 宮原先生が説明されたことです。

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次の図は宇宙(太陽系)での元素の存在比で、縦軸は対数で存在度を一目盛り1桁で示してい ます。横軸は原子核のなかの陽子の数です。陽子の数で元素が決まります。4つの特徴があり

ます。宇宙がはじまった直後は水素とすこしのヘリウムが元素として合成されました。その後 核反応がおきて重い元素が合成されてきたので、1)右肩さがりです。2)ジグザクです。陽子 の数が偶数の原子核が「量子力学」で安定なのです。元素のさきにアイソトープの存在比をみ ると 陽子、中性子の両方が偶数のアイソトープがとても多いのです。3)リチウム、ベリリ ウム、ホウ素の軽3元素が少ない。他の元素に反応でなってしまい 合成されるのが少なかっ たためです。4)鉄とニッケルが多い。原子核の大きさが鉄あたりでもっとも安定なのです。 これから宇宙は軽元素は核融合して鉄に、重い元素は核分裂して鉄になっていきます。重い元 素が宇宙でどのようにしてできたかが、2017年に観測された中性子星2つが衝突して重力波を だしたあとのさまざまな光のでかたからわかりました。太陽系は このようなプロセスがなん どかおこったあとに 生まれ 元素存在比はその結果を示しています。

この元素存在比から太陽系の姿をつくって見ましょう。圧倒的に多い水素で輝く中心星の太陽 と太陽になりそこねた気体惑星の木星と土星ができます。たくさんある炭素は ありあまる水 素と反応してメタン、酸素は水になるでしょう。窒素は水素と反応してアンモニアがよい。ケイ 素は水素より酸素と反応してマグネシウムやカルシウムとあわさって岩石になります。鉄やニッ ケルは金属となって固体惑星の核になります。生物はたくさんある元素と 少ないけれど重要 なはたらきをになう元素(H, C, O, N, K, Ca, Mg, P)からつくられました。

わたしたちが月や火星で生きようとするには、太陽系で得られる資源をよくみておく必要があ ります。くれぐれも金や白金の鉱山が地球以外でみつかるかもしれないといったガサネタには ひっかからないでください。(火星ではちょっとだけ期待できるかもしれない。月は期待でき ません。)

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食よりは元素

太陽系の元素の存在頻度は始原的な隕石などの分析からよく調べられています。地球では マ グマや熱水の働きや さらに生物による濃縮(金鉱石もそうだといわれている)があって鉱脈 を作っていて、人間はその資源を利用しています。生物の体をつくる元素が火星で得られるか は これまでの探査で調べられていて、「ある」というのが私達の判断です。4つの固体惑星 ということで火星はかなり地球に似ています。

月は嫌いか?

月には昔も今も生物がいなかっただろう。ひょっとして地球から舞い上がった微生物や有機物 が このごろみつかった深い縦穴の底の奥に溜まっているかもしれないという期待はあるので すが。

火星でテラフォーミングはしないのか 山下はネガティブです。

火星の竜巻や砂嵐は大丈夫か

映画:オデッセイでは砂嵐のために緊急帰還するという筋書きだった。全球的な砂嵐が起こる ことがあって 太陽光が長期に遮られるのが宇宙農業としてはつらい。火星の長期天気予報の ワザをみがかないといけない。

火星に往く軌道で太陽を挟んで反対側で宇宙船が火星に出会う軌道が選ばれる理由はなにか 地球から火星にむけた軌道のなかで もっともロケットの能力をうまく使うのがこのホーマン 軌道とよばれる軌道です。どれだけの高さに打ち上げるのがよいかというのと似ています。火 星の高さギリギリに打ち出すとすると 火星の高さになるのが 打ち出したときにみて太陽の 反対側で火星の軌道に接するという軌道になります。そこで火星に出会い、火星の速度になる ように宇宙船を減速して火星に降り立ちます。この軌道では地球から打ち出せるのが2年(火 星の公転周期)に1回、飛んでいる期間は260日です。もっとロケットの能力が高ければ、火 星よりも遠くに飛ばし、ちょうど火星の公転軌道を宇宙船が横切るときに火星がそこにいると いう条件の軌道をつかいます。260日より短い飛行期間になりますが 打ち上げの窓の開くの はおなじく2年に1回、火星での潮待ちの時間もあるので、往復の年数はホーマン軌道とさほ ど変わりません。

火星から地球に戻る時にホーマン軌道での打ち上げの窓があくのは 打ち上げた時に太陽の反 対側に地球が来るタイミングなので、地球からの打ち上げのタイミングの逆にはなりません。 すなわち火星にたどり着いたときに火星には降り立たずにそのままスルーしても 地球の軌道 に接するように戻るのですが 戻った時にそこに地球が待っていてくれるというようにはなり ません。

火星には会うがそれを素通りして地球の公転軌道も戻った時に地球と巡りあうフェリー軌道と いう軌道も設計できるのですが、それにはロケットの能力を増さないといけないのです。 宇宙での建設やその維持に要するコストにみあうメリットは得られるのか

宇宙活動のコストにみあうものは 宇宙がわたしたちの格好な挑戦の対象であり 健全な好奇 心を満たすことができる ということであると考えています。現在運用されている国際宇宙ス テーションをみても、初期にいわれた 夢の新薬や新材料が宇宙でできる というのは「夢」

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で終わりました。月面活動にしても、「宗教聖地をつくるのに 鳥居を建てにいきませんか」 といった「営業」は可能かもしれません。月にダイヤモンドとか 鉄やチタンを精錬とかいわ れると、アフリカのラテライトを原料にしてアルミニウムを精錬するほうがほほど引き合うの です。

次の図に示すように 1万年前に農業革命があり、一人が一人以上の食料を供給できるようにな りました。それもあっていろいろな職業ができて分業がはじまります。その職業のひとつに天 文学者ができて(シニカルな人は もっとも古い職業はスパイと売春婦であるというのですが) 星の観測をもっぱらします。政治や宗教に日食の予測をしたりして禄をはんだのでしょうが、 暦をつくり農業社会が農事をそれにしたがってすすめることに貢献(したがったグループは「進 化でいうところの適応度」が高くなった)したのです。

現在の宇宙活動の「メリット」は宇宙の起源、物質の成り立ち、生命の起源を理解し、宇宙で のエンジニアリングという挑戦の対象を与えることにより 人類文明の持続的な発展に寄与す るものと山下は考えています。

ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史」はとても示唆に富む本です。武蔵美の図書館に蔵 書されているので 一度手に取り読んでみてください。

宇宙ステーションの装置はどれくらいで交換するのか

宇宙ステーションの計画を始めるときに システムの設計寿命を決めます。ロシアの宇宙ステー ション・ミールは設計寿命を超えて運用されました。ステーションのサブシステムは当然寿命 が切れて 運用の最後のころには正直に故障が続きました。宇宙飛行士が乗るということで修 理して使うという塩梅でした。サブシステムや部品の寿命も規定されていて その寿命になれ ば交換するのが本筋です。ただし設計時には過大な期待がかけられます。国際宇宙ステーショ ンのなかの照明ランプについての要求は「寿命は無限大、消費電力は0」といったものでした。 当時は蛍光灯だったのですが いまはLEDが地上でも照明につかわれています。そんなことで 言えば 白熱電球の一種にハロゲン球という電球があり、明るくまた寿命が長いのは重力によ り誘起される自然対流がキモであり それを無重力の宇宙で調べてみようかということもあり

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ました。いま期待のLEDですが 発光部位の温度を低くしないと寿命が短くなるので、ハロゲ ン球と同じで無重力・無対流での寿命評価しないといけないなとか 頭の体操が続きます。 電気・電子部品は寿命や故障がよくわかるので、電気製品は時限爆弾が仕掛けられているので はないかとおもうほど、設計寿命近くで動かなくなります。設計寿命より長くもつのは(シス テム)エンジニアとしては恥なのです。

惑星の軌道はどのように決められているのか

小学校(3年)では、太陽(や月)は東から昇り西に沈み 日向は暖かく日陰は寒い と学習 します。天動説ともいえます。星座をまなび、星の中で おかしな惑う動きをする一群の星が 天動説の時代でも知られ、惑星と名付けられました。天動説から地動説に変わったのは 天体 観測とその解析によるもので、惑星の軌道の決定もそれに基づいてなされました。

サイモン シン 「宇宙創成」は宇宙の理解がどのような観測とその解析により進んできたか を説明しているよい本です。残念ながら武蔵美の図書館には蔵書されていませんでいたが、地 域の図書館で探すか、立ち読みしてみて気に入ったら購入して読んでください。

さて火星にむけて宇宙船を飛ばすときですが、火星の軌道要素はかなりな細かい数字までわかっ ています。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E6%98%9F

宇宙船の軌道は地球からの追跡・管制、軌道決定がされます。どのくらい正確にわかるかです が、はやぶさ2が地球から11.539,332km離れたところを航行中の位置決定精度は15mであっ たそうです。東京スカイツリーから富士山頂のダニ(0.14mm)が見えたのに相当するそうで す。

http://www.isas.jaxa.jp/feature/forefront/160509.html

これは特別な新しい方法です。在来の方法では、宇宙船との通信の往復にかかる時間から距離 を、返ってくる電波の周波数が宇宙船の速度により変わる(向かってくる車のサイレンの音と 去っていく車のサイレンの音ではトーンが変わる)というドップラー効果で速度を求めます。 宇宙船の上では、太陽や星の場所を見て自分の姿勢を見定めます。火星に近くなったら 火星 の像や 火星面からの高度をみながらの軌道制御(近接運用)がはじまります。

ここで大切なのは装置からでてくる数字がメートルなのかヤードかを(特にアメリカ人とのお 付き合いがあると)確かめることです。むかしこれがもとで痛い失敗をしたことがあります。 宇宙開発では同じような失敗を2度はしないということで、失敗は隠さないのが良いとされて います。

宇宙での建築は これまで宇宙に関係しなかった人たちが参加してするのか

宇宙建築は建築のひとつの分野になっています。心理の問題を考えて船室の内装はムクの木に しようとか、無重力で上下のない宇宙では 天井を明色、床を暗色にするとか 何しろ狭い船 室の設計では宇宙飛行士の動線を確保したり 宇宙船のどこかで事故があった時に退避するルー トが確保できるようにとか さあざまな設計基準があげられています。

次のウェブ・アドレスからダウンロードできる「宇宙での居住」に 宇宙建築について短く紹 介しています。

https://sites.google.com/site/spaceagriculture/SpaceAgri_docs

参照

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