• 検索結果がありません。

当社の企業分析レポートが公開されました 株式会社ビーロット│不動産金融コンサルティング

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "当社の企業分析レポートが公開されました 株式会社ビーロット│不動産金融コンサルティング"

Copied!
49
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

R

ビーロット|3452

COVERAGE INITIATED ON: 2018.01.09 LAST UPDATE: 2018.02.02

当レポートは、掲載企業のご依頼により株式会社シェアードリサーチが作成したものです。投資家用の各企 業の『取扱説明書』を提供することを目的としています。正確で客観性・中立性を重視した分析を行うべく、 弊社ではあらゆる努力を尽くしています。中立的でない見解の場合は、その見解の出所を常に明示します。 例えば、経営側により示された見解は常に企業の見解として、弊社による見解は弊社見解として提示されま す。弊社の目的は情報を提供することであり、何かについて説得したり影響を与えたりする意図は持ち合わ

せておりません。ご意見等がございましたら、sr_inquiries@sharedresearch.jp までメールをお寄せくだ

さい。ブルームバーグ端末経由でも受け付けております。

(2)

SRレポートの読み方:本レポートは、直近更新内容・業績動向セクションから始まります。ビジネスモデルに馴染みのない方は、事業内容セクショ ンからご覧ください。

要約 --- 3

主要経営指標の推移 --- 5

直近更新内容 --- 8

概略 --- 8

業績動向 --- 9

四半期実績推移 --- 9

今期会社計画 --- 13

中長期見通し --- 14

事業内容 --- 18

会社概要 --- 18

ビジネスモデル --- 21

SW(Strengths, Weaknesses)分析 --- 30

市場とバリューチェーン --- 31

過去の業績・財務諸表 --- 36

過去の業績 --- 36

損益計算書 --- 41

過去の期初会社予想と実績の差異 --- 42

貸借対照表 --- 43

キャッシュフロー計算書 --- 44

その他の情報 --- 45

沿革 --- 45

グループ会社の概要(2017 年 9 月末現在) --- 45

社名の由来 --- 46

コーポレートガバナンスおよびトップマネジメント --- 46

配当方針 --- 47

大株主(2017 年 6 月 30 日現在) --- 47

従業員数 --- 47

(3)

事業概要

同社は不動産投資開発事業、不動産コンサルティング事業、不動産マネジメント事業の3つを主要事業とする中堅不動 ◤

産会社である。同社は、2008年10月に得意分野やネットワークが異なる3名によって設立された。金融分野を強みと する代表取締役社長宮内誠氏、富裕層コンサルティングと顧客開拓を強みとする取締役副社長長谷川進一氏、不動産 の取得および販売といった不動産再生分野を強みとする取締役副社長望月雅博氏の3人であり、前職でも東証一部上場 不動産企業において一緒に経営を行っていた。創業6年2ヶ月となる2014年12月に従業員数27名で東証マザーズに上場 しリーマンショック後に設立された不動産会社では最速上場となった。2018年2月に東証1部に市場変更となった。 過去の不動産再生業績や2016年12月期まで過去6期連続での増収増益に裏付けされた実績などにより、私募債発行や ◤

コミットメント型シンジケートローンなど実施して高いレバレッジを生み出し、成長を図っている(2016年12月期 ネットD/Eレシオ3.73倍;売上高規模の近い競合23社同平均1.45倍)。2016年12月期までの過去3年間に、売上高は年 率73.4%成長、営業利益は同75.4%成長を遂げた。

主軸となる不動産投資開発事業(2016年12月期売上高比率85.1%)では、年間13-22件(2014年12月期~2016年12月 ◤

期)の販売用不動産を売却し利益を得ている(2014年12月期~2016年12月期における営業利益率14~17%程度)。 収益性や遵法性などの問題により過小に評価された不動産(主に1棟もの不動産)をオンバランスで取得し、問題点を 是正し、資産価値と収益性の向上を図って、販売する。あるいは、開発用地を取得して、その上に新しい建物を建設・ 開発して売却する。仕入先および得意先は、不動者投資を行う個人富裕層、その資産管理会社、一般事業法人、不動 産会社、ファンドなど。100百万円~3,000百万円の物件(2016年12月期1件当たり平均金額624百万円)を取り扱い、 不動産の用途は一棟オフィスビルやマンション、ホテルなど多種多様に渡る。近年では、訪日外国人増をビジネス契 機としたインバウンド施策としてコンパクトホテルへのリノベーションを他社に先駆けて行うなどの多様化を進めて いる。取扱エリアも、拠点がある関東圏(2016年12月売却件数のうち56%)のほか、北海道圏(同25%)、九州圏(同 6%)、関西圏(同13%)など、全国の大都市圏において実績がある。

一方、不動産コンサルティング事業と不動産マネジメント事業は安定収益事業である(2016年12月期の売上構成比、 ◤

営業利益率は、前者が7.4%、40%、後者が7.5%、52%)。顧客は不動産投資開発事業と同様である。長期に亘って 複数回の取引を行うことが多く、リピーターもしくは紹介の顧客が多い。また一つの不動産へのアプローチとして、 売買仲介のほか、AM(アセットマネジメント)、PM(プロパティマネジメント)、LM(リーシングマネジメント) などにより、ワンストップで投資家などのサポートを行い連鎖取引を実現している。

なお、不動産投資開発事業で保有する販売用不動産および、長期保有を目的として賃貸用不動産の賃料収入は、不動 産マネジメント事業に帰属する。

業績動向

2016年12月期売上高は前期比67.3%増の11,627百万円、同営業利益は同46.9%増の1,175百万円、同経常利益は同 ◤

33.4%増の874百万円、同親会社株主に帰属する当期純利益は同46.9%増の588百万円となった。

2017年12月期については、売上高13,000百万円(前期比11.8%増)、営業利益2,264百万円(同92.7%増)、経常利益 ◤

(4)
(5)

出所:会社データを基にSR社作成

*表の数値が会社資料とは異なる場合があるが、四捨五入により生じる相違であることに留意

損益計算書 FY12/11 FY12/12 FY12/13 FY12/14 FY12/15 FY12/16 FY12/17

(百万円) 非連結 非連結 非連結 非連結 連結 連結 会予

売上高 494 1,338 2,231 3,709 6,951 11,627 13,000

前年比 - 170.9% 66.7% 66.3% 87.4% 67.3% 11.8%

売上総利益 - 327 617 937 1,556 2,621

前年比 - - 88.6% 51.9% 66.1% 68.4%

売上総利益率 - 24.4% 27.7% 25.3% 22.4% 22.5%

営業利益 - 85 218 378 800 1,175 2,264

前年比 - - 157.0% 73.8% 111.5% 46.9% 92.7%

営業利益率 - 6.3% 9.8% 10.2% 11.5% 10.1% 17.4%

経常利益 6 78 183 295 655 874 1,896

前年比 - 1,229.7% 133.4% 61.7% 122.1% 33.4% 116.8%

経常利益率 1.2% 5.8% 8.2% 8.0% 9.4% 7.5% 14.6%

当期純利益 4 42 104 177 401 588 1,172

前年比 - 944.6% 149.8% 69.2% 126.8% 46.9% 99.2%

純利益率 0.8% 3.1% 4.7% 4.8% 5.8% 5.1% 9.0%

一株当たりデータ(円)

期末発行済株式数(千株) 1 3 4 1,095 3,880 4,001

-EPS 3,251 93 206.9 243.6 112.6 150.6

-EPS (潜在株式調整後) - - - 206.9 105.6 148.2

-DPS - - - 17.0

-BPS 64,394 307 575.0 893.2 626.5 733.8

-貸借対照表 (百万円)

現金・預金・有価証券 - 320 567 1,009 2,107 2,467

仕掛販売用不動産 - 556 399 2,807 6,070 10,323

流動資産合計 - 921 2,303 5,014 8,343 14,105

有形固定資産 - 60 56 51 822 832

投資その他の資産計 - 21 25 45 151 835

無形固定資産 - 159 158 157 659 813

資産合計 281 1,160 2,543 5,268 9,985 16,626

短期有利子負債 - 62 737 2,749 1,296 4,289

流動負債合計 - 180 1,007 3,086 1,836 4,979

長期有利子負債 - 681 1,050 1,167 5,607 8,708

固定負債合計 - 721 1,086 1,205 5,717 8,828

負債合計 - 900 2,093 4,291 7,553 13,806

純資産 94 260 449 978 2,431 2,819

キャッシュフロー計算書 (百万円)

営業活動によるキャッシュフロー - -278 -859 -1,802 -1,681 -4,436

投資活動によるキャッシュフロー - -225 -23 -220 -1,241 -922

財務活動によるキャッシュフロー - 722 1,129 2,463 4,019 5,717

財務指標

有利子負債(短期及び長期) - 743 1,787 3,916 6,903 12,997

総資産利益率(ROA) 2.7% 10.9% 9.9% 7.6% 8.6% 6.6%

自己資本利益率(ROE) 5.0% 23.6% 29.4% 24.8% 23.5% 22.4%

(6)

出所:会社データを基にSR社作成

*表の数値が会社資料とは異なる場合があるが、四捨五入により生じる相違であることに留意

前年比 170.9% 66.7% 66.3% 87.4% 67.3%

不動産投資開発事業 1,069 1,897 3,237 6,137 9,977

前年比 - 77.4% 70.6% 89.6% 62.6%

構成比 79.9% 85.0% 87.3% 88.3% 85.1%

売却件数(件) 14 11 22 13 16

前年比 - -21.4% 100.0% -40.9% 23.1%

<物件種類別>

住宅系不動産 na 8 18 7 8

 構成比 na 72.7% 81.8% 53.8% 50.0%

事務所・店舗ビル na 3 4 4 5

 構成比 na 27.3% 18.2% 30.8% 31.3%

戸建用地 na - - 1 2

 構成比 na - - 7.7% 12.5%

ホテル na - - 1 1

 構成比 na - - 7.7% 6.3%

<地域別>

関東圏 na 9 na 8 9

 構成比 na 81.8% na 61.5% 56.3%

北海道圏 na 2 na 3 4

 構成比 na 18.2% na 23.1% 25.0%

九州圏 na - na 1 1

 構成比 na - na 7.7% 6.3%

関西圏 na - na 1 2

 構成比 na - na 7.7% 12.5%

(1物件当たり平均売却金額) 76 172 147 472 624

前年比 - 125.8% -14.7% 220.9% 32.1%

不動産コンサルティング事業 192 146 197 171 862

前年比 - -24.1% 35.1% -13.1% 403.2%

構成比 14.4% 6.5% 5.3% 2.5% 7.4%

仲介件数 25 28 20 29 31

前年比 - 12.0% -28.6% 45.0% 6.9%

<地域別>

関東圏 na 19 7 15 19

 構成比 na 67.9% 35.0% 51.7% 61.3%

北海道圏 na 7 8 8 7

 構成比 na 25.0% 40.0% 27.6% 22.6%

九州圏 na - 3 4 4

 構成比 na - 15.0% 13.8% 12.9%

関西圏その他 na 2 2 2 1

 構成比 na 7.1% 10.0% 6.9% 3.2%

不動産マネジメント事業 77 188 275 642 882

前年比 - 144.9% 46.5% 133.2% 37.3%

構成比 5.7% 8.4% 7.4% 9.2% 7.5%

管理受託件数(件) 20 31 36 40 48

前年比 - 55.0% 16.1% 11.1% 20.0%

<地域別>

関東圏 na 14 15 17 20

 構成比 na 50.0% 75.0% 58.6% 64.5%

北海道圏 na 9 12 14 18

 構成比 na 32.1% 60.0% 48.3% 58.1%

九州圏 na 8 9 9 10

 構成比 na - 45.0% 31.0% 32.3%

調整額 - - - - -94

連結営業利益 85 218 378 800 1,175 2,264

前年比 - 157.0% 73.8% 111.5% 46.9% 92.7%

不動産投資開発事業 120 311 465 840 989

前年比 - 157.9% 49.6% 80.8% 17.8%

構成比 61.8% 75.0% 73.5% 71.1% 55.2%

利益率 11.3% 16.4% 14.4% 13.7% 9.9%

不動産コンサルティング事業 71 58 79 58 346

前年比 - -18.9% 36.8% -26.5% 496.9%

構成比 36.5% 13.9% 12.5% 4.9% 19.3%

利益率 37.0% 39.5% 40.0% 33.8% 40.1%

不動産マネジメント事業 3 46 89 284 458

前年比 - 1319.8% 94.0% 219.9% 61.6%

構成比 1.7% 11.0% 14.0% 24.0% 25.6%

利益率 4.2% 24.3% 32.2% 44.2% 52.0%

(7)

出所:会社データを基にSR社作成

出所:会社データを基にSR社作成

*表の数値が会社資料とは異なる場合があるが、四捨五入により生じる相違であることに留意

前年比 - 81.8% -10.0% 5.6% 21.1%

<物件種類別>

住宅系不動産 na na na 9 8

 構成比 na na na 47.4% 34.8%

事務所・店舗ビル na na na 4 5

 構成比 na na na 21.1% 21.7%

開発用地 na na na 4 10

 構成比 na na na 21.1% 43.5%

その他 na na na 2

- 構成比 na na na 10.5%

-<地域別>

関東圏 na na na 11 13

 構成比 na na na 57.9% 56.5%

北海道圏 na na na 5 1

 構成比 na na na 26.3% 4.3%

九州圏 na na na 1 6

 構成比 na na na 5.3% 26.1%

関西圏 na na na 2 3

 構成比 na na na 10.5% 13.0%

FY12/12 FY12/13 FY12/14 FY12/15 FY12/16

(百万円) 非連結 非連結 非連結 連結 連結

販売用棚卸資産(期末) 577 1,691 3,403 6,070 11,393

前年比 - 193.1% 101.3% 78.3% 87.7%

件数(件) na 16 12 18 25

前年比 - - -25.0% 50.0% 38.9%

<用途別>

土地(開発用地を含む) na na 3 6 12

前年比 na na - 100.0% 100.0%

構成比 na na 25.0% 33.3% 48.0%

事務所・店舗 na na 2 2 3

前年比 na na - 0.0% 50.0%

構成比 na na 16.7% 11.1% 12.0%

住宅系 na na 6 8 8

前年比 na na - 33.3% 0.0%

構成比 na na 50.0% 44.4% 32.0%

ホテル・宿泊関連 na na 1 1 1

前年比 na na - 0.0% 0.0%

構成比 na na 8.3% 5.6% 4.0%

介護施設 na na - 1 1

前年比 na na - - 0.0%

構成比 na na - 5.6% 4.0%

<地域別> na na

関東圏 na na 7 10 14

前年比 na na - 42.9% 40.0%

構成比 na na 58.3% 55.6% 56.0%

北海道圏 na na 4 6 3

前年比 na na - 50.0% -50.0%

構成比 na na 33.3% 33.3% 12.0%

九州圏 na na 1 1 6

前年比 na na - 0.0% 500.0%

構成比 na na 8.3% 5.6% 24.0%

関西圏 na na - 1 2

前年比 na na - - 100.0%

構成比 na na - 5.6% 8.0%

1件当たり棚卸資産 na 106 284 337 456

(8)

概略

2018年2月2日、株式会社ビーロットは、同社株式の上場市場が東京証券取引所第1部市場へ、東京証券取引所マザーズ市

場から変更されたことを発表した。

(リリース分へのリンクはこちら)

2018年1月23日、同社は株式の立会外分売の実施について発表した。

(リリース文へのリンクはこちら)

▷分売予定株式数: 123,000 株

▷分売予定期間: 2018年1月24日

▷分売値段: 2,610円(算定基準日2018年1月23日:終値2,683円、ディスカウント率2.72%)

2018年1月19日、同社は株式の立会外分売について発表した。

(リリース文へのリンクはこちら)

▷分売予定株式数: 123,000 株

▷分売予定期間: 2018年1月24日~2018年1月31日

▷分売価格: 実施日前日の終値もしくは最終気配値を基準として決定する

▷買付申込数量の限度: 買付顧客1人につき100 株(売買単位:100 株)

▷実施取引所 : 東京証券取引所

▷実施の目的 : 同社は同社株式の東京証券取引所市場第一部への市場変更申請を既に行っており、当該立

会外分売により、形式基準の充足を図るとともに、同社株式の分布状況の改善および流動 性の向上を図ることを目的とする。ただし、何らかの事情により市場第一部への市場変更 の基準を満たさないと判断された場合には、市場変更が承認されない可能性がある。

(9)

四半期実績推移

出所:会社データを基にSR社作成

*表の数値が会社資料とは異なる場合があるが、四捨五入により生じる相違であることに留意。

四半期業績推移(累計)

(百万円) 1Q 1-2Q 1-3Q 1-4Q 1Q 1-2Q 1-3Q 1-4Q 1Q 1-2Q 1-3Q 1-4Q (進捗率) 通期会予

売上高 2,858 3,235 4,305 6,951 684 4,192 5,973 11,627 2,021 5,270 6,263 48.2% 13,000

YoY - - - - -76.1% 29.6% 38.8% 67.3% 195.6% 25.7% 4.8% 11.8%

売上総利益 554 705 1,075 1,556 384 913 1,563 2,621 715 1,670 2,191

YoY - - - - -30.8% 29.5% 45.4% 68.4% 86.4% 83.0% 40.2%

売上総利益率 19.4% 21.8% 25.0% 22.4% 56.1% 21.8% 26.2% 22.5% 35.4% 31.7% 35.0%

販管費 187 373 562 756 196 399 895 1,446 556 1,050 1,541

YoY - - - - 4.8% 7.2% 59.1% 91.2% 183.0% 162.9% 72.3%

売上高販管費比率 6.6% 11.5% 13.1% 10.9% 28.7% 9.5% 15.0% 12.4% 27.5% 19.9% 24.6%

営業利益 367 332 512 800 187 513 668 1,175 160 620 649 28.7% 2,264

YoY - - - - -49.0% 54.4% 30.5% 46.9% -14.8% 20.7% -2.8% 92.7%

営業利益率 12.8% 10.3% 11.9% 11.5% 27.4% 12.2% 11.2% 10.1% 7.9% 11.8% 10.4% 17.4%

経常利益 340 273 405 655 133 393 493 874 77 441 372 19.6% 1,896

YoY - - - - -61.0% 44.1% 21.7% 33.4% -42.0% 12.3% -24.6% 116.8%

経常利益率 11.9% 8.4% 9.4% 9.4% 19.4% 9.4% 8.3% 7.5% 3.8% 8.4% 5.9% 14.6%

四半期純利益 218 173 252 401 81 273 323 588 63 304 263 22.4% 1,172

YoY - - - - -62.8% 57.8% 27.8% 46.9% -22.9% 11.4% -18.5% 99.2%

四半期純利益率 7.6% 5.3% 5.9% 5.8% 11.9% 6.5% 5.4% 5.1% 3.1% 5.8% 4.2% 9.0%

四半期業績推移(3ヵ月)

(百万円) 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q

売上高 2,858 376 1,070 2,646 684 3,508 1,781 5,654 2,021 3,249 993 YoY - - - - -76.1% 832.3% 66.4% 113.7% 195.6% -7.4% -44.3%

売上総利益 554 150 370 482 384 529 650 1,058 715 955 521

YoY - - - - -30.8% 251.4% 75.9% 119.6% 86.4% 80.5% -19.9% 売上総利益率 19.4% 40.0% 34.5% 18.2% 56.1% 15.1% 36.5% 18.7% 35.4% 29.4% 52.5%

販管費 187 185 190 194 196 203 495 551 556 495 491

YoY - - - - 4.8% 9.5% 161.1% 184.5% 183.0% 143.5% -0.8% 売上高販管費比率 6.6% 49.3% 17.7% 7.3% 28.7% 5.8% 27.8% 9.7% 27.5% 15.2% 49.5%

営業利益 367 -35 180 288 187 326 155 507 160 460 30

YoY - - - - -49.0% - -13.9% 76.0% -14.8% 41.2% -80.8%

営業利益率 12.8% - 16.8% 10.9% 27.4% 9.3% 8.7% 9.0% 7.9% 14.2% 3.0%

経常利益 340 -67 133 250 133 260 101 381 77 364 -69

YoY - - - - -61.0% - -24.3% 52.4% -42.0% 40.0%

-経常利益率 11.9% - 12.4% 9.4% 19.4% 7.4% 5.6% 6.7% 3.8% 11.2%

-四半期純利益 218 -45 79 148 81 192 50 266 63 241 -41

YoY - - - - -62.8% - -37.4% 79.3% -22.9% 25.9%

-四半期純利益率 7.6% - 7.4% 5.6% 11.9% 5.5% 2.8% 4.7% 3.1% 7.4%

-17年12月期 17年12月期

15年12月期 16年12月期 17年12月期

(10)

出所:会社データを基にSR社作成

*表の数値が会社資料とは異なる場合があるが、四捨五入により生じる相違であることに留意。

2017年12月期第3四半期累計実績(2017年11月13日発表)

決算概要

2017年12月期第3四半期累計連結実績は、売上高6,263百万円(前年同期比4.8%増)、営業利益649百万円(同2.8%減)、 経常利益372百万円(同24.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益263百万円(同18.5%減)となった。2017年12 月期同社計画(2017年11月28日に修正される前の期初予想)に対する進捗率は、売上高38.8%(2016年12月期実績に対 する第3四半期実績進捗率51.4%)、営業利益43.5%(同56.9%)、経常利益31.7%(同56.4%)、親会社株主に帰属する 四半期純利益33.7%(同54.8%)となった。販売用不動産棚卸高(含む仕掛)は13,392百万円(当期首比1,993百万円増) となった。同社は東京都新宿区のホテル(一部店舗)を始めとして第4四半期に大型案件の売却を計画している。

売上高

前年同期比4.8%増収となった。不動産投資開発事業が同3.8%減収、不動産コンサルティング事業が同90.3%増収、不動 産マネジメント事業が同0.6%減収となり、不動産コンサルティング事業が増収を牽引した。

前年比 - - - - -76.1% 29.6% 38.8% 67.3% 195.6% 25.7% 4.8% 11.8%

不動産投資開発事業 2,739 2,955 3,746 6,137 330 3,578 4,835 9,977 1,449 4,175 4,652 前年比 - - - - -88.0% 21.1% 29.1% 62.6% 339.1% 16.7% -3.8% 構成比 95.8% 91.4% 87.0% 88.3% 48.3% 85.4% 80.9% 85.8% 71.7% 79.2% 74.3%

不動産コンサルティング事業 20 50 121 171 139 159 482 768 374 641 958

前年比 - - - - 611.6% 219.4% 298.5% 348.1% 168.3% 302.2% 98.7% 構成比 0.7% 1.5% 2.8% 2.5% 20.4% 3.8% 8.1% 6.6% 18.5% 12.2% 15.3%

不動産マネジメント事業 100 229 438 642 214 455 656 882 198 455 652

前年比 - - - - 115.4% 98.1% 49.9% 37.3% -7.6% 0.1% -0.6%

構成比 3.5% 7.1% 10.2% 9.2% 31.3% 10.8% 11.0% 7.6% 9.8% 8.6% 10.4%

連結営業利益 367 332 512 800 187 513 668 1,175 160 620 649 28.7% 2,264

前年比 - - - - -49.0% 54.4% 30.5% 46.9% -14.8% 20.7% -2.8% 92.7%

不動産投資開発事業 428 426 536 840 64 340 485 989 132 614 603

前年比 - - - - -85.1% -20.1% -9.5% 17.8% 107.2% 80.3% 24.4% 構成比 90.1% 79.2% 66.4% 71.1% 22.6% 47.8% 46.2% 55.2% 32.9% 58.2% 47.9% 利益率 15.6% 14.4% 14.3% 13.7% 19.3% 9.5% 10.0% 9.9% 9.1% 14.7% 13.0%

不動産コンサルティング事業 0 3 44 58 103 125 221 346 172 222 320

前年比 - - - 4489.7% 407.4% 496.9% 67.3% 78.4% 44.9%

構成比 0.0% 0.5% 5.4% 4.9% 36.7% 17.5% 21.0% 19.3% 43.1% 21.1% 25.4% 利益率 0.4% 5.4% 36.0% 33.8% 74.0% 78.2% 45.8% 45.1% 46.1% 34.7% 33.4%

不動産マネジメント事業 47 109 227 284 114 246 344 458 96 218 337

前年比 - - - - 143.7% 125.8% 51.5% 61.6% -15.8% -11.5% -2.2% 構成比 9.9% 20.3% 28.2% 24.0% 40.7% 34.6% 32.8% 25.6% 24.0% 20.7% 26.7% 利益率 47.1% 47.6% 51.9% 44.2% 53.3% 54.2% 52.4% 52.0% 48.6% 47.9% 51.6% 調整額 -108 -206 -294 -381 -94 -199 -382 -619 -241 -435 -610 セグメント別 四半期実績(3ヵ月)

(百万円) 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q

連結売上高 2,858 376 1,070 2,646 684 3,508 1,781 5,654 2,021 3,249 993

前年比 - - - - -76.1% 832.3% 66.4% 113.7% 195.6% -7.4% -44.3%

不動産投資開発事業 2,739 216 791 2,391 330 3,248 1,257 5,143 1,449 2,725 478

前年比 - - - - -88.0% 1403.5% 58.9% 115.1% 339.1% -16.1% -62.0% 構成比 95.8% 57.4% 73.9% 90.4% 48.3% 92.6% 70.5% 91.0% 71.7% 83.9% 48.1%

不動産コンサルティング事業 20 30 71 50 139 20 323 286 374 267 317

前年比 - - - - 611.6% -33.9% 354.1% 467.3% 168.3% 1233.3% -1.7% 構成比 0.7% 8.1% 6.6% 1.9% 20.4% 0.6% 18.1% 5.1% 18.5% 8.2% 32.0%

不動産マネジメント事業 100 130 209 204 214 240 202 225 198 257 197

前年比 - - - - 115.4% 84.9% -3.2% 10.4% -7.6% 6.9% -2.2%

構成比 3.5% 34.5% 19.5% 7.7% 31.3% 6.8% 11.3% 4.0% 9.8% 7.9% 19.9%

連結営業利益 367 -35 180 288 187 326 155 507 160 460 30

前年比 - - - - -49.0% - -13.9% 76.0% -14.8% 41.2% -80.8%

利益率 12.8% -9.3% 16.8% 10.9% 27.4% 9.3% 8.7% 9.0% 7.9% 14.2% 3.0%

不動産投資開発事業 428 -2 109 304 64 277 144 505 132 482 -11

前年比 - - - - -85.1% - 31.9% 65.8% 107.2% 74.1%

-構成比 90.1% -3.5% 40.8% 81.1% 22.6% 64.3% 42.7% 67.8% 32.9% 73.7% -5.3% 利益率 15.6% -1.0% 13.8% 12.7% 19.3% 8.5% 11.5% 9.8% 9.1% 17.7% -2.3%

不動産コンサルティング事業 0 3 41 14 103 22 96 125 172 50 97

前年比 - - - 718.1% 135.5% 766.4% 67.3% 131.4% 1.3%

構成比 0.0% 4.2% 15.2% 3.9% 36.7% 5.0% 28.4% 16.8% 43.1% 7.6% 47.5% 利益率 0.4% 8.7% 57.4% 28.7% 74.0% 107.8% 29.7% 43.8% 46.1% 18.7% 30.7%

不動産マネジメント事業 47 62 118 56 114 132 98 114 96 122 119

前年比 - - - - 143.7% 112.4% -17.2% 102.2% -15.8% -7.9% 21.4% 構成比 9.9% 99.3% 44.0% 15.1% 40.7% 30.7% 28.9% 15.4% 24.0% 18.6% 57.8% 利益率 47.1% 47.9% 56.6% 27.7% 53.3% 55.0% 48.4% 50.7% 48.6% 47.4% 60.0% 調整額 -108 -98 -88 -87 -94 -105 -183 -237 -241 -194 -175

(11)

出所:会社データを基にSR社作成

利益

前年同期比2.8%減益となった。不動産投資開発事業の営業利益は前年同期比24.4%増、不動産コンサルティング事業の 営業利益は同44.9%増となるも、不動産マネジメント事業の営業利益が同2.2%減となった。不動産マネジメント事業が 前年同期比セグメント減益となったのは、株式会社ヴィエント・クリエーションを当上半期より連結の範囲に含め、カプ セルホテル改装プランの変更を伴う営業休止関連費用の発生が要因。尚、連結調整額(各報告セグメントに配布しない全 社費用)も増加している。

四半期営業利益(単位:百万円)と同前年同期比の推移

出所:会社データを基にSR社作成

セグメント別

不動産投資開発事業

同セグメントの売上高は4,652百万円(前年同期比3.8%減)、13件の売却を行った(前年同期は9件)。その内訳は、物 件種類別では住宅系不動産8件(前年同期5件)、事務所・店舗ビル2件(同2件)、土地2件(同2件)、ホテルコンドミ ニアム1区画(同0件)となった。一方、取得した物件数は13件(同13件)となり、物件種類別では住宅系不動産6件(同 4件)、事務所・店舗ビル2件(同4件)、土地(開発用地を含む)5件(同5件)となった。地域別では、関東圏6件(同9 件)、北海道圏2件(同0件)、関西圏1件(同2件)、九州圏4件(同2件)となった。

当第3四半期末における在庫数は26件(前年同期末22件)となった。その在庫の商品化は順調に進捗し、2017年3月の「ナ インアワーズ北新宿」に続き、同年9月には「IMANO TOKYO GINZA HOSTEL」、同年10月には「IMANO KYOTO KIYOMIZU HOSTEL」もオープンした。2017年12月期(第3四半期末)において、ホテル竣工は3棟となった。

尚、上記物件数には株式会社ライフステージの戸建用地などを含まない。

セグメント利益は603百万円(前年同期比24.4%増)となった。

2,739 216 791 2,391 330 3,248 1,257 5,143 1,449 2,725 478 20 30 71 50 139 20 323 286 374 267 317 100 130 209 204 214 240 202 225 198 257 197 2,858 376 1,070 2,646 684 3,508 1,781 5,654 2,021 3,249 993 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000

1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 15年12月期 16年12月期 17年12月期

不動産投資開発事業 不動産コンサルティング事業 不動産マネジメント事業

428 -2 109 304 64 277 144 505 132 482 -11 0 3 41 14 103 22 96 125 172 50 97 47 62 118 56 114 132 98 114 96 122 119

(108) (98) (88) (87) (94) (105) (183) (237) (241) (194) (175) 12.8%

-9.3%

16.8%

10.9%

27.4%

9.3% 8.7% 9.0% 7.9% 14.2% 3.0% -10.0% -5.0% 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0% 40.0% -200 -100 0 100 200 300 400 500 600 700 800

1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 15年12月期 16年12月期 17年12月期

(12)

同セグメントの売上高は985百万円(前年同期比90.3%増)となった。日本全国主要都市を中心に受託件数を積み重ね、 成約件数は21件(前年同期20件)となった。成約21件の内訳は関東圏13件(同14件)、北海道圏4件(同4件)、関西圏 3件(同0件)、九州圏1件(同2件)であった。シンガポール現地法人や株式会社ライフステージとの連携による取引も 増えており、同社グループのシナジー効果が業績に寄与している。セグメント利益は320百万円(同44.9%増)となった。

不動産マネジメント事業

同セグメントの売上高は652百万円(前年同期比0.6%減)となった。クライアントの所有不動産の管理運営受託件数が58 件(前年同期46件)に増加した。管理運営受託の地域の内訳は、関東圏25件、北海道圏23件、九州圏10件であった。セ グメント利益は337百万円(同2.2%減)となった。管理運営受託件数が増加したものの、保有不動産の賃料収入減少や株 式会社ヴィエント・クリエーションのカプセルホテル改装に伴う営業休止関連費用の発生などにより、前年同期比減収・ 減益となった。

(13)

出所:会社データを基にSR社作成

*表の数値が会社資料とは異なる場合があるが、四捨五入により生じる相違であることに留意

2017年12月期会社予想

概要

2017年12月期同社予想は、売上高13,000百万円(前期比11.8%増)、営業利益2,264百万円(同92.7%増)、経常利益1,896 百万円(同116.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,172百万円(同99.2%増)である。2017年11月28日に、同 社は2017年12月期の期初予想を変更した。

2017年12月期会社予想の変更

▷売上高: 13,000百万円(期初予想16,154百万円)

▷営業利益: 2,264百万円(同1,492百万円)

▷経常利益: 1,896百万円(同1,175百万円)

▷親会社株主に帰属する当期純利益: 1,172百万円(同781百万円)

<売上高の下方修正>

東京都新宿区のホテル(一部店舗)の売却を始めとして、第4四半期の販売用不動産の売却において、期初計画以上の売 上総利益を確保できる見込みとなったことを受けて、当初2017年12月期に見込んでいた売却の一部を2018年12月期に先 送りするため。当初2017年12月期中に売却を予定していた複数件の販売用不動産の売却については来期に先送りし、来 期の収益確保を優先する。

<利益の上方修正>

東京都新宿区のホテル(一部店舗)の売却を始めとして、第4四半期の販売用不動産の売却において、期初計画以上の売 上総利益を確保できる見込みとなったため。

<固定資産の減損>

同社が保有する固定資産について減損の兆候が認められたことから、当該固定資産に係る回収可能性を検討した結果、「固

定資産の減損に係る会計基準」に基づき、新たに減損損失を特別損失として208百万円計上する見通し。それを考慮して も、親会社株主に帰属する当期純利益は期初予想から上方修正となっている。

(百万円) 上期 下期 通期 上期実績 下期会予 通期会予 売上高 4,192 7,435 11,627 5,270 7,730 13,000

YoY 29.6% 100.1% 67.3% 25.7% 4.0% 11.8%

売上総利益 913 1,708 2,621 1,670

YoY 29.5% 100.7% 68.4% 83.0%

売上総利益率 21.8% 23.0% 22.5% 31.7%

販売費及び一般管理費 399 1,046 1,446 1,050

YoY 7.2% 172.9% 91.2% 162.9%

営業利益 513 662 1,175 620 1,644 2,264

YoY 54.4% 41.5% 46.9% 20.7% 148.5% 92.7%

営業利益率 12.2% 8.9% 10.1% 11.8% 21.3% 17.4%

経常利益 393 482 874 441 1,455 1,896

YoY 44.1% 25.8% 33.4% 12.3% 202.1% 116.8%

経常利益率 9.4% 6.5% 7.5% 8.4% 18.8% 14.6%

当期純利益 273 316 588 304 868 1,172

YoY 57.8% 38.6% 46.9% 11.4% 175.1% 99.2%

(14)

概要

同社は現在のところ、中期経営計画を公表していない。経済環境の変化に対して、より柔軟な経営を行うために、計画数 値は必要以上には公表しないスタンスである。同社が最重要視するKPIは当期純利益であり、同社はマザーズ市場におい て成長企業として認められるためには年率20%程度の利益成長が必要であると考えている。国内の主要政令都市への営 業地域拡大や取扱いアセットの多様化、シンガポール現地法人との連携をはじめとする中期的な海外拠点の拡大を狙って いる。近年は、従前行っている子会社設立に加え、同社と営業地域やビジネス手法が異なる株式会社ライフステージ、カ プセルホテル保有会社である株式会社ヴィエント・クリエーションなどのM&Aを行い、今後のM&Aについても積極的に 行うとしている。同社宮内誠社長は、中期的なセグメント別の利益構成として、不動産投資開発事業50%:不動産コン サルティング事業25%:不動産マネジメント事業25%を理想としてイメージしているとのこと。成長ドライバーたる不 動産投資開発事業の利益と、安定収益源たる不動産コンサルティング事業と不動産マネジメント事業の利益合計がバラン スする構図となる。

不動産市場についての同社の見方

同社は、不動産市場について、油断はできないものの、不動産市場への順調な資金流入を背景に、現在の状況がしばらく 続くと見ている。銀行は財務体質が健全化し、主要貸出先を絞る傾向にあり、大きな資金需要はM&A資金や不動産購入 に限られているのが現状である。不動産に対するエクイティの引受先も豊富であり、REIT、国内外の機関投資家、相続 税法改正に伴う相続対応の個人、海外の富裕層などが、積極的に日本の不動産を取得している。

資金余剰だけでなく、日本の不動産市場には日本の低金利という特異さもある。イールド・スプレッドが世界で類を見な い大きさとなるが、金利上昇の兆しはない。

人口減少に伴い、国内の不動産市場は徐々に縮小が見込まれるものの、それでも規模が大きく、世界に分散投資している 資金の一部が流れ込んでくる。オルタナティブ投資ではあるが安定しており、投資額が倍にはならないが半分にもならな い結果、資金が流入してくる状況が不動産市場を支えている。各種指標はピーク感がありサイクル的にはそろそろ頭打ち という見方は正しいが、実際にはまだピークアウトしていない。リーマンショック後に儲けた経験を持ち、市況の暴落を 待ち焦がれる投資家も大勢いる。市況が下がった時に、再度そのような資金が流入する。

※上記に関する主要指標は、「市場とバリューチェーン」の章を参照

市況悪化時にも潰れない企業

(15)

同社の財務政策

同社は高いレバレッジにより、成長を図っている(2016年12月期ネットD/Eレシオ3.73倍:売上高規模の近い競合23社同 平均1.45倍)。同社の流動資産の大半は販売用不動産であり、一方、負債は長期借入金・社債などの固定負債である。同 社は、この状態を、同社の不動産再生における成功実績のみならず、その再現性を金融機関が高く評価していることを意 味すると捉えている。一方、金融機関はマクロ経済や国内不動産市況の変化に敏感であるとも認識しているという。同社 では、仮に市況が悪化した場合を想定し、販売用不動産に対する借入計画は、なるべく長期で行っており、万が一の場合 は販売用不動産を持ち続けるとのことである。また、手元のキャッシュについても、相当期間は対応できるように資金繰 りを計画している。市況悪化時に長期借入金の期限前返済さえ求められなければ、売上高・利益は大きく下落しても、潰 れることはないと同社は考えている。積極的な財務政策を採用してはいるが、バブル崩壊やリーマンショック時の市況悪 化の経験を踏まえ、慎重なスタンスでいるとのことである。

重点施策

同社は現在、以下の6つを重点施策としている。

グループ内シナジーの創出:竣工を迎える宿泊施設の商品ラインナップを、海外富裕層への投資コーディネートなど

に繋げて、グループ全体でのシナジーを収益化する

社外ネットワーク連携の拡充:効率的かつ円滑なエリア展開や新規ビジネスモデル構築のために、有望企業との業務

提携などを行い、そうしたパートナー企業との連携強化に取り組む

健全な財務基盤の構築:ベンチャー企業として積極的に事業展開を図りつつも、健全な財務基盤の構築に取り組む

ダイバシティマネジメントの実施:IT人材、外国人など、多種多様な人材を受け入れるとともに、個々のパフォーマ

ンスを最大限発揮させるためのマネジメントを実施する

組織的成長のための体制確立:コーポレートガバナンス体制や内部統制システムの健全な運用を行うと同時に、迅速

かつ的確な経営判断を行うための組織体制の確立を図る

ホテルの開発

同社は、デザイン性の高いホステル、カプセルホテル、バジェットホテル(レストランや宴会場を有しないホテル)など のホテル開発に注力している。同社によれば、注力している背景には、同社の判断と、市場ニーズの双方があるとのこと。

インバウンドのトレンド到来に先駆けて、2015年にオープンした簡易宿泊所「ファーストキャビン築地」(中央区・築 地:築地駅から徒歩1分)とホステル「IMANO TOKYO SHINJUKU HOSTEL」(東京・新宿区:新宿駅、新宿三丁目駅徒 歩4分)の2つの不動産再生案件が皮切り。2016年12月には、ホテルコンドミニアム*「the kamui niseko」(北海道・ニ セコ)が竣工した。2017年3月には、都内では、ホテル開発案件として第1号となるカプセルホテル「ナインアワーズ北 新宿」が竣工した。同社は、同カプセルホテルの3~8階の運営委託契約を株式会社ナインアワーズとの間で締結した。 2017年3月22日のオープン初日から7月31日までの期間において、206カプセルの宿泊平均稼働率は83.5%超を記録し、延 べ宿泊来場者数は17,000人を突破した。2017年9月1日には、ABアコモ株式会社との協業によるIMANOシリーズ第2弾 「IMANO TOKYO GINZA HOSTEL」(東京・銀座エリア)、2017年10月にはIMANOシリーズ第3弾「IMANO KYOTO

KIYOMIZU HOSTEL」(京都・東山エリア)もオープンした。

*オーナーが購入した部屋を、オーナーが使わないときはホテルとして一般客に貸し出し、その宿泊料をオーナーと不動産管理会社でシェアする形態 をとる

(16)

竣工したホテルの運営は、基本的にオペレーション会社に外部委託し、一定期間を経て安定稼働に入った段階でトラック レコードを基に販売を行う。子会社であるビーロット・アセットマネジメント株式会社では、アジア投資家等の購入ニー ズに対応し、ファンドスキームをアレンジし、その後はそのファンドからAM業務を受託する。グループとして、売り切 りではなく、販売後もAM(アセットマネジメント)や、PM(プロパティマネジメント)でアフターフォローを行い長期 継続的な関与を行うスタンスである。グループ全体でのサポート体制を強みに、ホテル売却実績が3件ある。

ホテルの再生・開発案件(実績および現在開発中)

出所:同社資料を基にSR社作成

株式会社ヴィエント・クリエーションのM&A

同社は、2017年1月31日、山手線主要駅から徒歩3分以内に立地するカプセルホテル2棟(渋谷区恵比寿、品川区東五反田) の取得、ホテル会社勤務経験者の人材確保を目的に、カプセルホテルの所有・運営を行う株式会社ヴィエント・クリエー ションを取得価格588百万円でM&A、子会社化した(後段のグループ会社の段に詳述)。2ヵ所のカプセルホテルは大規 模リニューアルを実施し、「ドシー(℃)」というブランドでサウナを付帯したカプセルホテルとして不動産再生を企画 しており、1号店の「ドシー恵比寿」は2017年12月16日に開業、2号店の「ドシー五反田」も2018年春の新規オープンに 向けて進捗中である。

新規事業分野への進出

同社は、現在手掛けている宿泊施設や介護施設のほか、倉庫・物流施設あるいは民泊対応マンションなど新しい分野の不 動産も商品化したいとしている。同社は従来から他社よりも早く市場のニーズに対応した独自性の高い再生・開発案件を 手掛けることに特徴がある。例えば、オフィスをホテルに再生する案件や、チャイルドケアセンターなどを誘致する再生 手法は現在でこそ他社も行うが、同社は他社に先駆けて行いそのビジネスを複数拠点でスピード展開した。

同様に、新規分野を開拓していきたいとしている。

インバウンド投資のコーディネート

2011年9月、同社は韓国の不動産ファンド運用会社であるJRAMC(ソウル市)と業務提携契約を締結した。JRAMCは韓 国で複数の私募REITを組成しておりオフィスや商業施設に投資しており、当時の運用資産総額は約1兆4,500億ウォン(約 940億円)であった。日本市場への参入を決めた際、投資先の選別などの委託アドバイザリーとして同社を選定した。2015 年7月からは、アセットマネジメント子会社との契約に変更しており、案件毎にグループ内でアドバイザリーフィーを受 領する。

種類 案件 従来(購入時) バリューアップ後

再生 ファーストキャビン築地 オフィスビル 宿泊施設(ホステル)

再生 IMANO TOKYO HOSTEL オフィスビル 宿泊施設(ホステル)

再生 ドシー恵比寿 店舗・簡易宿所 宿泊施設(大規模改修・リブランド)

再生 ドシー五反田 簡易宿所 宿泊施設(大規模改修・リブランド)

種類 案件 特徴

開発 ナインアワーズ北新宿 同社のホテル新規開発案件第1号(カプセルホテル)

・206カプセルの平均稼働率:83.5%超 ・延べ宿泊者17000人突破

開発 the kamui niseko 同社分譲型コンドミニアム第1号

開発 IMANO TOKYO GINZA 人気の銀座エリアに立地するホステル

開発 IMANO KYOTO KIYOMIZU 京都観光名所から徒歩圏内のホステル

開発 ティサージホテル那覇 by Nest 沖縄で初となる販売用不動産

開発 ホテル・トリフィート小樽運河 小樽エリアの100室超の宿泊特化型ホテル

(17)

事業の多様化を図る中で、海外との連携を深めていく。海外からの投資家を日本に招き入れると同時に、海外市場におい ても不動産投資、再生、開発、出資など、いずれかの方法で参画していきたいとのこと。現地法人を設立したシンガポー ルを拠点として、東南アジア各国に投資を行うような手法が想定されるとのことである。英語を母国語とする投資家は既 に顧客となっているが、中国語圏の投資家もターゲットとするために台湾人スタッフを採用した。

M&A

2016年4月には主としてファミリー層向け実需新築分譲マンションの販売代理業務を手掛ける株式会社ライフステージ を取得価格880百万円でM&A、子会社化した。更に、2017年1月には、カプセルホテルの運営を行う株式会社ヴィエント・ クリエーションを取得価格588百万円でM&A、子会社化した。同社では、今後もM&Aを前向きに検討していくとしており、 同社の基本戦略である「優秀な人材の採用」「事業多角化」にM&Aを積極的に活用し、各事業間のシナジーを拡大させ ながら、グループとしてワンストップサービスの拡充を図る。

ミサワホームと共同で出資する投資ファンド

2016年9月には、ミサワホーム株式会社と同社で共同出資したファンド(物件規模:約1,000百万円、投資割合:ミサワ ホーム89.8%、同社10.2%)の運用を開始している。同社の子会社ビーロット・アセットマネジメント株式会社が大阪市 内の築浅賃貸マンション2棟を裏付けとする不動産ファンドを組成。2017年3月には、大阪市内の新築賃貸マンション(ラ グゼ天王寺)を投資対象として、追加取得している。運用成績に対する配当収入(出資金に対するリターン)のほか、ア セットマネジメントフィーなどの収入が得られる。

パートナー投資家と共にファンドの仕組みを作って投資する同様の仕組みを他にも立ち上げて、将来10,000百万円規模の 案件にも対応していきたい、とのことである。

東証1部上場への市場変更申請

(18)

会社概要

概要

同社は不動産投資開発事業、不動産コンサルティング事業、不動産マネジメント事業の3つを主要事業とする中堅不動産 会社である。主軸となる不動産投資開発事業においてはリスクを取りながら成長ドライバーとして利益を追及する。一方、 不動産コンサルティング事業と不動産マネジメント事業は安定収益事業である。100百万円~3,000百万円の案件を中心 に取り扱い、不動産の用途は問わない。取り合う不動産は大都市を基本とするが、全国を対象とする。本社が取り扱う関 東圏のほか、支社を設置している北海道圏、九州圏、関西圏をはじめ全国の政令指定都市などの大都市圏において実績が ある。顧客は個人富裕層、その資産管理会社、一般事業法人、不動産会社、ファンドなど。

2016年12月期における各事業の売上高(利益)の構成比は、不動産投資開発事業が85.1%(55.2%)、不動産コサルティ ング事業が7.4%(19.3%)、不動産マネジメント事業が7.5%(25.6%)であった。営業利益率は、不動産投資開発事業 9.9%、不動産コンサルティング事業40.1%、不動産マネジメント事業52.0%。不動産投資開発事業において、取扱物件の 種類および地域において分散が図られている。具体的には、物件種類別売却件数(構成比)は、住宅系不動産8件(50%)、 事務所・店舗ビル5件(31%)、戸建用地2件(13%)、ホテル1件(6%)、地域別売却件数は関東圏9件(56%)、北海 道圏4件(25%)、九州圏1件(6%)、関西圏2件(13%)であった。不動産投資開発事業における売却物件1件当たりの 平均金額は624百万円であった。1物件当たりの売却金額が2012年12月期の76百万円から大きく拡大している。また、不 動産コンサルティング事業では、年間30件程度の仲介を行うほか、2016年12月期には当会計期間から連結子会社となっ た株式会社ライフステージの販売契約件数440件も加わった。更に、不動産マネジメント事業では、管理受託件数が2012 年12月期の20件から2016年12月期には48件に増加している。

セグメント別売上高と営業利益(2016年12月期:調整額を除いたベース)

出所:会社データを基にSR社作成

売上高、営業利益、経常利益(以上、単位百万円)、営業利益率の推移

出所:会社社データよりSR社作成

989 55% 346

19% 458 26%

9,977 85% 862

7% 882 8%

不動産投資開発事業 不動産コンサルティング事業 不動産マネジメント事業(外円:売上高、内円:営業利益)

F12/16

売上高

11,627

百万円

457 494 1,338

2,231

3,709

6,951

11,627

13,000

85 218 378 800 1,175

2,264

23 6 78 183 295 655 874 1,896

6.3%

9.8% 10.2%

11.5%

10.1%

17.4%

0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14% 16% 18% 20%

0 5,000 10,000 15,000 20,000

FY12/10 FY12/11 FY12/12 FY12/13 FY12/14 FY12/15 FY12/16 FY12/17会予

(19)

事業活動を通じて蓄積された不動産投資および不動産管理のノウハウを基に、各事業が企業目的に沿った一貫性のあるビ ジネスを行う。具体的には、一つのプロジェクトに対してそれぞれの部門が有する専門ノウハウを活用してアイディアを 出し合い、その不動産の潜在価値を最大化する選択肢を取るなど、各部門間が非常に強い連携体制を敷いている。同社が 取り扱う100百万円~3,000百万円を価格帯とする案件の顧客は個人富裕層やその資産管理会社および一般事業法人が中 心となる比較的ニッチな領域である(2016年12月期1件当たり平均売却金額は624百万円)。但し、物件数ではこれらの 物件の方が圧倒的に多く*、ビジネスチャンスは大きい。同社によれば、大企業が顧客対象となる大型案件と比べて放置 されている物件も多いとのこと。また、大型物件の場合は大企業が顧客であるため顧客の決済プロセスがしっかりしてい るのに対し、同社が対象とするニッチな領域においては顧客の意思決定が突然変更されることも珍しくないという。そう した事態に対応するためには、同社の持つ不動産ノウハウ、役職員の人間性および人脈、対応の迅速性が重要になるとの ことである。

*例えば、東京23区のオフィスを例にとると、中小規模(延床300~5,000坪)と大規模(同5,000坪以上)のオフィスストックは、賃借面積(延床ベー ス)では中小規模46%(5.51百万坪)に対し大規模54%(6.64百万坪)とほぼ半々であるが、棟数ベースでは中小規模91%(7,031棟)に対し大規模 9%(732棟)と圧倒的に中小規模オフィスの方が多い(出所:ザイマックス不動産総合研究所「オフィスピラミッド2016」)。

同社はコントロールセンターのような立ち位置にあり、建設工事、運営・管理など労働集約的な業務のほとんどは外部に 委託する。また、売買についても、1物件につき、取得時と販売時に2度の売買が発生するため、大手から中小まであら ゆる不動産仲介会社とネットワークを構築し連携する必要がある。基本的には、仲介会社ともリピート取引を行う方針で ある。

同社は、一つの不動産を長期に亘って複数顧客に売買し、その間のAM(アセットマネジメント)、PM(プロパティマネ ジメント)・LM(リーシングマネジメント)を同社が受託し、更に、売却した顧客にはまた別の投資案件を紹介すると いった連鎖取引を実現している。リピーター顧客も多い。

不動産投資開発事業を主軸として顧客と長期関係性を構築

出所:同社資料を基にSR社作成

*NOI(Net Operating Income):収入(賃料)から、実際に発生した経費(管理費、固定資産税など)のみを考慮して求める純収益

インバウンド

海外ネットワーク

・最適な売却方法の提案 ・未来NOIで価格算定 ・富裕層の個人顧客

・士業パートナー

・販売協力業者

NOI* 購入

提示額 必要経費

同業他社

現在価値算定 リピート取引

建物開発 最適用途 違法是正 収支改善

不動産

未来価値算定

不動産再生III

不動産再生II

不動産再生I 次世代への不動産再生IV ホテル再生で差別化

PM(プロパティマネジメント)・LM

(20)

同社は、銀行、証券会社および東証一部上場不動産会社の経営陣の経験を経てストラクチャードファイナンスなどの知 見・実務経験を持つ宮内誠(みやうちまこと)現同社代表取締役、同じく東証一部上場不動産会社を創り上げ、役員とし て経営を行った経験のある長谷川進一現取締副社長、望月雅博現取締役副社長の3人によって、リーマンショック直後の 2008年10月に設立された。設立当初は、不動産仲介および賃貸管理を主力としていたが、設立3期目以降には不動産投資 開発事業にも業務を拡大。2011年には、北海道支社を設立し、顧客に対して札幌の不動産への分散投資を提案し東日本 大震災で不動産市況が冷え切った時代もその企画力を強みに黒字決算で乗り越えた。2013年には、同業他社から、人員 と拠点、ビジネスを譲りうける形で福岡支社を設立し、九州エリアで迅速にビジネス展開を行うこととなった。

その後、2014年12月にリーマンショック後に設立された不動産会社としては最短となる設立6年2ヶ月で東証マザーズ市 場に上場。上場による信用力と資金調達力を梃子に主軸となる不動産投資開発事業を成長ドライバーとして、不動産コン サルティング事業と不動産マネジメント事業を安定収益源として成長を図り、今日に至る。

2015年に、アセットマネジメント会社(ビーロット・アセットマネジメント株式会社)とシンガポール現地法人(B-Lot Singapore Pte. Ltd.)を設立。2016年4月には主としてファミリー層向け実需新築分譲マンションの販売代理業務を手掛 ける株式会社ライフステージを取得価格880百万円でM&A、子会社化した。更に、2017年1月には、カプセルホテルの運 営を行う株式会社ヴィエント・クリエーションを取得価格588百万円でM&A、子会社化した(後段のグループ会社の段に 詳述)。設立当初の少数精鋭プロ集団体制から、子会社を含めて146名体制(2017年9月末現在)のグループ集団となっ ている。

(21)

不投資開発事業

不動産再生と不動産開発からなる。前者は、収益性や遵法性などに問題があるなど、何らかの理由により本来有するべき 価値より過小に評価された不動産(主に1棟もの不動産)を取得し、同社の企画開発力や再生ノウハウを駆使して問題点 を是正することにより、資産価値と収益性の向上を図り、不動産投資を行う個人富裕層、その資産管理会社、一般事業法 人、不動産会社、ファンドなどに販売する事業である。後者は、開発用地を自社で取得して、その土地の上に建物を建設 して、同様の顧客に販売する事業である。企画・開発・管理・運営の一環体制を特徴とする。再生・開発から売却までの 期間は平均1年半~2年程度。

収益性に問題のある不動産

収益性に問題のある不動産については、賃料水準・稼働率の向上、最有効活用のための用途変更もしくはテナントの誘致、 適切な設備改修などを行う。あるいは、長期修繕計画の策定や見直しなどを行い、収益性の改善を図る。また、大規模リ ニューアル工事や建て替えによる不動産開発を実施する場合もある。その際には、事前の綿密な市場調査、適正な建築企 画および施工管理を行う。

収益性に問題のある不動産の再生例

出所:同社資料よりSR社作成

遵法性に問題のある不動産

遵法性に問題のある不動産については、是正のための設備投資、関連当事者との権利調整や意見調整、あるいは公的機関 との調整を行う。また、その他にも、所有者に起因する不動産の不良債権化や、諸事情により不動産情報の守秘性の厳守 を求められるなどの問題に対応している。

遵法性に問題のある不動産の再生例

(販売時)

改修前 改修後

稼働率 稼働率

12.8% 100.0%

人気のエリアにありながら、第三者の土地に接道し建築基準法上の未接道となって しまった中古アパートを投資家と共同取得し、再建築可能な状態へと再生する

対象不動産 隣地所有不動産 市道(422項)

(22)

~2016年12月期実績)。再生と新規開発の比率は直近では半々(2017年12月期初販売用棚卸資産在庫25件中、開発用地 が12件)。2017年12月期初販売用棚卸資産25件の内訳は、土地(開発用地を含む)12件(構成比48%)、事務所・店舗 3件(同12%)、住宅系8件(同32%)、ホテル・宿泊関連1件(同4%)、介護施設1件(同4%)と分散が図られている。 また、同25件は、関東圏14件(構成比56%)、北海道圏3件(同12%)、九州圏6件(同24%)、関西圏2件(同8%)と、 地域においても分散が図られている。同社の顧客には複数棟を保有する投資家が多く、特に東京に物件を保有している ケースが多いとのこと。そして、北海道や福岡にもポートフォリオの分散目的で物件を保有し、あるエリアの物件価格が 上昇したら、それを売却して、違うエリアの物件を購入するリピーターも多い。

同社によれば、個人富裕層は築浅を好む傾向にあるが、物件数が少ないため、新築を自社開発した方が効率が良いとのこ と。現在の開発物件は、海外投資家から評価されやすいホステル(ドミトリータイプの宿泊施設)やバジェットホテル(宿 泊専用ホテル:宴会場やレストラン等の施設を付随しない)が中心。開発から売却までのサイクルは規模にもよるものの、 平均すると1年半~2年程度。

同社はB to Bに強く、同社によれば、業者から良い情報が集まりやすいネットワークを保有しているとのこと。常勤取締 役全員と営業のほぼ全員が出席して、毎週開催される投資会議により、投資案件に対する迅速な意思決定を行っている(会 議を待てない緊急案件については、取締役会の規定の範囲で、メールなどの情報共有による意思決定を行う場合もある)。

(23)

出所:会社データを基にSR社作成

*表の数値が会社資料とは異なる場合があるが、四捨五入により生じる相違であることに留意。

不動産投資開発事業の不動産取得(仕入)件数

出所:会社データを基にSR社作成

FY12/12 FY12/13 FY12/14 FY12/15 FY12/16

(百万円) 非連結 非連結 非連結 連結 連結

不動産投資開発事業売上高 1,069 1,897 3,237 6,137 9,977

前年比 - 77.4% 70.6% 89.6% 62.6%

構成比 79.9% 85.0% 87.3% 88.3% 85.1%

売却件数(件) 14 11 22 13 16

前年比 - -21.4% 100.0% -40.9% 23.1%

<物件種類別>

住宅系不動産 na 8 18 7 8

 構成比 na 72.7% 81.8% 53.8% 50.0%

事務所・店舗ビル na 3 4 4 5

 構成比 na 27.3% 18.2% 30.8% 31.3%

戸建用地 na - - 1 2

 構成比 na - - 7.7% 12.5%

ホテル na - - 1 1

 構成比 na - - 7.7% 6.3%

<地域別>

関東圏 na 9 na 8 9

 構成比 na 81.8% na 61.5% 56.3%

北海道圏 na 2 na 3 4

 構成比 na 18.2% na 23.1% 25.0%

九州圏 na - na 1 1

 構成比 na - na 7.7% 6.3%

関西圏 na - na 1 2

 構成比 na - na 7.7% 12.5%

(1物件当たり平均売却金額) 76 172 147 472 624

前年比 - 125.8% -14.7% 220.9% 32.1%

不動産投資開発事業営業利益 120 311 465 840 989

前年比 - 157.9% 49.6% 80.8% 17.8%

構成比 61.8% 75.0% 73.5% 71.1% 55.2%

営業利益率 11.3% 16.4% 14.4% 13.7% 9.9%

FY12/12 FY12/13 FY12/14 FY12/15 FY12/16

(百万円) 非連結 非連結 非連結 連結 連結

不動産取得(仕入)件数(件) 11 20 18 19 23

前年比 - 81.8% -10.0% 5.6% 21.1%

<物件種類別>

住宅系不動産 na na na 9 8

 構成比 na na na 47.4% 34.8%

事務所・店舗ビル na na na 4 5

 構成比 na na na 21.1% 21.7%

開発用地 na na na 4 10

 構成比 na na na 21.1% 43.5%

その他 na na na 2

- 構成比 na na na 10.5%

-<地域別>

関東圏 na na na 11 13

 構成比 na na na 57.9% 56.5%

北海道圏 na na na 5 1

 構成比 na na na 26.3% 4.3%

九州圏 na na na 1 6

 構成比 na na na 5.3% 26.1%

関西圏 na na na 2 3

(24)

出所:会社データを基にSR社作成

*表の数値が会社資料とは異なる場合があるが、四捨五入により生じる相違であることに留意。

不動産コンサルティング事業

第二種金融商品取引業の登録を活用した信託受益権の売買仲介、不動産売買仲介、不動産賃貸仲介、不動産交換・土地有 効活用の提案、賃料・地代改定など、不動産に関する仲介およびコンサルティング業務を行っている。売却不動産情報の 的確かつ円滑な入手、および、これらの不動産の迅速な評価・査定により、不動産の売却や購入を行う者のニーズに応え るコンサルティング型の売買仲介業務を展開している。同社によれば、売買契約書に基づく仲介と、業務委託として行う コンサルティングの比率は、ほぼ半々であるとのこと。不動産の売却・購入者は個人富裕層または当該個人の資産管理会 社、一般事業法人、不動産会社、不動産ファンドなど。リピーターが多い。売上構成比7.4%(2016年12月期実績)、セ グメント利益率は34~40%程度(2012年12月期~2016年12月期)。

最近、取扱件数が増加している売買仲介案件の実例としては、個人富裕層または当該個人の資産管理会社による投資用不 動産を購入するケース、不良債権の処理に伴って同社と綿密な関係にある専門家との連携によって不動産を売却するケー スなどがある。前者においては、仕入先と販売先と同社のネットワークを駆使して多種多様な物件情報を収集し、主に数 100百万円以上の規模で中長期的に安定した収益を不動産に期待する東京および大阪近郊の投資家に対して、不動産を紹 介している。

当事業により蓄積された売却不動産情報は、不動産投資開発事業における仕入ルートの構築や販売マーケティングに活用 することで各事業の相乗効果を高めている。

FY12/12 FY12/13 FY12/14 FY12/15 FY12/16

(百万円) 非連結 非連結 非連結 連結 連結

販売用棚卸資産(期末) 577 1,691 3,403 6,070 11,393

前年比 - 193.1% 101.3% 78.3% 87.7%

件数(件) na 16 12 18 25

前年比 - - -25.0% 50.0% 38.9%

<用途別>

土地(開発用地を含む) na na 3 6 12

前年比 na na - 100.0% 100.0%

構成比 na na 25.0% 33.3% 48.0%

事務所・店舗 na na 2 2 3

前年比 na na - 0.0% 50.0%

構成比 na na 16.7% 11.1% 12.0%

住宅系 na na 6 8 8

前年比 na na - 33.3% 0.0%

構成比 na na 50.0% 44.4% 32.0%

ホテル・宿泊関連 na na 1 1 1

前年比 na na - 0.0% 0.0%

構成比 na na 8.3% 5.6% 4.0%

介護施設 na na - 1 1

前年比 na na - - 0.0%

構成比 na na - 5.6% 4.0%

<地域別> na na

関東圏 na na 7 10 14

前年比 na na - 42.9% 40.0%

構成比 na na 58.3% 55.6% 56.0%

北海道圏 na na 4 6 3

前年比 na na - 50.0% -50.0%

構成比 na na 33.3% 33.3% 12.0%

九州圏 na na 1 1 6

前年比 na na - 0.0% 500.0%

構成比 na na 8.3% 5.6% 24.0%

関西圏 na na - 1 2

前年比 na na - - 100.0%

構成比 na na - 5.6% 8.0%

1件当たり棚卸資産 na 106 284 337 456

(25)

出所:会社データを基にSR社作成

*表の数値が会社資料とは異なる場合があるが、四捨五入により生じる相違であることに留意。

不動産マネジメント事業

同社や顧客が所有する不動産の管理運営、あるいは子会社のビーロット・アセットマネジメント株式会社の主要業務であ る投資顧問業務を行っている。顧客の所有不動産については管理運営者(プロパティ・マネージャー)として、同社の所 有不動産については不動産経営者として、不動産が生み出すキャッシュフローの最大化と資産価値の向上を図る。同時に、 テナントにとって付加価値のあるサービスを提供している。プロパティ・マネージャーとして管理する棟数は48棟。売 上構成比7.5%(2016年12月期実績)、セグメント利益率は52%(同)。

顧客が不動産ファンドなどを活用して不動産に投資する場合には、投資家の資産運用ニーズを捉え、そのニーズに従った 投資戦略の立案を行い、投資物件の選定、投資期間中の管理・運営戦略、資産売却までの過程において、資産運用をサポー トする。

テナント数(単位:件)と総賃貸可能面積(同:㎡)の推移

出所:同社資料

不動産証券化

同社は、一般的に証券化対象となりにくい中規模の不動産の証券化にも取り組んでいる。借入に依存しない資金調達・不 動産のオフバランスによる財務体質の改善など、不動産証券化における様々なメリットを顧客に提供するとともに、顧客 の経営戦略に即した多彩なサポートを実施している。

FY12/12 FY12/13 FY12/14 FY12/15 FY12/16

(百万円) 非連結 非連結 非連結 連結 連結

不動産コンサルティング事業売上高 192 146 197 171 862

前年比 - -24.1% 35.1% -13.1% 403.2%

構成比 14.4% 6.5% 5.3% 2.5% 7.4%

仲介件数 25 28 20 29 31

前年比 - 12.0% -28.6% 45.0% 6.9%

<地域別>

関東圏 na 19 7 15 19

 構成比 na 67.9% 35.0% 51.7% 61.3%

北海道圏 na 7 8 8 7

 構成比 na 25.0% 40.0% 27.6% 22.6%

九州圏 na - 3 4 4

 構成比 na - 15.0% 13.8% 12.9%

関西圏その他 na 2 2 2 1

 構成比 na 7.1% 10.0% 6.9% 3.2%

不動産コンサルティング事業営業利益 71 58 79 58 346

前年比 - - - -

-構成比 36.5% 13.9% 12.5% 4.9% 19.3%

営業利益率 37.0% 39.5% 40.0% 33.8% 40.1%

総賃貸可能面積(㎡)

(26)

同社は、国内外の機関投資家に向けて、総合的な不動産運用サービスを提供している。投資家の様々な運用ニーズに合わ せたファンド(投資家が不動産に投資する仕組み)を組成し、同社が培ってきた事業用不動産の売買・賃貸仲介、鑑定評 価、管理業務のノウハウにアセットファイナンスを含めた様々な経験・ 専門知識および独自のネットワークを活用し、 アセットマネジャーとして高度な運用サービスを展開している。投資家のために、物件を買付け、3~5年の運用期間に おいて運用益(インカムゲイン)を上げて、物件売却による償還運用益(キャピタルゲイン)を得る。

プロパティマネジメント

マンションやビルオーナーの立場に立ち、キャッシュフローの最大化、資産価値を高めるとともに、テナントにとっても 付加価値のあるサービスを展開している。

プロパティマネジメント受託棟数の推移

出所:同社資料よりSR社作成 *BMのみの受託を含む

リーシングマネジメント

早期満室稼働にこだわったリーシングプランを立案し、実行している。不動産の購入検討段階では、賃料査定やリニュー アル計画のサポートも行っている。

ビルメンテナンス / コンストラクションマネジメント

資産価値を守ることを第一にビルメンテナンス会社の選定から工事等のコスト管理までを行っている。

アカウント業務

同社の会計専門チームが入金管理を行う。万が一の滞納時には即座に、テナントにご案内業務を行う。不良テナントに対 しては、専門家に法的処置を依頼する。入金だけでなく、支払費用の送金も一括して対応し、月次レポートで簡単に収支 を把握することが可能。

不動産賃貸

収益不動産を継続的に保有し、同社がオーナーとして不動産賃貸業に参画している。以下のような、賃貸物件を保有して いる。

▷景雲ビル(千代田区西神田2丁目):土地面積142.04㎡、建物面積429.8㎡、1987年築

▷エルガーハウス金沢(石川県北郡):結婚式場、土地面積4,169.77㎡、建物面積1,197.22㎡、1999年4月築

▷ベイイースト(神奈川県横浜市):賃貸マンション、土地面積1,110.37㎡、建物面積4,144.25㎡、1992年2月築

▷沖縄のホテルコンドミニアム2区画

1 1

11 13 14 15 17

22

2 3

9 12

16

18 8

9

10

9

1 1

13 16

31

36

43

49

0 10 20 30 40 50 60

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

参照

関連したドキュメント

地域の中小企業のニーズに適合した研究が行われていな い,などであった。これに対し学内パネラーから, 「地元

明治初期には、横浜や築地に外国人居留地が でき、そこでは演奏会も開かれ、オペラ歌手の

① 新株予約権行使時にお いて、当社または当社 子会社の取締役または 従業員その他これに準 ずる地位にあることを

INA新建築研究所( ●● ) : 御紹介にあずかりましたINA新建築研究所、 ●●

 しかしながら、東北地方太平洋沖地震により、当社設備が大きな 影響を受けたことで、これまでの事業運営の抜本的な見直しが不

●老人ホーム入居権のほかにも、未公 開株や社債といった金融商品、被災

関係会社の投融資の評価の際には、会社は業績が悪化

1地点当たり数箇所から採取した 試料を混合し、さらに、その試料か ら均等に分取している。(インクリメ