市場構造と税負担の転嫁と帰
着
需要
価格の変化と個人の需要
価格
支払い意思額
P1 P2 P3 P4
Horizontal Summation
A B 市場 : A + B
P1 P2 P3 P
市場の需要
A B 市場 : A + B
q
q1
q2 q3
xA xB X=x
A+xB
消費者余剰
消費者余剰 消費者余剰 q*
q
消費者が市場取引で 得した部分
数式で考えてみる
• 効用関数 : U(x, y) = b(x) + y ( 準線形 )
• 限界効用(限界便益) : U(x, y)/x = db(x)/dx= b’(x)
• 限界効用(限界便益)逓減 : d2b(x)/dx2 < 0
• 予算制約 : M = px + y ( y を x 意外の財への支出とし
,その価格を 1 とする)→ y = M px
• 予算制約を効用関数に代入 : f(x) = U(x, M px) = b(x) + M qx
• x について微分 : f’(x) = b’(x) q
• 効用を最大化する x の値は b’(x) q = 0 ,つまり, b’(x) = q ⇔ 限界効用(便益) = 価格
供給
生産の理論
• 生産要素は労働と資本
– L : X 財生産に利用される労働
– K : X 財生産に利用される資本
• 財 X の生産関数
X = F ( L , K )
生産関数と等量曲線
• ( L , K ) → X
• 同じ生産水準
を与える ( L ,
K ) の組合せ
を真上から見
たもの
• 「等高線」 ?
• 等量曲線( is
X
K
X
一方の生産要素 (K) を固定して
他方の生産要素 (L) を増やすと
X
限界生産 (marginal product) の逓減
等量曲線の特質
• 2 つの生産要素が財の生産増に繋がるなら
右下がり.
• 原点に対して凸(生産に関する仮定によ
る)→「凸技術」という
• 等量曲線は交わらない
• 右上に位置する等量曲線ほど高い生産量
を表わす
技術的限界代替率
• 技術的限界代替率 (marginal rate of technical substi tution)→ 等量曲線の傾きの絶対値
• X = F(L, K) を全微分する.
dX = (F/L)dL + (F/K)dK
– F/L: 労働の限界生産 ; F/K: 資本の限界生産
• 等量曲線は X を変化させない L と K の組合せだから, dX
=0 として,その傾き= dK/dL をもとめると: 0 = (F/L)dL + (F/K)dK
dK/dL = (F/L)/(F/K) < 0
• 技術的限界代替率
�� �� �
( , )/ , ( , )/
LK
F L K L MRTS L K
F L K K
費用最小化問題
• 生産に必要となる費用
• C = WL + RK
• W : 労働の価格(賃金率)
• R : 資本の価格(資本のレンタル価格)
• 最小化問題:一定の生産量 X を生産する
ための最小の費用をもたらす生産投入量
( L , K )を選ぶ.
KX
LX
F
W/R C’/R
C’’/R C’’’/R
企業の費用最小化と生産要素選 択
要素需要と費用関数
• 労働の要素需要関数 : ( Y , W / R )→ L
• 資本の要素需要関数 : ( Y , W / R )→ K
• 費用関数
� �
� �
� , � L L Y W
R
��� �� � �� ��� � � �
, , ,W ,W
C X W R W L X R K X
R R
� �
� �
� , � K K Y W
R
利潤最大化と限界費用
• 利潤 :
• 利潤最大化 :
• 限界費用 :
• 利潤最大化→市場価格は限界費用に等し
い
• ここで,
� , /
p X C X W R
� , / / � 0 p C X W R X
�� , / / � MC C X W R X
� , / � � , / �
W R
MC F L K L F L K K
p MC
限界費用と限界生産(その 1 )
• 限界生産:労働を 1 単位増加させたときの生
産量の増分
• 限界生産の逆数 : 生産量を 1 単位増加させた
とき必要となる労働の増分(資本は固定)
• 生産量を 1 単位増加させたときの労働にかか
る費用の増分(資本は固定)=限界費用
�
� , F L K
L
�� � �
1 , /
L F L K L X
W
W ��L限界費用と限界生産(その 2 )
• 限界生産:労働を 1 単位増加させたときの生
産量の増分
• 限界生産の逆数 : 生産量を 1 単位増加させた
とき必要となる労働の増分(資本は固定)
�
� , F L K
K
�� � �
1 , /
K F L K K X
限界費用と限界生産(その 3 )
• ある組合せ( L, K )で :
ならば,労働投入 L を増やす.
ならば資本投入 K を増やす.
• したがって最適な組合せ( L, K )では
となる.
� , / � � , / �
W R
MC F L K L F L K K
� , / � � , / �
W R
F L K L F L K K
� , / �X � , / �
W R
F L K L F L K K
要素費用が固定されている場合
• 費用関数 : C(x)
• 利潤関数 : (x) = px C(x)
• 限界費用 : MC = dC(x)/dx = C’(x) > 0
• 限界費用逓減 : dMC/dx = d
2C(x)/dx
2= C”(x)
> 0
• 利潤を最大化する x の値では d(x)/dx = p
C’(x) = 0 ,つまり,
限界費用
Horizontal Summation
a b 市場 : a + b
市場の供給
α β 市場 : + α β
p
p1 p2 p3
生産者余剰
p* p
X 生産者が市場取引で
得した部分
生産者余剰
企業課税
• 企業利潤への課税(税率 t )
• 税引き後利潤
(x) t(x) = (1 t)(x) = (1 t) [px C(x)]
(x) が最大化されるならば, (1 t)(x) も最大化. つまり,利潤への課税は企業活動に影響を与えない.
• 数式で確認
d(1 t)(x)/dx = (1 t) [p dC(x)/dx] = 0
税制上の「費用」が経済的な費用と異な
る場合
• 異なる程度を定数で表すと,
税制上の利潤 : px C(x) 税額 : t[px C(x)]
• その結果,税引き後利潤は
= pxC(x)t[pxC(x)] = (1t)px (1t)C(x)
• これを最大化する x を与える条件は
d/dx = (1 t)p (1 t)dC(x)/dx p = [(1 t)/(1 t)][dC(x)/dx]
• ここで x は税がない場合と比べ大きい?小さい?
市場
社会的余剰
q*=p* q, p
生産者余剰 生産者余剰 消費者余剰 消費者余剰
D = D(q) S = S(p)
税負担の転嫁と帰着
税負担の転嫁と帰着:物品税
• 物品税の増税はそのまま消費者価格に反映するか.
• 消費者価格 q と供給者価格 p の関係 :
• 需要関数 : 需要は消費者価格 ( 税込価格 ) に反応
• 供給関数 : 供給は生産者価格 ( 課税前価格 ) に反応
• 均衡条件
•
課税は需要関数や消費関数をシフトさせ
ない
供給関数がシフトするように見える場合
• 縦軸が消費者価格 q のみを測っている場
合 q
q
0需要関数がシフトするように見える場合
• 縦軸が生産者価格 p のみで表される場合
p
d(p )=D(p + )
p
0+
p
0税負担の転嫁と帰着:労働所得税
• 労働所得税や社会保険料の増加は消費者が負担するの か企業が負担するのか.
• 税引き前賃金率 W と税引き後賃金立 w の関係 : w = (1m)W
m: 税率
• 労働需要関数 : DL = DL(W)
• 供給関数 : SL = SL(w)
• 均衡条件
労働需要
X の生産関数 : X = F(L, K)
X を生産する企業の利潤 : = pF(L, K)WL RK
– この企業は,何らかの理由で資本投入量をコントロールで きないと仮定.その場合,利潤を最大化する労働投入量は
pF(L, K)/L = W
– によって表される. P=1 とすると,
F(L, K)/L = W
上の式による L は W が変わると変化する.→労働需要 曲線.
労働供給
生産者余剰 生産者余剰
x W
生産者余剰 生産者余剰 W の変化と労働時間の選択
傾きの大きさ= W
右上がりの供給曲 線
市場の労働供給
A B 市場 : A + B
w
w1
w2 w3
hA hB L=h
A+hB
保険料:事業主負担と自己負担
保険料は誰が負担しているのか?
事業の種類 雇用保険料率 内訳
会社負担分 被保険者負担分 一般の事業 15.5/1000 9.5/1000 6/1000
特掲事業
農林水産・酒造の事
業 17.5/1000 10.5/1000 7/1000 建設の事業 18.5/1000 11.5/1000 7/1000
保険料率 会社負担分 被保険者負担分
健康保険(介護保険料含まず)※
東京都の場合 94.8/1000 47.4/1000 47.4/1000
“ たまに「厚生年金は会社が半分持ってくれるからサ ラリーマンはトクだ」という厚労省の大本営発表を信 じちゃってる子もいますが、現場からするとありえな い話ですね。トータルの人件費 800 万円で考えた上で
、それだけの価値があるかどうかを見ています。つま り、企業負担も実質的には本人負担と同じであり、本 人の給与から天引きされているか、最初から会社が納 めているかの違いでしかありません。 “
城 繁幸(人事コンサルタント) http://getnews.jp/archives/371333
市場と税率表現
物品税 労働所得税
市場と税率表現
価格 従量税率 = Q P
従価税率 : 供給者価格に足す方式
供給者が直面する価格 需要者が直面する価格
P Q
従価税率 : 需要者価格から引く 方式