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慶田ゼミ Keida's Website slide macro 03

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Academic year: 2018

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マクロ経済学 3

資産市場

慶田 昌之

(2)

資産市場

経済には、フロー変数とストック変数がある。

例えば、貯蓄・投資バランスで出てきた貯蓄と投資は、今年 の貯蓄量、投資量である。

家計は、これまでに貯蓄してきた総額があるはずだし、企業 には、これまで投資してきた資本の総量がある。

今年どれだけ貯蓄したか、投資したかを表す量はフロー変 数であり、現在までに貯蓄がどれだけ積み上がっているか、 投資の結果として資本がどれだけ積み上がっているかを表す 変数はストック変数である。

(3)

資産市場

家計の資産(つまりこれはストック変数である) の保有に関 して考える。

現実世界には、貨幣、債券、株式、土地などの資産が存在 する。

ここでは簡単化のために、この国の経済には貨幣と債券のみ が存在すると考えよう。

資産市場は、資産の数を n個あるとすると、n − 1 個の市場 のみを考えればよい。

n − 1 個の市場が均衡していれば、最後の1つの市場は必ず

均衡するからである。

(4)

資産市場

ここでは、貨幣市場と債券市場の2つの市場を考えるので、 どちらかひとつでよい。

貨幣市場を考える。

(5)

貨幣市場の均衡式

貨幣市場の均衡式は次のようになる。 M

P = L(Y, i)

M: 名目貨幣供給量 P: 物価水準 L: 実質貨幣需要量

(6)

貨幣市場の均衡式

左辺は名目貨幣供給量 M を物価水準P で割ったものなの で、実質貨幣供給量である。

名目貨幣供給量 M は中央銀行が決定する外生変数である。 したがって、M = ¯M

右辺の実質貨幣需要量は、実質生産量Y と名目利子率 iの 関数である。

したがって、貨幣市場の均衡式は、実質貨幣供給量と実質貨 幣需要量が等しいことを表している。

(7)

貨幣市場の均衡式

実質貨幣需要量は実質生産量Y と名目利子率 iの関数で ある。

貨幣は生産量が上昇すると取引需要が増大するので、LY の増加関数である。

名目利子率が上昇すると、債券の需要が増加し、貨幣の需要 は減少するるので、Liの減少関数である。

(8)

利子率とはなんだろうか?

預金の1年間の名目利子率がiであると仮定する。 今、100円を預金すれば(1 + i)100 円が1年後にかえって くる。

このことは、今の消費を 100円あきらめれば、来年に (1 + i)100 円の消費が出来ることになる。

さらに、現在の消費を 100円あきらめて、2年後に消費する としたら、(1 + i)2100円の消費が出来る。

(9)

利子率とはなんだろうか?

逆に考えてみる。

来年 100円もらえる債券の、現在の価値はいくらだろうか? それは来年 100円の消費をするためには、現在いくらの預金 をしなければならないかで分かる。

100 (1 + i)

もし i= 0.03、つまり名目利子率が 3%ならば、 100

1.03 ;97.08797.087 円であることが分かる。

(10)

利子率とはなんだろうか?

これを将来の価値の割引現在価値とよぶ。 同様に、再来年の 100円の割引現在価値は

100 (1 + i)2

となる。

このことから、利子率とは、現在の財・サービスと将来の 財・サービスの相対価格であることがわかる。

(11)

名目利子率と実質利子率

現在の消費と将来の消費の比較が可能になったが、この間に 物価が変動する可能性もある。

現在の物価水準を 100とする。パン1個の価格が100円と しよう。

来年は物価水準が 2%上昇したとしよう。つまり、パン1個 の値段は 102円になり、物価水準は102となった。

名目利子率を i= 0.03 として、今年、10, 000 円の消費をあ きらめたとする。これは、現在の物価水準でパン 100個にあ たる価値である。

(12)

名目利子率と実質利子率

さて、来年になると利子がついて 10, 300 円が手に入る。 しかし、このときにはパンの価格は102円になっているので 103個のパンは買えない。

物価水準の2% の上昇によって、利子率は実質的に目減りし てしまったことになる。

したがって、実質的な利子率は 3%であるとはいえない。 10000 × 1.03

102 ;101

つまり、パンは約 101個だけ買えることが分かる

(13)

名目利子率と実質利子率

実質利子率は現在のパン1個の消費をあきらめた時、将来ど れだけのパンを食べることが出来るかを表したものである。 正確には前のような計算が必要であるが、利子率が0 から大 きく離れていない時は、次のような近似計算ができる。

r= i − π

r: 実質利子率 i: 名目利子率 π: 物価上昇率

(14)

名目利子率と実質利子率

このように経済主体は、実質利子率を考慮して行動している と考えられる。

したがって、来年の100円の実質の現在割引価値は、実質利 子率で割り引かれなければならない。

100 1 + r

財市場の均衡を説明した時に、投資量I(r)が実質利子率の 関数であったのは、このためである。

(15)

貨幣需要と名目利子率

貨幣需要について再度考えよう。

債券の需要と供給は実質利子率によって決まると考えられる。 それは貨幣市場にも影響を与える。

しかし、貨幣を持っていると、物価水準の変化によって貨幣 の実質的な価値が変動する。

物価上昇は貨幣の実質的な価値を下落させる。 物価下落は貨幣の実質的な価値を上昇させる。

(16)

貨幣需要と名目利子率

したがって、貨幣需要は実質利子率ではなく名目利子率 i= r + π に影響を受けると考えられる。

L= L(Y, i)

参照

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