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セイヨウナシ黒点病を引き起こす病原菌の越冬・伝播と防除対策 普及する技術・指導参考資料(果樹) 青森県庁ホームページ

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Academic year: 2018

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全文

(1)

事 項 | セ イ ヨ ウ ナ シ 黒 点 病 を 引 き 起 こ す 病 原 菌 の 越 冬 ・ 伝 播 と 防 除 対 策

ね ら

西 洋 ナ シ の 果 実 に 黒 点 症 状 が 生 ず る 病 害 は リ ン ゴ 黒 点 病 菌 の 不 完 全 世 代 い 1 (Cyl i ndr ospor i um pomi)と同一病原菌によって引き起こされることを明らかにし、

’ 病名をセイヨウナシ黒点病とした 。

本病原菌の越冬及び伝播方法を明らかにしたので、防除対策上の参考に供する 。

1 セイヨウナシ黒点病菌は葉を擢病させ、権病した落葉上で越冬する 。 擢病葉は、 9 月 上 旬 こ ろ か ら 葉 身 上 に 褐 色 不 正 形 病 斑 を 形 成 し 、 ま も な く 落葉する 。 落葉上の病斑には黒色の小粒点を形成する 。

2 小 粒 点 は 偽 子 の う 殻 の 集 ま り で あ り 、 翌 年 の4 月 下 旬 こ ろ か ら 殻 内 に 子 の う を 生 じ 、 子 の う 胞 子 を 形 成 す る 。 子 の う 胞 子 が 果 実 や 葉 に 伝 播 し 、 発 病 さ せる。

3 セイヨウナシ黒点病菌の完全世代はリンゴ、黒点病菌の完全世代(均1cosphaerel -l

α pomi)と同 一 で、ある。

したが って 、 セ イ ヨ ウ ナ シ 黒 点 病 菌 の 子 の う 胞 子 は り ん ご 果 実 に 伝 播 し て 黒 点 病 を 発 生 さ せ 、 ま た リ ン ゴ 黒 点 病 菌 の 子 の う 胞 子 は 西 洋 ナ シ 果 実 に 伝 播

して黒点病を発生させる 。

4 セイヨウナシ黒点病菌の生活史の概略は以下のとおりである 。

病 原 菌 が 断 片 子のう胞子飛散キ 仁 ゴ 果 実 、 葉 川 洋 ナ シ 落 葉 上 で 越 冬 (4月末∼ ) 擢病

病原菌が寵病 子 の う 胞 子 飛 散

催果病実、 葉 が | りんご 落葉上で越冬 (4月末∼ 7月)

*:子のう胞子は4 月末ころから飛散するが、終息、時期は不明 。

5 セ イ ヨ ウ ナ シ 黒 点 病 の 防 除 に は リ ン ゴ 黒 点 病 の 防 除 も 含 め た 対 策 が 必 要 で ある。

セ イ ヨ ウ ナ シ 黒 点 病 菌 の 越 冬 及 び 伝 播 方 法 が 明 ら か と な った の で 、 西 洋 ナ シ 期 待 さ れ る 効 果 |

及びりんごに対して適切な防除対策が可能となり、良品生産に寄与する 。 利用上の注意事項 |なし

当 |青 森 県 り ん ご 試 験 場 I

l

対 象 地 域 県 下 全 域 県南果樹研究センタ ー 病 虫 肥 料 部 |

平成11年 度 指 導 参 考 資 料

平成10、11年 度 青 森 県 り ん ご 試 験 場 県 南 果 樹 研 究 セ ン タ 一 成 績 概 要 集 発 表 文 献 等 |

平成10、11年度寒冷地果樹試験成績概要集(病害)

日本植物病理学会報65: 407 ( 1999)、平成 12年度日本植物病理学会(発表予定) 担

’u

I

E

(2)

【根拠となった主要な試験結果】

表1 セ イ ヨ ウ ナ シ 黒 点 病 菌 の 偽 子 の う 殻 、 子 の う 及 び 子 の う 胞 子 の 形 態

(平成11年 青 森 り ん ご 試 県 南 果 研 セ )

菌 セ イ ヨ ウ ナ シ 黒 点 病 菌l ) リ ン ゴ 黒 点 病 菌2) リ ン ゴ 黒 点 病 菌3 )

偽 子 の う 殻

直 径 (μ m)

110 - 60 105 - 52. 5 100 - 70

(平均 77 . 0) (平均 81. 3)

形態 球 形 球 形

色 黒 色 黒 色

子のう

大 き さ (μ m)

51- 80 × 7- 10 37. 5- 71 × 7. 5- 10 40 - 66× 8- 10

(平均65. 3× 8 . 3) (平均53. 6× 9. 0)

形態 円 筒 形 ∼ 梶 棒 状 円 筒 形 ∼ 梶 棒 状

色 無 色 無 色

子 の う 胞 子

大 き さ ( μ m)

15 - 25 × 3 - 4. 5 15 - 28 × 3 - 5 12. 6 - 26. 6× 2. 8- 4. 2

(平均 20. 7× 3. 7) (平均 21. 6× 4. 0) (平均 18. 8× 3 . 5)

形態 長 楕 円 形 ∼ 紡 錘 形 長 楕 円 形 ∼ 紡 錘 形

細 胞 数 2胞 2胞 2胞

色 無 色 無 色 無 色

注1) 「ラ・フランス」越冬落葉(5月)から採取、 2)「ふじ」越冬落葉( 5月)から採取、

3) Wal t onら(1926)

表2 接 種 に よ る 発 病 及 び 再 分 離 の 状 況 (平成11年 青森りんご試県南果研セ)

供試 果実

発病 状 況I ) 再 分 離 の 状 況

接 種 菌

発病数ノ ノ供 試 平均 再 分 離/ 供 試

(品種)

果 果 数 病 斑 数 病 斑 数 病 斑

再 分 離 率

西 洋 ナ シ

セ イ ヨ ウ ナ シ 黒 点 病 菌2) 5 / 5 174. 6 2 2 / 2 3 95. 7 %

(ラ・フランス)

リ ン ゴ 黒 点 病 菌3) 5 / 5 182. 8 21/ 24 87. 5

無 接 種 4 / 4 11. 8

りんご

セ イ ヨ ウ ナ シ 黒 点 病 菌2) 5 / 5 166. 4 18/ 18 100

(ふ じ)

リ ン ゴ 黒 点 病 菌3) 5 / 5 80. 0 17/ 18 94. 4

無 接 種 3 / 5 3. 0

注1)接種:6月15日∼19日、調査: 8月24日一’ 9月7日

2)「ラ・フランス」越冬落葉(5月)に生じた子のう胞子を単胞子分離

3 )「ふじ 」越冬落葉(5 月)に生じた子のう胞子を単胞子分離

写 真1 セ イ ヨ ウ ナ シ 黒 点 病 の 羅 病 葉 ( ラ ・ フ ラ ン ス )

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参照

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