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第6回(配布用)pdf 最近の更新履歴 Keisuke Kawata's HP

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Academic year: 2018

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(1)

労働経済学(第6回)

広島大学国際協力研究科

川田恵介

(2)

復習:静学的労働需要モデル

• 限界収入と限界費用が一致する水準で雇用量は決 定される。雇用量の調整に費用が掛からない。

• 外部環境(賃金水準や財市場の状況)を所与とすれ ば、企業は常に雇用量に満足している。

(3)

動学的労働需要モデル

雇用者

求職者 コスト

(4)

動学的意思決定

動学モデル:意思決定の積み重ね

“合理的な”経済主体 2013

意思決定

2014 意思決定

2015 意思決定

静学モデル:各期の最適雇用量=長期的な最適雇用量 動学モデル:各期の最適雇用量長期的な最適雇用量

(5)

入職率、離職率

新たに雇用された労働者数 労総者数

離職した労働者数 労総者数

入職率

離職率

(6)

2010 年の入職、離職率

(雇用動向調査より)

5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0

入職率 離職率

(7)

ばらつきの要因

• 労働者の属性の違い(年齢、性別)

• 産業の特性の違い(規制、企業規模)

限界収入の変動の差

調整費用の違い

ミスマッチ

(8)

雇用量の調整

• 労働の限界収入か費用が変化した場合、企業に雇 用量を調整する誘因が生まれる。

(例)

財の価格の変化 賃金の変化

(9)

限界収入の変動の要因

• 生産している財への需要変動(

投入要素の価格変動

価格の変動

• ある種の財(ライフライン系)では需要の変 動が少ない。

• 同業他社との競争が少ない産業(寡占、独 占)では、需要変動は少ない。

• 投入要素への需要の変化

為替の変化

(10)

景気変動と雇用者数の変化率

70.0 75.0 80.0 85.0 90.0 95.0 100.0 105.0 110.0

-0.04 -0.03 -0.02 -0.01 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010

正規職員・従業員 非正規の職員・従業員 景気動向指数(1月)

雇用者数の変化率:雇用者数の増減数/前年の雇用者数

(11)

調整費用モデル

調整費用:

増加させた場合の費用 例)

減少させた場合の費用 例)

求人、リクルートにまつわる費用

割増退職金、解雇手続き

(12)

解雇規制

• 解雇規制:企業が労働者を整理解雇する場合、さま ざまな「コスト」がかかる(日本:解雇権濫用法理)

参考文献 法と経済で読み解く雇用の世界 (大内、 川口 有斐閣)

• 雇用量を大きく減少させるために、解雇が必要な場 合には、調整費用が発生する。

(13)

調整費用

調整費用

仮定

雇用量を大きく変化させようとすると、より多くの調整 費用が発生する。

(14)

正規と非正規

• 正規従業員と非正規従業員の間には、解雇費用 等で、大きな調整費用の差が存在する。

• 企業は、調整費用の小さい非正規従業員によっ て、景気変動に対応していると考えられる。

(15)

緩やかな雇用調整

• 解雇規制が存在する場合、新規採用を抑制し、雇 用の自然減を待つことで、雇用調整をする。

(16)

大学 / 大学院の就職率

就職率= 就職者数/就職希望者数

80.0 85.0 90.0 95.0 100.0 105.0 110.0

50.0 55.0 60.0 65.0 70.0 75.0 80.0 85.0

大学 大学院 景気動向指数

(17)

Jobless recovery( 雇用なき景気回復 )

• 景気回復しても、雇用量が回復しない

80.0 85.0 90.0 95.0 100.0 105.0 110.0

6200 6250 6300 6350 6400 6450 6500 6550 6600

(1997) (1998) (1999) (2000) (2001) (2002) (2003) (2004) (2005) (2006) (2007) (2008) (2009) (2010)

就業者数 景気動向指数

(18)

Jobless Recovery の要因

• 調整費用が存在するため、雇用の拡大はゆっくりと しか進まない。

• 準固定費用が存在するため、労働時間によって調

整される。

(19)

準固定費用モデル

準固定費用:

例)訓練費用、社会保障費

労働者を雇用することで(労働時間とは無 関係に)発生する費用

労働時間の内生化:企業は雇用数だけでなく、労働時 間も決定できる

(20)

例:景気回復への対応

景気が回復し、生産活動へより多くの労働を投入した い。

労働時間の増加VS雇用者数の増加

より大きな景気回復⇒労働時間での調整では限界(物 理的、医学的限界、残業代)⇒雇用者数で調整

⇒雇用回復にはビッグプッシュが必要

(21)

労働時間

95.0 96.0 97.0 98.0 99.0 100.0 101.0

80.0 85.0 90.0 95.0 100.0 105.0 110.0

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010

景気動向指数(1月) 総労働時間指数

総労働時間指数:2005年を100

(22)

景気変動への対処

• 準固定費用が大きい場合、景気回復の規模が弱け れば、労働時間の増大のみをもたらす。雇用の増大 には、十分に大きな景気回復が必要になる。

• 日本型雇用調整では、景気変動に雇用量の調整で はなく、労働時間の調整で対処してきた。

• これは、日本経済の特徴である企業内訓練への依 存度の大きさが、準固定費用の高さにつながってい

(23)

実証研究

米国に比べ日本は、雇用調整が遅い、労働時間調整は ほとんど変わらない、雇用調整の対象が女性である。

Abraham and Susan (89, Journal of the Japanese and International Economies)

日本は、統計上は雇用者に含まれる休業者で雇用調整 を行っている。(Hashimoto (93, Journal of Labor Economics)

中高年の雇用維持が若年の採用を縮小させる「置換効 果」の存在の指摘(玄田(2001, 「日米比較:企業行動と労働市 第7章」

(24)

まとめ

• 労働需要モデルに調整費用や準固定費用を導入す ることで、現実の事象に対するモデルの説明能力は 大きく改善する。

• 調整費用が存在する場合、労働調整はゆっくり行わ れる。

• 準固定費用が存在する場合、企業は労働調整を、労 働時間、雇用量どちらで行うかの選択に迫られる。

参照

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