1 森林経営計画の作成
(1) 森林経営計画の作成に当たっては、次に掲げる事項を適切に計画するものとします。
ア 植栽によらなければ適確な更新が困難な森林における主伐後の植栽 イ 公益的機能別施業森林等の整備
ウ 森林の経営の受委託等を実施する上で留意すべき事項及び共同して森林施業を実施する 上で留意すべき事項
エ 森林病害虫の駆除及び予防、火災の予防その他の森林の保護に関する事項
(2) 森林法施行規則第 33 条第 1 号ロの規定に基づく区域
路網の整備の状況その他の地域の実情からみて造林、保育、伐採及び木材の搬出を一体 として効率的に行うことができると認められるものとして、30ha以上の森林面積におい て属地の森林経営計画を定めることができる区域を定めます。
区域名 林 班 区域面積(ha) 区域設定の理由
飯綱高原
241〜246 林班 276〜277 林班
650.44
飯綱地区の森林は旧芋井村から引き継いだ市有 林と別荘用地として分譲された森林が多数を占 め、通常の森林所有者が少なく林班単位での森林 経営計画の樹立が難しいため、他事業体との共同 化を図りつつ市有林を中心とした属地計画の樹 立を目指す。
2 生活環境の整備
鬼無里には林業者宿泊施設が整備されており、林業者の定住促進のために活用します。
3 森林整備を通じた地域振興
平成 23 年3月に発生した東日本大震災及びそれに伴う原発事故以降、再生可能エネル ギーとして木質バイオマスへの取り組みが加速しているなか、未利用材の有効活用策とし て木質ペレットの生産、薪ストーブ・発電燃料としての木材利用を推進します。
また、計画的な森林整備、林業経営基盤の整備を推進し、地域材利用を拡大し、地域振 興を図ります。
4 森林の総合利用の推進
市民が体験を通して森林と林業への関心を育むフィールドとして飯綱高原に「体験の森」
が整備されています。また、戸隠森林植物園や奥裾花自然園、大座法師池周辺、聖山高原 等に市民が森林と親しむことができる遊歩道などの施設が整備されています。今後は、各 施設の維持管理に努めるとともに広葉樹の植栽、不良木の除去、遊歩道の整備等を進め、
市民が森林に親しむ施設として管理を進めます。
その他にも各地のトレッキングコースをはじめ、ボブスレーリュージュパークの市民の 森、猪ノ平市民ふれあいの森、宮野平自然の森では住民による整備が行なわれています。
5 住民参加による森林の整備 (1) 住民参加による取組
本市は、森林を守り育てる意識の高揚を図るため、浅川地区の「善光寺の森」の保育な ど市民参加による森林整備のイベントを開催しているほか、市内の団体等が実施する森林 関連のイベントに人的補助を行っています。
一般向けには、初心者が安全に森林整備に係ることができるよう林業講座を開催してい ます。また、小中学生に対しては、学校単位で「みどりの少年団」の結成を推進していま す。
市内にはいくつかの森林ボランティア団体が活動しており、これらの団体と連携しなが ら住民参加による森林の整備を進めています。
きのこの菌打ち体験 林業講座
(2) 上下流連携による取組み
長野県が平成 15 年度より実施している「森林の里親促進事業」を活用し、企業等が里 山の森林整備を行う場所や機会の紹介、支援を今後とも進めます。
(3) その他
財産区有林、集落所有林など地域住民が共同で管理・使用している森林については、積 極的な整備を実施するよう働きかけます。
6 その他必要な事項
(1) 森林施業の技術及び知識の普及・指導に関する事項
森林施業の円滑な実行確保を図るため、県等の指導機関、林業事業体との連携をより 密にし、普及啓発、経営意欲の向上に努めます。また、住民参加への取り組みでも述べ たとおり、一般向けに林業講座を開催します。
(2) 市営林の整備
本市は 3,757ha の森林を経営しており、森林施業の先導的な役割を担っています。ま た、成熟しつつある人工林は市の大切な財産となっており、積極的に搬出間伐等の森林 整備を進め、木材の有効活用を図るとともに良好な森林環境の維持を目指します。
森林作業道開設 カラマツ材の搬出
高性能林業機械の見学会 複層林施業実験地