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仮称浦安市斎場建設工事 工事監査|浦安市公式サイト

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(1)

浦 監 第 94 号 平成 17 年1月 28 日

浦安市監査委員 醍 醐 敦 同 菊 原 栄 三 同 平 野 芳 子

平成 16 年度工事監査の結果報告について

地方自治法第 199 条第5項の規定により実施した定期監査の結果について、同条第9項の 規定により別紙のとおり公表します。

(2)

平成16年度

浦安市工事技術監査業務

報 告 書

平成161216

協同組合 総合技術士連合

(3)

1.技術調査対象工事名称

仮称浦安市斎場建築工事

2.調査実施日

平成16年12月2日(木)

3.調査場所

浦安市役所監査委員事務局及び当該工事現場

4.監査執行者

代表監査委員 醍 醐 敦 監 査 委 員 菊 原 栄 三 監 査 委 員 平 野 芳 子

5.調査立会者

監査委員事務局

事務局長 鈴 木 藤 夫 副主幹 宮 木 規 男 副主査 中 岡 達 哉

6.技術監査業務(報告書共)実施技術士

協同組合 総合技術士連合

技術士(建設部門・総合技術監理部門) 浅 野 満 男

530-0047 大阪市北区西天満5丁目1番19(高木ビル408) TEL0663111145

FAX0663111146

(4)

総合所見

建築工事を中心に、工事の関係書類の提示を求め、工事の計画・調査・設計・仕様・積算・ 契約・施工・管理・監理(監督)・試験・検査等の各段階における技術的事項の実施態様に ついて関係者に質疑し、回答を求め、検分・吟味を行った。特に施工管理の面で重要と考え る、地業・杭、鉄筋コンクリート躯体に関する施工に重点を置いて調査した。

市の工事関係書類は必要にして十分であり、かつよく整理ができていた。請負業者の工事 関係書類は工事の進捗に合わせて整理が出来ていた。

技術調査の結果は総括的に概ね良好であり、高く評価できるものであると判断した。 なお、調査した事項では特に指摘を要する問題は見当たらなかったが、以下、補足的な説 明等、要望事項及び今後の技術向上へ反映できる事項、評価の根拠などついて記述する。

1 工事内容説明者

環境部 環境保全課 課 長 押尾 照明 主 幹 遠藤 徳男 主任主事 三室 治子 建設部 営 繕 課 課 長 森本 健二 副主査 村岡 健 経営企画部 契約管財課 課 長 井上 雄一 主 査 三枝 明

2 工事概要

1)工事場所:

浦安市千鳥15番3 2)工事内容:

斎場建築工事 − 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造 2階建 敷地面積: 12,265.1 ㎡

建築面積: 3,977.42 ㎡ 延床面積: 4,509.88 ㎡ 火葬炉設備

再燃焼炉付台車式火葬炉4基(2基分の増設スペースあり) バグフィルター方式の除塵設備搭載

主要諸室 炉前ホール(兼告別ホール)2 室、集骨室 2室、火葬待合室 3室(各室 42 名収容可)、葬儀式場3室(各室50名着席可)、式場控室3室、兼用控室、 売店1箇所、他事務室、守衛室、炉室、監視室 機械室 霊安室など 屋外施設 来場者駐車場 106台(乗用車100台、マイクロバス6台)

管理用駐車場 15台 慰霊塔

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3)工事請負業者:

建築工事: 戸田建設株式会社 千葉支店 代表者 支店長 松本 初昭 電気設備工事: 新生テクノス ㈱ 千葉営業所 代表者 所 長 亀井 達男 機械設備工事: 株式会社テクノ菱和 浦安営業所 代表者 所 長 小泉 新一 火葬炉工事: ㈱宮本工業所 代表取締役 宮本 岳司朗

4)設計業務委託業者:

株式会社 梓設計 代表取締役 今井 一郎

(設計は、平成14年12月に基本設計、平成15年1月に実施設計が行われており、 基本設計の実施に当たっては、類似施設設計実績のある5社を指名、計画のプロポ ーザルを求め、応募があった4社提案について助役を委員長とする8名の選定委員 会 で検討 の 上、 採点 方式に よ り㈱ 梓設計が選定された。その後の実施設計及び基本 設計についても、それぞれの段階で先行計画の内容を評価しつつ同社と随意契約が締 結されたものである。)

5)事業費:

建築工事: 請負工事金額 1,932,000,000円(消費税込) 予定価格 2,017,942,500 (落札率 95.74%) 電気工事: 請負工事金額 362,250,000円(消費税込)

予定価格 387,376,500 (落札率 93.51%) 機械工事: 請負工事金額 535,500,000円(消費税込)

予定価格 565,082,700 (落札率 94.76%) 火葬炉工事:請負工事金額 124,950,000円(消費税込)

6)工事期間:

平成15年12月16日∼平成17年3月15日

平成16年 1月 6日∼平成17年3月15日(火葬炉工事)

7)工事進捗状況:

計画出来高 建築工事 55.9%、実施出来高55.1%(調査日時点)

電気、機械、火葬炉とも、建築の進捗に先行を要する部分について、順 調に消化、計画からの遅延は見られない。

8)工事監督員:

市の監督員 村岡 健 委託監理者 石岡 澄男

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3 総括所見

浦安市斎場(建築工事)に関する技術調査の結果、設計図書を始め必要な図書は概ねよく整備 され、内容も適切であった。契約発注の手続きにおける関連書類はよく整っており、業者から も必要な書類が提出され整理保管されていることが確認できた。躯体工事に続き屋上防水工事 を完了し材料取り込みの済んだ防水押さえ平面ブロック敷き並べを残すのみとなった屋上の 状況から、雨水の心配なく内外装の仕上げ工事が手順よく進行している。品質、コスト、工程、 安全の全般にわたりよく管理された状態にある。今日の成果は、設計図と仕様書に忠実に施工 計画が行われ、毎週定例で実施されている監督員・現場常駐の委託監理者と施工を担当する監 理技術者の密接な打合せ調整が効を奏しているものと考える。作業所を運営管理する代理人の リーダシップもよく、良好な監理監督がその行動を活性化したものと判断した。

設計における明快な平面プランは幾度も訪れることの無い市民にも分かり易く、かつプラ イバシーを確保しているが、この形状・特徴を施工において旨く活かし、適切な工区分けで 工程進捗を図ったことが、生産性を高め順調な進捗に繋がったと評価できる。

電気・機械・炉の各工事が建築工事と呼吸を合わせ、整然と進められている面でも三位一体 の協力と調整の成果であり、3月15日の竣工を立派に迎えて頂けるものと考える。

4 工事着手前における技術調査の着目点

1)計画及び設計方針:

① 浦安市 では火 葬 施設 と通 夜 ・告別 式 ので きる 葬 儀式 場 を備 えた 斎 場の建 設計画 に つ いて、市の広報紙に基本プランを紹介し、広く意見や要望をとり入れ検討のうえ、ま とまった計画を工事発注以前に公開している。市民の期待に応えようとの努力が設計 の中に活かされている。

② 設計事例の多くない施設の設計者選定に当り、幅広い分野の設計経験を有するコン サルタントの提案を求め、市民が求める要望を踏まえての評価判断をその信頼に応え 得る行政の責任者が構成する委員会が設計者を決定したことが、優れた設計に結びつ いたと思われる。非常に密度の高い内容の基本設計説明書は、実施設計の方向性を明 快に示し市民の共感と理解を得たことと考える。

③ 「故人や遺族を大切にした葬送空間」を理念に、立地の特徴を活かし、臨海公園予定 地と緑でつながる配置計画、天候に左右されず柩を濡らさないピロティ形式の車寄せを 始め、会葬者の利便性、分かりやすい動線など様々な狙いを込めて計画が行われている。

④ 環境と公害防止に配慮し、ランニングコストを軽減するため、クリーンセンターの余 熱を空調に再利用するなど先進的な方針とされたことなど、高く評価される。

以上のように、計画及び設計方針は今日的な市民の感覚を取り入れた極めて適切なも のと評価できる。

2)調査:

① 地盤調査; 支持層として信頼できる地盤が設定GL-50m以上が予想される地盤の調

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査に当り、建築地を代表する南北 2 箇所に於いて、中間層のデータも詳細に取った深 度61.2m及び65.2mの一時調査と、後に行う杭長を決定するための途中データを取ら ない8箇所(60m∼65.2)2次ボーリングに分け、支持杭での設計を前提に調査費用 の最適化を図った調査となっている。隣接する敷地の焼却施設の工事に際して行った土 質調査資料を合わせて検討し、地業基礎設計の諸データを得ている。

② 測 量; 敷地は現在も沈下が続いており、高潮対策の護岸高はAP7.76mで、過 去の最大潮位で冠水しないAP5.67mGLとしているが、設計の基準になる敷地測 量と高低測量が行われている。

③ 環境影響調査;火葬炉設置には法的に求められていないが、騒音、振動、風向、敷地 内の環境汚染物などの現状を調査し、人の集まる施設として問題の無いこと、施設を 建設しても周辺に環境問題を起こさないことを確認している。

火葬炉は基本的にダイオキシンなど有害化学物質を放出しないことが確認されてい ると説明を受けた。

3)設計:

永年周辺自治体のお世話になっていた市民必需の斎場を、経済性を図りながらも内容 の充実した計画に基づき、市民のための優れたストックとして創出されようとしている。 その機能、意匠などについては、計画と設計方針の項に記述した狙いが実施設計と仕

様書の中に活かされ、出入り口等のバリアフリーや 2 階までのエレベータ配置、車椅 子対応トイレばかりでなく、一般階段の踏面を大きく勾配を緩やかにするなど、幅広い 年齢構成の使用に配慮された、シンプルで分かりやすい機能的な計画となっている。 また、昨年度の障害者福祉センターの技術調査報告書によれば、室内空気中のホルム

アルデヒド等化学物質濃度の測定を行うべきとの記述が見られるが、今回は特記仕様書 の中に明快にこれが謳われ、計測計画に基づいて実施されることになっており、一歩前 進している。竣工直前特記仕様書に記述のないことを盾に、発注者が設計変更に応じな いからと測定を拒否する業者もある現在、仕様書を重視する設計者の姿勢を評価する。

以下、構造面を中心に気付いた点を記す。

① 設計根拠及び準拠した指針は、建築基準法及び同施行令(2001 年度版)、鉄筋コ ンクリート構造計算基準・同解説(日本建築学会 1999年度版)、建築物の構造関係 技術基準解説書(日本建築センター 2001年度版)、建築基礎構造設計指針(日本建 築学会 2001年度版)、建築物の構造規定(日本建築センター 2001年度版)、建築 設備設計基準(公共建築協会 平成14年度版)、電気設備に関する技術基準を定める 省令、内線規定、消防法などであり、適切である。

② 北端でGL-50m南端ではGL-55m以下に広がる層厚10m以上のN60を超え る極めて固い細砂層を支持層とし、ここに定着する中掘拡大根固工法によるPHC及 び PRC(日本建築センター評定製品)3 枚の特殊接続用プレートと高力ボルトを用 いる接合法で4本接ぎの上先端の支持層部分に高圧で根固めモルタルを注入、拡大部 を形成する工法を採用している。

③ 地盤調査(一次調査)を検討の結果地震時の地盤液状化が懸念されるゆるい砂の

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互層と、圧密未了で杭にネガティブフリクションをもたらす粘性土の、両方に対処が 必要で、前者にはバイブロに代わる静的な砂杭による地盤改良により、後者には生じ る負の摩擦力に耐える杭の支持力増で対応している。従って、地業と杭工事の工事費 の全工事費に占める割合は当然大きくなる。NFカットの処理について検討を頂きた かった。

また、4種類の杭を比較検討してコストの小さいものを選んでいるが、最初から支 持杭で行くと決めて設計するのでなく、建物全体が周辺地盤と共に下がることを許容 しつつ不同沈下を避けるパイルドラフト工法などコスト低減に結びつく地業も検討 頂いた上で、経済性を追求頂きたかった。

地業・基礎の設計としては経済性をさらに追及する余地が考えられ、工事の入札に 際し、応札者からVE提案を求める方法もあったと思われる。

④ 構造は鉄筋コンクリート造2階建で、XY両方向とも純ラーメン構造として、 いずれの方向もルート3にて耐震検討が行われている。

重要度係数1.5とし、保有水平耐力は必要保有水平耐力の1.5倍以上であることを 計 算 で 確 認 し て い る 。 計 算 に は 、 建 築 セ ン タ ー の 評 定 を 受 け た プ ロ グ ラ ム

“SuperBuild/ss2-RCが用いられている。バランスのよいフレームと壁配置により、 偏心率、剛性率共に基準値以内に納まっていて、震度7の地震でも壁のせん断破壊は 見られず、1階柱の一部に鉄筋の露出とコンクリートの破壊が見られても、そのまま 使用に耐えるとしており、重要な公共施設として必要な耐震性を有する構造計画とな っている。

阪神大震災他、最近のあいつぐ自然災害を見るにつけ、広域に渡る斎場需要の緊 急発生も予想されるが、これに対応も可能な施設であり、運用上のルールと計画が 準備されれば、首都始め近隣自治体との連携に大きな役割を果たせるのではないか と思われる。

4)積算:

積算歩掛は、建設省建築工事積算基準(平成 11 年度版)、建築数量積算基準・同解 説(建築コスト管理システム研究所 平成11年度版)等に拠っている。

単価は、建築施工単価(営繕)、建設物価(建設物価調査会)、積算資料(経済調査 会)、建築コスト情報(建設物価調査会)、施工単価資料(経済調査会)、他に必要に応 じ 3 社の見積を採りその最低価格に価格調整低減率(浦安市)を乗じた価格を採用し ていた。

設計と平行して算出される積算数量に、上記資料に基づく単価を入れ、参考としての 金入り設計書が設計役務の中で作成される。監督員等担当職員は数量・単価などに付き、 歩掛けの確認等重点的なチェックと、主要な単価を再修正するなど、予算との整合性 を図りつつ、設計書として整備していると説明を受け、丁寧な業務が行われているこ とに敬意を表したい。

設計から積算に至るまで一貫したシステムの中行われるのが積算業務であるという が、人が図面から拾い出さねば数字を出せないものがまだまだ多い。しかし、キーボ

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ードから入力されてしまうと、嘘でも数字は同じような顔をして並んでしまうので、 拾い溢しや、二重計上などの単純ミス、或いは単価の入力ミスなども、設計書に並ぶ 数字の誤りを発見するのは容易でない。

デジタル化時代の課題として近隣自治体と連携した、建築の構造種別毎の歩掛デー タを蓄積整備され、これを用いた検算の手法などついて工夫が求められる。

5)契約:

工事業者の決定は一般競争入札に付され、全国規模の大手から地元企業まで発注条件 を満たす業者の参加があり、何れの工事も 1 回の入札で決定している。建築工事では 25社、電気工事29社、機械工事29社が参加している。

入札に際して市は予め、予定価格と共に低入札調査制度に伴う基準価格を公表してお り、設計者や発注者が業者の情報入手合戦に巻き込まれることに伴う不祥事は起こりえ ない。一方、予定価格のベースになる設計価格は公表された標準単価に基づいているの で、問題は無いというものの、応札額の分布を見る限り業者の購買努力が反映された厳 しい競争の姿を示しているとは思えない。

参加業者の多い一般競争入札にあって、古典的な業者間の話し合いなど入札妨害の形 式は取りえないはずであるが、より経済的な契約を目指して制度面の工夫が望まれよう。 入札時に応札者のVE提案を求め、これを採用した場合の額で実質的な競争をさせる

方法も一つあると思う。

建築工事、電気・機械工事とも、契約に必要な書類(工事請負契約書、内訳書、工事 着工届、工事工程表、現場代理人選任届、監理技術者選任届、及びその資格者証写し、 監督員指定通知書、履行保証証券)が完備されており、その内容は適正であった。

主任技術者は、建築、電気、機械ともそれぞれ監理技術者資格及び一級建築士、1級 電気工事、管工事 1 級他それぞれ専門分野監理に必要な資格を有しており、その証が 提出保管されていた。

<保険関係 (建築工事)

東日本建設業保証株式会社の前払金の保証証書が提出されていた。 上記の付加契約としての公共工事履行保証保険証券が提出されていた。

建退共掛金収納書が見当たらなかったが、請負者がこれに加入しているかどうか把 握されていなかった。大手業者なら正確に対応しているはずであるが、電気、機械 の業者についても実情の把握をお願いしたい。

請負業者賠償責任保険契約証明書の複写が提出されていた。

火災保険、労働災害の上乗せ保険など、加入の状況を契約書の写しの提出を求め、 市としてのリスク回避のため必要な指導を行っておきたい。

5 工事着工後における技術調査の着目点

1)施工関係:

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①施工計画書について

施工計画書は3冊のフォルダーに、合わせて37項目が納められており、土工事、地 業・杭及び、鉄筋、コンクリート、鉄骨に関する計画内容は、設計図書と仕様書を踏ま え、具体的かつ詳細な計画となっていて、品質確保に対する意欲が窺がえるが、工事全 般に亘って調べると、整備のありかた、或いは作成された計画書の活用という面で工夫 が望まれる。

ア. 施工計画書は 共通事項、仮設工事、土工事から始め、一冊のフォルダーに綴じ きれなくなれば、順次、国交省共通仕様書の章建ての順序で整備頂きたい。

最初に、作成すべき項目を検討し、全体の目次を準備し、工程を見ながら工場制作 や発注、着手などに支障のないタイミングで計画が終わるよう、チェックリストと して活用すると同時に、目次に沿ってファイリングいただけば有効な活用が可能と なる。

共通事項に相当する部分は元請業者側が力を込めて作成する施工計画の本質的な 部分であり、ISO 認証取得企業として、品質管理、工期管理、法令順守と建設廃棄 物の処理などで協力会社に求める所を、目標を掲げ、簡潔にきちっと記述し作成し ておかれたい。

イ. 作成項目は設計監理者と主任技術者の間で、重要度・難易度などを評価して予め 決め、施工が終わっても計画書がないなどということの起こらぬよう上記目次に納 めておいて頂きたい。施工体系台帳もチェックリストの一つとして活かして欲しい。 仮設工事、防水工事、(石、タイル、木工事)、金属工事、塗装工事、内装工事など

の施工計画書が3 冊のフォルダーの中に無かったが、施工の終わった重要な防水工 事などでは、「設計図書に詳しいから必要ない、カタログ通りにやりますから」と作 成を怠ると、職人任せの仕事に流れる可能性が残る。

計画書作成を通じて設計図書と仕様書を深読みし、問題点にも気付き、その内容 を作業員の末端に伝達ことを通じて、間違いのない施工が行われねばならない。 ウ. 当工事ではないが、施工要領書を下請け業者に作らせ、出てきたものだけを綴じ

「施工計画書」ですと綴じられた施工計画書を散見します。当工事の如く常駐する 監督者が常に作業状況に目を光らせ、ベテランの現場代理人が生き字引の如く仕事 を理解して指導に当れば、間違いは起こりえないでしょう。しかしそうでない現場 も多く、基本的なことをきちっとやることが大切だと申し上げております。監理の 立場として油断無く手順を踏んで頂きたい。

②使用材料管理

使用材料承諾願にある各種材料の形状寸法及び品質、強度は設計に適合するもので あり特に問題はないと判断した。

a)地盤改良に用いた砂及び砕石、既成コンクリート杭など、工場検査、現地受け入 れ検査が行われており、何れも規格に合格した材料が用いられている。

b)コンクリートは、試験練りを行い、調合計画書が作成され委託監督員・営繕監督 員の承認を得ている。骨材の試験が適切に行われており、含有塩分量、アルカリ骨 材反応などの危惧のないことが㈶建材試験センター船橋試験室において確かめら れている。

生コンクリートの受け入れ検査は仕様書に基づき㈱建材サービスセンターによ

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り行われ、監督員立会いの下で適切に行われ、㈶建材試験センターで行われた 4 週圧縮強度試験の結果は全て、基準値並びに調合強度を上回っていることを確認で きた。

c)鉄筋はミルシートが整理され、品質確認が行われている。 入荷した材料がミル シートと合致していることを、受け入れ検収に際しタグで確かめ、これを集め整理 が行われていた。納入された鋼材の保管も適切だったことが工事写真から確認でき た。

d防水材料についてはメーカーのカタログ、品質証明などが揃っており、共通仕様 書9.1.19.2.3に適合する材料が選定されている事と思うが、先に述べたとおり、 施工計画書を調べることが出来なかったので、適切な計画が監督員によって承諾 されていることを再確認しておいて頂きたい。

e) シ ッ クハ ウ ス対 策 と し て、 造 作材 ・ 内 装 材及 び 塗装材 料 等工 事 用 材 料ば か り で なく納入される家具に関しても、4☆製品の使用または検査証を特記仕様書で求 め、受け入れ確認が実施されている。また、特記仕様書19章内装工事において、

②健康障害への対策を設け、壁紙、ビニル床シート等に用いる接着剤に含まれる 可 塑 剤 に ま で 言 及 し 徹 底 し た ホ ル ム ア ル デ ヒ ド そ の 他 揮 発 性 物 質 の 発 生 と 室 内 への滞留防止に留意することを求め、施工完了後はVOCの室内濃度について簡易 測定法などにより測定を行うとしている。濃度が厚生労働省の定める指針値を上 回 っ た 場 合 は ベ ー ク ア ウ ト な ど の 方 法 に よ り 濃 度 を 指 針 値 以 下 ま で 下 げ る と 記 された。

③ 施工管理

a)面積的にほぼ5等分に割れる南北、東西対照的なシンプルな空間構成を活かした工 区分けにより地盤改良から躯体工事に亘り、一定の順序で繰り返し工程を生成するこ とにより、使用機械、納入材料及び作業員の稼動人数をほぼ一定に保ち、効率的な工 程管理で効果を挙げている。毎月度の定点から撮影した全景写真がその様子を示して いるが、順調な進捗、安全の確保、精度の高い仕事など、当初の施工計画におけるこ の基本的な考え方が工事を成功に結び付けたといえよう。

(施工計画図を含む施工計画書仮設工事編があるに違いないが、今回見せていただ けなかったのが残念だった)

b)杭の施工管理

ネガティブフリクションの荷重まで負担する全長50mの杭は4本の既成コンク リート杭を 3 箇所で高力ボルト接合としている。杭の強度、信頼性の高い特殊な 接合方法、これを杭の中空部に納めたロッドを回転して支持層まで杭先端部を掘削 し、十分な値入を確認して所定のセメントミルクを所定の圧力で注入して先端部分 に拡大断面を得る。別の地盤で試験杭の載荷試験が行われ、そのデータが評価され、 建築センターの評定に基づく径別の許容支持力が得られている。

工事の管理ポイントとして最も重要なのは、先端に計画通りの拡大断面が計画 以上のコンクリート強度で出来ていることである。セメントミルクをサンプリング して、その4週強度を公的機関で試験を行い、全数規定値を上回っていることを確

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認しているのは良い。しかし、各杭に所定量のセメントミルクが注入できたことを 具体的に観測したデータ・記録が残されていないと判断するしかなかった。注入ポ ンプの吐出圧 180kg/平方㎠と注入時間の積があればよいのか、圧送量の自動計測 が行われデータが残っているのか限られた調査時間では説明を得られなかった。杭 径ごとの計算上必要なセメントミルクの量は施工計画書に明記されているが、その 量が注入された記録がわからない。分かったのはサイロに納入された総セメント量 であり、杭1本当りのセメントミルク使用量平均値では十分な量の注入が行われた はずだというのが結論だった。他に、完全な接合部、これは高力ボルト接合として 鉄骨の接合同様、各接合部において全数トルク試験が行われその記録が品質を保証 している。

杭の垂直度は施工のプロセスで一本毎に計測データが残され、杭頭の芯ずれも毎 回のデータが図示され、監督員確認印のある資料が全数揃っている。

先端拡大部の品質保証を明らかにする各杭先端部セメントミルク注入量のデー タだけは揃えておきたい。

c)鉄筋圧接部の試験結果

鉄筋の圧接は予め圧接工の資格確認を行い、圧接箇所の 10%に相当する箇所に ついてUT検査が行われ、検査記録の全数が合格していた。

施工写真、立会いを含め UT 検査の写真では、その作業方法・姿勢共に適切で 不良圧接の発生する環境は見られなかった。作業員の技量・意識共に高く、管理監 督も行き届いていたものと判断する。

共通仕様書の平成13年版から、鉄筋圧接部の引張試験は超音波試験で代えるこ とが可能になり、100%超音波による試験で済ませる工事が大半となっているが、 作業員に与える足場条件、作業環境ばかりでなく、作業員の意識と集中力の有無 一つで欠陥が発生する圧接を甘く考えてはならない。UTによる検査を軸にしつつ も、適切な抜き取りによる引っ張り試験は作業員の技量維持にも欠かせないと考え ている。

④ 工事写真

工種工程ごとに、自主検査に伴う写真、監理監督員立会いの写真が詳細かつ数多く 撮影されている。後には破壊しない限り見ることの出来ない杭工事、鉄筋工事の写真 は貴重である。多くの写真に、撮影内容を記した黒板を持つ人の顔が写し込まれ、黒 板には立会者の氏名が記されているのは良い。しかし、大部分の写真に撮影日が記入 されていない。アルバムには解説欄に黒板の内容と日時が記されているので整理され た画像を見るのには差し支えないが、此処に整理する手間一つとっても写真の黒板に 撮影日時を記録しておくことが望ましい。

⑤ 産業廃棄物処理計画(委託契約書、処分業許可証、収集運搬業許可証、運搬経路図、 マニフェスト)が整理できていた。また、監理者の立会いで中間処理場及び最終処分場 の確認が行われていて、その写真も残されている。

施工体制台帳、施工体系及が作成され、現場事務所に掲示されていた。

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注文書(金額記載)請け書のファイルも整備されていた。

⑥ 監理監督の意思疎通

a)毎週定例会議を行い、工程調整、設計並びに施工に関する問題提起と前週提案の有 った問題点に対する調整結果と作業所における実施の確認が行われ、詳細な議事録の記 述内容を通じ、十分なコミュニケーションが図られていた。月に 1 回は総合工程会議 として、月間工程表による先の工程調整を含め、検討・指示事項などが話し合われてい る。真剣に行われているこれらの会議が工事の監理と工事の推進に大きな役割を果たし ていることが読み取れる。

b) 委 託 監督 員 と 営繕 課監 督 員 の間 の意 思 の 疎通 、権 限 委 譲 と 責任 履行 は 上 記打 合せ 記録の内容ばかりでなく、現場における1回の検査についても前週、日時を調整のう え 、「 検査 願 書 」 が委 託監 督 員 を通 じて 提 出 され 、検 査 結 果 が 逆の 順路 で 報 告さ れる と所定の様式に基づき必要な指示事項を記して施工者に返されている。

例えば、杭頭の偏芯量について、全ての杭にわたり設計値と実測値が一覧表にされ、 そ の 期 間 中 、 三 者 間 で 同 じ 現 物 ・データの確認を行 っていることが理 解できる。これら の書類にはきちんと日付が記入され、関係者の押印が施されていた。コンクリートの 圧縮強度試験立会いその他も同様のプロセスで行われていた。

⑦ 工事写真から見た施工状況

土工、型枠、鉄筋など躯体工事の施工状況は全般的に良好であった。

特に鉄筋の配筋精度は高く、本数・径・ピッチばかりでなく、被覆が全般に良かった。 写真の撮り方もよく、出来型立会いの写真は何れも状況がよく把握できる。

コンクリートの打継部レイタンス処理を始め、床均しの状況なども優れている。 整理整頓よく、常に安全な動線が確保できていると認められた。

6.現地の状況

① まず、外部足場がいずれの面も通り良く、見れば、足場つなぎを一切取らず、始め

から鋼製の“斜材(やらず)“を用い広い空間を有効に使って外部側から支えている。 外壁コンクリートは障害物なしの型枠施工は、精度が高く繋ぎ後に修繕を要しない打

放しを可能にするためという。

現場代理人の言葉通り、既に打設を終えた杉小幅板を横に使った打放コンクリート のピン角には一点の傷も無く、見事な出来栄えである。また外部吹きつけ塗装の始ま った大壁面もコンクリートの平面精度が高いので、斑無く極めて平滑な仕上げとなっ ていた。

② 足場の登り桟橋は足場本体と色を替え黄色くしているので、遠くからでも昇降位置 が分かり、作業の安全と作業性に効果があろう。

既に躯体工事が終わっているとはいえ、足場の上には余材や、コンクリート片は全く 無く、清掃を終えたばかりのようである。鋼製足場板は隙間無く敷き込まれている。

③ 屋上防水は既に終わり、断熱版が敷き並べられ、その上に、搬入された屋上仕上げ 材の平板コンクリートブロックが何時でも作業にかかれる状態で配置が終わっていた。 パラペットに立ち上がったアスファルト防水が必要なかさねを取り、かつ、背面によ

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く接着され端部を抑えられている様子が目視できる。

ルーフドレインの位置、水勾配も適切と思われる。配管の終わったルーフドレインに は塵が流れ込まぬよう仮設の養生をお願いしたい。

④ アルミ枠にガラスを入れ、養生されたトップライトの並ぶ屋根も完成している。

⑤ 足場から二階に入ると各室天井内の空調設備は保温を終え、電気配管には入線も終 わっていて、天井下地が進行中。機械室、電気室などには既に機器が入り、設置が終わ っている。火葬炉も既に内部の耐火煉瓦を積み終えており、1ヶ月も掛ければ試運転が 出来そうな状況と、各工事とも極めて順調な進捗状況あると判断できた。

1,2階とも殆どの室が外部に面しており非常に明るい。一部内部の室は仮設照明が整 えられ、作業環境が非常によい。

作業所内の規律はよく、保護具の着用、場内の整理整頓・清掃が行き届き、仕上げ材料 の保管、配置などにも無理がない。場内での喫煙を禁止しているからか、吸殻入れは なく吸殻のポイ捨ても見られなかった。

⑦ 道路に面した仮囲いには、労災契約成立票を含む必要な看板の掲示が行われ、場内 朝礼の行われる大掲示板の掲示物も整然と整えられていた。

⑧ 外部に設けられた塗装のモックアップ、実施施工において眼前に見比べることの出 来る同一下地上への吹きつけ見本にはモデルの目地も入っている。よい仕事をしようと する心意気を感じる。

⑨ 特に指摘するほどの問題は見当たらなかったが、各階、足場を通じて何処からでも 出入りが可能に見えるが、既に主要な出入り口としているところのサッシ下枠の養生を 強化すると共に、出入り箇所を限定したい。施工関係者は工事中の僅かな傷も建物が終 生背負う欠陥であると認識されたい。

⑩ 寒さに向かい暖房のため、火気使用に注意し、消火器の配置と共に燃えやすい梱包 材管理などの徹底を図って欲しい。

⑪ 断熱用ウレタンの吹きつけについては、施工後の火気使用を戒めると共に、将来の 改修工事も見据え、「火気厳禁」の注意書きを各面、目の高さに配置願いたい。筆者は、 今年もある公共工事で吹き付け完了後の難燃性ウレタンに、上部床貫通穴追加に伴う 鉄筋切断の火の粉が付着して発生した、火災事例を目にしている。

最後まで油断のないようご注意頂きたい。

以上、現場を巡回して感じたままを記したが、工事が整然と且極めて順調に運ばれて いることが確認できたことを報告させて頂く。

7 その他の所見: 特になし

以上

参照

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