第 3 章 測定の基礎
プロジェクト演習３．３
2010 年 10 月 2 日
らち
主特性 副特性 説明 機能性 合目的性、正確性、相互
運用性、機密性、標準適 合性
機能とその特性に影響する特性群。機能に は、必要性が明確に述べられているものと
、暗に示されているものがある。 信頼性 成熟性、障害許容性、回
復性、標準適合性 ある状況がある時間続いたときにソフトウ ェアがどの程度機能するかに影響する特性 群。
使用性 理解性、習得性、運用性
、注目性、標準適合性 利用するのにかかる手間、個人の努力など に影響する特性群。
効率性 時間効率性、資源効率性
、標準適合性 ソフトウェアの性能やそれに要するリソー ス量に影響する特性群。
保守性 解析性、変更性、安定性
、試験性、標準適合性 何らかの変更を加えるのにかかる手間に影 響する特性群。
移植性 環境適応性、設置性、共 存性、置換性、標準適合 性
別の環境にソフトウェアを移行させる可能 性に影響する特性群。
世の中では、品質モデルは、 ISO9126-1 で下記のように規定されている。
（ http://ja.wikipedia.org/wiki/ISO_9126 ）
プロジェクト演習３．３
プロジェクトで作業している場合、品質がどのように測定されているか調べ てみよう。
そのメトリクスを、信頼性、妥当性、コストの観点から評価してみよう。
この定義に基づき、東陽テクニカの QAC と exquto という２つのツールを使って
、 C ソースから右記のような測定を行う ことができる。
■ コスト
QAC 1 ライセンス 98 万 http://codezine.jp/catalog/43
exquto 1 ライセンス 40 万
http://www.atmarkit.co.jp/news/200901/29/exquto.html
■ 信頼性
機械的に測定しているので、数字自体 の信頼性は高い
■ 妥当性
この数値をどう使うか が問題。
効率性のの偏差値が 39.9 だと出荷で きないの？保守性が 49.8 だと出荷でき ないの？
だもんで、
ベースソースの品質が、この値だから、
○○に気をつけなければいけない とい うような使い方が良いと思っている。
で、実際に NEC で行っている品質の計り方を紹介します。
ソフトウェア品質会計って知っていますか？（知っている方、おやすみなさい） 基本的な考え方は
「作りこんだバグを負債と見なし、バグ摘出によりこの負債を返済し、負債がゼロと なった時点で出荷する」というものです。
詳しくは、「ソフトウェア品質会計 誉田直美著」をご覧ください
。
http://www.amazon.co.jp/dp/4817193484
方式設計 詳細設計 実装 単体テスト 結合テスト 総合テスト
予測数 ５ １０ ２０ １０ ５ １
実績
予測数とは、設計工程ではレビュー指摘件数、テスト工程ではバグ件数です。 この数値は、経験則で決めています。
前回Ｒモジュールを担当したＡさんが、今回もＲモジュールを担当した場合と
前回Ｓモジュールを担当したＢさんが、今回初めてＲモジュールを担当した場合で、予測数は 変わります。
また、
１０ＫＬのモジュールに、今回１ＫＬの改造を加える場合と、
１００ＫＬのモジュールに、今回１ＫＬの改造を加える場合で、予測数は変わります。
なぜこんなんでいいのか、ソフトは作る人に依存するからです。そして、運用上のポ イントは、
予測した数値に対して、大きく値が外れた場合、なぜ外れたかを検討することです。 信頼性・妥当性は運用にかかっています。コストは、小ですね。
Ｒモジュール
