第 9 期 プ ロ ・ ナ ト ゥ ー ラ ・ フ ァ ン ド 助 成 成 果 報 告 書 〔 2000〕
熟帯林保全のための環境教育プログラム開発
ボルネオ熱帯林生態研究会
武生雅明
Dev el oPm ent of env i r onm ent al educ at i on Pr ogr am
f or t he c ons er v at i on of t r oPi c al r ai n f or es t s
Res ear c h gr oup on t he ec ol ogy of Bomean t r oPi c al r ai nf or es t s Mas aak i ' nl k y u
目的
束南アジアの熱帯林は商業伐採や大規模農地開 発などにより、現在急速に減少している。束南ア ジアの最高峰キナバル山を擁し、低地から高山ま で原生林が連続して残存しているマレーシアのサ バ州キナバル公園でも同様で、公園外では原生林 を見ることができなくなってしまっている。こう 土た急速な熱帯林減少をくい止めるには、環境款 育のための人材、施設、ソフトを整恂し、市民活 動を担う人材を育成することが必要である。そこ で、熱帯林保全を進める人材を育成することを目 的として、キナバル公園内の博物館において、サ バ州公回局と共同して、①熱帯林生態系を解説す る常設展示を製作する、②博物館混示と野外体験 学習をー体化した環境教育プログラムを開発・実
践することにした。
成果
キナバル山では標高に沿って①ほ地林(フタバ ガキ科が優占、群落高50m以上)、②山地林(フ トモモ科、ブナ科が優占、群落高30m)、③亜 高山帯林(イヌマキ科が優占、群落高15m)、④ 高山帯低木林(ツツジ科、フトモモ科が優占、群 落高2m)へと椎生が変化し、葉の面積、樹高や
幹の直径、種多様性は高標高ほど小さくなる。そ こで、こうした標高による森林の変化をできるだ け視覚的に説明する展示を作成することにした。 森林の相観と構造の変化を示すために群落断面図 を作成した。椎生帯毎にできるだけ多くの種の葉 を並べて展示し、標高による種組成の変化と種多 様性の変化(種数の変化と形態の収斂)を表現し た。また、森林の標高による変化をもたらす環境 要因を学べるように、各標高の気温や陣水量など の気象データをリアルタイムでモニターできるよ うにした。今後は森林生態系の機能や分解過程で の土壌動物や菌根菌の役割についても解説する展 示を加えたいと考えている。
従来の野外自然観察会を補助するため、実物の 葉による樹木図鑑を作成した。これに加えセルフ ガイド用パンフレットの製作を現在進めている。 博物館での学習と野外観察会での学習との組み 合わせにより、来訪者の熱帯林生態系への理解が より深まることが期待される。
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熱帯山地林の群落断面図
実物の莱で作った樹木図鑑
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気象データのリアルタイムでの表示
熱帯山地林内で行われる自然観察会