報告者:古賀 克之 報告書作成日:2010年7月20日
ソ ー シ ャ ル メ ディア 研 究 会 : 第 1 回 勉 強 会 レ ポ ー ト
概要
今回の勉強会では、まずソーシャルメディアの全体像と全体動向を概観した上で、具 体的なツール/メディアの一つであるTwitterのデモを実施した。さらに、質疑応答と参加 者相互によるフリーディスカッションを通じて、Twitterおよびソーシャルメディアに関す る理解を深め、その可能性について研究した。
テーマ 開催日時
開催場所(会場)
プログラム概要
参加者
Twitter:140文字のつぶやきは世界を変えるか 2010年7月14日(水)18:30から19:30くらいまで 福岡市文学館 会議室3
福岡市中央区天神1丁目15-30(地下鉄「天神駅」下車徒歩7分) 1) 参加者のTwitter利用状況確認(当日会場でのヒアリング実施) 2) ソーシャルメディアの全体像の概観(担当:古賀)
3) Twitterのデモ(担当:島田、古賀) 4) 質疑応答とフィリーディスカッション
田中 直敏, 島田 潤一, 高嶋 好夫, 米倉 博彦, 松崎 一海, 戸嶋 謙治, 権丈 聡司, 古賀 克之 (全8名)
参考:参加者のTwitter利用状況(当日会場でのヒアリング結果)
参加者 Twitterの利用経験 Twitterの利用環境
A あり iPhone4、BlackBerry Bold、パソコンなど
B あり iPhone4、パソコンなど
C あり iPhone3G、iPad、パソコンなど
D あり ケータイ、パソコンなど
E あり(初めたばかり) ケータイ、パソコンなど
F なし ———
G なし ———
H なし ———
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質疑応答&フリーディスカッション
誰が運営?何故無料?Twitterを運営している会社(Twitter社)はどう収益を確保し ているのか? → リアルタイム検索についてGoogle等と提携して収益源にしている らしい。収益源として広告システムも検討中のようだ。
セカンドライフのように、「世界を変える」と言われながらも、そこまで行けずに 一時的な盛り上がりで終わる可能性もまだ否定できない。
まだユーザーが少なく性向が偏っている。そのせいで、比較的良好なコミュニティ が維持されており、良い効果が生まれている。しかし、これからユーザーが増えて いくと、例えば「2ちゃんねる」のように暗部が顕在化してくるかも知れない。そ の結果、建設的な利用者が新たなツールに移行して行く可能性もある。
同様のシステム/サービスは他にも出てくるが、ユーザー数を集めたもの勝ちの世 界なので、単純な後発や独自システムは非常に不利。
既存のITツール(HP, ブログ, メルマガ)などにはない特徴を備えているので、小売 店やショッピングモールでうまく活用すれば、少ない投資で大きな効果を得られる 可能性も。
所 はツールなので、ビジネスの現場の課題をしっかり把握して、具体的かつ確実 に問題解決に繋げる使い方を提案し指導?する部分にビジネスチャンスがあるので はないか。
発言(者)の信頼性や個人の認証が ではないか。信憑性の無い情報(つぶやき) で れるのであれば、既存の掲示板と同じで一部のマニアックなユーザのたまり場 になってしまう可能性もある。
世界的に見ればTwitterよりもFacebookのユーザ数が突出して多いようだ。日本では まだ知名度が低いようだが、米国などでは普及度が凄い。
広告のようなつぶやきを繰り返す等、あからさまなプロモーションなどは敬遠され る。大企業を含め、Twitterで情報発信してうまくいっている企業は、つぶやいてい る個人(担当者)の人格を敢えてきちんと出している。ただし、これからユーザー 層が増えてくると、受け取られ方が変わってきて、そういうことが出来なくなるか も知れない。(それは会社の公式見解か!、などと噛み付くような人が出てきたり することへの懸念)
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ソーシャルメディアは以下のような大きな潮流の中で必然的に生まれたように思 う。Twitterも含めて個々のツールの盛衰はあると思うが、下記のような大きな流れ は変わらないのではないか。
• Privacyは守りつつも、ある程度の個人情報は積極的に公開することで、自分の メリットを最大化しようとする流れ(意識の変化)。例えば、「私はあの店の このメニューが好き」と自らつぶやく人がいて、その人に対しては「あなたの 友達の**さんが、好きなお店がありますよ」とツールが教えてくれるなど。
• ITなしでは不可能だったり、非常に高コストだった「個対個の繋がり方」がほ とんど無料で実現されてしまう流れ。例えば、普段はほとんど会いもせず、連 絡もしないが、日頃から、気分や出来事のつぶやきを傍観している関係など。 市民/消費者といった立場ではなく、経営やその支援に関わる人間としての立場で は、Twitterのような先進的なツールを少なくとも体験してみることが必要ではない か。マスメディア経由の情報だけで知り、評価するのでは不十分。少しでも良いの で、直接体感することを通じて、実際の使用感/それが生まれた社会的な背景
(ニーズ)/今後の可能性/現状の利用形態などを把握しておくべきである。
総括
今回の勉強会を通じて、ソーシャルメディアの可能性や現状について参加者の認識を深め ることができた。また、デモを通じてTwitter未体験者にもその実態の一部を紹介すること ができた。利用経験者/未体験者が相互に意見交換することを通じて、社会的なインパク トや今後の課題について興味深い視点を顕在化させることができたと思う。次回は秋に別 のツールに関する勉強会を開催し、さらにソーシャルメディアについての認識を深める。 そして、それ以降の研究、すなわち経営や市場へのインパクトや我々専門家の課題に関す る議論へと繋げていきたい。
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