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JAJP ゲノミクス (論文・技術資料・アプリケーション等) | アジレント・テクノロジー株式会社

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(1)

近年、疾患の臨床研究では非侵襲的なサンプル源として、 Liquid biopsy が注

目されています。中でも体液中に含まれる細胞外小胞エクソソームに含まれる

マイクロ RNA miRNA )は、生体内の RNase による分解を免れ、細胞から細

胞へ運搬されていることから、疾患の進行のメカニズム解明やバイオマーカー

として役立てられないか探索が進められています。

アジレントのバイオアナライザは DNARNA 、タンパクを高感度に検出でき

る装置で、使用するキットを変えることで様々な濃度のサンプルを泳動するこ

とが可能です。体液中に含まれる RNA は、分光光度計で測ることが困難なほ

ど濃度が低いことが多く、そのような低濃度サンプルの場合、 RNA 6000 ピコ

キットが適しています(定性範囲 50 ~ 5,000 pg/uL )。またアジレント miRNA

マイクロアレイは、組織や培養細胞由来、あるいは FFPE 由来 total RNA に含

まれる miRNA の解析に実績があり、 5 ケタのダイナミックレンジで miRNA

発現差を検出することが可能です。

本アプリケーションノートでは、 健常人の血清に含まれるエクソソーム由来

RNA を市販の 3 種類のキットで抽出し、バイオアナライザでの泳動を行いまし

た。また抽出キットで使用が推奨されているスパイクインの検出を行いました。

次に抽出したエクソソーム由来 RNA をアジレント miRNA マイクロアレイにハ

イブリダイズし、再現性や抽出キットの違いによる影響を検証しました。

福岡 弥生

小髙 アラン 田谷 敏貴

アジレント・テクノロジー株式会社 ゲノミクス部門

アジレント miRNA マイクロアレイおよび

バイオアナライザを用いた

exosomal miRNA の検出

アプリケーションノート

要旨

著者

(2)

はじめに

血漿由来

miRNA

の白血病マーカー探索 など を はじ めとして(

Tanaka M. et al.,

2009

)、体液中に含まれる

RNA

が病 態 の変化に関与していることが知られてい ます。近年ではさらに、体液中の細胞外 小胞、特にエクソソームに含まれる

RNA

が細胞間の情報交換を担っているという 報 告 が な さ れ て い ま す(

Kosaka N.,

2016

)。エクソソーム由来

RNA

の生体内 での詳しい作用機序(メカニズム)はい まだ不明な点が多く、様々な病態で解明 が期待されます。アジレント

miRNA

マイ クロアレイを用いた報告としては、乳がん が脳へ転移する際に特定の

miRNA

が脳 関 門 を 破 壊 す る メ カ ニ ズ ム の 解 明

Tominaga N. et al., 2015

)や、

2

型糖尿 病のマーカー

miRNA

探索などがあります

Delić D. et al., 2016

)。

これまでエクソソーム由来

RNA

は、さま ざまな抽出方法が検討されていますが、 エクソソーム中の

RNA

含有量が少なく、 抽出が難しいといった問題がありました。 最近、エクソソーム由来

RNA

を抽出する ためのキットが市販されるようになりま したが、

RNA

の抽出量が少なく、

UV

分 光光度計での検出・定量が困難となるこ とから、

total RNA

のように一般的な質 を確認するための基準がない、さらには 続く実験に必要な量の

RNA

を確保でき ないといった課題があります。

このアプリケーションノートでは、複数種 の抽出キットで健常人のエクソソーム由 来

RNA

を抽出し、アジレントの電気泳 動装置バイオアナライザを用いた分析を 行い、抽出キットの差が見られることを 確認しました。必要な

RNA

量の確保に は満たないものの、全てのサンプルをア ジレント

miRNA

マイクロアレイで解析し た結果、同一抽出キットを用いた場合、 同一人物由来

RNA

のデータは再現性良 く取得された一方、抽出キットによるデー タ差も検出されました。

1

18

回の抽出の内訳

抽出キット 抽出回数 抽出血清量

mL

カラム溶出量

uL

得られた液量

uL

exoRNeasy Serum/

Plasma Midi Kit

ヒト

A, B, C

2

1 14 10

12.8

exoRNeasy Serum/

Plasma Maxi Kit

ヒト

A, B, C

2

3.7 14 11.8

12.6

Total Exosome isolation

from serum

および

Total

Exosome RNA & Protein

Isolation Kit

ヒト

A, B, C

2

1 100 85.6

100

実験

RNA 抽出

健常人

3

名分(

A

C

、白人女性、

70

歳 代)の血清を

PromedDx

社から購入し、 株式会社

DNA

チップ研究所にて

3

種類 の市販キットを用いてエクソソーム由来

RNA

を抽出しました。夾雑物を除くため、 –

80

℃にて保 存されていた血 清を融 解 後、φ

0.22

µ

m

のフィルターでろ過し、血清

3.7 mL

からは

exoRNeasy Serum/Plasma

Maxi Kit

(キアゲン社)を用いて、血清

1 mL

か ら は

exoRNeasy Serum/Plasma

Midi Kit

( キアゲ ン 社 ) あ るい は

Total

Exosome isolation from serum

Total

Exosome RNA & Protein Isolation Kit

組み合わせ(サーモフィッシャーサイエン ティフィック社、以後

Total exosome Kit

と表記)で

RNA

を抽出しました。抽出 はそれぞれのメーカー推奨プロトコルに 従い、

exoRNeasy

キットが提供している

miRNeasy Serum/Plasma Spike-In control

(キアゲン社)を

2

種類の

exoRNeasy

キッ トの他、

Total exosome Kit

での抽出時に も、スタート血 清 量 が 同じ

exoRNeasy

Midi Kit

と同条件で添加しました。

3

人 の血清サンプルから、

3

種類のキットで、 テクニカルレプリケートとして独立して

2

回ずつ、計

18

回抽出を行いました。そ れぞれの血清量やカラム溶出量、最終的 に得られた液量を表

1

にまとめました。

バイオアナライザでの電気泳動

溶出したサンプル溶液

1.5 uL

72

2

分 で熱変性した後、

Agilent RNA6000

ピコ キット(

Agilent P/N 5067-1513

)を用い

RNA

の電気泳動を行いました。

Total

exosome Kit

で抽出したサンプルは、溶 出量が多く検出できなかったため、濃縮 した後に再度泳動を行いました(図

1

)。 また

RNA 6000

ピコキットでの泳 動は、 抽出時のバッファや塩の影響を受けやす いため、ポジティブコントロールとして、

9

種 の ヒト 組 織 お よ び 細 胞 由 来 の

Universal Human miRNA Reference RNA

Agilent P/N 750700

)もチップごとに泳動 しました。

サンプルの濃縮

exoRNeasy Midi Kit

あるいは

exoRNeasy

Maxi Kit

で抽出した

RNA

はバイオアナ ライザでの泳動や定量

PCR

に用いた残り の溶液を濃縮遠心機で濃縮し、

Nuclease

Free Water

NFW

)で

7 uL

に調整しまし た。

Total exosome Kit

で抽出した

RNA

は、 原液を泳動した後、全量を濃縮し、

NFW

4 uL

に調整しました。

0.5 uL

を希釈し バイオアナライザで泳 動した後、

NFW

7 uL

に調製しました。

(3)

qRT-PCR 実験

エクソソームから

RNA

を抽出する際に添 加した、

miRNeasy Serum/Plasma Spike-

In control

(キアゲン社)を検出するため

qRT-PCR

を行いました。

exoRNeasy Midi

Kit

あるいは

exoRNeasy Maxi Kit

で抽出し た

RNA

は原液を

1.5 uL

Total exosome

Kit

で抽出した

RNA

は濃縮後の

RNA

溶液

1.5 uL

をテンプレートとし、

exoRNeasy Kit

に含まれる

Ce_miR-39_1 miScript Primer

Assay

および

miScript II RT Kit

(キアゲン 社)を用いて逆転写反応を行いました。 その後、

miScript SYBR Green PCR Kit

(キ アゲン社)を用い、

AriaMx

リアルタイム

PCR

システム(

Agilent P/N G8830A

)で リアルタイム

PCR

反 応 を行 いました。

AriaMx

リアルタイム

PCR

システムは

Fast

タイプの装置のため、サーマルプロファ イルはキアゲン社推奨のプロファイルか ら変更しました。

また定量範囲を検証するため、

miRNeasy

Serum/Plasma Spike-In Control

10

10

6

copies

となるように調整し、検量線 を得ました。エクソソーム由来

RNA

サン プルおよび検 量 線のデータはトリプリ ケートでデータを得ました。

マイクロアレイ実験

miRNA

マイク ロ ア レ イ 実 験 は、

Input

RNA

量の 変 更を除いて

Agilent miRNA

microarray protocol Version 3.1.1 August

2015

G4170-90011

)の和文プロトコルに 従いました。通常、アジレント

miRNA

マ イクロアレイのプロトコルでは、吸光度 測定結果をもとに

total RNA 100 ng

をラ ベル化に用いますが、本検討ではエクソ ソーム由来

RNA

サンプルについては、濃 度に関わらず濃縮遠心後の

7 uL

のうち

2 uL

をラベル化に用いました。

miRNA Complete Labeling and Hyb

キット

Agilent P/N 5190-0456

)を用いてラベ ル 化 を 行 う際、 各

RNA

サンプル に は

microRNA Spike In

キット(

Agilent P/N

5190-1934

)に含まれる

Labeling Spike-In

を添加しました。またラベル化反応後、

Hyb Spike-In

を 添 加 し、

3

スラ イド の

SurePrint G3 Human miRNA

マイクロアレ

8

×

60K Rel.21.0

Agilent P/N G4870C

) にハイブリダイゼーションしました。 マイクロアレイ実験に問題が生じた際、 サンプル溶液の影響かどうかを判断するた め、

Universal Human miRNA Reference

RNA

Agilent P/N 750700

)をポジティブ コントロールとして、エクソソーム由来

RNA

と同時にラベル化反応を行い、

1

ス ライドごとに

2

アレイずつハイブリダイズ しました。 マイクロアレ イは 洗 浄 後、

SureScan

マイクロアレイスキャナ(

Agilent

P/N G4900DA

)でスキャンし、スキャナ 付属の

Feature Extraction

ソフトウェア

ver.11.5

で数値化を行いました。スポット 位置の自動認識がずれたデータは、マ ニュアルでスポット位置の修正を行いまし た。 ま た

Feature Extraction

Detected

とコールした

miRNA

を、バックグラウン ドと区別して検出された

miRNA

として扱 いました。

マイクロアレイのデータ解析

Feature Extraction

から出力された数値 化テキストファイルを

GeneSpring GX

フトウェア

ver.14.5

Agilent

)に取り込み、 解析を行いました。組織あるいは培養細 胞由来の

total RNA

を解析する際は、

90

percentile

のシグナル 強 度 で

percentile

shift

を行うアレイ間補正が推奨されてい ますが、本検討では、全体のシグナル強 度が低いこと、またサンプル間の違いが マイクロアレイデータに及ぼす影響を検 証するため、アレイ間補正は行わずデー タの解析を行いました。

(4)

結果と考察

バイオアナライザでの電気泳動

exoRNeasy Serum/Plasma Midi

あるい

Maxi Kit

で抽出したエクソソーム由来

RNA

Agilent RNA 6000

ピコキットで 泳動すると、

small RNA

領域にピークが 見られた一方、高分子側にもスメアなピー クが観察されました(図

1 a

および

b

)。 一部のサンプルはスメアなピーク中に階 段状のピークが検出され、濃度も高く算 出されました。階段状のピークがサンプ ル溶液中のバッファ由来か判断するため、

3

倍に希釈し泳動したところ同様な泳動 結果が得られました(

data not shown

)。

またラダや

Uni ver sal Human miR N A

Reference RNA

、ブランクレーンに異常 は見られないため、泳動に問題は生じて おらず、サンプルの特性であると判断し ました。

Total exosome Kit

で抽出した

RNA

は原 液ではバイオアナライザ

RNA 6000

ピコ キットの検出限界を下回り、ピークが観 察されなかったので、濃縮後再度泳動を 行いました(図

1 c

)。その結果、ヒト

A

および

C

について

small RNA

領域にわず

かにピークが検出されましたが、ヒト

B

2

サンプルに関してはノイジーになりま した。サンプルレーン以外は正常に泳動 できているため、ノイズはサンプル溶液 由来と判断しました。またいずれのサン プルも、便宜上濃度は算出されましたが、

RNA 6000

ピコキットの検出範囲以下の 濃度となりました。

また全体の傾向として、抽出した血清量 が多いほど、濃度が高くなり、より多くの

RNA

が得られていることが示されました。

1.

エクソソーム由来

RNA

の泳動図

a.

血清

1 mL

から

exoRNeasy Serum/Plasma Midi Kit

で抽出

b.

血清

3.7 mL

から

exoRNeasy Serum/Plasma Maxi Kit

で抽出

c.

血清

1 mL

から

Total Exosome isolation from serum

Total Exosome RNA & Protein Isolation Kit

で抽出(濃縮後のサンプル)

miRNA UniRef

Universal Human miRNA Reference RNA

A~C

:正常人

3

濃度:

RNA 6000

ピコキットの測定値

a.

c.

b.

776 pg/uL

17 pg/uL

1458 pg/uL

189 pg/uL

14 pg/uL

282 pg/uL 220 pg/uL

14 pg/uL

335 pg/uL

298 pg/uL

15 pg/uL

150 pg/uL 778 pg/uL

7 pg/uL

1439 pg/uL

72 pg/uL

11 pg/uL

185 pg/uL 200 n

t

200 n t

500 n t

500 n t 500 n t

1000 nt

1000 nt

4000 nt

2000 nt

4000 nt

1000 nt 2000

nt 4000

nt 500 n

t 200 n

t

3452 pg/uL

3987 pg/uL 4251 pg/uL

(5)

定量 PCR による SpikeIn の検出

各抽出の成否を判断するために抽出時に 添加した

miRNeasy Serum/Plasma Spike-In

control

の検出を行いました。まず、この

Spike-In control

を 用 いて 検 量 線 を 得、 定量性が保たれている範囲を検証したと ころ、今回の実験系では

20

32 Cq

で 直線性が得られました(図

2 a

)。

exoRNeasy Serum/Plasma Midi

あるいは

Maxi Kit

で抽出した各サンプルの

Cq

値 は、検量線で直線性が得られた範囲で 検出され、抽出は成功していることを確認 できました(図

2 b

)。一方、

Total exosome

Kit

で抽出したサンプルは

Cq

32

を超 え、定量範囲内では検出できませんでした。

血清

1 mL

から抽出した

exoRNeasy Midi

Kit

使用時と同じ条件で

miRNeasy Serum/

Plasma Spike-In control

を添加しました が、溶出量が多いこと、濃縮し溶液量を 調節したことなどから、検出できなかった ことが考えられます。

17 19 21 23 25 27 29 31 33 35

10 1000 100000

0 5 10 15 20 25 30

A, Q iage

n M idi

A, Q iage

n M idi

A, Q iage

n M axi

A, Q iage

n M axi

B, Q iage

n M idi

B, Q iage

n M idi

B, Q iage

n M axi

B, Q iage

n M axi

C, Q iage

n M idi

C, Q iage

n M idi

C, Q iage

n M axi

C, Q iage

n M axi

2. miRNeasy Serum/Plasma Spike-In control

の検出

a. Spike-In control

を用いた検量線

b.

各サンプル中の

Spike-In control

Cq

a. b.

copies

Cq(Rn) Average Cq(Rn)

(6)

miRNA マイクロアレイ

シグナル強度

本検討では、推奨プロトコルよりも少な い

RNA

量をラベル化・ハイブリダイズし ていること、エクソソーム由来

RNA

miRNA

含有量が少ないことが予想される ことから、シグナル強度の確認を行いま した。マイクロアレイに搭載されている

miRNA

90 percentile

のシグナル強度 を確認したところ(図3 )、ポジティブコン トロールの

Univer sal uman



RN A

Reference



NA

を除き、全てのサンプルで、 有意なシグナル強度ではないことを示す

0.1

となりました。一方

99



ercentile

では

シ グ ナ ル 強 度 が 観 察 さ れ( 図3

b

)、

miRNA

が検出されていることが示唆され ました。ただし、

Tota

l

xosom

e

it

で抽 出されたヒト

B

2

サンプル のみ、

9

9

percentile

のシグナル強度も

0.1

となりま した。

3

.

iRNA

マイクロアレイで検出されたシグナル強度

a

.90

ercentile

のシグナル強度

b

.99

ercentile

のシグナル強度

0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 65.7

61.0 58.0

55.5 50.1 52.1

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0

A, Q iage

n M idi

A, Q iage

n M idi

A, Q iage

n M axi

A, Q iage

n M axi

A, T otal e

xoso me

A, T otal e

xoso me

B, Q iage

n M idi

B, Q iage

n M idi

B, Q iage

n M axi

B, Q iage

n M axi

B, T otal e

xoso me

B, T otal e

xoso me

C, Q iage

n M idi

C, Q iage

n M idi

C, Q iage

n M axi

C, Q iage

n M axi

C, T otal e

xoso me

C, T otal e

xoso me miR U

niRe f

miR U niRe

f

miR U niRe

f

miR U niRe

f

miR U niRe

f

miR U niRe

f

a.

6.5 8.6 18.4 19.4

4.1 4.0

10.7 10.6 53.9

48.1

0.1 0.1 27.4

7.2 7.2 25.6

2.5 1.8 0.0

10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0

A, Q iage

n M idi

A, Q iage

n M idi

A, Q iage

n M axi

A, Q iage

n M axi

A, T otal e

xoso me

A, T otal e

xoso me

B, Q iage

n M idi

B, Q iage

n M idi

B, Q iage

n M axi

B, Q iage

n M axi

B, T otal e

xoso me

B, T otal e

xoso me

C, Q iage

n M idi

C, Q iage

n M idi

C, Q iage

n M axi

C, Q iage

n M axi

C, T otal e

xoso me

C, T otal e

xoso me miR U

niRe f

miR U niRe

f

miR U niRe

f

miR U niRe

f

miR U niRe

f

miR U niRe

f 1746

.2 1556

.1 1585

.5 1289

.0 1481

.4 1805

b.

.5

90 percentile signal intensity99 percentile signal intensity

ヒト

A

ヒト

A

ヒト

B

ヒト

B

ヒト

C

ヒト

C

exoRNeasyidiit exoRNeasyxiit Tota xosomit miRNA niRef

(7)

マイクロアレイ結果の QC

本検討で用いた

microRNA Spike In

キッ ト(

Agilent P/N 5190-1934

)は、ヒトに は相同

miRNA

が存在しない、人工合成

RNA

の混合物です。

Labeling Spike-In

RNA

サンプルに添加しラベル化反応を行 い、

Labeling Spike-In

に対応したマイク ロアレイ上のシグナル強度を確認するこ とで、ラベル化反応の成否を判断するこ とができます。同様に

Hyb Spike-In

はラ ベル化反応後、ハイブリダイズ時にサン プルに添加することで、ハイブリダイゼー ション以降の実験ステップを評価するこ とができます。

今回の結果では

Hyb Spike-In

は添加した すべてのアレイで基準の

2.5

を超え、ハ イブリダイズ以降の実験ステップに問題 が生じていないことが示されました(図

4

b

)。一方、

Labeling Spike-In

を添加した サンプルのうち、ヒト

B

のエクソソーム 由来

RNA

Total exosome Kit

で抽出し たデータは、

Labeling Spike-In

が検出さ れず負の値となりました(図

4 a

)。

またアレイ内の再現性は

CV15%

以下が 目安となります。アレイ全体のシグナル 強度が低いので、アレイ内再現性が悪く なることが予測されましたが、

Universal

Human miRNA Reference RNA

だけでは なく、エクソソーム由来

RNA

のデータも

15%

下回りました。ただしヒト

B

のエク ソソーム由来

RNA

Total exosome Kit

で 抽 出した サン プル は、 検 出さ れ た

miRNA

数が少なく、正しく計算されず負 の値となりました(図

4 c

)。

-1 0 1 2 3 4

A, Q iage

n M idi

A, Q iage

n M axi

A, T otal e

xoso me

B, Q iage

n M idi

B, Q iage

n M axi

B, T otal e

xoso me

C, Q iage

n M idi

C, Q iage

n M axi

C, T otal e

xoso me miR U

niRe f miR U

niRe f miR U niRe

f 0

1 2 3 4 5

A, Q iage

n M idi

A, Q iage

n M axi

A, T otal e

xoso me

B, Q iage

n M idi

B, Q iage

n M axi

B, T otal e

xoso me

C, Q iage

n M idi

C, Q iage

n M axi

C, T otal e

xoso me

miR U niRe

f miR U

niRe f miR U

niRe f

4. miRNA

マイクロアレイの

QC

a. Labeling Spike-In

のシグナル強度

b. Hyb Spike-In

のシグナル強度

c.

アレイ内

CV%

a.

-2 0 2 4 6 8 10 12 14 16

A, Q iage

n M idi

A, Q iage

n M idi

A, Q iage

n M axi

A, Q iage

n M axi

A, T otal e

xoso me

A, T otal e

xoso me

B, Q iage

n M idi

B, Q iage

n M idi

B, Q iage

n M axi

B, Q iage

n M axi

B, T otal e

xoso me

B, T otal e

xoso me

C, Q iage

n M idi

C, Q iage

n M idi

C, Q iage

n M axi

C, Q iage

n M axi

C, T otal e

xoso me

C, T otal e

xoso me miR U

niRe f

miR U niRe

f

miR U niRe

f

miR U niRe

f

miR U niRe

f

miR U niRe

f

c.

b.

Labeling Spike-Inのシグナル強度アレイ内CV% Hyb Spike-Inのシグナル強度

ヒトB ヒトC ヒトB ヒトC

ヒトA ヒトA

ヒトB ヒトC ヒトA

exoRNeasy Midi Kit exoRNeasy Maxi Kit Total exosome Kit miRNA UniRef

(8)

マイクロアレイの検出感度

各サンプルで検出された

miRNA

数を比 較 するため、

Detected

とコールされた

miRNA

(バックグラウンドとくらべ、シグ ナル強度が有意に差があると判定された

miRNA

)をまとめました(図

5

)。その結 果、若干の差はあるものの、同一人物か ら同じキットで抽出したサンプルでは似 た傾向を示しました。

一方で、同一人物由来でも抽出キットが 異なると検出数に違いが生じることが示 されました。特にヒト

B

のエクソソーム 由来

RNA

Total exosome Kit

で抽出し たサンプルは、

2

回のデータとも検 出

miRNA

数が少なく、前述のマイクロアレ イの

QC

結果と合わせ、サンプル溶液中 に

miRNA

が少なかった、あるいは何ら かの要因でラベル化反応がうまくいかな かったことが考えられます。

再現性

同じ抽出キットを用いた各

6

データで検出 された

miRNA

から算出した

correlation

値を

GeneSpring GX

ソフトウェアを用い て比較しました(図

6 a

c

)。その結果、 同一条件で抽出した同一人物由来の

2

回 のアレイデータは再現性は高く、個人間 の違いが捉えられていることが示されま した。

また図

1 a.

のバイオアナライザのデータ では同一人物由来でも、

small RNA

領域 のみに検出されたサンプルと、階段状の スメアピークが検出されたサンプルがあ りましたが、このピーク形状の違いは、 アレイデータの再現性との関連性は見い だされませんでした(図

6 d

)。

抽出キット間の比較

本検討に用いた、健常人

3

名を

3

つの抽 出キットで抽出したことのアレイデータへ の影響を確認するため、

PCA

を行いました。

PCA

ではマイクロアレイ実験のポジティブ コントロールとして用いた

Universal Human

miRNA Reference RNA

およびラベル化 がうまくいっていないと思われる、ヒト

B

の エクソソーム由来

RNA

Total exosome

Kit

で抽出した

2

データを除き、残り

16

データで解析しました。また

16

データ 中

8

データで検出された

115

個の

miRNA

で解析しました(図

7

)。その結果、個人 間差よりも用いた抽出キットの違いが、 マイクロアレイデータに影響を与えるこ とが示されました。このことから、抽出 方法は比較したい一連のサンプルで、統 一することが望ましいことが示唆されま した。

99 128 128 141

69 76 89 106 223 195

6 12 153

92 111 162

55 47

740 736 766 711 720

0 100 200 300 400 500 600 700 800

A, Q iage

n M idi

A, Q iage

n M idi

A, Q iage

n M axi

A, Q iage

n M axi

A, T otal e

xoso me

A, T otal e

xoso me

B, Q iage

n M idi

B, Q iage

n M idi

B, Q iage

n M axi

B, Q iage

n M axi

B, T otal e

xoso me

B, T otal e

xoso me

C, Q iage

n M idi

C, Q iage

n M idi

C, Q iage

n M axi

C, Q iage

n M axi

C, T otal e

xoso me

C, T otal e

xoso me miR U

niRe f miR U

niRe f miR U

niRe f miR U

niRe f miR U

niRe f miR U

niRe f 747

5. Detected

とコールされた

miRNA

の数

ヒト

A

ヒト

B

ヒト

C

exoRNeasy Midi Kit exoRNeasy Maxi Kit Total exosome Kit miRNA UniRef

(9)

a. b.

ヒトA ヒトA ヒトB ヒトB ヒトC ヒトC ヒトA

1.00 0.94 0.84 0.88 0.80 0.86

ヒトA

0.94 1.00 0.73 0.83 0.71 0.81

ヒトB

0.84 0.73 1.00 0.93 0.95 0.91

ヒトB

0.88 0.83 0.93 1.00 0.91 0.91

ヒトC

0.80 0.71 0.95 0.91 1.00 0.91

ヒトC

0.86 0.81 0.91 0.91 0.91 1.00

ヒトA ヒトA ヒトB ヒトB ヒトC ヒトC ヒトA

1.00 0.99 0.95 0.94 0.71 0.89

ヒトA

0.99 1.00 0.94 0.93 0.68 0.88

ヒトB

0.95 0.94 1.00 1.00 0.70 0.92

ヒトB

0.94 0.93 1.00 1.00 0.72 0.92

ヒトC

0.71 0.68 0.70 0.72 1.00 0.86

ヒトC

0.89 0.88 0.92 0.92 0.86 1.00

6.

アレイ間の再現性

a. exoRNeasy Midi Kit

で抽出したレプリケート間の

Correlation

値(

67 miRNAs

b. exoRNeasy Maxi Kit

で抽出したレプリケート間の

Correlation

値(

75 miRNAs

c. Total exosome Kit

で抽出したレプリケート間の

Correlation

値(

51 miRNAs

d.

ヒト

A

のエクソソーム由来

RNA

exoRNeasy Maxi Kit

で抽出したテクニカルレプリケートのスキャタープロット

(アレイ間補正なし、両アレイで検出された

124 miRNAs

を表示)

c. d.

Log10 signal intensity

ヒト A

ヒト A

Log10 signal intensity

ヒトA ヒトA ヒトB ヒトB ヒトC ヒトC ヒトA

1.0 0.9 -0.1 -0.3 0.8 0.6

ヒトA

0.9 1.0 -0.1 -0.2 0.8 0.7

ヒトB

-0.1 -0.1 1.0 0.9 0.0 0.1

ヒトB

-0.3 -0.2 0.9 1.0 -0.2 0.0

ヒトC

0.8 0.8 0.0 -0.2 1.0 0.7

ヒトC

0.6 0.7 0.1 0.0 0.7 1.0

(10)

結論

最近では次世代シーケンサによる

small

RNA

の解析も報告されるようになりまし たが、解析手法に関わらず、試料となる

RNA

の確認は重要です。

Agilent 2100

イオアナライザ電気泳動システムを用い ることで、エクソソーム由来

RNA

が抽出 できているかという確認や、抽出キット による泳動パターンの違いを検出するこ とができました。またバイオアナライザ のデータが次に続く実験の成否に関連す ることが示唆されました。

アジレント

miRNA

マイクロアレイでは、 通常プロトコルで推奨されている、組織 や培養細胞由来の

total RNA

を想定した 量には満たない

RNA

量でもデータが得 られることが示されただけでなく、個人 間の再現性や抽出キットの違いを捉えら れることも判明しました。エクソソーム 由来

RNA

をアジレント

miRNA

マイクロ アレイを用いて解析することで、迅速・ 簡便に疾患などサンプル特有の

miRNA

発現差を検出できることが期待されます。

参考文献

1. Tanaka M. et al. (2009) Down-regulation of miR-92 in human plasma is a

novel marker for acute leukemia patients. PLoS ONE 2009;4(5):e5532

2. Kosaka N. (2016) Decoding the Secret of Cancer by Means of Extracellular

Vesicles. J Clin Med. 2016 Feb 4;5(2).

3. Tominaga N. et al., Brain metastatic cancer cells release microRNA-181c-

containing extracellular vesicles capable of destructing blood-brain barrier.

Nat Commun

. 2015 Apr 1;6:6716.

4. Delić D. et al., (2016) Urinary Exosomal miRNA Signature in Type II Diabetic

Nephropathy Patients. PLoS One. 2016 Mar 1;11(3):e0150154

謝辞

本アプリケーションノートの作成にあたり、株式会社

DNA

チップ研究所の 上田由美様、石澤洋平様には

RNA

の抽出をはじめ、多大なご協力を頂きました。 ここに感謝の意を表します。

7.

マイクロアレイの

PCA

データ

Color by Kit

Shape by Individual

Total exosome

exoRNeasy Maxi exoRNeasy Midi

A

C

B

(11)

http://AgilentGenomics.jp

本資料掲載の製品は全て研究用です。その他 の用途にご利用いただくことはできません。 このアプリケーションノートの情 報、記述、 および仕様は予告なく変更されることがあり ます。Agilent Technologiesは本書に含まれる 誤植、あるいは本品の性能、または使用に 関する偶発的ないし間接的な損害に関して責任 を負いません。

アジレント・テクノロジー株式会社

© Agilent Technologies, Inc., 2016 Published in Japan, Oct. 3, 2016 5991-7468JAJP

図 2. miRNeasy Serum/Plasma Spike-In control の検出

参照

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