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多層プリント配線基板

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(1)

平成20年度

特許出願技術動向調査報告書

多層プリント配線基板

(要約版)

<目次>

第1章

調査目的. . . 1

第2章

対象技術概要. . . 1

第3章

特許出願動向. . . 5

第4章

研究開発動向. . . 18

第5章

市場環境動向. . . 24

第6章

政策動向. . . 29

第7章

総合分析. . . 30

平成21年4月

特 許 庁

問い合わせ先

特許庁総務部企画調査課 技術動向班

電話:03−3581−1101(内線2155)

(2)

1 章 調査目的

現 在 の 社 会 は 情 報 ・通 信 等 の 電 子 技 術 な し に は 考 え ら れ ず 、特 に 携 帯 電 話 や デ ジ タ ル カ メ ラ に 代 表 さ れ る 民 生 用 モ バ イ ル 機 器 の 急 速 な 普 及 に は 目 を 見 張 る も の が あ る 。 こ れ に 伴 い 、 電 子 機 器 の 小 型 化 へ の 要 求 は ま す ま す 強 ま り つ つ あ る 。 他 方 で は 高 機 能 化 も 急 速 に 進 め ら れ て お り 、 そ れ に 伴 う 機 器 の 複 雑 化 と 小 型 化 を 同 時 に 図 る と い う 、 相 反 す る こ と が 求 め ら れ て い る 。こ れ ら の 要 求 に 応 え る べ く 、大 規 模 集 積 回 路(LSI)等の能動素子や記憶素子などの高機能 化 と 小 型 化 に 向 け た 技 術 開 発 が 精 力 的 に 進 め ら れ 、 そ の 進 歩 は 目 覚 し い 。

し か し 、 そ れ ら 高 性 能 の 素 子 も 単 独 で は 機 能 で き ず 、 プ リ ン ト 配 線 基 板 に 固 定 さ れ 電 気 的 に 接 続 さ れ て 初 め て 機 能 す る こ と が で き る 。そ れ も 単 に 固 定 、接 続 す れ ば 済 む も の で は な く 、 素 子 の 性 能 を 十 分 に 発 揮 さ せ る た め に は 、 プ リ ン ト 配 線 基 板 の 高 度 化 と 小 型 化 が 不 可 欠 で あ る 。す な わ ち 、華 や か な 脚 光 を 浴 び る こ と が 多 い LSI 等の素子に比べて地味ではあるが、プ リ ン ト 配 線 基 板 は 高 度 な エ レ ク ト ロ ニ ク ス 技 術 の 実 用 を 支 え る 「基 盤 」で あ る 。 プ リ ン ト 配 線 基 板 に 対 す る こ の よ う な 要 求 に 応 え る べ く 、 主 と し て 小 型 化 と 配 線 の 高 密 度 化 、 お よ び 配 線 距 離 短 縮 に よ る 高 速 伝 送 を 目 指 し て 開 発 さ れ た も の が 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 で あ る 。

多 層 に 限 定 し な い 全 種 類 の プ リ ン ト 配 線 基 板 の 生 産 額 に お い て 、1999 年以降、最近まで日 本 が 首 位 を 占 め て き た 。2006 年には生産額において中国に抜かれて 2 位となった模様であ る が 、依 然 と し て 日 本 の プ リ ン ト 配 線 基 板 の 技 術 水 準 は 世 界 ト ッ プ と い わ れ て い る 。し か し 、 量 的 に は 中 国 、 ま た 技 術 的 に は 韓 国 と 台 湾 の 台 頭 が 著 し く 、 現 在 の 日 本 の 地 位 は 決 し て 安 泰 と は い え な い 。

こ の よ う な 状 況 に あ る 日 本 の 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 技 術 の 維 持 、 強 化 に 向 け て 今 後 採 る べ き 方 策 を 検 討 す る た め に 、 そ の 技 術 開 発 の 現 況 、 お よ び 世 界 に お け る 日 本 の 位 置 に 関 す る 情 報 を 提 供 す る こ と は 、 今 後 の 適 確 な 技 術 開 発 推 進 に と っ て 極 め て 重 要 で あ る 。 こ の よ う な 観 点 か ら 、 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 技 術 の 動 向 を 、 特 許 出 願 動 向 を 中 心 と し て 調 査 、 分 析 し 、 そ の 現 状 と 日 本 に お け る 今 後 の 課 題 を 明 ら か に す る 。

第2 章 対象技術概要

第1 節 プリント配線基板の発展

配 線 に 要 す る 時 間 の 短 縮 や 信 頼 性 向 上 な ど を 目 的 と す る 、 プ リ ン ト に よ る 配 線 の ア イ デ ア は20 世紀初頭に既に現れ、1936 年には現在に近い形のプリント配線基板がイギリスで発表 さ れ た 。当 初 は 周 囲 状 況 が 整 わ ず 、進 展 は み ら れ な か っ た が 、1950 年ごろからはトランジス タ の 実 用 化 と 共 に 片 面 の プ リ ン ト 配 線 基 板 が 実 用 さ れ る よ う に な っ た 。 そ の 後 、 ト ラ ン ジ ス タ の 小 型 化 や 搭 載 数 の 増 加 と 共 に 片 面 で は 配 線 交 差 の 問 題 か ら 対 応 し き れ な く な り 、 両 面 の プ リ ン ト 配 線 基 板 が 用 い ら れ る よ う に な っ た 。

1960 年以降に集積回路(IC)の実用が始まると配線量が飛躍的に増大し、また電子機器の小 型 化 へ の 流 れ が 加 速 し て 配 線 密 度 も 高 く な っ た 。 そ の 結 果 、 そ れ ま で の 両 面 プ リ ン ト 配 線 基 板 で は 対 応 し き れ な く な り 、 第 1-1 図に示すような片面または両面のプリント配線基板を積 層 し て そ れ を 貫 通 す る 孔(スルーホール)を開け、その内面にめっきを施すことによって層間 導 通 を 図 る 方 式 の 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板(めっきスルーホール多層プリント配線基板)が開発 さ れ た 。 そ の 後 、 材 料 や プ ロ セ ス に 多 く の 改 良 が 加 え ら れ 、 信 頼 性 向 上 と 製 造 工 程 合 理 化 が 行 わ れ て き た 。 片 面 、 両 面 の プ リ ン ト 配 線 基 板 や め っ き ス ル ー ホ ー ル 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 は 用 途 に 応 じ て 現 在 で も 広 い 範 囲 で 使 用 さ れ て い る 。

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第1-1 図 めっきスルーホール多層プリント配線基板の断面模式図(例)

出 典 )エ レ ク ト ロ ニ ク ス 実 装 学 会 編 、プ リ ン ト 回 路 技 術 便 覧(第 3 版)、日刊工業新聞社、2006 年 5 月、p.280、 3.1.5 多層め っ き ス ル ー ホ ー ル プ リ ン ト 配 線 板 の 断 面

め っ き ス ル ー ホ ー ル 法 に よ る 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 で は 全 層 を 貫 通 す る 孔 を 開 け る た め 、 接 続 が 不 要 な 層 に も 孔 が 存 在 し て 無 駄 な ス ペ ー ス と な る た め 、配 線 の 高 密 度 化 に 限 界 が あ る 。 そ こ で 、 第1-2 図に例を示すように、めっきスルーホール法による 4 層程度の多層プリント 配 線 基 板 を コ ア(図ではベース層)とし、その上下に新たな層を順次積層して必要な部分のみ に 層 間 導 通 用 の 穴(ビア)を開ければ無駄なスペースをなくすことができ、一層の高密度配線 が 可 能 と な る 。こ れ が ビ ル ド ア ッ プ 法 に よ る 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 の 基 本 的 な 考 え 方 で あ り 、 1960 年代後半に米国で発表された。この方式は 1990 年代に入って脚光を浴び、特に日本に お い て 活 発 な 技 術 開 発 が 進 め ら れ て 1998 年頃に実用化された。現在では様々な材料や製造 方 法 が 開 発 さ れ 、 層 間 導 通 も め っ き に よ る も の だ け で な く 、 導 電 性 ペ ー ス ト を 用 い る も の な ど 、 多 く の タ イ プ 、 製 造 技 術 が 開 発 さ れ て い る 。

第1-2 図 コアタイプのビルドアップ多層プリント配線基板の断面模式図(例)

出 典 )杉 本 榮 一 監修、図解 プリント配線板材料最前線、工業調査会、2005 年 1 月、p.46、図 2-8 ベース

+ ビ ル ド ア ッ プ層 構 造 図(6 層(1-4-1)構造例)

第2 節 多層プリント配線基板に対する要求項目

現 在 で は 携 帯 電 話 に 代 表 さ れ る 民 生 用 モ バ イ ル 機 器 を 中 心 と し て 、 高 性 能 化 、 高 機 能 化 、 か つ 小 型 化 の 流 れ が 継 続 し て い る 。 ま た 、 素 子 を 搭 載 す る パ ッ ケ ー ジ 基 板 や モ ジ ュ ー ル 基 板 と し て の 拡 が り 、 自 動 車 へ の 電 子 機 器 搭 載 の 増 加 、 さ ら に パ ワ ー エ レ ク ト ロ ニ ク ス 分 野 へ の プ リ ン ト 配 線 基 板 の 適 用 が 増 加 す る な ど 、 プ リ ン ト 配 線 基 板 が 使 用 さ れ る 領 域 も 拡 が り つ つ あ る 。 こ れ ら の 進 展 に 伴 い 、 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 に 求 め ら れ て い る 項 目 を 以 下 に 示 す 。 (1)小型化

単 な る 小 型 化 で は な く 、 高 性 能 化 と 高 機 能 化 に 伴 う 配 線 量 の 増 大 と 同 時 に 小 型 化 を 図 る こ

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と が 求 め ら れ て い る 。

こ れ に 応 え る べ く 、 コ ア に お け る ス ル ー ホ ー ル の 存 在 に よ る 無 駄 な ス ペ ー ス を 排 除 し て 一 層 の 高 密 度 配 線 と 薄 型 化 を 可 能 と す る 全 層 積 層 方 式(コアレスタイプ)や、リジッドなプリン ト 配 線 基 板 と フ レ キ シ ブ ル 配 線 基 板 を 一 体 に 製 造 し 、 狭 い 筐 体 内 へ の 高 機 能 回 路 の 折 り 畳 み 収 納 を 可 能 と す る フ レ ッ ク ス リ ジ ッ ド 配 線 基 板 な ど が 開 発 さ れ て い る 。 ま た 、 抵 抗 や コ ン デ ン サ 等 の 受 動 部 品 、あ る い はLSI 等の能動部品を多層プリント配線基板内に格納する部品内 蔵 基 板 も 開 発 さ れ 、2000 年以降になって実用が開始された。

ま た 、ビ ル ド ア ッ プ 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 で は1 層ずつ積層するため、工程が複雑になり が ち で あ る が 、予 め 作 成 し た 各 層 を 一 括 し て 積 層 す る こ と で 工 程 を 簡 略 化 す る 方 式(一括積層 方 式)など、製造技術についても様々な技術が開発されている。

(2)電気特性、特に高周波特性の向上

電 気 特 性 向 上 で は 絶 縁 信 頼 性 の 向 上 、 導 通 の 確 保 、 導 体 抵 抗 の 低 減 な ど が 重 要 で あ る が 、 特 に 注 目 さ れ て い る の は 高 周 波 特 性 の 向 上 で あ る 。

LSI 等の素子のクロック周波数は更に高周波数化される方向と考えられる。これに伴い、 特 性 イ ン ピ ー ダ ン ス の 整 合 に よ る 信 号 波 形 の 劣 化 防 止 や 、 絶 縁 材 の 誘 電 率 と 誘 電 損 失 の 低 減 に よ る 信 号 の 減 衰 低 減 と 高 速 伝 送 の 確 保 が 必 要 と な る 。 ま た 、 高 周 波 領 域 で は 電 流 は 導 体 表 面 を 流 れ る 「表 皮 効 果 」と い う 現 象 へ の 対 処 と し て 導 体 表 面 の 平 滑 化 が 必 要 と な り 、そ の 結 果 、 平 滑 面 で も 強 い 接 着 力 が 必 要 と な る 。

(3)熱特性向上と大電流対応

前 述 の 小 型 化 、 高 周 波 数 化 に 伴 う 基 板 内 部 の 発 熱 密 度 の 増 加 や 、 部 品 内 蔵 基 板 に お け る 部 品 の 発 熱 な ど 、 プ リ ン ト 配 線 基 板 に お け る 熱 の 問 題 が 重 要 と な り つ つ あ る 。 ま た 、 パ ワ ー エ レ ク ト ロ ニ ク ス 分 野 へ の プ リ ン ト 配 線 基 板 の 適 用 増 加 等 に 伴 い 、 大 電 流(すなわち発熱量増

大)対応が要求されており、この面からもプリント配線基板の熱対策が重要となる。

プ リ ン ト 配 線 基 板 に 要 求 さ れ る 熱 特 性 と し て 、材 料 の 耐 熱 性 、温 度 上 昇 に よ る 基 板 の 変 形 、 破 壊 の 防 止 も 重 要 で あ り 、 絶 縁 材 へ の 各 種 充 填 材(フィラー)添加による熱膨張制御技術など が 開 発 さ れ て い る 。

ま た 、 基 板 内 部 で 発 生 し た 熱 の 放 散 に つ い て も 技 術 開 発 が 行 わ れ て お り 、 配 線 基 板 内 部 に 厚 い 金 属 シ ー ト を 配 置 す る 方 法(メタルコアプリント配線基板)や、金属シート上に配線基板 を 形 成 す る 方 法(メタルベースプリント配線基板)などが開発されている。

(4)一層の高速化:光回路混載

外 部 ノ イ ズ に 影 響 さ れ な い 大 量 情 報 の 高 速 伝 送 手 段 と し て 光 フ ァ イ バ ー が あ り 、 そ の 素 子 間 信 号 伝 送 へ の 応 用 が 考 え ら れ て い る 。 ま た 、 将 来 は 光 集 積 回 路 の 実 用 化 も 考 え ら れ 、 こ れ ら に 対 応 し て 電 気 回 路 と 光 回 路 が 混 在 す る プ リ ン ト 配 線 基 板 の 研 究 、 開 発 が 行 わ れ て い る 。 (5)製造技術の高度化

プ リ ン ト 配 線 基 板 製 造 に お け る 中 国 、 韓 国 、 台 湾 の 台 頭 は 目 覚 し く 、 日 本 の プ リ ン ト 配 線 基 板 産 業 が そ れ ら 諸 国 に 対 し て 優 位 を 維 持 す る た め に は 、 製 造 技 術 の 高 度 化 に よ る 製 品 信 頼 性 の 一 層 の 向 上 、 お よ び 生 産 性 向 上 や 不 良 率 低 減 に よ る 低 コ ス ト 化 が 必 要 と 考 え ら れ る 。 (6)環境負荷低減

プ リ ン ト 配 線 基 板 の 製 造 で は 、 絶 縁 材 料 、 は ん だ 、 め っ き 液 、 表 面 処 理 薬 品 等 の 多 種 類 の 化 学 物 質 あ る い は そ れ ら を 含 有 す る 材 料 を 使 用 す る 。 製 造 ・使 用 ・廃 棄 の 各 段 階 に お け る 環 境 に 対 す る 影 響 を 最 小 限 と す る た め 、 有 害 な 物 質 を 含 有 し な い 材 料 、 例 え ば 無 鉛 は ん だ や ハ ロ

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ゲ ン 系 物 質 を 含 ま な い 基 板 材 料 な ど が 既 に 開 発 さ れ 、 使 用 さ れ 始 め て い る 。

3 節 調査対象

プ リ ン ト 配 線 基 板 の 技 術 俯 瞰 図 を 第 1-3 図に示す。この図では主として形に表れる対象を 示 し て い る 。 な お 、 図 中 の プ リ ン ト 配 線 基 板 の 模 式 図 は 代 表 例 で あ り 、 こ こ に 示 し た 以 外 の 様 々 な 方 式 が あ る 。 本 調 査 で は 第 1-3 図中に「調査対象」と示した枠内の多層プリント配線基 板 、 お よ び そ の 製 造 に 関 す る 技 術 、 材 料 に 関 す る 技 術 等 を 調 査 対 象 と す る 。

ま た 、 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 が 用 い ら れ る 電 子 機 器 の 実 装 階 層 と し て は い わ ゆ る マ ザ ー ボ ー ド だ け で な く 、 イ ン タ ー ポ ー ザ ー 基 板 等 を 含 む モ ジ ュ ー ル 基 板 も 対 象 と す る 。 な お 、 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 の 設 計 技 術 は 対 象 と し な い 。

第1-3 図 調査対象−技術俯瞰図

(第 1-3 図中の挿入図の出典)

(1)エレクトロニクス実装学会編、プリント回路技術便覧(第 3 版)、日刊工業新聞社、2006 年 5 月、p.278、 3.1.2 片面板の断面形状

(2)同上、p.279、図 3.1.4 両面めっきスルーホール配線板の断面図

(3)同上、p.280、図 3.1.5 多層め っ き ス ル ー ホ ー ル プ リ ン ト 配 線 板 の 断 面

(4)杉 本 榮 一 監修、図解 プリント配線板材料最前線、工業調査会、2005 年 1 月、p.46、図 2-8 ベース+ ビ ル ド ア ッ プ層 構 造 図(6 層(1-4-1)構造例)

(5)同 上 、p.46、図 2-9 全層ビルドアップ配線板(6 層)めっきフィリング構造図

(6)高 木 清 、 ビ ル ド ア ッ プ 多 層 プ リ ン ト 配 線 板 技 術 、 日 刊 工 業 新 聞 社 、2000 年 6 月、p.21、図 2.5 フレク ス リ ジ ッ ド プ リ ン ト 配 線 板 の 構 造(例)

(6)

(7)エレクトロニクス実装学会編、プリント回路技術便覧(第 3 版)、日刊工業新聞社、2006 年 5 月、p.341、 3.1.47 片面銅張積層板−バンプめっきによる一括積層接続(部分)

(8)高木清、ビルドアップ多層プリント配線板技術、日刊工業新聞社、2000 年 6 月、p.20、図 2.4 金属ベー PWB(例)

(9)エレクトロニクス実装学会編、プリント回路技術便覧(第 3 版)、日刊工業新聞社、2006 年 5 月、p.412、 3.1.113 受動部品内蔵配線板は基本的に 2 構造がある(b)樹脂系配線板への受動部品内蔵

第3 章 特許出願動向 第1 節 調査方法

(1) 使用したデータベースと検索対象

特 許 情 報 収 集 に 使 用 す る デ ー タ ベ ー ス は 日 本 特 許 はPATOLIS2-1)、外 国 特 許 はDWPI2-2) で あ る 。 調 査 対 象 は1997∼2006 年に出願された特許である。

検 索 式 は 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 に 関 す る 国 際 特 許 分 類(IPC)とそれに対応する国内分 類 で あ る FI、F タームを基本とし、関連する用語、および DWPI での検索においてはデー タ ベ ー ス で 定 義 さ れ て い る 関 連 す る マ ニ ュ ア ル コ ー ド を 組 み 合 わ せ て 構 成 し た 。

(2) 出願件数の計数方法

PATOLIS のデータは個別特許を 1 件と計数した。DWPI のデータはパテントファミリー

2-3)中 の 個 別 出 願 を1 件の出願特許として計数した。したがって、同一発明であっても出願先 国 数 が 多 け れ ば 出 願 件 数 と し て は 多 く 計 数 さ れ る 。

(3) 調査、分析の対象

本 調 査 で は デ ー タ ベ ー ス 収 録 範 囲 内 の 世 界 で 出 願 さ れ た 全 特 許 を 対 象 と す る が 、 特 に そ の 大 部 分 を 占 め る 日 本 、 米 国 、 欧 州 、 中 国 、 韓 国 の 5 ヶ国・地域に出願された特許に重点を置 き 、 必 要 に 応 じ て 台 湾 等 を 加 え た 。

(4) 注目研究テーマ、重要特許、基本特許

注 目 研 究 開 発 テ ー マ は 現 在 お よ び 今 後 の 重 要 と 考 え ら れ る 技 術 で あ り 、 本 調 査 の た め の 委 員 会 で の 審 議 に よ り 選 定 し た 。

注 目 研 究 開 発 テ ー マ に 関 し て 出 願 さ れ た 特 許 に つ い て 被 引 用 回 数 を 調 べ 、 原 則 と し て 出 願 年 ご と に 被 引 用 回 数 の 多 い 側 か ら 5%を重要特許候補とした。この候補から、日本で審査さ れ て 拒 絶 査 定 さ れ た 出 願 、 お よ び 注 目 研 究 開 発 テ ー マ を 主 要 な 課 題 と し て い な い 出 願 を 除 外 し た も の を 重 要 特 許 と し て 選 定 し た 。

基 本 特 許 に つ い て は 、 関 連 文 献 調 査 、 本 調 査 の 委 員 会 に お け る ア ド バ イ ス 、 関 連 特 許 公 報 の 引 用 文 献 分 析 等 に よ り 、 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 に 特 に 重 要 な 技 術 の 基 本 特 許 を 調 査 し た 。 (5) 分析方法

検 索 し た 特 許 か ら 、 本 調 査 が 対 象 と す る 技 術 の 範 囲 外 で あ る と 判 断 さ れ た も の を 除 外 し た 後 、 対 象 基 板 種 類 、 課 題 、 重 要 な 構 成 技 術 の そ れ ぞ れ に よ る 分 類 か ら 成 る 技 術 分 類 表 に 従 っ て 分 類 し 、 そ れ を 様 々 な 観 点 で 集 計 し て 特 許 出 願 動 向 を 分 析 し た 。 な お 、 出 願 人 に 関 す る 分 析 に お い て は 、 原 則 と し て 筆 頭 出 願 人 を 対 象 と し た 。

2-1) パ ト リ ス 社 が 提 供 す る 商 用 特 許 デ ー タ ベ ー ス

2-2)Thomson Scientific 社が提供する商用特許データベース

2-3) パ テ ン ト フ ァ ミ リ ー と は 同 一 優 先 権 主 張 番 号 に 基 づ く 一 連 の 出 願 で あ り 、 発 明 内 容 は 類 似 し て い る 。

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2 節 全体動向

1. 日米欧中韓への出願および登録状況

1997∼2006 年の全世界での多層プリント配線基板に関する特許出願件数は 26188 件 で あ り 、 そ の 中 で 日 米 欧 中 韓 の5 ヶ国・地域への出願は 24635 件である。

日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 に お け る 出 願 人 国 籍 別 の 出 願 件 数 を 第2-1 図に、その推移を第 2-2 図に示す。

第2-1 図によれば、日米欧中韓への出願の 78.3% が 日 本 国 籍 出 願 人 に よ る 出 願 で あ り 、 次 い で 米 国 籍 出 願 人 に よ る 出 願 が 9.6%、韓国籍出願人による出 願 が 4.9%と、日本国籍出願人による出願が圧倒的多 数 を 占 め る 。 こ れ を 反 映 し て 、 第 2-2 図の日米欧中 韓 へ の 合 計 出 願 件 数 推 移 は 日 本 国 籍 出 願 人 の 出 願 件 数 の 動 向 と ほ ぼ 一 致 す る 。

第 2-2 図によれば、日米欧中韓への出願は 2000 年 ま で は 増 加 し た が 、 そ の 後 は 2004 年を除いて減 少 傾 向 に あ る 。 そ の 中 で 、 韓 国 籍 出 願 人 の 2004 年 以 降 の 出 願 件 数 増 加 が 注 目 さ れ る 。

第2-2 図 日米欧中韓への出願における出願人国籍別出願件数推移

出願人国籍 1,899

2,051

2,590

3,124

2,944

2,562

2,409

1,563 2,754

2,739

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計

1997∼2006 年に全世界に出願された多層プリント配線基板に関する特許の内、調査時 点 ま で に 登 録 さ れ た も の は 全 世 界 で 7867 件である。その内、日米欧中韓で登録された特 許 は 全 体 で7319 件である。

第2-1 図 日米欧中韓への出願におけ る 出 願 人 国 籍 別 出 願 件 数 (n=24635)

中国籍 197件 0.8%

韓国籍 1,214件 4.9%

その他 503件 2.0% 欧州国籍

1,059件 4.3% 米国籍 2,366件 9.6%

日本国籍 19,296件 78.3%

(8)

日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 に お け る 出 願 人 国 籍 別 登 録 件 数 を 第 2-3 図に、その推移を第 2-4 図に示す。

第2-3 図によれば、日米欧中韓での登録の 68.5% を 日 本 国 籍 出 願 人 が 占 め 、 出 願 件 数 と 同 様 に 日 本 国 籍 出 願 人 に よ る 登 録 が 圧 倒 的 多 数 を 占 め る 。

第2-4 図の日米欧中韓への出願における登録件数 推 移 で は 、 第 2-2 図の出願件数推移と同様に、全体 の 登 録 件 数 動 向 は 日 本 国 籍 出 願 人 の 登 録 件 数 の 動 向 を ほ ぼ そ の ま ま 反 映 し て い る 。

な お 、第2-4 図によれば、2002 年以降は全体合計 と 日 本 国 籍 出 願 人 に よ る 登 録 件 数 が 大 き く 減 少 し て い る が 、 こ れ は 近 年 の 登 録 件 数 に は 審 査 請 求 前 や 審 査 中 の も の は 含 ま れ て い な い こ と に よ る 可 能 性 が あ

り 、注 意 を 要 す る 。し か し 、そ れ に も か か わ ら ず 、2002 年以降に韓国籍出願人による登録件 数 が 増 加 し て い る こ と が 注 目 さ れ る 。

第2-4 図 日米欧中韓への出願における出願人国籍別登録件数推移

(近年の登録件数には調査時点で審査請求前や審査中の出願が含まれておらず、参考データである。)

出願人国籍 885 901

1,066

999

979

576

490

251

63 1,109

0 200 400 600 800 1,000 1,200

1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計

2. 日米欧中韓相互の出願状況

日 米 欧 中 韓 相 互 の 出 願 件 数 収 支 を 第 2-5 図に示す。日本国籍出願人による出願は日本への 出 願 の 93.7%を占めるほか、米国への出願の 56.0%、欧州への出願の 49.1%、中国への出 願 の 66.3%、韓国への出願の 54.9%を占め、いずれの国・地域においても日本国籍出願人に よ る 出 願 件 数 が 最 も 多 い 。ま た 、日 本 と 日 本 以 外 の 各 国 ・地 域 と の 間 の 出 願 件 数 収 支 を 見 る と 、 い ず れ の 国 ・地 域 と の 間 で も 日 本 国 籍 出 願 人 に よ る 出 願 件 数 が 日 本 へ の 出 願 件 数 を 上 回 る 。

な お 、 詳 細 は 省 略 す る が 、 登 録 に 関 す る 収 支 の 状 況 も 出 願 に 関 す る 状 況 と 同 様 で あ る 。

中国籍 46件

0.6%

韓国籍 515件 7.0%

その他 165件 2.3% 欧州国籍

429件 5.9%

米国籍 1,149件 15.7%

日本国籍 5,015件

68.5%

第2-3 図 日米欧中韓への出願における 出 願 人 国 籍 別 登 録 件 数 (n=7319)

(9)

第2-5 図 日米欧中韓相互の出願件数収支

その他 63件 中国籍 3.5%

155件 8.5%

韓国籍 142件 7.8%

米国籍 187件 10.3% 欧州国籍

65件 3.6%

日本国籍 1,204件

66.3%

日本国籍 1,024件

54.9% 欧州国籍

65件 3.5%

米国籍 188件 10.1% 韓国籍

560件 30.0% 中国籍

7件 0.4%

その他 20件 1.1%

日本国籍 1,031件

49.1% 欧州国籍

606件 28.9%

米国籍 346件 16.5%

韓国籍 68件

3.2% 中国籍

5件 0.2%

その他 44件 2.1% その他

286件 6.6% 中国籍

14件 0.3%

韓国籍 236件 5.5%

米国籍 1,191件 27.7% 欧州国籍

167件 3.9%

日本国籍 2,408件

56.0%

日本国籍 13,629件 93.7% 欧州国籍

156件 1.1% 米国籍

454件 3.1%

韓国籍 208件 1.4% 中国籍

16件 0.1%

その他 90件 0.6%

欧州への出願 2,100件 日本への出願

14,553件

米国への出願 4,302件

中国への出願 1,816件

韓国への出願 1,864件 2,408件

156件

1,031件

65件 14件

187件

188件 16件

142件 7件

65件 68件 236件

5件 167件

1,024件 1,204件

454件

208件 346件

3. 出願先国別の出願状況

日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 に お け る 出 願 人 国 籍 別 の 出 願 件 数 は 第 2-5 図中の各円グラフの通 り で あ る が 、 参 考 と し て 台 湾 と そ の 他 ア ジ ア 諸 国 へ の 出 願 に お け る 出 願 人 国 籍 別 出 願 件 数 を 第 2-6 図、第 2-7 図にそれぞれ示す。

こ こ で は 、 シ ン ガ ポ ー ル 、 フ ィ リ ピ ン 、 イ ン ド を そ の 他 ア ジ ア 諸 国 と 定 義 し た 。 た だ し 、イ ン ド へ の 特 許 出 願 デ ー タ が 本 調 査 で 使 用 し た 外 国 特 許 デ ー タ ベ ー ス DWPI に収録 さ れ た の は2004 年以降であり、この点に注意が必要である。

台 湾 へ の 出 願 で は 全 体 の 62.4%が日本国籍出願人による出願であり、次いで台湾籍出 願 人 に よ る 出 願 が 17.7%、米国籍出願人による出願が 13.3%である。一方、その他アジ ア 諸 国 へ の 出 願 で は 全 体 の 46.3%が日本国籍出願人による出願であり、米国籍出願人に よ る 出 願 が39.7%と、日本国籍と米国籍の出願人が拮抗している点が特徴的である。

(10)

第2-6 図 台湾への出願における 2-7 図 その他アジア諸国への出願 出 願 人 国 籍 別 出 願 件 数 (n=986) における出願人国籍別出願件数(n=136)

中国籍 6件 0.6%

韓国籍 19件 1.9%

台湾籍 175件 17.7%

欧州国籍 32件 3.2%

米国籍 131件 13.3%

日本国籍 615件

62.4% その他

8件 0.8%

中国籍 0件 0.0%

韓国籍 1件 0.7%

その他 8件 5.9% 欧州国籍

10件 7.4%

米国籍 54件 39.7%

日本国籍 63件 46.3%

4. 出願人の状況

(1) 出願人国籍別出願件数と出願人人数の推移

日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 に お け る 出 願 人 国 籍 別 の1 出願人当たり平均出願件数を第 2-8 表に示 す 。日 本 国 籍 出 願 人 が 1 出願人当たり平均 11 件以上であるが、その他の国・地域の国籍の出 願 人 は1 出願人当たり約 2∼6 件であり、相違が極めて明瞭である。

第2-8 表 日米欧中韓への出願における出願人国籍別の 1 出願人当たりの平均出願件数

出願人国籍 出願件数 出願人人数 1出願人の平均出願件数 日本 19,296 1,721 11.21

米国 2,366 491 4.82

欧州 1,059 317 3.34

中国 197 90 2.19

韓国 1,214 205 5.92

その他 503 212 2.37

全体 24,635 3,036 8.11

注 )出 願 件 数 は 日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 件 数 、出 願 人 人 数 は 日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 の 筆 頭 出 願 人 人 数 。い ず れ も 、1997 年∼2006 年の延 べ 数 。

日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 に お け る 日 米 欧 中 韓 、お よ び 参 考 と し て 台 湾 の 各 国 籍 出 願 人 の 出 願 件 数 と 出 願 人 人 数 の 推 移 を 第 2-9 図に示す。図中の数字は西暦年を示す。

図 の 左 側 の 列 は 上 か ら 日 本 、 米 国 、 欧 州 の 各 国 籍 出 願 人 の 状 況 で あ る が 、 全 体 的 動 向 と し て 、 い ず れ も 1997 年から 2000 年前後にかけて出願件数と出願人人数はともに増加したが、 そ の 後 は 2006 年に向けて件数と人数の両方とも減少している。一方、図の右側の列は上か ら 中 国 、韓 国 、台 湾 の 各 国 籍 出 願 人 の 状 況 で あ り 、何 れ も 全 体 的 動 向 と し て1997 年から 2006 年 ま で ほ ぼ 一 貫 し て 出 願 件 数 、 出 願 人 人 数 共 に 増 加 を 示 し て い る 。 こ の よ う に 、 日 米 欧 の グ ル ー プ と 中 韓 台 の グ ル ー プ で 明 瞭 な 相 違 が 見 ら れ る 。

(11)

第2-9 図 日米欧中韓への出願における出願人国籍別の出願件数と出願人人数推移

2000 2001

2005 2004

2003 2002 1999

2006 1998

1997

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000

0 50 100 150 200 250

出願人人数

日本国籍

2006 2004 2005

2003 2002 2001 2000

1999

1998 1997 0

5 10 15 20 25 30 35

0 5 10 15 20 25

出願人人数

中国籍

2000

2001

2005

2004 2003 2002

1999

2006

1998

1997

0 50 100 150 200 250 300 350 400

0 20 40 60 80

出願人人数

米国籍

1997

1998 2006

1999

2002 2003

2004

2005

2001 2000 0

50 100 150 200 250 300 350

0 10 20 30 40 50

出願人人数

韓国籍

1997 1998

2006

1999

2002 2003

2004

2005 2001

2000

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180

0 10 20 30 40 50

出願人人数

欧州国籍

2000

2001 2005

2004

2003 2002

1999

2006

1998 1997 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

0 10 20 30 40

出願人人数

台湾籍

(2) 出願件数上位ランキング

調 査 対 象 の 全 期 間(1997∼2006 年)における日米欧中韓への出願における出願人別出願件 数 上 位 ラ ン キ ン グ を 第2-10 表に示す。

ラ ン キ ン グ 上 位 20 位はすべて企業の出願人であり、8 位の韓国籍出願人(サムスン電機)、 12 位の米国籍出願人(IBM)以外の 18 出願人は全て日本国籍出願人である。上位 3 出願人の 出 願 件 数 は 合 計4251 件であり、これは日米欧中韓への出願件数の 17.3%を占める。

(12)

第2-10 表 日米欧中韓への出願における出願人別出願件数上位ランキング:全期間(1997∼2006 年)

順位 出願人 属性 件数

1 京セラ( 日) 企業 1, 631

2 パナソニック( 日) 企業 1, 489

3 イビデン( 日) 企業 1, 131

4 村田製作所( 日) 企業 933

5 日本特殊陶業( 日) 企業 847

6 日立化成工業( 日) 企業 668

7 新光電気工業( 日) 企業 626

8 サムスン電機( 韓) 企業 579

9 富士通( 日) 企業 503

10 ソニー( 日) 企業 458

11 TDK( 日) 企業 411

12 I BM( 米) 企業 410

13 日本電気( 日) 企業 389

14 セイコーエプソン( 日) 企業 386

15 デンソー( 日) 企業 383

16 東芝( 日) 企業 377

17 トッパンNECサーキット ソリューションズ( 日) 企業 373

18 日立製作所( 日) 企業 371

19 パナソニック電工( 日) 企業 362

20 日東電工( 日) 企業 354

n=24,635件

(3) 主要出願人の出願状況

各 国 ・地 域 へ の 出 願 に お け る 出 願 件 数 上 位 ラ ン キ ン グ に 現 れ る 各 国 の 主 要 な 企 業 か ら 8 社 を 主 要 出 願 人 と し て 選 定 し 、そ の 出 願 動 向 を 分 析 し た 。選 定 し た 主 要 出 願 人 は 、京 セ ラ(日本)、 パ ナ ソ ニ ッ ク(日本)、イビデン(日本)、IBM(米国)、エンディコット インターコネクト テク ノ ロ ジ ー ズ(米国)、シーメンス(ドイツ)、エリクソン(スウェーデン)、サムスン電機(韓国)の 8 社 で あ る 。

こ れ ら の 主 要 出 願 人 に よ る 日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 件 数 推 移 を 第2-11 図に示す。この図から、 イ ビ デ ン の 1999 年以降の出願件数急減が顕著である。京セラとパナソニックの出願件数は 同 時 期 に イ ビ デ ン と は 逆 に 急 増 し た が 、2001 年∼2003 年以降にはイビデンと同様に急減し た 。一 方 、サ ム ス ン 電 機 は 2004 年から出願を急増させている。これらに対し、IBM が 2004 年 か ら 減 少 し た 以 外 に は 、 米 欧 の 企 業 の 出 願 件 数 に は 大 き な 変 動 は 見 ら れ な い 。

第2-11 図 日米欧中韓への出願における主要出願人の出願件数推移

0 50 100 150 200 250 300 350

1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 出願年(優先権主張年)

京セラ(日)

パナソニッ(日)

ビデン(日)

サムスン電機(韓)

IBM(米)

シーメンス(ドツ)

エンディコッンターコネク テクロジーズ(米) エリクソン(スウェーデン)

(13)

5. 外国出願比率

各 国 籍 出 願 人 に よ る 自 国 を 含 む 全 世 界 へ の 出 願 件 数 に 対 す る 自 国 以 外 へ の 出 願 件 数 の 比 率 を 外 国 出 願 比 率 と 定 義 す る 。 調 査 対 象 の 全 期 間(1997∼2006 年)における各国籍出願人の外国出 願 比 率 の 平 均 値 を 第2-12 表に、その推移を第 2-13 図に示す。

第2-12 表に示した平均では、日 本 国 籍 出 願 人 の 外 国 出 願 比 率

は 32.0%であり、日米欧中韓台の中で最下位の中国籍出願人

(23.6%)に次いで低い。日本と中国以外の各国籍出願人の平均外 国 出 願 比 率 は 全 て 50%を越している。第 2-13 図の推移では、

韓 国 籍 と 台 湾 籍 の 出 願 人 の 外 国 出 願 比 率 増 加 が 顕 著 で あ る 。 特 に 台 湾 籍 出 願 人 は 2005 年に 約78%、2006 年に約 92%と、比率が大きいだけでなく、その増加も著しい。

第2-13 図 出願人国籍別外国出願比率の推移

出願人国籍 0

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 出願年(優先権主張年)

(

)

日本 米国 欧州 中国 韓国 台湾

第3 節 技術区分別動向 1. 課題別の出願状況

日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 に お け る 課 題 別 出 願 件 数 を 第2-14 図に、その推移を第 2-15 図に示す。

37.6%が「工程能力向上・コスト改善」に関す る 出 願 で 最 も 多 く 、 次 い で 「電 気 特 性 向 上 」に 関 す る 出 願 が 28.2%、「小型化」に関する出願が 20.9%、「熱特性向上」に関する出願が 8.1%で あ っ た 。

一 方 、 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 の 車 載 用 や 電 力 用 へ の 適 用 拡 大 に 伴 い 、 重 要 性 が 増 し て い る と い わ れ て い る 「大 電 流 対 応 」に 関 す る 出 願 が 少 な い が 、 こ れ は 民 生 用 携 帯 機 器 と 比 較 し て 、 前 記 用 途 に お け る 現 時 点 で の 配 線 基 板 小 型 化 の 要 求

熱特性向上 2, 921件

8. 1% 大電流対応

136件 0. 4% 光回路との融合

340件 0. 9%

電気特性向上 10, 130件

28. 2% 小型化 7, 513件

20. 9% 共通 225件 0. 6%

工程能力向上、 コスト改善

13, 491件 37. 6%

その他 784件

2. 2% 環境負荷低減

363件 1. 0%

第2-14 図 日米欧中韓への出願における 課 題 別 出 願 件 数 (n=35903)

第2-12 表 出願人国籍別の 外 国 出 願 比 率(全期間平均)

平均外国出願比率(%)

日本国籍 32.0

米国籍 56.6

欧州国籍 50.7

中国籍 23.6

韓国籍 54.8

台湾籍 69.2

(14)

が 相 対 的 に 弱 い た め 、 「多 層 」プ リ ン ト 配 線 基 板 に お け る 大 電 流 対 応 に 関 す る 出 願 が 少 な い こ と が 一 因 で あ る 可 能 性 が あ る 。

ま た 、次 世 代 基 板 の ひ と つ と し て 注 目 さ れ て い る 光-電気回路混載基板に向けた技術で あ る 「光 回 路 と の 融 合 」に 関 す る 出 願 も 少 な い が 、 こ れ は こ の 最 新 技 術 が ま だ 研 究 開 発 途 上 で あ っ た り 、最 近 の 出 願 で あ る た め に ま だ 公 開 さ れ て い な い な ど の 理 由 に よ り 、「多 層 」 プ リ ン ト 配 線 基 板 に お け る 出 願 が 少 な い 可 能 性 が 考 え ら れ る 。

出 願 件 数 推 移 で は 、 「工 程 能 力 向 上 ・コ ス ト 改 善 」が2000 年に一度ピークを示し、その 後 2003 年まで減少した後、2004 年に再び増加した。「電気特性向上」と「小型化」は 2004 年 に ピ ー ク を 示 す が 、そ の 後 は 減 少 傾 向 で あ る 。「熱 特 性 向 上 」は2000 年にピークを示し た 後 、300 件前後の出願でほぼ一定に推移している。

第2-15 図 日米欧中韓への出願における課題別出願件数推移

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800

1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 出願年( 優先権主張年)

共通 小型化 電気特性向上 熱特性向上 大電流対応 光回路との融合 工程能力向上、スト改善 環境負荷低減 その他

2. 構成技術別の出願状況

日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 に お け る 構 成 技 術 別 出 願 件 数 を 第2-16 図に、その推移を第 2-17 図に示す。

日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 の23.5%が材料に 関 す る 出 願 で 最 も 多 く 、次 い で 層 間 接 続 、 配 線 パ タ ー ン 等 の 順 で あ る 。

出 願 件 数 推 移 で は 、 材 料 に 関 す る 出 願 は 2000 年のピーク以降は減少傾向であ る が 、2004 年に一時的増加を示している。 層 間 接 続 は 1999 年のピーク以降は漸減 傾 向 で あ る 。 配 線 パ タ ー ン は 増 減 を 繰 り 返 し て い る が 、ほ ぼ 一 定 に 推 移 し て い る 。 部 品 内 蔵 は2004 年に急増の後、2005 年 は 減 少 し て い る 。

光回路形成 316件

0. 7% その他 152件 0. 3% 部品内蔵

2, 800件 6. 3%

層配置 5, 887件 13. 2% 多層化方式

2, 275件 5. 1% 配線パターン

7, 064件 15. 8%

構造・形態 3, 809件

8. 5% 材料

10, 475件 23. 5%

共通 39件 0. 1%

積層 2, 180件

4. 9% ソルダーレジス

ト形成 458件 1. 0%

層間接続 7, 683件 17. 2% 試験・検査・修正

376件 0. 8% 仕上げ( 機械加

工) 741件

1. 7% 仕上げ( 表面処

理, 他) 363件 0. 8%

第2-16 図 日米欧中韓への出願における 構 成 技 術 別 出 願 件 数 (n=44618)

(15)

第2-17 図 日米欧中韓への出願における構成技術別出願件数推移

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600

1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 出願年(優先権主張年)

共通 材料 構造・形態 層配置 多層化方式 配線パターン 積層 層間接続 ルダーレジスト形成 仕上げ(表面処理,他) 仕上げ(機械加工) 試験・検査・修正 部品内蔵 光回路形成 その他

3. 各構成技術に関する出願状況

構 成 技 術 の う ち 、第2-16 図で出願件数が多い「材料」、「層間接続」、「配線パターン」に関す る 日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 に お け る 出 願 人 国 籍 別 出 願 件 数 を 第 2-18 図に示す。また、最近実用が 開 始 さ れ た 部 品 内 蔵 基 板 の 重 要 技 術 で あ る 「部 品 内 蔵 」、 お よ び 次 世 代 プ リ ン ト 配 線 基 板 の 一 つ と し て 注 目 さ れ る 光 ・電 気 回 路 混 載 基 板 で 必 要 と な る 「 光 回 路 形 成 」 に 関 す る 日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 に お け る 出 願 人 国 籍 別 出 願 件 数 を 第2-19 図に示す。

第 2-18 図に明らかなように、出願件数上位の 3 技術区分のいずれに関しても日本国籍出 願 人 に よ る 出 願 は 約81∼85%で首位を占める。この図の 3 技術区分と第 2-19 図の 2 技術区 分 以 外 の 7 技術区分に関する出願においても、日本国籍出願人による出願は約 75∼85%であ る 。す な わ ち 、「部 品 内 蔵 」と 「光 回 路 形 成 」以 外 で は 、日 本 国 籍 出 願 人 に よ る 出 願 は 約75∼85% で 圧 倒 的 多 数 を 占 め る 。

一 方 、第2-19 図の「部品内蔵」と「光回路形成」に関する出願では、日本国籍出願人による出 願 は 同 様 に 多 数 を 占 め る が 、そ の 割 合 は 約 65∼70%であり、相対的に比率が小さい。すなわ ち 、 実 用 さ れ て 間 も な い 技 術 、 お よ び 新 た な 技 術 と し て 注 目 さ れ る 技 術 に 関 す る 日 本 国 籍 出 願 人 の 出 願 件 数 の 比 率 は 相 対 的 に 小 さ い 。

第2-18 図 日米欧中韓への出願における材料、層間接続、配線パターンに関する出願人国籍別出願件数 材 料 (n=10475) 層 間 接 続 (n=7683) 配線パターン(n=7064)

中国籍 43件 0.4%

韓国籍 273件 2.6%

その他 83件

0.8% 欧州国籍

330件 3.2% 米国籍 863件 8.2%

日本国籍 8,883件

84.8%

中国籍 60件

0.8%

韓国籍 400件 5.2%

その他 152件 欧州国籍 2.0%

219件 2.9% 米国籍

643件 8.4%

日本国籍 6,209件

80.8%

中国籍 36件

0.5%

韓国籍 305件 4.3%

その他 169件 2.4% 欧州国籍

266件 3.8% 米国籍

491件 7.0%

日本国籍 5,797件

82.1%

(16)

第2-19 図 日米欧中韓への出願における部品内蔵、光回路形成に関する出願人国籍別出願件数 部 品 内 蔵 (n=2800) 光 回 路 形 成 (n=316)

中国籍 20件 0.7%

韓国籍 232件 8.3%

その他 75件

2.7% 欧州国籍

133件 4.8% 米国籍

378件 13.5%

日本国籍 1,962件

70.1%

中国籍 0件 0.0%

韓国籍 31件 9.8%

その他 1件 0.3% 欧州国籍

28件 8.9%

米国籍 51件 16.1%

日本国籍 205件

64.9%

第4 節 注目研究開発テーマの動向 1. 注目研究開発テーマの選定

今 後 の 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 の 発 展 、 高 度 化 に 特 に 重 要 と 考 え ら れ る 技 術 課 題 と し て 、本 調 査 の た め の 委 員 会 で の 審 議 に よ り 、「部 品 内 蔵 」、 「高 周 波 特 性 向 上 」、 「大 電 流 対 応 」の3 課 題 を 注 目 研 究 開 発 テ ー マ と し て 選 定 し た 。 各 テ ー マ に 関 す る 日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 件 数 は 部 品 内 蔵 が1829 件、高周波特性向上が 2677 件に対し、大電流対応は 136 件と 1 桁少なかった。

大 電 流 対 応 が 求 め ら れ る プ リ ン ト 配 線 基 板 の 用 途 は 現 状 で は 車 載 用 と 配 電 盤 用 が 中 心 で あ る が 、 例 え ば 民 生 用 携 帯 機 器 に 比 較 し て こ れ ら の 用 途 で は 小 型 化 の 要 求 が 相 対 的 に 弱 い と 考 え ら れ 、 こ れ が 現 時 点 に お け る 「多 層 」プ リ ン ト 配 線 基 板 の 大 電 流 対 応 に 関 す る 出 願 が 少 な い こ と の 一 因 で あ る 可 能 性 が あ る 。

2. 部品内蔵に関する出願状況

部 品 内 蔵 の 課 題 に 関 す る 日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 に お け る 出 願 人 国 籍 別 出 願 件 数 推 移 を 第 2-20 図に示す。2000 年∼2003 年の間はほぼ一定の出願件数であるが、全体的に増加傾 向 で あ る 。2004 年以降の韓国籍出願人による出願件数増加が顕著である。なお、日米欧 中 韓 へ の 出 願 全 体 の71.5%を日本国籍出願人による出願が占めている。

第2-20 図 日米欧中韓への出願における部品内蔵に関する出願人国籍別出願件数推移

出願人国籍 63

84

218 215

189

314

335

172 129

110

0 50 100 150 200 250 300 350 400

1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計

(17)

3. 高周波特性向上に関する出願状況

高 周 波 特 性 向 上 に 関 す る 日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 に お け る 出 願 人 国 籍 別 出 願 件 数 推 移 を 第 2-21 図に示す。出願件数は 2002 年が変則的であるが、2001 年までの増加後、減少傾向 に あ る 。た だ し 、韓 国 籍 出 願 人 は2003 年以降、出願が増加している。日米欧中韓への出 願 全 体 の 75.2%を日本国籍出願人による出願が占める。

第2-21 図 日米欧中韓への出願における高周波特性向上に関する出願人国籍別出願件数推移

出願人国籍 231

307

352 347

333

282 274 273

121

157

0 50 100 150 200 250 300 350 400

1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計

4. 大電流対応に関する出願状況

大 電 流 対 応 に 関 す る 日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 に お け る 出 願 人 国 籍 別 出 願 件 数 推 移 を 第2-22 図 に 示 す 。 出 願 件 数 は1999 年まで増加した後、2001 年までは減少し、その後は増加傾 向 に あ る 。 日 米 欧 中 韓 へ の 出 願 全 体 の 83.8%を日本国籍出願人による出願が占める。

第2-22 図 日米欧中韓への出願における大電流対応に関する出願人国籍別出願件数推移

出願人国籍 6

20

14

7

10

16

17

30

8 8

0 5 10 15 20 25 30 35

1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 出願年(優先権主張年)

日本 米国 欧州 中国 韓国 その他 合計

(18)

5 節 注力技術

各 国 ・地 域 の 出 願 人 が 技 術 開 発 に 注 力 し て い る 分 野 を 検 証 す る た め 、技 術 分 類 表 の 「積 層 前 パ タ ー ン 形 成 」、「積 層 後 パ タ ー ン 形 成 」、「部 品 内 蔵 」、「光 回 路 形 成 」に 関 す る 出 願 件 数 推 移 を 分 析 し た 。こ こ で 選 定 し た4 技術区分は、下記のように多層プリント配線基板の製品種類と 直 結 す る 技 術 で あ る 。

・ 積 層 前 パ タ ー ン 形 成 : 主 と し て 非 ビ ル ド ア ッ プ 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 に 対 応 す る 技 術

・ 積 層 後 パ タ ー ン 形 成 : 主 と し て ビ ル ド ア ッ プ 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 に 対 応 す る 技 術

・ 部 品 内 蔵 : 最 近 実 用 が 開 始 さ れ た 部 品 内 蔵 基 板 に 対 応 す る 技 術

・ 光 回 路 形 成 : 将 来 の プ リ ン ト 配 線 基 板 の 一 つ と な る 可 能 性 が あ る 、 素 子 間 信 号 伝 送 を 光 で 行 う 光 導 波 路 − 電 気 配 線 混 載 基 板 に 対 応 す る 技 術 こ れ ら4 技術区分に関する各国籍出願人の出願傾向は日米欧のグループと中韓台のグルー プ に 大 き く 分 か れ る 。 こ こ で は 、 各 グ ル ー プ の 典 型 的 な 例 と し て 日 本 と 韓 国 の 出 願 人 の 出 願 件 数 推 移 を そ れ ぞ れ 第2-23 図、第 2-24 図に示し、その他は省略する。

第 2-23 図の日本国籍出願人の出願件数推移は、部品内蔵に関する出願が概ね増加傾向に

あ り 、ま た 光 回 路 形 成 に 関 す る 出 願 は 2005 年には減少したものの、2004 年まで漸増傾向で あ っ た 。 一 方 、 日 本 発 の 技 術 で 10 年ほど前に実用化された積層後パターン形成に関する出 願 は 漸 減 傾 向 を 示 す 。 従 来 技 術 で あ る 積 層 前 パ タ ー ン 形 成 に 関 す る 出 願 は 2002 年までの漸 増 傾 向 の 後 、2004 年まで減少したが、2005 年には再び増加した。

こ れ に 対 し 、 第 2-24 図の韓国籍出願人は光回路形成以外に関する出願を増加させる傾向 に あ り 、 特 に 部 品 内 蔵 に 関 す る 出 願 が 急 増 し て い る 。 一 方 、 光 回 路 形 成 に 関 す る 出 願 は 増 加 傾 向 が 窺 え る も の の 、 少 数 で あ る 。

以 上 か ら 、 日 本 国 籍 出 願 人 に 代 表 さ れ る 日 米 欧 の グ ル ー プ で は 部 品 内 蔵 に 注 力 し て お り 、 ま た 光 回 路 形 成 に 関 し て は 将 来 技 術 と し て 注 目 し な が ら も 、 ま だ 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 に お け る 本 格 的 な 開 発 に は 至 っ て い な い 段 階 と 推 定 さ れ る 。

一 方 、 韓 国 に 代 表 さ れ る 中 韓 台 の グ ル ー プ で は 、 日 米 欧 と 同 様 に 部 品 内 蔵 に 注 力 す る と 共 に 、 積 層 前 パ タ ー ン 形 成 と 積 層 後 パ タ ー ン 形 成 に 関 し て も 並 行 し て 力 を 入 れ て い る と 推 定 さ れ る が 、 光 回 路 形 成 に 関 し て は 興 味 を 持 ち 始 め た 段 階 と 推 定 さ れ る 。

第2-23 図 製品種類直結 4 技術に関する日本国籍出願人による全世界への出願件数推移

0 50 100 150 200 250 300 350 400

1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 出願年( 優先権主張年)

積層前パターン形成

積層後パターン形成

部品内臓

光回路形成

(19)

第2-24 図 製品種類直結 4 技術に関する韓国籍出願人による全世界への出願件数推移

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 出願年( 優先権主張年)

積層前パターン形成

積層後パターン形成

部品内臓

光回路形成

第4 章 研究開発動向 第1 節 分析方法

(1) 使用したデータベースと検索対象

検 索 に 使 用 し た デ ー タ ベ ー ス はJSTPlus3-1)で あ り 、検 索 対 象 を1997∼2007 年に発行され た 論 文 誌 ・ 学 会 誌 等 に お け る 原 著 論 文 と し た 。 す な わ ち 、 学 会 等 の Proceedings、概論、紹 介 記 事 等 は 検 索 対 象 か ら 除 外 し た 。

検 索 式 は シ ソ ー ラ ス 用 語 の 「プ リ ン ト 基 板 」を 軸 と し 、 多 層 プ リ ン ト 配 線 基 板 に 関 連 す る 用 語(積層、多層、ビルドアップ)との論理積とした。

(2) 分析の対象、方法

上 記 検 索 で ヒ ッ ト し た 論 文 の う ち 、同 一 誌 に3 件以上のヒットがある学会誌等(ただし、民 間 企 業 の 技 報 等 を 除 く)に掲載された論文を対象とした。それらの掲載誌には国際的に主要な 学 会 誌 等 が 含 ま れ て い る 。こ の よ う に 選 定 し た 論 文 905 件から本調査が対象とする技術の範 囲 外 で あ る と 判 断 さ れ た も の を 除 外 し た 結 果 、詳 細 調 査 対 象 論 文 は469 件である。そ の う ち 、 国 際 的 主 要 誌 に 掲 載 さ れ た 英 文 論 文 は272 件である。これらを特許出願動向分析と同じ技術 分 類 表 に し た が っ て 分 類 し 、 分 析 を 行 っ た 。

国 際 的 な 比 較 や 分 析 で は 、 国 際 的 主 要 誌 と 考 え ら れ る 英 文 誌 に 掲 載 さ れ た 論 文 の み を 対 象 と し た 。 ま た 、 日 本 国 籍 機 関 に よ る 研 究 開 発 動 向 の 分 析 で は 和 文 誌 に 掲 載 さ れ た 論 文 を 含 む 全 論 文 を 対 象 と し た 。 な お 、 各 論 文 の 筆 頭 著 者 を そ の 論 文 を 代 表 す る 研 究 者 と し た 。

前 述 の よ う に 検 索 対 象 か ら 学 会 等 の Proceedings を 除 外し た が 、最新 研 究 成果は 先 ず Proceedings に発表されることが多いため、本調査における先端技術分野の動向把握に影響 す る こ と が 考 え ら れ る 。 詳 細 分 析 で は こ の 点 に 留 意 す る 必 要 が あ る 。

(3) 注目研究開発テーマ、重要論文

特 許 出 願 動 向 分 析 と 同 じ く 、 「部 品 内 蔵 」、「高 周 波 特 性 向 上 」、 「大 電 流 対 応 」の3 テーマを 注 目 研 究 開 発 テ ー マ と し て 選 定 し た 。こ れ ら の 3 テーマに関する論文について、被引用回数 を 基 準 と し て 重 要 論 文 候 補 を 抽 出 し 、そ れ ぞ れ の 内 容 を 調 査 、検 討 し て 重 要 論 文 を 選 定 し た 。

3-1)JSTPlus は独立行政法人科学技術振興機構の登録商標

参照

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