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長野市森林整備計画書H29変更

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(1)

長野市森林整備変更計画書

平成29年 4月 1日変更

計画期間 自 平成27年 4月 1日

至 平成37年 3月31日

長 野 県 長 野 市

(2)

森林法(昭和26年法律第 249号)第10条の6第2項の規定により、長野市 森林整備計画を変更する。

なお、変更後の長野市森林整備計画は、平成29年4月1日にその効力を生ず るものとする。

変更理由

① 森林法の一部改正に伴う鳥獣害防止森林区域及び当該森林区域内にお ける鳥獣害の防止方法の追加

② 基幹路網整備計画の変更に伴う開設予定路線の追加

(3)

長野市全図

飯縄山

陣場平山

虫倉山

保基谷岳

妙徳山

高妻山

戸隠山 堂津岳

奥西岳山

八方山

中西岳山

黒鼻山

西岳

砂鉢山

千曲川 裾花川

聖山

長者山

一夜山

(4)

目 次

Ⅰ 基本的事項

1 森林整備の現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1) 地域の概況

(2) 森林・林業の現状 (3) 森林・林業の課題

2 森林整備の基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1) 地域の目指すべき森林資源の姿

(2) 森林の施業の基本的な考え方及び森林施業の方策 (3) 地域ごとの森林施業の推進方向

3 森林整備の合理化に関する基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Ⅱ 森林の整備

第 1 伐採・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 樹種別の立木の標準伐期齢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 立木の伐採(主伐)の標準的な方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第2 造林・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 人工造林・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(1) 対象樹種 (2) 方法

(3) 伐採跡地の人工造林をすべき期間

2 天然更新・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1) 天然更新の対象地

(2) 対象樹種 (3) 方法

(4) 伐採跡地の天然更新をすべき期間

3 植栽によらなければ適確な更新が困難な森林の所在・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 伐採の中止又は造林をすべき旨の命令基準・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(1) 造林の対象樹種

(2) 生育し得る最大の立木の本数

第3 間伐及び保育・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 間伐を実施すべき標準的な林齢及び間伐の標準的な方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(1) 主要樹種別の間伐を実施すべき林齢 (2) 間伐の標準的な方法

頁 1

8

10

11 11 11 13

14 14

15

18 18

19 19

(5)

2 保育の種類別の標準的な方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 第4 公益的機能別施業森林及び木材生産機能維持増進森林・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 公益的機能別施業森林の区域及び当該区域内における施業の方法・・・・・・・・・・・

(1) 水源涵養機能の維持増進を図るための森林を推進すべき森林(施業水源涵

かん

養 機能維持増進森林)

(2) 森林の有する土地に関する山地災害防止/土壌保全、保健養機能の維持増進 を図るための森林施業を推進すべき森林

2 木材生産機能維持増進森林の区域及び当該区域内における施業の方法・・・・・・・

第5 委託を受けて行う森林施業又は経営の実施の促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 森林経営の受委託等による森林経営の規模拡大に関する方針・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 森林経営の受委託等による森林経営の規模拡大を促進するための方策・・・・・・・・ 3 森林経営の受委託等を実施する上で留意すべき事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第6 森林施業の共同化の促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 施業実施協定の締結その他森林施業の共同化の促進方策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 共同して森林施業を実施する上で留意すべき事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第7 作業路網その他の森林整備に必要な施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 路網密度の水準及び作業システム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 路網整備等推進区域・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 作業路網の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1) 基幹路網

(2) 細部路網

4 その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第8 その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 林業に従事する者の養成及び確保・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 森林施業の合理化を図るために必要な機械の導入の促進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 林産物の利用促進のための施設整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Ⅲ 森林の保護

第1 鳥獣害の防止・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 鳥獣害防止森林区域及び当該区域内における鳥獣害の防止の方法・・・・・・・・・・・ 2 その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

20 21 21

24

27 27 27 27

28 28 28 28

29 29 30 30

33

33 33 34 36

36 36 37

(6)

第2 森林病害虫の駆除及び予防、火災の予防その他の森林の保護

1 森林病害虫の駆除及び予防の方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 鳥獣害対策の方法(第1に掲げる事項を除く)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 林野火災の予防の方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 森林病害虫の駆除等のための火入れを実施する場合の留意事項・・・・・・・・・・・・・

Ⅳ 森林の保健機能の増進

1 保健機能森林の区域・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 保健機能森林の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 森林保健施設の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Ⅴ その他森林の整備に必要な事項

1 森林経営計画の作成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 生産環境の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 森林整備を通じた地域振興・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 森林の総合利用の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 住民参加による森林の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 その他必要な事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【計画策定の経過】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

巻末資料

公益機能別の指定区域(ゾーニング)と施業方法の一覧 長野森林整備計画概要図

37 37 37 37

38 38 38

39 39 39 40 40 41

42

(7)
(8)

Ⅰ 基本的事項

1 森林整備の現状と課題 (1) 地域の概況

本市は、長野県の北部中央に位置する県都で、平成 17年1 月に旧豊野町、戸隠村、鬼無里村 及び大岡村の1町3村、平成22年1月には旧信州新町及び中条村の1町1村が合併し、面積は 834.85k㎡、東西 36.5km、南北41.7km にわたり、北は新潟県妙高市、東は須坂市、南は千曲 市、西は大町市などと接しています。

古くから善光寺の門前町として栄えるとともに、東京圏、名古屋圏等の大都市と日本海沿岸地 域を結ぶ高速交通網の拠点となる地方中核都市として重要な位置を占めています。

市の中心部は南西から流れる千曲川の沖積地と西から流れる犀川の扇状地などによって形成 された平坦な長野盆地(以下、盆地。通称「善光寺平・川中島平」)が広がり、その北西に国宝 善光寺を核とする中心市街地、北に豊野、南に篠ノ井、東に松代の各市街地が展開しています。

盆地周辺の北東の豊野、北部の浅川、北西部の芋井、戸隠、鬼無里、西部の安茂里、小田切、 七二会、中条、信州新町、大岡、信更、篠ノ井にかけては海底で土砂が堆積してできた地層から なる山地が広がっており、急峻で複雑な地形を形成しています。なかでも戸隠西部から鬼無里に かけては戸隠連峰や荒倉山、裾花川と犀川の間には陣場平山や虫倉山などの急峻な山々がそびえ ています。また、北東に位置する飯縄山や南西に位置する聖山は火山で、その噴出物によって比 較的平坦な高原を形成しています。

盆地の東部から南部、若穂から松代にかけては妙徳山や保基谷岳

を主峰とする火成岩によっ て形成された急峻な山地が広がっています。

(2) 森林・林業の現状

① 地域の森林資源

本市は市域面積83,485haの 63%にあたる52,544haが森林であり、国有林を除いた民有林の面 積は 41,512ha で森林面積の 79%を占めています。

この民有林面積のうち 44%が人工林で、残りの 56%は天然生林です。天然生林は広葉樹が主で すが、針葉樹の場合その多くはアカマツです。樹種別では、もっとも広い面積を占めるのがスギ で約 23%、ついでカラマツが約 18%で、このふたつの樹種で市の民有林面積の約 40%を占めており、 標高が低い地域ではスギ、高い地域ではカラマツが植栽されている傾向があります。蓄積では全 体の 880 万㎥のうち 400 万㎥をスギが占めており、今後の利用が期待されます。

人工林と天然林

苗木を植えたり種子を蒔いて育てた林を人工林、自然に落ちた種子や土の中で休眠していた種子からの実生 や切り株からぼう芽(芽吹くこと)した木で構成される林を天然林と呼びます。天然生林とも言います。

(9)

鬼無里

戸隠

松代

大岡

若穂 信更

信州新町 中条

芋井

浅川

篠ノ井

豊野

小田切

七二会

若槻

安茂里 長野

【長野市民有林の天然林・人工林分布状況

小班の人工林率

緑色濃い(人工林率高い) 緑色薄い(人工林率低い)

人工林(カラマツ林) 天然林(コナラ林)

【国有林・民有林の森林面積】 (面積:ha、蓄積:m

3

人工林 天然生林 合計

針葉樹 広葉樹 針葉樹 広葉樹

未立木 地等

針葉樹 広葉樹

未立木 地等

民有林 18,292 116 18,408 1,787 19,871 1,446 23,104 20,079 19,987 1,446 41,512 国有林 2,782 14 2,797 530 5,324 2,380 8,235 3,313 5,339 2,380 11,032 合 計 21,074 131 21,205 2,317 25,195 3,833 31,346 23,391 25,317 3,833 52,544

(10)

【民有林の樹種別構成表】

樹種

面積(ha) 蓄積(m3)

比率 比率

アカマツ 2,726.28 6.6% 614,159 7.0% カラマツ 7,510.71 18.1% 1,987,820 22.6% スギ 9,407.49 22.7% 4,018,000 45.7%

ヒノキ 383.34 0.9% 73,884 0.8%

その他針 50.96 0.1% 6,869 0.1%

広葉樹 19,987.46 48.1% 2,096,221 23.8%

未立木地等 1,445.77 3.5% - -

41,512.01 100% 8,796,953 100%

② 森林の所有形態

民有林 41,512ha のうち、6,452haの公有林を除いた35,060haが私有林であり、そのほとんど が 1ha 未満の小規模な個人所有者となっています。特に集落や農地周辺の森林を含む、いわゆる 里山地域ではそれぞれの森林 所有者が極めて小 さな面積の森林を分散して所有してい る傾向が あります。

【民有林の所有形態】 所有形態別

面 積 蓄 積

割合 割合

1,565.12ha 3.8% 371,903m3 4.2%

市町村 3,756.58ha 9.0% 783,590m3 8.9%

財産区 1,130.30ha 2.7% 300,142m3 3.4%

6,452.00ha 15.5% 1,455,635m3 16.5%

集落有林 1,429.65ha 3.4% 259,470m3 2.9%

団体有林 2,111.75ha 5.1% 442,645m3 5.0%

個人有林他 31,518.61ha 76.0% 6,639,203m3 75.6%

35,060.01ha 84.5% 7,341,318m3 83.5%

合 計 41,512.01ha 100% 8,796,953m3 100%

民有林と国有林

国が所有する国有林を除く森林を民有林と呼びます。民有林には、県・市・財産区などの所有する公有林と、 個人などが所有する私有林が含まれます。

(11)

③ 林業の現状

本市では、長野森林組合をはじめとする 7 者の認定林業事業体を中心に森林の保育および素材 生産を行っています。高性能林業機械の導入も進みつつあり、フォワーダ、プロセッサ、スイン グヤーダ等 49 台が配備されています。

木材市場としては長野県森林組合連合会の北信木材センターが市街地北東部に位置し、木材流 通の要となっています。また、北部の浅川では木質バイオマスを利用した発電施設「いいづなお 山の発電所」が稼働しています。

【高性能林業機械導入状況】

機械名 台数 機能

プロセッサ 9 造材 切り倒した木の長さを測って切り分け、木材にする。

ハーベスタ 8

伐倒 立木を切り倒す

造材 切り倒した木の長さを測って切り分け、木材にする。

フォワーダ 21 運搬 森林内の不整地で木材を運ぶ

タワーヤーダ 2 集材 架線(ワイヤーロープ)を張って木を集める

スイングヤーダ 9

集材 架線(ワイヤーロープ)を張って木を集める

集材できる距離はタワーヤーダより短いが、設置が簡易

合計 49

プロセッサ フォワーダ

(12)

④ 林内路網の整備状況

当市には 143路線の林道、109 路線の作業道が開設されていて、1ヘクタール当たりの林内路網の 長さである林内路網密度は 9.7m/ha です。

【路網整備状況(平成25 年度末)

うち舗装

143 路線 319km 164km 7.7m/ha

林業専用道 0 路線 0km 0km 0m/ha

作業道 109 路線 83km 0km 2.0m/ha

252 路線 402km 164km 9.7m/ha

⑤ 保安林の指定状況と治山事業の実施状況

公益的機能の確保のため、約7,731ha、民有林の18.6%が保安林に指定されています。なかで も水源涵養保安林がもっとも広く指定されており、保安林面積の 59%を占めます。また、市内 13 か所で土砂崩れなどの災害で荒廃した森林を復旧したり、災害を予防するための治山事業が 実施されています。

【保安林指定状況】

保安林に占める割合

水源かん養保安林 4,592.33ha 59.5%

土砂流出防備保安林 2,778.07ha 35.9%

土砂崩壊防備保安林 53.79ha 0.7%

水害防備保安林 2.53ha 0.1%

干害防備保安林 228.34ha 3.0%

なだれ防止保安林 21.61ha 0.2%

落石防止保安林 21.95ha 0.2%

保健保安林 32.31ha 0.4%

7,730.93ha 100.0%

【治山事業実施状況】

事業名 箇所数 主な工種

復旧治山 2 山腹工 土留めや緑化などによって山腹の

浸食や崩壊を防止します

渓間工 治山えん堤などによって河川の浸 食や土石流を防ぎます

予防治山 5

林地荒廃防止 1

地すべり防止 3

保安林整備 2 森林整備 健全な森林を育成します

13

(13)

(3) 森林・林業の課題

① 伐期を迎える森林の取り扱い

森林の林齢の構成を見ると、人工林は 41 年生から 60 年生、天然林は 51 年生から 70 年生に大 きな偏りを見せています。スギやカラマツの標準伐期齢が 40 年であることから、多くの森林が 伐期を迎え、利用できる大きさに達しているといえます。

近年は木質バイオマス燃料として木材の需要が高まっているものの、全体的な木材価格は依然 として低迷しており、森林を伐採しても植栽を行う経費の捻出が難しいことから、多くの森林は 長伐期化によって適切な間伐 による密度調整を 行いながら伐採の時期を待つという状 況にあり ます。立木の多くは利用可能な大きさに成長しているため、木材を利用する搬出間伐を中心とし た施業が期待されますが、立木の成長が思わしくない森林や搬出が困難な森林においては、引き 続き切り捨て間伐による保育が必要となります。なお、主伐にあたっては中・長期的な視点に立 った計画的な実施が望まれます。

【民有林の林齢構成】

② 集約化による効率的な森林整備の推進

木材価格の低迷、森林所有者の高齢化や世代交代によって、森林・林業に対する関心は依然と して低い状況です。また、当市では一人の森林所有者が所有している森林の面積が小さい傾向が あるため、効率的な森林施業が困難となっています。特に林内路網の開設や、高性能林業機械を 用いた搬出間伐や主伐を行うためにはまとまった面積の森林で施業を行う必要があります。

そのため、林業事業体が小流域単位のまとまった区域内の森林所有者をとりまとめて作成する 森林経営計画の策定を推進するとともに、高性能林業機械の導入や林内路網の整備を進める必要があ ります。

0 1000 2000 3000 4000 5000

15 610 1115 1620 2125 2630 3135 3640 4145 4650 5155 5660 6165 6670 7175 7680 8185 8690 9195 96100 101

ha)

林齢(年)

人工林 天然林

標準伐期齢とは?

収穫する目的で立木を伐採する標準的な林齢のこと。年あたりの木材の成長量(平均成長量)が最大となる 林齢を基本として決められる。主伐するときは、標準伐期齢以上の森林を対象にするのが基本となります。

(14)

③ 災害に強い森林づくり

本市では山沿いや中山間地に多数の住民が生活しています。近年は集中豪雨が頻発する傾向が あり、山地災害に強い森林の整備が必要となっています。特に、盆地西部のいわゆる西山地域は 地質が脆弱で、地すべりや山腹崩壊などの土砂災害が多発しているため、土砂災害防止に配慮し た森林整備が必要です。

④ 水源の確保

裾花川の源流にあたる鬼無里をはじめ、盆地周辺の山地には重要な水源となっている森林も多 く、水源をかん養する能力の高い豊かな土壌を育む森林の整備が求められています。

⑤ 多様なニーズに対応した森林整備

近年は、木材生産や災害の防止だけではなく生物多様性の確保、景観の向上、自然とのふれあ いなど、市民が森林に求めるものが多様化・高度化しています。

貴重なブナ原生林を有する鬼無里、戸隠山の素晴らしい景観がのぞめる戸隠、高原の保養地と して利用されている飯綱や聖山周辺、トレッキングコースが整備され、身近な森林とのふれあい の場ともなる盆地周辺の里山など、それぞれの目的に応じた森林の取り扱いが必要となっていま す。

⑥ 荒廃農地の森林化

森林化する荒廃農地が増加しており、日照の障害や有害鳥獣の隠れ家となるなどの問題が発生して います。

荒廃した渓流 戸隠・鏡池周辺

(15)

2 森林整備の基本方針

第 13 期千曲川下流地域森林計画に定める「森林の整備及び保全の目標その他森林整備及び保全 に関する基本事項」を踏まえ、市内各地域の森林の現況、自然環境、社会経済的な状況に応じて森林 の有する機能の高度な発揮を目指した森林整備を行います。

(1) 地域の目指すべき森林資源の姿

森林の有する機能ごとに、目指すべき森林資源の姿について定めます。

【森林の有する機能と望ましい森林資源の姿】 森林の有する機能 望ましい森林資源の姿 水源かん養

雨水を一時蓄え、ゆっくりと 流出させることで量が安定した きれいな水を育む

1 すき間の多い土壌をもつ

2 いろいろな高さの植物が層をなし、様々な樹種が混交する 3 林齢が高い

4 地面が草や落ち葉や枯れ枝などに覆われている

山地災害防止/土壌保全 立木の根によって土砂の崩 壊を防ぐ。草木、落葉等によっ て地表を保護し土壌の浸食を 防ぐ

1 根が広く深くはり、土をつかむ力がつよい 2 樹冠が適度に茂っている

3 地面が草や落ち葉や枯れ枝などに覆われている 4 必要に応じて山地災害を防ぐ施設が整備されている

保健・文化・レクリエーション 保養、観光、娯楽、文化活動 の場を提供する

1 多様な樹種からなり、自然とのふれあいの場として適切に管理され ている

2 史跡・名勝と一体となって景観や風致を提供している

3 必要に応じて保健・文化・教育活動に適した施設が整備されている

木材生産

再生産可能な資源である木 材を持続的に生産する

1 持続的な木材生産が可能な土壌が維持されている 2 木材の搬出に必要な林内路網が整備されている 3 森林経営計画が樹立してある

(16)

(2) 森林整備の基本的な考え方及び森林施業の推進方策

ア 森林整備の基本的な考え方

森林のもつ多面的な機能を総合的かつ高度に発揮させるとともに、搬出間伐を中心とした適正 な森林施業の実施により健全な森林資源の維持造成を図ります。

イ 森林施業の推進方策

千曲川下流地域森林計画で定める森林整備の推進方向を基本として、本市の望ましい森林資源 の姿に誘導するため、以下のとおり森林の機能を踏まえた森林の区域を定め、機能に応じた森林 施業を推進します。

(ア) 水源かん養機能森林

適切な保育・間伐を促進しつつ、伐採に当たっては伐期を 延長し、伐採後の裸地面積を縮小及び分散化します。また、 立地条件等に応じ天然力も活用した施業も推進します。さら に、ダム等の治水施設上流域においては保安林の指定やその 適切な管理を推進します。

(イ) 山地災害防止機能/土壌保全機能森林

長伐期施業により、林床の裸地化の縮小、回避を図る施業 を推進することで、災害に強い森林を整備します。また、山 地災害の発生の危険性が高い地域等では、保安林の指定や治 山事業の積極的な導入を行います。

(ウ) 保健・文化・レクリエーション機能森林

立地条件や地域のニーズ等に応じて、広葉樹や針広混交林 の導入を図るなどの多様な森林整備を推進します。史跡・名 勝と一帯となり優れた風致景観等を形成する森林では、美的 景観の維持形成に配慮した森林整備を推進します。

(エ) 木材生産機能森林

木材の持続的、安定的かつ効率的に供給する観点から、森 林の健全化を確保し木材需要に応えた太さの木材を生育させ るための適切な造林、保育及び間伐を推進します。また、施 業の集約化や機械化を通じた効率的な整備を推進します。

(17)

(3) 地域ごとの森林施業の推進方向

合併地域も含め、これまでの森林整備の推進方向を考慮しつつ、地域の森林の現況、地形、地 質から類似する地域ごとに森林施業の推進方向を定めます。

① 若穂・松代

スギ・カラマツの人工林が成熟しつつあるため、水源の涵養や山地災害の防止に留意しながら も木材の生産を進めます。

② 長野・安茂里・若槻・豊野・浅川南部・篠ノ井

市街地及び住宅地の裏山に位置しているため、山地災害の防止を重視しつつ景観や自然とのふ れあいを重視した森林整備を行います。

③ 小田切・七二会・信更・芋井南部・戸隠南部・鬼無里南部・大岡北部・中条・信州新町 モザイク状に小規模な森林が広がる里山が多く、集落が点在するため山地災害の防止を重視し た森林整備を行います。これらの地域は地すべりが頻発する地域でもあり、地すべり地形の分布 や活動状況から、継続的な地すべりによる立木の曲がりや顕著な地すべりによる林地被害のリス クを考慮して森林整備を行う必要があります。

④ 芋井北部・浅川北部・戸隠北部・大岡南部

比較的平坦な高原地域で、保養地として利用されています。カラマツを中心とした人工林が 成熟しつつあるので、景観や自然環境を重視しながら木材生産を行います。

⑤ 鬼無里北部・戸隠西部

急峻な山岳地帯で、人工林が成熟しつつあるため、水源の涵養や山地災害の防止に留意しなが らも木材の生産を進めます。鬼無里の奥裾花一帯の天然林については、自然環境を優先するよう 配慮します。

3 森林施業の合理化に関する基本方針

森林の計画的で効率的な施業を行うため、林業事業体、森林所有者、県、市が相互に連絡をとりあい、 森林施業の共同化、林業後継者の育成、林業機械化の促進、木材の流通・加工体制の整備などを長 期的展望に立って推進します。

(18)

Ⅱ 森林の整備

第1 伐採

千曲川下 流地域森林計画で定める指針に基づき、伐採に関する事項を以下のとおり定めます。

1 樹 種 別 の立 木 の標 準 伐 期 齢

【樹種ごとの標準伐期齢等】

区分 標準伐期齢

伐期の延長を推進 すべき森林の伐期齢

長伐期施業を推進すべき 森林の伐期齢

カラマツ 40年 50年以上 おおむね80年以上

アカマツ 40年 50年以上 おおむね80年以上

ヒノキ 45年 55年以上 おおむね90年以上

スギ 40年 50年以上 おおむね80年以上

その他針葉樹 60年 70年以上 おおむね120年以上

クヌギ 15年 25年以上 おおむね30年以上

ナラ類 20年 30年以上 おおむね40年以上

ブナ 70年 80年以上 おおむね140年以上

その他広葉樹 20年 30年以上 おおむね40年以上

(千曲川下流地域森林計画書 3-3)

2 立 木 の伐 採 (主 伐 )の標 準 的 な方 法

立木竹の伐採のうち主伐については、「更新」を伴う伐採により行うものとし、その方法は、皆 伐と択伐によるものとします。

「更新」とは、伐採跡地(伐採により生じた無立木地)において、人工造林又は天然更新により 更新樹種を育成し、再び立木地にすることをいいます。

【主伐の区分】

択伐以外のもの。

伐 採 区 域 の 森 林 を 構 成 す る 立 木 の 一 部 を 伐 採 す る 方 法 で あ っ て 、 単 木・帯状又は樹群を単位として、伐採区域全体ではおおむね均等な割合 で行うものとする。

なお、ここで択伐とは、材積による択伐率が30%以下の択伐をいう。

(伐採後の造林を人工植栽による場合は、40%以下の択伐率。)

(千曲川下流地域森林計画書 3-1)

(19)

【主伐の留意事項】

共通事項

伐採跡地が連続しないように、伐採跡地間には周辺森林の成木の樹高程 度(20m以上)の幅を確保する。

立地条件により人工造林及び天然更新に相当の時間が必要な地域(例え ば、標高が高い地域、積雪が多い地域等)は、大規模な伐採を避けるとと もに、更新が完了するまで隣接地での伐採は行わない。

森林の公益的機能を保全するため必要がある場合には、所要の保護樹林 帯を設置することとする。

伐採後の更新が天然更新により行われる場合は、母樹の配置等に配慮す ること。

伐採後の更新がぼう芽更新により行われる場合は、萌芽が難しい夏季の 伐採は極力避けるとともに、良好な光条件を確保するため、根株に枝条等 を集積して被覆しないこと。

更新のための造林に対して補助金を受けるためには、あらかじめ森林経 営計画の認定を受けておく必要がある。

原則として傾斜が急な所、風害・雪害の気象害がある所、獣害の被害が 激しいところは避け、確実に更新が図られるところで行うものとする。

一箇所当たりの皆伐の上限面積は、20ha を超えないものとする。出来 るだけ小面積とするよう計画する。

隣接する伐採跡地との間には、幅20m以上(周辺森林の成木が20mを 超える場合は、樹高程度以上)の保残帯を設けること。

②、③に関わらず、気候、地形、土壌等の自然的条件及び公益的機能の 確保の必要性を踏まえ、適切な伐採区域の形状、伐採面積及び伐採区域の モザイク的配置に配慮すること。

次の土地に隣接する森林は、防災上の観点から 20m程度の緩衝帯を残 すよう心掛けること。

河川、渓流沿いの水辺環境、耕作地 人家、工場等建造物、幹線道路、鉄道

群状伐採にあっては、一箇所当たりの伐区面積は 0.05ha 未満とし、隣 接する伐区との間は、20m以上離れていること。

帯状伐採にあっては、伐採する帯の幅は、10m未満とし、隣接する伐採 帯との間は、20m以上離れていること。

森林の有する多面的機能の維持増進が図られる林分構成となるよう、 定の立木材積を維持するものとし、適切な伐採率によることとする。

( 千 曲 川 下 流 地 域 森 林 計 画 書 表 3 -2 )

(20)

3 そ の他

主伐が実施された場合、更新状況を下記のとおり確認します。確認方法は、「第2 造林」の更新 完了の基準及び調査の方法のとおりとします。森林所有者等の届出者への指導・助言や確認調査 にあたり必要がある場合は、長野県長野地方事務所の林業普及指導員等の技術的な助言、協力を 依頼します。

【更新の確認時期】

主伐の届出 更新方法 確認時期

伐採及び伐採後の造 林の届出書

人工造林

伐採終了年度の翌年度の初日から2年を経過する日ま での期間に確認する。

天然更新

伐採終了年度の翌年度の初日から5年を経過する日ま での期間に確認する。

市町村認定の森林経 営計画に係る伐採等 の届出書

人工造林

伐採終了年度の翌年度の初日から2年を経過する日ま での期間に確認する。

天然更新

伐採終了年度の翌年度の初日から5年を経過する日ま での期間に確認する。

(千曲川下流地域森林計画書 表 3-4)

(21)

第2 造林

千曲川下 流地域森林計画で定める指針に基づき、造林に関する事項を下記のとおり定めます。 1 人 工 造 林

(1) 対 象 樹 種

人工造林の対象樹種

ヒノキ アカマツ カラマツ その他針葉樹

広葉樹

( 千 曲 川 下 流 地 域 森 林 計 画 書 表 3 -5 )

(2) 方法

ア 人工造林の樹種別及び仕立ての方法別の植栽本数 主要樹種の植栽本数は、下表を標準とします。

なお、立地条件、既往の造林方法等を勘案し、将来的な施業の方針を明確にすることで 植栽本数を決定することができるものとします。

仕立ての方法 標準的な植栽本数(本/ha)

中庸仕立て 3,000本

ヒノキ 中庸仕立て 3,000本

アカマツ 中庸仕立て 3,000本

カラマツ 中庸仕立て 2,300本

その他針葉樹 中庸仕立て 3,000本

広葉樹 中庸仕立て 3,000本

(千曲川下流地域森林計画書 3-5)

イ その他人工造林の方法

標準的な方法

地拵えの方法

伐 採 木 及 び 枝 条 等 が 植 栽 や 保 育 作 業 の 支 障 と な ら な い ように整理するとともに、林地の保全に配慮すること。

植付けの方法 正方形植えを原則とし、植付けは丁寧植えとする。

植栽の時期

4月∼6月中旬までに行うものとする。ただしコンテナ 苗 の よ う に 植 栽 時 期 を 選 ば な い も の は 、 こ の 限 り で は な い。

(22)

(3) 伐採跡地の人工造林をすべき期間

伐採終了年度の翌年度から2年を経過する 日までの期間。

伐採終了年度の翌年度から 5年を経過す る日までの期間。

2 天然更新

(1) 天然更新の対象地

天然更新対象地

周辺森林からの実生による更新可能地 ぼう芽更新が期待できる樹種の伐採跡地 人工造林不成績地で天然更新が進行した箇所

(森林病害虫、野生鳥獣被害地も含む。)

気象害等の被害跡地で天然更新が進行した箇所

(2) 対象樹種

天然更新のうち、天然下種更新の対象樹種は、林冠を構成する高木性の樹種から選定する ものとします。また、ぼう芽更新による場合の対象樹種は、ぼう芽能力の強いものとして選定しま す。

なお、平成 24 年 3 月林野庁計画課編『天然更新完了基準書作成の手引き(解説編)』によれ ば、 ぼう芽更新は、根 本直径と ぼう芽発生数には強い 関連がある こと が分 かってい ること から、 更新未完了の若齢広葉樹林や根元直径30㎝以上、おおむね80年生以上の広葉樹林は、ぼ う芽更新が困難な森林として扱い、更新確認には特に留意します。

対象樹種は、下表を基準とします。

【天然下種更新樹種一覧表】

バッコヤナギ(ヤナギ科) ミヤマヤシャブシ(カバノキ科) フサザクラ(フサザクラ科) オノエヤナギ(ヤナギ科) ヒメヤシャブシ(カバノキ科) ヒロハカツラ(カツラ科) その他ヤナギ類(ヤナギ科) サワシバ(カバノキ科) ホオノキ(モクレン科) サワグルミ(クルミ科) クマシデ(カバノキ科) カスミザクラ(バラ科) オニグルミ(クルミ科) アカシデ(カバノキ科) オオヤマザクラ(バラ科) ヨグソミネバリ(ミズメ)(カバノキ科) ブナ(ブナ科) ウワミズザクラ(バラ科) ウダイカンバ(カバノキ科) コナラ(ブナ科) イヌザクラ(バラ科) シラカンバ(カバノキ科) ミズナラ(ブナ科) シウリザクラ(バラ科) ダケカンバ(カバノキ科) クヌギ(ブナ科) アズキナシ(バラ科) ネコシデ(カバノキ科) カシワ(ブナ科) キハダ(ミカン科) ハンノキ(カバノキ科) クリ(ブナ科) イタヤカエデ(カエデ科)

(23)

ケヤマハンノキ(カバノキ科) オヒョウ(ニレ科) ウリハダカエデ(カエデ科) コバノヤマハンノキ(カバノキ科) エノキ(ニレ科) トチノキ(トチノキ科) ヤハズハンノキ(カバノキ科) エゾエノキ(ニレ科) シナノキ(シナノキ科) ミヤマハンノキ(カバノキ科) ハルニレ(ニレ科) オオバボダイジュ(シナノキ科) ヤシャブシ(カバノキ科) ケヤキ(ニレ科) リョウブ(リョウブ科)

ハリギリ(ウコギ科) アカマツ(マツ科) コメツガ(マツ科) コシアブラ(ウコギ科) カラマツ(マツ科) スギ(スギ科) ヤマボウシ(ミズキ科) キタゴヨウ(マツ科) ヒノキ(ヒノキ科) ミズキ(ミズキ科) チョウセンゴヨウ(マツ科) サワラ(ヒノキ科) クマノミズキ(ミズキ科) ウラジロモミ(マツ科) クロベ(ネズコ)(ヒノキ科) コバノトネリコ(モクセイ科) オオシラビソ(マツ科) イチイ(イチイ科) ヤチダモ(モクセイ科) トウヒ(マツ科)

(千曲川下流地域森林計画書 3-6)

ぼう芽更新樹種一覧表】

ぼ う 芽 能 力 が ピ ー ク と な る 根 元 直 径 及 びその時の平均ぼう芽本数(参考)

ぼ う 芽 の 発 生 す る お おむねの限界根元直 径(参考)

ミズナラ(ブナ科) 20 30 50 コナラ(ブナ科) 10 20 40

クリ(ブナ科) 20 60 40

ホオノキ(モクレン科) 20 20 60 カスミザクラ(バラ科) 10 20 40 イタヤカエデ(カエデ科) 10 20 20 ㎝ ウリハダカエデ(カエデ科) 10 20 本 40

※クマシデ(カバノキ科) 10 10 20

※オオモミジ(カエデ科) 10 10 50

※コシアブラ(ウコギ科) 10 10 30

※ミズキ(ミズキ科) 10 10 30

※リョウブ(リョウブ科) 10 ㎝ 10 本 20

※印は、ぼう芽更新はするものの、ぼう芽能力の弱い樹種

(千曲川下流地域森林計画書 3-7)

(24)

(3) 方法

ア 天然更新の対象樹種別の期待成立本数

対象樹種すべて 10,000 本/ha 以上

(千曲川下流地域森林計画書 表 3-9)

イ 天然更新補助作業の標準的な方法

標 準 的 な 方 法

地表処理

サ サ や 粗腐 植 の 堆 積 等に よ り 天 然下 種 更 新 が 阻害 さ れ て いる 箇 所 に つ い て、種子の確実な定着と発芽を促し、更新樹種が良好に生育できる環境を整 備するために地表かき起こし、枝条整理等を行うものとする。

刈出し

ササ、低木、シダ類、キイチゴ類、高茎草本等の競合植物により更新樹種 の生存、生育が阻害されている箇所について刈払い等を行うものとする。

植込み

更新樹種の生育状況等を勘案し、天然更新が不十分な箇所に必要な本数を 植栽するものとする。

芽かき

ぼう芽更新による場合に、耐陰性の強い樹種では余分な芽をつみ取る芽か きを適宜実施する。

(千曲川下流地域森林計画書 表 3-8)

ウ その他天然更新の方法

伐採跡 地の天 然更新の完了確認 は、 次の調査方法により行い ま す。必 要に応 じて、 長野県 長野地方事務所の林業普及指導員等の技術的な助言、協力を依頼します。

① 更新調査の方法

更新調査は、標本抽出調査及び標準地調査によることとし、調査の信頼度を確保できる範囲 で調査区(調査プロット)の数及び面積を設定します。

なお、明らかに更新の判定基 準を満たし ている場合は、更新の状況が明確に判る写真を撮 影して記録し、目視による調査とします。

a 調査区及びプロットの設定

調査地は、対象地の尾根部、中腹部、沢部のそれぞれ 1 ヶ所以上の標準的箇所を選ん で設定します。1調査区の大きさは2(幅)×10(長さ)mの帯状とし、調査区内は長さ方向に5 区分(2m×2m×5 プロット)とし、調査区の長さ方向は斜面傾斜方向に配置します。

b 調査方法

調査は 1 プロット毎に所定の樹高以上の稚幼樹の樹種別本数調査を行うものとします。な お、ナラ類などぼう芽更新の場合は株数をもって本数とします。

c 調査の記録

調査を実施した際は、必ず野帳に記録し、写真を撮影して保管します。また、調査位置は GPS を利用し位置情報を記録し、森林 GIS で管理することとします。

なお、調査記録は、永年保存します。

(25)

② 更新の判定基準

区分

更新すべき立木本数 3,000/ha以上

稚樹高

競合植物の草丈との関係により、千曲川下流地域森林計画書 の表3-10を参考に判断する。

更新を判定する時期

伐採終了年度の翌年度初日から5年を経過した日までに判定 する。

判定日に更新すべき立木本数が不足する場合は、追加の天然 更新補助作業を行うか、又は不足本数を人工造林し、伐採終了 年度の翌年度初日から7年を経過した日までに判定する。

(千曲川下流地域森林計画書 表 3-9)

③ 更新成績が不良の場合の対応

更新成績が不良となっている場合(種子の凶作、ササ類の繁茂等)には、速やかに追加的 な天然更新補助作業(刈り出し等)又は植栽を実施することとします。

(4) 伐採跡地の天然更新をすべき期間

伐採終了年度の翌年度から5年を経過する日までの期間とします。

3 植栽によらなければ適確な更新が困難な森林の所在

4 伐採の中止又は造林をすべき旨の命令基準 (1) 造林の対象樹種

ア 人工造林の場合

1の(1)によるものとします。 イ 天然更新の場合

2の(2)によるものとします。 (2) 生育し得る最大の立木の本数

天然更新可能地では、対象樹種の立木が 5 年生の時点で 3,000 本/ha 以上の本数を成立さ せることとします。

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