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慶田ゼミ Keida's Website slide macro 09

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Academic year: 2018

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マクロ経済学 9

失業とインフレーション

慶田 昌之

(2)

失業とインフレーション

ここまで、財政政策と金融政策を中心にして、ケインズ派マ クロ経済モデルと新古典派マクロ経済モデルを比較しなが ら、その構造を考えてきた。

財政政策と金融政策を考える場合には、ケインズはマクロ経 済モデルの一部分を取り出したIS-LM 分析が有効であり、こ れを中心に2つのマクロ経済モデルを比較してきた。 ここでは、失業とインフレーションという、マクロ経済にお ける重要な2つの問題を考えながら、ケインズ派と新古典派

(3)

失業とインフレーション

最初に言葉の定義をする。

インフレーションとは持続的に物価水準が上昇することを意 味し、デフレーションとは持続的に物価水準が下落すること を意味する。

これまでのモデルには、物価水準 P と物価上昇率 π が考慮 されてきている。

インフレーションとは、ある程度の期間にわたって物価水準 P が上昇を続けることを意味する。このとき、物価上昇率 π はプラスの高い水準を維持し続ける。

デフレーションとは、ある程度の期間にわたって、物価水準 P が下落を続けることを意味する。このとき、物価上昇率 π はマイナスの低い水準を維持し続ける。

(4)

失業とインフレーション

失業とインフレーションは歴史的に関連があると考えられて きた。

多くの経済学者が観察してきた事実によると、好景気のとき にはインフレ率が上昇し、失業率が低下する。一方、不景気 になるとインフレ率が低下して、失業率が上昇する。

(5)

ケインズ派マクロ経済モデル

ケインズ派のモデルにおける、財政政策や金融政策を分析す るためのIS-LM 分析は、物価水準を一定と考えていた。 その意味でIS-LM 分析は、ケインズ派マクロ経済モデルの 全体像を示したものではない。

ケインズ派マクロ経済モデルでは、必ずしも物価水準が一定 ではないので、もう一度ケインズ派マクロ経済モデル全体を みることにする。

(6)

総供給曲線

ケインズ派マクロ経済モデルにおける労働市場において、物 価水準 P が変動したときに、生産量 Y がどのように影響を 受けるかを考える。

ケインズ派マクロ経済モデルでは、名目賃金がW¯ で固定で あると考えているので、物価水準 P の変動は実質賃金率 w = ¯W /P を変動させる。その関係はP ↑=⇒ w ↓ である。

(7)

総供給曲線 ( 労働市場 )

(8)

総供給曲線

結果として、ケインズ派の考える労働量 N は増加する。労 働量 N が増加することは、生産関数から生産量Y の増加を 意味する。

したがって、P ↑=⇒ Y ↑という関係があることが分る。 この関係をY − P 平面で描いたものを、総供給曲線(AS 曲 線)と呼ぶ。

(9)

総供給曲線

(10)

総需要曲線

一方、IS-LM 分析では物価水準 P が固定であると考えてき たが、これは言い方をかえると、物価水準 P は外生変数で あるということである。

したがって、物価水準 P が変動したときに、生産量 Y がど のように変動するかをみる。

(11)

総需要曲線

物価水準 PLM 曲線のみをシフトさせる。 I(i − π) + ¯G = S(Y − ¯T )

M

P = L(Y, i)

P の上昇はM/P を減少させるので、左辺が減少する。結果 として右辺の実質貨幣需要も減少しなければならないので、 Y を一定とすると、名目利子率iが上昇する。

したがって、LM曲線は左にシフトすることが分る。

(12)

総需要曲線 (IS-LM 分析 )

(13)

総需要曲線

その結果として、P の上昇はY の減少と、iの上昇をもたら すことになる。

結果として、P ↑=⇒ Y ↓の関係があることが分る。

この関係をY − P 平面に書いたものを、総需要曲線 (AD曲 線) と呼ぶ。

(14)

総需要曲線

(15)

AD-AS 分析

総需要曲線 (AD曲線) と総供給曲線(AS 曲線) の交点によっ て生産量 Y と物価水準P が決定することがわかる。 これをAD-AS 分析とよぶ。

これによって、ケインズ派マクロ経済モデル全体を考慮した 生産量 Y の決定が分ったことになる。

さらに、ケインズ派マクロ経済モデルにおける物価水準がど のように決定するかも分る。

(16)

AD-AS 分析

(17)

ケインズ派の考え方

雇用者である労働量N が増加していることは、失業者が減 少していることを意味する。

もし、総需要曲線がシフトしたならば、N ↑=⇒ P ↑となり、 経済学者が観察してきた失業率とインフレ率の間の負の関係 が生じる。(労働量 N と生産量 Y の間には正の関係がある ことに注意すること)

もし、総供給曲線がシフトしたならば、N ↑=⇒ P ↓となり、 失業率とインフレ率の間には正の関係が生じる。

(18)

ケインズ派の考え方

このようなことから、ケインズ派は総需要の変動が経済の変 動の大きな要因であると考えてきた。

また、ケインズ派の考える財政政策や金融政策は、総需要曲 線をシフトさせていることから、総需要管理政策と呼ばれて いる。

経済変動に応じた総需要管理政策によって、総需要曲線をシ フトさせることによって、経済を安定化させることができる という考え方がケインズ派の考え方といえる。

(19)

新古典派マクロ経済モデル

新古典派マクロ経済モデルについては、これまでに物価水準 P を固定することなく論じてきたので、失業やインフレー ションについて考える場合も、これまでの考え方に修正を加 えることなく論じることができる。

このトピックについて、もう一度ケインズ派と比較しながら 考えてみよう。

(20)

完全雇用水準の生産量

新古典派マクロ経済モデルでは、労働市場の均衡を最初に考 えることと、そこで決定する労働量による生産量を完全雇用 水準の生産量 Y˜ ということは、すでに述べた。

新古典派マクロ経済モデルにおける労働市場では、物価水準 P が変動しても名目賃金率 W が調整されるので労働量 N は物価水準P に影響をあたえない。

したがって、生産量YP に影響を受けない。

(21)

新古典派の総供給曲線

したがって、新古典派マクロ経済モデルにおける物価水準 P と生産量 Y の関係は、P とは無関係に Y˜ である。

これを Y − P 平面に描くと、Y˜ において垂直な直線となる。

(22)

新古典派の総供給曲線

(23)

新古典派の総需要曲線

新古典派の総需要曲線は、ケインズ派とほぼ同じである。

(24)

新古典派の総需要曲線

(25)

新古典派の考え方

新古典派マクロ経済モデルによると、総需要曲線のシフトは 物価水準 P を変動させるだけで、生産量Y をまったく変動 させることはない。

逆に、総供給曲線の変動のみが生産量Y を変化させること ができると理解される。

(26)

新古典派の考え方

(27)

新古典派の考え方

新古典派は、短期的には PY の間に負の関係があるとし ても、長期的にはそのような関係は存在しないと考える。 なぜならば、新古典派マクロ経済モデルが示すように、労働 市場もふくめたすべての市場が均衡に達すれば、そのような 関係は生じないからである。

(28)

需要か、供給か?

これまでみたように、ケインズ派マクロ経済モデルでは総需 要曲線のシフトを重視する立場であることが分る。

すなわち、ケインズ派は需要による経済の変動をマクロ経済 政策 (すなわち総需要管理政策) によって解決することを提 案する。

これに対して、新古典派は総供給曲線のシフトのみが生産量 を変動させ、総需要曲線のシフトは物価水準の変動以外のも のをももたらさない。

参照

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