1
第8 回 脂質代謝( 2 )
日紫喜 光良
基礎生化学講義
2010.6.8
2
概要
• コ レステロールの代謝
• リ ポタ ンパク
• ステロイ ド の生合成
「イラストレーテッド生化学」第18章に相当
3
コ レステロールの供給源と 供給先
食餌中のコレステロール 肝臓以外の臓器で合 成されたコレステロー ル
キロミクロンレムナント
HDL
肝臓で新規に合成さ れたコレステロール
肝臓に貯蔵
遊離コレステロー ルとして胆汁に排 出
VLDLとして 血流へ
胆汁酸、胆汁塩 に変換
「イラストレーテッド生化学」図18.1
4
コ レステロールの形態
1 7
7 1 1 9
ステロイド核 コレステロール
コレステリルエステル 脂肪酸
図18.2
5
コ レステロールの新規合成ステッ プ
• 3- ヒ ド ロキシメ チルグルタ リ ル (HMG)-CoA の
合成
• メ バロン酸の合成
• コ レステロールの合成
6
HMG-CoA の合成
2分子のアセチルCoA
アセトアセチルCoA
アセチルCoA
HMG-CoA
HMG-CoA シンタ ーゼ
チオラ ーゼ
HMG-CoAシンターゼ
細胞質
ミトコンドリア ケトン体合成プロセス
コレステロール合成プロセス 注意:
7
HMG-CoA の生成
図18.3
アセチル CoA : 炭素数2
アセト アセチル CoA : 炭素数4
HMG-CoA : 炭素数6
8
メ バロン酸の合成
HMG-CoA
HMG-CoA リ ダク
タ ーゼ
メ バロン酸
2NADPH + 2H+
コレステロールで発現 が抑制される。
図18.4
9
コ レステロール合成
• メ バロン酸
• スク アレン
• ラ ノ ステロール
• コ レステロール
細胞質で行われる
エネルギーを用いる
10
コ レステロールの合成( 1 )
メ バロン酸
5−ピロフォスフォメバロン酸
(リン酸化)
(リン酸化)
(脱カルボキシル化)
デカ ルボキシラ ーゼ
イソペンテニルピロリン酸(IPP)
(5C)
3,3ジメチルアリルピロリ酸(DPP)
(異性化)
イ ソ メ ラ ーゼ
ジェラニルピロリン酸(GPP)
(10C)
ト ラ ンスフ ェ ラ ーゼ
ファルネシルピロリン酸
(15C)
ト ラ ンスフ ェ ラ ーゼ
スク アレン
(30C)
スク アレンシンタ ーゼ
(6C)
(図18.5から作成)
11
コ レステロールの合成( 2 )
スク アレン
ラ ノ ステロール
コ レステロール
(30C)
(30C)
(27C)
スク アレンモノ オキシゲナーゼ
12
コ レステロール合成の調節
• HMG-CoA リ ダク タ ーゼによる反応が全体の
反応速度の律速段階である。
• HMG-CoA リ ダク タ ーゼの調節
– ステロール依存性の遺伝子発現調節
– ステロールで促進さ れる酵素分解
– ステロール非依存性リ ン酸化 / 脱リ ン酸化
– ホルモンによる制御
– 薬剤による阻害
13
HMG-CoA リ ダク タ ーゼの調節
• コ レステロールの濃度で酵素タ ンパク の合成量を調節
– メ ッ センジャ ーR N A を作る量 ( 転写量) を調節
• コ レステロールの濃度が高く なると 酵素タ ンパク の分解がす
すむ
• リ ン酸化による調節
– AMP 活性化プロテイ ンキナーゼと フ ォ スフ ォ プロテイ ンフ ォ スフ ァ タ ー
ゼ
– リ ン酸化さ れると 非活性化、 脱リ ン酸化さ れると 活性化
• ホルモンによる調節
– インスリ ン: HMG-CoA リ ダク タ ーゼ遺伝子の転写量を上げる
– グルカ ゴン: イ ンスリ ンと 反対の作用
14
HMG-CoA リ ダク タ ーゼの調節
細胞質
核
遺伝子 SRE
mRNA 転写
mRNA 翻訳
HMG-CoAリダクターゼ リン酸化された
HMG-CoAリダ クターゼ
(非活性的)
A MP K
フ ォ スフ ォ プ
ロテインフ ォ
スフ ァ タ ーゼ
( A MP 活性化プロテインキナーゼ)
HMG-CoA メバロン酸コレステロール
SREB-SCAP
(ゴルジ体)
SREB-SCAP
(小胞体) SREB プロテアーゼに
よる分解
(図18.6より)
15
HMG-CoA リ ダク タ ーゼの阻害薬
• スタ チン
– HMG-CoA と 構造が類
似
• HMG-CoA リ ダク タ ーゼ
を競合的阻害
図18.7
16
コ レステロールの排出
• ステロール核は分解さ れない
• 胆汁酸や胆汁塩( 胆汁酸にさ ら にさ まざまな
化合物が結合し たも の) と し て胆汁に分泌さ
れ、 排出さ れる
17
胆汁酸
• 胆汁の主要な成分
– 胆汁塩のも と
コ ール酸
ケノ デオキシコ ール酸
胆汁酸の例
図18.8
18
胆汁酸の合成
• コ レステロールから
– コ レステロールを排出す
る唯一有効な経路
• 律速段階は
– コ レステロール 7- α - ヒ ド
ロキシラ ーゼ
– 促進: コ レステロール
– 抑制: コ ール酸
コ ール酸
コ レステロール
図18.9
19
胆汁( 酸) 塩
• 胆汁酸にタ ウリ ン、
グリ シンが結合し て
できたも のが多い
グリ コ コ ール酸 ( 胆汁塩)
コ ール酸
グリ シン
ケノデオキシコール酸 タウリン
タウロケノデオキシコール酸 (胆汁塩)
図18.10
20
胆汁の主要な成分
• 有機化合物
– フ ォ スフ ァ チジルコ リ ン( リ ン脂質)
– 胆汁塩
• 無機化合物
21
腸・ 肝循環
• 胆汁塩: 15 ∼ 30g/ 日、 胆管を通じ て排出
• 胆汁塩、 胆汁酸: 小腸から 15~30g/ 日再吸収
胆管 門脈
コレステロールからの胆汁酸:0.5g/日
十二指腸
空腸 胆汁
22
胆汁塩の不足→胆石症
• 胆汁中の胆汁酸の不
足
– 腸から の吸収不良
– 胆管の閉塞
– 肝機能障害
胆石を有する胆嚢
図18.12
23
血漿リ ポタ ンパク
• 脂質と 特殊なタ ンパク ( ア
ポタ ンパク ) の複合体
• 肝臓と 末梢組織と の間で
脂質を輸送
• 密度の小さ い順( 直径の大
きい順) に
– キロミ ク ロン
– VLDL
– LDL
– HDL
キロミクロン
VLDL
LDL
HDL
図18.13
24
リ ポタ ンパク の構造
• 外側: 親水性
– タ ンパク 質
– リ ン脂質
• 内側: 疎水性
– ト リ アシルグリ セロール
– コ レステロールと コ レステリ ルエステ
ル
親水性層
疎水性層
25
リン脂質
TAGとコレステロールから成る核
非エステル化コレステロール アポタンパク
図18.14
典型的なリポタンパク粒子の構造
26
アポタ ンパク
• A ∼E のク ラ スがある
– 構造と 機能で分類
– サブク ラ スを有する
27
キロミ ク ロンの代謝: ( 1 )
• キロミ ク ロンの構成: 9 0 %以上がト リ アシル
グリ セロール( T A G )
• 小腸の粘膜細胞で吸収さ れたT A G 、 コ レステ
ロール、 脂溶性ビタ ミ ン、 コ レステリ ルエステ
ルを末梢に運ぶ
• アポタ ンパク : Apo B-48
• リ ンパ管に分泌さ れる
28
キロミ ク ロンの代謝( 2 )
• 修飾: アポタ ンパク E (Apo E) 、 アポタ ンパク
C-II (Apo C-II) を受け取る。
– Apo E: 肝臓に認識さ れるために必要
– Apo C-II: アポリ ポプロテイ ン リ パーゼ( キロミ ク
ロンに含まれるT A G を分解する酵素) の活性化
に必要
29
キロミ ク ロンの代謝( 3 )
• リ ポプロテイ ン リ パーゼによるT A G の分解
– リ ポプロテイ ン リ パーゼは血管の内皮に存在する。
• 脂肪組織、心筋、骨格筋に多い
• 肝臓はこの酵素をもたない、
– T A G の分解→脂肪酸と グリ セロール
• 脂肪酸
– 脂肪細胞で貯蔵 – 筋肉でエネルギー源
– 遊離脂肪酸としてアルブミンに結合して血流で運ばれる
• グリセロール:肝臓に運ばれ、TAGの合成やエネルギー源になる
• リ ポプロテイ ン リ パーゼまたは Apo C-II の欠損症では:
– 1 型高脂血症−キロミ ク ロン濃度が極端に高く なる
30
キロミ ク ロン レムナント の生成
• キロミ ク ロンの TAG が分解さ れたあと の残り
– 密度は大きく なり 、 大きさ は小さ く なる
– Apo C-II を HDL に返す
– 残り を、 キロミ ク ロン レムナント と いう 。
– 肝臓に吸収さ れる( 肝臓には Apo E レセプタ ーが
ある)
31
小腸粘膜細胞が TAGに富んだキロミ クロン(CM)を分泌 Apo C-IIとEをHDLから受け取る
細胞外のリポプロテ インリパーゼがTAG とCMを分解
脂肪組織等
Apo C-IIはHDLに戻される キロミクロン
レムナント Apo Eレセプター
肝臓 小腸
肝臓にとりこまれる
キロミクロン
毛細血管
遊離脂肪酸
図18.17
32
VLDL
• VLDL : 肝臓で生成さ れた TAG を末梢に運ぶための
リ ポタ ンパク
– 末梢( 脂肪組織、 筋肉など) で TAG はリ ポプロテイ ンリ
パーゼによっ て分解さ れる
• キロミ ク ロンの場合と 同様
• 脂肪肝: 肝臓で作り 出す TAG の量と 、 VLDL で運び
出す量と がバラ ンスがと れず、 肝臓に脂肪がたまる
状態
• VLDL の構成: 6 0 %が TAG 。
– アポタ ンパク : Apo B-100, Apo C-II (HDL から 取得) ,
Apo E (HDL から 取得)
33
VLDL の修飾
• 末梢での分解
– TAG を取り 出す
• HDL に Apo C-II と Apo
E を返す
– Apo B-100 は残す
• HDL と のコ レステリ ル
エステルの交換( 左
図)
– コ レステリ ルエステルト
ラ ンスフ ァ ープロテイ ン
図18.18
34
LDL の生成
• 修飾さ れた VLDL は、 最終的には LDL になる
– その過程で、 中間の密度の粒子( IDL あるいは
VLDL レムナント ) が観察さ れる
• IDL も Apo E レセプタ ーをも つ細胞にと り こ ま
れる
– Apo E のアイ ソ フ ォ ーム: Apo E2, Apo E3, Apo
E4
– Apo E2 は Apo E レセプタ ーにあまり 結合し ない
• Apo E のアイ ソ フ ォ ームに Apo E2 し かないと 、 III 型高
脂血症になる
– Apo E4 の機能はよく わかっ ていない
35
LDL の組成
• キロミ ク ロンや
VLDL より も コ レ
ステロール・ コ レ
ステロールエステ
ルの割合が高ま
る
キロミ ク ロン
V LDL T AG
T AG9 0 %
6 0 %
LDL
H DL
5 0 % コレステロール
コレステロールとコレステロール エステル
タンパク質 4 0 % リン脂質
3 0 %
コレステロール 2 5 %
図18.19
36
LDL の代謝
• 受容体を介し たエンド サイ
ト ーシス
– エンド サイト ーシス: 真核細胞
が外部から 巨大分子を膜を
介し て取り 込み、 さ ら にリ ソ
ゾームで分解し て利用可能
にするまでの過程。
– L D L は末梢組織の細胞にも 、
肝細胞にも 取り 込まれる
• [1] 細胞表面の被覆小窩に
存在する LDL レセプタ ー
( Apo B-100/Apo E レセプ
タ ー) に LDL が結合する。
• [2] エンド サイ ト ーシスに
よっ て LDL- レセプタ ー複合
体が内部に取り 込まれる
• [3] LDL を含む小胞どう し が
融合し てエンド ソ ームをつく
る
• [4] LDL と レセプタ ーが分離
する。
• [5] レセプタ ーは再利用さ
れ、 LDL はリ ソ ゾームで分
解さ れる。
37
LDL の代謝
[1 ] [2 ]
[3 ]
[4 ]
[5 ]
リソゾーム アミノ酸 脂肪酸
細胞膜、 ステロイ ド ホルモン、
胆汁酸
コ レステリ ルエステル
アポリ ポプロテイ ン B-1 0 0
LDL
被覆小窩
エンドソーム L DL -R
L DL レセプター ( L DL -R ) 細胞膜
L DL -R の合成
コレステロー ルの合成
コレステリルエステルの貯蔵
図18.20
38
細胞内のコ レステロールの調節
• エンド サイ ト ーシスによる細胞へのコ レステロールの
取り 込みは、
– キロミ ク ロンレムナント 、 IDL, LDL
• HMG-CoA リ ダク タ ーゼの活性を低下さ せる
– その結果、 コ レステロールの新規合成が低下する。
• LDL レセプタ ータ ンパク が作ら れる量を低下さ せる
• アシル CoA- コ レステロールアシルト ラ ンスフ ェ ラ ーゼ
(ACAT) によっ て脂肪酸と エステル化さ れ、 貯蔵さ れ
る
– ACAT の活性は、 コ レステロール濃度が高まると 増加する。
39
ACAT のはたら き
コレステロール
コレステリルエステル 脂肪アシルCoA
図18.21
40
マク ロフ ァ ージの「 スカ ベンジャ ーレセプタ ー」 に
よる化学的に修飾さ れた LDL の取り 込み
• 酸化さ れた脂質を含む LDL を取り 込む
• 細胞内のコ レステロール濃度が上昇し ても レ
セプタ ーの生成が抑制さ れない
• マク ロフ ァ ージ内にコ レステリ ルエステルが蓄
積し 、 泡沫細胞に変化さ せる。
• 泡沫細胞は、 動脈硬化プラ ーク の形成に関
与する。
41
マクロファージ
泡沫細胞
平滑筋細胞
内皮細胞
動脈内腔 単球→マクロファージ
単球
酸化されたLDL をとりこむ
抗酸化物質 酸化物質
図18.22
42
HDL の代謝
• およそ 70% は Apo A-I と いう タ ンパク 質。
• アポリ ポタ ンパク の貯蔵
– Apo C-II, Apo E
• エステル化さ れていないコ レステロールの回
収
• コ レステロールのエステル化
– フ ォ スフ ァ チジルコ リ ン - コ レステロール アシルト
ラ ンスフ ェ ラ ーゼ (PCAT)
– PCAT は HDL に結合し 、 Apo A-I によっ て活性化
43
小腸 肝臓
円盤状の幼若なHDL
遊離コレステロー ルの取り込み
遊離コレステロー ルの取り込み
PCAT
コレステロール
末梢組織 遊離コレステロール
H DL H DL
V LDL
コレステリルエステル
Apo A
HDL の Apo A は PCAT によるコ レステロールのエステル化を促進する
44
ステロイ ド ホルモン
• グルコ コ ルチコ イ ド
– コ ルチゾールなど
• ミ ネラ ル( 鉱質) コ ルチコ イ ド
– アルド ステロンなど
• 性ホルモン
– アンド ロゲン( 男性ホルモン)
• テスト ステロンなど
– エスト ロゲン
• エスト ラ ジオールなど
– プロゲスチン
• プロゲステロンなど
45
プロゲステロンから
プロゲステロン
プレグネノロン コレステロール
コルチゾール
テストステロン
アルドステロン
エストラジオール
46
ステロイ ド 合成
コレステロール (C27)
プレグネノロン (C21)
デスモラ ーゼ( C Y P 1 1 A )
プロゲステロン (C21)
3 −β −ヒ ド ロキシステロイド デヒ ド ロゲナーゼ
NADPH,O2
11−デオキシコルチコ ステロン (C21)
17−α −ヒドロキシプロ ゲステロン (C21)
1 7 −α −ヒ ド ロキシラ ーゼ( C Y P 1 7 )
ミトコンドリア内膜でおこなわれる。必要なコレステロールはStAR(Steroidogenic acuter regulatory)タンパクがミトコンドリアに輸送する。11-デオキシコルチ ゾール (C21) コルチコステロン
11
−β −ヒ ド ロ
キシラ ーゼ
( C Y P 1 1 B )
21−α −ヒ ド
ロキシラ ーゼ
アルドステロン (C21)
C Y P 1 1 B 2
21
−α −ヒ ド
ロキシラ ーゼ
コルチゾール (C21)
11
−β −ヒ ド ロキシ
ラ ーゼ ( C Y P 1 1 B )
アンドロステンジオン (C19)
テストステロン (C19) エストラジオール (C18)
アロマタ ーゼ ( C Y P 1 9 )
図18.15より作成47
分泌する組織
• コ ルチゾール
– 副腎の束状層( 中間層)
• アルド ステロン
– 副腎の球状層( 外層)
• アンド ロゲン
– 副腎の網状層( 内層)
48
ステロイ ド 合成に関係するタ ンパク 質
• StAR: コ レステロールを細胞質から ミ ト コ ンド
リ アに移動
• デスモラ ーゼ: コ レステロールの側鎖を分解
– プログネノ ロンを生成
• CYP タ ンパク 質群
– CYP19 ( アロマタ ーゼ) : テスト ステロンから エスト
ロゲンを生成
– アロマタ ーゼ阻害薬は閉経後のエスト ロゲン依存
性乳がんの治療に用いら れる。
49
副腎皮質でのステロイ ド ホルモン分泌の
調節
• コ ルチゾール
– 副腎皮質の束状層( 中間層) から 分泌
– 視床下部から CRH が分泌: 感染等のスト レスで
– CRH は下垂体から ACTH を分泌さ せる
– ACTH は副腎から コ ルチゾールを分泌さ せる
• アルド ステロン
– 副腎皮質の球状層( 外層) から 分泌
– 血漿の Na+/K+ の減少が刺激と なっ て、 または、 アンギオテンシン II の
刺激によっ て、 分泌
– 腎の尿細管にはたら き、 Na+ の再吸収を促進、 K+ の再吸収を抑制
• アンド ロゲン
– 副腎皮質の網状層( 内層) から 分泌
– 末梢組織でテスト ステロンまたはエスト ロゲンに変換さ れる
図18.26「下垂体ホルモンによるステロイドホルモン合成・分泌の刺激」も参照
50
性腺でのステロイ ド ホルモン分泌の調節
• 視床下部から : 性腺刺激ホルモン放出ホルモン (GnRH)
• GnRH は、 下垂体前葉から 、 LH と FSH を分泌さ せる
– LH
• 精巣(ライディヒ細胞)にはたらき、テストステロンを分泌させる
• 女性では、排卵を誘発する
• 卵巣(黄体)にはたらき、エストロゲンとプロゲステロンを分泌させる
– FSH
• エストロゲン(女性)またはアンドロゲン(男性)の分泌を刺激する。
• 卵巣にはたらき、卵胞を成長させる
• 精巣にはたらき、精子形成を促進する。
図18.26「下垂体ホルモンによるステロイドホルモン合成・分泌の刺激」も参照
51
ステロイ ド ホルモンのはたら き
• アルド ステロン
– 腎臓の Na+ 再吸収と
K+ 排出を促進
• コ ルチゾール
– 糖新生を促進
– 抗炎症作用
– 筋でのタ ンパク 質分解
• エスト ロゲン
– 月経周期を調節
– 女性二次性徴の発達を促進
• プロゲステロン
– 子宮と 乳腺の分泌相を促進
– 受精卵の着床と 成熟を促進
• テスト ステロン
– 精子形成を促進
– 男性二次性徴の発達を促進
– 同化を促進
– 胎児の男性化
図18.27より
52
ステロイ ド ホルモンの細胞への作用
図18.28
2.細胞質または核内 でステロイドホルモンレ セプターに結合
1.拡散に よって細胞 膜を通過
3.レセプター・リガンド 複合体がhormone
responsive elements (HRE)とよばれる特別 な調節配列に結合。
4.プロモータが活性 化し、転写が開始す る。