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【酒田光陵高校・鶴岡工業高専・加茂水産高】

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(1)

学校から

「匝言上

植樹!

日本のモノづくりを支えてきた町工場や中小企業が、雇用の問題に悩んでいる。i i

「新卒の子達に来てほしいんだが、見向きもしてくれない」

「入った子が直ぐに辞めてしま/う」

取材をしていると、/手うい読切実怒声を副こする:漂う閉塞駄吐かれる溜息… … o

多くの採用現場が妥協と諦念越/しに鬼か)るi 「若割の/資料/実像とかけ離れている

のではないか自分たちには理解できか、ことを「異質さ」という一語に纏めた先に・

相互理解の余地はあるのだろうか。否それ以前に、彼ら若者を受け入れる側である「企

業」としてはどうなのか、今一度考えるべきことがあるのではないだろうか。

若者が自分の貴重な時間を捧げたいと思える環境になっているのか。

若者が夢を描ける環境になっているのか。

若者を受け入れるために、彼らを理解しようと何かしらの努力はしているのか−

〈  −や、__ r

r

本企画では、これからの次代を担う若者を一番身近な距離で

見ている学校の先生方に、「学校がどういった生徒を社会に

送り出そうとしているのか」、「企業が若者を雇う上で理解す

べき点」をお聞きしている。本音では若者を雇いたいが−

から育てる労力を捻出できないために、雇用に後ろ向きに

なっている。そんな中小企業にこそ、先生たちの言葉に耳を

傾けていただきたい。

今号では

・山形県立酒田光陵高等学校・鶴岡工業高等専門学校

・山形県立加茂水産高等学校・上野塾東京実業高等学校

・東京都立六郷工科高等学校

に話をお聞きしてきた。

十、千一(一一一年∴_十J i ∵「_ゞ__,詰熱「

(2)

l S

高校生という若い時期に、生涯にわたっての

強固な基礎になるものを培ってあげたい

統合校だからこそ

可能になった多角的な教育

山 形 県 の 沿 岸 部 に あ る 庄 内 地 域 。 江 戸 時 代 は 庄 内 藩 の 領 地 で あ り 、 当 時 か ら 潅 漑 技 術 が

進 ん で い た こ と か ら 、 現 在 も 日 本 有 数 の 稲 作 地 域 と し て 知 ら れ て い る 。 地 域 を 代 表 す る

都 市 は 、 山 形 市 に 次 い で 人 口 第 2 位 の 鶴 岡 市 と 、 第 3 位 の 酒 田 市 。 山 形 県 立 酒 田 光 陵 高

等 学 校 は 、 県 立 酒 田 商 業 高 等 学 校 、 同 酒 田 工 業 高 等 学 校 、 同 酒 田 北 高 等 学 校 、 市 立 酒 田

中 央 高 等 学 校 が 統 合 し て 2 0 1 2 年 に 開 校 し た ば か り の 高 校 だ 。 複 数 科 の 高 校 が 統 合 し

て 誕 生 し た と い う 、 全 国 で も 珍 し い ケ ー ス に 注 目 も 高 ま っ て い る 。 校 長 の 中 山 氏 に 、 酒

田 光 陵 な ら で は の 特 徴 や 教 育 方 針 に つ い て 伺 っ た 。

田 圃 開 聞 た る

普通科高校と工業高校、そして商業

高校の併合によって生まれた当校には、

現在、普通科、工業科、商業科、そし

て情報科が開設されており、大規模な

県立の統合校モデルとして山形県も期

待をこめて開校に至った。

﹁現代社会では、個々人に柔軟性が要

求される場面が多いです。統合校とい

う特徴を活かすことで多角的な教育を

展開できる当校は、まさに時代の要請

に合致していると言えます。例えば、

工業・商業のスペシャリストとしてだ

けではなく、財務諸表が読める旋盤工

とか、ものづくりにも詳しい営業職、

マーケティングにも長け情報発信力の

ある職人、そんな柔軟性を兼ね備えた

生徒を育てることが、可能なのです﹂

生徒が学科の枠を超えて多様な科目

群の中から、それぞれの興味や将来の

目標に合わせて自由な科目選択ができ

る﹁総合選択制﹂。具体的には、2年時

山形県立酒田光陵高等学校

校長中山英行氏

園 重 盗 態

11i/i< 琴 圏

 一

I

・ ∴

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r

レヽ

r i W

T ir

には週6時間、3年時には週8時間の

選択科目が履修でき、全138科目に

のぼる学科横断的科目群と自学科科目

群の中から選択が可能とのこと。例え

ば、普通科の生徒が、マーケティング、

情報処理、自動車工学、土木構造設計

といった科目も履修できるといった具

合。

﹁高等学校は完成教育を行う場では

ありません。だからこそ、高校生とい

う多感な時期に、豊富な科目群の中か

ら興味・関心のある授業を選択させる 階で自分の適性に気づく機会を用意で

きれば、延いてはそれが希望する就職

や進学に繋がります﹂

開校間もないことから、卒業生を送

り出したのは一度だけだが、約4割が

進学、6割が就職という進路を選んで

いるそうだ。就職先は製造業が62%と

圧倒的に多い。やはりものづくりの楽

しさに触れることで、製造業を選ぶ生

徒は多いと言う。そのうえ、﹁当初から、

製造業に行った生徒は定着率も高い﹂

(3)

画 ∵ ・ : 二

生徒には、常日頃から﹁働くことの

% 意味﹂を語っていると言う中山校長。

﹁働くということは、当たり前ですが、

生活を維持・発展させ、自立し、将来

家庭を持った時のバックグラウンドを

築くためになすべきこと。その上に、

自分がやりたいこと、自己実現のため

という目的が乗っかってくる。さらに

一段上にいくと、社会の中で、自分の

役割を自覚できるようになります。そ

うすると社会貢献という気持ちが芽生

えるようになります。生徒には、この

社会貢献を意識できるような人にまで

なってくださいと、繰り返し話してい

ます。社会に出れば、壁にもぶち当た

り、幸いことも多々あるでしょう。し

かし、その壁を乗り越え、苦しさに耐

え抜くことで人生は豊かになります。

社会に出て経験する様々な出来事、人

生で起こることには何一つ無駄はあり

ませんからね﹂ 高校を卒業して就職を希望する生

徒が行きたい企業とは?教師たちが

実感している生徒に行かせたい企業

とは?そして、高校新卒者の円滑な

雇用や、短期離職を避けるためには、

どんなことが大切なのか?中山校長

の﹁直言﹂ ﹁直答﹂をどうぞI・

Q生徒の就職先企業として、どのよ

うな企業を求めていますか?

将来的なビジョンがきちんとあり、長

期的な経営展望がはっきりしている企業

ですね。そのような企業であれば、高校

を卒業したばかりの社員を、どのように

育てていこうかという指針もしっかりと

据えられていると思います。また、ビジ

ョンや経営展望を明確に示すことで、﹁こ

の会社に就職してよかった﹂と、新卒社

員が、将来の展望など、それぞれに感じ

取れるものがあるはずです。

また、入社したばかりの社員でも、仕

事に携わりながら、達成感や﹁自分も成

長している﹂﹁自分で自分の力が伸ばせ

ている﹂と実感できる企業、そんな企業

に期待しています。

Q

高卒新卒者を雇用する経営者には、

何を大切にしてはしいですか?

: く つ

十 「

! 〈

ii

l   ’ ii li町 L l 一 ̄

山 形立 酒田 光腰 高 籍掌 紋 山 形 県 酒 田 市 北 千 日霊 前 字 松 境 7 −3 T E LO 2 3 4 −2 8 −8 8 3 3

ht t p :w w w .s a k a ta k o ry o ・h .e d .j p

く喝× 億も

新卒者に、きっそく即戦力とし

て働いてもらうというのは無理な

話だと理解してほしいですね。と

はいえ、頑張らない者でも面倒を

みてはしいという意味ではありま

せん。新人なりに役割を担わせて、

知識や技術を少しずつ身に付けさ

せ、成長していく実感が味わえる

ような職場づくりをお願いしだい

です。経営者のみなさんも、どな

たにも若い頃、社会に出たばかり の頃があったわけで、その当時、どんな

ことに触発されたか、どんな先輩に、ど

のように学んで成長できたか、どんな時

に自分も役立っていると実感したか、ご

自身が若かった頃のことを思い出して、

新卒者に思いやりの目を向けて接して

いただきたいですね。また、そのように

接していただくことで、離職というケー

スも少なくなると思います。

Q 鍋 韓 群 舞 詐 器

るでしょうか? 日頃から高校生に接し

ている先生の経験から教えてください。

よく言われる﹁最近の若者は⋮﹂と十

把一絡げに捉えるのではなく、個々の個

性や特性、仕事をする上での適正を、じ

っくり見てはしいですね。ただ、現代の

若い人たちは、全般的にコミュニケーシ

ョン能力が不足していることは私も感じ

ています。自分自身を、そして、自分が

考えていることを、うまく表現できない

ことも多いと感じます。ただ、そうは言

っても、誰しも、それぞれに別の良さを

備えています。たとえば、口下手でも、

ものすごい集中力が備わっていたり、細

かい作業は多少苦手でも、人間関係がう

まく築け、ヒューマンリレーションに長

けているなど、それぞれの長所に注目し

て育てていただくことを願っています。

Qどのようなことにカを注ぐと、中

小企業への若い人材、高校新卒者

10 のことですが、当時、高校新卒者の就職

は大氷河期と言われていました。しかし、

﹁こんな時代でも、貴校の生徒だったら、

ぜひうちに来てほしい﹂と採用してくだ

さった企業もあります。そのような企業

は、日頃から深いコミュニケーションが

とれており、強い信頼関係で結ばれてい

る企業なんですよね。

Q 擢 諸 講 謹 謙 語 藷

ますか?

繰り返しになりますが、やはり、様々

な企業に足を運び、当校のことを理解い

ただいて、関係性を高めていくことでし

ょうか。とくに、生徒が就職した企業に

は、たとえ遠方であっても訪問するよう

にしています。旧4校当時から、毎年5

月から6月にかけては関東地方の企業に

赴いて、卒業生の様子見と励ましを含め

て、職場で経営者や上司に働きぶりを伺

うようにしています。

生徒に接する教師の資質も大切です

ね。当校は、工業高校と商業高校、普通

科高校が統合して開校したという経緯か

ら、普通科でだけ教鞭をとってきた教師

が赴任するケースもあります。工業・商

業は初めてという教師からは、実習の多

い工業や商業といった専門科高校と、一

般科目に絞って学習する普通科高校との

違いを如実に感じるという声をよく聞き

ます。教師自身が、その違いを体験しな

がら生徒の指導に臨めるということは、

その教師の資質を高めることにも繋がり

ます。それが、複数科、多くの専門的な

科目がある当校の強みと言えますね。

生徒たちの思いや期待を十分に汲んだう

えでの提言を、ありがとうございました。

13

(4)

学校のすぐ目の前は日本海。近隣には、世界一のクラゲ保有数で知られる加茂水族館

もあり、水産を学ぶには絶好のロケーションに加茂水産高校は位置している。さら

に、学校が独自に保有する船・鳥海丸は現在で5代目となり、先代よりも飛躍的に

ハイスペックになったという。これら恵まれた環境の中でのびのびと学ぶ生徒たち

に、学校としてどのようなポリシーで指導にあたっているのか、さらに産業界への

要求としてどのような視点をお持ちなのか、長谷川校長からの提言をお伝えしたい。

地 域 貢 献 で き な け れ ば 価 値 な し I S

海 か ら 至 近 の 恵 ま れ た

環 境 で 総 合 的 な

人 間 教 育 を 。

水産高校はその性質上、教室で学ぶ授業

よりも、海に出て学ぶ実習の時間が多くな

ります。それは全国どこの水産高校でも同

じだと思いますが、当校の場合、日本海が

至近距離にあり、いつでも行き来できる環

境にあることは大きな強みです。たいへん

痛ましいことですが、2011年の震災で、

岩手や宮城などの太平洋側では、海辺の学

校は今までよりも海岸部から離れて再建す

ることを余儀なくされています。当校には

幸い、そうしたハンディキャップはありま

せん。また5代目となる自慢の鳥海丸です

が、先代よりもコンパクトな大きさになっ

たことで学校から徒歩数分の距離まで進

入できるようにな当生徒たちが船に触れ

る機会も増えました。

望 ! 企 業 か ら

S SS S 

!誇

∵∴∴ヽ∴

尉 ノ 1 適 轄

イ ン タ ー ン シ ッ プ の 機 会 を

当校を卒業した生徒たちは、約3割が専

門学校や大学へ進学し、7割が船長や機関

士など船の仕事をはじめ、水産加工業や工

業系の製造業などに就職します。就職指導

については地元の企業にも協力を求め、最

善を尽くしていますが、近隣の宮城や福島、

青森、新潟などに比べると、山形県は水産業

の関連会社の数がそもそも多くありません。

中小企業となると、日々の業務を滞りな

く行うだけでもなかなか大変だと思います

が、いま少し、高校生たちが将来の目標に

ついて具体的にイメージできるような、イ

ンターンシップの機会を積極的に設けてい

ただけたらありがたいと思います。働く現

場を目の当たりにすることで、なぜいま自

分が学校でがんばっているのか、そのこと

真 霊 堂 \

語 義 輔

’高 言 湖 m ∴ 葺

重 き

氏   ∴

∴ 子

が将来、どのように役に立つのかがわかり、

生徒たちの学ぶモチベーションがグンと向

上するものと期待しています。インターシ

ップを行ったからといって必ずしもすぐ

就労に結びつくわけではないと思います

が、﹁こういう仕事があるんだ﹂というこ

とを高校生に知らしめるということだけ

でも、企業にとっても意義のあることでは

ないかと思います。

(5)

㊤ e X ㊧ ㊧

それではさらに具体的に踏み込んで、

長谷川校長からの﹁直言﹂﹁直答﹂を。水

産高校は、その生徒たちは企業に何を

期待しているのか?

Q学校としての基本的な教育方針、

どのような人材を社会に送り出し

たいと考えているのか、この点について

お聞かせください。

本校には海洋技術科と海洋資源科があ

ります。技術科は船や漁業に案するスペ

シャリストの育成を、資源科は栽培漁業

や食品などを中心に、海洋に係わること

を学ばせることを目的としています。専

門的な知識の習得はもちろん大事です

が、海を大切にする心や、船に乗って共

同生活する中で、機敏に動けること、皆

で協力できる姿勢を学んでもらうことを

教育の根幹に据えています。

また私としては、産業と地域住民と学

校が一体とならなければ地域の発展はな

いと考えています。ですから、地域に貢

献できる人材を送り出すことができなけ

れば、学校としての存在理由はない。地

域や産業と深く連携した教育を心がけて

います。

Q貴校の生徒たちは、主にどのような

仕事︵業界︶に就職されていますか?

技術科の生徒は船長や資源管理型漁業

技術者、機関長や工学技術者など、実際

に船の航行に係わる仕事に就く生徒がい

る一方、水産とは関連の無い工業系の企 業に行く生徒も少なくありません。資源

科は地元では、マリンスポーツや水族館

などの求人が少ないためサービス関連

や食品の貯蔵・加工・流通および調理な

どの事業所が多いです。

Q 謂 圧 議 醒 描 彊 講 弼

設けていますか?

インターンシップの機会としては、蒲

鉾の製造工程の研修に参加させていただ

いています。また地元の漁師の方から、

底引き、延縄など、学校が保有する鳥海

丸ではできない漁法について教えてもら

う機会を設けています。

当校に特長的な指導としては、加茂水

族館と連携した﹁水族館概論﹂という授

業があります。これは全国でもめずらし

い試みだと思います。また実習製品とし

てマグロの缶詰、秋刀魚の味付け缶詰、

イカ飯を作り、これらは山形県や鶴岡市

の ﹁産業まつり﹂など、漁業系の行事の

際に実際に販売し、す

ぐ売り切れてしまいま

す。

このほか、幼稚園児

や小学生を対象に出張

講座を行っています。

自分たちが育てた稚魚

を放流するところを見

せるなどして、自然や

魚と親しんでもらうこ

とが目的ですね。

Q 撞 謹 彊 粥 彊 謹

求めたいのはどのようなことですか? 現在の経済

状況においで

は仕方のない

部分もあると

は思いますが、

即戦力を求め

すぎる面はあ

ると思います。

入社5年目の

社員と新人が

競争相手にな

らざるを得な

1 通 −

i i轢 轟 締撃 i牢 , 璃

∴  =  ̄ 撃 撃 撃琴竺三:

いようなシビアな局面が多く、せっかく

会社に入っても短期で辞めてしまう子が

多い。

もう一つはやはりインターンシップの

機会を増やしていただきたいということ

です。当校でもいろいろ働きかけています

が、断わられてしまうことも少なくあり

ません。貴重な時間を割いてわざわざ教

えるのは大変なことだと思いますが、世

の中にそういう仕事が実際に存在してい

ることを生徒たちに見せ、自分の将来像

を明確につかんでもらうことは、企業に

とってもプラスになることだと思います。

まとめて言えば、若い人材に関しては、

できるだけ長期的なスパンに立って判断

していただきたい、ということになるで

しょうか。 当数いらっしゃると思うので、そこに付

加価値を付ける工夫ができないか。水産

高校と連携して開発した商品があれば新

たなマーケットが開けるかもしれませ

ん。最近、農業や水産業の6次産業化と

いうことが盛んに言われますが、高校生

たちも、自分のさばいたマグロが5万円

になった、加工した製品がm万円になっ

た、という目に見える成果があったら、

学習するモチベーションが確実に上が

り、市場も刺激されると思います。

そのほか、例えば水族館が改装したら、

そこで体験ダイビングができるとか、生

箕の中に県魚のサクラマスをいっぱい放

すとか、地域の方々がもっと海や魚と親

しむ機会が増えるといいですね。当校も

積極的に鳥海丸を体験していただきたい

と思っています。高校生と地元の水族館

と企業と、あとできればリタイアした

方々にもボランティアなどで参加してい

ただいて、もっと地域が活気付いて、そ

の結果、外から人が来るような、そんな

方向で産業がまだまだ興せるのではない

かと思っています。

なるほど。具体的で鋭いご提言、ありが

とうございました。

Qそうした連携を中小企業と学校が

深めて行くために、何か具体的な

プランをお持ちですか?

もう少し産業と連携した側面があって

いいと考えています。例えば今、漁業者

の中には、魚価に不満をお持ちの方が相

8 8 8 m m m li

Ili(ゴーJ_二、

書 ∴ ∴ −   ∴

I

J

に ごi   iCi

山形県立加茂水産高等学校

「、噂 山形県鶴岡市加茂事大崩595

TELO235−33−3031(事務室)

ht t p://kamos ui s an・h.ed.j p/

15 2013De壷mber i i /調!同軸

(6)

研究する地域密着型グロ臆パル高専

世界に通用する

トップエンジニアを

地域企業と共同で育成

工 業 高 等 専 門 学 校 ︵ 高 専 ︶ は 、 戦 後 、 地 域 リ ー ダ ー と な る エ ン ジ ニ ア 育 成 の

中 核 を 担 っ て き た 。 そ の 存 在 感 は 2 1 世 紀 を 迎 え た 今 、 ま す ま す 高 ま っ て い

る 。 大 学 で は 就 職 氷 河 期 が 続 く な か 就 職 率 は 1 0 0 % 。 求 人 倍 率 は 1 0 倍 を

超 え る 。 こ う し た な か C O I O P 教 育 や 長 期 に わ た る 追 教 育 シ ス テ ム な ど

ユ ニ ー ク な 取 り 組 み で 注 目 を 集 め る の か 国 立 鶴 岡 工 業 高 等 専 門 学 校 だ 。 横

長 の 加 藤 靖 氏 に 鶴 岡 工 業 高 等 専 門 学 校 の 未 来 戦 略 に つ い て 聞 い た 。

田 陛 肇 欝 て

鶴岡工業高等専門学校は今年、創

立50周年を迎えた。これを機に同校

では新たなビジョン=﹁研究する高

専﹂﹁地域に貢献する高専﹂﹁国際通

用性を持ったエンジニアを育成する

高専﹂を策定した。今後50年を見据

え、時代と地域ニーズを踏まえた世

界レベルの人材を育成することが目

的だ。

すでにビジョンに沿ったさまざま

な取り組みがなされている。

力を入れているのは、地域やOB、

OG、行政など学校外にある有形無

形の資産の活用だ。たとえば﹁鶴岡

高専技術振興会﹂。

これは地元の企業から出されるさ

まざまな課題を引き受けて、鶴岡高

専が解決に取り組む仕組み。こうし

た仕組み自体は全国的にそう珍しい

ことではない。ユニークなのはその

先だ。加藤氏が説明する。

﹁いただいた課題のうち、緊急性が

独立行政法人

国立高等専門学校機構

鵠 同 工 業 高 等 専 門 学 校

学 校 長 加 藤   靖 氏

︵ 工 学 博 士 ︶

なければ学生の卒業研究でやります

と言っています。教員が引き受け、や

る気のある学生にテーマとして与え

るのです﹂

こうした研究事例が毎年4、5件

はあるという。

﹁うまくいけばそのまま企業との学

校の共同研究に発展することもある。

学生としてもその研究が面白くなっ てくれば、﹃その研究を

させてくれるなら﹄と地

元に残って就職するきっかけ

になっています﹂

また鶴岡市が開発した市内中心部

にある﹁メタボロームキャンパス﹂に

サテライトラボを開設。地域連携を

深めるとともに、地域に眠る技術シー

ズやニーズの掘り起こしを進めてい

、_シ/ ̄、−−〝

ノ/二ニ ̄“

(7)

人と地球左環鏡は、曹蕃しい撮編蕃琶欝憩。

る。

﹁ラボはもともと地域活性化のため

につくった本校の ﹃地域共同テクノ

センター﹄ の出先機関。地元企業の

依頼を受け製品や試料の測定を行っ

ていましたが、そこにコーディネー

タを置いて、技術相談を受けるよう

にしました。

コーディネータは地元企業で定年

を迎えた鶴岡高専OBの方。だから

地元企業のことがよく分かる。丁寧

に回っていただいているので、いろ

いろな課題やテーマがいただける。

回ってみて分かったことは地元で活

躍されている本校のOB、OGが多

いということ。これはもったいない

ということで地域のデータベースを

つくろうとなり、これを進めていま

す。またメタボロームキャンパスに

は、慶應義塾大学の生命先端研究所

があり、そこと共同研究やシンポジ

ウムも行っています﹂

こうした長年にわたる地域連携に

基づいて立ち上がったのが﹁コーオ

ブ︵COIOP︶教育﹂事業である。従

来のインターンシップを拡充し、地

域の未来を担うエンジニア育成を企

業と共同︵C?Opのma巨On︶ で行うも

のだ。

﹁これまでのインターンシップは

1、2週間程度でしたが、これを3

年次の夏休みに2、3週間くらい地 元企業などで行い、その後春休みに

また同じ企業に行く。さらに4年の

夏休みにも同じ企業で働くのです。

一般の従業員の方と同じように働か

せてもらい、場合によっては給料も

出していただく。本格的に社員とし

て働き、社会に出て仕事をするとい

うことは、こういうことだと体験す

るわけです。可能であれば企業のプ

ロジェクトにも関わらせてもらい、

そこで出た課題を学校で解決する。

あるいはそのまま卒業研究になる

こともあります﹂

この長期にわたるインターンシッ

プ制度は、対象年生の99%が参加す

るという。

また同校では1年次からの企業体

験にも取り組んでいる。地元企業や

社会で活躍しているOB、OGを招

いての特別授業を各クラス単位で行

う﹁未来予想図講座﹂だ。

﹁学生時代はどんなふうに過ごし、

どうやって進路を決めたのか、いつ

頃決まったのかとか。いまは企業で

こんなことをやってる、社会に出て

必要となるスキルは何かなどを話し

てもらうのです﹂

学生は早い段階から明確な未来予

想が描けるので、何が必要なのかを

自覚しながら、高いモチベーション

で授業や研究に取り組んでいける上、

就業時のミスマッチも減らせる。

固 諜 謂 誰 も 強 化

マネジメント教育や特許管理教育

にも積極的だ。企業は技術を生み出

すだけでは、企業の収益には結びつか

ない。技術を製品化し、市場で売れる

商品に仕上げなければ、使われた資

金と労力が台無しになってしまう。

同校では、東北経産局に働きかけ、

東北の経済の実情にあった経済学、経

営学、あるいは経営管理や特許の申

請管理方法などの講義を現役の経産

局の担当者に出向いてもらって行って

いる。﹁学﹂と﹁産﹂の地域連携に﹁官﹂

が加わることで、より効果的で有効な

プログラムが組める。一方、経済産業

省側にとっても産と官に学が入ったこ

とで、その地域の産業振興が一層効果

的となる。もともと同校は特許取得

や管理には積極的だった。

﹁本校には﹃発明委員会﹄という組

織があり、特許が取れそうだとなる

とここで審査し、さらに高専機構に

申請し弁理士からOKをもらうと特

許が取れます。本校には特許をもっ

た教員が何名かいます。その他にも、

企業との共同研究は盛んに行ってい

ます。最近では蜘蛛の糸の人工量産

化を実現して話題を呼んだスパイバ

ー株式会社の蜘蛛の糸の物性評価、

機能特性評価に関する共同研究など があります。こうした〝ここでしか

できない〝研究に力を入れていきた

いと思っています。また教員にはそ

ういったユニークな研究にどんど

ん学生を巻き込んでほしいと言っ

ていますし、地域企業の方もどんど

ん参加してほしいと思っています﹂

地域でできることを知るには地域

と深く連携することも大切だが、加

藤氏は学生に一旦この地を離れるこ

とも勧める。

﹁若い人が留まる仕組みを地域と連

携してつくっていかないといけないと

思っています。ただ最初から地元に

残るのではなく、首都圏や関西圏で

いろんな経験をして、刺激を受けて

ある程度力をつけてから戻ってくる

ような仕組みや、自分自身がベンチ

ャーを興せるような仕組みを考えな

いといけない。もともと本校ではヶ卒

業して終わり〟ではなく、各教員レ

ベルで卒業後も進路相談に応じたり、

将来地元に戻って活躍したい、家庭

を持ちたいといった相談にも乗ってい

る。これを学校と企業の仕組みとし

て構築していきたいと思っています﹂

地元から離れて経験を積む。それ

は国内にとどまらない。同校では現

在タイやシンガポール、フランス、フィ

ンランドの大学と交流しており、毎

年留学生を受け入れる一方、学生を

海外に送り出している。

(8)

﹁地元企業の方から聞かれるのは、

冨岡専生は技術力はあるが、欲を言え

ば、英語でコミュニケートできる人

材が欲しい﹄と。今はインターネッ

トで繋がっているので、地方企業に

も海外から問い合わせがどんどん入

る。だから学生には日本国内だけで

はなく、外も見せなくてはいけない。

海外派遣は経済的に負担がかかるの

で、後援会費や企業から寄せられた

国際交流のための基金、文科省のプ

ロジェクト予算などを駆使して、学

生、それから教員もどんどん海外に

出しています﹂

鶴岡高専の視点は従来のものづく

りの枠にとどまらない。

﹁庄内地方は農業も強いが、TPP

や高齢化などで揺れています。しか

し農業もこれからICTなどを用い

て取り組めばまだまだ可能性があり

ます。本校では農業関係者のノウハ

ウを蓄積して、取り出せる ﹃アグリ

サーバ﹄という研究もしています。

それぞれの業界がバラバラに取り組

んでいては地域活性化は進まない。

みんなこの庄内が素晴らしいと思っ

ている。だったらみんなで手を組ん

で切磋琢磨しながらいいものをつく

っていくようにしないといけない。

思っていることを実際に声に出し

てほしいと思います。私たちはその

声に全力で応えますから﹂ eX

Q

8 m

5 2

4

34

10

Q5年卒業時に就職する学生はどのく

らいですか。そのうちとのくらいが

地元に残るのですか?

本校の場合、だいたい6割くらいが就

職します。地元就職希望者は非常に多い

のですが、実際に地元に就職しているの

は2、3割くらいでしょう。ただ地元就

職希望といってもかなり親の意向を反映

している。本人たちはそれほど地元にこ

だわってないと思います。

Q 摘 緯 学 生 が 自 分 で 見 つ け る わ け

求人は企業から学校に来ますが、いま

はインターネットが発達しているので、

ネットで企業を探して自分で応募する学

生もいます。ただ本校では本人がもし学 校を通じて受けたいという意向があれ

ば、学校が企業にコンタクトを取り、学

校に求人票を出すように依頼していま

す。そこで求人票が出れば、その学生に

学校長として推薦状を出すようにしてい

ます。そうすることで、もしその学生が

就職先でどうしても辞めたいとなった

ら、その対応を企業側と相談できますし、

あるいはその理由が納得できるものな

ら、次の就職先を探す手伝いができる。

そうやって卒業生との進路相談や再教育

のつながりを持たせていくようにしてい

ます。

Q

そのためにはコーオブ教育の充実

が鍵を握ってくるわけですね。 事態になってからどうしようと思っても

遅い。従来の取引だけで満足していれば

いつどうなるか分からない時代です。国

内だけでなく海外も視野に入れながら、

企業は普段から新しいことにチャレンジ

していかなければならないと思います。

単に若い人が入ってくれはなんとかな

ると思うのではなく、﹃うちの会社はこう

だ﹄という特徴と方向性を決めて、若い

人でも自由に意見が言えるような企業づ

くりが重要だと思っています。その点か

らももっと企業のみなさんにはコーオブ

教育に積極的に参加して可能性を拡げで

いってほしいと願っています。

18

そうです。企業経験がないまま突然企

業に入って、﹁やってみたらこんなんじ

ゃなかった﹂となったら本人も企業も困

る。だから長期の休みに実際に働く体験

が重要になる。面接で2、3分話したっ

て〝人となり〟は分かりませんから。い

まの学生は興味があれば辛くでも働くん

です。そうなってくるとその企業に就職

したいと思うようになる。そういう意味

でお互いのために時間をかけて教育して

いきましょうと。たまたま自分の関心に

合わないっていう学生もいるでしょう。

そうしたらまた別な学生を入れればいい

Q 緯 彊 講 控 訴 謙 粥

ます。

いま庄内地方ではルネサステクノロジ

の撤退が問題となっています。撤退とな

れば相当影響が出るでしょう。そういう

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− 黒 目 深 紫 黙 許 澄

参照

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